2019/10/21

All day, Every day

■ビレイヤーのことも考えられるクライマー

思えば、青ちゃんと出会ったころ、私は、自分のことしか考えられない男性パートナーに、もう、ほとほとくたびれていた。

私の最初のパートナーは、自分の都合は考えられても、下でビレイしているビレイヤーの都合は考えられない人で、自分の実力に見合わない、とんでもないルートに、私に付き合ってもらうために、説得作戦…北岳バットレス四尾根。

彼にはだいぶ疲れました。理論立てて無理だと説明しても、彼の会の会長が、”今の二人の実力では無理だよ”と彼に直接言っても、”私の師匠が、無理だと言っているよ”、と話しても聞く耳、持たず。

一緒に行って、ひどい目にあうのが目に見えていた。私は彼の奥さんに、”夫を頼みます”と言われているのに?

■ 経験しないと分からない男子 経験しなくても分かる女子

ビレイに限らず、ですが、

  地頭力で考えないといけないこと

は男子は考えられず、

  痛い目に遭うという経験からしか学べない人が9割

の世界のようです。もちろん、そうじゃない人もいると思いますが、傾向はそうです。

それは、子どもを守るという性、子どもが痛い目に遭ってからでは遅い…の女性よりも、もともと獲物に勇猛に挑むことを期待されていた男性には、全員が理解が難しいもののようです。女性は、だれでも危険の察知が早いです。私の場合は、加えて、論理立てて理由を上げることができます。

さて、私が同レベルのクライマーと一緒に成長していきたいとなると?

相手が怪我をするのは勝手ですが、私も付き合う羽目に陥ることが多くなります。

それで、基本的には、私自身がリスク管理できる自分がリードで、リーダーで行く山が一番安全になります。相手が足を引っ張る人でない限り。これは山やの女性の先輩も、そう言っていました。足を引っ張る人でない限り、というのは、昨今女性のほうが強いケースがあるからです。

私はソロで阿弥陀北稜は登るスキルがありますが、リーダーとして、GWの仙丈まで夫を連れて行きましたが、それ以上は辞めました。夫はピンチになると、わざと足を引っ張るタイプだからです。共倒れの危険がある。

私はピンチになると強くなるタイプです。甲斐駒黒戸尾根など、夫には考えられません。ロープを出してあげないといけません。

というわけで、私にとって一番安全なのは、自分がリーダーの山です。

ので、アイス初心者とは言え、後輩君には感謝しています。何しろ、夫とは、峰の松目アイスは不可能です。私のオールリードで行きましたが、最後のF8では敗退してきました。

対等レベルのパートナーが欲しいと、いつも思っていますが、師匠の青ちゃんと出会った当時私には、こんなイケイケパートナー君か、完全初心者の後輩君か、私がガイド登山をしてあげる山岳会か、しかなかったので、師匠の青ちゃんと登るのが一番安全でした。

体の大きな男性の大墜落が下のビレイヤーに危険だ(アメリカンクラッカーになる)、などというような、ちょっと考えれば、別に経験しなくても分かるでしょ!みたいなことは、たぶん、どの男性も一度経験をしてみないと分からないみたいです。

…その、”一般男子は考えないと分からないこと”…を、全部、経験済みで分かってくれている青ちゃんが一番信頼できました。たぶん、青ちゃんも若いころは分かっていない男子だったみたいで、今、命があるのは、ただラッキーだったから…みたいでしたが(笑)。

■ 落ちるクライマー、止めてくれないクライマー

合同クライミングで、シロクマくんの落ちるクライミングを見て、「俺、落ちるようなクライミングは嫌い」と最初に言われたので、私も落ちるようなクライミングはしないようにしておきました。

その”落ちない”私が、落ちようと思って落ちたのではない、やむを得ない墜落で、止めてくれず、グランドフォールさせ、頭を7針縫うことになったのは、自分はバンバン落ちているシロクマ君のビレイにおいてでした(笑)。

男子は、自分はしてもらっていることも、相手にはしてあげない… たぶん、男子にとって、私は”お母さん”だったのでは(笑)?

というので、神様に、”どうか、頼れるビレイヤーを下さい”とお願いしたら、青ちゃんが来たんだったということを思い出しました(笑)。

ただ頼れるビレイヤーという以上の、お願い以上のありがたい方でした!

山梨ツアー
愛の山
インスボン2017
槇尾山の岩場

青ちゃん、今までありがとうございました!

重たいクライマーの墜落で下のビレイヤーが頚椎を痛めている事例



■ 安全は下のビレイヤーも大事

体重差が大きすぎるパートナーだとこういうことになりがちです。

登っているクライマーに対する衝撃緩和については考えている人も、下のビレイヤーが受ける衝撃の大きさには、無関心なことが多いです。

私は一度、1ピン目で落ちるクライマーを停めて、ビレイヤーの私と衝突し、私は衝撃でふらふらになっているのにも関わらず、ビレイヤーの私を思いやらず、再トライして登ろうとしたクライマーに、ビレイをお断りしたことがあります。

■ ビレイヤーはクライマーの下僕じゃないよ
 
ビレイヤーはクライマーの下僕、という日本のノリは行き過ぎです。

クライマーでも、ビレイヤーに墜落の合図をしないで落ちる人も良くありません。落ちそうなときは、落ちそうと声を掛けるのが、マナーです。

ビレイヤーなんだから、止めて当然だろ!という態度は傲慢で、日本の悪しき習慣です。

■ 二人で作り上げるのがクライミング

クライミングは、ビレイヤーとクライマー双方が協力して作り上げ、二人の精神的活動です。

精神的寄り添いができないクライマーは一人で登るべしです。

つまり、落ちないところを、ビレイがあやふやな新人を連れて登り続けるということで、それだと永遠に上達はないです。

■ 上下関係ではなく、相談、で。

日本のクライミングには、グレードの上下による上下関係がつきものですが、それだと、12歳の子どもが一番偉いということになります。

その次は、クライミング歴の長さによる上下関係がついて回ります。これだと、クライミング歴だけがいたずらに長い人で、分かっていない人を排除できません。

最も良いのは、相談して、作り上げる、ということです。相手にどうしてほしいか、ということを話すと同時に、自分の正直なところを話して、してほしいビレイ、してほしいクライミングを作り上げていくというのが、良いことです。


久しぶりの見晴らし岩

昨日は、新パートナーのYさんと見晴らし岩で、初めましてクライミング♪

■ 鬼ヶ鼻岩

鬼ヶ鼻岩も、ついでで取りつきを案内したんですが、びしょびしょで福岡側はダメでした。この岩は濡れ勝ちなので、掃除が大変すぎて、実用に耐えていないかも…です。

鬼が鼻岩は、アプローチも、ちょっと見つけづらく、案内者がいないと、なかなか発見ができないです。私たちも2度も敗退したんですよね。

一杯きのこが生えていた!こちらは鬼が鼻岩周辺のキノコ観察の記録です。もうキノコ狩りに行く岩場として採用(笑)?!それだけ、湿度が高いってことでしょうか?


■ 見晴らし岩 スラブ 5.10c

台風で倒木が…

見晴らし岩も、下部は濡れ濡れ、上部だけは乾いていたので、トップロープで触ることに…。いつもの5.10cです。これ、下はもう不可能な感じの濡れだったので、TRでもエイド。

組んで初めての時は、互いのビレイチャックをしたいものですが、そのためには3人必要ということが、分かったのが今年の夏の遠征です(笑)。

クライマーは、登攀中は、ビレイヤーのビレイを評価できないです。クライミング中は、下をちょっと見るくらいしかできない。

それもありますが、見晴らし岩は開拓者の米澤さんグレード辛めだし、すごくピン間隔が安全ってわけでもないので、初回は歩いて終了点へ行ける岩場なのですから、そのアドバンテージを取って、TRで全く問題ないと思います。

有名岩場でも、有名課題でもないし、この一本のOSのために苦節〇年!っていうような岩でもないです(笑)。練習用のゲレンデというのが位置づけとしては良いと思います。

まぁ、一回も落ちないで、登れそうだったら、登ったらいいと思いますが。落ちそうなクライミングをする岩場でもないです。
意味不明の敗退スリング?


