2016/10/14

順調に成長中でした

■ 最近理解したこと

さて、最近、理解したことをまとめておく。

 1)クライミングは長距離走 焦るべからず。

 2)山はバランス フリーに集中したくても、天候その他で叶わない場合もある。

 3)今まで通り積み上げ式登山が一番安全。安全な山=楽しい山。

 4)体作りも同時並行で必要

■ クライミングは長期計画が必要

クライミングに一緒に行ってくれる人は、私が初心者なので、大抵の場合、”先輩”。

なので、がんばってほしい勢い余って、「ホントはもっと登れるのに・・・」とか、「来年は11だねっ!」とかコメントしてしまう・・・。コメントされる側は、心苦しいノダが・・・

 結論: 気にしなくて良い。

 理由: 気にしても、しなくても、成長スピードは変わらない。

がんばろう~!という意思(=根性)だけでは、どーにもならないのが、クライミング。

早く成長したい!!!と、いくら思ったところで・・・そう思わないクライマーがこの世にいるのだろうか?・・・、そんなに性急に結果が出るものではないのである、クライミングは。

ここから学んだこと: 私自身が先輩役をすることがメインだった去年・・・、今年は後輩役で色々と登ってみて、自分が先輩の時は、後輩にプレッシャーを与えないように気を付けよう~と思った。

焦って頑張らせたせいで、故障して、登れなくなったら、本末転倒だ。

女性クライマーで、2年前に今の私と同じくらいを登っていた人が、現在11bが限界だそうだ。彼女は、先輩として、10Aのクラックをテンションまじえつつ、リードしてくれた・・・ので、限界グレードとゆとりがあるリードの関係は、正しいと思う。つねに2グレード下なのだ。

12歳私よりも、若い彼女が人生のすべてを費やして2年かかったなら、やっぱり私にも、2年は必要なんじゃないだろうか?

山もクライミングも集中力を要求するもの。安全のためには、集中力を持続的にする、段々長くしていく、ということを主眼に据えるべきである。

■ バランスが必要

一口に山と言っても、要求されるスキルは色々で、アクティビティには、バランスが必要だ。

これは、まぁクライミングを主体とする山が初年度だったので、まぁ仕方がない。今まで縦走メインの年間メニューしか、理解の範疇になかったわけなので・・・。

岩場にも適期があり、スラブは真夏は向かない。

フリーと言っても、スラブ、クラック、フェイス、みなどれかに集中して登るべきである。課題は具体的にあげられる。・・・などなど、知識が不足していたのである。

まぁ、どう活動計画を立てるか?も経験を通して学んでいくので仕方がない。

真夏に小川山でキャンプしても、全然岩には登れない・・・。行くなら、今頃、秋がおススメである。

 冬: 曇ったらアイス、晴れたら雪稜ハイキング、もしくは昇仙峡クラック
 春: 湯川、小川山、春山はロングな雪稜
 真夏: 高山は人で渋滞中。スラブはダメ 岩もヌメッて適期とは言えない 結果、沢を楽しむべし
 秋: 小川山シーズンイン、紅葉狩りハイキングで、冬山向けトレーニング 

結論的には、

 ・夏はお休みして体力を温存
 ・朝のトレーニングを継続 
 ・フィットネス値を夏にインドアで高めておく

毎朝歩いていたが、真夏は不快なのでしないでいた・・・これは正解であった。今まで、秋口に体を壊していたのは、夏も冬と同じように頑張ってしまっていたからだったと今年、理解。

年々、人は年をとるのだから、毎年同じことを自分に強いてはいけないのである。

今年は真夏に頑張っていないので、比較的好調。沢も過ぎると、体にも負担があるからなぁ・・・。

というわけで、休息と活動のバランスよい生活をし、精神を充実させるのが大事なことが、良き山につながる、と理解。

山やクライミング以外の要素も重要だ。

■ 捨てるべきこだわりと捨てなくてもよいこだわり

一般に、どの程度の実力が自分にあるのか?良く分からないのが、未組織登山者・・・行くべき山が分からない、というのが、問題の根底にあり、それは、山でも、フリーの課題でも、同じだ。

客観的な実力評価が難しいのである。

山なら、単独では10の実力があっても6の山しか、行けない・行かない。安全マージンがたくさん必要だからだ。

フリーなら、トップロープでは11を登っても、リードなら10Bを登るべきだ。

そう言う風にしていても、特殊な山は漏れや抜けが起きる・・・たとえば、カモシカはしておくべきだがやっていないし、私は、もはや一般ルートと言われている阿弥陀南陵には行っていないし、積雪期の入門ルート阿弥陀北陵にも行っていない・・・先輩は、どうせ私が退屈しそうなので連れて行きたがっていなかった・・・エイドのルート大やすり岩もそうだし・・・ 適したときに適した課題を消化できない。

