2025/10/23

AI修正版:初心者に親切なトポを。日本の岩場とトポの問題点

トポの意図的サボタージュ

1)事故隠ぺい体質が「利得」となっている構造について

日本のロッククライミング界には、事故を隠蔽する文化が根強く存在する。
その背景には、「事故が公になると岩場が閉鎖されるかもしれない」という恐れがある。
そのため、地主や行政に知られては不都合な情報は、意図的に伏せられる傾向が強い。

結果として、事故への正面からの対策は後手に回り続けている。
そもそも「事故がなかったこと」にされてしまうため、改善が進まないのだ。

この点で日本はアメリカに大きく遅れを取っている。
米国では、AAC(American Alpine Club)が毎年「事故調査レポート」を冊子として公表しているが、日本ではそのような取り組みは行われていない。

日本では、岩場で起きた死亡事故が警察の統計に載ることはあっても、クライミング界に共有されることはほとんどない
そのため、同じ場所・同じ原因で事故が繰り返されている。
例えば関西の有名ルート「斜陽」では、少なくとも6件の重大事故が発生していると聞くが、トポにはその旨の記載が一切ない

このような情報欠如の中で、そのルートを安全に登るためにはトップロープを張って自動化登攀にするしかない。
しかし、それでは、オンサイト(初見)という理念からどんどん離れていくことになる。


グレードとリスクのミスマッチ

問題の根本を一言で言えば、

「そのグレードを登る人にとって、課題に設定されたリスクが不相応である」
という点に尽きる。

初心者向けルート(例:5.9)には、登攀技術レベルに対して過剰なリスクが設定されている一方、
上級者向けルート(例:5.12)では、ほとんどリスクが存在しない
つまり単純化すれば、「5.9は危険で、5.12は安全」という逆転現象が起きているのだ。

この構造が、ジム上がりのクライマーとの遭遇時に、事故を生む必然となる。
なぜなら、ジムでは外岩のリスクを学ぶことができないのに、
「自分は高グレードを登れる」と錯覚してしまうからだ。

本来、ジムと外岩のグレードシステムはまったく異なる。
しかし、その違いが明示されることはほとんどない。


「低グレード=危険」が理解されにくい理由

私はジム上がりではないが、同じく外岩育ちのクライマーと登る中で感じたのは、
低グレードほどリスクが高くなるという現実を理解している人が非常に少ない、ということだ。

例えば、山梨のあるアルパインクラブで出会った男性クライマーも、
「グレードが低い=簡単で安全」と無意識に思い込んでいた。
実際には、低グレードを限界ギリギリで登るほうが、より大きなリスクを背負っているにもかかわらず。

その理解の欠如が、心理的な挑発構造を生む。
低グレードを登る人を「臆病者」と見なして嘲笑する者が現れ、
バカにされた側は意地になって無理をし、結果として事故が起きる。

この心理は「自分は臆病者ではない」と証明したい欲求と結びついており、
フリーソロのような極端な記録行為にもその影が見える。
しかし本来フリーソロとは、恐怖を克服する行為ではなく、ムーブが完全に自動化されている証に他ならない。


なぜ低グレードのほうが危険なのか

この「無理解」の根本原因はどこにあるのか。
私のメンターであるクライミング歴40年のクライマーの観察から導くと、
最大の要因は——フォロー経験の少なさである。

フォロー(セカンド登攀)は、リードクライマーの動きを追体験するプロセスだ。
この経験が乏しいと、相手のリーチやホールド距離に対する理解が育たない。
つまり、「相手の身体条件で見える世界」を想像できなくなる。

その結果、トポの作り手も利用者も、実際にどの層にとって危険なのかを見誤ってしまう。
こうして、事故を誘発する「トポの意図的サボタージュ構造」が温存されているのだ。

なぜ低グレードのほうが危険なのか

マルチピッチでのフォロー経験が少ないと、プロテクション回収作業がないので、相手の身体特性やリーチの違いを実感として理解できない

自分の身長やリーチでは容易に届くホールドやプロテクションでも、フォローで登ってくれる相手にとってはギリギリ、もしくは手が届かないことがある。


その「差」を体感しないままショートルートを設定すると、平均的でない身長のクライマーには過大なリスクを強いるルートが生まれる。

このようなバランスの悪いルート設定が、特に低グレード帯に集中している。


なぜなら、低グレードは「初心者でも登れる」という前提で、とくに課題の内容が吟味されていないからだ。ランナウトは当然視されている。初心者にとってリスクがあることを意識せずに「とりあえず簡単な課題を」と設定されがちだからだ。ボルト間隔については盲点化している。

しかし実際には、初心者こそフォールコントロールやセルフビレイの技術が未熟である。
そのため、5.9クラスのルートでも、フォール時の地面衝突リスク(グラウンドフォール)が極めて高いケースが少なくない。

それだけでなく、グレード自体も日本の5.9には、5.9~5.12まで全部が含まれているのだ。


「危険を知るための情報」が欠落している現実

こうした構造的問題をさらに悪化させているのが、情報の欠如である。
トポ(ルート集)は、本来「岩場の安全情報を共有するための手段」であるはずが、
日本では「問題を隠すためのフィルター」として機能してしまっている。

事故歴や注意喚起がトポに記載されていないことで、
クライマーは現場に立つまで危険性を把握できない。
そして、事故が起きても「報告しない」「書かない」「聞かない」という沈黙の連鎖が続く。

結果として、トポそのものが意図的なサボタージュ(妨害)装置のようになってしまっている。
安全情報を隠すことで岩場の存続を守っているように見えて、
実際には、クライマーの命を削って岩場を延命しているに過ぎない。


「岩場を守る」という名の矛盾

岩場を守ることは大切だ。
しかし、「事故を隠すこと」と「岩場を守ること」は同義ではない。


むしろ、事故情報を共有し、再発防止策を積み上げていくほうが、
長期的には岩場の信頼性と存続を支えるはずである。

それでもなお、現場では「波風を立てないこと」が最優先される。
こうして、沈黙の文化が制度化されていく
事故が起きても誰も公に言わない。
そして次のクライマーが、同じトラップにかかる。


結論:構造的サボタージュからの脱却へ

事故を「個人のミス」や「不運」として片づける限り、
この構造的なサボタージュは終わらない。

必要なのは、次の三点だ:

  1. 事故情報の公開と記録の体系化
     AACのように、事故調査・報告を継続的に共有する文化を育てる。

  2. 低グレードの安全性再評価
     初心者時が最も危険に晒される現実を前提に、ルート設定とトポを見直す。

  3. クライミング教育に「フォロー経験」やリーチの理解を必須化する
     リスクは万人に同じではない。他者の動きと危険を理解することは本人のリスク理解を深めることにもなるはずだ。

岩場を「聖域」にするのではなく、人間の失敗も含めて記録し、学び合う場所にしていくことが、真の意味で岩場とクライマー双方を守る道である。


今日のNOTE:誰と登ると安心か?で登る

私は、7歳、15歳、48歳で希死念慮が出て、人生で3度鬱になっているのですが…今は3度目の回復期です。かいつまむと1回目は、親が離婚し子どもの心の安全基地が侵されたため、2度目は自覚ができる燃え尽き、3度目は悪性貧血で身体性でした。鬱型性格で作った身体化でした。自分を追い詰める思考法を持っていた、ということです。


3度目の鬱で特徴的だったのは、言語能力を獲得する前の赤ちゃん期に父親に水に落とされたトラウマが、映像でフラッシュバックするようになった、それはクライミングで起きた、ということでした。これは明らかに潜在意識からの”警告”のメッセージでした。

で、どういう警告か?ということですが…当然、「あの時のあれだぞ!」です。目を覚ませ!あの時のあれだぞ!

そうして、大事なことに気が付いたのですが…何から目を覚ませ!と言っているのか?

それは、「こいつは弟じゃないぞ!」でした。この第二のメッセージをきちんと消化しておかないといけない…とふと思いました。

父親から愛されなかったこと

私の人生の悲劇、心の傷の、最初のものは、”父親から愛されなかった”ことでした。残念なことですが、考えの浅い若い男性だった父親に、まだ言葉も話せない時期に水に突き落とされ、溺れかけたのです。これはずっと忘れており、気が付かなかった記憶です

私は子供時代、とても水が怖く、頭を下を向いて洗うことができず、8歳までギャン泣きになってしまい、上を向いて洗うのに、母に洗ってもらっていました。母は、あるときシャンプーハットを買ってきて試してみたんですが、私がやっぱりギャン泣きになったので、ため息をつきました。その顔には、”まだだめか…”という心の中の声が書いてありました。それが8歳。7歳のころ、母にプールに行くように言われましたが、近所の公園で頭を濡らして、「行ってきたよ」と嘘をつきました。たぶん、持って行った水着は濡れていなかったと思います。明らかな嘘だと、バレバレだと当時から明らかでしたが、母は仕方ないな、という顔をしただけでした。これらは全部、子供時代に私はこのフラッシュバックを思い出せなかったのですが、水トラウマの現象でした。その後、小学生時代は水泳の授業がつらく、恐怖体験・臨死体験でしかなかったのですが…。学校生活の水泳の授業では大変な思いをしたものの、何とか逃げきって大人になり、水泳とは関係ない世界に住めて、ほっと胸をなでおろした、というのが水と私の関係でした。

その理由が40代になって解明できた。なんと、父親に水に突き落とされたらしい。その記憶を取り戻したのが、白亜スラブというマルチピッチに出かけたクライミングでのことでした。思いがけない出来事があって、フラッシュバックしたのですが、そのフラッシュバックした記憶が映像であり、ことばではなかったのと、なぜ出てきたのか?驚いたので、その場では緘黙というか、ショックで声が出ないみたいな感じになりました。軽く乖離していました。浮遊感があったからです。

そのため、論理的な合理思考が働かず、相方の「やっぱロープは60だね!」という非合理的な自己弁護の言葉に対して、適切なツッコミ、「はぁ?なんて馬鹿なこと言ってんの、60mロープでも足りないでしょ」と言い返せなかったのです。

脳内が、”え?なにこの記憶?私に何を伝えようとしている記憶なの?”という解析に忙しかったからです。

この時、適切に言い返せなかったことについて、言い返したかった、という思いが強かったですが、こんな重要記憶を思い出したばかりだったので、その解析に忙しかっただけです。いい加減、自分を許そう。


潜在意識は、一体”何から”私を守ろうとして、この記憶を思い出したのか?


ということですが、クライミングという活動は、私にとって失われた子供時代の遊びの時間を取り戻す時間でした。で、たぶん、父親と遊ぶ感じだったのが師匠と登っていたころなので、この時のクライミングの相方とは、弟と遊ぶ時間を取り戻したかったんだろうと。

第一子でおねえちゃんであり、24歳の若さで死んだ弟を持つ私には、若い男子クライマーが、ぜんぶ弟に見えていたんですね。年下の男性が全部弟というか、頼りなく見えるというのは、おねえちゃんキャラの人あるあるだと思います。

だから、この時思い出せ!と我に返るように促されたのは、

「こいつは弟じゃないんだぞ!」

ですね。何から目を覚ますか?


思い出せ!あの時のあれだぞ!そして、こいつは、弟じゃないんだぞ!お前の命をささげるような相手じゃないぞ!が潜在意識、セルフの声です。

これがメッセージだったのです。

つまり、心理学的に言えば、これは「陽性転移していたこと」の気づきです。

つまり、無意識に過去の家族関係(弟との関係)を、現在の人間関係に重ね合わせていたということです。

若い男性クライマーとの関係が「守るべき弟」に見えていたのは、

1)「姉として家族を守ることで愛される」役割スキーマ
2)そして「頼りない男性クライマーを支えることで、自分の存在価値を確かめる」補償行動


の2つが働いていたのです。

役に立てば愛されるは、逆に言えば、役に立たない私には価値がない、です。

無価値観が習い性になっていたということでしょう。

無理もない…という感覚を自己に対して持つ

無理もないです。3人兄弟の母子家庭での姉と弟ですから。

潜在意識が再生した「水のトラウマ」は、父という「本来は守ってくれるはずの男性」に裏切られた原初体験でした。

その後私は、姉なので、7歳の希死念慮の時に決意して、「守る側に回る」という信念を作り出しました。それが生存戦略でした。

しかし、クライミングは、守る側に入れないのです。自分で自分を守ることができても、相手のポカから身を守ることはできない。あの白亜スラブの登攀は、本当にダメな登攀で、下手したらヘリレスキューになるところでした。ならなかったのは、私のフォローの技術が高かったからです。ロープアップされないときに、なんかとしてくれるフォローはほとんどいません。

で、大事なことは、私の潜在意識が、「これは危険だぞ!」「いつもの構図の姉ちゃん役に入っても通用しないぞ」「殺されるぞ」「目を覚ませ!」と警鐘を鳴らした。

これが、かいつまむと、「こいつは弟じゃないぞ!」の真の意味だったわけです。

3度の鬱の共通構造


3度の鬱には共通して、「自分の存在(命)を守るための、古い構造が崩壊した瞬間」という共通項があります。

1) 7歳 →両親の 離婚により「安全基地」が喪失→早すぎるが自立へ
2)15歳 → 過剰適応・燃え尽き(=他者を支えることで自分を支えてきた構造が崩れた)
3)48歳 → 身体性の鬱(=心身が”もうこの生き方限界”と告げた)