■ ヨセミテノーズ

昨日は、ヨセミテのノーズに行った知り合いの報告が上がっていました。米澤さんもノーズは行きたいと言っていました。しかし、米澤さんがいくら強くても、知り合いたちの打ち込み具合を見ると…彼らのほうが現役数段強い…。その彼らは敗退だそうなので、まぁ、相当厳しいだろうなぁ。

フリーの聖地のグレードは、辛いという噂の三倉より辛いそうで、それなら、私がヨセミテで楽しいと感じることは、一生ないかも~です。

それでも、別にラオスで楽しければいいんじゃないかと思ったりしています。

■ グレード感

でも、不思議なのはグレード感。私と去年一緒に龍洞登ってくれたタオは、ヨセミテ育ちですが、私の登攀力を正確に測っていた。5.10Aぎりちょん、ってものです。

その5.10Aは龍洞の5.10Aですが…。合っていました。タオのグレード感ってかなり正確みたいなんですが、どうやってそれを得たのかなぁ?

■ ツタときのこ

私は、山に生えている、ちょっとした植物を見ると、なんか気分がほっこりします。

そろそろ岩より、自分のしたいことに帰ろうかな~

キノコと山菜かな?!

■ 夕焼けきれい




帰りは早めに帰ってきましたが、すごい夕焼けでした。お天気が心配に。

欲張らず、目の前のご縁と目の前の幸福を大事に登って行きたいです。

岩場にいたカエル君。

なんか、雨っぽいって意味なんですかね?


2019/10/20

自己犠牲としてのリードが存在しなくなった現代フリー

■ 昔のアルパイン=自己犠牲

ちょっと考えて閃めいたのですが、昔のアルパインクライミングにおいては、

自己犠牲が美化されていた、

と思います。例えば、

1)誰かが足を滑らせそうになった場合に、自分が下敷きになって自己犠牲する(多くの人の面前で)

2)下手くそなビレイでも登る

3)山において上げ膳据え膳= 歩荷してあげる、道案内してあげる、車で送ってあげる

…と全体に冒険的要素が少なくなる、ということです。段々、冒険がなくなり、安全で分かり切っていて当然になる…

です。これは、最初に山を教えてくれたガイドのM上さんが持っていた感性でした。

しかし、山って遊びです。ので、そんな自己犠牲、誰も頼んでいない。

■ 神風特攻隊気取りの山

神風特攻隊に、往年のクライマーが自分をなぞらえていることにも驚きました。

それは庵で知ることになったのですが、神風特攻隊はお国のために死んだ人たちで戦争という話でしょう。

いくらランナウトしていても、国家の威信をかけたマナスルなどならともかく、九州の山地の岩場では、特攻隊のつもりで山に挑んでも、特攻隊気取り、にしかならないです…。

残念ながら。その気取りを可能にするためのか弱き性=女性、だとしたら、茶番に対する道具立て程度にしかならない…。しかし、九州あるある、のような気がしてしまうのは、九州出身なので、自己批判とお許しください。

リード=自己犠牲=神風特攻隊的ノリ=かっこいい俺

と昔は繋がっていたのだと思います。しかし、そうでなくなってから30年くらいは立っているみたいです。

現代の落ちることが普通で、誰も命を掛けないでいいフリークライミングでは、その方程式は成り立たない…

■ リードしないと楽しくない…

現代のフリーでは、支点がしっかりしている限り、リードしないと緊張感が足りなくて、楽しくない。

リードクライマーの価値の低下が著しい…(笑)。

年配のクライマーは、若手にリードしてもらいたがります。それで気が付きました。リードしないと楽しくないというか、現代スポーツクライミングでは、5.6からリードしているのが普通なのです。

私はアルパインで、私が落ちるグレードのところをリードさせられるのが嫌なのです…。

アルパインは2、3グレード下からです。

丸3年懸垂も知らず、歩荷力ゼロ、読図力ゼロ、すべての時間をマルチに使っていた人が、5.7の二子山中央稜のリードを課題にするそうですから、私自身もそこからスタートしたいと思います。

■ もし、私が5.13登れたら

私はもし、私が5.13を登れるようになり、何も怖がらないとしたら?たぶん、そう言う人は自分を可能にしてくれる人がいなくなって、私から去っていくのではないでしょうか?

頼られる、には、頼ってくる人を必要とします。

イネイブラーというわけです。しかし、もし私が登れてしまったら、それこそ、

 ”可愛くない”

かもしれませんね?それは、まだ未知数のエリアですが、私は背が低く、優位性が属性として少ないですので、長い間イネイブラーでいれる、ということになるのかもしれません。

イネイブラーとして、価値が高いということだったら、とっても残念だなぁというのが、感想です。

別の活動しよ~

2019/10/19

さようならの序章

■ また喧嘩別れ(笑)

青ちゃんとまた喧嘩した。喧嘩の原因は、もう本当にしょうもないことで、

1)私が行きたいと前日に頼んでおいた北漢山、縦走(6H)、朝から、だらだらやる気なし。私のしたいことの足をわざとひっぱったこと、

2)翌日はインスリッジ(易しい岩稜登攀)のハズだったのに、ショイナードBと医大ルート2ルート、と朝に急変。私の足を考えてのことか?と思ったら、アプローチですら4級で、むしろ大変なルートだった。つまり、結局のところ、思いやりという訳じゃ全然なかった。

というもの。なぜこのような相手を振りまわす行動をするのか?というと、小さい子供と同じことで、

 相手の愛を試している

のだと思います。不安が背景にある。不安は加齢によるものかなと思ったりもしたのですが、違うだろうと思います。相手を振り回すのは、愛に不安がある人の特定の行動で、情緒不安定ということです。安全基地がない。愛着の問題です。

前回の喧嘩は、”残置があるのに、なんで懸垂なの!”でした。私は、クライミングに来ているので、クライマーとして合理的な行動ではない場合、当然ですが、意義を唱えます。それがパートナーとして責任ある行為だからです。

しかし、龍洞でパートナーを募集していたら、デートクライマーの存在を知りました。デート(=彼女への接待クライミング)が目的であれば、クライミングで合理的と思える行動が二の次であることは分かります。ラブラブでいる、というのが目的だからです。それなら、青ちゃんの行動も説明がつく。

1)はラブラブで歩くのが目的だから、のんびりしたかっただけで、まさか、私の足を引っ張っているとは思っていなかったのでしょう。

2)は昨日は相手にサービス(=合わせる)したのだから、今日は俺がしてもらう番と思っただけでしょう。

私はレスト日は、エキスパート、と書いてある箇所に、負傷した足で一人で行くのは不安だったので、一緒に行ってもらいたかったのです。翌日のマルチ2ルートは、肉体的に無理、でしたので、そんなに行きたかったのなら、他のメンバーと行ってもらっても怒らなかったのです。クライマー同士なので、気持ちは分かります。

ということで、もしかして過去の言動から推測すると、青ちゃんはクライミングを劇場としたデートを私としたいのであって、別に私をクライマーとして育てたかったわけじゃないのかもしれません。

たぶん…、娘さんの身代わりに私が登ってあげていただけかもしれません。彼にとって最も大切な人は娘さんだからです。でも、娘さんはクライマーではないので。

私にしょっちゅう娘さんの自慢話をしていました。

■ クライマーとして愛されなければうれしくない

ということで、私はなんとなく、自分が誰かほかの人の身代わりで登っているような気持なのです。期待している役割を演じるよう、強いられているような? 

褒められたら謙遜しろ、というのは明らかなコントロールでしたし。

例えば、娘さんは身の回りの世話をしてくれるそうです。そして、飛行機のチケットをとってもらいたがったり、私にもその役割を期待しています。が、そんなこと、クライマー同士はしない。

結局のところ、私は私のクライマーとしてのニーズを満たしてくれる人が好きです。

ビレイをしてくれ、私が登れそうなルートを教えてくれ、あるいは新しい岩場を紹介してくれる人です。

私を可愛いな!と女性として個人的に好きになってくれるのは、それは予想外に光栄なことで、うれしいですが、もう売り切れていますし(笑)。以前、青ちゃんは、お酒を飲んでいるときに

  ”わがままだけど可愛いから許す!”