だが、無理して、カリキュラム通りである必要もないのだろう・・・と理解した。体系的に山をステップアップするのは、ごく限られた環境でのみ可能になる贅沢なのだ。

なので、時代の背景に適応して、その辺は、こだわりを捨てても良いことらしい。

また今回は連れられていく山・・・例えば、烏帽子岩左岩稜は連れられていく山だった・・・に対しても、こだわりは捨てて良いらしいと理解した。

経験のためにはベテランの同行が必要であり、ベテランが同行しても良いよ、という気になることは、そもそも稀にみるラッキーである。幸運は掴むべきである。

が、連れられて行った山が自分の実力だと、天狗にならなければいいだけである。(これが実に難しいことらしいのだが)

人のことは言えないが、復習山行の企画自体が大変難しい。

(連れて行ってもらう)→(自分が連れて行く)の循環がうまく回らないことが多いのが、限界集落的様相を見せる人口激減社会のアルパインの世界・・・ 

実際、私は、春のもどり雪はオールリードで行きたいのだが、連れて行く後輩格の人が今いないので、実現していない。先輩は、ラクラク過ぎて何もタノシクナイのだし、かといってビレイが不安な人をセカンドで連れて行くわけにもいかないのだし。

そうこう考えると、今現在登れなくても、ビレイが確実なだけでもありがたいのが、後輩ってものだ。クライミングは勝手に上達してくださいって感じなわけなので。

まぁ、そういうの・・・も、こだわりを手放して良いうちに入るらしい。懐に溜めておいて、機会が巡ってきたときに打ち出せば、よろしい。

望むにせよ、望まざるにせよ、目の前にある道を歩くしかないのが、クライミングが出てくるようになった山なのだ。

・・・というわけで、今与えられているパートナーや環境には、大変、感謝している。

大事なことは、山が訴えかけてくるメッセージを丁寧に拾っていくことなのである。

■ 体づくり

女性は、クライミングが前提条件として要求する、基礎的な、肉体的頑強さ(=指の腱の強さ)がないかもしれない・・・。

もちろん、これは、体重と指との関係による。骨皮筋みたいな人は、指力トレーニングをはしょることができるようだ。

私は、骨皮筋ではないので、指力の強化は端折れないようだ。今は指と広背筋、肩を強化しないと。

山は相反する要素が、絡み合って難しい・・・。骨皮筋みたいな人だと、クライミングは、すぐに上達するのだが、冬山ができない。実際、ものすごく寒いのだそうだ。それに荷を担ぐのも、難しくなるだろうし・・・。

私も特別担げるタイプではないので、最低限自分の荷が担げるだけの体力トレは必要だし、それはクライミングだけしていては、落ちていく。普通の歩きも、それなりに必要だ。筋力は生ものであるからにして。

マシンを使ったトレーニングのようなことは、必要がないと言う人もいるが、クライミングしていて実感としては必要だ。

10A程度であっても、やっぱり少しでも荷を担ぐ必要があるなら、体幹の力は、自分の肉体以上の重さに耐えないといけないのであるから。

私は本格的なアルパインクライミングをしようと言うのではなく、標高差1000位内、ピッチ数10ピッチ以内の易しい趣味的アルパインをしたいと思っている程度のことだが、本格アルパインクライマーの、馬目さんが書いているこちらの論文を読み、たかだか岩を始めて3年目の私が、10代でも怖い思いをしているのは、当然の帰結だと納得した。

岩・・・2013年は、人工壁、3mで落ちていた。腕力もムーブもゼロだからだ。男性は腕力で登っていた。14年は既に外岩5.8をリードしたが、10代では落ちていた。人工壁は単純に腕力問題だった。15年は小川山でクラックデビュー。人工壁はお休みしたが、問題なし。16年の今年は2点支持マスターした。外岩5.9をオンサイト貯め中、10b限界グレード。立込とパワーが課題。

ごく一般的な成長速度だ。

世界のクライマーが5.9であっても10代の安定力が必要と言っているのだから・・・その辺の市井のクライマーで、なおかつ女性、中高年登山者、であれば、なおさら、トレーニングが必要だろうと言うのは想像に難くない。

逆にまだ13年当時の私と同様の認識度しかなく、広沢寺や日和田、十二ヶ岳の岩場程度が必要な人を小川山に連れて行ってしまえば、怖がって将来がダメになるだろう・・・と思う。

実際これは、過去の私のこと(笑)。 だから、”よくつぶれないで頑張りましたね~”って自分で自分に思う。

というわけで、山に倦んでいるわけでも、山で成長できていないわけでもなく、順調に正しく成長中だと言うことが、焼岳に行って分かったのであった。