クライミング界に必要な変革
「行動の結果を考えよう」
これまでクライミング界では「クライミングは自己責任」という標語が掲げられてきた。
しかしその結果、「自己責任」を盾に他人に責任を押し付ける、無責任なクライマーが増えてしまった。
いま必要なのは、「自己責任」ではなく「行動の結果を考える」文化だ。
「行動の結果を考えよう」という価値観に転換すれば、
どれだけ深く結果を考えられるかという心理的競争が生まれ、自然と事故は減るだろう。
世界のトヨタを生み出した日本人。
われら日本人が、懸垂下降でロープが地面についていないとか、
登ったはいいが降り方が分からないといった理由で命を落とす。
そんな馬鹿なはずがない。
登山では読図ができず、自分が山の中のどこにいるのか分からなくなる。
――そんなこと、能力的にあり得るはずがない。
つまり、多くの日本人は、「考え方」を教わっていないのだ。
だからこそ言いたい。
「クライミングは自己責任」という標語から、「行動の結果を考えよう」へ。
これが、遭難事故を減らすための本当のカギですね。
■現状の構造的問題