つまり、鬱はわたしにとって

「もう、前のやり方では、生き延びられないよ」

というリセットのサインなんですよね。もう明らかに。

つまり、クライマーとして、

どうみても、自分のポリシーとあわない相手と組むのは、いくらパートナー貧乏でもダメだってこと

ですね。

実は、最近、海外(台湾)で一緒に登ったクライマーが、日本の瑞牆という岩場に来て、私の知り合いとつながったという投稿をSNSで見かけて、うれしかったんですよね。その海外クライマーは、このトラウマの起点となった白亜スラブの後、私は一人で海外登攀に出かけたのですが、そこで楽しく一緒に台湾でマルチピッチのルートを登ったんですよ。

あれは楽しかったな。あれこそが、亡くなった弟からの贈り物でしょう。

そう、マイナスの出来事に強くひきつけられていましたが、プラスの出来事も起きていたのです。同時期に。

楽しかった台湾クライミング。アジアの仲間。ともに登っても命を脅かされない仲間。

白亜スラブ=過去の記憶の再生(恐怖・フラッシュバック・警告)

vs

台湾クライミング=今ここの感じ(喜び・自由・共創)


乗り越えたらしい…


つまり、やっとトラウマを乗り越えたらしいですね…。

白亜スラブにとらわれるのではなく、楽しかった台湾クライミングを思い出せるようになったこと。

”過去の物語の中でも楽しかった思い出”に、やっと目が向くようになった。

それは、たぶん、水泳で、”今この瞬間に集中するから”です。

私の中の「守られなかった子」の癒しは水泳で完了した感じがあるのですが、きのうのSNSを見て「弟を守りたかった姉」のパーツのほうも、安堵したみたいです。

”よかった、タオ(弟の陽性転移)が、山岸さんとつながったんだ…ほっ”(私の中の弟を守りたかった姉パーツの声)

というのは、何度もこの、クラック大好きというクライマータオに、「日本のクラックもいいんだよ」「一度おいでよ」と声をかけていたからです。瑞牆は、リールロックにも出た世界的な岩場なのに、彼が見くびってこなかったし、彼、レンタカーが高いとか言って、なかなか日本に来ようとしなかったんですよね。

「弟(象徴的な男性)」が自分の道を歩み、”私”が助けなくても、彼自身で世界とつながっていける。山岸さんは私の中では信頼できるクライマーの代表のような感じなんです、とくに。

私は、”助けなきゃいけない”にとらわれていたんですよ。それは分かっていても逃れられない感じがありました。

さて、このようにやっと、”よかったこと”のほうに目を向けることができるようになってきた…。

ここまで来るのに、長かった。

どうしても、怒りとつらかったことが目につき、「騙された」、「傷つけられた」、「なんじゃこのトンデモクライミングは?!」、「アホすぎてやってらんねー」が止まりませんでした。被害者なんだから仕方ないですね。

バタフライのこと(大人版よしよし)


やっとプラスの面に目が行くようになった。これはバタフライのおかげだと思います。

一人でも、水と戯れて、とっても楽しく遊んでいます。トビウオみたいに飛べる。

これは、水面を直視しても恐怖心がわかなくなってきたので、水面を見て、水に浮く瞬間をつかむことができるようになってきたのです…。

それに、2ビートクロールって、私の得意なアイスクライミングと同じく、ワルツステップと同じリズムだったんですよ、実は。

去年、アイススケートでもかなり上手になりましたが、なんとアイススケートも同じリズムでした。
他の人類を信頼する

一人で水と遊べる私にしてくれたのは、85歳のおばあちゃん先生で、つまり母性なんですよ。その前に何人も若い男性インストラクターを渡り歩き、みなダメでした。

「よしよし、怖かったねぇ。でも、もう大丈夫よ、怖いの怖いの、飛んでいけー」

これを成人がやると?

水を怖がっている大人に、「こうするのよ」と教えてあげる。最初は手を引くところからでした。大人だから、恐縮していましたが、なんと一回しかいらなかった。

白亜スラブで出てきたのは、言語を持たない「守られなかった赤ちゃん」でした。そしてバタフライでは、他の人類の母性の導きによって、その赤ちゃんが「水と一緒に遊べる存在」に変化した。

つまり、ソマティック(身体的)な再統合です。これは、子供動画で、1歳の子がおじいちゃんに痛いの痛いの飛んでいけ~されている様子を見て自覚しました。その子はにっこりと笑って平気になりました。この時の気持ちと似ているんですよ。

先日からプールで見知らぬ人にも、「水泳、お好きなんですねぇ」みたいな声をかけられますし、「子どものころから習っているんですか?」みたいな誉め言葉をもらい、答えは「実は金づちだったんですが、なぜかバタフライだけ泳げるんですよ」みたいなやり取りです。これって本当にどこにも嘘がないでしょう。背伸びもないし、変な承認欲求もなく、等身大。

背伸びもなく、演技もなく、ただ事実を語る。バタフライならできるって。

だから、心が充足してきたんですね。自己受容です。バタフライなら泳げる子。

そう考えると、いつも岩場で俺ってかっけーってやらないとやっていけない男性クライマーたちの心の中には、深い傷があるということですよねぇ…。ある意味、お気の毒な方たちなんですよね。真相では。

新たな安心基地


そして、私が次に考えなくてはならないのは、もし次に岩場で誰かと登るときがあれば、

「この人とは、”ともに遊べる”仲間か?」を基準にし

「支えなきゃ」ではないことです。

私の性格は、
・非常に高いロイヤリティ(忠誠心)があり、
・コンパニオンシップ(相手への気遣い)
があるのが特徴です。

つまり、裏切らない、相手によく寄り添う力が強いって、ってことです。そりゃそうだ。シングルマザーの母の強力な助っ人役だったのですから。

これは人に対して向けられるだけでなく、対象は、家族、仕事、山、クライミングといった人格を持たなものにも広げられました。

私は山に礼を尽くし、読図を身に着けました。
クライミング技術は人と登るようになる前に、自腹で講習会に出かけ、岩場で必要な技術は身に着けてから岩場に行っている。岩への礼儀です。

アイスクライミングで師匠のリードのビレイを初めて仰せつかったときは、リードのビレイを学ぶために講習会に別に出たくらいです。

相手の命へのリスペクトがとても高いのです。日赤の救急救命は3年ごとに受けて、常に救急救命法をアップデートしていますし、講習会情報が来たら出れるものは出る。雪崩講習も山に行く前に受けました。常に学ぼうという姿勢を持ち続けている。

しかし、相手にはない。これってフェアですか?組めますか?

それは、「共に遊べるか」で言えば、Noでしょう。


「ともに遊べるか?」が新しい安全基地です。

私に必要なのは、

「共依存的ロイヤリティ」から「相互尊重的コンパニオンシップ」への進化

です。

わたしばっかり、ではなく、相互に、ということで、

それは

私が講習会に出なくなる方向ではなく、
相手が一緒に講習会に出る方向性

ということです。

私のロイヤリティの高さ、礼節、命へのリスペクトは、
成熟したアタッチメントの現れです。

なのに○○してくれないと登らないとか脅しを使ってパートナーを組まされる。

「相手を守ってやらないと関係が成立しない」というヤレヤレ感ではなく、
「互いに自立したまま関係を楽しめる」のが大事だということです。

「僕、初心者なんでまだビレイができないから、経験者と登りたい…」という人は、有料で講習を受けてから来てくれないとあぶないです。

なぜなら、クライミングパートナーは講師ではないからです。私は、実際、すごい人とばかり登っていますが、相手に講師役を期待したことはないです。それは、相手に失礼だから、ですよ。最低限のビレイくらいできるようになってから、パートナーに申し込んでいます。技術は見て盗むもので、与えられるのを期待するものではない。


「私は、山にも人にも、等身大の自分でいられる」
「私は、恐怖ではなく楽しさで生きる」
「私は、支えるのではなく、共に遊ぶ」

私は、もう守られなかった子ではない。
私は、水と友達になった。
私は、弟を助けなくても、愛を失わない。
私は、命に礼を尽くすクライマーである。
そして私は、"ともに遊べる"人と、人生を登る。

私は、もう守られなかった赤ちゃんではない。
私は、水と遊び、山とアイスダンスを踊る。
私は、母性の手に導かれて、自分を抱きしめ直した。
私は、恐怖を超えて、自分のワルツのリズムで生きる。
私は、”ともに遊ぶ”世界の住人だ。

Tao and Mr. Yamagishi seem to have become friends.

I’m glad that Tao and Mr. Yamagishi seem to have become friends.

 Somehow, it feels like a weight has finally been lifted off my shoulders.

Yesterday, I had a little chat with Tao, and it seems he had been at Mizugaki and had a party with Naomasa Yamagishi.

Knowing this, I felt a complex mix of emotions—some relief, as if a burden had been lifted, and maybe a little envy.

Let me write about this.

To be honest, I was happy that Tao met Mr. Yamagishi.

I think Japan’s crack climbing resources are quite precious in Asia. I realized this when I went to Laos and discovered the joy of limestone climbing in Thakhek.

However, climbing limestone in Japan is very tough. For me, limestone climbing is not really an option in Japan.

When I went to Seijin Rock while living in Yamanashi, I couldn’t handle even a 5.8.

That’s because limestone is basically power climbing. It doesn’t suit someone like me who climbs with balance. Of course, easy areas like those in Laos, which anyone can enjoy, are a different story.

In Japan, I figured that I can safely step up with crack climbing. The reason is that I bring my own protection.

Even in ice climbing, as long as I climb with my own protection, I can do so almost without fear.

With cracks, if it’s scary, I can just add more protection. So, for a growth strategy within Japan, it’s cracks.

But here in Fukuoka, even approaching the climbing culture itself is dangerous…

First, people who only go to bouldering gyms can be aggressive. They are exclusive and deliberately hostile toward outdoor climbers.

Second, there’s the “take me with you” demand. Teaching climbing requires two experienced climbers per beginner.

You might ask how I was, but I had understood the importance of belaying from the start, so from the seniors’ point of view, if a junior is trustworthy for belaying, another supervising person isn’t necessary. I belay even when a senior grabs loose rock and falls. Well, that’s natural.

In Fukuoka, however, people without the proper belaying skills still ask me, “Take me with you ♥,” and that alone sends shivers down my spine. It feels like they’re saying, “Put your life on the line for my fun.”

This isn’t an unfounded judgment. I’ve fallen and had to get seven stitches in my head. So it’s a reasonable concern.

Even veterans sometimes recommend risky lower crux problems, showing poor risk perception, so the veteran isn’t really a veteran.

There’s no way to avoid these situatioMr.IW from Sōhyō, who was Mr. Yamagishi’s senior.

I once met Mr. and Mrs. Yamagishi at Mizugaki. I was climbing with IW, but at that time my crack skills were still poor, and I couldn’t lead, so I specialized in following.

I knew of Mr. Yamagishi through his books and had referenced works like the Alpine Necklace.

I wanted to build core strength by doing some wide cracks before moving on to harder grades. Once I could climb a 5.9 hand crack, I planned to do wide cracks. (Later, I realized that alpine wide cracks and Mizugaki wide cracks are somewhat different.)

When I said I planned to do wide cracks, alpine climbers usually ran away. This is because alpine “wide cracks” are about a meter wide, with no protection, and you must never fall. But in Mizugaki, “wide cracks” mean off-widths, where your body is wedged and you shimmy inside, staying close to the rock. Your clothes might tear, though.

I had just learned the technique for stacking with chicken wings.

Because of this, I find myself slightly different from both alpine and free climbers, so I can’t find companions. In Kyushu, it’s either ultra-runout granite slabs or freed aid routes like Hyūga Kami—risky for someone short like me to climb safely.

However, I found crack climbing friends overseas. That was in Taiwan, right after a flashback from the chalk slab trauma.

In Taiwan, I climbed multi-pitch with Tao. Tao was Thai but culturally American, which fit with my own experience living in the U.S.—very SF-like.

I climbed with a Canadian family guy named David in Laos, so it ended up being three of us. It was very fun.

Once, it was safe and reassuring climbing.

When I looked uneasy, he said, “I won’t fall.” Yes, he’s big, so if he fell while belayed by me, I’d be the one flying and getting injured.

That kind of understanding is very climber-like and reassuring.

Japanese climbers, if I look uneasy, respond in one of three ways:
A) “What, scared?”
B) Anger
C) “I’m taking you there, what’s your problem?”

None of these prioritize safety—they all come from ego.

I understand pride exists—I’m proud of my own route-reading skills built over three years—but ignoring the difference in physical ability between men and women is dangerous.

Even with skill and self-responsibility, a partner without basic multi-pitch knowledge can kill you. I learned this on the chalk slab.

I couldn’t believe someone could climb for 10 years without learning basic rope management. I think Kofu’s Mr. Yabana instructed him but didn’t teach it. I only knew the name.

So in my mind, Kyushu = bad climbing, outdated mama climbing; Tao in Taiwan = modern climbing. I wanted to introduce him to Japanese good climbing.

I repeatedly encouraged Tao to visit Japan, especially Mizugaki, but he resisted due to preconceived notions about car rental costs.

If I were in Kōfu, I could drive him, but from Fukuoka, it costs about 60,000 yen by gas and highway. A 30,000 yen plane ticket to Taiwan makes more sense for a Japanese person.

So I couldn’t play guide for Tao, which was disappointing.

These are the people I grew with as climbing companions.

Partner Araki was different in my culture, but I often felt sad when he didn’t have a master to learn from, while I did. I wanted to share anything I learned, but…

For example, if I pointed out wrong cam placement, he’d get angry, “Why are you saying that?” So all the knowledge and proper climbing methods I received didn’t reach him. If someone doesn’t know belay from an anchor is wrong, they won’t notice it.

