2024/07/31

【近況】アーベントロートの劔 & 大日岳雪庇崩落事故

■ お客さんは不安ならしい

小屋バイトに山ヤがいないせいか、お客さんによく道を聞かれます。とりあえず、急登を下るということで、

・後ろ向き降り、

・めんどくさがらずストックをしまう

・メットは被る、

を推奨しています。ヘルメット、持ってきている人も使わないでザックに入れているだけの人が多いみたいです。(と言っても、私もメットを出すほどでもないかな…と思って、持ってきたけど被らずに終わってしまったのですが…。)

年配の女性は、ちょっとした躓きで骨折数か所になる可能性があるので、ヘルメットは保険で被っておいたほうがいいですよね… リスクは、人によって違うのが山と思います。

たぶん、2万5千の地図を拡大して、危険個所を書き込んでおけば、いちいち小屋番さんを煩わせることなく、危険個所の把握ができるかもしれません。

■ 大日登山道の研究

まだ歩いていないので、ネットから、登山道の概要や危険個所のまとめ。

・死者が出るのは牛首の下り

・牛首は登りなら、個人的にはそんなに危険性は少ない という意見アリ

・大日平小屋を過ぎて沢を渡るとき、対岸は左寄りに道があります。そのまま沢沿いに進むと道はない

・八郎坂は、称名滝を望み、景観が良い道。だが、高度感があり、下りは転倒・転落に注意が必要。

・大日平山荘から先は割と急登で行く先が見えてる割になかなかつかない感じ。距離的にはそれ程無いので一頑張り。

・沢が増水すると危険

■ 大日岳雪庇崩落事故のまとめ

https://www.tmuwvob.com/kentoukai/kensiryo/0603cyosahokoku.pdf

・大日岳山頂付近から雪庇があるため、劔岳山頂が見えにくい

・“とうふ岩”を、山稜を特定する地物として使わなかったこと

・雪庇が研修会における主要テーマでなく、講義で簡単な説明と行動中に雪庇があるから注意しろという程度の認識になっていたことである。 

・研修における実技や行動に対する指導方法や考え方が、講師により違っていた

・講師たち各自の登山観に従い、研修指導しており、リーダー養成講師として不適格と思われる考えも、一部に見られた。

・登山研修所が講師たちに、レベルあわせをするような指導しなかったことが問題

・登山研修所が、過去の研修における経験や課題を記録に残し、次の研修に活かしていくような仕組みを作っていなかった。

どうも、この報告書を見る限り、だいぶ登山研修所は、サボっていたみたいなんですが… 登山研修所の事務職って管理業務していないのかもしれないですね… なんか誰がやっているかも、よく分からないような作りですし…

経験値があっても、それを生かす仕組みがなければ… 声が大きい人に合わせる式の日本の実態。それで政治もどんどん悪くなっていきましたよね。登山でも同じなのでしょう。

私が気になったのは、リーダー養成講師として不適格と思われる考えって何かな?ってことです。

私自身は、無駄なリスクを取らないような行動を指導されました(取れるところで取らないプロテクションは知性が低い、60リットル以上のザックは知性が低い(山岳会レベルですよ、念のため。))が、それは御坂山岳会の先輩から…であって、長野県大町の山岳総合センターのリーダー講習に通っていたときは、一人目の講師は、講習生4人に対して、「こんな奴ら教えるの俺やだ、ロープワークできないんだもん」と言い放ったのでした…。講師がそもそも、教える気ゼロってことです。

そもそも、ロープワークを教わるために来ている講習生に対して、です。こんな失礼な講師ないな…と思ったのですが…。それに講師なのに、テント泊で手袋なくしたんですよね(笑)。それをセンターに言ったら、班替えで村上先生になったんだけど(笑)。

私だったら、一般登山者から、アルパインクライミングに進もう、雪稜へ進もう、という登山者で、自ら数万円~10数万円の講習費用を払ってくるような、意識の高い登山者になら、教えることは山ほどあります。

今、小屋バイト中ですが、普通の登山者でも、相手が聞いてきたら…の限定ですが、アルパインと一般登山の違いについて教えています。 雪稜歩きと普通に支点が取れる岩稜の違いも分からないし、谷川岳=死の山みたいな解釈だし、ロッククライミングのルートの感じも分からないですよねぇ… そりゃ、マルチピッチを登ったことがないのだから、当然です。

今日は、聞かれたので、春山で、前大日岳(P1179)が登られていることなど話しました。地図の中途半端な場所に、文登研の前進基地があるので…そりゃ不思議に思いますよね。

■ 平出和也さんたちの捜索打ち切り

今日は、捜索打ち切りのニュースでとても悲しく思いました…

なんだか、とてもストイックに、山に向き合い、惜しい人ばかり先に亡くなって、憎まれっ子世に憚るじゃないですが、たいしてすごくない記録を、あたかもすごいかのように周囲の人にふるまっているような人のほうが、長生きしているような?

なんかアンフェアな世の中みたいな気がしますよね。

平出和也さんの海外からの評価

なんだかなぁ…

他にも思うところがありますが、今日は、とてもあわただしく、思考回路を回すことはできなかったので、残りは、また後日に回すことにします。

アーベントロートに焼けた劔を見れた今日のお客さん。昨日は真っ白で何も見えませんでした。明日は快晴の予報です。