2024/02/10

【指導法の探求】誰もが5.12時代&女子の指導


■ 弟とのきずなを感じるバタフライ

横ビート版ドルフィンが意外だった…せりかちゃんの動画。

私の水泳の先生は、YouTubeでは、トモキン先生とせりかちゃんである。とりあえずほかの水泳選手の動画も見ているが、大阪の長居プールの動画など参考になる。

見ていて感じることは、日本の運動の世界は、
 
 一般の人を切り捨て、エリート選抜制の究極な形態

に陥ってきたがために、その少数のエリート以外は国民的に慢性的運動不足の状態に置かれてきた、ということである。

食、運動、休息は、分業制、ではない。Aさんが運動すれば、Bさんはできなくてもいい、と言う風に人間の体は作られていないのだ。むしろ、運動ができるAさんがBさんのできないことを助けるという風に人間界はできている。

さて、ここ2回くらいで、溺れているようにしか見えなかったのクロールも、なぜか急成長した。 んだが…なんと帯状疱疹が出て、水泳に行けなくなった(汗)。

なんだかなぁ…。 バタフライは、なんか弟とのきずなを感じる。

■ 指導者は泳がない

今習っている先生は、80代の先生だから、先生は当然泳がない。バレエの時もそうだったが、指導者は、指導する対象を良く見る目があれば、別に踊れなくても、泳げなくても指導ができる。

男性クライマーはここが分かっていない。登れない奴にいわれたかねーよ、って話になってしまい、その論理で行けば、世界的トップクライマー以外教えることができなくなり、実際そうなってしまっている。

私は、彼より登れないが先輩の荒木さんの指導が出来た。彼が上手になるために何が必要か、私にはわかったが、私がうまくなるために彼は、私に何が必要か?は分からないらしかった。たぶん、その違いは、どれだけ相手に寄り添ってモノを見れるか?ということの違いだろう。

男性は相手の立場に立ってモノを見る、という訓練が異様に不足している人が多いように思う。

特に九州で、男が一番大事の教育を受けた人に多いように思う。

そういう人こそ、本当に優れた人たちの中に混じって、母親の目から見たら息子が一番だが、それは世界中で自分が一番ではないという現実を見つめるべきだ。そうでないと、とんでもない誤解をもったまま、俺ってどーだ!と開陳して、結局、それがしょぼいということになる…。

そもそも、自信というのは子供時代は母親に承認され、安全基地を持つことで出来上がるが、大人になったら、

 自分の過去の選択

に、由来していくようにしていかなければならないのだ。

それは大げさなのことではなく、私の水泳の習得に見るように、自分で選択し、自分で練習に行き、自分で実感して得られるもの。

山もアイスもそうやって習得したけどな。

■ 弟が応援してくれている?

私の弟は、バレンタインデーにチョコを14個ももらってきた…女子あこがれの男子生徒、でした。 水泳ですごく上手になり、メダル選手だった。

子供時代はアスリートの暮らしに合わせて、夏は弟の水泳の大会中心の生活でした。私は泳げなかったので、見ているだけでしたが、弟はほんとにかわいそうな生活でした。真冬でもガタガタと震えながら真水のプールに飛び込んで、ボイラーのお風呂に入る、を繰り返すのです。唇は真っ青。

そんな生活を見ていたので、スポーツ虐待と言えるアスリート教育には私は反対です。私が推進したいのは、

 一般市民のための健全なクライミング。

一般市民でも、5.12を登る時代が来ているんですよね。40年前は、5.12に一瞬でもタッチしていれば、俺ってどーだ!とブイブイ鳴らしていたらしいですが、今はそんな時代ではない。日本人はありもしないリスクに、怖い怖いと言って、ロープを蛇だと思って怖がっている状態に現在あります。

 ”だれもが5.12時代”

です。そのために必要な基礎技術を知ってもらいたいです。例えば、初心者は下部核心の課題に登ってはいけない、など。 

さて、私の水泳ですが、バタフライは、なぜか一度下手になり、昨日の水泳教室でやってみたら、また上達しており、「そんなに上達したら、先輩たちににらまれるよ」と先生がいうほど…。いや~、なぜか分かりませんが、やっぱり、スキルトレーニングは得意なんです。

アイスも、荒木さんより、私のほうが上手で、登れました。そりゃ当然だと思う。自分がカッコよく見えるかどうか?ばかり気にしていたら、登ること自体がそっちのけなんだから…。

ただし、パワーだけで解決できることの多くを、女性は解決できないのは事実です。

たとえば、私が5年も練習していたヨガのアーサナで、マユラーサナは、彼は一発で知った初日にできました。ショックそうな顔をしていたら、男性の外国人のヨガの先生が、慰めるように「男性は筋力でできちゃうんだよ」と慰めてくれましたっけ?