と私に発言して、私をビックリ仰天させました…。あれは驚いたな。

これだけ、合わせさせられておいて、わがまま、と称されたことも驚いたが、それ以上に 可愛いから許す、には、さらに驚いた。いや~、まさか、可愛さが核心だったとは。

私は可愛さで、誰かに登ってもらおうと思ったことは一回もありません(笑)。

私が欲しいクライミングパートナーは、私のビレイをきちんとしてくれ、私が楽しいと感じる易しいグレードでも、嫌々ながらではなく、ちゃんと安心ビレイしてくれる人です。

夏に行った志賀でも、今回のインスボンでも、私のクライマーとしてのニーズは後回しにされ、私は愛されてない、クライマーとして大事にされていない、と強く感じました。

いっくら、可愛いって言われても、私のクライマーとしてのニーズを満たしてくれない人では…。何のためのクライミングパートナーなんだか。

というので、世の中にごまんといるという噂の、”愛人クライマー”、あるいは、”彼女クライマー”の不満や不都合、そして、不自由…を非常によく理解できるようになりました…。

こういうことだったのか…。

以前は、M川さんのこともあって、こうした ”愛人クライマー&彼女クライマー”を軽蔑していました。それなりにトレードオフがあり、大変と言うことが分かった。

愛人クライマーの立場に立ちながら、自分の必要なニーズを満たしてくれるよう、相手をコントロールするのは、それなりに上級者の心理操作テクニックが必要です。私はそんなコントロールはしたいと思っていないので、関係解消、大いに結構です。

■ シングルマザーを助けない親は悪か? 答え:悪です。

青ちゃんとの間のことで、書いておくべき、大事なことは、青ちゃんの娘さんのことです。

クライマーとして知り合っているのに、娘さんの話ばっかりしていることには、最初から大きな違和感がありました。

一般にクライマー同士は、今後登りたいルートなど、クライミングの話題で持ちきりで、あれ?あの人独身?えっと…あ、実はしらない…って感想に陥ることが多いからです。結構、相手が誰と恋人関係にあるか?はどうでもいいっていうか。青ちゃんについては、まぁ、とりあえず、娘さんを愛しているんだろうなぁと理解。

娘さんは夫を亡くした寡婦のシングルマザーです。男の子一人。

私は自分がシングルマザーの3人兄弟長女なので、シングルマザーと言う人たちには、特別、同情的です。他人ごととは思えない。特に女親です。

私の母は、夫を失ったとき(我が家の場合は離婚です)、最初に父親や母親、私の祖父母を頼りました…しかし、母が欲しかった援助は得られなかったのです。

祖父には愛人がおり、祖母は自分自身も離婚したてで再建中でした。家族がバラバラ、です。

もともと、私の母の実家は、その土地で知らない人がいないほどの裕福な家庭だったのです。母はド田舎から、東京女子美に進学したという、かなり優遇されたお嬢様でした。

青ちゃんの娘さんも、同じような出自でした。両親ともに大阪市の公務員。大阪市職員と言えば、全国にとどろく高給取りで知られています。

娘さん、大学に進学するだけに1000万円もかかったそうで、芸術系の大学でした。母とそっくりです。

違いは?親に助けてもらえなかったこと。

青ちゃんの娘さんは、母と同じ、シングルマザーになったわけですが、違いは、お金持ちの祖父母が子育てを助けているという点でした。

特に奥様。その様子を知るにつけ、私自身は、母への憐みの気持ちが強くなりました。娘さんと同じように、母も、おばあちゃんに助けてもらいたかった、ハズです。母が3人の子を抱えて路頭に迷ったのは、28のときで、まだ小娘です。祖母はまだ50代です。

一方で青ちゃんの娘さんは30半ばを過ぎるまで、経済的な独立が遅れたとしても、親が娘の面倒を見続けた、というご家庭でした。

青ちゃんの自慢は、娘さんが芸術家として生計が成り立つまで、「10年かかりました」と言うことでした。その時の誇らしげな口ぶりは、一仕事成し遂げたのは俺、という半ば、疑問なノリも入ってはいましたが、娘さんへの愛を感じさせるもので、母を強く愛していた私としては、とても心安らぐものでした...。

母には愛してくれる両親が、特に父親の経済力が必要だったのです。

母の父=私の祖父は、孫の私が、”おじいちゃん”と呼んだことに腹を立てました(笑)。孫におじいちゃんと呼ばれて、傷ついた、っておかしな話でしょう。当時、私は6歳で、祖父は、妻と別れ、元愛人と新しい家庭を作っているところでした。60代ですでに引退して悠々自適の生活でした。

まぁ、私はクライミングで、男性としての自信を喪失中の年齢層の男性に多く出会って、まぁ、祖父のこの態度も、仕方ないかも…と理解するようになりました。

登れなくなっていく自分、男性性を失っていく自分…と言うのは不安なものでしょう。

そして、自分より若い女性というのは(別に美女でなくても)、そのような自分から現実逃避させてくれる存在だということは、夏の佐久で知りました。

しかし、どんな人間も、老いには逆らえません。年下の女性に頼られる=一時の痛み止め、に過ぎない。

そういうわけで、私にとって、青ちゃんの家庭生活を聞かされること、は、過去の私の生い立ちを再計算するうえで、非常に役立つ、参考情報が得られる場、でした。

■ グレード至上主義

クライミングをするうえで、グレードは大切な目安、目盛り、のようなものではありますが、

グレード至上主義

については、その弊害を、最初の師匠の鈴木さんに、すでに早くも指摘されていたのでしたが、私はその意味する 行為が、どういうことなのか?よく分からなかったのです。

グレード主義的登り方というのは、5.9が一本登れたら、次はもう、5.10Aという登り方をすることです。

日本の外岩クライマーの9割は、罹患中です。これには、2つの理由があります。文化的土台と岩資源の少なさ、です。

文化的土台として、特に、RP信仰が強いのが、フリーの世界ですが、これは別に悪いのではなく、険しい道、楽しくない道、と言うだけのことです。世界中でそんな道を強いられているのは、日本人くらいかもしれないです。

なぜなら、RP主体=グレード信仰で、登ってしまうと、5.9が一本登れただけで、すぐに5.10Aに進まなくてはならなくなり、えんえんと四苦八苦、と言うことになるからです。

オンサイトはクライミングの最上の形態です。まぐれの一本ではなく、安定したオンサイトを繰り出すには、下位グレードでオンサイトを相当数、貯める必要があります。

ところが日本には、(フリーでは)易しい課題はほとんどありません。

しかたなく、RPを重ねることになり、そうこうしている間にオンサイトしても楽しくなくなるのだそうです。どこまでMなんでしょう!

というわけで、岩場資源の乏しい環境のために、9割の人が楽しくない道を歩んでいるのが、日本のフリークライミングです。

日本ではグレードは混乱しており、5.9でも実質は5.10bなどがザラにあります。

こういう事情のため、いつまでたっても、グレードを本来的な意味の目安にして、取り付くことができない。結局、グレードが与えてあってもなくても、ルートを見極める目が必要です。

日本では結局、グレードピラミッドを構築して登る、という理想論は実践できない、ということです。

と言うような事情をトータルに理解したのが、山梨を離れた2年でした。

山梨では、グレード偏重主義が、まぁ当然だと思われている、かなり危ないクライミング思想が中心です。そこが文化の中心地なので、それは、日本中に広がりを見せています。

が、その異様さに気が付くには、

 1)きっかけとして、グレードピラミッド理論を本で読んで知る熱心さ、

 そして、

 2)証拠集めとしては、海外の登攀に行って、適正グレードと適正ボルトにおけるスポーツクライミングを知り、日本の特殊性に気が付く、

その2点をクリアする熱意と時間、お金をかける以外ないだろうなと思います。


2019/10/18

台湾の勉強

■ 勉強しやすかった台湾

私は台湾は、去年1度、登攀で訪れただけで、まったく意中になかった場所でした。まったく無知でした。

イメージは、中国とアメリカの板挟みで大変な国、というもの。

この見方は私の台湾観が、無意識にアメリカ的だったみたいです。一般の人は多くは、台湾のことを中国の一部、と認識しているそうです。

まったく歴史的にも中国だったことはないのに、中国が日本に台湾あげる、ということになり、いきなり日本統治になって、台湾も驚いたのでしょう。その統治の中身が、近代化だったことで、台湾の人が日本に良い印象を持ってくれ、言葉の面はたとえ、強いられて学んだことであったとしても、精神面で良き教えを与えてくれたと感じてくれている人が多いみたいでした。

台湾と日本…古き良き日本精神でつながり、日本人でも台湾生まれの人は台湾を第二の故郷と思っているそうです。湾生というそうです。

■ アメリカ人と中国人は傲慢さが似ている

台湾の本によると、中国は大国、という意識があり、中国からすると、台湾のことは、島流しの国、と思っているそうです…

ところがその台湾のほうが経済的に発展しているので、中国からすると、現時点の状況的に、劣等感にさい悩まされるのらしい… でも、そんなこと言われても台湾も困りますよね。

台湾の課題は、主権国家としてのアイデンティティの確立、だそうです。台湾は多民族国家の国で、日本のような統一的なアイデンティティがないのだそうです。私は、日本人ですが、そのことに何の疑念がないのとは、対照的ですね。

