ラベル 九州クライミング事情 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 九州クライミング事情 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2025/11/19

文化的ギャップ疲れ・・・その3

さて、さて、続きを書きます。

九州って、まぁ全般に、クライミング文化的な”超”へき地化している、って観察結果でした。

でも、実は、これ、ある程度予想していたんですよね。というのは、『日本登山大系』の西日本編がしょぼいからです。

ところが、米澤先生に岩場で出会い、本当の山やに会えた!と思いました。米澤先生のことは、HPの『福岡近郊の岩場』で知っていました。

先生を尊敬するポイントしては、背振の尾根と谷を歩きつくしているという伝統的な山やの価値観を踏襲されているところです。

私は本格的な岳人に出会えて本当にうれしかったのですが、相方のアラーキーは、遭難している老人にあってしまった…と思ったみたいでした(笑)。というのは、沢の一部でたたずんでおられるところに私たちが行き合ったからです。

私はそれで、さっそく、岩場のボルト提供を申し入れることになり…あれ?カットアンカーってことになりました。そもそも、カットアンカー自体を知らなかったので、最初からHiltiしか念頭になく、Hiltiのホームページには、それはそれはいくつも種類があるので、そのどれを購入したらいいか分からなかったのです。

それでJFAに聞くべし、みたいなことになりました。

■岩場自治

JFAに会費を払うより、自分が登る岩場のボルトを直接購入する方が、優れた支援方法です。

というのは、私は子供時代が大変だったので18で、働き始めてすぐ、まだ自分が勤労学生のころから、こうしたNPO的なものにはお金を出してきましたが、これって資金の約7,8割が職員給与に支払われるんですよ。私が出していたのはネパールの貧しい子供のフォスターペアレントになるという支援でしたが。ほとんど支援は職員給与に消えると知り、支援は辞めました。なんせ自分が勤労学生。支援される側です。

私はJFAは非常にありがたい組織だと思いますが、井上大輔さんがやっているようにリボルト員を育成する活動にシフトする方が、リボルト自体を生業とするより良いと思いますし、アクセス問題についても、現場の地元の人たちが直接、地域住民と対話を持つ小鹿野式が好きです。そのための、仲介者として手数料取ったらいいのではないかと思います。一件5万円とか。

じゃないと、面倒なことは全部JFAに丸投げし、地元クライマー自体はJFAの監視の目からこそこそと逃げて回ってこっそり登る、誰にも見つからなきゃOKでしょ、みたいなことになる。そのうえ、JFAに権力が集中して、まったくよろしくないです。

地方自治ならぬ、岩場自治みたいなのがいいですよ。

■岩場の個性

アルパインの岩場とフリークライミングの岩場のあるべき姿も違うので、クライミングという言葉のくくりで、クライマー人種を丸ごとひとまとめにもできないですよねぇ…

たとえば、アイゼンのガリガリ痕。アイゼンで登るなっていうけどさ、フリークライミングのレベル感の岩場では、そもそもアイゼンで登れないですよ。

初登がクライミングシューズの岩場では、アイゼンで登ることができるような難度にないので技術的に不可能です。

逆にさ、アイゼンで登れるようなところを、クライミングシューズで登って登れた気になるなってくらいな、レベル低下を起こしていますよねぇ…。

それって、クライミング最弱者の私ですら、アイゼンで登れたところは、クライミングシューズなら、2度目からはリードですよ。

というのは、山梨にいる頃ですが、広沢寺という岩場の名前が当時の師匠だった鈴木さんのクライミング解説で頻出したので、広沢寺を知らない私には話が通じず、困ったので、ちょっと遠征して、行く必要のない広沢寺に行ったのです。

すると、そこはUIAA4級の岩場で、いつも練習している西湖の岩場より格段にやさしく、みんなオンサイトで登ってしまったんですよ。そしたら、下から見ていた人たちが拍手を送ってきたのです…え~こんなんで、ほめられても…って感じでした。

山梨では私は、へたくそ組だったんです。

つまり、フリークライミングの初心者は、アルパインクライミングの中級者なんですよ。

5.9はフリークライミングでは入門グレードですが、アルパインクライミングでは中級者です。

■5.9の意味

男子なら、フリークライミングの5.9は特にムーブを必要とせず、普通の腕力と体系、リーチがあれば登れるグレードのことが5.9です。(女子は違います、念のため)

私のいた御坂山岳会では、のっぽの30代新人は、5.8もまともに登れなかったので、私は最初から、会の新人の中では登れる人でした。というか、クライミングは危険だから登りたくないというのが彼の在り方の正しい表現だったでしょう。彼はクライミングはあぶないからしたくないっていう先入観が強かったんですよね。なので、

ほらみて、40代の女性でも登っているよーと、彼を奮起させるために使われた人材ってのが私の正しいポジションでしょう。

一方、同じ時期、私はジム(主にピラニア)では全く登れない子グループでした。だからこそ、ジムに行っていた感じです。ジムでのグレード競争に参加する気は全くありませんでしたが、山梨は田舎なので、ジムグレードが辛いらしくて、行ったジムの中には、登れる課題が1本しかないジムもありました(笑)。翌年行ったら2本に増えており、成長を感じた。

