2024/02/05

日本にはクライマー育成に指導者マニュアルがなかった件(日本登山界が世界から遅れた理由)

 ■ 登山ガイド育成事業がスタートしたようで喜ばしい

山梨時代に、『八ヶ岳研究(上・下)』をセットで持っていたガイドさんが、これはカリキュラムを起草したのではないか?という 登山ガイド育成事業 を見かけて、うれしいなぁ~と思っている。

https://stps2snwmt.blogspot.com/2024/02/blog-post_52.html

これは登山者版だが、クライマーのが必要ですね!誰か我こそはって人作ってください。

■ 受講資格?

つけ足すようだが、山岳総合センターのリーダー講習では、登山歴を出さないと受講できなくなっていた。

登山歴を見れば、考えている登山者か考えていない登山者か分かる。

受講者の選抜は良い案で、自分で経験値を増やすという努力をしないで、便乗の山や棚からぼたもち系の山したい人を振るい落とす、というのは、一般のネットビジネスでも

ファネル

と言って重要ポイントになっている。

このふるい落としができていないと、良い内容を教えても、相手が教わってくれないのである。したがって講習のレベルを下げないために重要。

■ 身長と体重

一般的に言って、積雪期ガイドには、重たい体重が必要で、クライマーには軽い体重が必要。

私は小柄で体重が軽いので、ビレイのことを考えると、まったくガイドに向かない。

ガイドすると、自分が危険に巻き込まれて、技術が未熟な相手…歩きが粗末な登山者が転んだら、巻き込まれて死んでしまうリスクがあるので、ガイド資格は使っていない。

体重と言うリスクは、個人でコントロールできないリスク。なので、受講者にはそのことを最初に教えたほうがいいと思う。じゃないとお金の使い損になるからだ。

■ 低身長がリスク

身長が重要になるのが、クライミングで、低身長だと、他の人にないリスクが増える。

クリッピングでピンが遠いために手繰り落ちるリスクで、男性のクライマーは、女性のクライマーが自分より大きなリスクに耐えている、ということに無自覚な人が多い。相手の立場に立ってモノを見る、ということがまずやったことがない人が多いためだろうと思うが。

身体条件によるリスク増は、個人ではいかんともしがたいものである。

まぁ、逆に言えば、私の低体重は、アイスでは有利だし、身長が低いこともトラッドではあまり問題にならないどころか、逆に有利な条件と言えることもあるくらいだ。

■ これまでで良かったことをまとめる

1)井上さんが来てくれたこと

2)黒田さんの論文が出たこと

3)ユージさんの小鹿野

4)ラオスに萩原さんが誘ってくれたこと

5)高みへのステップ 30年ぶりのアップデート

6)新田さんが日向神リボルトをしてくれたこと

7)八面のリボルト

8)今回の登山ガイド育成事業が発足したこと

いや~良かった、良かった。

UIAAの登山総合技術ハンドブックを読んだ人は、

 うわ!日本やばっ!!

と誰でも思うに違いない。

■ 登山業界は知識を内輪にとどめておきたいみたいな?

文部省の登山研究所っていう組織があるが、IT化がめちゃおそく、しばらく前までPDFは、画像であり、紙の書籍をスキャナで取ったものらしかった…

それじゃ、Googleの検索に引っ掛からないのである。

だから、検索力が低い一般の人は、情報弱者になってしまって、隣の〇〇さんが行くから自分も、みたいな山しかできなくなり、結果、槍が渋滞するって話になってしまうんである。

しかし、文部省だぞ? パソコンが分かりませんってわけでもあるまい?

ということは、わざと情報を出したくないのか?

いや、たんにガバナンスの問題…であろう…

■ 水泳で立ってるだけのバイト

最近、水泳に行くんだが、プールには立っているだけのバイトがある。

管理のバイトだが、あれ、ほんと若い人生の無駄遣いみたいな感じだ。

楽なバイトに人は群がるんだが…楽をすると、自分の人生の無駄遣いになる。

昔読んだ本で、高速道路の〇〇公団に勤めている人の話が出てきたが、まさに人生の無駄遣い的な仕事で、そもそも仕事自体がないのであった…日がな一日事務所でぶらぶら…

…そんな命の使い方を、お得、と思ってしまってはいけない。

人生は短い。ビジョンを持って、したいことのために時間を使いましょう。

 

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