国家アイデンティティの問題は、アフリカ系のアメリカ人の間でも大変な問題のようで、故郷がはっきりしている、自分が誰なのかはっきりしている、だけでも本当に世界的に見ればラッキーなことなのだと思います。

こないだ来てくれたクライマー君は、イギリス出身で、アメリカでエンジニアとなり、クライミングを覚えたそうでしたが、イギリスは経済的にあまり活況でないので、アメリカで働いたほうが高給取りになれるんだそうです。ふーむ。一番自分が高く売れる市場で売るというのは正解ではあると思いますが、若いだけに無防備に傲慢で、明らかに日本を属国と思っている風でした。

そういうのは、言動に表れます。英語礼賛主義というか、なんでもかんでも、英語で提供されて当然で、通訳は召使扱いされてしまいます。してもらって当然感というのでしょうか…。特権が権利化するというのが、傲慢さ、なのです。

同じような傲慢さが大国と言う自意識がある中国にはあるのだそうです。たしかに中国人とアメリカ人って似ているところあります。

■ 大陸と海洋性の死生観

日本統治下の台湾は近代化への道を一気にあゆみ、中国政府の汚職も少ない時代だったそうです。教育の面でも、日本の良さ、時間を守る、まじめ、など良い面を伝えられたそうです。

死生観がなるほどでした。日本人と台湾人は、死んだら仏さま、と思っているのですが、大陸の人は、死んでも憎しみを忘れない、そうです。海洋性の性格と、大陸性の性格の差、と言うことみたいです。

何十年も前のことを引きづる韓国人、ちっとも理解できないですもんね、日本人は。それは死生観の違い、大陸か、島か、の違いみたいです。

■ 読書

今後読んでみたいのは

小林よしのり 台湾
台湾気候
アジアの孤児

です。山では台湾は、沢が可能性が大きい場所です。

台湾の勉強と比較し、本との出会いもありますが、日韓関係の勉強のほうがしづらい…

でも、台湾と韓国、日本により近い、のは、韓国でしょう、というか、韓国が日本を目指してきたのでしょうが…

今の韓国は、日本、韓国、中国の区別がつかない西洋人にとっては、外国人として暮らしやすい国になっていると思います。あくまで西洋人から見た、自分たちに近いほうが上、という感性で比較すると、と言う意味ですが。韓国のほうが西洋化が進んでいます。

韓国は国の統制が日本よりきついので、何を残し、何を入れるか?ということに政府の介入が多く、早く実現するようで、それが国立公園の整備具合に表れているみたいです。白雲山荘の件では、この数年で事態がすっかり変わりました。

日本は日本的さ、というものをアメリカや西洋に売り渡してしまった気がするときがありますが、それでも、日本はとても日本的な面を残し、それはなかなか変えづらいみたいです。

日本的であることのマイナス面が出て、プラスが出ない、と言う場合もあるのですが。

■ 日本的であることのマイナス面

1)多様性への不寛容
2)普通、標準、平均、で、物事を計ろうとすること 
3)変化への対応の恐れ、
4)変化自体への先入観
5)男性中心社会
6)適応力の不足

日本的であることのプラス面
1)勤勉
2)時間やルールを守る
3)執着しない
4)簡素
5)情に厚い

よくもわるくも、みんな一緒、というのが、ありえない幻想なわけです、現実には同一人種であっても、色々と個人の中身は多様性があるわけで、それをまとめて数値に出した平均像は、99%の人にとって無意味な平均。それから外れていることで自尊心をなくす日本人は滑稽です。

山だと平均コースタイムの問題です。平均コースタイムなんて必要なく、必要なのは、距離、標高差、累積標高差、勾配、危険個所などの客観的データ。そっちを自分に当てはめて考えていれば、誰も劣等感なんて持たない。海外の山には標準コースタイムなんて書いてありません。

良い面は勤勉さですが、勤勉すぎて、なんで台風19号の時に山登りしようとしているんですかね(笑)?



2019/10/17

愛あるクライミング♪ 初めての奥壁 

ドピーカンな朝!
 ■ 愛を感じました!

さて、トンデモクライマーに引っかかってしまった前回の日向神クライミングですが…

でも愛を感じるクライミングでもありました。

愛その①

ジローさんの紹介。クライマーはジローさんの紹介でした。日向神近所のゲストハウスをされている方です。海外から多くのゲストを受け入れている地元では超めずらしい勝ち組です。

ジローさんがクライマーを紹介してくれてうれしかった☆

しかし、ジローさんはクライマーではないので、相手がどんなクライマーか?峻別する能力はない…のです。残念ながら…。

ので、変なクライマー、クライマー未満のクライマーを紹介してくる羽目になっても、ジローさんには望みようがありません。ロープ持ってこないクライマー=ダメクライマー。

というので、次回から、クライミングガイドの方を紹介することにしました☆ これなら、いいでしょう☆



■ 愛その②  奥壁ツクツクホウシ 5.10A

奥壁にある課題で、お!これは登れそう!

というのが

つくつくほうし 5.10A

でした。

これは、リードしてくれたT木さんのクライミングを見て、将来、フラッシュで登るのに取っておくことにしました。

登れそうに見えた♪

T木さんとは、竜岩で会ったのですが、何か月か、そのままでした。

今回私が膝が悪くて、リードできないので、ちょうど日向神に行かれるところだったので、トップロープを張るの、お願いしました。

いくら外国の人がクライミング経験者って言っても、いきなり、知らない人のビレイで登れる岩場ではない日向神。

実は、日向神ではなく、歩いてトップロープ張れる見晴らし岩でって、思っていたんですよね。なにしろ、膝の問題で、リードは無理だし、わざわざキーボウさんを見晴らしまで呼びつけるわけにもいかないので。見晴らし岩なら、私一人でも、トップロープ張れるので。

今回は、T木さんが私に接待してくれたクライミングでした☆ 愛その②です。

愛あるクライミングってこんなことか~って分かった♪ ついたら、なんとずらーとヌンチャクがかかっていました!ほら~登り放題!って(笑)!

そう私リーチに問題あるので、ぬん掛けしてくれるとホント助かるんですよね。甘えちゃいけないと思って、マスターでもリードするように心がけていますが、日本の課題は作りがマズイことが、けっこうな頻度であります…(とほほ)。

■ 愛その③ キーボウさん

足軽 5.10b
そして、愛その③は、キーボウさんが来てくれたこと…。実は、お世話になるまでもないかなと思っていました。いつもお願いしてバッカリで恩返しがなく、悪いなって思っていたので。

でも実際は、来ていただいて、すごく助かった。私は通訳で手一杯だったからです。













■ 愛その④ 英語人材 T中さん

またFBの外岩募集で来てくれたT中さんも、ステキな方でした☆ 

なんか英語を話せる人が唯一私というより、複数のほうが、歓迎しています、という雰囲気がでるので…

でも、来てくれた外人さんは、ちょっと疑問の人材でしたが、応援に来てくれてうれしかった。

しかも、ビレイで活躍してくれました☆ ありがとうございました。

かかってきなさい 5.11A
■ 愛その⑤ 女性クライマー

女性クライマーが二人来てくれていました☆ 先輩格。

テルマ&ルイーズな感じで、二人で組んで登っているようで、ワタシ、ちょっと憧れます。

かかってきなさい5.11Aをされていました。

核心が2つあるのですが…。

みんなで同じようなところをあれこれ工夫するのが楽しい♪

クライミング歴10年とおっしゃっており、クライミングを始めた年齢も私より遅く、なんか憧れます…

私もずっとクライミングしていきたいので…。女性の経験は本当に知りたいことの一つです…

女性たちのクライミング経験をインタビューした本があったらいいのになぁ。すごい人のではなく、普通の人の。

だって、そうじゃないと、指導者が男性ばかりなので、男性と同じ期待をされてしまい、それって絶対能力的に無理なので、なんか違和感が拭えません…

ワタシと先輩をみたら、まぁ身体能力の差って、もう火を見るより明らかですよ(笑)。なんなら体力測定で数値で出してもいいくらいです。

まぁクライミングは、身体能力に劣っても、才能で結果が出せるのが魅力ですが(笑)。



■ 男は分かっちゃいないのかも?!

実は、男は分かっちゃいないのでは…???

というのを最近、ますます強く感じるクライミング…(笑)。

クライミングにおいて、男性主導というのは、まずいかのもしれません。

女性主導、というほうが、男女ともに幸せな関係を築けるのかも??

というのは、男性主導にさせてあげると、男性は、

 男女双方にとって自己破滅的解

を取り勝ちなのかもしれないからです。勝者がいない解を選び勝ちということです。

たとえば、自分の我を通して、マルチ2本登って、その後、登れなくなったら、何の得が? 