以上のような、ジムグレードの高騰、フリークライミングのレベル感とアルパインクライミングのレベル感の違い、などが、九州ではあまり理解されておらず、ましてや、男女の差などの理解も今からのようで、なんだかなぁ…という感想。

■大蛇山

とくに、日向神の大蛇山の件は、とくに嫌だと思った件でした。

大蛇山は、10cでしたが、私は3便ほどで登れましたが、一か所ボルトが遠いのです。長ぬんで伸ばしてもらうと掛けやすいです。

九州では、これがずる扱いなのです。体格によるリスクの差が理解されていない…。山梨では人工壁ですら、体格によっては長ぬんでしたけど…。えー?でした。

わたしだって、マスターで登れるような構成の課題なら、マスターで取りつきたいですけど、そもそも、課題自体がマスターで取りつけるような作りになっていないです。

そこが理解されておらず、長ぬんで登る人を弱虫扱いする=基本的に九州の価値観は、勇気一点主義、って言った方がいいかなぁ…。

でも、クライミング界の最弱者の私に要求します??

なんか競争相手として使うべき人が違うと思いますけど…?

しかも、登ったら直後にリボルトになりました…。これは、”リボルトしてくださいJFA様、ほら、こんなおばちゃんだって取りつく課題なんですから…”というリボルト口実づくりに利用されているのではないだろうか?と思いました。

しかも、松井さんと行った別の岩場では、女性クライマーと同席しましたが、どう見ても全然クライミングを理解していない人で、勇気一点豪華主義に疑問を挟んでいないようでした。そんな人とパートナー組めません。

というか、松井さん自身が、勇気一点豪華主義から修正を望んでいるのに、彼の門下生は一向にそこから目覚めることがないのが困っていた点だったのかもしれません。

岩登りに必要なのは、勇気より、大人としての理性、知性の方なんですが。

リスク認知をどうやったら教えられるか?悩んでいたのかもしれませんね。

しかし、だとしても、わたしに期待するのはちょっとお門違いでしょう…。期待はしていなかったかもしれませんが。どっちにしても、彼の課題でしょう。自分の会なんだから。

というわけで、私には、九州ではクライミングそのものが、かなりストレスフルな経験でした。

■まとめ

良かったのは米澤さんとのクライミングのころだけです。それも後で、ケガをしたパートナーに配慮がないということで終わりました。

  • クライミング文化の地域差

  • 男女差の理解不足

  • フリーとアルパインのレベル感の違い

  • 安全性への配慮の不一致

  • “勇気一点主義”という価値観

  • ボルトの遠さや長ヌンの扱いについての認識差

  • 怪我をしたパートナーの扱いが雑

など、多くの“不一致”が積み重なっています。

その中で私は、自分の技術や経験が否定されるような扱いを受けたり、あるいは「利用されているのでは?」と感じさせられる出来事に遭遇したわけですよ。

これはストレスとしてはかなり大きいものです。

心の中で感じた、

「なんで私が?」
「そこじゃないんだよ…」


という違和感、悔しさ、疲れ…が極限まで積みあがりました。

こうしたものが鬱の原因になったんですよ。白亜スラブの件だけじゃなく。

“弱い側”として蔑まれつつ、実際には、“都合よく強い側”として使われた、ということなんですよ。

実際には、

  • 長い期間、アルパインも含めた多様な経験を積んできて

  • 自分の身体的特性も理解した上で

  • リスクを冷静に判断しながら登ることができる

これは私が“弱い”のではなく、むしろ普通に、成熟したクライマーのあり方です。

それにもかかわらず、

  • 長ヌンを“ずる”と扱われる

  • 登りがリボルトの口実として使われたように見える

  • 「勇気一点主義」の文化の中で、技術や合理性がバカにされる

こうした扱いは、私の評価としてはなんか、不当ですし、利用されているようにも感じられて当然ですよね。

しかも、私は松井さんから預かった大学生男子の小川山デビューまでやってあげたんですからね。

そもそも、もっと感謝されていい行為なのに、逆に馬鹿にされるなんて変ですよねぇ?

というので、かなりストレスを感じていたのですが、唯一のよりどころが、山梨時代から知っているクライマーの相方アラーキーだったんですよ。

彼は、私とは違い、普通にギリ5.12に手が届くかみたいなところでした。男子としては普通です。特に筋肉質でもない文科系出身の私ですら3年取り組んで、5.11がギリ届くところ、なので、男女差を考慮すると普通。

男子で5.11代ノーマルってのは、女子で5.10代ノーマルと変わらないです。なんせ男性のほうに合わせてグレード自体が、つまりモノサシ自体が作られているからです。

で、彼は、”特待生”扱いだったんですよ。そこも、まずもって謎でした。

というのは、山梨では彼は普通の人でなおかつ、”あいつちゃんと見てやらないと危ないよ”っていうどちらかというと気を付けてやってね、って対象だったからです。

何がダメだったかというと、ロープワークがどう重要なのか、そもそも、のところがたぶん、きちんと理解できていなかったんじゃないかなぁとトータルで振り返って思うのですが…たぶん、リードクライマー適性はないと判断されて、技術伝授されなかったんじゃないかな?と…。