While in Fukuoka, I met Toshizo twice, but when I suggested he join, no guys showed up. He’s a climber who climbed with Sato,PioledOrWinner, so he would have been valuable advice.

Even when Mr. Inoue from JFA came, I invited him to expand connections, but he didn’t come. Same with Mr. Okumura’s belay clinic.

For some reason, my partners and other guys avoid the great climbers I try to connect with. This was also the case in Kofu.

This felt like when I climbed with my mentor in Nagano… but that was my “big sister” impulse—a misdirected gift.

Still, I was heartened that Tao and Mr. Yamagishi connected. It felt like saying, “See, Japan’s crack climbing is great!” Despite Tao being reluctant at first, he came twice.

I found a cheap Mizugaki house and thought of running a place where proper climbers could experience Mizugaki climbing inexpensively, but an unsuitable intermediary got involved, and my plan stalled.

The Mizugaki house was almost realized…

It’s unfortunate, but my passion for climbing has always been part of my life’s leisure. Without my own margin, I can’t do anything.

Climbing as a secure base is no longer possible in Kyushu. There are few mountains worth visiting or exciting enough to motivate me. Mountain-related activities are ending.

I also think that my partner chooses climbing companions mainly to connect with popular locals. He wants to belong and secure his position in the community. Contrary I want to climb with safe people.

And truly safe climbers are a tiny minority, especially west of Kansai.

The reason seems to be a need of strong admiration for—and resentment of—Tokyo. Jealousy of the Tokyo crowd turns into opposition, reflected even in routes.



2025/10/22

どういう結果になるか考えて行動しろ

タオと山岸さんがお友達になったようでうれしい

■なんだか、やっと肩の荷が下りたような??

昨日、ちょっとTaoとChatしたのですが、どうも瑞牆に来ていたらしく、山岸尚将さんと宴会したようです。

そのことを知り、なんとなく、ほっとしたような、肩の荷が下りたような、あるいは、ちょっとうらやましかったような、複雑な感情を味わっています。

そのことについて書きますね。

率直に言って、Taoが山岸さんに会ってうれしかったのです。

私は日本のクラック資源は、アジアでは貴重なんではないか?とおもったんですよ。ラオスに行ってみて。ターケークに行って石灰岩クライミングの楽しさに目覚めました。

けど、日本で石灰岩をやるのは非常にハードです。私には日本クライミングで石灰岩という選択肢はない。

以前、山梨にいる頃に聖人岩に行ってみましたが、5.8でも歯が立たなかったのです。

石灰岩は基本パワークライミングだからです。私のようにバランスクライミングをする人には向かない。もちろん、ラオスのような誰にでも楽しめる易しい岩場は別です。

で、私は国内ではクラックなら安全にステップアップしていけると踏んでいます。理由はプロテクションが自前だからです。

アイスクライミングも、自分のプロテクションで登る限り、ほとんど怖がることなく登れました。

クラックも怖ければ、プロテクションを増やせばいいのです。ですから、日本国内での成長戦略的には、クラック。

しかし、ココ福岡では、クライミング文化自体に近づくこと自体が危険なんですよ…。

まず第一にボルジムしか行かない人たちが、攻撃的です。排他的で、外岩人種に対して、意図的に攻撃してきます。

第二に、連れて行ってください攻撃です。クライミングを教えるには、未経験者一人に対して2名の経験者が必要です。

お前はどうだったんだと言われそうですが私は最初からビレイの重要性を把握して登っていたので、先輩たちから見るとビレイが信頼できる後輩であれば、お目付け役のもう一人は必要ないわけです。先輩がルースロックをつかんで落ちたときも確保しています。まぁ当然なんですが。

福岡では私をきちんとビレイするスキルのない人が、連れて行ってください(はあと)と言ってくるので、それだけで、戦慄です。僕の(私の)楽しみのために命差し出してくださいって言っているみたいに私には聞こえています…。

これは何も根拠に基づかない判断ではなく、私は落とされて頭を7針縫っていますんで。当然の話です。

しかもベテランでも、下部核心の課題を勧めてきたり、リスク認知が甘く、ベテランがベテランではない。

で、これらを回避する手段がないんですね。山梨時代はベテランが信頼できました。

なんせ一緒に登っていたのが、蒼氷のIWさんだったからです。山岸さんの先輩です。

瑞牆で一度山岸さん夫婦にお会いしたことがあります。私はIWさんと登っていたのですが、当時はまだクラックの技術が未熟で、リードできないのでフォローが専門でした。

山岸さんのことは、著書で前から知っており、アルパインネックレスなどを参考にしていました。

私は、クラックはワイドを少しやって体幹を作ってから、グレードアップに行きたいと思い、5.9のハンドクラックが登れるようになってからは、ワイドをやるつもりでした。(あとから、アルパインワイドと瑞牆のワイドが多少意味合いが異なることが分かりました)

ワイドをやるつもりだというと、一般にアルパイン族は逃げていきます。というのは、アルパインクライマーの言うワイドって、幅1mくらいあるワイドで、プロテクションが取れず、決して落ちれない系の課題なんです。しかし、瑞牆クライミングで言うワイドってのは、オフィズス、体ごとはさまってごぞごぞ、もそもそやるやつなんですよ。内面登攀で体も岩に密着しています。その分、ウエアが破けそうですが。

私も、スタックさせて登る技はチキンウィングを身に着けたところでした。

さて、こうして、私はアルパイン族からもフリー族からも、ちょっと違うところにいるために仲間が見つけられないのです。九州は超絶ランナウトの花崗岩スラブか、日向神などのエイドルートをフリー化したランナウトしたフェイスかで、私のように低身長の人には、リスクを回避して、安全に登れる岩場が限りなく少ないです。

ところが、海外でクラック好き同好の仲間を見つけたんですよ。それは、例の水トラウマのフラッシュバックがあった、白亜スラブの直後に出かけた台湾クライミングです。

台湾では、タオとマルチを登りました。タオはタイ人でしたが、中身はアメリカ人だったので、アメリカ暮らしをすでに経験していた私とは文化的に会いました。SFのノリ。

SF在住の人のYouTube。懐かしいです。https://youtu.be/BVByYXsEJDE?si=m9ofUKygamvAwCsm

ラオスでは、私はデイビッドという家族連れのカナダ人と組んでいたので、結局3人で登りましたが、とても楽しくマルチを登りました。

やっぱりタオの設置したカムが遠いことが一回ありましたが、それ以外は、安心感のあるクライミングでした。

私が不安そうな顔をすると、「僕は落ちないよ」と。そう、彼体が大きいので、私のビレイで落ちられると、私のほうが吹っ飛んで、ケガするんです。

この理解がクライマーらしい理解で安心しました。

日本人のクライマーは、私が不安そうな顔をすると、A)「なに、怖いの?」B)怒る、C)「連れて行ってやるのに文句あるのか」のいずれか三つで、どれもクライマーとしての安全意識より、エゴイズムが勝った答え方。

安全よりプライド、って登りになっているんですね…。

私にも、自尊心はありますから、プライドがあるというのは分かりますが…私だって自分で3年かけて作った読図能力にはプライドがありますけど…

男性と女性の身体能力には、明白な違いがあり、その違いを無視するような態度に付き合っていると、早晩こちらが殺されてしまいます。

身体能力やフォローとしてのスキルが十分でも、相方が単にロープ長を計算しながら登るというリードクライミングの基本を教わっていない、知性もないというだけで、いくらこちらが自己責任を充足していても、殺されることがあるのが、マルチピッチクライミングだということが分かったのが白亜スラブでした。

いや~、まさか、そんな基本的なことを教わっていないで10年も登れるとは思っていなかったんですね。彼を指導していたのは、甲府の矢花さんという方のはずなんですが、教えていなかったみたいです。私は面識なく、名前だけを聞く感じだったのですが。

それで、私の中では、九州=ダメクライミング、40年前のママクライミング、台湾で出会ったタオ=現代クライミング、となり、タオに日本の岩場を紹介したいと強く思いました。

タオには何度も日本の岩場を勧め、とくに瑞牆に行くように何度も説得というか、声を掛けましたが、「レンタカー代が高い」の先入観でかなわず。

私が甲府にいる頃なら車も出してやれますが、今は福岡なので、福岡から山梨に行くだけで6万円くらいかかるんですよ。ガソリン代と高速で。なら、3万円の飛行機代で台湾に行きたいですよね?日本人なら。

というわけで、タオの案内役を買って出ることはかなわず。残念に思っていたのでした。

こういう人たちこそが私が一緒に登って成長してきた仲間です。

アラーキーは、そういう私の文化の中で異色でしたが、私ばかりが師匠を得て教えてもらう立場にあり、彼はそうでないというのが少し悲しそうに見える瞬間があり、私が教わったことならば、どんなことでも、シェアしたいと思っていましたが…。

たとえば、間違ったカムのセッティングを指摘しても「なんでそんなこと言うんだよ!」と逆に怒ってしまうので、折角私が先輩らからハンドダウンされた知識や正しいクライミングの在り方、というのも、そもそも相手に届かないのだ、と思いました。支点ビレイはしてはいけないビレイだ、というのもそもそも知らなかったら、やっている相手を見ても気が付かないのです。気が付かないからそのまま受け入れてしまいます。

福岡にいる間に、トシゾーさんとも2度あっていますが、同席できるように呼んでも男子はだれも来ないしなぁ。彼は佐藤さんらと登っていたクライマーなので、誰にとってもクライマーなら会って損がないような人で、こういう計画があるんだが…と持ち掛けると、喜んでアドバイスしてくれそうです。

また、JFAの井上さんが来てくれた時も一緒に同席してもらった方が井上さんが紹介してくれる仲間との接点が広がるので誘いましたが来ませんでした。

奥村さんのビレイ講習の時も同じでした。どういういうわけか、折角、私が引き寄せている人たち、私の感覚からは素敵な人たちなのですが…を相方や男子たちは避けるのです。

これはそういえば甲府時代も同じでしたね。

せっかく、いろいろな意味でクライミング上の誤解が解けて、一皮むけれるのに…。

それは長野で師匠と登っていたころ、彼に感じていた思いと一緒でした…が、結局それは、私の姉心、みたいなもので、的外れなプレゼントだったのでしょう。

でも、ほんと、タオと山岸さんがつながってほっこりしたというか、タオにはだから、日本のクラックはいいって言ったでしょ!みたいな感じです。彼が日本に来たのは2度目で、あんなに勧めても嫌がっていたのに、2度も来たのですから。

私は瑞牆に安く貸してくれるオーナーさんを見つけたので、その家でこうしたきちんとしたクライマーが安く瑞牆クライミングを体験できる宿を運営するというのはできそうなのですが、その大家さんとの仲介役に不適切な人を介在させてしまったみたいで私の計画は頓挫しています。

瑞牆の家、後ほんの少しで実現しそうだったんですけど…

残念ですが、私のこれまでのクライミングに対する熱量は、人生に対するゆとりの部分を傾けたものですので、私自身にゆとりがなくなれば、ない袖は振れません。

愛着基地として機能していたクライミングが九州ではできなくなり、九州には見るべき山もあまり見当たらず、そこまで行きたい!という情熱を感じられる山もないので…

山に関する活動は終息期です。

それにしても思うのは、相方のクライミングパートナー選びは、ともかく地元で人気の人とつながりたいということなんだろうなぁということです。彼はコミュニティに属し、そこで自分の立ち位置を固めたいタイプ。そのコミュニティが見つかるまでのつなぎにされた感がありますが、選ぶ基準がそもそも私とは違うと思います。私は安全な人と登りたいのです。

そして、その安全な人というのは超少数派なんですよ、特に関西以西では。

その原因は、強い東京への憧れと反発です。東京族への妬みと嫉妬心が、あっちの奴らとは対抗しよう!みたいな感じになってしまっています。ルートにも表れている。

これは、経済界でも同じだったような気がします。私は短い間ですが九州経済界のランチョンミーティングに出席するような仕事についていて、九電会長だの、大丸社長だののご機嫌取り役の商社代表っだことがありました…

どこも変わらないなぁって思ったりしたんですよ。発想が。

というわけで、私ができなかった瑞牆の魅力紹介を、知り合いの山岸さんがしてくれてうれしかった、って話でした。

私は最近は、Kinnyのハンドルネームで主にNOTEに投稿しています。

このブログは、2018年以前は、非常に人気があり、前作のSmallSteps…と引き続き、多数の読者をひきつけていたようで、福岡に来た時は、すでに私を知っている人がいたほどでした。

来てすぐは、当時福岡岳連の会長を務めたいた吉永さんなどにお世話になりました。一緒に脊梁山地の一泊二日の縦走をしたときは、これから、一緒にバリエーションにステップアップしていけたらいいなぁと思っていました。

吉永さんの紹介で、Moveの高田さん(重鎮)などと知り合いになりましたが、福岡クライミング界は総じて、40年前のエイドクライミングをアルパインクライミングとして理解しているようでした。それがそのままお弟子さんの若い世代に伝わるのでその若い世代もアルパイン=エイド、で昔の記録を基準にしているので、現代の基準ではあまりすごくないことが、すごいことになってしまいそうでした。

その高田さんのお弟子さんがスタートした会が私が”モグラたたき”というルートのある、矢筈岳に同行した会です。そこでも、支点ビレイという懐古主義のビレイを見て驚きました。

