2019/08/15

知的なクライミング

色々考えて、私の理想のクライミングは

 知的なクライミング

だろうと。

私は、正直、命が惜しくてビビっているわけじゃないと思う…。人生を振り返って、私が取っているリスクを取れないでいる人は多い。海外でも、クライマーとそういう話になったが、定期的に安定収入が入るという安心を手放すことができない人は多い。大体、命知らずを誇示しているクライマーって、前の会のN安さんもだし、F屋会長もだし、公務員。つまり、

  現在の日本社会で、もっとも人生上の安全安心に魂を売った人

もう、リスクなんてゼロなんである。クライミングに例えたら、トップロープもいいところだ。リスクゼロの代わりに、超退屈な仕事をしているとは思われるが。

現代の一流クライマーは、そのような選択肢は取らない。登攀においてのみならず、社会的にも、リスクテイカーな人が多い。

もちろん、リスクを取る、という1点だけがクライマーの価値ではないが、何のリスクをも、冒しておらず、冒険的な生き方すらしていない人が、登攀においてだけイケイケでは、リスクテイカー気取り、冒険家気取り、であるな、との印象は、免れまい。その人の本質は、リスクテイキングでも、冒険家でもないからだ。

■ 知と力

”取れるところで取らないプロテクションはバカっぽい…”

というのは、以前読んだ、『教科書にない登山術』にあった言葉だ。私が、向こう見ず礼賛の風潮に感じるのは、まさにそれ。

バカっぽい、つまり、知性が低いということだ。

”取れるときに” 取らないプロテクション…ということは、つまり、逆に言えば、取れないときもある、ということだ。取れないときに登攀力不足で、落ちてしまったら、それは大事故につながるわけで、

 取れないときに、落ちる実力で登るクライミング

も、同様にバカっぽい。取れないのであれば、落ちるくらいなら、最初から登るべきでない。

同様にバカっぽいのは、

 ・敗退を考えないで行くクライミング

 ・プロテクションの能力を養成しないで行くクライミング

 ・十分な安全マージンを取らないで行くクライミング

だ。簡単に言えば、勝算の目途が立っていないクライミング ということで、簡単な言葉で言えば、

 一か八か

であり、

 ギャンブル

である。リスクに対する中毒症状というのが、そこにはある。リスクがあれば、そこには興奮があり、ホルモン、アドレナリンだか、なんだかの影響がある。その同じ刺激をより強い強度でどんどんと高めたくなってしまうという側面がクライミング、とくにアルパインの伝統には含まれる。

もちろん、楽しい!というホルモン刺激の時もあるのだが、多くの人は、アディクションと良い意味の楽しい!という、ヤル気回路を、なんとなくしか切り分けられていないだろう。

私にとっては、日本でそのような状態になったことはなく、ラオスでの登攀がそのような良い意味でのアディクションの端緒となったわけだが…。

どうやって、それを引き出すか?というと、やはり私にとっては

知性…つまり探求心

と言うこと以外ないだろうと思う。

適切な安全マージンの考察

■ バカ女

今回のクライミングは、対照的な二人の女性クライマーに出会った。

便宜的に、バカ女と謙虚すぎる女と区別することにする。

一人目は、志賀の岩場で会ったバカ女だ。バカ女と言って、憚らないのは、彼女が

 イケイケ強気の自分に自己陶酔

していたからだ。山の世界では誤解が多い。やんちゃや向こう見ずを武勇伝扱いする風潮だ。例えば、クラックのリードについて。

「私、すーぐ取り付いちゃうの!考えないで行っちゃうよ~(さもそれが素晴らしいことであるかのように)」

「へぇ~登る前にオブザベするの?なんで~?!行けばいいのに!」

と言う具合だ。私は終いには

「あなたはそうかもしれないけれど、私は嫌なの。無理強いしないで!」と釘を刺さないといけなかった。言いたくないことを言わされた。

しかし、つまり、5.9を登らない判断をするワタシをチキン扱いされたため、一矢報いておかないといけなくなった。私は彼女のせいで、この日、自分がオンサイトしたいと思った5.7のクラックが登る時間も、ビレイヤー資源も奪われた。