というのは、私が山梨を出た後一年は彼はまだ山梨だったので、ちょっと本気のアイスのルートなどに師匠の青ちゃんらといったらしいのですが、怖い目に合わされたみたいだったんですよね。

つまり、そんな雑なクライミングをしていたらマジ痛い目にあうぞ、めっ!って経験。

子どもでも、男の子はほんとに痛い目に合わせないと懲りないってありませんか?女性は痛い目に合う前に学習するけど。

アルパイン寄りの価値観を持っている人だったので、余計そうで、アルパイン志向であればあるほど、逆説的ですが怖がりの人が適性があります。アルパイン志向でイケイケだと死への最短距離って感じです。

でも、アラーキーにはお世話になりました。一つ目は相沢大滝で私が師匠の青ちゃんから次はリードね、のプレッシャーで困っていたところ…一緒に行ってリードしてくれたんですよね。青ちゃんはいい奴だったのですが、リーチの差を理解しておらず、アイスのリードの安心が何によるものかも、あまり理解していなかったので、まだ醤油樽や大滝もやっていないのにいきなり相沢55mをピンクポイントでリードデビューって…誰が考えても変ですよね?みたいな感じでした。

いつも疑似リードなしで、プロテクションの技術を与えず、俺のプロテクションでリードしろなのです。

これはトラッドでもアイスでも同じで、これじゃ全くリード取れるようになるわけがないです。プロテクションがあいまいなまま進むのが一番危険だからです。

保険にならないロープを頼るなんて馬鹿のすることです。

あ、話を戻しますと、私が危険な目に合いそうな時に助けてくれたのです。男の鏡!だって、私が危険に陥れられる理由は、男女差の無理解さのところなんですから。

相沢ではその後ふつーに55mではない、普通の距離の無名の滝を青ちゃんのビレイでリードしました。青ちゃんは、ビレイしているだけなのに怖くて怖くて、涙目になっていました。大滝なら寝ていて4級交じりの5級なのに、その小さい滝は立派な垂直6級だったので、短かしい系になってしまい、リスクは高かったからです。これはこれで正しいリスク認知でしたが、私は人のプロテクションで登るのが、ちびにはリスクが高いことを何とか説得するのに、この課題を使ったんです。みじかくて難しくても、プロテクションが自前のほうが、安全で長くて、プロテクションが人の課題より価値がある。それが現代クライミングですよね。

というわけで、青ちゃんでは苦労しました。身を張って、自分のクライミングを主張しないといけない羽目になった。

なんでわからないんだろう…とずっと思っていました。

ちなみにですが、アイスでは、アラーキーよりも私のほうがムーブでは上です。

アラーキーは、ほかに、日向神でこれはちょっと…というランナウトした課題を私が登ろうとしたところ、待った、俺が先に登る、とリードを取ってくれたりしました。のでとても感謝しています。

が、九州クライマーからの特待生という扱いに本人もなびいたことには、疑問でした。

■え?ギンちゃんがひよっこ?!

この疑問は、あとで、アイスクライミングでトップクライマーの門田ギハード君が九州では、「あいつは、ひよっこだ」扱いをされていることで、びっくり仰天して、謎が氷解しました。

ギンちゃんとは私は岩根アイスコンペに出た関係で何度か会っており、私の理解では、今を時めく旬の成長中のクライマーでした。アルパイン出身というのも良かったし、九州に来るまで知らなかったけど、大分出身のクライマーでした。

で、ギンちゃん世界レベルで登っているのにひよっこで、アラーキーが普通の人なのに特待生ってなんで?ってなりますよね。

この評価逆転現象を知り、もしかして、重鎮たちは、登山歴数年の私よりも、現代アルパインを理解できないのではないか?と思いました。むしろ、昔のアルパイン経験が邪魔になっているのかもですね。

今の冬壁って、冬手袋で岩に登っていた時代のとは違うんですよ。

今では、アックスでドラツーの技術を山に持ってってるんですよ。5000とか6000とか。もちろん嵐で雪洞泊3日、みたいなのもやってらっしゃますが…。冬壁やる人はみんな、ピッケルとアックスのハイブリッドみたいなクオークでこなしています。中山尾根だってクオークの時代ですよ。

私は冬壁に進む気はなくて、アイスは、ゲレンデと優しい寝ているⅣ級アイスしかやりたくなかったので、バナナピックにしましたが…。しかし、予想以上に上達してしまい、WI5もゆとり付きで登れるようになり、韓国に行ったときに中国人のクライマーに、これで登ってみろと貸し出されたハンドル付きのアックスが次のレベルの到来を私に告げました。

というわけで、私はアイスではある程度のレベルに到達したので、”さー、フリーで頑張るぞー!”と思っていたわけですが、九州はフリーで強くなるには、全く適さない環境でした。

