2020/01/06

悲報: 九州で見たボルトはNGボルトでした…

■ JFAのリボルト講習会に見学で参加してきました

私がリボルト職人になる、というのは、考えにくいことですが、一応、リボルト講習会に参加してきました。JFA会員は、見学が無料です。

実際は、リボルト講習会に参加するリボルトしたいと考えている開拓者対象の講習の、まぁ、平たく言えば、ついで、だからです(笑)。

聴講だけの人は見て、話を覚えて帰ってね、という状態です。

しかし、それだけでも、非常に勉強になること、うけあい!

■ グージョンボルト 

ケミカルボルトを打たないとしたら、現代で許される開拓用ボルトは、最低限

M10 グージョン 

です。

カットアンカーNG。

しかるに、 1枚目の画像は、M8なのでNG。ウェッジ式というのは、グージョンということです。




このボルトはカットアンカーと言われるボルトで、NGです。

カットアンカーは

・中が空洞で腐食に弱く、
・耐荷重も不足
・後から効いているか確認できない
・岩質や施工者のスキルにより信頼性が大きく変わり、
・10%の出来でも、100%の出来でも施工直後の信頼度の確認ができません

 です



ボルトの見極め まとめ マインドマップ

良いボルトだけを覚えるといいです。落ちていいのは

異種金属を組み合わせていない、オールステンレスの、M10グージョン
施工者のスキルが分かっている、ケミカルアンカー

これら、のみです。あとは全部テスティングが必要です。

17ミリの六角レンチを持ち歩きましょう。

カットアンカーは、時代遅れ

■自己PRしているつもりで、欠点をPRしていないか?

以前、読んだ本に

「長所をPRしているつもりで欠点をPRしていないか」

というのがあった。

最近、見かけたものに、

”読書200冊をして、〇〇に開眼”

というものがある。

私の中学の頃の一か月の読書数34冊とかで、今でも週に10冊は読むので、読書200冊って、全然すごくない。その辺の中高生でも、それくらい読めるよ!な数…。

これこそ、”どうだ!すごいだろ!”と自己PRしているつもりで、欠点をPRしてしまっている事例だと思った。

一方、こちらも同じことかもしれぬ。より洞察力が必要とは思われるが…。

この記録を見た人は、このカットアンカーを見れば、この開拓者が勉強不足の開拓者だということが分かってしまう。

技術的に10年、いや20年遅れというところ、だろうか…。

残念な現実ですなぁ…

ボルトの安全性 情報量少ない

■ 情報量少ない

うーん。やっぱり情報量という意味で、一般クライマーに対して開かれている、とは言えないカモ。

手持ちの本を調べてみました。ボルトについての言及です。

内藤さんのクライマーズバイブル=ゼロ言及

中根穂高さんのフリークライミング=ゼロ言及

杉野保さんのフリークライミング =1ページ


井上大助さんのアウトドアクライミング=4ページ

菊池敏之さんのアルパインクライミング =ゼロ言及

UIAAのアルパインサマー =ゼロ言及


です。

私は情報が得られない!と感じたので、2年前に、こちらに来たときにアメリカの本を買ったのですが、その本は


『Climbing Anchors』というズバリの本ですが、そこには、

 約10ページの記載

がボルトだけについてあります。井上さんによると、アメリカは、リベットかリベットでないかだけで簡単、なそうで、その簡単なケースでも、10ページです。

アンカーだけの本って日本では売っていないですよねぇ?

というので、若いクライマーが勉強不足である、聞きに来ないのが悪い、の指摘は、当たっていないのではないか、と思ったりしました。それでは、若いクライマーに厳しすぎ、気の毒な気がします。

昔はクライマー間のコミュニティが近く、気が付く場がいっぱいあったと思います。

例えば、吉田和正さんが私に良くしてくれたのは、先輩の岩〇さんをご存じだったからです。伊藤さんが私に良くしてくれたのは、師匠の青ちゃんを知っていたからです。師匠の青ちゃんが私によくしてくれたのは、私が栗〇さんの紹介だったからです。

と、まぁこの世界は、ご縁で地続きな世界です。そういうネットワークがないクライマーが、技術や思想などを盗むチャンスがあるかというと無いかもです…。

たまたま近くにあったジムに安全ブックが置いてなくても、そのクライマーのせいじゃないかも…。

でも、クライミングジムオーナーも、「おれんとこボルダリングジムだから、フリークライミングは関係ないよなー」と思うのかもしれません。




2020/01/03

2020 初クライミング

2日に2020年の初クライミングに行きました。今年は、ボルダラーデビュー元年です。

まさか、私にボルダラーな日が来るとは…。驚き!

