2019/08/29

国際交流クライミング@八女、もとい糸島

■ 古民家改修→ボルト基金→外国人ガイド

EnjoyWorksさんのWSに出たことで、

 ゲストハウス構想 → ボルト基金

と転換され、私自身は、古民家を取得したりと苦労しなくてもよさそう♪、ということで、肩の荷もおりたところで、ちょうどタイミングよく、体験クライミング向けの人材から宿泊依頼がきました。それで、ロシア人のゲストを受け入れていました。


■ 意識高い系

ロシアの現代の若者は、意識高い系でした。ロシアが多国籍民族であること、ウクライナの件、強制収容所の話など…ロシアについて、ほとんど無知な私で、基本的に反プーチンなんで、心配していたのですが、現代のロシア人は普通のアメリカ人みたいな感じでした。

日本では50代くらいの感じです。日本の50代くらいの男性で、若いころ海外にいたことがある人と意見が合いそうでした。彼の興味があるのは、基本的に政治情勢でした。

そういう人が日本で観光するには、どこがいいんでしょうね?

■ 自然災害は国の特色

だから言ったじゃーんな海、茶色
今回は、お国柄的に、雨がリスクになるというのは、日本の自然独特なのだと思いました。

これはアメリカの自然災害の脅威のリストです。(ロシアのは検索ヒットせず)

1位:地震(全体の21.1%)
2位:竜巻(17.6%)
3位:自然火災(山火事等)
4位:台風
5位:洪水
6位:干ばつ
7位:強風
8位:雹(ヒョウ)

トルネード… オズの魔法使いですね。

ロシアは自然災害が出てこない…。調べたら、基本的に自然災害が著しく少ないらしいのです。

水道凍結、山火事… なにこれ?野辺山(笑)? 内陸部の問題でした。

要するに、日本の災害シナリオが頭に浮かばないのです。

山が河口と近くて、山間部で雨水で山が削られて、土砂を下流に運び、その土砂が下流の河口部で緩い地盤を作り、というシナリオが頭に入っていないのです。ので、基本的に、能天気で、頭がお花畑系です。

山がダメ?なら、海ならいいんじゃない? みたいな…(笑)

いや、大雨だったら、どっちもダメでしょーって分からないのです…(><) 

■ 管理された自然のことを 大自然だと思っている…これは世界共通か?!

基本的に、外国の自然、アウトドアは、国や国立公園レンジャーの手で人為的に管理された公園です。

つまり、

・トイレが整備され
・電気が来ており
・水源があり
・登山道があり
・木道があり
・小屋がある

とまぁ、要するにオフグリッドの、自分でなんにもしなくて良い版。疑似体験版。

なので、
・トイレは屋外で青空
・電気はないので、ヘッドライト持参で
・水道はないので、サーモス持参で
・無舗装路
・道はなく、歩いたところが道になるんです
・お家は担いで歩きましょう

ということは考えられないのではないかと思います…。山をしていると、何日間かのことですが、野生動物はほんとにすごいな~、これ365日やってんだもんなーと思います。

一番、堪えるのが、水だなぁと心から思います。水がないと人は生きていけない。

■ 水、雨、日本の自然

日本の自然と言えば、雨、つまるところ水が作ってきたものなのですし、そう考えると、日本の固有の、アウトドアのすばらしさ、というのは、



ではなく、



にあるのかもしれません。岩、というのは、乾燥した、ドライな国にあるものでしょう。

アルパインスタイル、という言葉を紐解くと、アルプスを登るためのスタイル、と言う意味ですので、結局のところ、ヨーロッパアルプスの文化が世界に波及して行っている、そのムーブメントの末端を担っているということでしょう…

フリークライミングということになれば、今度は、ヨセミテスタイルです…。アメリカ文化です。

スポーツクライミングということになれば、フレンチスタイルです。フランスの文化です。

そういう、ヨーロッパ、アメリカ、フランスの文化の中で、日本人が新しいアウトドア文化を発信できるとすれば?