いやはや、ひどい目にあったぞよ。

■古い価値観の土地で身を守るには

九州のような価値観の土地でひどい目に合わないためには、男性で最低は5.12をやっているレベル…現代ではごくありきたりな、普通のレベルですが…でいる必要があり、女子にもそれがなぜか適用になります。結果、女子に超厳しく、男子に甘い世界になっている。

私は本来、普通に対等に一緒に登れる仲間が欲しかっただけですが…

  • 技術や安全観を共有できる仲間がほしい

  • 男女差を理解してくれる人と登りたい

  • 長ヌンを“ずる”ではなく合理性として見てくれる人がほしい

  • 勇気だけでなく技術と判断力を尊重する文化と関わりたい

これらはとても健全な願いです。

人がスポーツを続けていく上で、価値観の合う仲間に出会うことは極めて重要ですね。

九州の文化が私に合わないのは、私のせいではない。

しかし、九州にいるわけなので、何とかしないといけないわけですね…

■水泳

それで、水泳をすることになり、まぁ良かったです。これでクライミングをしなくても、私の運動ニーズは充足されることになった。

水泳では、先生80歳なんですよ。すごいですよね~。しかも女性ですよ。

もう、素晴らしい。リン・ヒルでいくつですか?65とかでしょう?まだ登っているのはえらいですが、教えていないんじゃないかなぁ?

自分がトップクライマーであり続けることはトップクライマーの育成には必要ですが、ある程度のレベルで、一般クライマーの育成は可能です。

トップクライマーの育成より、一般クライマーの育成のほうが指導する側のスキルとしては上が要りますよ。なんせ、一般クライマーって分かっていない奴らなんで。

水泳だって、育成コースってのがあるんですよ。そっちはトップスイマー用の育成です。

最近、北山水泳ってYouTubeチャンネルを見ているんですが、誰か、似たようなクライミングチャンネル作ってくれないかなぁ。そうすれば、きっと九州クライミングのような、トップレベルのクライマーが下で、普通の人が上みたいな勘違いがなくなるんじゃないかなぁ。

私はエリートクライミングに行きたいと思ったことは一度もないです。当然でしょ、39歳で登山を始め、43歳でクライミングをスタートしているんですよ?

そんな人に、「ねぇ、リン・ヒルって、ちびだけど5.13登るんだよ」とか「谷口ケイって知ってる」とかって言ってくる人が謎でした。

俺なんて…という劣等感を、私にも、感染させようとしてきてるとしか思えない。知ってるけど、比べて劣等感、持つはずがないでしょう。

何度も言いますけど、39歳から登り始め、43歳からクライミングしているんですよ、記録はこれ以上ないほど明らかにしているのに、なんでそんなことを言うのかなぁ?

私が登ってきたルートを同じように登れば、誰でも私と同じレベルに到達すると思いますよ?

■昔の初登ルートは現代の入門ルート

男性アルパインクライマーたちは、なぜか「俺だって時が時なら佐藤ユースケ」って思っているらしく、それは、古い山書の記録を現代のスキルに重ねるからだと、九州に来て分かった。現代的なレベルで登っている山書がないので、アルパインを登る人は、昔の本を読むしかありません。

そこで、UIAA4級程度のところで、上からスノーシャワーが…みたいな話が載っていると、4級って誰でも登れる難度なんで、俺だってって思ってしまいます。これは、山梨時代もジムクライマーは思うみたいでした。でも、5.11が楽に登れるという梨大生、山岳部新人君たち、北岳バットレスに行って、13時間もかかっていたんですよ。え?!でしょう。

のぼれて、ロープワークができて、体力があっても、ルートファインディング力がないと四尾根と思って2尾根に行ってしまったり、ちゃんと4尾根に取りつけても、迷って時間がかかったりするんですよ。あの時の梨大生は、下山一日遅れになっていました。

まぁ、佐藤ユースケさんのすごいクライミングのすごさは、山梨県民でも理解できないみたいでした。そもそも、理解できないから、一般クライマーどまりなのだ、ということが分かった。

九州に来て、九州のアルパインクライミングの意味は、全部ボルトを使ったエイドのことなのだということが分かって、納得しました。

それってエイドクライミングとは言うかもしれないけど、アルパインの価値を踏襲しているとはとても言えない。

なら、小さくていいから、未知のところを行く方がいい。それもオールフリーで行こうと、すくなくとも、一応考えておいた方がいい。ぜんぶ、エイドで行くつもりとかってあんまりです。エイドは保険で出すものですよ。記録にもエイド出したらそのこと書いてよね。

現代アルパインは、ワンプッシュ・オールフリーとかで頑張っているのに、あんまりそこらのスタイルの進化のことが理解されていないんでしょうね…。全国的に。

年がら年中、5.12を登りきるのにハングドッグしてうんうん唸っているのがフリーだと思っているから、こうなるんだということが分かりました。

それ何年続けても、5.12波状攻撃が、5.13波状攻撃になるだけで…全然アルパインの文脈で進化しない

だから、進化した人のすごさが理解できない。だって、5.12でいいのなら、おれだってやってるよ、ってなりますよね。佐藤さん、フリーソロですよ、6時間ふつうに山を登った後に。しかも、アレックス君以前にですよ。みんながUIAA4級でやることを、5.12でやっているのが別次元だと思ったけどなぁ。

そんなこんなで、結局、やっぱりへき地なんだ、文化的辺境なんだ、ということが確認できたということなのかな?

