2020/07/22

選手と子供に同情

■選手と子供に同情

達成のみを褒賞とするオレンジパラダイム…というのが、スポーツクライミングの世界にありがちです。

オレンジパラダイムだと、オリンピックで優勝などの達成があるまでキリがない。クライミングだと世界最高難易度を登るまで、全員が敗者です。

(成功)OR(挫折感を抱えてメンタルを病んで退場)か?のどちらかの解しか用意されていない世界に、”頑張れ”の掛け声で、子供を追い込むのは、いかがなものか?と思っていました。 

■ フリークライミングとスポーツクライミングの違い

一応、ご存じない方のために言うと、フリークライミングとスポーツクライミングは異なるものです。

フリークライミングから文化的要素を除外し、達成感の喜びだけを抽出し、極度に安全化したものが、スポーツクライミングです。スポーツとしての要素だけのクライミング、と言う意味です。

子どもたちには、文化的側面も、知的なゲームとしてのクライミングの楽しさも、両方を味わえる環境…せめてグリーンパラダイムな世界(多元的な世界)を残してやりたいものです。

クライミングを日本に広めているつもりで、挫折感を抱え、その克服に一生を費やすような大人を大量生産しないようにしたいものです。

■ 他スポーツでも多くみられる前例

バレエの世界では、上記のような過ちが多く、3歳などの子どもからバレエを習った人の9割は、三羽の白鳥(つまり主役でない役)で自分の限界を感じ、バレエを辞めた後は、一切バレエとの関係を持たないです。つまり、バレエとの関係を断つ…が、挫折を表現していますね。

■ 運動能力が低いとかつて判定された人の穴場

クライミングは、どちらかというと、他の運動で、まったくダメ烙印押された人が、自尊心を回復、というシナリオが多い活動です。

およそ男性らしくない、ひょろっとした(なよっとした?)体格の人に適しています(笑)。

”俺は男だー!”と野郎臭全開の人が登れない課題を、”何が難しいのですか?”と、吹き抜ける、そよかぜのごとく、サラっと登る、さわやか系男子、というのが定番です(笑)。

文字通り、体型も考え方もスマートな方、ぜひトライしてみてください。