男性はどうも直観力、鈍いので、直観力に優れた女性のほうが判断はいいのかもです。

■ 邪魔くさがって後輩指導を端折ると自分も損をする

男性の感じる、”邪魔くさい” ”面倒だな~”というのは、実は、そのほうが近道なのかもです。

つまり、ちゃんとコミュニケーションをとったほうが、です。

”黙って俺についてこい”は、ますます市民権を失い、もはやレガシーですらあるアルパインの世界でも、誰も黙ってはついて来てくれない時代です(笑)。

”素直な人”と”服従する人”は、違いますが、新人の間は右も左も分からないので素直な人ですが、自立を獲得するということは、自分のやるべきことが自分で分かるということなので、無条件でついてくるわけじゃなくなります。

そうすると、”服従”しなくてはならなくなりますから、いくら従順が売りの女性でも、そうは問屋が卸すわけがないです。

なにしろ、盲目的な従順はクライミングでは死すら意味します。

■ 急がば回れ

例えば、後輩の後ろを歩いてやったほうが実は近道です。賢い人はそれをすでに実践していると思います。

人は恩義を忘れないものだから、です。

そのほうがリードできないように育てて、自分を頼るように仕向けるより、人は離れて行かないものだと思います。

例えば、私が3年前に烏帽子岩左稜線をどこか一か所でもリードしていれば、あるいは、湯川で疑似リードしたいというのを聞き届けていれば、今頃はシュイナードBでも納得したでしょう(笑)。たった2日で疑似リードまで進めそうな私って、だいぶ才能あったと思います…その時、ちゃんとやるべきことをやっていれば…。

実際、シュイナードBは今の身体能力のレベルにあってはいるからです。リード技術がないだけで。

何しろ核心は、リード技術=セカンド=後輩、なのですから、いつまでも初級ルートが終わっていないのに、飛び級で、上位のルートの難しいのに、自分が行きたいからと言う理由を貫いて連れて行っても、セカンドの後輩は、それを聞き続けてくれるはずがないのです…。万年セカンドを強いられていることに気が付かないクライマーなどいません。

クライミングは自己責任の世界で、このままでは、ギャンブルの掛け金が上がっていくだけだと分かるからです。

■ 神の采配! 膝の脱臼経験者との出会い

さて、今回の出会いは、神様が用意したとしか思えませんでした…

M本さん… 膝の脱臼経験者でした…。彼女の話を聞いて、私は台湾は取りやめることにしました。

膝の回復には長い期間がかかるということが、経験者の話を聞いて分かったからです。

この出会いで、私は龍洞、キャンセルを決定しました…苦渋の決断。

■ 龍洞…パートナーが必要な岩場です

実は、龍洞は、もう半年以上前から、M居さんと一緒に行く約束をしてあったのですが、韓国に行く時点で、チケットを取っておらず、後ろめたく思っていました…。

チケットを取っていなかった理由は、私は4日では足りず、もう少し登りたかったからです。

しかし、龍洞は、相手を予約せずに登れる岩場ではありません。ので、誰か一緒に行く人があと一人現れないか?と待ち状態でした… 大体1週間くらいいたかったんですよね。

というので、龍洞のチケット、取るに取れず、もう取らないと値上がりする!ってタイミングで取ったんです‥‥韓国初日に。

だって、整形外科の先生、3週間で治るって言ってたし…。

そして、実際韓国に入って数日は、痛み止めを飲んでいたのですが、Dulegilを歩いてだいぶ、回復しました。

が、シュイナードBでは、やっぱりワイドは大変でした。足と腰で突っ張るボディテンション、無理…

でも、スラブはまぁ慣れているのもあって、インスボンのスラブは細かい立ち込みでも対応できるので大丈夫でした…

足が真下なら大丈夫なのです。ハイステップやきょんは禁止です!!

いい感触をもって帰ってきたインスボンでのクライミング…

ところが、今回、日向神でフェイスをやって、こりゃだめだわ、と理解…

5.10bの足軽、3回くらいテンションでした…怖かった…。

でも、触った感触からして、普段なら登れるだろう、と思いました。ギリギリではあっても、なんとか登れるレベルの困難でしたが、異様に怖く感じました。

やっぱり足のせいです…

というので、膝の脱臼ってエライ時間がかかる、ってことに納得しました。

■ 龍洞でもトンデモパートナーしか見つからず…

また、龍洞でも、パートナーは見つかりました…ところが、その人、ガールフレンドと登りに来ているクライマーで、自前のロープなし、ヌンチャクなし…。

マックス君と同じではないですか… これでは、パートナーどころか、抱え込むのは

 ”お荷物”

であることがはっきりしました。つまり、龍洞行かないほうがいいという神のお達し=マックス君だったのです…

というので、QXに宿泊キャンセルのメールを打ちました…

3万円がなにもなく流れていくことになりますが…まぁ、格安航空券にはいつもお世話になっているからなぁ。

お金より、体が第一です。

■ 自分が正しい!と言う気持ちが強すぎる人は海外には合わない

自己肯定感が強い、というのは素晴らしいことですが、自分があっていて、周りが間違っている、という観念が強すぎる人は、海外には適性がないです。

慣れてる韓国ですら、AirBなのに、普通のホテルのつもりで、突撃しちゃうとか…チェックイン時間前に行く…ことです。事前に読んでおいてね、と送ったハウスルールは、読んでいない。

海外では、自分の常識、相手の非常識、というのがよくあることです。なので、事前に分かることは分かっておくのが普通です。それを怠って、あら?ってのは私も良くやりますが、それでえー!って怒ることはないです。自分のせいですから。

海外というのは適性があります…私は、別に、そう、適性が高いタイプではなく、前にいた会社では、男性たちはフィリピンなども行っていましたが、私はそういう危険国は行きませんでした。

つまり、私が行くような国は、海外と言っても初級と言うか、治安が安定しており、一般先進国の常識が通じるような国だけなのです。


賄賂を渡さないと通行もできないとか、そんな機転は必要ない国ばかりです。ただ、だとしても、多少の用心は必要で、何がその国での普通なのか?ということは、まぁ自分が分かっていないかもしれないという前提で、考えていく謙虚さというか、頭の柔らかさが必要です。

その辺は年配の人には、お願いしづらい。

そういえば、以前こんな苦情を言われました。バスのチケット、発券がコンビニなのに、できるコンビニとできないコンビニがあるのはおかしい!と。

ローソンではOKで、ファミマでは扱っていないとか。それでコンビニの店員さんを責めて自分に正当性があると思います? 普通の人はないです…だって違う会社だし。

でも、コンビニ各社は同じサービスを提供すべきだ!と声を荒げていた青ちゃん…うーん。たしかにコンビニは、もう行政機関そっくりに機能していますが…。でも、お門違いと思うぞ?

でも、黙っていました…。そういうのは、時代的背景や文化的背景、育ちでだいぶ違うだろうと思うからです。

それにいつも娘さんの話をしてくるので、私を娘さんに重ねて、頼ってきているのだと思っていました… 本当は娘さんと岩に登りたいんだろうな★と。

私は父を知らないで育ったので、まぁ父親を世話するみたいなもんかなーと思っていました(笑)。本人には内緒ですが。まぁ、これは好意的解釈すぎますね(笑)。

■ つくつくぼうし&竜頭泉友田開拓エリア!

さて、そんなこんなで、日向神奥壁には、足が治った暁には、つくつくぼうしを登りに行くぞ~!と思っています。

いけなくなった龍洞のお口直しは、岸良もとい竜頭泉です。最近易しいクラックが開拓されて、一杯登れそうなところがあるらしいです☆

今から、楽しみです☆




2019/10/16

A 1000 year old Katsura Tree in Mitsuse (Seburi mountain nature park)

My first climbing mentor and I used to go in a mountain and find giants, a big tree..., we loved searching. Oh, I miss him so much!

Yamanashi was a rock country, dry, steep mountains were the kind of mountains they have... it was the geometrical center of Japan,  so I started climbing but before I start the climbing, I loved woods.

They did have no giants since they were so closed to Edo, old Tokyo, so they have used up all the good big tree a long before Edo became Tokyo.

Now, I am in Kyusyu, so I am a 1000 km away from the mountains of my love, that means also I am away from the big consumer city too, so I am lucky to find the gaiant tree in my neighborhood mountains... yes, the mountains are low, but their green are so thick, and thanks to the distance to the big city, there are a lot of tree are left without being cut down for making temples and shurins.

This Katsura tree is said to be No2 biggest tree in Japan.