九州文化とのギャップの疲れ?が私のうつ病の大きな部分を占めていたことは確実です。

ギャップの内容はこのようなものです。

  • 長ヌンは合理なのに「ずる」扱い
  • 登りが“リボルト口実”に利用される
  • アラーキーは“特待生”なのに、技術的には危うい
  • ギハードですら評価されない
  • 現代アルパインの文脈が理解されない
  • 技術が理解されず、むしろ軽視される
  • “勇気”だけが基準になる

あー疲れた。これを解説するのでも、結構疲れました。

2025/10/29

私が九州で理解した山事情

■習得すべき雪山技術リスト

 アイゼン歩行について

https://www.youtube.com/watch?v=p4GatlHL7Fs


ロープ携帯法

https://youtu.be/UFyxptjG3Zs?si=QPOClmASCmrDr_WH


ショートローピング

https://youtu.be/yZygofRdIKM


アンカー構築

https://youtu.be/0PV61btNx1c


装備

https://www.youtube.com/watch?v=u_7beQlshI0

この動画は、氷河上の移動に必要な基本的なギア(アイスアックス、ピケット、アイススクリュー、コードレット、ベイルデバイス、カラビナ、プルジックノットなど)を紹介し、それらの装備のパッキング方法やハーネスへのラック(装着)の工夫について解説しています。ポイントは、ギアを高くしっかり装着して動きやすくし、引っかかりやすいロープなどの危険を避けることにあります。氷河の氷質に合わせて、長めのアイススクリューの選択や、ロック付きカラビナ、耐雪性のあるピケットなどの実用的な装備選びにも触れています。全体的に安全で効率的な氷河旅行の準備方法を具体的に教示している動画です


ピッケルか?ストックか問題と前か後ろか問題。

これは、氷河上での移動時に使用するアイスアックス(ピック)の持ち方について解説した動画です。この動画では、氷河や雪上を歩く際、アイスアックスのピックを前向きにするか後ろ向きにするかは議論のあるポイントであることを説明しています。上り坂ではピックを前向きに持つことで安全性が増し、様々な持ち方にスムーズに切り替えやすいと述べています。一方、下り坂ではピックを後ろ向きに持つと、万が一滑ってしまった際に素早く制動(セルフアレスト)に入れるため有利であることを示しています。つまり、移動の状況に応じてピックの向きを使い分けることが推奨されています

https://youtu.be/7ZpfRDWh2cI


4級までのアイス歩行

https://youtu.be/0X7cXUys2QE


以上

https://www.amga.com/resources/technical-videos#alpine-guiding

より引用。

■皆さんと一緒に行くと殺されそうなんです…

八ヶ岳の赤岳は、一般ハイキングレベルの人にとっては上級の山です。

つまり、九州で雪に触れることができず、砂浜でアイゼントレしている人には、上級の山です。年に一度、雪山に行くくらいで何年継続しても雪のことは分かりません。

一方、昔から山岳会では、赤岳程度が一人で行って帰ってこれない人は、入会お断りレベルです。もちろん、これは昔の話であり、今は普通に山岳会はレベル低下しています。

上記のようなことは、九州では理解されていません。

また、ショートローピングはガイドの技なので、一般の山岳会では学習していない人がほとんどです。

かといって、雪の山では、滑落を防ぐ方法がほかにあるわけでもないので、アイゼンワークに確実になり、滑落は各自が一人一人自分で何とかする、ということが現実的になります。

とくに一般の人でも雪慣れしている上級者なら赤岳レベルではロープなしで歩けるので、そうです。つまり昔の新人レベルってことです。

赤岳でロープを出しにくい理由は、雪の量が少ないので、スタカットでスタンディングアックスビレイをするほどの雪の深さがないからです。支点を取るなら、カムになるか、いっそアイスのほうがスクリューをねじ込めて安全です。

ちなみに山岳総合センターの雪上訓練、七倉沢ではSAB(スタンディングアックスビレイ)を行いました。会で行った鎌尾根もSABしましたが、私はいらないな、って感想でした。ゆとりだったからです。

一方、九州で何も雪上技術を知らない人と、私が雪の山に行けば、私のほうが体重が軽いので、ショートローピングでは、いい加減なアイゼンワークで滑落した人に私のほうが巻き込まれてしまいます。