それはやっぱり、沢なのかもしれないですね。

お魚釣りもいいのかもですが…沢やとは、仲悪いしな(笑)。

■ 塩田 またいちの塩

今回糸島で訪れた場所で素晴らしいなと思ったのは、Doverさんのアトリエ?と、糸島で塩づくりをされている、またいちの塩、さんでした。


昔ながらの工法で、塩を作っておられ、舐めてみたら、おにぎりの味がしました☆

これは!というおいしさ! 今まで赤穂の塩を使っていたのですが…。私が小さいころに食べていた味は、

1)八女のお茶
2)有明海の海苔
3)ササニシキの米
4)日本のお塩

でした…。私は母から、料理を習っていないので、多くの料理が、料理本であるし、私は20歳でアメリカに行っているので、当時から、海外のお料理のほうがよく作っているのです…。自分でベーグルも焼けるくらいです。なかなかいないですよ、自分でベーグル焼く人は。

しかし、日本の伝統から断絶してしまっている…という悲しさを感じることも多いです。

とくに今回のように、偶然、おいしいものを発見してしまうと…。そうだ~こういう味がおいしいという意味だったんだーと思い出す感じです。

■ 西洋の価値軸で図られて、切り捨てられるということ

というわけで私は日本の良さを知るのに、一押しスポットは、塩田、と思いましたが、ビクター君の反応は、結構イマイチでした…

理由は、タイで天日干し塩の現場を見たことがあるからだそうです。タイの製法のほうが優れていると感じたようです。太陽しか使わないからです。

しかし、それはタイで、日本の製法は日本の製法だよ、と説明しても、どっちが優れているか、合理的か?という発想になってしまうのが西洋人の悲しい性かもしれません。

合理性で勝敗つけるのなら、化学合成に勝るものはありませんけど(笑)? それで色々病気とか作ってきたわけですよねぇ?

これも、なぜ日本では、このやり方でやるほうが合理的なのか?という説明があればいいのかもです。日本人はとても合理的な方法でやってきたはずなので。世界のほかの製法との比較の中で日本の良さを見せてやる、ということです。





海外の人全般に言えることは、

 教えてあげないと物事の価値がわからない

ということです。今回我が家に来て、

一番喜んでくれたのは、アスパラガスで1kgくらい入って399円だったもので、
一番無下に扱われて悲しかったのは、私がいつも飲んでいるスペシャルティのコーヒー豆

です。 

価値が分からない人に高いコーヒー豆をあてがうものではありません… とほほもいいところでした。

■ まとめ

今回は、なぜか

クライミング国際交流もとい 糸島、 もとい沢登り、という結果になりました。

あと、以下は外人さんの案内する際の注意点まとめです。

ジーパン+Tシャツ、スニーカーでOKなアウトドアが求められている

・外国人でネイチャー好きの人でも、リスク管理は甘々。

・日本での災害については知識がなく、津波と地震だけ抑えておけば大丈夫と思っているため、警報レベルの豪雨でも、雨が止んだタイミングで外出したがります。

・海外の人が良く使うアプリでは、警報が英語で表示されることがないようです。

・河口や土地の低い部分など、道路でも冠水が問題になることなどは都市にいる限り認識ゼロです。

・土砂崩れに対する認識もゼロと思います。

・昨日芥屋の大門に行きましたが、レインウェアは貸し出しましたが、下がコットン(ジーパン・Tシャツ)。

これが外人のデフォルトです。ウエアが日本の湿った気候に適していない可能性が濃厚です。

なので、濡れると乾かず、その上から風が吹く(自転車に乗るなど)と低体温症になります。

・アウトドア慣れしている人であっても、海外のアウトドアは管理された環境でのアウトドア(登山道は石畳だったり、木道で整備されている)ので、脚力など期待できません。

・乾きやすい化繊のウエアを下着を含めて着てもらうよう義務付けたほうがよいかもしれません。

・上記のような理由のため、強風、雷、台風については、主催側は用心深く、相手の意見を取り入れないようにした方がいいです。何か文句を言われても、無視する。

・経験上、ここまでの雨でなくても、濡れたままの状態でアウトドアにいるのは日本の場合は不快ですが、海外は湿度が低くドライなので、傘を差さない人がいるほどです。

・コーヒーは安物をあてがうべし(笑)

以上でした☆