とりあえず、私は自然の中で過ごすのが、とても好きみたいなので、今は足もイマイチ回復しておらず、強度が高い活動は無理っぽいので、まぁ、この機会にボルダラーのふり?ボルダラーの世界を教えてもらいたい!と。

とてもいい日だった。

岩のコンディションは、あまりよくないようで、朝霜が降りて溶けたおかげで、岩が濡れていた。

今日は、ボルダラー歴の長い方と一緒だったので、色々ボルダーへの知見が深まった。

■ 5級の課題

最初は5級課題へ行ったが、スラブ用のシューズを持って行ったし、左足ハイステップのかきこみがどうしても行かない…お尻を左に移動させると、右足のスメアが聞かなくなり滑るので、そのタイミングを計るのが核心。思い切りの良さ、だいぶ必要。だいぶやってみたが次回の宿題になった…。

メンタル強い先輩は、なんでメンタル強いのか、よく分からないみたいです。説明不可能。

得意なことって、みんなそうなんですかね? 

私が欲しいのは強いメンタルです…

■ 赤松ボルダー 

私は当然登れませんが、赤松ボルダーという、とても有名なボルダーがあります。

これ。てっぺんにいるのは、私です。裏から登りました☆ 


どうです?このロケーション!自然が一杯☆ 妖精とかコロボックル出て来そうです☆

一日、岩のそばをウロウロしているのですが、ボルダーは一発勝負なので、そんなに何度も数打てないため、けっこう暇です。

今は冬だから難しいですが、たぶん、昼寝可能(笑)。

スケッチブックを持って行ったのですが、この写真のほうが、うんと出来が良かった。

■ 掃除&掃除&掃除

今回のボルダーは北面のボルダーなので、ちょっと放置すると、コケがすごいことになるみたいで、コケグレード高し!な状態だったので、ランチ後の腹ごなしも兼ねて、掃除いっぱいしてみました。

掃除グッズは、すでにある(笑)。楽しく掃除できた。掃除ついでにハイステップ練習に良い岩なども見つけました。

ボルダーは、課題は作った者勝ちみたいな感じみたいですよね。吉田さんも私に作ってくれたボルダー、どこをホールドにしても、文句はないみたいでした。

■ Happyになるためのビーガンクライマー実験中

私は、あんまり厳密ではない菜食を続けて30年近くなのですが… コンビニ食やガテンめしが多くなると、どうもあんまり体調がすぐれなくなるみたいで、福岡に来て、買い物する場所が、JAの産直市場から普通のスーパーになり、なんだか買い物の満足度も下がったし、食べるものの質も下がったかも、な感じでした。

年末にThe Game Changerを見て以来、これまでのゆるベジ的な姿勢を猛省…。

これは…(汗)というので、以来、菜食化加速中です。しかし、糖質過剰も良くないらしいです。フルクトースは過剰はあまりよくないらしい。糖質ばかり食べるのも、良くないらしく、ケトン体質の私は、まだまだ研究が必要そうで、色々と悩ましいですね。

この日は朝はお雑煮で、昼はピーナツバターとバナナのサンド。夜は家でビーガンハンバーグ…と良い感じに菜食に暮らせました。コーヒーを辞めて豆乳ラテにすべし、だな。

■ 筋肉痛

けっこう全身疲労したみたいで、帰ったらけっこうくたびれていました。年賀状の写真にするために、こんなのをしたからです(笑)


フラッギング中。見つけたぞ!良いムーブ!なのに、それが実行できないという…左手は利いているので、振って、取れそうですが…。フラッギングって、力いるんですよね。まぁ、インサイドフラッギングより、アウトサイドだから楽なハズですが…。これは、数打てば、できるようになるかもしれない課題です。前にこんなのをジムでやっていたような気がします。

足の肉離れ、&膝の脱臼で使えない右足…右足がいらないムーブって素晴らしい!

右足は、肉離れの断裂痕を感じることができる…(汗)どうしたら、これ回復するんだろう???