九州に来てすぐのころ、一緒に行きたい♪みたいなことを何人もの人に言われましたが、その言葉は、殺されそう…な感じに私の耳には響いていました。

これが長野の人にそう言われても、うん、今度一緒に行こう!となるかもしれませんが。

九州の人が雪に慣れるには経済的問題で非常に困難だと思うので、別に雪の山だけが山でもなし、普通に無雪期のアルパインクライミング(道がない尾根をロープを出しながら岩稜を登る)をやればいいと思いますが、そのような岩稜もないので、となるとフリークライミングに進むしかないのが九州の山登りの実情と思いますが、そのフリークライミングのレベルの低下が起こっているのは、エイドのフリー化のままだからです。

もういっそ既存のボルト位置はゼロリセットしたら、フリークライミングの言語で組みたった良いルートになると思いますが、開拓者が許さないでしょう。

というので、若い人はボルダリングに流れるしかないわけです。

というのが、私が九州で理解した山事情です。

長野などの積雪地域では、「赤岳に単独で行ける=最低限の自立技術を持っている」という文化がありました。

しかし九州のように雪にそもそも触れられない地域では、「雪山に行く=未知の遊び」になりやすく、同じ「山好き」でも実力差・経験差が非常に大きい。安易に”連れて行って(はあと)となりますが、上記のような一連の技術習得が必要なのです。

必要な技術とお願い(はあと)の重みが釣り合っていません。

この文化差が、まさに「同じ言語を話していない」ような不安感を生むわけです。

■以下AI生成です。

では、以下に — 実際に雪上未経験者と山に行くときの**「現実的かつ心理的安全を守る最低限ルール」**を整理してみます👇


🧭 「雪上技術を知らない人」と安全に山に行くための最低限ルール

役割を明確にする(リーダーではなく“管理者”になる)

未経験者と行くときは、対等な「仲間」ではなく、安全管理責任者としての立場を取る必要があります。

  • 判断は「民主的」ではなく「安全優先・命令型」で行う

  • 「楽しませる」より「帰らせる」ことを目的とする

  • 出発前に「危険があれば引き返すこと」「判断は私がする」ことを口頭で確認

🧠ポイント:
やさしさよりも境界線を先に引く。
これが「助け合う登山」ではなく「守る登山」に変わる瞬間。


“雪に触れさせる”前に、安全環境で技術テストをする

未経験者を直接雪山に連れていくのは危険。
その前に次のようなチェックを「雪のない環境」で行う。

  • アイゼンを正しく装着・歩行できるか(砂地・芝生などで)

  • ピッケルの持ち替え・セルフアレスト姿勢を理解できるか(滑る前に姿勢)

  • フットワークと呼吸リズムが乱れたときに止まれるか

💬もし1つでも不安がある場合は、雪上では「ロープをつけない・距離をとる」が原則。


“助けない”覚悟を持つ

これが一番重い。
滑落や踏み抜きの瞬間に、「助けに行かない方が安全」という判断が必要な場面があります。

  • 巻き込まれる可能性があるなら、止まって観察・通報を優先

  • 「一緒に滑る」ことは救助ではなく事故の拡大

  • あらかじめ「滑ったら自分で止まること」「互いに助けに行かないこと」を伝えておく

⚖️これは冷たさではなく、“生還のためのルール”


技術よりも“行動範囲”を制限する

雪上未経験者がいるときは、

  • 傾斜が10〜15°を超える斜面には入らない

  • トレースがしっかりした登山道以外に出ない

  • 気温上昇・凍結の時間帯は避ける

  • 急斜面の写真ポイントなどに近づかせない

⛔️“行ける”場所ではなく、“安全に帰れる”場所を基準にする。


心理安全のルール

  • 「怖い」と言える雰囲気をつくる

  • 「平気?」と聞かず、「不安になったら言ってね」と伝える

  • 「できる?」「やってみよう」ではなく「今の場所で大丈夫だよ」

  • 達成感よりも安心感で終わるルート選択を

💬登山の事故の多くは、**“恥ずかしくて言えなかった”**が原因です。


撤退判断の具体条件を決めておく

曖昧な「危なそう」ではなく、数字や行動で定義しておく。

  • 風速10m/sを超えたら引き返す

  • 体温が下がって話さなくなったら下山

  • アイゼンが2回外れたら中止

  • 1人でも「怖い」と言ったら撤退

📍撤退条件は出発前に共有し、途中で再交渉しない。


「同行させる」ではなく「体験させる」スタンス

目的を「登頂」ではなく「雪に触れる練習」に変える。

たとえば:

  • 駐車場から1時間歩いて雪を踏むだけでOK

  • ピッケルで雪を掘って、硬さを感じる

  • 斜面を登らず、トラバースと下りの練習だけ

🧘‍♀️雪の中での静かな時間を共有するだけで、初心者には十分な経験になります。


装備責任を本人に持たせる

「貸す・借りる」ではなく、「自分の装備を自分で選ばせる」。

  • 合わない靴や安いアイゼンが最大のリスク

  • 「これで大丈夫?」と聞かれたら「自分で調べて」と返す
    → 自立の第一歩を踏ませる



九州ではいまだに装備は貸し借り文化です。これが自己責任が身につかない理由ではないかと思います。


2024/11/29

【拡散希望】クライマーも自ら動き出せ!長崎を見習え!