Maybe No1 is Yakusugi.





The place was sooo satvic and there was a white cat sitting and guarding the tree?

The sign says it's a 1000 year old, 34 m high, 13.8 m around the tree, and 25 m branches spread.

I wish there is a trail starting from here.

Data:
Location is here.
https://www.google.com/maps/place/%E4%B8%8B%E5%90%88%E7%80%AC%E3%81%AE%E5%A4%A7%E3%82%AB%E3%83%84%E3%83%A9/@33.443338,130.2604497,17z/data=!4m12!1m6!3m5!1s0x3541c7710c7676d9:0x1c5b947cbeadcd8b!2z5LiL5ZCI54Cs44Gu5aSn44Kr44OE44Op!8m2!3d33.443338!4d130.2604497!3m4!1s0x3541c7710c7676d9:0x1c5b947cbeadcd8b!8m2!3d33.443338!4d130.2604497

No1 biggest Katsura Tree in Japan is in Yamagata pref.
http://show-en-kei.com/kyoboku/kb_tohoku/kb_yamagata/kb_yamagata_m_mogami_01.html

600 hundred's years old and, 38 m high, 20m around the tree.

Recommended souvenir. 
Japanees tradisional pickles, Tsukemono、648Yen.

Nori of Ariake sea's specialty 540Yen



クライマー版共依存チェックリスト

1)連れて行ってもらうことより、連れて行くことのほうが多い → 連れて行ってもらう(ビレイしてもらうと)と素直に喜べる。感謝できる

2)(リードやビレイ)してもらうより、してあげるほうが気分が良い → 何かしてもらっても、引け目を感じない。借りを作ったと感じない

3)本当の自分(実力)を隠そうとする → 本当の自分を伝えようとする

4)相手がしてほしいことがすぐ分かる。自分がどう感じているのかは分からない → 

自分が行きたいルートやどうしたいのか?分かっている

5)誰かの世話に執着する。必要とされることが大事 → 相手から学ぼうとする、関心を持つ。

6)相手の夢が自分の夢 → きちんと境界がある 行きたいルートが違ってもいい

7)心の問題や病を抱える人(イケイケクライマー)に惹かれる → 健康な人、活発な人、幸せな人(バランスが取れたクライマー)に惹かれる

8)相手に自分の望む行動(自分が行きたいところ)を取らせて安心しようとする → 敗退込みで行きたいところへ行く、責任は自分で取る 自己犠牲しない

9)特定の人以外登攀禁止 → 様々なクライマーと登れる、関係が維持できる

10)称賛、評価、感謝を渇望(上裸クライマー) → 他者の評価での自分の存在価値を計ろうとしない

11)拒絶が怖い(君とはもう登らないと脅す) → 怖くない(脅さない)

12)劣等感がある(どうせ俺は〇〇クライマーさ) → 特徴と課題を理解している

13)セルフケアしない(日ごろのトレーニング) → 人のために自分を犠牲にした生き方をしない

14)相手の心を読もうとする → 本人に直接訪ねる(どこに行きたいですか?)

15)助けてくれるのを待つ → SOSを自分から出す(今はトップロープしか登れない)

16)自分が傷ついて終わる(ビレイだけして終わる) → 身を守るために傷つけられる前に去る(利用されているだけの関係から去る)

17)親密な関係を維持するのが苦手 → 直接向き合って話し合い、解決

18)見捨てられ不安が強く、しがみ付く(登ってくれる人がいなくなったらどうしよう) → 別離の悲しみに押しつぶされない (また別の人と登ればいい)

19)苦しくても現状にとどまろうとする → 変化を受け入れて成長しようとする

20)人の言葉に混乱し、悩む → 受け止める

21)思うようにならないと人を恨む 憤慨する → 許そうとする

22)やればできることを簡単にできないと決めつける → 失敗してもそこから学ぶ

23)予定通りじゃないと不安 → 弾力的融通が利く 

24)石橋をたたいて結局渡らない → 決定する 慎重に考慮したら、挑戦する

共依存(恋愛依存症的)からの脱出

■ 水澤都加佐氏の著書との出会い

この著者は、アンガーマネジメントの本で、出会ったのですが…というのは、約一名、私を怒らせるのが得意な人がいるからでした…。しかし、ふと

共依存

というキーワードで、この同じ著者の本を読んでみて、

「なんだかな~これ、ワタシとあおちゃんじゃん」と思っています。

結論、やはり共依存で不健全な関係性だと結論。

私は、過剰に頑張る癖は、ありますが、それでも、自他の境界線はしっかりしており、変な奴は、追い返せるスキルをちゃんと持っています。それは、”パートナー遍歴”で明らかですが…。こないだも、ロープ持っていない変なボストン人、追い返したし。

山自体が初心者のころ、私を共依存関係に持ち込もうとしている、登山ガイドさん(ら)の様子が分かり、撃退したことがあった。私当人にとって、危なくないことを、アブナイアブナイと連呼する人たち、だった。その手には乗りませんよ、で解決。

今回も、私がクライミングで国際交流を実現したい!という思いを持っていることを、足元に見て、ロープを持ってこないくせに、登らせてもらおうとする変な奴は追い返した。まぁ、当然ですが、二日目は竜岩で人工壁の予定だったけど、登らせてやらなかったよ。私は得るものないし。

しかし、この水澤都加佐氏の著書に会う前は、共依存的だなぁ、いやだなぁ居心地悪いなぁ、とは思っても、

コミュニケーションのすれ違い、

くらいに思っていた。努力で相手を理解するというのは誰にとっても必要であり、年を取れば誰でも大なり小なり、わがままになるものだ。それは誰しもなので、人間同士の許しあいである。

私のニーズを踏みにじられることがあったとしても、向こうには私のニーズが分からないため、それで合意したルートに行かず、自分の登りたいのに行ってしまうのだろう、と。好意的に解釈していた。

しかし、これは別のリーダー格の人たちの行動を観察して、やはり、おかしな行動だと結論した。Y澤さんもK島さんも、私がリードできる初級ルートを、きちんとフォローについてくれた。

一般に、後輩に今何が必要か?は、山ヤだったら、誰だって分かるものなのだ。だってそれは、私ですら、後輩にすることだから。

私はクライマーとしては、いいように扱われていた。ニーズの侵害。結局のところ。私が怒りを感じるのは、当然で、アンガーマネジメントなんて必要なかった。私のクライマーとしてのニーズを踏みにじっているからだ。それを確信した今回の共依存関係の学習。

私のクライマーとしてのニーズを踏みにじられているにも関わらず、私が関係修復に奔走するというのは、暇人は得難いという1点による。しかし、それは、一人で登れるようになったことで解消だ。トップロープフィックスで登ってりゃいいでしょう。

■ 肉体の負傷については鈍感

Y澤さんの場合、思いやりにかけた人でもなく、リーダーとして女性を率いた経験値が低いわけでもない。しかし、私が肉離れして歩くのも困難なとき、けがの程度がまったく分かってもらえなかった。

一方、けがの程度が深刻なことは、怪我が多い青ちゃんはすぐ分かってくれた。が、どれくらい無理が効くか?もしくは、効かないか?は、全く分かっていなかった。

例えば、この膝でマルチ2ピッチ、つまり10ピッチって無理ってのは分からなかった。

無理って言っているのに、2マルチ登ろうとし、そして、登れないことについてガッカリした様子すら見せた。

つまり、男性は肉体の負傷(痛み)に対しては、感度が著しく低い。

痛みや負傷に対しては、共感力が著しく低いのだろう。

その場合は、具体的な事例がないと、相手の立場を想像ができないのだと思う。女性の体力に対する想像力しかり。

これは思いやりがないという話ではない。なぜなら、私のスーツケースを一緒に来た同行者が代わりに持ってやらなかったと言って、腹を立てていたからだ。確かに怪我している人がいたら、荷物くらい元気モノが持ってやれよ、と思うが、私はキャリーを引っ張る分には問題なかった…歩荷で背中に担ぐとか持ち上げるとかがダメなだけで。それは持ってくれたのだ。下りの階段とかで。

もし、マルチルートで、負傷しても上に行くしかない、という状況だったら、この膝は、本当にライジングしかなかったという、ほうほうの体で、シュイナードBは登った。一番避けていたワイドだった。ワイドは嫌だというのは、先に伝えてあった。