…のに、パワー不足で取れない右手ガバ…。左手一本、左足のヒールにぶら下がるのまでかろうじて、できていますが…。

なんとか、ぶら下がれたの図。

注: 決して登っているわけではありません(笑)

この課題、下からつないだら、v9、上だけでも、1級の課題ですからね~

1級はThe Earth Directです。

私にとっては、引付筋強化課題。

何秒ぶら下がれるかを計るって感じ。

しかし、加齢で、筋肉痛が来るのが遅く、
一日遅れで、今日、腕の内側が痛いです…。

しかし、まがりなりにも3級や1級に触っているとは!しかも、一応離陸できているとは!! なんだか知らないが、なんかちょっとうれしいぞ!

ボルダーはパワー要りすぎて、あまり数打てず、最初の5級で、左手の薬指が痛くなった。 



帰り、実はVIPとお会いする約束がすれ違いで流れて残念…。

しかし、今の私のヨレ具合では、飲みに行ったら、速攻で舟をこいでいたかもしれず… これで良かったのかも。

ワイン、1杯というかグラスに3cmくらいで、けっこうお眠モードです…。

おかげで見れた美しい夕焼け。

どうやったら引付け筋、つくんでしょう??私はアイスクライマーなので、脇を閉じたら、それなりに引き付けられるんですが、開くと一瞬で落ちます… どこの筋肉につながっているか?も全然感じられない…ロックはできるのですが、ロックの後、一手が出ないです。何をしたらいいのか?分からないので、全然前進しない…。ジムでは5級の壁で糞詰まり中で、できるのはできるし、できないのはできない…

というので、筋トレが課題。水泳でバタフライができたらいいのかなぁ…

これがボルダーの身体イメージ。バレエは拡散するが、ボルダーは凝縮する。










これ、なんの葉っぱ?シダ?
 山でも、健康に過ごすために、こんなのをぽちっていたのだが、11月ごろに注文したのに、届いたのは今日…。なんで?

こういうレトルトがあると、山では楽です。



は食べてみた図。根菜は、けっこう小っちゃかった。

ペミカンカレーが、結局、いいのかなぁ…。


■ 次回課題 お風呂マット

私はボルダリングのマットはメトリウスの一個なので、

お風呂マット

を買おうかな~と思います。

2019/12/31

Japanese Carrort and Western carrots

We see rarely Japanese carrots these days.  

The red one is Kintoki carrot that we use for Ozouni、

We say the carrots, Western Carrots but in the U.S. this is not the carrots you will see in the Safeway...


日本では西洋ニンジンというけれど、じゃ、和ニンジンと言うか?というと言わない。

金時ニンジンは、日本でもお正月にしかお目にかかれない。


アメリカのにんじんは、細長ーい。 ので、同じ料理のレシピでも、

人参一本

って書いてあるときに、なんか量が変…と思ったら、レシピに従うより、変だと思う自分に従ったほうがいい。

ちなみに、これはニンジンよりも、キュウリでかなり高頻度に遭遇する事態だ。トマトも、かな。アメリカのトマトは細長いサイズだったりする。

■ 自分を信じましょう

山も同じだ。5.9って書いてあるときに、え~マジ?!5.9なのこれ?と思ったら、大体、トポのほうがおかしいことが多い(笑)。

基準は自分。なぜなら、落ちた時、困るのは自分だから。

ナルシストクライマーの作られ方

■ナルシストは作られる

これはFBで回ってきた心理学の話です。

クライマーに多いナルシスト。

かっこいい自分を見て、うるうるしているのは、結構、普通のようですが、一般社会より、ナルシスト出現率が高いのがクライマー界。詩織さんをレイプした山口氏もナルシストのような気がしますが…。

 ナルシストは、作られる、というものだそうです。

■ オーバーインダルジングとアンダーインダルジング

さて、作られ方とは?

オーバーインダルジング(過剰な甘やかし)とアンダーインダルジング(十分でない甘やかし)を行ったり来たりすること、によって作られるそうです。

ーーー
・かっこいい
・達成
・ステキなバケーション
ーーー

については、オーバーインダルジング。過剰に承認。

ーーー
・感情
・一緒にいて心の安全基地になること
・相手を気に掛けること
ーーー

については、アンダーインダルジング。過小に承認。

これを繰り返すことによって、ナルシストが作られるのだそうです。

まさにインスタやFBの”リア充”によって作られているのかも??