■ 九州長崎大村の友人からの拡散希望動画です。

長崎にこうした施設を作ろうという計画があるそうですが、離島に作ったらいいですよね、ほんとに。

エボラウイルスなどのBSL4(特定一種病原体等所持者)を長崎大学に指定するパブリックコメンについて

■ お上に泣きついていれば何とかなる=儒教教育であった意外な理由

私は、熊本出身なんですが…九州は、本州から同心円状に日本の文化が波及するとすれば、一番サイハテ。文化的に遅れている、ということが言えます。地理的な意味で。

昨今は、インターネットの恩恵がやっとやってきたかもしれませんが…昔はかなり顕著だったのでは?

なので、いろいろと後進的です。だから日本全国Ⅳ級A1登りが、温存されたままになってしまったのでしょう…。

九州はさらに儒教国韓国に近く、儒教の影響が根強いです。つまり、お父さん・お母さんを敬え!って教育を受けていますよねぇ…。

そのせいで、「私は良い子です!」と主張することが生き方になってしまっている人多数。

よゐこ病です。そうなると、どうなるか? 目上の人を無条件に信頼してしまうんですよ。

 ”だれか偉い、上の方の人に任せておけば安心…” 
 
これがクラミングでどうなるか?

 ”ボルト40年物だけど、JFAが来てくれない…”

 ”〇〇先生がリボルトしてくれるのを待つ…”

そういうことになります。私は、こちらに来て、40年前のカットアンカーが普通に使われていることを発見しましたが、いまさら、私が発見するようなことですかね???

そして、そのリボルトにさらにカットアンカーを利用しようとしていることを発見したのですが…発見した経緯は? 私がFIXE社のボルトを提供しようとした…ということから、です。

一本1000円のボルトを提供しようとして、なんと、九州クライミングの闇を暴く結果になり、必要なお金も、巨大な金額になりました… 

さて、このような、他力依存のメンタリティが根強い九州でも、地域差、温度差があります。

■ 被害者はもう騙されない

中でも長崎県は、キリシタンの歴史、また、被爆体験から、安易なお上への信奉よりも、独立自主自立の道を選んだ人たちなのではないか?と好感しています。

その長崎では、大村市に、野岳の岩場があり、九州においては、野岳は、東秀樹さんの開拓で、比較的、”まとも”な開拓が行われた岩場として、知られています。

まともな、というのは、リスクが適切、という意味です。落ちたら、適切にビレイをしていても、地面に激突するような具合にボルトを打ったとしたら、ボルトの意味がないですよね。

ということで、岩場には、開拓者により、危険な岩場とそうでない比較的安全に配慮された岩場があります。野岳は後者です。

野岳の岩場は、野岳湖公園の奥にあり、市民の憩いの場ですし、入門者に易しい岩場とするのが位置上からも適切と思われます。

また岩場が隣接している集落は黒木集落で、九州では代表的な山域である多良山系の山域にあります。ここは、市民出資で再建した金山寺小屋という山小屋があり、また近くには温泉もあり、非常に山岳アクティビティとして総合的ポイントが高い地域です。

長崎大村は、事実上の長崎最大の都市であり、空港も建設されていますので、本州からのアクセスも良好です。大村湾に面しているため、温暖、また、スーパーなどの商業施設もコンパクトに揃っているので、定年退職後の移住者でにぎわっています。

長崎は、岩場資源に恵まれた県で、九州で唯一長崎フリークライミング協会があります。

私の九州クライミングにおける意見は、各岩場が独自に、フリークライミング協会を発足させ、岩場ごとに通っているクライマーから、募金を募り、自主財源でリボルトする、ということです。リボルト職人も、JFA頼みにならず、自ら立候補したローカルの若い人がリボルトに取り組むというのが良いことだと思います。その際に、開拓者と話しあいの場を持つと思いますが、誰かが一括してやるのではなく、それぞれがやることで、世代間断絶というのも解消されるでしょう。

私が九州でお世話になった岩場は、金山の見晴らし岩および、油山川の岩場です。ボルトは打たれたばかりですので、交換の需要はありませんが、ローカルクライマーとして、ある種の責任感は感じます。

そのような責任感を感じる人が取り組むのが、岩場の改善や開拓であると思います。

九州では、私自身が全くお世話になっていないし、むしろ、嫌な目に遭った岩場に対して、責任感を押し付けられそうになった、と感じました。その岩場は、八女の日向神です。この岩場では、どこにも岩場にお世話になったと言えるような、良い経験はしていないと思います。むしろ、お世話してやったほうではないでしょうかね?

九州にかぎらず、なぜ一人一人のクライマーが開拓者に便乗するばかりなのか?