私のアイスクライミングが、相沢大滝で、55m×3が平気なほどの上達をした理由は、クライミングジムのピラニアで、8級の緩いかぶり傾斜で、4つのフラッギングをドリルしていたことにあると思います。

その4つは、正対、側体、アウトサイドフラッギング、インサイドフラッギングの4つで、すべて同じ課題で4つの別の動きをドリルします。

アイスはリーチ関係ないのです。だから、ムーブは単純です。

■ 指導者の価値とは?

指導者の価値とは、相手に適したドリルが考えられること

です。たとえば、この4つのフラッギングとか。

雪がない世界の人に雪山を無理なく、習得させるにはどうしたらよいか?考えつくとか。

余談ですが、このように独自で考えてドリルしている人にむかって、

 「その課題は、こうやってのぼるものだ」

と指南するのは、野暮っていうものです。

登り方は自分で考えろ、と誰かも言っていましたが、自立・非自立の問題意外にも、一般に外岩では、

 ・身長はバリエーション(変数)であり、
 ・ホールドは常数(固定した値)です。

なので、身長やパワーで登り方(ムーブ)は全く違う。

一方、人工壁は正解ムーブを見つける戦いであり、正解ムーブを見つけたら、よほど体格が外れていない限り、大抵の人が登れちゃうように作ってある=すぐ飽きる。そのように作っている、という、まぁ、お受験システムみたいな話になっている。

これでセットを延々としないとお客さんが楽しめなくて来てくれないという悪循環に陥っているジムは多いです。私はセット同じで、全く問題なしな人でした。ドリルは自分で作るからです。上記の8級の課題も、永遠にそこにある課題でした。

一般ジムは、お受験システム的な正解ムーブを見つける課題設定なので、お受験的学習をした人が本番、つまりコンペでも強いってことになってしまいました…。つまり、模試をいっぱいやる、みたいなことです。子供の時から模試漬け…。

しかし、外岩は、そんな方法では、登れないから、楽しい、んですよ。

むしろ、ある程度の基礎力が人工壁で培われていれば、外岩は楽勝になってしまい、どんな難しい課題でも満足できない、と言う人も出てきてしまいますので、人工壁に行くと、外岩が楽しめなくなるリスクがあります。

ま、それは超エリートの話なので、まだ外岩で、5.8も登れない初心者は心配しなくてよいです。

それより大事なことは、

5.8~5.11以前の初心者時期に殺されないこと

です。そのための知識の普及が遅れています。

(例:ランナウトは危険であることを認知させる、下部核心は登らない、プロテクションディフィクルトやカットアンカーの課題は登らない、ビレイヤーからクライマーが見えない課題は登らない、短かしいのは登らない、ロングルートを選ぶ、などなど)

■ ハイエルボー習得しました、次は?

さて、私の水泳ですが、たぶん、ハイエルボーっていうのが身についた段階みたい。いったい、なんで?ってくらい泳げるようになりました。

なぜいきなり上達したのか?いろいろ考えるが、

 先生のやらせようとすることに、あまり抵抗しないで、すぐやってみる

 = 素直である

のが、いいのではないか?と思う。

振り返って先輩の荒木さんは山梨時代から、アルパインの世界で上達したがっているのを私は感じており、それに有効だと思える指導者を紹介したが、彼がその相手が年を取っているとかで、バカにするので、結局のところ、肝心の基礎力の大事なことが分からないで、そのままグレードだけが上がっていくことになったと思う。