■ 脱臼などは、回復に長い時間がかかる

ので、今考えるとマルチではなくショートに変える、って話なら分かる。

どの程度登ってOKかは、登ってみないことには、本人すら、よく分からない状況だったからだ。

縦走は歩けていたので、それくらい平気だろうと、誤解を与えたのかもしれないが、初日のDulegilは、通常の人の倍の時間をかけて歩いた。私のひどい膝の様子を見て、ある女性が「こんな状態で歩いたんですか?」と驚いていた。つまり、私も女性の範疇の中では、かなりMタイプなのだ。

私自身も、膝は、3週間、と整形の先生に言われ、そうかと思い、インスボンに言った日に台湾、龍洞へのチケットを買ってしまった。1か月も先なら、登れるはずと思っていた。

ところが、先日、日向神で、同じ怪我…膝の亜脱臼…の経験者に岩場で会い、そんな話ではなく、単に日常生活に支障がないという回復が3週間であり、元のパワーが100%回復するには、半年かかるそうだった。6か月先とすれば、3月だ。だから、100%戻るまでは、最高グレード更新などはありえない。

トレーニング期に入ったというのは返上で、完全リハビリ期である。

■ 喧嘩してはくっつく

結論として、

 喧嘩分かれ、再度くっつくを繰り返している

のは、この人とだけなので、やはり問題がある関係性なのだと結論。

喧嘩すること自体は悪い事ではない。雨降って地、固まる、というのは、幸福なパートナーシップに大事なことだ。

しかし、これは違うなと実感している。恋愛依存症の症状にそっくりだからだ。

私の側だけに相手への理解が深まり、相手は私を理解する姿勢も見せず、私に対する理解も深まっていない。深めようとする意志も見られない。

■ 善意での行動

正直、インスボン、私自身は、すごく行きたかったわけじゃなかった。

ただ毎年行き30回以上通うって、それだけ強い想いがあり、すごいことだと思ったのだった。一緒に行く人がいないらしいのは、クライマーとしては気持ちが分かり、同情した。私自身もラオスに毎年行きたいが、行く人がいないのだ。それで、気の毒だなと。私は時間の自由が利くためだ。

しかも、九州から今後韓国に行くというのは、将来性の大きな選択肢だった。一緒に同行して欲しい人もいた。

ので、私が行きたい初級の登攀ルートにも、行ってくれるならば、まぁ問題がない。

が、問題となるのは、当然ながら、変わりばんこで行きたいところを交代しないといけない場合だ。

彼は常に自分の行きたいところしか登らないし、私が登りたくないところを登らせる。しかも、負傷して嫌だと言っているときにすら、だ。それはしかし、境界線の侵害だ。

自分のニーズが私のニーズを上回って当然と言う態度であり、私は当然ながら怒る。私の怒りは正当なもので、なんで、それで交渉が決裂するのか?

それは、このままの俺を愛してほしい、なんていう話じゃない。そんなものは、ただのわがままを美しく飾った言葉でしかないのだ。私はしたくないことをしなくていけないという理由は一つもない。

しかし、あーだこーだと毎回作戦に翻弄されている。典型的なのは、ドタキャン。この行動パターンは読めていたので、今回は、私が行きたいところについては、事前に予防線まで張っての末、と言うことだった。

相手の自立を奪う行為というのは、他にもあった。例えば地下鉄を使ったほうがタクシーより自立度は高い。自立させたくなければ親切を装ってタクシーを使うだろう。海外ではタクシーはほかに選択肢がない時の奥の手である。余談になるが、私は仕事で、一週間タクシーと通訳を雇って、…つまり道案内と通訳…各地を回る仕事をしていたのだ。この2つさえ雇用する経済力があれば、どんな国でも、まずどうとでもなるのだ。その典型がウエストンの穂高登山だろう。

まぁ今回のインスボンはそんな抵抗ばかり、ネガティブな環境下にあってもすら、自分のしたかったことを貫徹できた、ということで、私の人間的成長にとっては、

成果

だった。インスボンは、広大な山地のほんの一角なので、すみっこだけを見て、分かった気になるのも、なんだ視野が狭いなぁと以前から思っていた。未完の仕事が終わり、満足。

ソラクサンは行きたかった上、ファン君から、チャンスも与えられたのに阻止されたので、また誰か別に同行者を見つけていきたい。ソラクサンは、アイスで可能性がある場所なので、アイスでご縁がある方がいたら、一度、可能性を打診してみたい。

そういう方はぜひご連絡を。アイスは、私はすでに中級者です。が、岩と同様、フォローをしてくれる人を求めています。(まぁ海外では全員トップロープが張れる場がいいとは思います)

2019/10/15

私のパートナー遍歴

基本的には、やはり”無知”ということに、”コミュニケーション能力”の不足で対抗できなかった歴史、ということになりそうです。

■ 登攀の出る山への入り方

私は雪の山で山を始めました。ので、雪山で一人で歩ける山は全部終わった後(つまり悪天候下の鳳凰三山の冬季縦走後)、いよいよ物まねでは済まないピッケル・アイゼン技術が必要となり、教えを乞う意味で、無名山塾を打診しました。その後、山岳総合センターのリーダー講習に応募したら、受かってしまい、受講。

■ パートナー遍歴

1)講習でのバディ
リーダー講習では、4人1パーティ、講師1名です。10班の内の10班目みたいな感じでした。5人いた女性は初日に3人に減りました。最初の”バディ”の人たちは、お粗末でした。講習では完全初心者向けに教えてくれるのに、エイトノット一度習ったの、復習してこない。雪山合宿では春山なのに、5cm厚のマットを持っていても文句言う。5人で6テンで狭いと文句言う。歩荷すら女性の私より弱い。最悪はタダのキックステップができない。何度教えてもできるようにならない。滑落停止、一番上手なの私でした(汗)。講師が私にほかの人を教えるように指示。講習では、先生たちが班分けを考え、良かれと思って、女性の私に体力が揃うよう、どちらかというと、軟弱目の男子と組ませてくれているわけですが、こんな程度の人たちと登ったら、一番大きなリスクを取って体を張る役目は、むしろ私になってしまう…と思って途中で辞めました。山を初めて3年しか歩いていない私が、一番登れて担げて歩けて結べるバディなんてレベル低すぎです。初心者なんだから、もう少し頼りになる人たちと登りたいと思いました。いや、敗退を重ねながら勝ち取るピークは好きですが、一度の無知による些細な行為が致命傷になる段階です。実際、講習生で死んだ人が出ました。

2)一番目の師匠
その後、一番目の師匠に会いました。ドラマチックな出会い。三つ峠で岩場で、たたずんでいたら、下からクライマーが登ってきて、私に「流動分散をしてみせなさい」と言いました。やってみたら、「あってる。けど、間違ってる。興味があれば、ここに電話しなさい」と言われました。それからこの方と2年近く登りました。ほとんどすべての技術は、鈴木さんからもらいましたので、すごく感謝しています。他会の会長さんです。

3)一番目のパートナー
私は夏山は知らないので、岩登りスキルは全くダメと自覚があり、師匠と行く山と並行でジム通いをしていました。ジムでめっちゃ意気投合した男子とザイルを結ぶように。毎日ハニームーンでしたが、「北岳バットレス四尾根に行こう!」と言われ、私はその目標が、”3年後のゆくゆくは…”という意味だと思っていたので、快諾。ところが、今年の夏って話でした。これは、他の人が太刀岡左岩稜で相方にロープワークの稚拙さを自覚させてくれて、今年は無理と理解してもらい、解決しましたが、相方は私より、美人で登れるもっと素敵な女子な女子が現れて、組みたくなり…、一方、私は相方とは別れたかったので、ちょうどよく渡りに船。この件が最も大きなリスク回避でした。”能力の過大評価”と”人に認められたい!”と思って選ぶルート選択、です。

4)一番目の先輩と2番目の先輩
私は人工壁はビレイの習得のために通っていたので、ひと夏捧げ、山梨アルパインクラブの先輩が付き合ってくれました。バンバン落ちる先輩=いい先輩。自分もこのころは平気で落ちていました。落ちるの、普通の会だったので。

5)家庭的会
個人主義の会では合宿経験が積めないので、地元の会にもいました。こちらの会で合う人たちは基本的には反面教師でした。でも、難しいことをしないだけ安心でき、合宿は楽しく、一人の先輩は、すごく渋くていいルートを考えてくれる先輩でした。信大の先輩。が先輩は仕事で載っている時期で、あまり山には時間を割けない。私の行きたいところ、行けるところのほうが、会が行けるところより、入会時から上で、会といくと、会が足手まといになってしまう…という関係にありました。会の人たちと行くには、山を縮小してあげないといけない。しかし、参加する人は、それがワカラナイ。参加してあげてる気になってしまうのです。だいぶ、この会では無料のガイド山行を行いました。厳冬期の金峰山、アイス、初級の岩などです。