例えば…、

ママがサッカーの試合には来てくれて、写真を撮りまくり、”うちの子、かっこいい!”とインスタに一杯上げてくれるのに、”家でママ見て~!”と言ったときは、”今、ママは忙しいの”、と放置プレイされる = ナルシスト養成

なのだそうです。

■ オーディエンスの質

ならば、スポーツクライミングでの、選手の作り方にも気を付けないといけませんね。

昨今の山雑誌は字数がすくなく、写真ばかりになって、記事の内容も、選手の感情、人間的な成長にスポットを当てず、つまり寄り添っておらず、達成した偉業ばかりを取り上げることが多いです。

寄り添いがなく、プレッシャーが大きい。

昔の山やさんは、プロセスが大事と言ったものです…。結果だけを大事にしてはいけない。

そういう意味で、選手を育てる側、オーディエンスが何を聞きたがるか?というのは、とても大事です。

選手や有名クライマーの心のほうにより耳を傾け、成果のほうを巨大視しないようにしましょう。

能力は人それぞれ。

10m登るのもやっとの人が20m登ったら、努力は200%。
100mくらい平気な人が10mしか登らなかったら、努力は0%。

やっとこさ登った人の小さい登攀の価値が、楽々で大きい山に登れる人の登攀の価値に劣る、とは言えない。

努力にも価値を認め、結果しか認めないのを辞める、というのが、全員が努力する世界の出現に必要なことです。

2019年の反省 クライミングに関わる商売はクライマーがすべき

■今年の反省

正直、ゲストハウスをすでにやっている人にクライミングをアプローチするのは間違っていた。いくら岩場の近くにクライマーの泊まりに便利な場所があっても、だ。

2件のゲストハウス、どちらの人も、クライミングガイドに仕事を回すのではなく、自分がガイド役をできると、安易に考えてしまう

クライミングは命がかかるアクティビティで、にわかガイドがやれるようなガイディングなんてない。そこが商売としてクライミングを見る人には、皆目見当がつかないし、分からない。

その温度差…、無知の安易さと安全を重大視する感性、は、ちょっとしたお使いと南極探検くらいの差があるかもしれない。

それは、私は前年の岩根山荘のバイトで理解してしかるべきだったのだったのだ…。岩根はクライマー御用達の宿だが、宿の人は、おかみさんはともかく社長の上田さんであっても、自分は登らないため、クライミングのリスクについては、ほとんどまったく理解してない。話に聞いている、聞きかじりレベル、理性で理解しているだけだ。

だから、バイト君にクライミング歴1か月の男子でも、クライマーだ、と思ってしまう。彼はクライマーになる途上でクライマーじゃない。1か月なって一番あぶないころだ。

私が組めないのは理解できない。その彼だってクライマーと思ってしまう…。教えればいいだけだと考えてしまう。クライマーになるとは、そんなものじゃない。それは言葉では伝えにくい。あれやこれやと表現する人がいるが、あれやこれやを理解するのに、5年くらいはかかるものなのだ。

そういう温度差があることをひと夏の経験から、自分が痛い目にあって理解したハズなのに。その痛みに鈍感だったのか?そうとも思えないが、今年も、気が付かず、前進した…のが、膝の脱臼につながったのかも?まぁ、考えすぎか。

クライミングに関わる商売は、クライマーがすべき。

というのが今年の結論かな。

2019/12/30

Canvasback? 


■ オオホシハジロ

オオホシハジロ君。

室見川河口で遭遇。

アラスカから飛んできたのかな~? 

ツートンカラーが珍しいと思ったので激写。

そしたら、けっこう、貴重な出会いだったらしい。

餌をおねだりに来る様子から、慣れているのかなーと思ったので、そんな珍しい渡りとは思わなんだ。

http://bird-muromi.sakura.ne.jp/zukan/kamo/oohoshihajiro/oohoshihajiro.html



https://www.birdfan.net/pg/kind/ord05/fam0500/spe050032/

2019/12/28

2019年のまとめ

2019年も良いクライミングでした☆ 32クライムでした。遠征中は数に入れていないのでこれより量的には少し多いハズ。まぁ月3回行けているかな?

肉離れ&膝の脱臼という怪我をした割には良いほうでは?

