2024/02/26

【クライミングインストラクターマニュアルの確立】他スポーツから学ぶ: 

■大人の水泳指導で感じていることを話しました

■ インストラクターズマニュアルが確立していないクライミング業界

今必要なのは、

 人工壁を子供に教える方法

じゃありませんよ。あんなリスクフリーなものは、子供は勝手に登るんで、オートビレイ器でいいくらいです。じゃなくて、

 大人に外岩を教える方法

です。18歳男子大学生の体力・知力を前提にした、俺の言うとおりにしろ指導法、では、全く無効であることは、白亜スラブのリードクライマーの様子を見れば明らかでしょう…。

5.12がフィジカル的にゲレンデで登れたとしても、きちんとした講習会などで座学…一つは具体的なテクニカル情報と、より重要にはクライマーとしての在り方、を教えないと、普通の人は、あんなふうになっちゃうんですよ。

あんなふうって?

ロープの確保を深く理解していない、支点の重要さを理解していない、です。

グレード追求主義=お受験の偏差値への偏重と同じことで、結局、クライミングの本質、駆け引きなどを理解していないのです。

しかも、そこに同調主義が入るので、できていない自分を見ても、みんなも同じように出来ていないから、俺、普通だーと、安心してしまうのです。

■ 大人を教える楽しみ=人間理解 大人とは?人間とは?

この動画のオトーサンは、大人を教えることが面白かったそうです。

大人とは?

  A: 頑張らせるだけでは習得できない。

人間とは?

  A: 楽をしたい生き物。

まさしく、これですね…。

事例: 白亜スラブのアラーキー …

頑張らせるだけ=俺の背中を見ろ…では、終了点の作り方や、トポの見方は学ばないんですよ。学ぶのは気取り方とか…(笑)。

人間とは?

楽をしたい生き物…。25+35=60だけど…50mのロープで終了点、飛ばすんですよ。

間違っても、40mのロープで行く、が回答ではありませんからね。

答えは、楽をしようとしない = クライマーとしてのあり方を学ぶ、ですよ。

ユージさん、1ピン目のボルト使っていないでしょう?? 記録からあり方を学びましょう。

話を戻しますが、屈曲があるルートはその都合でピッチを切る、のが技術的には正解ですから。

ただ多くの人が技術的な正解を、分かっていても取れない、それが問題なのです。

つまり、この2点を踏まえた大人向けのクライミング指導法の確立、が今求められていることです。

私が取り組みたいことはコレです。というか、無意識で、ずっと

 サンプルネタ集め

しています。

■ 何が出来たら大人の指導ができるか?

・言語化が上手
・手本も上手

だけでは不足です。相手に寄り添う力 + 解決ドリルを繰り出すクリエイティビティ が必要です。

①大人は言われた通りのことができない。

これはバレエの先生をしていても、すぐ理解できます。大人は、白紙で来ない。

ゆがんだ体を持ち込みます。ので、白紙である子供の体にバレエの素を入れるのは簡単ですが、大人のゆがんだ体にいくらバレエの素を入れても、無効です。それで、基本的にマイナスをゼロにする、予備運動を入れます。ヨガ教室でも同じです。

②できない理由は人それぞれである

すでに出来上がった体に、(スポーツ技術)を入れることになるので、できない理由が人それぞれです。心と体の両面に理由があることが多いです。

例:

・白亜スラブで支点を飛ばさず安全に登れない理由=心理的理由

 めんどくさい&小さなミスが重大事故になることを理解していない&無責任

・実力以上のルートを選んでしまう理由=心理的理由

 実力を誇示したい&仲間に入りたい=承認欲求&帰属欲求

③ …とは言え多くの人にとって共通の問題点がある

例えば、50代以上の人にとって肩が上がらない、というのは、ほとんどの大人の共通の問題点です。

バレエだったら、正しくアンオーできない。ヨガならダウンドッグができない。クライミングだったら、肩甲骨の動きが悪いからリーチが制限される。リーチが制限されれば、手繰り落ちのリスクが増える。

他に 股関節が硬い、というの多くの人に共通の点でありますね。

あとは、そもそもパワーが不足している。フリークライミングは一定の肩の力、体幹、指の力、などがいります。

なので、これらは、クライミングジムに入店前に解決してきてくれないと、普通にムーブを教えても、そのムーブができません。

ちなみにアルパインで必要になる足腰の力は、フリークライミングではマイナスに働きます。ボッカ大得意な肉弾丸みたいな男性って大体フリークライミングは下手です。体格がひょろ男系マッチョ、つまり細マッチョが向いているんです。体の大きい人でも登れる唯一のクライミングはスラブですかね…。

クライミングは、少なからず、自らの男性性に、体が小さいことで、コンプレックスを感じてきた人の男性らしさについてのコンプレックス解消の手段になっています。細くて男らしくない、と気おくれを感じている人でも、男らしさを発露することができるからです。

したがって、女性で登れるクライマーが嫌われる理由です。せっかく俺の男らしさを見出すチャンスがあったのに、そこで女性にその成果を否定されては、面白くないのが当然ですよね??