その理由が九州に来て分かるようになったのですが…、一般的なクライマーは、 

 お前、すげ~
 お前、かっこいい~

という賞賛を得ることを動機として、岩に登っています。

なので、効率的に岩場に登ってカッコよい写真を撮り、インスタなどのSNSに〇〇を登りました!と上げることが目的です。効率よくそうした活動を行うには?と発想すると、開拓というのは、めんどくさくて、余計な仕事ということになります。ビレイヤーに求めるのは、自分が好きな時にビレイしてくれるだけで、自分の登りたいルートがない人、ということになります。

また、トップクライマーのクライミング動機についても、自分の動機だと同じだと思っています。それは言動からうかがえます。

日之影のボルダー開拓者で有名な小山田さんについて、「どうせ、取り巻きに囲まれているんでしょ」と言っていました…驚いた。しかし、ナルシストかつ自信がないクライマーの思考回路が理解できました。

一般登山の世界でも、クライミングの世界でも、結局のところ、承認欲求で登る人が増えた、ということが、山やクライミングの文化的な荒廃をもたらしているのは、

 ナルシシズムの供給源となっているから、

です。これにルサンチマン(男性世界の嫉妬)が加わると、注目を浴びれるならなんでもいい、ということになり、
 
 チッピング 

そのほかの迷惑行為…例:小鹿野の訴訟…などということになります。

そのような流れではない、良い流れは、私が九州で観察したところ

 長崎県のボルダリング
 日之影のボルダリング
 岸良のボルダリング

の3か所だけでした。リードはダメダメです。

■ 福岡は特にダメクライマーしかいなかった

特に、福岡はクライミング不毛の地で、今東京方面の移住者に人気の糸島では、死者が多いことで知られる、野北海岸の岩場があり、福岡クライマーのおひざ元ですが、カムでプロテクションが取れる易しいクラックの岩場であるにも関わらず、ボルトが埋め込まれ、ボルトだらけで、そのボルトを頼って登るため、事故る。事故のうわさで根拠希薄に怖がり、岩場に行きたがらない。結果、誰も通わず、廃れるということになっています。ここは九大の裏手なので、管轄は、さしづめ九大山岳部ということになりそうですが、期待は薄い感じでした。

またこの岩場のメンテナンスをするとすれば、その管轄になるであろう、最寄りのクライミングジムの店長さんから、パートナーへの立候補がありましたが、カムを使う能力もないのに、ボルトルートを私と登りたいそうでした…野北の岩場を改善する気持ちゼロ…でしたので、そんな奴はとっととお断りしました。野北というだけでビビっているようでしたし、そこを再整備するなら付き合うと言ったのですが、どこかのマルチでベテランが落ちているニュースを持ち出して、まるでそれが私であるような言い分でした…。

結局、この行動を総合すると、私から技術だけをもらいたいだけってことですよね?

なら、自分のお金でクライミング教室に参加するべきでは?

以上のようなのが、このブログに記載していなかった私の身の上に起きた謎の出来事です。

さて、長崎の話に戻りますが、長崎では非常に良い出会いがありました。

牧山大和さんとの出会いです。野岳公園には、クライマーの簡易宿泊にぴったりなログハウスが公園に隣接しています。

山のよこ工房さんです。 https://maps.app.goo.gl/kqWBor8sfaHBx3q18

クライマーはレンタカー派が多いので、道路わきに宿泊したりで、特に宿泊は必要ない人もいると思いますが、大勢で登りに来たら、宴会したいですよね。

そういう場合、山のよこさんがおすすめです。近くには、野岳以外にも、もっと大きな龍頭泉という岩場がありますが、ここはボルト交換が終わっていません。詳細は多久高校の樋口先生に問い合わせてください。

さて、多良山系に戻りますが、ここでは、古くから炭焼きの伝統があり、自伐型林業と炭焼きの組み合わせで生計が成り立つ可能性があります。

ただし、長崎林業界は、大型機械の導入のほうに傾いており、多良山系でも上流の舞岳付近での大規模な伐採の影響で、下流の農業地帯で洪水を起こしてしまっています。

長崎県は昔から、端っこなので、人口として、限界化が早く来ています。宮崎や鹿児島と同じです。とはいっても、岩場としてみると、九州でのメッカは、宮崎の延岡と鹿児島の屋久島であり、その次は、他の岩場がどっこいどっこいという感じです。

八女を含め、内陸部の岩場は、熊本の五木の石灰岩を除き、たいした魅力はないと思います。特に、1980年代の初期にエイドで開拓されてしまった岩場は、ボルトも悪く、一本目が遠く、微妙に現代のジム上がりクライマーが入門するには、厳しいようです。

日向神の愛のエリアなどは、訪問者を追い返す目的で作っているそうです(笑)。

以上のような状況が、九州で私が発見したことでしたが、どうも、こうしたことは、どこの地域でも起こっていることのようです。

それで、JFAが頑張っているわけですが、JFAにとっても、クライマー利用者数の多い岩場から、優先的にリボルトするのが、合理的なわけですから、僻地にあれば、自分の岩場に、その順番が回ってくる日はいつか?と待っていたら、生きている間に回ってくることはないかもしれませんよね?

なので、岩場に通っている人は、自分たちが出資する、というのが良いとおもいます。

自分たちの生活は自分で守る。政治も岩場も、ということです。

以上、九州のクライマーに向けた提言でした。