■ リアル山小屋ワーケーション中
やっとこさの体で、金曜14時ころに小屋入りしたのですが、体が弱っていたところに結構なアルパインルートを歩いたので、大変でした。現在、小屋入り4日目で、だいぶ環境に慣れてきて、元気が回復してきました。
私が上がった木曜日は、雨とガスで何も見えず、雷で美女平のケーブルカーは止まり、称名の滝行のバスは、運休。行ったら、運転していたけど、午後に動いてくれても…もう遅いって。
室堂から入るルートは、前泊することで、標高に慣れることができるため、病の体に優しいかな?念のための用心代…と思って、4090円の高額バスルートを甘んじて、受け入れました(笑)。黒部アルペンルート、高かった。
交通機関をいくつも乗り継いでやっと着いた室堂…なんか、見覚えがあったけど、ここから長野側しか知らないワタクシ… 前に来たときは、真砂尾根をやった帰りに使ったのでした。
そこから、今夜のお宿へ向けて、みくりが池、雷鳥沢も何も見えず、ひたすら、石畳の道。あー、膝に悪い。と思いつつ… 滑って転ぶと、尾てい骨、骨折だよなーとか、思いながら上がりました。
雷鳥沢で温泉につかり、一休みしたものの… なんかザ・中高年登山という感じの文化圏でした。山自慢大会になっていた…小屋は、登山者を基本的に歓迎していない感じだった。
ここで、雷鳥沢キャンプ場の管理人をしている女性に会い、大学のころの同級生と似ていたので、懐かしかった。
温泉で時計を忘れた人(おばあちゃんに近い、おばちゃん)がいて、その方の特徴を伝えて受付に届けたら、ちゃんと本人に戻ったみたいで、大日小屋に入ってから、その登山者のおばちゃんが、私を見つけて感謝してくれました。
周囲の人からは、あれ?あなた、なんで、この人、知ってるの?みたいな感じ。
大阪の方でした。現在の登山者は高齢化がさらに進み、80代70代は普通のようです。だとすると、ほんのちょっとしたことで、転んだら、骨折複数個所になる…ので、やっぱり、北アのような岩稜帯の縦走路は、ヘルメット推奨かもしれません。
雷鳥沢から大日岳への道は、地図上の雰囲気からは、後立の縦走路みたいなのを想像していました。お花畑の道とあったので、そんな道なら、のんびりかと…。のんびりした個所は、ほんのちょっとで、結構アスレチックな道でした。鎖も出ており、岩がちで、ほんとに、あのおばちゃん、いったんかなぁ?と思ったりしました。それくらい若者向けな感じでした。飛び石メイン。ザックが重いと微妙です。
大日小屋は、奥大日岳から見えるのですが、見えてからが長い。荷が重くなければ、快適登山です。あと、晴れていれば。
小屋についたら、ほとんど14時で、7時すぎに出発したので驚きました…。そんなにかかるとは…(汗)
という具合なので、マジ、リハビリ登山です。アキレス腱断裂から1年3カ月くらいです。
小屋についたら、なんと快適な個室、隠居部屋のようなプレハブが用意されており(まぁ、病み上がりなので、隔離は保険ですね)…広々。プライバシーはあっていいんだけど、雨の音が大音量です(笑)。
翌日、晴れたので、劔が朝から見えました。初めて見る、裏からの劔。前に見たのは、真砂尾根からなので… ピンクのモルゲンロートでした。
https://stps2snwmt.blogspot.com/2015/05/blog-post.html
小屋の位置関係的に、劔はご来光=逆光。夕日で焼けるのか?いまだ不明。
翌日は雨だったので、登山者の人たちは、みな一様に残念がっていましたが… ただ、大日小屋は、登山の選択肢としては、派手ではなく、地味というか、渋い選択肢なので、来る登山者の質も違い、前の小屋より質が高い登山者の人が多いような気がする。
平出和也さんが、戻ってきていないよね…という話を前の小屋でも、男性の登山者としたが、大日に来て、なんと… 遭難のニュースを知ることになった。小屋で会った人が平出さんとのツーショットを見せてくれたが、足の指がなかった…(汗)。
登山者の人たちに聞かれて、いろいろな山の解説をするが、みなさん、一様に、クライミングが含まれる、ロープが出る山を理解するのが難しそう…死ぬ可能性があると信じ込んでいる。まぁ、それは嘘ではないが… アルパインクライミングと普通のゲレンデのルートクライミングがごっちゃだし、岩を登るのも、雪を登るのも、ごっちゃで、全く理解できない世界みたいな感じだ…ということが分かった。