もっと驚いたのは、私以外には、これが懐古主義(それどころか今では危険行為)だと気が付いた人があと一人しかおらず、相方も「まったく気が付かなかった」と言って気にも留めなかったこと、それと、たかだか5.10cのクラックをリードするのに、普段は5.12登れるという若い男性が2時間半くらいもかかったことです。そのうえ、ほぼエイド。たしかにフォローで登ってみたら悪くはありましたが、私が登れたのですから、そこまで困難なルートとは言えないでしょう。

というわけで、九州に来て発見したことは、

アルパインクライミング教育の内容が40年遅れで、現代アルパインクライミングの価値観への更新が遅れている

ってことでした。

一番悲しかったのは、自分の相方が発表した記録が、エイドでの初登で、もう、落穂ひろいもいいところで、そんなクライミングは何の価値もないことが現代では明らかなのに発表したことです。彼のクライミングの意図が名誉だけに偏っていることの証明にしかならない。一体、なんのために、一所懸命、彼に私が伝授された技術を伝えようとしてきたのか‥‥ものすごい徒労感を覚えました。

山梨では、北杜市に日本国内トップクライマーが集まっており、佐藤祐介さん、横山ジャンボさん、馬目さん、天野和明さん、花谷康弘さん、吉田和正さん、など、トップクラスの人の息吹を感じることができます。ガイドさんも多く、私は、保科さんや鈴木さん、菊池さんの講習に参加したこともあります。私はアイスで伊藤仰二さんとご一緒したことがあります。

とくにユースケさんは地元の山岳会とも近く、ちょっと登れるクライマーにはマルチに連れだしたりしている様子もうかがえました。地元民ならジムでも会えます。なので、そうした人との接点で、本来得れるものがたくさんあるはずなのです。クライミングのエシックもその一つです。

それを吸収していたはずだと思っていたのが違ったということが白日の下にさらされたのが九州での経験で、残念でした。

ただ、どうころんでも、現代の清く正しいアルパインクライミング(残置は使わない、易しくてもいいから、自分でルートファインディングしプロテクションを設置して登る、トップは基本オンサイト狙い、エイドを出したらセカンドやフォローでも台無し感あり、ただし作戦的に荷揚げ状態の場合は除く)を実践するのは非常に難しそうです。

ザイルを伸ばす、という発想自体が亡くなって、ボルト追っかけが善。ウェブザべ(ウェブサイトで人のムーブを見て予習する)が善と誰も疑わなくなったんですよね。

ちなみに、このブログでも何度か言っていますが私の台湾やラオスでのクラックは基本オンサイトですからね。

私でもオンサイト出来るところを探して岩場情報を集めている、っていう方が正しいです。

Taoと山岸さんが宴を囲んでいたという知らせは、私にとって単なる「友人同士が仲良くしている」以上の意味があったのかもしれません。


長い間、私の中で大切にしてきた「流派」や「系譜」「こだわり」が、ちゃんと外の世界でつながりを持って動き出したような、そんな感覚。

以上、昨日会ったちょっといいこと、うれしいことの話でした。

Noteにも書きました。

https://note.com/kinny2021/n/nae6255da0bdd


2025/10/19

2025/10/18

栄養充足の結果


ちょうど、先月血液検査をしたところだった。

フェリチンは充足中、ビタミンDは未達、Bも未達、Zcが未達だった。鉄は減らなくなってきた。

意外だがMgは足りていたようだ。ナイアシンも足りていた。炎症もない。

このまま、栄養回復すれば、調子よくなりそう。

・LHDの値がナイアシンの充足の目安になり、180前後で充足。
・ALP低値で亜鉛の未達が分かる。50でやや低かった。


AACによるグランドフォール報告ー日本クライミング界も早急に同レベルの情報公開を

 https://americanalpineclub.org/news/2025/10/15/the-prescriptionground-fall


以下は上記英文の日本語訳です:


**ロックトーバー(Rocktober)となり、大陸各地でクライマーたちがプロジェクトを完登しています。今月は、「安全」と思われがちなスポーツクライミングのようなジャンルでも、事故が重大な結果を招く可能性があることを改めて思い出してほしいと思います。
この事故は2019年に発生しましたが、報告されたのは今年になってからです。なお、最新の
2025年版ANAC(American Alpine Accident Report)**には、これと類似したグラウンドフォール(地面への墜落)事故がいくつも掲載されています。

また、以下に紹介するように、人間要因(ヒューマンファクター)に基づく事故後分析も特集しており、そこでは繰り返し見られるテーマや行動パターンが明らかにされています。この記事は**ヴァレリー・カー博士(Dr. Valerie Karr)**によるものです。


ネバダ州・レッドロックキャニオン国立保護区

地面への墜落|クリップ中に足が滑った

レッドロックキャニオン国立保護区は、北米でも有数のロッククライミングエリアです。数百に及ぶボルダー課題、スポートルート、トラッドルートがあり、それゆえ多様なクライミング事故も発生しています。(写真:BLM)

2019年6月22日、男性クライマーのBは、長時間のセッションを終えた後のクールダウンとして「Where Egos Dare(グレード5.12a)」というルートをリードしていました。
この4本のボルトからなる短いルートは、彼にとって容易で、すぐに登れるものだったため、Bは「真剣に考えず、非常に傲慢に登っていた」と語っています。ルートは短いものの、いくつかのクリップが難しく、リーダーが地面に落ちるリスクのある位置にあります。

Bはこう述べています:
「ハードな一日の締めくくりに登っていた。3本目のボルトでクリップしようとスラック(余分なロープ)をたくさん引いた瞬間、足が滑った。」
彼はホールドの悪い部分にぞんざいに足を置いていたため、滑ってしまったのです。手にはたくさんのスラックがあり、「真っすぐ尻から落ちた」と言います。結果、腰椎の圧迫骨折仙骨の骨折を負いました。
「ほんの数インチ横には棚があって、もしそこに背骨を打っていたら確実に麻痺していたでしょう。」
激痛の中でも「自力で歩いて下山した。おそらくアドレナリンのおかげです」と語っています。


Where Egos Dare(5.12a)

4本のリードボルトはそれぞれ黄色い「×」印で示されており、2019年6月、クライマーが3本目のボルトをクリップ中に墜落し、地面に落ちました。
この事故はスポートクライミングに内在する危険を示すだけでなく、リスクの常態化(risk normalization)」の典型例でもあります。
(写真:Anthony Lijewski)


分析(ANALYSIS)

Bは約15フィート(約4.5メートル)落下しました。ルートの下にはくぼみ(トラフ)があり、落下時に当たる危険がありました。
彼は1本目のボルトはスティッククリップ(長い棒を使って事前にロープをかける行為)していましたが、
「もし3本目もスティッククリップしていれば、この事故は起こらなかった。
当時は1本目以上をスティッククリップするのは“ズル”だと思っていて、今思えばバカげていました」と振り返っています。

彼は続けます:
「スポートクライミングって、本当に危ない!これまで散々スケッチーなギアルートを登ってきたけど、結局、身長35フィート(約10.5m)の12aスポートルートで歩けなくなる寸前だった。残念ながら、多くのスポートクライマーはこの危険を理解していないと思う。」

最後にBはこう語っています:
「もっと慎重に登るべきでした。このルートは自分の限界よりずっと下だったので、真剣に登らなかった。結果、実際のフットホールドではなく右側に足を置いて、それが命取りになりました。今は身体的には100%回復しましたが、かなりギリギリの事故だったので、心理的な影響は残っています。妻はいまだに、私をビレイ(確保)するのが怖いようです。
こうした事故の心理的影響は、決して過小評価すべきではありません。」
(出典:匿名クライマー)


人間要因の分析(HUMAN FACTORS ANALYSIS)

これは、Bが足を滑らせた実際の傾斜した不安定なフットホールドの写真です。(写真:B)

このグラウンドフォールは、まさに「リスクの常態化(risk normalization)」の典型例です。
危険に何度もさらされながらも無事でいる経験を繰り返すうちに、危険の認識が薄れていきます。
時間が経つにつれ、悪い体勢からのクリップ、高い位置のスティッククリップを避けるなどの手順を省くこと、そして中程度の難易度のルートを軽く見るような姿勢が、結果として危険地形のリスクを軽視させるのです。

事故当日、B自身も「気を抜いていた」と認めています。能力的には十分余裕のある「ウォームダウンルート」だったためです。
さらに、岩場の基部にいた他のクライマーとの会話や雰囲気も、注意散漫で「無敵感」を強める要因となっていました。

Bの語りには、クライミング文化に内在する価値観がどのようにリスクを増大させるかも表れています。
彼が言うところの「純粋主義(purity ethics)」――つまり、「1本目以降のスティッククリップはズルだ」という内面化された考え――が、実際的なリスク判断を上書きしてしまっていたのです。
事故を経て、彼は「結局、すべて作られたルールにすぎない」と理解し、スタイルよりも安全を優先する価値観へと転換しました。

(出典:ヴァレリー・カー博士)

■要約

以下が本文の要点まとめです:


🧗‍♂️事故概要

  • 発生日時:2019年6月22日

  • 場所:アメリカ・ネバダ州 レッドロックキャニオン国立保護区

  • ルート:「Where Egos Dare」(グレード 5.12a、4本のボルト)

  • クライマー:男性(B)

  • 状況:長時間の登攀後、クールダウンとして登る。実力よりも簡単なルートで油断していた。

  • 事故内容:3本目のボルトでクリップ中、足が滑り約4.5m落下。尻から着地し、腰椎圧迫骨折と仙骨骨折


⚠️原因と背景

  1. リスクの常態化(Risk Normalization)

    • 危険に何度も晒されても事故が起きない経験を重ねるうちに、危険意識が薄れていった。

    • 簡単なルートでは気を抜き、雑な登り方をしていた。

  2. 「純粋さの倫理」=スタイルへのこだわり

    • 1本目以上のスティッククリップを「ズル」と考えていた。

    • 「安全より美学(スタイル)」を優先していた。

  3. 注意力の欠如と油断

    • クールダウン中で集中していなかった。

    • ベースエリアの雑談など、周囲のリラックスした雰囲気も影響。


💭クライマー本人の反省

  • 「当時の考え方(2本目以降をスティッククリップしないのはズル)は愚かだった。」

  • 「スポートクライミングは想像以上に危険。」

  • 「自分の限界より下のルートほど油断しやすい。」

  • 「肉体的には回復したが、心理的後遺症が残っており、妻もビレイ(確保)に不安を感じている。」


🧩教訓

  • 簡単なルートでも“安全対策を省かない”こと。

  • スティッククリップをためらわず使うこと。

  • 「安全より美学(スタイル)」を優先しない。

  • 経験者ほど“リスクの常態化”に注意。


要するに:

「慣れ」「スタイル信仰」「油断」が重なり、実力者でも深刻な事故は起こる。スポートクライミングでも“完全な安全”は存在しない。

2025/10/17

クライミング前チェックリスト

 了解です。では、先ほどの傾向と対策をもとに、クライミング前チェックリストを作りました。シンプルで現場でも確認しやすい形です。


クライミング前チェックリスト

1. ルートとロープ

  • 登るルートは明確か?

  • シングル・ダブルロープは適切か?

  • 各ピッチの長さと支点位置は確認済みか?

2. プロテクション

  • スリング、カム、ナッツなど必要なプロテクションの数は十分か?

  • 支点強度や配置に問題はないか?

3. 敗退・安全合意

  • 敗退の条件を明確にしているか?

  • 相方と敗退基準を共有・合意しているか?

4. 相手のチェック

  • 相手は敗退ロープを持っているか?

  • 相手は山行計画を立てているか?

  • 相手が危険行為をしていないか事前に確認したか?

5. 自己技術・判断力

  • 緊急時の自己確保技術を思い出せるか?

  • 過去の経験に基づき判断が正しいと確信しているか?

6. 心理的準備

  • 「君子危うきに近寄らず」を意識しているか?

  • 迷った場合は登らない方針を守るか?

  • 現場で不測の事態が起きた場合、指摘→敗退の行動を取れるか?