先ほど、まとめ終わりました☆ ()の数字は記事数です。
►  1月 (16) 6クライム
►  2月 (14) 5クライム
►  3月 (15) 2クライム 肉離れ@岸良
►  4月 (6) 登攀はお休み 一日中ベッドの中
►  5月 (9) 1クライム 登攀はお休み 
►  6月 (20) 3クライム
►  7月 (16) 3クライム 大阪クライミング
►  8月 (26) 夏の遠征 志賀 + 3クライム大阪
►  9月 (4) ゲストハウスでバイトでお休み & 膝脱臼 & インスボン  
►  10月 (45) 3クライム リハビリ
►  11月 (5) 膝の脱臼でお休み
►  12月 (13) 3クライム 外ボルダーデビュー中

記事数は情熱の量が分かるのです。10月は、打撃の月で自分を癒すのに相当苦労しています…

2019年は、フィジカルアップの年にしたかったのですが、フィジカルダウンの年になってしまいましたね。トホホ。

肉離れ、膝の脱臼、肩、と故障続きです。良い生活習慣が必要と言うことですね!

頑張ります☆

良いニュースは

 HappyRock(仮名)というウェブサイトのプランが固まったこと

 子供とのクライミングは得るものが多い

 ボルダーもなかなか楽しそう

 The Cragの翻訳者として仕事がスタートしたこと

 トレーダーとしてのスタートがなんとか切れ、夢であるフレッド・ベッキーに一歩近づいたこと

です。

クライマーとして、快適範囲を広げる、ということを考えています。















『ロットプンクト』レッドポイントの意味

■ 勝つことだけが至上

『ロットプンクト』を見ました。

を見ました。2つのことが分かりました。

1)西洋社会の歴史の先端を行くヨーロッパ…は、気の毒なくらいの競争社会だということ。そこで、歴史のトップを走る若者… この場合、アレックス・メゴス君ですが… は、必然的に競争に生き、勝たない自分が許せない。それほど自尊心が低いこと。

2)そういう社会がヨーロッパ社会の基調で、ヨガもその解毒剤として使われていますが、解毒するより、もしかして、火に油を注いでいるかもしれないこと。

■ ラオスでバケーションの人と強化合宿の人

ラオスに行くと、岩場がドイツの人の開拓というのもありますが、ヨーロッパの人が多く大陸文化を感じます。アメリカにいる頃も、アメリカ人よりむしろヨーロッパ人のほうが、日本人の私とは感性が近く、イタリアやポーランドの人とより感性が近かった気がしていました。オーストラリアなどの新大陸の人は、みんないい人ですが、怠けものすぎ?みたいな???

あ、話がそれましたが、ヨーロッパの歴史は、競争で進化してきた。

それは、アレックス君のようにクライミング史を塗り替える使命を背負った人にとっては、勝たねばならない、弱い俺なんか価値がない、と自分を奮い立たせること、となる。

彼は世界最難を登るまで、弱い自分は許せない。だから、登る。だから、激しいトレーニングにも耐える、という論理構造なのです。

うわ~、大変そう~!

しかも、分かりやすいけど、その考え、間違っているし!

弱い人間に価値が無かったら、世の中の99.999999…...%の人、価値がありませんね!って話になってしまいますから(笑)。

そういう価値観だと本人も生きるのが大変になっています。その証拠に、彼には、メンタルトレーナーが24時間体制でバックアップしていて、クライミングよりメンタルが課題…。これはかっこいいんじゃなくて、かっこ悪いわけですね。

自分がしたいことをするのに、3人も4人も他人を巻き込まないとできないわけで。まぁ、それも弱さを受け入れていることなんだ、と言えばそうですけど、そういう自覚があるとは見えない。彼のコーチはクライミングのコーチじゃなくて、癇癪をおこして泣く子をなだめる、お母さん・お父さん役を精神科医がやっているだけです。大人だから、もう癇癪を起して泣いたりはしないですけど、メンタルの状態は一緒です。

それでメゴス君が気の毒になりました。そのままで君は価値ある人間なんだよって言ってあげたくなりました。

あとコーチも気の毒に。私はそういう立場にだけは立ちたくないなー。誰かの精神のトイレ役じゃんね。

二つ目に気が付いたのは、ライフスタイルです。

私はラオスにいるときは6時前に起きてヨガし、朝食は一番乗り、みたいな生活で、9時前には岩場でいそいそと出かけており、イメージは、強化月間!!でした。

が、多数派は、バケーションに来ているので、のんびり起きて、のんびり登るということで、私みたいに強化月間な人は、ごく少数でした。

だから、つよつよ君が組みたがってくれたのかなと。ビレイは交代なので、パッパ登りたい人と、だら~としたい人では合わない…。なんで私に来るのよ、ヤダなーと思っていたのですが、すみません!