山の世界では、イケイケどんどんの人は注目を浴びれる。なぜなら、誰かが制止してやらないと、死んでしまうようなことも、やってしまうからだ。分かっていない人。向こう見ずを武勇伝化する人だ。男性に多いが、女性にもいる。

彼女は、そう言う事情で、男性…といっても、定年後のおじいさんたちだが…からの注目を一身に集めるという幸福を謳歌中だった…。大家族の一人っ子状態だ。ギャーギャーとうるさい。

こう言っては何だが、女性としてあまり容姿が良くない人だったので、様子から、そういう注目を集める機会があまりなかったがために、注目を集めて舞い上がってしまっているようにも思えた。

実際、年配のパートナーが、「あんな娘っ子が登りたい登りたいというんでよ、俺も頑張る羽目になってよ」と言っていたので、男性にとっては、相手がどんな女性であっても、”娘っ子”なんだーと認識を新たにしたくらいだ。

そうだとすると、モテるなら、誰でもいい、つまり、相当な幅で、どんな容姿の女性でもいいわけで、そういう男性心理のせいで、私も登ってもらっているのかもしれない?

その可能性は、女性である限り、100%は否定できない。

私は、そういうクライミング…男性の歓心を女の武器で使うクライミング…には、陥りたくない。と言う訳で、今回、年配の男性のもてたい心理には、用心の必要を感じた。

今、私と登ってくれている人たちは、私が女性だからという理由で、登ってくれている人ではないとは思う。

一言で言えば、

 ”舞い上がっている”

それが彼女を形容するのに、ふさわしい言葉に見えた。パートナーのおじさんも、私の師匠も、登りたがりの彼女の対応に、てんやわんやだった。

こういう人は一人いると、周囲が大迷惑をこうむる…。おかげで、私はあまり自分の課題には取り組めなかった。私は彼女のせいで、自分のテーマにしている、易しいクラックのリードに取り組めず、あとでリベンジで、青ちゃんに付き合ってもらった。彼女のほうは、私がリードした5.9のクラックをリードしようとして周囲に止められていた。実際、登れていなかった。「あれ~ほんとだ。登れない」とか、言っていた。

彼女はよくいる競争心丸出しのイケイケタイプなので、私と自分を比べていたと思われ、どれだけ舐められていたんだろう…私は(笑)。

私は、人からの評価を気にしないタイプではあるが、”評価に気が付かない”わけじゃない。そこまでバカなわけじゃない。

というわけで、イケイケのバカ女に舐められて、自分の課題消化がおろそかになるという、私にとっては、好都合とは言い難いクライミング合宿となった。

このタイプの人は私の天敵だ。

いれば、私は自分のために時間を使えなくなる。私にとっては、子ども時代に、妹がギャン泣きするため、親が妹ばかりを優先せざるを得なくなり、私にとっては、早すぎる自立を強いられることになった子供時代を思い出させられ、うんざりさせられるタイプ。だから、お子様は嫌いだ。

でも、山岳会には、必ず一人はいる。周囲を振り回してハッピーな人。

青ちゃんは、「あの子、あの様子じゃ、いつか大怪我するで」と言っていた。

しかも、彼女のパートナーのおじさんは、アルパインのクライマーとしてスタートした人だったので、とてもいい人だったが、フリーは高齢になって始めたそうで、ビレイでの立ち位置が遠すぎる人だった。私だったら、ビレイにもっと注文を付けるか、彼と登るのは断念するだろう。

■ 謙虚すぎるオンナ

一方で、大阪へ帰ってくると、千石岩と金毘羅に連れて行ってくれた女性がいた。

謙虚すぎるオンナだ。

Mさんとは、今度、龍洞で登るんだが、せっかくはるばる行く龍洞で、5.7のクラックでいいというから、私と同じくらいの段階のクライマーかなーと思っていたら、大違いだった…(汗)。

FBの投稿での内容がすごいので、薄々、感じていたことだったが…10年分くらいの実力差がありそうだ。

今回は、KoWallでのリードと、外岩でのロープ合わせをした。

海外で一緒に登攀するのに、ロープ合わせは必須だ。なので、この機会が持てて良かった。新保ガイドと行ったときも、登れる登れないは、ともかく、登る以外の面で、お互いの意識合わせをしておくと、後が楽だ。海外では、国内以上に怪我が許されない。