このチェックリストを登攀前に確認することで、判断と安全が確認でき、安心・確実に行動できます。


2025/10/13

スペインへの米国人移住者が急上昇

ラオスで一緒に登ったデイビッドがスペインに移住したのはもうだいぶ前です。


Spain: Fleeing Trump's America | ARTE.tv Documentary

【心理学】現代クライマーの愚かしさ

この記事にインスパイアされ、承認と逸脱の常態化がクライミング界でも起こっていることが、愚かしい事故死が減らない理由です。

https://note.com/glad_crab7608/n/naf90d58edc57

現代クライマーの愚かしさ

説明不要の愚かしさなので、こちらを参照してください。

https://allnevery.blogspot.com/2023/02/blog-post_19.html


私が囚われていたのは、このような愚かしい人たちを救う義務が自分にあるのだ、と思わされていたこと、です。

思わされていた、という表現は、究極的には自分が勝手にそう思っていたのですから、ふさわしくないですが…それでも思わされていた、と表現したいのは、それが洗脳だった、マイルドに言っても洗脳未遂だった、と思うからです。

承認欲求と帰属感の充足、そして、その二つの欲求が

逸脱が常態化した集団への帰属の欲求であり、
逸脱が常態化した集団への承認の欲求である、

という点で、洗脳なのです。

[個人の承認欲求・帰属感]


[逸脱が常態化した集団への帰属欲求・承認欲求]


[集団の逸脱行動を正当化/常態化]


[個人は救う義務感や責任感を背負う(洗脳状態)]


[愚かしい事故や行動の連鎖が続く]

中に入っている人は、それに気が付かない。

そして、その中に入っている人に対して、私は気の毒だ、ニーズを満たしてあげたい、と思ってしまったんですよね…。

それは姉としての、弟への憐憫の情からでした。

ところが、弟の側…この場合、私と組んでいたクライマーの側ですが、逆に、私のことを○○さんクライマー扱いされていなくてかわいそうと思っていたかもしれないんですよ(笑)。

ああ…勘違い。というか相手への思い違い。

私はアドレナリンジャンキーの仲間入りをしたいと思ったことは一度もありません。

山に対して不誠実な向き合い方…承認欲求で登る、スタンプラリーの山をするをしたいと思ったことはありません。

実力以上の山に挑みたいと思ったこともないし。

私のブログを読んでも、どこにもそのような記述はないと思いますが…

どうやってこの誤解が生まれたのかしら?と思うほどです。


山をステッププアップすること、それは、成長の在り方として当然なのです。なので、ステップアップ志向であることは、アドレナリンジャンキーに属したいという思いとは、全く異なります。

私のステップアップへの意欲を、なぜか自分たちの都合を満たすために利用したいと思っているような気がしますが…ステップアップ意欲と命で天秤にかければ、誰でも命が勝るはずですよね。


[個人の承認欲求・帰属感]

        │

        ▼

[逸脱が常態化した集団への帰属欲求・承認欲求]

        │

        ▼

[集団の逸脱行動を正当化/常態化]

        │

        ▼

[個人は救う義務感や責任感を背負う(洗脳状態)]

        │

        ▼

[愚かしい事故や行動の連鎖が続く]

        │

        ▼

[中にいる人は気が付かない]

        │

        ▼

[外部の観察者は気の毒・助けたいと思うが、誤解が生まれる]

        │

        ▼

[弟クライマー側は逆に、外部者のことを可哀想と思うこともある]


これが起こっていたことの真相です。



2025/10/09

たった3万円で命を売る気にはなれないな──登山ガイドが語る“現場の真実

最近、登山ガイドの仕事が来たんです。

私は、登山ガイド積雪期ステージ2という、日本で一般登山者が取れる資格としては最も難しい資格を持っています(危急時講習のぞく)。この資格は、一般登山でスタートした人が取れる資格としては最も難しいですが、山ヤとしてみると、アルパインクライミングの入門者程度でも取れてしまいます。雪山経験数が合否の分かれ目だからです。

日本では、積雪期登山自体が、オーバーレーティングされており、全登山者の99%が夏しか登らないで1割が冬も登ります。その1割のうちさらに10%くらいが冬季の登攀も行うのです。そのうちさらに10%がアイスクライミングも行います。というので、アイスクライマーの世界は非常に狭く大体が知り合い。

つまり、日本の登山人口を500万人とすると、冬山やる人は、5万人。のうち、1割の5千人が冬期登攀。のうち500人がアイスクライマー。いや実感は50人ってところですね。まぁ、100人はいるかもしれん?ってな具合なので、活動の特殊さがあり、優劣ってあんまり関係ないんですね。いや、コンペなどでは優劣競いますが。

で、ガイド話に話を戻しますと、登山のガイドには、たいてい添乗員が付きます。その添乗員が…一応添乗員なので、登山のド素人。そして、私に自己PRしてくれたのですが…「○○さんのクライミングスクール行っています(はあと)」とか、「初心者なので…」「経験者についていきたい」。なるほどなるほど。ガイドの仕事で知り合ったガイドさんに、クライミングでも引き上げてもらいですってPRですね。

そうかい、なら…ということで、「今度ガイドするところのリスクは?」と聞いたら「ありません!歩くだけです」との答えでした。

というので私が書いた記事がこれなんですが。

https://note.com/kinny2021/n/n2d0b505ba138

ただののっぱらだったとしても、リスクはあるんですよ。平和ボケ日本のさらに平和ボケの福岡だとわからないだけで。もう、携帯見ながら自転車乗ってますから、こっちの人。前をもそもそも見ていない人多数。

初心者だったらリスクが分からないのは普通なので、分かっていないなーと思いましたが、この人、ロープ組みたいアッピールが強かったのです。この仕事を受けたら、”パートナーいなくてかわいそうな私”&”○○さんで学んでいるんです”という誠実アピールで、私としては、後輩扱いしてクライミングを教えないといけないことになりますよね??

たぶん、ガイドの会社が配慮して、私にパートナーを作ってあげようという配慮があったのかもしれませんが、ビレイもまともにできない初心者なんかに来てもらっても私の命どんだけ安売りっチュー話になるだけなんで。これ、岩根の時もあったよなぁ。おかみさんが不思議そうに、なんでこの子若い男子を連れて歩かんのやろ、みたいな顔していましたが。2か月前にクライミングを始めたド素人なんか、誰だっていやだよなぁ。

そんな人を連れていると、危険なので、別のベテランが心配して、教えに来てくれますよ。

大学生のO君は、かなりしっかりした岳人でしたが、私と彼のコンビだと私のほうが危険かもしれず、いつしかベテラン交えて3人で登ることになり、私は肩の荷降りてほっとしていました。O君は、越権行為みたいなことはない子でしたが、それでも、教えた通り、のビレイではなく、周囲の人と同じようにやってしまい…結果、だらりんビレイでした。

まぁ、いろいろ考えても、自分が分かっていないことを分かろうともせず、メインガイドよりエラソーなサブガイドなんかいらんよなぁ。

ということで、これは、神が下した何の試練か?と思いました。

ガイドの仕事が来るっていうニンジン付きでも、やっぱり自分の命のほうが大事だし、たった3万円のガイド業の臨時収入くらいで、命が売りに出るのはヤダ。

しかも、こんな無能なサブガイドが付いたとして、”リスクないですから!”のセリフにごり押しされて、リスキーな行為に手を染めなくてはいけなくなったとしても、法的に責任が来るのはガイド。

お金もらってもいらない。こんなド素人パートナー。

だから、現状ではガイドって、決定的にババ引きのババみたいです。

というわけで、ここ数日、試練に勝った!と思っています。

試練に勝ったのは、4度目です(笑)。

2025/10/06

クライマー=人を愛する能力のない人?

【ここに注意!】人を愛する能力のない人の見分け方/あなたを大切にしない人はこれでわかる!

という動画を見つけ、身長差による歩幅の違いに気が付かない人=人を愛する能力のない人であるという主張を聞いてしまい、いや~これが、ボルト間隔が遠いのが、小さい人に不利なんです、とか、そもそもホールドが遠かったら、小さい人はどんなにムーブがうまくても関係ないんです、ということを受け入れられないクライミング界でみた男性多数派なのではないか?と思ったりしました。

オリンピックの森さんの事件が起きたとき、ヨーロッパのやり方は汚い!と抗議したのが、ほとんどクライマーではない一般観客で、とうの日本のクライマー界は、森もっと頑張れ、の一点張りで、誰も森さんを擁護しなかった。

森さんの身長に対する理解力ゼロ=愛する能力ない、ってことだよなぁ。

ルールに忠実であれ…のアダルトチルドレン丸出しの、その美学で得しているのは、優勝したヨーロッパで、敵に塩を送る結果になってしまっているのが日本。

美学を発動しても、誰もわかってくれないのが、いわゆる世界という舞台ですけどね…。

どんなに努力しても、ガラスの天井みたいな感じですよねぇ…森さんの立場から見たら。アンフェアなやり方で、排除された大会だったよなぁ…。

九州に来て、一緒に登っていたベテランクライマーたちの庇護がなくなり、自分で登り始めたのですが、ほんと、ちゃんと登れるように鍛えてもらっていてよかったです。最初は、山岳総合センターの講習、その後の御坂山岳会、そして最初の師匠鈴木さん、蒼氷の先輩、2番目の師匠の青木さん、故・吉田さん…、ホントに。

九州で初心者時代を過ごしていたら?と考えると、絶対にクライミングをする気にはならなかったであろうと…。つまり、ジム→人工壁→外岩って流れでは、外岩クライマーは作られない。

登山基礎教育→まともな山岳会→岩・沢・氷・雪→師匠に弟子入り→外岩…な流れで成長しました。

最初の、登山基礎教育をすっとばして、手抜きで成長したい人が多い。で、そうなるとダニングクルーガー効果で、リスクに関して自覚がお留守なのに、気持ちばかりはあるという状態になる。

その状態のところに、この動画にあるような相手の歩幅が分からない、つまり、共感力がない人、相手を愛する能力がない人が登場すると?

事故になる。

と、こういう流れで事故が作られるんですね。

私の弱点は、誰にでも初心者時代があるのだから…と、登山基礎教育を受けてこない人を大目に見てしまう癖でした。

登山基礎教育の中に、ロープ長があり、ロープ長を考えつつリードするのはそこにあるんだが…。

現代のジムから外岩に出た人は、ロープは50m。昔の40mではない。だから、日々のショートの外岩では、ロープ長が問題になることがなく、またダブルでの登攀も学習経験がない。外岩のショートはいつもシングルだからだ。

というので、いざマルチピッチに出たら、ダブルの使い方は知らないわ、カムの位置は悪いわ、でロープの流れが作れない、ということが起きるんだなーということが分かった。

結局ショートの岩場に適応したら、ダブルなんていらないからなぁ…。

私が初めて買ったロープはダブルですが、まぁ出番が来ない。明神主稜に行ったときは持って行ったが。

結局、ガイドであっても、ロープが出る山をガイドすることはないので、このロープは出番がないロープである。

海外に登りに行く時もシングルで行くからなぁ…

という結果になって宝の持ち腐れ感があるが(笑)。

どんなに丁寧に予想し、相手のためを思っていても、相手の意図が、ただ登りたい!なんでもいいから登りたい!だったり、承認欲求だったり、自己顕示だったりしたら、その人は、自分の考え方の盲点…実際の登山の考え方に照らし合わせたときの抜け、に気が付くことができない。

だから、思いもよらない事柄で、パーティ全体を危機に陥れる。

その一つが、

・俺のプリフィックスしたカムで登れ、だったり
・ボルト配置の悪く重大事故が連続している課題でも、ボルトの位置訂正を見直さない態度ったり
・サバージョババージョの件のように自分と同じホールドで同じムーブでないと認めん、という態度だったり
・オリンピックでの森さんの件みたいな、リーチによる不可能な可登性の否定だったり

まぁ、もうどう考えても、合理的ではない、感情的な議論で、その裏にあるのは、

自信のなさ、だけでなく、共感力自体の欠如、であるのは、

もしかしたら、常に危険にさらされるクライマーとしては大成することの条件

なのかもしれません。外科医がサイコパスであるように。

厳しい環境を耐えるには、共感性は不利なので。

というので、私はまったくオフガードを突かれたわけですが、昨日はその学習効果を発揮して、また物欲しげな初心者クライマーとの接点はお断りしました。

私自身も初心者だった時代があることは本当にその通りで、多くの人に、「こいつ、分かっていないことを分かっていないな」と思われてきたと思いますが、そのような時点であったとしても…教えてください、初心者なので…と自己申告している時点で

山岳総合センターのリーダー講習は受講済み
雪崩講習受講済み
日赤救急救命受講済み
自分の足で雪の山は行ける段階は終わってからだった
すでに読図はマスターしていた

と、言っていることだけでなく、行動でわかっていない自分を克服しようとしていたわけで…努力が書いていたとは言わせない。

もう、勉強熱心さだけは折り紙付きで、初心者と言える段階は抜けてから、最後の手段で教えてくれと、来ていたわけで…

ジム&人工壁から、外岩に来る人たちとの決定的な違いはそこだった。

最初の師匠や二番目の師匠が、ほんなら面倒見てやろうか、と思う根拠はそこにあるのだったと思う。

でも、私に来る人って、ちゃっかり、そこをやらないで、ただ組みたい、ただ一緒登りたい、登っているグループに混ぜてもらいたいって感じみたいなんですよね…

宿題をしていないのに、おやつのご褒美は欲しい子供みたいな感じ。

宿題は自分でしてきた子が、おやつも食べれる世界で生きてきたので、そうでない人の思考回路を理解するのに時間がかかったが…

そういう子が組みたい!ということで私に来ても、私の命はあなたのただただ登りたいという欲求レベルの願望を満たすだけに生まれてきた命ではないし、“命を預けるには早すぎる”と思った時には、きちんと距離を取るしかない…。悪いけども、の枕詞ですら言いたくない。みんなチャッカリしちゃってる。