ヨガは一般的には東洋の思想を西洋社会に伝えるものですが、西洋での解釈が、ヨガが本来、求めてきた解釈と違っているところもあります。特にアシュタンガヨガでは、それが強くて、アクロバティックな競演になっています…。

インド人の先生たちが、”そうじゃなーい!”と声を荒げそうです。インドの本場ではジャンプバッグ禁止だそうことでした。ほっとくと、これ見よがしの競演になるからだそうです。そういう人たちに教えないといけないのは、秀でることではなく、調和すること、自分のしたいようにすることではなく、先生に従うこと、です。

ヨーロッパ人種がもともと好戦的な人種で、それが故に、彼らはそういうポーズの見せびらかしを、まぁ、楽しくてやっているので、仕方ないのだと思います。ヨーロッパ文化って、略奪の文化なので。

なので、アレックス君がヨガをしているところが出ているのですが、ただの肉体トレーニングに成り下がっているので、全くヨガとしての効果が生まれていないのは、ヨガの先生だったら、私ではなく誰が見ても分かるなーって感じでした。アーサナ、できるからやっているだけ。

というので、なんだかなーな映画でした。パタゴニアは何を広めたいのでしょうか(笑)?

■ 献身とサレンダー

ここには、お百度参りのように、岩に献身する、自分を捧げる姿はなく、自然環境との調和的ライフスタイルもなく、あるのは、ただエゴと岩との闘いに、現在のところ、勝っているよ、って話でした。

ギュリッヒの後継者が、メゴス君なのだということは分かりましたが、メゴス君を子供のお手本にしたい!という親は少ないだろうと思います。

親が与えてやりたいのは、ありのままの自分を愛せる自尊心ですし、幸福は、満足と感謝にあるからです。

この映画は、主に、”不足”に注目することが主の映画でした…、パワーが足りない、強さが足りない、〇〇が足りない、です。

なんか気の毒で、若い人だから、その価値観から救ってあげたい!と思ってしまいました。

■ 才能や能力の不均等な配分について

才能や能力と言うのは、一般に公平には分配はされていない。

ので、たまたま恵まれてしまった人は、それを自分のものだ、と思わないで使うと良いです。これはおそらく富も同じです。

”自分”、と、”それを見ている自分は別”、ということです。

クライミングの才能がある”自分”を見て、コーチの目で、愛してあげるというのが、”それを見ている自分”が持つべきあり方です。そうすれば、もっと楽に努力ができるようになると思います。

■ レッドポイントの意味

東洋的には、レッドポイントっていうのは、ほとんどお百度参りと同じです。プロセスに価値がある。 10回かかったんだなぁとか。16日間かかったんだなぁとか。

西洋的には、レッドポイントって、「勝利宣言」…(汗)。 なんだかなぁ…。





2019/12/27

2段の世界、1級の世界、5級の世界…筑紫ボルダー

筑紫耶馬渓にボルダーに行きました!楽しかった。

というか、また知見が広がって、岩とのお友達度が上がり、非常に勉強になりました。知的探求心が満たされ、満足。

■ 分かったこと

ボルダーの世界のスタートが1級からということが分かりました(笑)。 

なんでエイハブ船長が基準やねん~と思っていました…。

なにしろ、エイハブ船長って1級。 9割の人が関係ない世界じゃーん? クライミングジムで登っている人の9割は、1級登れないと思いますけど…。

でも基準が1級のエイハブ船長ってことは、要するに、1級以下は、まだデビュー前と言う感じなんだろーなー、と伺えます(^^;)。

■ フリークライミングは、5.9以上の世界

これはデジャブー感がある景色でした…。

『我々はいかにして岩に…』という菊池さんが書いた本を、以前、風邪で大熱出しているときに暇すぎて、読むことになり、フリークライミングの世界を知ることになりました。あの本はホントに読んで良かった本です… 私のKindleデビュー本です。

2年半もかけてやっと5.9がオンサイト出来るようになった時、当時所属していた山岳会の先輩が「今からフリーだね!」と言ってきました。

え?これまでもクライミング、頑張ってきたと思っていたのに???