例えば、私の師匠の青木さんが、上級クライマーを招いて宴会するときに、彼を呼んだりもした。しかし、こなかった。なぜか?往年クライマーを馬鹿にしているからだった。

彼は、そういう往年クライマーが昔の栄光を語るときに語りを聞いていないので、どの程度の困難がすごいクライミングなのか?たぶんつかめていなかったと思う。

その上、例えば、ロープドラッグがあると登れなくなる、リードで屈曲があると登れなくなるとか、その程度の基礎も、学習しないまま、ただレッドポイントでのグレードだけが上がり、5.12俺登れます!と、空虚な自信だけが積みあがってしまい、10年登っていれば当然しっているだろうと誰もが思うので、抑止力も働かず、結局、めんどくさいという気持ちでピッチをつないでしまって、後輩の私にケツを拭かせるはめになった。

これは、

グレードで判断して、自分はもう、往年のクライマーたちを超えている!という慢心

があったから、こんな羽目に陥ったのだろうと私は思う。(本人は何を舐めている、と言われているのか、自覚する能力が欠如しているようだった)

多くの人は、ロープドラッグを理解していないくらい、小さなこと、と思うかもしれないが、実際、外の岩場では、その”小さなこと”が命を奪うのであり、それを教えるために、往年クライマーは、過去の栄光話(失敗話)をするわけである。

余談だが、往年クライマーでも、相手がロープドラッグで登れなくなったくらいのことは赦してやれ的なことを言う人がいる。大体そういうことを言う人は、ご本人が日和った山しかしていない。日和った山とは、一般の人が無知と誤解に基づいて、すごい認定をしてくれる山って意味だ。

それはその人はそうしたら良いが、私はごめんだね、って感じだ。

それでにっちもさっちもいかなくなった時、無知なクライマーは自分が引き起こしたことの重大さに気が付かない。

昔は教育が十分だったので、小さい失敗から重大な教訓を学んでくれたので、付き合う側としても、付き合った甲斐があったらしいが、現代では、それは起こらないのである。今のクライマーの無知具合は、往年クライマーの想像をはるかに凌駕している。

現代クライマーは、往年クライマーの実力を正確に測れないから、グレードだけで見て、あるいは周囲の人があこがれのルートだというから、という理由だけでルートに出たがる…ということになってしまい、そのやり方で行けば、早晩、遭難することになる。

しかも、もっと重大なことは、フォローにけつをぬぐってもらっても、本人は気が付かないから、行動を改める機会にもならないのである。(参考:白亜スラブ

■ 男性選手の指導と女性選手の指導は違う

前に仕事で、上司に、女性の部下は非常に意図に沿ってくれてやりやすいと言われ、感謝されたことがある。

男性は、相手の意図を汲むのが苦手なのか、指示通りやらないそうだ(笑)。

水泳もクライミングも、同じなんではないだろうか…?

男性のみなさんは、教わる側、教える側としても、ゴーイングマイウェイ過ぎる。

先生に、ハイ、と答えても、言われたことをしない、面従背腹みたいな行動パターンの人が多いような気がする。

実際、私はヨガの指導歴6年だが、ヨガを教えても、ある注意して、その注意を聞く人は、”聞かなくてもできている人”ばかりで、肝心の”聞いてほしい人”は、スルーっていうのが定番だったよなぁ…

ま、そういうわけで、先生の言うことをまっすぐ聞いていたら、ハイエルボーは、できるようになった。先生は、私が得意のバタフライから、クロールの泳法を引き出そうとしたのだと思う。

今は、前バランス+ハイエルボーで、めちゃスピードスイミングな泳ぎになってしまっている…。実は私が習得したいのは、ロングな泳ぎなんだけど。

ハイエルボーにフィニッシュを入れると遅くなる、と先生に言うと、それであっている、ということだった。

ただ、今の技術では、泳速が遅くなると、今度は息継ぎで沈む感覚が出てくるんで、沈まない息継ぎが必要に… と言う具合に、課題が次々出てくる。

 その課題を次々つぶす感じ=楽しい

ということなんだと思うんだけど…。

みんなは違うのかもしれない…?

私にとっては、クライミングはそういう楽しみでしたけど…。まぁ水泳も同じですね。

■ まとめ

女性の指導と男性の指導は違う

コーチの考え方も男女で違う

誰もが5.12時代の健全な市民クライミングの指導者が今必要なもの

水泳やテニスなどは指導者育成が充実しており参考にできる

■ 参考
トップロープ支点の張り方の教え方