距離を取る、ということができるようになってきたような気がする。ジム店長、コスタリカ人、に続く4人目の拒否だが…仕方ないよなぁ。

私にも確実に初心者時代はあった。わかっていない人だったころもあった。それでも、その時に見放さずにいてくれた人たちがいたから、今の自分がある。

だから私は、相手の“分からなさ”を責めないでいたいが、宿題はやってきてもらわないと、おやつは出せないのだ。

それが、本当の「愛の形」なのだと思う。親の愛と同じことですね。甘いだけではだめで、そこに必要なのは、父性なのだということです。

九州では、甘いだけってのは、「ロープ直がけがローカルルール」に現れていましたが…

2025/10/05

【大人向け運動指導】水泳で躍進中

 久しぶりに水泳しているんだが、だいぶ躍進中…不思議なもんだなぁ。

過去を振り返る。

2020/09/29

https://allnevery.blogspot.com/2020/09/blog-post_13.html
ホントの事始め。塩素でぐったりしていたあの頃。

2024/06/28

https://allnevery.blogspot.com/2024/06/blog-post_28.html

水泳全体

https://allnevery.blogspot.com/search?q=%E6%B0%B4%E6%B3%B3

現在、バタフライは、8キックして、1回呼吸とか。ドル平でだいぶ進捗。前バランスが分かるように。25mは、もはや何の問題もないが…。50mにチャレンジしないといけないなぁ。

https://youtu.be/Ni8oq3iZSRM?si=RHoMe3rlzRPcTwp8

今日は腕を使ったらしくて、左腕が疲れていて、よし!という感じ。

■西市民プール

とてもきれいな大会向けのプールなんだが、子供向けのエリアしか、自由遊泳の場がないので、ドリルをするにはそこに行くしかない。

それで行くんだが、きれいで広々としている。ドリルを黙々とやっている。

水中ウォーク、前、後ろ、横、反対の横。

ぶくぶくぱの呼吸練習歩きながら。

伏せ浮き。伏せ浮きからの、バタ足キック。前バランスの確認。

ビート版で、バタ足、ドルフィンキック、平、を各100m。

その後は、ドル平やバタフライ。ドルフィンキッククロール。と普通の平。持久力のシーンにはおらず、グライドを取る段階。

今日は、ドルフィンキッククロールでもだいぶ泳げました。数えていないけど、どれくらい泳いだんだろうな。

■足がつるとき=水に逆らうとき

水とお友達になることを目指しているので、脱力しようとしているんだが、どうしても力が入ってしまう…のは、呼吸が苦しくなった時。

呼吸の練習のドリルはやってみたけどうまく行かなかった。

でも、つっている足を見たら、ものすごい筋収縮だった。驚いた。

もう体力増進期に来たらしい。いやー長かったなぁ。すっかり筋肉はいなくなったが、今から体脂肪を燃焼しようという感じだな。

足の感じから、もう走ってもいいんじゃないかな?って感じがする。

何か持久的なトレーニングをスタートすることにしよう。



【リスク過敏症】山梨で治して、福岡で再発

 https://www.facebook.com/share/r/17527M9CNj/

山梨で治したリスク過敏症が、福岡では、再発。思い出せ!あの時のあれだ!的に父に水に落とされておぼれかけた水トラウマが復活=これはかなり危険だ!のサイン。

ということでした。

平和ボケ九州。つきあってられん、というのは、正しい感性だと思う。

福岡でクライミングデビューするクライマー&初心者へのアドバイス

以下、とある人のためにまとめ。

1. 外岩デビューは慎重に

  • 福岡や九州は外岩の指導内容が古く、初心者向けには、リスク認知が著しく低い場合が多い

  • 初心者への保護機能は、本州と比較して弱め(リスクつり上げで競い合う思想が強い)

  • 初心者はまず人工壁やジムでの基礎固めが推奨

  • 週2回程度通うと半年くらいで、ビレイやリードの基礎が身につくが、個人差が大きい

2. 信頼できる指導者を選ぶ

  • 九州では信頼できる指導者が限られる

  • 推奨されるのは以下の組み合わせ

    • 日常の基礎練習:廣瀬先生

    • ステップアップ・フリークライミング指導:安倍アキさん(フリークライミングインストラクター協会の指導者資格あり)

  • 初心者は外岩は、約1~3年はまずトップロープでの経験を積むと安全

  • したくないリードをさせる人からは敬遠すべし(リスクの固有性…背の低い人はリスクが高いなど個人に固有の事情がある)

3. 外岩の環境とルールの違いに注意

  • 福岡・九州の岩場は、石灰岩よりも花崗岩やフェイス主体

  • 石灰岩=落ちること前提

  • 花崗岩スラブ=ランナウトが前提

  • 課題の設計思想やボルトの状態が異なる

  • 外岩に行く際は、ランナウトやボルトの劣化など、リスクに注意

4. 自己申告は慎重に

  • 経験値や能力を最初に話すと、初心者でも過大な課題に連れて行かれるリスクがある

  • よそ者に舐められたくない=よそ者をビビらせて追い払いたい=ロープ合わせの習慣がない、となる

  • 初期段階では、控えめに振る舞い、周囲の状況を観察しながら学ぶのが安全

5. コミュニティづくり

  • クライミングは一人ではできない

  • 安全のためにも、経験者ネットワークに繋がることが重要

  • 信頼できるビレイヤーやガイドと一緒に登ることで、学びと安全を両立できる

6. 成長の順序

  1. ジムで基礎を固める(ビレイ、リード、長物課題)ーー>どんなに急いでも1年はかかる

  2. 小規模な外岩や安全な環境での実践(ガイド講習を使う)

  3. 信頼できる指導者と共に、ステップアップ(最低一年はフォロー)

  4. 外岩・アルパイン・クラックなどリスクの高い分野に段階的に挑戦


■福岡は指導者難・人材難ーーオール九州で頑張るレベル

樋口先生だけが全国区レベルですが、お忙しいので人工壁を借りる以外はお願いしづらい状況にあると思います。

オール九州で頑張るとなると、福岡から多久まで通う交通費くらいは出せる財力と暇が必要です。

樋口先生に関する情報まとめ

  1. 九州内で最も優れた指導者

    • 登山、アルパイン、沢、スポーツクライミング、フリークライミングのすべてを統括した視点を持つ。

    • 九州内で全国レベルの指導ができる唯一の存在と思う。

  2. ネットワークの広さ

    • 瑞牆のトポを作成した内藤氏たちともつながりがある。

    • 日本フリークライミングインストラクター協会の奥村会長とも接点がある。

  3. 初心者や若手クライマーの育成に最適

    • 初心者にとって、最も良い指導選択肢、高校生なら移住レベル。

    • 大人は自ら成長すべしなので、便乗はすべきではない。

    • 先生が主催するビレイ講習などはハイレベルなので出るべし

    • ビレイヤーを一人連れて行けば、実質的に数百円で壁が利用できる環境がある。

    • つまり、すでに経験者であること前提

  4. 樋口先生を通じての安全教育

    • 九州では他のクライマーやガイドはリスク認知が十分でないため、樋口先生もなんとかない袖をふりながら、講習会を開いたりと苦労して、正しい知識を広めようとしている、がマンパワー的な限界がある。



【クライミング心理学】新人トラウマ

 最近、大阪から福岡に戻ってきて、また新人さんが私と組みたそうにしているんですが…。

はぁ…。いや組みたくない。

たぶん、良かれと思って、その人を紹介してくれているんですが…、私は嫌なんです。

その女性と組むの…。見るからに何も知らない。

前述のロープが地面に届いていたクライマーやⅢ級しか登れないのに2段をノーマットで登ると言ってきたクライマーより、さらに何も知らなさそうです。それが非常識なことだという認識すらない。

クライミングガイドを紹介しましたが、お礼も言ってきません。

つまり、私だって、みんなと同じように混ぜてもらいながら登れると思っている…。

混ぜてもらって登るにも、良い集団ならいいのでしょうが、福岡のクライミング貧困の地で、混ぜてもらって登ったクライマーのなれの果てが、ロープが届いていないクライマーのものなのですが…。

いやだなぁ…というのでまた大阪に戻りたくなってきています。

という心理を自覚して、私が福岡に来て得たものは…新人トラウマ、分かっていないことを分かっていない人から殺されそう…利用され、命まで取られそう…という新しい心の傷なんではないか?と思っています。

■ ChatGPT応答

めっちゃ分かる。腹の底から「うわ…」ってなるやつだよね。まずはそれを認めるところからOK — あなたが怖いと感じるのは合理的だし、安全への敏感さはプロとして誇るべき力でもある。そこから前に進めるために、実用的な対処と、闇を笑いに変えるネタの両方を用意しました。好きな方をそのまま使ってください。


# ① 今すぐ使える“断り”と境界フレーズ(現場でも使える)

* やんわり断る(角を立てたくないとき)

  「ごめんなさい、今日は自分のペースで登りたいんです。また機会があればお願いします。」

* 理由を付けて断る(確固たる線引き)

  「私、相性をかなり重視しているので今回は遠慮します。安全管理の基準が合わないと不安なんです。」

* 代替案を出す(関係を壊さずに距離を置く)

  「初心者講習を受けてから一緒に登りましょう。まずは基礎を見てからの方がお互い安心ですよ。」

* はっきり断る(相手がしつこい/安全が心配)

  「今回は組めません。自分の安全と他の人の安全のためにそうします。」

* 紹介してくれた人に言うとき(気まずさを減らす)

  「紹介ありがとう。ただ私の基準が厳しいから、今回は見送りにします。別の場で調整しましょう。」


# ② もし断れずに組む/現場で巻き込まれたら使う“安全確認ショートスクリプト”

到着してすぐ、短く・事実だけ確認する:

1. 「ノットを見せてください(末端はどこを結んでますか)?」

2. 「セルフはどこで取りますか?中間支点はどの程度信頼できますか?」

3. 「ザックはどこに置きますか?落下対策は?」

4. 「ザイル通過ありますか?プルージック/確保器は持ってますか?」

   → もし答えが不十分なら:

   「答えがクリアになるまで私は動けません。安全が確認でき次第進めます。」


(短く言えば “安全確認→OKなら開始→NOなら中断” が鉄則)


# ③ 場のルールを変えるための“集団コントリビューション”テク

* 毎回登る前に「30秒安全チェック」を提案する(全員に利益あり)

* 初心者歓迎だけど「必須スキルリスト(結び・セルフ・支点)」を作る(紙で置くだけで効果大)

* ガイド常駐や講習の日を作るよう声をかける(コミュニティ改善案として提示)


# ④ 感情的セルフケア(新人トラウマに効く)

* まず名前をつける:「新人トラウマ」って呼んでOK。名前を付けると収まりがつきやすい。

* 日記ワーク:体の感覚→思考→行動の順で書く(TEAモデルが好きならこれ)

* 小さな勝利を作る:安全チェックを1回成功させただけで自分に報酬を出す

* 信頼できる一人(ガイドや仲間)を作って、その人にだけは頼るルールを持つ


# ⑤ 使える一言ネタ(SNSやnote向け・ちょっと毒舌でウケる)

「福岡に戻ってきたら、新顔歓迎?いや、歓迎されるのは“装備と常識”だけでいいんだ。私は人間じゃなく“チェックリスト”と組みたい。」


# ⑥ あなたのネタ(漫才・stage-ready短編)——笑いと共感を狙ったもの

(テンポよく、オチをつけて)

「福岡帰ってきました〜。で、新人さんが“是非一緒に”って。いや、心の底から“是非お引き取りを”って言いたかったよね。見た目はフレンドリー、でも知識は『ロープは空気で伸びる』って思ってるんじゃないかってレベル。こないだは懸垂でロープが地面に届かなくて、彼女はザックの中から“もう一本あります”って。もうね、『ザックと君、どっちが大事?』って聞きたかった。で、結局周りが確保器貸してくれたんだけど、次に聞いたのは『ロープ引いてくださーい』…いや、どっちの末端結んでるか誰が分かるんだよ!上の人は神様か何かか?私はもう、心の中で“もう一度大阪へ”って新幹線の切符を買いそうになりました。でもね、笑えるのはこれ全部“新人トラウマ”として家に持って帰って、翌朝それをネタにコーヒー飲んでる自分。人生って意外とエンタメね。」


■ ダニングクルーガー効果

「ダニング=クルーガー効果」に巻き込まれるリスクは、クライミングに限らずあらゆる場面で出てきます。いくつか典型例を挙げますね。


1. 運転(ドライバー)

  • ペーパードライバーが「運転なんて感覚でしょ!」と高速道路に乗る。

  • 結果:合流・車線変更が分からず、同乗者は命の危機を感じる。

  • リスク:事故の危険に巻き込まれる。


2. 医療・健康

  • YouTubeで聞きかじっただけの人が「ワクチンは危ない」「このサプリで全部治る」と断言。

  • 結果:周囲に広めたり、勝手に指導してくる。

  • リスク:信じた人が治療を遅らせて悪化する。


3. 職場

  • 新人が「そんなのマニュアル見なくてもできます」とシステムを操作。

  • 結果:重要データを消す。

  • リスク:被害回復にベテランが膨大な労力を払わされる。


4. 登山・アウトドア

  • 初心者が「山なんて誰でも登れる」と夏に富士山へ。

  • 結果:装備不十分で低体温症や遭難。

  • リスク:救助隊や同行者を危険に巻き込む。


5. 投資・お金

  • 株や暗号資産を始めたばかりの人が「チャート見れば絶対勝てる」と豪語。

  • 結果:大損。

  • リスク:他人を巻き込み「一緒にやろう」と勧める被害。


6. 人間関係

  • 恋愛経験が少ない人が「恋愛はこうすればうまくいく!」と断定的に語る。

  • 結果:アドバイスを真に受けた友人が関係を壊す。

  • リスク:人間関係の混乱に巻き込まれる。


ポイント

「ダニング=クルーガー効果」の危険は、

  • 無知を無知と自覚していないため「アドバイスを聞かない」

  • 自信満々に周りを巻き込む

  • 失敗したときに他人を責任に巻き込む

この3点。
クライミングの場合、それがそのまま「命のリスク」になるから、あなたが過敏になるのは合理的なんです。


2025/10/04

試しにネタにしてって言ってみた事例

以下、ChatGPT先生にネタ化してもらった。

ーーーーーーーーーー 

いいネタですね🤣

そのまま舞台にかけても笑いが取れそうです。漫才風にまとめると、こんな感じでしょうか:


🎤【山岳漫才】
登り中に隣のパーティを見たら――

👀「あれ?懸垂下降してるけど、ロープの末端、地面まで届いてないやん!」
しかも――
「末端結んでなーい!!!」

😱💦

下から別パーティの声援(?)が飛ぶ:
「ロープ、届いてないぞー!」
「2本で降りろー!」

で、問題のもう一本のロープは――
🎒「ザックの中でーす!」

……(沈黙。全員の心の声:落とすなよ…)

「中間支点にセルフ取れー!」
「絶対にザック落とすなー!」
「ロープ連結しろー!」

なんとかロープ連結完了。
するとクライマー、得意げに:
「ロープ引いてくださーい!」

上からの人:「え?どっち結んだかわからんけど?」
会場:(ズッコケ~)

さらに懸垂で無事降りてホッとしたのも束の間。
今度は初心者をローワーダウンで下ろす段取り。
でも――2本連結してるからザイル通過がある!