しかし、クライミング講習では、ナインアンダーとナイン以上は明確に区分があります。

ナインアンダーの人は、まぁ、日和田とか、三つ峠の易しい課題とか、いわゆるゲレンデで練習です。ここがいうなれば、大学1年生レベル。ここで通い倒すことができないので、多くの人は、外岩ナインアンダーの時期を適切に過ごすことができていないかもしれない。私はこういう岩場に行くと、ウルウルした目で見られる側です。なんか困ったなー。

大体、この世界(フリーの世界)では、5.13になるまで、延々と課題を難しくしていきます…ので、クライミングを始めて、2日目で、5.13登れちゃったみたいな人は、全くフリークライミングが楽しめない…。すぐ辞めていきます。

■ ボルダーの世界

外ボルダーの世界は、これとフラクタル(相似形)というのが、今回、私が分かったことでした。

行ったのは、2段のボルダー(笑)。とりつくしまなし…。

ボルダリングのグレーディングの基準は、全国的には エイハブ船長1級 です(笑)。


去年一緒に登ってもらったハッシーは、2段の中ではお買い得で易しいと言われている親指岩下のボルダー”8月”に取り組み中でした。

”2段かぁ…あな恐ろし”と、思っていました(笑)。それは間違っていましたね。

世界はV16とかですからね。日本の強つよクライマーはV10とかです。

ボルダラーでは、V8は、ハッシーみたいな若い男子が登れて当然なグレードみたいデス。

■ ちなみに ワタクシは?

私はそのとき、隣の4級のスラブをしたのですが、登れてうれしかった。ボルダーでは初4級。

私は、デシマルで5.10a~b、フレンチグレードでは、5c~6Aくらい、インドアジムでは6級~5級なので、ボルダーだと4級が登れるくらいになるハズで…、

おお!大体合っている…。

Vグレードは、V0からスタートなので、私もV0からスタートしようと思います。すぐ終われるといいな~ たぶん、V3、V4くらいで行き詰まるハズ。

これは、40代でクライミングを始めた人の普通みたいデス。

■ 筑紫耶馬渓 上の段

行って見たら、とても、かぐや姫な岩場でした。



ああ~ こんなの昇仙峡でみたことある~ って感じのどっかぶりの強傾斜の岩

岩自体には、名前がついていないみたい。こっちの人は岩には名前を付けないんですかね?

一緒に行ってくれた人も、登れない…(笑)。

”だって2段ですよ?な世界”ですが、これが将来の目標値である、登れると思うから、将来に向けて偵察なんだろうな~と。そして、その感覚は合っているようです。

普段、1級のボルダーが登れる人ですが、まるで歯が立たない。クライミング、乗り越えるべき課題は、人それぞれ、ですが、うっすら乗り越える線が見える、それは共通なんだ~と思いました…。

お互いに登れるグレードは違うけど、直面する課題は一緒だね~フィジカルアップか~

と感慨深いな~と思って見ていたら…、

助っ人、強つよクライマー君がやってきてくれたのです♪ 有段者。

ムーブを見せてくれたので、なんとなく、分かった! 彼を見て、なるほどな~!と思いました。

私は、浮アンダーで出てきた、トウフック+押し下げ=体浮く、の法則を思い出しました。

■ 5.12の世界(1級の世界)

大体、昔の山岳会のリーダーたちは、最も強い最盛期で、5.12をギリチョンで触る力があり、そのラインが、アルパインクライミング…つまり山岳地帯で、何が出てきても、どうにかこうにか、なんとかできるという一線のようでした。

ちなみに、私には到達は不可能なレベルと、白亜スラブに行って分かり、しばらくハートブロークンでした…。

私は山が好きで、アルパインで何とかなることを目指していたからです。

もう私にはアルパインルート登り放題はないことが判明。

なぜオールドクライマーが花崗岩の易しいマルチに限定して登っているのかもすっかり分かった…ので、すっかり、もう頑張らなくてもいいんだ‥‥という、お気楽クライマーモードでした(笑)。目標を失った感じですね。

