質問です。18歳のクライマーです。
昔からクライミングのセンスがないと自覚しており、周囲からも「ムーブがパワーオンリー」「登りが雑」と言われることが多かったのですが、それでも努力を重ね、高校時代にはトラッドクライミングのマイナーなルートで成果を出し、何度か全国レベルのコンペに出場することができました。また、学業では地元の国立大学に進学しましたが、偏差値が高いわけではない学部です。
周りからは「すごい」と褒めてもらえるものの、10代で高難度フリーに挑戦するクライマーや、高校からクライミングを始めて短期間で5.14を登るクライマーが身近におり、自分の実績が中途半端に感じてしまいます。
さらに、アウトドアクライミングの中でも「マイナーなルートを登っただけ」「そこまで難しくないグレード」と見られることがあり、成果を出しても「本当に価値があるのか?」と疑問に感じ、素直に喜べません。ある時「そんなルート登っても意味なくない?」と言われたとき、何も言い返せず悔しい思いをしました。
このまま「器用貧乏」なままで終わるのではなく、為末大さんのように多方面で活躍できる存在か、あるいは何か一つでも圧倒的な実力を持ち、胸を張れるクライマーになりたいです。
どうすればこの「器用貧乏」を抜け出せますか?
📌 「投影」と「防衛機制」の観点からの解析
この文章には、「投影」 と 「防衛機制」 の両方が見られるポイントがいくつかある。
🧩 1. 「投影」の観点
「投影」 とは、自分の受け入れがたい感情や価値観を、他人のものとして認識すること。
✅ 「マイナー種目で全国に行ったことや偏差値が低い学部を選んだせいで褒められたときに嘘をついているような気持ちになる。」
→ これは、「自分の実績に価値がない」という感覚を、周囲の評価(=他人の意見)として認識してしまっている可能性がある。
→ 本当は自分自身が「マイナー種目では価値がない」と思い込んでいるのに、その考えを周囲の評価だと感じてしまっている。
✅ 「マイナー種目だからとバカにされたときに何も言い返せません。」
→ 「マイナー種目は価値が低い」という考えは、本当に周囲のものなのか?
→ もしかすると、自分が「マイナー種目だから誇れない」と思っている気持ちを、周囲の意見として「投影」している可能性がある。
→ 周囲の人が実際にそう思っているのではなく、自分がそう信じてしまっているからこそ、言い返せないのでは?
🛡 2. 「防衛機制」の観点
「防衛機制」とは、ストレスや不安を軽減するために無意識に働く心理メカニズム。
✅ 「昔からセンスがないと自覚しており、他人からも言われている人間ですが…」
→ 「センスがない」という自己イメージを持ち続けることで、努力の成果を低く見積もる「合理化(Rationalization)」が働いている。
→ たとえ全国大会に出ても、「自分はセンスがないけど努力でなんとかしただけ」と捉えることで、「本当は才能があるかもしれない」という不安を回避している可能性がある。
✅ 「周りにすごい人がいるから、自分は中途半端に感じる」
→ 「投影」と同時に「比較による自己防衛」も発動している。
→ 「一番じゃないと価値がない」という考え方は、自己肯定感を守るための「全か無か思考(All-or-Nothing Thinking)」の一種。
→ 「誰かより上でないと意味がない」という極端な価値観を持つことで、「自分の成果そのものに価値がある」と思うことを避けている。(=「成功したけど、それを受け入れない」ことで心の負担を軽減)
✅ 「為末さんのような万能型になりたい、あるいは何か一つでも一番になりたい」
→ これは「補償(Compensation)」の防衛機制。
→ 「万能になれれば、自分の過去の不安やコンプレックスがすべて解決するはずだ」 という心理が働いている。
→ しかし、実際には「万能になったら満足できる」というわけではなく、「今の自分を認められない限り、どんな成果を出しても満たされない」 という状態になる可能性が高い。
🔥 まとめ
✅ 「投影」 → 「周囲が自分を低く見ている」と感じるが、実は自分自身がそう思い込んでいる可能性が高い。
✅ 「防衛機制」 → 「万能になればコンプレックスが解消される」と考えるが、実際には「今の自分を受け入れること」が根本解決になる。
💡 「自分は中途半端だ」という思い込みを崩し、「今の自分でも十分に価値がある」と認識することが、最も効果的なアプローチ! 💡