下からアドバイス:
「ザイル通過あるよー!」

クライマー:「???」(完全に無線の雑音みたいな顔)

プルージック?もちろん持ってない。
結局――
「はい、確保器貸しまーす!」(周りがサポート)

もうね、山じゃなくてコント舞台。
観客席からのツッコミがなかったら、危うく人力落語になるところでした。


これ、落語っぽく広げてもいけそうですが、漫才ノリにしました。
もっと「落語風」か「漫才風」か「SNSネタ(大喜利風)」か、どのテイストで仕上げたいですか?


感想:ほとんど加工していない… やっぱり、まんまネタだったってことでは???

失敗事例の体系化

ChatGPTに提案されました。

以下に「失敗事例集 大系化」の枠組み案を提案します。


失敗事例集 ― クライミング事故を防ぐための大系化

第1部:ロープワークの失敗

1-1 懸垂下降の典型ミス

  • ロープ末端が地面に届かない/末端を結んでいない

  • 連結したロープで「どちらを引けば回収できるか」を理解していない

  • プルージック未使用

  • 確保器を忘れる

👉 教訓:「初心者ほど懸垂下降に熟達せよ」

1-2 ローワーダウンの失敗

  • ロープ連結部(ザイル通過)への理解不足

  • 補助ギア(プルージック・マルチデバイス)不携帯

  • 他者にギアを借りて場をしのぐ

👉 教訓:「ローワーダウンは確実に“止められる”準備を」


第2部:計画と準備の失敗

2-1 装備不足

  • セルフビレイを取らずに行動

  • 予備ロープ・捨て縄の持参なし

  • 装備軽量化と“省略”を混同

2-2 計画力不足

  • ルート情報を確認せず現地判断に頼る

  • 時間配分・撤退条件の設定なし

  • デポの工夫を知らない/使えない

👉 教訓:「計画不足は経験不足より危険」


第3部:態度・心構えの失敗

3-1 危険に無自覚

  • 他人に叫ばれて初めて危険に気づく

  • “なんとかなる”思考で現場対応

  • 技術を人任せにする

3-2 反省しない初心者

  • 危機的な体験をしても反省が浅い

  • 「もっと難しい山に行きたい」と無謀な要求

  • 自分の技術不足を認めない

👉 教訓:「成長は反省からしか始まらない」


第4部:リーダーシップ不在の失敗

  • 経験者不在のままマルチに挑戦

  • 責任者がロープワークを理解していない

  • 「誰も止めない」環境で事故寸前の行動

👉 教訓:「リーダーは技術と判断を統率する責任を持つ」


第5部:体系化まとめ

失敗の4大原因

  1. 技術不足(知らない/できない)

  2. 準備不足(持たない/調べない)

  3. 態度不足(反省しない/学ばない)

  4. 統率不足(指導者・リーダー不在)

対策

  • 基礎技術の徹底反復(特に懸垂・ローワーダウン・セルフ確保)

  • 事前準備の習慣化(装備チェックリスト・撤退条件の設定)

  • 内省の文化(失敗を「笑い話」で終わらせず学びに変える)

  • リーダー教育(判断力・統率力の強化)


👉 この大系化は「事故を防ぐための教育カリキュラム」にも、「ブログ連載・ZINEのコンテンツ」にも応用できます。
各事例を「ストーリー+教訓」にして集めれば、「生きたテキスト」として強力な教材になりますよ。


【まとめなおし】「スーパーアルピニストを目指す人のための戦略マニュアル」

スーパーアルピニストを目指す人のための戦略マニュアル」として体系的にまとめ直しました。

戦略(考え方・方向性)と事例(伊藤仰二さんの実践)がワンセットになるように整理しています。


スーパーアルピニスト戦略マニュアル

~伊藤仰二氏ヒマラヤ遠征報告から学ぶ~

戦略1:思考基盤を“解決志向”に切り替える

考え方

  • 情熱や根性ではなく、「どう解決するか?」を常に問い続ける。

  • 不足を具体化し、一つずつ潰していくことが成長への最短ルート。

事例

  • 伊藤氏の報告は「熱い思い」ではなく、「解決策そのもの」を提示する内容だった。


戦略2:徹底的な計画力を鍛える

考え方

  • 遠征の壁探しは“偶然”ではなく“調査力”で決まる。

  • 時間を惜しまず、地図や衛星画像を使って条件を絞り込む。

事例

  • Googleアースを使って1か月半、パソコンに張り付き壁を調査。

  • 「取り付ける可能性がある壁」を見抜くためには経験が必要。


戦略3:時期とエリアを戦略的に選択する

考え方

  • 季節とエリアは成果を左右する。

  • 天候リスクと混雑リスクを避け、実力に合うフィールドを選ぶ。

事例

  • 12月は天候が安定している一方で、リスクは寒さ。

  • エベレスト周辺ではなく、ダウラギリ周辺を選んだ。


戦略4:困難度を“総合”で把握し、国内でリハーサル

考え方

  • 難易度だけでなく「標高×距離×日数」の総合負荷を評価する。

  • 国内で同条件を模擬体験し、実力を検証する。

事例

  • 遠征概要:

    • 標高:約 6000m

    • グレード:M7 / AI5

    • 総距離:1700m

    • スタイル:5ビバーク・1プッシュ

    • 高低差:約 4000m

  • 4800m地点に食料デポを設置してリスクに対応。

  • 登攀ペース:約400m/日を4日連続

  • 一般人比較:インスボンのマルチ(300m)を1日2本登る=600m/日(難度は5.9〜10代=M5〜M6)。
    👉 国内でも登攀距離400m×数日をこなせないなら、高所で成功する可能性は極めて低い。


戦略5:M7を“涼しい顔で”こなす実力を持つ

考え方

  • スーパーアルピニストの必須条件は「M7を安定して登れること」。

  • 岩・氷・ミックスを自在にこなせる総合力が必要。

事例

  • 伊藤氏は**M7(5.11代相当)**を高所でオンサイトできる力を前提に計画を立てていた。


戦略6:高速のアルパインスタイルを徹底する

考え方

  • 荷物を最小限に削ぎ落とし、スピードでリスクを減らす。

  • 「速さ=安全」の思想を徹底する。

事例

  • 基本はリード&フォローで進行。

  • 生活ギア込みで重量はトップ3kg、フォロー10kg(合計13kg)

  • 装備例:

    • アイススクリュー7本

    • カム一式

    • ハーケン9枚

    • ナッツ2セット

    • アルパインヌンチャク6本

    • 捨て縄用ギア4つ


戦略7:国内外で“本番に近い練習”を積む

考え方

  • 実際の標高や距離、グレードに近い条件で練習し、成功率を上げる。

  • 国内リハーサル → 海外実践のサイクルを回す。

事例

  • 伊藤氏は国内外で積み重ねた経験を「6000m級・1700m・M7」という形で結実させた。


最終まとめ

スーパーアルピニストを目指すには――

  1. 解決志向で課題を潰す

  2. 徹底した調査・計画力

  3. 適切な時期と山域選択

  4. 総合困難度を国内でリハーサル

  5. M7を安定して登れる実力

  6. 軽量・高速のアルパインスタイル

  7. 国内外で段階的に経験を積む

この7つの戦略が、ヒマラヤ級のスーパーアルピニストへの道を切り拓きます。


一方の現実

世も末九州で見かけた若者事例

https://allnevery.blogspot.com/2023/02/blog-post_19.html

くどいようですが、これが現実ですからね。

―――――――引用ーーーーーーーーーーー


先日比叡を登攀中、隣のパーティをみたら、懸垂下降しているのに、ロープの末端が地面届いていない!ロープの末端も結ばれていない…


どうするんでしょう~


下からほかのクライマーに


「ロープが地面まで届いていないぞー」
「2本で降りろー」


と叫ばれていました(笑)
こんな流れ。


「もう一本のロープはどこだー?」
「ザックの中でーす」


…(一同)。


「そこの中間支点にセルフを取るんだー!」
「ザックを絶対に落とすなよー」
「ロープを出して連結するんだー」


クライマー「ロープ連結しましたー」


そのあとがズッコケ。上の人に「ロープ引いてくださーい」とクライマー。いや、どっちの末端を結んだか、上の人が分かるはずないでしょ。そういう時は自分が引くしかないでしょ。


これは序の口で、懸垂で無事降りて、次は中間にいる初心者をローワーダウンで下で確保しておろすことにしたらしいのですが、当然2本を連結しているので、ザイル通過があります。


他のクライマー:「ザイル通過あるよ」
クライマー: ?


確保器がない=プルージックが必要ですが、そういうことは期待できないだろうと、明らか(笑)。
他のクライマーが確保器を貸していました。

ーーーーーーーーーーー 

チーン、って感じ。

日本の登山界の東大=文部省登山研究所のリーダー講習ということになっていたんですが…この若者は、そこの出身です…。

文登研の実力も地に落ちたものですね…。

つまり、もっと革新的な登山教育をしてくれないと!

今までやってきた、分かるやつにわかればいいっていう教育法だと、分かるやつはほとんどいないって意味ですよ。


【NOTE転載】【スーパーアルパイン】ツクチェピーク前衛峰(6490m)北東壁報告会 を視聴して

NOTEからの転記です。元記事はこちら。

https://note.com/kinny2021/n/ne6a28b000681?app_launch=false

2024年11月26日、JMSCA主催で、現代のトップクライマー、伊藤仰二氏によるヒマラヤ遠征報告会がありました。

そこで話された内容から、一般クライマーが、自己成長していくにあたり、どのように、自分のクライミングに必要なステップや要素に落とし込めるか? 習得の項目は?ということを考察してみます。

ひとつの参考事例として、お読みいただければと思います。現代は山岳会も高齢化が進み、指導体力がないことがほとんどですので、指導者のいないクライマーのご参考になれば。

あくまで私が、ライブ視聴の中で、拾った内容をもとに、個人クライマーの習得項目に落とし込んだ、ということですので、他にも様々な方法論、もっとこうしたら、という意見が多数あってしかるべきと思います。ご参考程度に利用されてください。

■ 全体的な取り組み姿勢

伊藤さんの報告は、従来の報告会にありがちな”熱い思い”を語らず、”具体的な解決案そのもの”を語るもの、でした。

考えてみれば、本当に困難なことであれば、”想い”だけで山に登れるわけないのかもしれません。

 何がどうできるようになるべきなのか?

が、分かりやすかったんではないだろうか?と思いました。トップクライマーの報告会から、自分の山に落とし込んで、自分には何が足りないのか?ということを想像して、つぶしていく、という活動が、よりスピーディに成長していく行動になると思います。

■ 山行計画の立て方

山行計画の立て方は、定番のGoogleアースを使い、1か月半びっちりパソコンに張り付いて壁を探したそうです。つまり、そういう探す作業ができる暇人が必要です。

また、探す際に条件を分かって、絞り込めているということも必要です。これには経験がいります。どこに取り付くことができる、未踏の壁がありそうか?ということを絞り込むためには、あらかじめヒマラヤを登っている経験が多少は必要でしょう。

(条件そのものを知りたい人は、報告書が出ると思いますので読んでみてくださいね☆)

まとめ: Googleアース、一カ月半、壁探し

■ 時期&エリア選択

12月が天候が安定しているそうです。リスクは寒さ、です。

ヒマラヤと言っても広く、エベレスト周辺はもはや手あかがついた山といえるのかもしれません。ダウラギリ周辺を選んでいます。ここにも、渋さがうかがえます。

■ 規模と難易度

6000m級 M7 AI5 1700m 5ビバーク1プッシュ

まず規模がデカいです。麓の村が標高2600m。高低差4000mもあります。長い、ということがリスクになることが、最初から分かります。

そのリスクへの対応のため、食料のデポ(4800m地点)をしているそうでした。

一日当たりの登攀距離にして、とりつきから均等割りで、400m/日くらいかな? そして、難度はM7です。それを空気の薄い6000mで行う。

これが、どれくらいの体力なのか? 