ちなみに一般に若い男子が、ギリギリボーイズに参加するとして、その入門資格が、

 セカンドでも、5.12、40kg歩荷

というところだということですが、これは昔はトップクラスのリーダーさんの技量です。牛後は鶏頭ってことです。

■ 余談 2軍レベル 5.11の世界

私のいた〇坂山岳会の先輩たちは、なんとか努力して5.11を維持しているクライマーたちで、そうなると、厳冬期に新人を連れて赤岳主稜に行くのは、難しいのです…ので、私は単独で阿弥陀北稜に行くほうを選びました。(ちなみに今のスキルだと、セカンドで中山尾根に行って、後輩を連れて行けばいいみたいな段階です)

先輩たちは会では2軍というか第一線はなくて、あとは楽しく登れるところを登ろうねってクラスです。多くの元山やの男性クライマーが落ち着くレベル。 頑張ったら11.

私はまだ5.11は登れないですが、5.9は大体確実です。ので、そう言う人は阿弥陀北稜はゆとり付きです。ゆとりの幅が、アルパインでは、外的要素に負けない分余分に必要。

まぁ3軍ですね。会の中では、新人担当でちょうどよいです。

今一緒に登ってくれている先輩は、10年かけて5.12まで来た男性ですが、じっくり努力で来た人の、標準的な感じかなーと想像しています。このレベルで1級。会だとロープをあげてくれる頼りになる1軍です。

導き出せるのは、

5.12=大体1級 ボルダーはこのレベルの人から始まる

です。

私は歩きだけの時代も入れて8年くらいで今のところに来ているので、まぁ、女性山ヤとしては、標準的な成長速度と思います。ごくごく普通。

50台でスタートした女性クライマーだと5.11は超ギリチョンみたいです。私はフィジカルの克服とメンタルの克服で、5.11までは行けるような気がします。あと2年しかタイムリミットがないですが(笑)。

■ 5.13は もはや普通

そのアルパインの世界のワンランク上がフリーの世界で、5.13は、もはや若い男性の間では、

  (頑張りは必要だけど)誰でも到達可能なんじゃないか?

というグレードになっています。クラックと系統が違うクライミングではありますが、当時世界最難であったMars(マーズ)5.14aが、1989年なのです。

それ以前を調べると?

世界初の5.13は、1978年、約40年前です。アメリカのレイク・タホにある Grand llusion(5.13b/c)が、世界初の5.13ルートで、13歳の男の子、ミルコ・カバレロ(Mirko Caballero) がトライしています。(余談ですが、このラインでトニーがハングドッグのスタイルを持ち込んだとされています)

ちなみに、レッドポイントでの初登、1988年の鈴木英貴さんと10年後です…つまり、若い人が能力のピークでやっとこさ登った課題を円熟クライマーがRPするのに、10年。

今では5.13を登るクライマーは、多いとは言いませんが、近所で発見できるレベルです。私もお一人5.13クライマーの知り合いがいますし、ラオスに行ったときも、チェンが頑張れば、5.13に届くそうでした。めっちゃ通わないとダメだそうでしたが。

つまり、昔の天上人の話が、今では市井の人です。世界で一人しかいなかった人が、100人か1000人かに増えた感じ?

さて、吉田さんのMars5.14aは、世界初5.13台の約10年後の1989年の登場です。

となると、めんどくさいので数字の端数を端折ると

5.15a 2000年
5.16a 2010年
5.17a 2020年

な計算になることになります(笑)。今の世界最難は、5.15dのアシマちゃんか、アダム・オンドラ君だと思います。

ボルダーの世界は、こうした世界と直接つながる世界です。

が、今の市井のすごい人はたぶん、有段者。世界に羽ばたくには、有段者であるのは、ただの通過点ということですね。

■ ボルダーは突破力

ボルダリングは、リードとは違って、下部に核心があって、後は簡単であることが多いです。下部核心はリードでは危険ですが、ボルダーではむしろ安全。

ので、インドアトレーニングを外でやる気分でボルダーにぶら下がり健康機気分でぶら下がるのがいいのかもしれません。

私は、岩の絵を描くのをちょっとやろうかなと思います。小さいころお絵描き得意だったので…

何気にボルダーは、暇です(笑)。何度もトライしてもよれるだけなので。