登攀は、特に2日目の千石でのスカイライン5.10Aのリードは見事で、カムの設置技術もバッチリ。私はトップロープでも1歩目から、テンションが入る始末。かなり被ったラインであるのだった…。

フェイスも、金毘羅でやったが、私は5.10cをムーブ分解して登れるかどうかレベル、彼女は11cをムーブ分解して登れるかどうかなレベル。

彼女は今夏小川山に行き損ねて、今回の外岩になった。小川山では、小川山レイバック(5.9)をやりたい!などと、そんな実力の彼女がのたまうので、Mさんには、もはや小川山レイバックは簡単すぎるよ!と言うと、「思い出のルートだから」とのことでいたって謙虚。

わたしだったら、そうかな~ルンルン、と次のルートを考え始めるだろう…。

地元だった私としては、彼女に適切なクラック課題をアドバイスしてあげたいところだが、私も、今見えているのは、ジャク豆(5.10b)や5.10cの笠間ピンキーが終わった程度のため、もっと上級者向けのクラックは分からない。Mさんは、クレイジージャム5.10dは、たぶん一撃だと思う。

■ 千石 スカイライン 5.10A

千石岩のスカイラインは、たかだか5.10Aだが、何十回も登って熟達したのだそうだ。岩場資源が少ない土地のクライマーは、同じ課題に繰り返し登るしかなくなる…。私も自分のホームの岩場の課題で、そんなのがあるが、スカイラインのような難しさがある課題ではない。

スカイラインは、クラックと言うより、アルパインっぽい、どっかぶり課題で、腕力とカムの設置能力のち密さの両方が試される。腕力尽きて落ちて、カムが効いておらず、プロテクションが飛んで、大墜落、がありうる事故だ。

Mさんは、かなり上級者なので、私の師匠の青ちゃん…現在、怪我の療養中…よりも、おそらく現時点で登れる。ので、本格アルパインの、錫杖の注文などを勧めてみたが、「私なんて、まだまだ」とのたまう…。

■ 私は適正マージンです!

さて、以上のことを踏まえて、考察する。

たかだか無名の12,3メートルの5.9クラックを屈曲しているからと固辞して、5.7をオンサイトして、

「用心深いクライマー」

「安全マージンが大きすぎるクライマー」

つまり、”ビビりでチキンクライマー”と、言われている私なんだが、その指摘は正しいのだろうか?

いや、正しくない。

Mさんの安全マージンは、私の3倍くらいありそうだった。

今回は、この二人の女性の安全マージンの大きさの差が、鮮明だった。

考えると、私の安全マージンは、常に男性クライマーの安全マージンと比較されて、チキン扱いを受けている。

とはいえ、この強い女性クライマーMさんの安全マージンよりは、確実に薄いと思われる。

ということで、私の現在の安全マージンの幅は、適正マージンだという結論に至った。

私をチキン扱いする皆さん、フェイスで11が登れるレベルで、そこまで確実性を上げてから、5.9や5.10Aをリードするものらしいですぞ?世間では(笑)。

色々な人と登るとすごく勉強になる。

それはつまり、こういうことだ。

まぁ、安全マージンをどれくらいとるか?ということは、それこそ、そもそも、個人的なもので、他人がとやかく言うようなものではない、と思う。

そして、そのような質のことに、とやかく言われて嫌だ、というのは、正常な反応であると思う。


2019/08/14

金毘羅山&千国岩

■金毘羅

さて、KoWallの後は、金毘羅山と千石岩に誘ってもらいました。

ロープ合わせです。

金毘羅では、お一人で登っているクライマーと出会い、結局3人でワイワイと登ることになりました。

私が苦労したのは、5.10cのアラプリーズハング。いや~ 夜指が痛くてタイヘンでした(笑)。

お隣は11cだそうでした…



■ 千国岩

こちらは千国岩です。

看板ルートのスカイライン5.10Aにロープを上げてもらいましたが、いや~アルパインなルートでした。

クラックは使いましたが、クラック登りというよりは、プロテクションのセットにクラックが使えるというだけで、基本、クラック登りではなく、オーバーハングでした。

結構、しびれました…


■ 関西の岩場

これで、道場、槇尾山、につづき、金毘羅、千石岩、と関西の岩場は4つを知ることになりました。

とても限られた岩場資源を多くの人口で分け合って登っているということが分かりました。

私は、山梨にいるから、というのが登っている理由でした…要するに恵まれた環境、強みを生かす、ということで発想して出てきたのがクライミングだったわけです。

しかし、そうではなく、小さな岩場で繰り返し繰り返し同じ課題を登るという登り方が、大体の日本の地域では主流なわけなので、改めて、山梨時代は恵まれた環境だったなぁと…。