ここでも、人間心理がかかわってきます。師匠はよく、クライミングは心理的なもの、と言っていました。

■ 指導法の確立法… 研究

1)できない人の動きをインストラクターがマネする
2)できない理由を理解する
3)その人向けの個別のアドバイスを与える
4)それでうまく行くか?検証する

前提:人間だから、体も心も違う。

■ ただし、一万円のものは千円では買えない

つまり、1000時間の練習時間がかかることを、10時間で済ませることはできない…ということです。

もちろん、習得の遅い早いは在りますが、

 最低限の努力が必要な量、って決まっている

んです。グレード至上主義を採用してしまうと、この最低限の必要量の努力を端折ってしまうんですよ…。だから、お買い得11、なんか探してしまう。

私が4つ5.10aが登れたら、5.10bに行く登り方が嫌だって言う理由です。

水泳オトーサン的には、こういう方はうまくならない、インストラクターがいくら良くてもダメだそうです。

100回やったら、1万回分の成果が手に入ると思っている=グレード至上主義、です。

トップクライマーで、努力を避けているクライマーなんて見たことありません。

■ 一生ストレスなく、登るには?

目標と努力のバランスを取る、です。

私はこれを山梨時代にやって、楽しかったのです。九州の、恐怖系ど根性クライミング指導で、全く楽しくなくなり、しかも殺されそうになり、辞めました。

グレード至上主義で私の実力を表現すれば、私の最高グレードは、野岳の5.11です。これで、5.12が瞬間芸で登れる人より、ムーブ力は上です。女性は力に頼れない分、ムーブを習得せざるを得なくなるグレードのスタートが早いです。日本の岩場では、ピンも遠いので心も試されます。

あの野岳の11って、たぶん、先輩がグレードを稼げば、私が自信を持ち、クライミングにやる気になる、と思って連れて行ったんですよね…。相沢大滝をいきなりリードさせようとした師匠と同じですね。

ジムに行っても同じように、したくないクライミングをすることになって嫌だったんですよねぇ…。

したくないことをさせるのって親切じゃなくて、スポーツ虐待、っていうんですよ。

精神的に大人な人は、ちゃんと自分に適した努力はできます。頑張れと無理強いで上手になるのは子供だけです。

■ どういう指導者になれば、成功なのか?

私の今の水泳の先生は、指導テクニックが素晴らしいです。

どのような先生になったらよいか?の事例として挙げておきます。

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先生、いつも丁寧なご指導ありがとうございます。

先生のご指導は、まさに水を秘密を知り尽くした知恵の泉のようです。手を変え、品を変え、他のスイミングクラブでは、手に負えなかった水恐怖症の生徒を、まるで奇跡のように泳げるように導いてくださりました。優しく導き、安心させてくださり、本当に感謝しています。

先生は、いつも年配の生徒さんたちの心に寄り添い、みなさんの不安や恐怖心を、静める力を持っているように思えます。

先生の専門知識と情熱によって、みなさんも、楽しくて健康的な運動を通じて何歳になっても自分自身を向上させていると思います。多くの人に、ポジティブな変化をもたらしていることを誇りに思ってくださいね。

私にとって、先生との出会いは本当に幸運でした。私も80歳になったら先生のようでありたいと思っています。いつまでも、素晴らしい教育法をぜひ水泳界に広めていって下さい。
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80代の先生だから、自分は泳がないです。

私の水泳の先生は、どうも私を教えることが楽しいようです。

というのは、先生の指示が私の体はすぐ入るんですよね…。

小さなムーブの変更ですが…。バレエを19歳からやっているので、指示が入りやすい。動作のコピーも上手なんです。つまり、バレエでは大学生山岳部男子みたいな感じです。まぁヨガも同じですね。50歳になっても、習得の速さは相変わらずです。

これは、英語を習得したときも同じでした。教える人、楽しくなるんですよ。すぐうまくなるから。

その上、自分でちゃんとコソ練行くから…。たぶん、努力をできる遺伝子を親からもらったみたいです。

従って指導法の確立をしたいときに、有効な素材なんですね。

青ちゃんは私にアイスを教えて楽しかったと思いますよ。すぐ上達したんで。

■ ミラーニューロン 登りたいスタイルを持っている先生を見る。

しかし、登りが彼の登りそっくりで笑ってしまいましたが…。あれは私の登りっていうより、青ちゃんの登りですね。ずっとビレイしていたから、ミラーニューロンで、人間は登り方そっくりになってしまうんです。

なので、女性は体格が近い女性の成人クライマーから指導を受けるほうが、男性は男性の成人クライマーから指導を受けるほうが、ミラーニューロン効果が出ると思います。

体格で先生を選ぶ、はありですね。