各自、標高の高いところに行ってみて、そこで、強度の高い7~17メッツくらいの運動をしてみる、というのが自分にとって、その標高で可能な運動強度を知る方法になるのでは?と思います。

一日400mを4日連続で、国内の低標高のところでも、登れないのであれば、6000mに持っていけば、さらにしんどいということは確実なわけなので…。そのようなチャレンジは、わざわざ失敗しに行くようなものではないかと思います。

まとめ: トータルの登攀距離、一日の登攀距離、標高、そして難易度
を国内リハーサルすることで、トータル困難度が分かる。

余談ですが、私も海外はインスボンでマルチピッチを登っていますが、そのマルチで一本300m程度です。一日2回行くこともありましたので、下界であれば、400mというのは、ありえない速さではない感じです。これは何難易度としては、5.9~10代、です。Mグレードへ変換するとM5~6です。それをM7(デシマル変換すると大体5.11代に相当)でやるのは、それだけ高い、オンサイト能力が必要ということになります。

まとめ: M7 をすいすい登れる必要がある

■ スタイル

次に、スタイルです。

・ずっとリードフォローで行きたかった

・1ピッチだけ残念ながら、荷揚げになった

・日本の屏風岩みたいな感覚で登りたかった

・トップ3kg、フォロー10kg

生活ギア込みの重量がトータル13kgとは…軽いです。軽量化してスピードをあげるクライミングが、アルパインスタイル、と呼ばれるスタイルです。

ギアを見てみましたが、アイススクリュー7本、カム一式、ハーケン9枚、ナッツ2セット、アルパインヌンチャク6枚、捨て縄用ギア4つ、あとはスリングと環付きビナが概要でした。同ルート下降の可能性もある場合、捨て縄が必要です。足りなくなると…靴ひもまで使わないといけなくなります…。

一日当たり400mちょいくらいを登ったのだとすると、60mロープで、7ピッチ~8ピッチです。

岩場での、一般的なフリークライミングの登り方、というのは、分不相応に難しいルートに取りついては、ハングドッグでうんうん唸って、ムーブ解決し、何回も落ちては登り、場合によっては、何日もかけて、やっと20~30mのルートを登るというのが、レッドポイントで登るというクライミングスタイルなので、こういう登り方を何回していても、ロングなルートで、400m登れるようになるわけではない、というのが分かると思います。

自分のオンサイト出来るグレードで、一日400mくらい登るように、訓練しておく必要があります。20mの課題なら、20本も登らないといけないですね。

今の岩場で一般的な、高難度レッドポインターではなく、オンサイトで長い距離を素早く登れる能力が必要です。

昨今、インドアジムではありますが、男子は俺5段登れる、とか言ってるんだから、若い男性なら、M7(5.11)って普通にその辺の人も登るので、ありえないグレード、つまりテクニックではありません。クライマー最弱者の私でM5くらいを登りますので。

まとめ:オンサイトグレードでM7(5.11)を400m以上/日 登れる必要がある。

■ 高所順応

5000mで2泊。一度体調悪化により、ポカラ(700m)まで降りて、4,5日の休息を取っています。これは、ClimbHigh SleepLowと言われる方法論で、標高による高度障害は、高度を下げるしか、手段がありません。

■ 生活技術
・海外での安ホテル宿泊スキル
・無雪期のテント泊スキル
・積雪期のテント泊スキル
・壁内ビバークスキル
・ツエルトでの宿泊スキル
・豪雪対応
の5つの宿泊スタイルでの生活技術が必要です。

壁内ビバークスキルは、一般的には、ビッグウォールの経験ってことになります。海外までビッグウォールを登りに行くことができない人は、人工壁や近所の岩場で壁ビバーク練習するのが良いと思います。しかも、悪天候になれておいた方が良いです。

余談ですが、このような理由で、ヨセミテのビッグウォールに行くことは、ヒマラヤの未踏峰の冬壁の訓練の一部、ということですね。

まあ、絶対に必要なのは、やはり、雪上生活経験です。これは、八ヶ岳で雪上テント泊していれば、十分。八つのほうが寒いようです。八ヶ岳だと、標高2000で、ー24度です。

6000m級でー10度くらい

までならば、高度な登攀が可能というのが、一つの水準と感じているそうでした。

大雪への対応力も身に着けておかなければならないので、豪雪の山に行けば、夜中に除雪で寝床から起きなくてはならいというキャリアも積めます。

まとめ: ヒマラヤに行く前に必要となりそうな宿泊スタイルの対応力はつけておく

■ プロテクション

当然ですが、アイスにプロテクションを取る技術、アイススクリュー設置能力は必要です。それも、べったりとしたアイスではなく、岩と氷のミックスで、岩の溝に詰まっているような氷に対しての設置です。

また、岩にプロテクションを取る技術=カムのプレイスメント。

ナッツ、ナチュラルプロテクションも、地味ですが必要です。スリングで岩の突起に掛けるような利用できるものは何でも利用するプロテクションの設置力が必要です。

■ クライミングムーブの能力

そして、オールラウンドなクライミング能力が必要になります。

フリークライミングのムーブだけではだめですね。アックスでクラックを登る技術=ミックス技術=つまり、ドライツーリングのクラックバージョン。ドライもボルトルートだけでは、だめってことです。自分でプロテクションを設置しながら登るとなると、それなりにゆとりが必要になります。

■ ナビゲーション技術

また壁に行きつくまでに、読図力が必要です。さらにどの壁を登るのが適切か?というので、ルートファインディング力…これはベテランの知恵が伝承されてほしいところです。

ゼロから作るのは、非常に難しいです。昔はこれは先輩から後輩に伝授されるようなものだったのではないでしょうか?あるいはセンスと言われる領域かもしれまません。初心者は、登っている先で、ああ~プロテクションが取れない、けど、今、手も離せない!って羽目になるのは、普通のショートのゲレンデで、5.8しか登っていなくても、よく発生します。私も、初めて瑞牆で登った日にランナウトして、カムが玉切れになりました。

これを高所でやると一発でアウトになりますので、ある程度の確信をもって、誰も登っていない場所を登れるようになっておく必要があります。

同じようなことを高所の僻地でやって、それで落ちれば、即ピンチ。というか、救急車は来ないですので、そもそも、そういう羽目にならない能力を培う必要があります。

また運よく登れても、下りのほうが事故が多いですので、どこでどう懸垂するかの見極めなどの、下山時のルートファインディング能力が必要です。危険回避能力も必要です。

大体登るより、降りるほうが難しいのが山ですが…帰りは、板状の岩が重なったところを降りるのを避け、遠回りして降りていました。

また、クライムダウンは、ロープつけてコンテで降りていました。40度だったそうです。これくらいの傾斜だと、懸垂では、ロープが地面についてしまうし、逆に遅いので、クライムダウンになると思うけど…、コンテだと間にプロテクションが取れない場合は、トップクライマーの間でも、ロープをつけるかつけないかは意見が分かれるところだろうなぁと…。片方が落ちたら、他方が巻き込まれるからです。

まとめ:読図、ルートファインディング、下山路での危険回避とルートファインディング能力、クライムダウン

■ 体力温存、軽量化が核心

長大なので、体力温存が大事だそうです。

座ってのビバークにならないために、アイスハンモック手作り。成功の要因の一つだそうです。

また、手作りのバックパックが50リットルで560gとウルトラライトでした。軽量化も核心ということですね。

■ 要点

現代のトップアルパインクライミングは、M7 AI5 1700m@標高6000m級。それに必要な能力は、ルートをそもそも見つける力とM7程度がオンサイトで登れる登攀力、標高に耐えてスピーディに抜ける体力、軽量化、体力温存の工夫、ですね。

生活技術・ロープワークなどは、下界でのクライミングでもできて当然の基本技術だ、と思いました。

全般に、いかに事前にリスクを予想し、それらを上手に避けて、楽しく登ってきたか、という報告でした。

これまでの、つらく、根性が必要な不快な冬壁、という認識が覆り、行ってみたいな、楽しそうだな、と思える人もいたのではないでしょうか?

先鋭的なアルパインクライミングの先入観を覆すという意味で、非常に良い報告会でした。

個人的意見ですが、こういう報告会が多数行われれば、いわゆる、栗城劇場みたいなのは、起らなくなるでしょう。

正確に何がどうできれば、どの山に行けるのか?ということが、周知されると思うからです。

ヒマラヤって言っても、歩くだけのトレッキングから、M7で5ビバーク、みたいな山までいろいろあります。

富士山って言っても、夏山なら、初心者の山、ただ歩くだけでしょう。

同じことです。

トップクライマーを見習って、リスクに備え、それらリスクを上手に回避し、自分の実力にみあった山登りを実践する人が増えることを祈っています。

■ 最後に…

このNOTEを書くために、再度、動画を視聴して、疑問がいくつか湧きました…

1)同ルート下降で、4つの捨て縄用のギアで十分だと考えた理由
2)Googleアースでこの壁を見つけたとき、登れるかどうかの判断はどうやってしたのか?
3)アイスハンモックを必需品と考えた、背景にはどのような経験談があるのか?
4)12月を選んだメリット(次回あるとするなら、また12月を選びたいかどうか)

2025/10/03

【ビレイ】泣く子も黙るアレックス君のビレイヤーのビレイ位置

ビレイヤーの位置に注目!!

フリーソロで有名なクライマーでも、ちゃんとしたビレイヤーで登ったらこんな立ち位置ですからね。


スポーツルート

たぶん、日本のロクスノの画像では、クライマーを上から取っている写真が少ないので、クライマーとビレイヤーの位置関係が移っている画像がほとんどなく、それで、初心者は立ち位置を学ぶことができないのかもしれませんね。



コーナークラック

アルパインのロッククライミング


山岳地帯のロッククライミングだって同じ立ち位置ですよ。

アイスですらこれくらい。



場所を見れば、どういうクライミングをしているか分かる。

すごーくとおーい位置に立っているビレイヤー=あんまりシビアなクライミングではない。





2025/10/02

【心理学】模倣行動の限界が、ロープ長を計算していないリードだったんだということ

■次男タイプや初心者は、先輩クライマーの行動を「正しい」と無条件で真似る

🔹 状況の構造

  1. 模倣行動

    • 次男タイプや初心者は、先輩クライマーの行動を「正しい」と無条件で真似る

    • 「先輩もこうしていたから大丈夫」と思い込む

  2. 無自覚の誤認

    • 「ロープ長は十分」と思い込む

    • 実際にはピッチ間隔や終了点位置を計算していない

    • 危険に気づいていないので自己判断で進んでしまう

  3. 結果としてのリスク

    • ピッチが短すぎたり長すぎたりして落下距離が想定外になる

    • ランナウトや終了点の負荷増大

    • 自分やフォロワーが事故に巻き込まれる


🔹 可視化

模倣行動 → 無自覚に「安全」と誤認 → ロープ長を計算せずピッチをつなぐ → 想定外の落下や負荷 → 事故リスク増大

🔹 教育的対応

初心者や模倣型クライマーには、「自分で計算しないと命に関わる」という事実を体感レベルで理解させることが重要です。

  • ロープ長の計算方法を必ずチェックさせる

  • ピッチ計画を指導者と一緒に作らせる

  • フォローやトップロープでまず安全に体験させる

ポイントは、「模倣しても安全が保証されない」ことを明確に見せることです。
言葉だけで「危ない」と言うより、計算やシミュレーションを一緒にやらせるほうが、自覚を伴った学びになります。



🔹 模倣できないポイント

  1. 目に見えない準備

    • 経験者は「事前にロープ長を計算する」「ピッチや終了点を確認する」「岩質やボルトの状態をチェックする」など、目に見えない準備をしている

    • 初心者は模倣できるのは目に見える動作(結ぶ、登る、カムを持つなど)だけ

  2. 無意識レベルの判断

    • 経験者は無意識に安全余裕やフォロー計画を組み込んでいる

    • 初心者はそこに気づかず、動作だけを真似する

  3. 結果としての危険

    • 「同じ動作をしているのに、同じ安全は保証されない」

    • ピッチをつなぐ、ロープを扱う、といった一見単純な行為でも、準備がなければリスクが増大する


🔹 可視化すると

経験者の準備(見えない) → 無意識判断込みの行動 → 安全確保 初心者の模倣(見える動作だけ) → 準備なしで同じ動作 → 安全が保証されない

🔹 教育的示唆

  • 初心者には「見える動作だけでは安全にならない」ことを体感させる、必要がある

    • 例:ロープ長の計算を自分でやらせる

    • 例:ピッチ計画を紙に書かせる

  • 体験を通して「準備の重要性」を腑に落とさせることが、模倣だけでは身につかない安全意識を育てる


なるほど、「後藤ガイドの地図を見てびっくりした」という感覚、わかります。これは単なる驚きではなく、経験者の視点や事前準備の密度に初心者が気づかされる瞬間とも言えます。

整理するとこんな構造です:


🔹 何にびっくりしたのか

  1. 情報量の多さ・詳細さ

    • 後藤ガイドの地図にはピッチや終了点、ボルト位置、アプローチの注意点などが詳細に書かれている

    • 初心者から見ると「こんなに考えて準備しているのか!」と驚く

  2. 経験者の無意識準備の可視化

    • 普段は意識せずに行っている安全確認や判断の積み重ねが、一目で分かる

    • 「これを知らずに模倣しても安全にならない」と実感させる

  3. 盲点に気づく契機

    • 「地図に書かれていることの半分も自分は知らない」

    • まさに無自覚の誤認や模倣の限界を認識する瞬間


🔹 教育的ポイント

  • 驚きをきっかけに安全意識を促す

    • 「こんなに細かく準備しているんだ」と気づくことが、自分の盲点に目を向ける第一歩

  • 模倣では補えない部分を強調

    • 見えない準備や判断力の重要性を伝える

  • 次のアクションにつなげる

    • 「まずはトップロープや室内で、計画を紙に書くところから始めましょう」と具体策を示す