今回は、ご自宅に泊めていただき、車も出していただきました☆

ありがとうございました☆

Ko Wall

■ おもしろくない人工壁

九州に来てから、リード用の人工壁は悩みでした…。

最初にピラニアで育ってしまったのがまずかったのか、ピラニアですら、しぶしぶ行っている人工壁が、九州に行ったら、なおのこと、面白くない…(汗)。

手のひらが痛くなり、前腕が張るだけのことで、お金を払うだけの意味を見出せずにいました。

そんな感想を持つのは、私の舌が肥えてしまったからなのか?という問いを持っていましたが、それはその通りのようです。

■ 滋賀のKoWall

大阪では登攀の予定は立っていなかったので、クライミング関連のギアはすべてザックに入れて送り返してしまっていました…が、何のことなしに連絡した、関西のクライマーさんと繋がり、急遽、KoWallに行くことになりました。

この壁は、「日本で一番良いリードクライミングの指導をする壁」と教えてもらっていました。

ので、関西にいる間に一度行っておきたかったのです。実は、私はクライミングジムオーナーにならないか?という話も来ているのです。ただ、私はまだクライマーとしては進化中で、課題の良しあしは分かるにしても、高グレードは登れないので、なんだか、それでは、ただの財布役というか、お飾りオーナーにされてしまうようで嫌だなーと。

一方、今度、台湾の岩場で組む人と、安全・安心な環境で、互いにビレイしあう経験を先に積んでおきたい!という事情もありました。

だいたい自己完結できるクライミングをしている人は大丈夫ですが、クライミングは命がかかる活動なので、一応、クライミングにおいて、登る以外のことがきちんとできているかどうか?というのを、互いに分かりあっておく必要があります。

登るのは、クライマーは、ほっておいても、経年で上手になっていきますが、それ以外のことは、教えられたり、意識が高くないと、永遠に分かっていない人のまま、です。

■ ビレイチェック

KoLeadは、ボルダリングエリアがなく、リードのみのジムなので、最初にビレイチェックがありました。

これは素晴らしい!と思いました。

というのも、今回外の岩場でのガイドでは、リードしてくれるガイドさんは、捨て身というか、下のビレイヤーがしっかりしているかどうか?見ていないということが分かったからです…

そうなると、リードするということは、なんか自己犠牲ちっくです…(><)。

私はそういう自己犠牲ではないクライミングを紡いでいきたい…。

■ いい課題でした



今回は、KoWallでは、5.10A祭りにしました。が、課題が良くて面白かったです。私はベースキャンプへ行くと、ピラニアでは、5.10bまでしか登れなくても、10cや10dが登れてうれしくなっていました。登れる課題がたくさんあって楽しい~って感じです。

しかし、福岡のボルダリングジムでは今一つ楽しくなれない…なんでなんだろうなーと思っていました。

KoWallさんの壁では十分、新鮮で、とても楽しかったので...もしかして、やっぱり課題の質では??

まぁ、そんなに口が肥えるほどのクライミング力は、まだないんですけどね。

■ クライミングがレジャーになってしまった…

そして、とても勉強になったのが奥村さんのお話でした。

クライミングが、レジャーになってしまったという話です。レジャーになったということは、努力が不要で、誰にでもできる、と言う意味です。

クライミングは、そもそも危険なので、その危険をマスクするために、それなりの技術と知識の武装が必要なわけですが、レジャーになる、ということは、それらがなしでも許されるという意味です。

レジャーになれば、墜落やグランドフォールなどは、施設側の問題になるということです。

これは、佐久の岩場を見てきたばかりの私にとって示唆に富む話でした。

佐久の岩場は入場料を取ります。しかも、1000円と高い!それならば、当然管理者責任が出てくるハズですが、そのことは想像していないのではないか?と思われました。

なにしろ、1ピン目が偉く高く遠い課題ばかりでした… プロテクションと言うのは、プロテクションとして機能して初めて、存在意義があると思いますが、最初からその存在意義を放棄しているのが、遠い1本目であるのではないかと思います。