アルパインクライミングって、ほんとにきちんと理解されていない。
たとえば、平出和也さんのような高所アルパイン…は、ギンちゃんはやっていない。ただやっているクライミングムーブ自体は、高所ではできないくらい難しい内容と思う。が、環境は高所ではない。
一方、一般登山者は、K2は厳しいのだと信じ込んでおり、K2に62歳で登ったおばちゃんがいることを教えた…(笑)。K2だって、昨今は行列の商業登山の対象です。いわゆる、”高額な高所遠足”になりつつあります。
高額な高所遠足に惹かれる人の心は?というと、短絡的に他者から、すごい、すごいと他者承認が得たいのだろうと思う。
■ ハンノキ滝
小屋の位置的に、称名滝やハンノキ滝のエリアなので、称名滝冬期登攀や、ハンノキ冬季単独登攀を教えた。
ギンちゃんの動画を見せたら、とても興味を持ってくれたのがうれしかった☆
ギンちゃんのどっかぶっているアイスクライミングと私のアイスクライミング中の写真を並べたら、違いが分かってくれた(笑)。
参考:当方のアイスクライミングサイト https://iceclmb.blogspot.com/
だからー! 命掛かっていませんからー!一般クライマーの山も、一般クライマーの冬季登攀も。
一般の人のクライミング理解が進むといいなぁと思う。
なぜなら、正確な理解がないところ、変に崇めたり、すごい!すごい!の連発があったり…私も、勝手にすごい人と勘違いされているような気がするときが、ままある…。
ので、今度から、”達成したこと”よりも、”〇〇ができない”、という話を書いたほうがいいのかなぁ…
しかし、それも変な話だ。他者の無理解のために、自分の達成感を犠牲にするなんて。
■ 男になりたいと思ったことないけど!
いや~、コースタイム4時間のところを7時間かかるなんて…。
五龍のころは、7時間のところを4時間と言わないまでも、4:40で歩いていたのに… 遠見尾根?何が難しいんですか?だったあの頃…は、もう10年前。
人は老いる。
老いと体力アップのいたちごっこゲームに対して、なぜか、自ら敗退を決め込む羽目になった、この3年…、何が私に起こったのか?
ソーシャルアンダーマイニングがひとつあったと思う。
え?!なんで俺と同じくらい登れないの?って、女だからですよ…。はぁ?って感じだったよなぁ…。小屋に今、海外のカップルが働いているが、愛情表現がオープンで、べたべたしているが、俺が守ってあげるよーみたいな雰囲気であり、俺のドレイヤーして―、な雰囲気の人はいない。守ってーくれーとも、なっていない。
なんで俺が登れるところが、登れないんだよーと、無言で圧かけられてもなぁ。無言で圧をかける(言わなくても分かってくれ)というのが、日本人男性の基本にあり、それは良くない習慣だと思う。
しかし、原因をそれだけに帰すのは、彼にアンフェアであろう。怪我を筆頭に、数々の病で、私はクライミングそのものが嫌だったのだ。九州的なイケイケ主義で登らなければいけないくらいなら、登りたくないのである。なぜなら、安全は、態度が決めるから。
私は、アラーキー的なクライミングはしたくなかったのだ…彼と登りたくないとか、彼のスタイルの登り方が嫌だとか、言葉でいうことをせずに、身体で表現すると、「登りたくない」の表現形式が、怪我、ということになると思う。
ラオスは楽しかった。アイスも楽しかった。一般女性以上の成果を出していたと思うけどなぁ…、当時。
で、その当時に戻るのにどれくらいかかるのか? 実験中です。
当時って、体脂肪率17%だったんですけど、今27%くらいあります。3年のブランクは大きい。
■ ラオスとか黎明とか
ラオスよりも、黎明が安いらしいと判明。どうして日本人はアメリカの岩場びいきなのだろうか?
黎明は、小屋でバイトしている大学院生の中国人君によると、5万円くらいで行けるそうである。
https://note.com/astrobilly/n/n34e8d8f264ee
そんなに安いなら、絶対行きたいと思った(笑)。
大日岳に朝8時にいることができる。すごい贅沢な滞在。日本海側の湿った空気が雲を作るそのリアルな様子を、リアルタイムで観察できる。