6)クラブ蒼氷IW田さん
最初の相方を小川山レイバックに案内して会った。尊敬している。なんと山岸尚政さんにワイドを教えた人でした。感謝していましたが、雪山で骨折の怪我をされて、復帰では私のほうが登れるようになってしまいました…バツが悪くなり登らないように。

7)アイスの後輩
アイスフェスで、できた後輩。23歳。大学院生。初心者。賢くてもビレイを正しく覚えるのは、相当大変と理解。しっかり教え切らないまま、九州に来てしまい、後を先輩たちに託したのですが、「だめだよ、この手の子は」みたいな感想。そ、そうかなぁ…

8)2番目の師匠
後輩にアイスを教えていたら、会ったアイスベテラン。インスボンベテラン、31回目くらい。先日、口げんかして捨てられる。でも、この人、いつも、すぐ捨てる捨てると言うのが口癖で、たぶん年を取ると、いつ自分が捨てられるのかと寂しくなるのだろうと理解。気分屋なので、気にしていない。山友というより、酒飲み友達。リードさせてあげないと機嫌が悪い。

9)佐賀の先輩
山梨の初心者当時からのビフォーアフターを知ってくれてる先輩。九州の色々な岩場に探検気分で行くのが楽しかった。クラックに初めて連れて行ってくれた人でクラック友達。

10)米澤さん
屋久島フリーウェイの開拓者。家が10分。しかし、肉離れした後、歩くのも痛いと訴えているのに、二日も家に返してくれず、決裂。もう泣きそうでした。優秀な人は、そうでない人が理解できないのです。

と言う具合で、遠隔地(ハレの場)で一緒に登る人はいるのですが、近所で一緒に、地道なトレーニングを共有してくれる人がいないのです。普段着の登攀。

九州の岩場だったら、もう大体総なめしたので、案内は必要ないですが、楽しく背伸びせず登れると助かります。

今のところ、楽しく背伸びせず登れるのが、ラオスのみ。ほかの岩場では緊張しないといけないので、勢い、行きたい気にもあまりなれない。

グレードも、国際グレード6Aなら全部オンサイト、って程度のレベルです。日本だとグレード辛くて、5.9でも跳ね返されたりしています。日本の課題は、海外とは違う思想で作られている。開拓者と同行して理解しました。

私は身長が低く(152cm)リーチでお得がないクライマーで、パワーでも当然、稼げない。となると、長い間、このグレードに、とどまる見込みが大きいです。10台前半ってことです。

こう推論する理由は、昔はリーダーをしていたクラスの人たちでも、体力が衰えると(つまり、年を取ってパワーが亡くなり、もっている資産がリーチだけ)になると、5.11がいいところだからです。これは長年山岳会のリーダーであった、師匠1、師匠2がこのレベルで安定しているためです。リーチでお得がない私の場合、彼らが若い当時、努力して勝ち取った12と同じだけの努力が、私が11を勝ち取るには必要そうです。

その努力をしたいかというと?したくないので、万年10台で不服はないです(笑)。

先日180cmの人のクライミングを見ましたが、核心飛ばせるので、みたとこ、私の5.10Aでの困難度が、その男性の5.11Aの困難度です。ワンポイント程度ってこと。

まぁ、登攀に対する姿勢は人それぞれであり、楽しいと思うことをそれぞれ、楽しくやって行けばいいのであり、マルチに行くときは、リードできそうなピッチを交代するだけでも、相当にスピードアップに貢献するはずです。

クライミングは言うまでもなく、一人ではできない。

日本ではビレイヤーの地位が異様に低いです。しかし、ビレイヤーは、ただのセカンドではなく、それなりに技術も洞察力も、アシスタントとしての能力の高さも、必要です。アシスタント能力のない人を連れて歩くと分かる。ただのお荷物の人がこないだの外人さんです。5.11登れても何にもパーティには貢献していません。ムードメーカーにすらなっていない。運転の邪魔すらしていました…。アメリカ人は、基本的に共感能力が低いです。

同様に、登攀力があって登れるだけで、登る以外の技術の磨かれていないクライマーと登ると、セカンドはフリーでは登れず、自己確保で登ることになり、得るところがありません。

ので、一緒にどこかを目指そうというような感じより、日ごろのトレーニングで、末永く互いにサポートしあえるような関係がいいなと思っています。

ちなみに、私はアルパイン寄りで、沢もやれば雪も、アイスもやります。岩は、むしろ基礎力的な位置づけです。

海外に行くのは、ボルトの整備や岩登り環境が海外のほうが日本よりも良いからです。

2019/10/14

オンサイトが楽しい!を積み上げるほうが幸福が長い

■ オンサイトしても、楽しくない?!

龍洞に一緒に行こう!と話していた友達がいたのですが、話していたら、なんと易しいところをオンサイトしても楽しくないことがあるのだそうです…

「キミーが5.4をオンサイトしても楽しくないじゃろ?」とのお達し…

た、たしかに…っていうか、5.4って誰でもオンサイトできますよね???

いや、できない人がいるとしたら、高所恐怖症か、すでにご高齢初心者かと思いますが…。

■ RPで成長する=ずーっと修行

日本は外岩資源が少ないから、仕方ない面もありますが…。一般にフリークライミングのクライマーは、限界グレード更新ばかりが課題になります。

逆に言えば、グレード更新ばかりを外岩で目的にしてしまう。すると???

 オンサイトを楽しめなくなる

という危険が将来あることが、この会話から分かりました。

■ OS > RP

RP(レッドポイント)よりも、オンサイトのほうが登攀スタイルとして優れている、というのは、すべてのクライマーの共通の思想と思います。

しかし、RPグレードを上げることだけをずっとしていると、まぁ当然ですが、オンサイトできるグレードは上がっていきます。ただ、

 ”気がついたら、5.7くらいをオンサイトしても何も楽しくない”

という状況に陥ってしまうそうです…。ええ?!そうなの!!とびっくりした次第。

■ じゃオンサイトばっかでいいかも~

まぁ、落ちながら登らないと、もうOSできる課題が少なくて、登れないのしか残っていないのですが…(笑)。

私は、今は5.7でも5.9でも、オンサイトなら、なんでも楽しいので、楽しいと感じることをやりたいのです。

何のために今RP5.10cなのか?っつーとですね、5.7のオンサイトを楽しむため、なんですよ…

■ トレード条件

初心者時代は、登りたい課題、なんて実はないです。何しろ、色々見ても、質なんて分かんないんですから。とはいえ、ちゃんとしたクライマーほど、ビレイ自体は初心者でも信頼できます。そこは最低限だからです。

なので、逆に言えば、右も左も分からない初心者を連れて歩きたい人は自分が登りたいところばっかり登って、相手が登りたいところはビレイしてあげたくない人なのかもしれません。ビレイする立場が退屈で嫌だとか。

しかし、最初は初心者で、右も左も分からなくても、誰でも自分が登りたい課題っていうのが出てきます。

私は、2年も前に、2回もシュイナードBは登っているので、また再登=完全にビレイしてあげる側、です。連れて行ってくれてありがとー!ってなる?ならない。

そりゃ仕方ないです。そもそも、行こう!って言ってたルートじゃないんだし。

インスリッジって話で行っているんですから。

ビレイは変わりばんこでしょう。ビレイしてほしいなら、代わりに私が行きたいところをビレイしてくれないと…(笑)

私は5.10cで落ちるところをビレイしてくれる相手には事欠いていませんが、私がオンサイトしたいところをビレイしてくれる人は、とんと表れていないので、おーい!って感じです(笑)。

■ 海外

それで、海外、行くんです。海外だと、ビレイヤーが信用ならないのは普通で、ほとんどの人が、2グレード下を登ります。

私はラオスでは一回も落ちたことなく、ほとんどの6Aは登ってしまって、いよいよ、落ちながらしか登れないグレードまで、いってしまったので、次回は、ちゃんとしたパートナーがいないと、ラオスは登るとこ、ないんだよなぁって感じです。

まぁ、龍洞は、前回は下見程度で、まだ一杯オンサイトできそうな5.7~5.9があったので、ビレイヤーは、まぁ普通の人ならだれでもいいです。

さすがに、ダラリンとかの初心者とか、彼女の接待向けビレイヤーは嫌ですが、超ギリギリを登るわけじゃないので、普通なら…。なにしろ、限界に挑戦しないし、どうせ落ちないので。

旅行中、特に海外での旅行中では、限界挑戦なんて誰もしないですよ、して怪我になったらどうするんです???