そのような課題は、管理者責任を全うしているとは言えず、グランドフォールで落ちたら、誰の責任と言うことになるのかなぁ…。

クライミングの事故は、クライマーの自己責任という伝統は、入場料を取る岩場とは、基本的に正反対です。

2019/08/12

マズイビレイを受け入れる悪習慣を反省中

■ まずいビレイを受け入れる習慣

今回、私が思ったことは、ベテランに限らず、誰でも自己犠牲は辞めるべきだということです。

マズイビレイを受け入れる

ということを、ベテランは、自らの義務として課していると思いますが…、そう思うのは、私自身が、後輩を連れて行くときに、

”将来、この子にビレイしてもらうためだから”

”もうこのルートでは落ちないし”

我慢して、下手くそなビレイを受け入れるからです。

それは、自分も初心者時代にそうしてもらったんだから、という思いがありますが、別に私のビレイは最初から良かったです…。

人工壁で最初に正しく覚えた人は、外岩でも同じように良いビレイをしそうです。まずいのは、アルパインしかしない人のフリークライミングのビレイかも…?

ビレイは人工壁で覚えないと覚えられないです。

今回、Kowallに行ってビレイチェックを受けて、これらは

 悪習慣

だったのだ…と認識を新たにしました。

第三者によるビレイチェックですが、受けてみても、別に、悪い事とは感じませんでした…、そりゃそうよね~!というのが感想です。

自分も登るときにビレイヤー見れないですから、誰か見てくれると嬉しいですよね。

初心者の人にビレイさせると困るのが、

「ビレイはできますか?」と聞くと、
「できます!」と元気よく答えることです。

しかし、

「墜落をキャッチした経験はありますか?」と聞くと
「ないです!」とこれまた元気よく答えます…

じゃ、ビレイが習得できているかどうか、分からないじゃーん!と思いませんか??

私は思いますので、そういう人のビレイでは、落ちるところは登らない作戦にしています。

しかし、これは、あやふやなビレイでも登ってくれる人を作ってしまうということですので、非常に良くないということが、今回理解できました。

師匠の青ちゃんも、ぜんぜんビレイしてくれる人のビレイスタイルを確認していない…ということが観察していて分かりました…。オールドクライマーは落ちないところしか登らないのが前提なのです。なので、落ちないから、ビレイヤーは誰でもOKってことです。

それは、あやふやなビレイヤーが世の中にのさばる原因になっていると思われます。

今回、あるおじさんクライマーが1本目のピンから、ずいぶんと離れているところで、ビレイをしており、私と別のクライマーがツッコミを入れたことがありました。

すると… 「(登っているクライマーを指して)彼は安定しているクライマーだから、まぁ、大丈夫やろ」という答え…

そのとたんに2名のクライマーから 「そーゆー問題じゃない!」とツッコミが。

クライマーが安定してるからいい、という問題ではありません…(汗)。安定しているクライマーしかビレイできないビレイヤーだったら、ビレイしていないのと同じです。

これは、保科ガイドも同じで、アイスのビレイで師匠の鈴木さんのリードクライミングを始めてビレイするので、責任重大だと感じ、ビレイを教えてくださいと言って、参加したら、ただロープを持たされただけで、何も教えてはくれませんでした。アイスこそ、支点が微妙なので、ビレイテク要りますよね?

ビレイのチェックは、Kowall形式で、クライマーではなく、第三者がチェックするのが良いと思いました。


2019年の遠征 終盤 魚釣り

さて続きを書きます…

合宿が終わった後は、お片付けですが、よくあることですが、なんか気が抜けてしまい、一瞬、「何してたんだっけ?」となります。

私もゲストをホストしていると良くなります…やってたことを忘れてしまいますね。

■ 8月 8日 大岳川

今回、私も青ちゃんも、いったい何をしていたのか?思い出せなくなり、とりあえず、疲れたので、癒される必要があり、涼しい沢にお魚釣りにいくことにしました♪ 

というのは、私がアマゴとイワナの食べ比べをするためです(笑)。愛されてる~(笑)。

双子池から派生する、大岳川に入渓したかったのですが、下の林道で混乱…。おかげで、有名な蓼科とか、赤岳の周辺の当たりではなくても、別荘地がいっぱいあることが分かりました…。

北八つは実は登山の初期のころ、『北八つ彷徨』で読んでいるので、多少知識があります。

蓼科山付近も、実は長い裾野で、川上村みたいな高原野菜の畑が広がっているような土地柄でした。へぇ~です。同じ八ヶ岳連峰のすそ野でも、反対側、茅野側の原村などよりも、規模が小さいので、あまり目につかないだけでした。

入渓後は、沢を2回変え、100mくらい遡行したところで、大きめのイワナ2匹。

思ったより、かかりが悪かったです。名人芸の青ちゃんで、2匹なので、私は坊主です。うーむ。まぁ、ピーカンに晴れたうえに、入渓したのが昼頃でしたもんね。日が高いと、お魚にバレバレです。

午後は夕立でした…このころの季節は、これが定番です。

■ 8月9日

翌日は昨日の悔しさがあり、再度同じ沢へ入渓…というのは、ジャージャー振ったから。しかし、これは失敗でした。昨日より、より小さなイワナちゃん2匹でした。水量増えたと思ったのになぁ…。

もっと釣れるところ知ってるよ!ということで、八千穂レイクの岩場に行きましたが、禁漁区になっていました…残念。

コケコケ
八千穂レイクの岩場は、まるで九州の岩場みたいにコケコケでしたし、ボルト位置が異様に高く、これは…(汗)。という課題でした…。一瞬で、私には無い、と理解。

もともと岩場資源に乏しい場所で、無理に作られた岩場というのは、こんなものなのかもしれません…。

これを見極める目ができたことが、九州へ行った成果ですかね…。

もちろん、標高が高く、お魚釣りと両立できる岩場なのですが…。前回は同じ理由でカサメリ沢に行ったのでした…。


■ 夏は沢

私が思うには、真夏はもう外岩しなくていいのでは?と思います…岩は、暑いとぬめって悪いからです。

クライマーの定番小川山への遠征も、実は、避暑、が目的で、クライミングは、目的としては、2番目だったりしますしね。

残念ながら禁漁
夏は沢をやっているのが、正しい山ヤでしょう。沢をやらないなら、お魚釣り。今回お魚釣りは、沢登りよりも長い時間、同じところに停留するので、天然のクーラーをより長い時間、味わうための口実だと思いました。私は、ぼ~っと沢の水の流れを見ているだけのことでも、十分に幸せなので…。

沢を遡行出来たら、とりあえず、それだけでも、とても楽しいです。

■ 電波悪い!

そうそうに、この日の用事が済んでしまったので、臼田図書館に立ち寄ってもらいました。小さな規模で、一日をつぶせる感じではなかったです…残念。

別荘地というものは、とても電波状況が悪く、持って行ったポケットWifiも無力で、ソフトバンクは常にアンテナ1本…(汗)。 簡単なメッセンジャーすら、入りづらいという状況で、ストレスが溜まっていました…(笑)。

私の場合は、山行の記録をつけているので、記録につけなければ!という思いが溜まると、吐き出さない限り、溜まりづつけることになります。

現に大阪に戻ってPCで記録をつけることが可能になって、だいぶ気持ちが楽になりました。

私は自分の記録何本も持っているブログ類…を大事にしているクライマーです。

私にとっては行く前のベータの調査や行ってからの記録の書き残しに、ネットが必要で、ネット環境は必須でした。ネットがないと生きて行けませんね。

というかラオスではネット無いですが!ただ、やることがない!となったとき、ネットが有ると、行き先を探すのに、とても便利です。

今回は、色々と調べては行ったのですが、どうしても環境が悪くて残念でした。どうも少し離れてはいますが、落ち着いて、もの書きができそうなスタバが佐久にもできたようです。

■ 8月10日

うっかりお魚に夢中になってしまったため、忘れていたのは、クライミング(笑)。

私は、志賀の岩場での最終日、特に早く切り上げる理由はなかったのですが、他のメンバーの都合もあり、早く切り上げて終わってきたため、ロープが上がった課題でも、登れなかったものがありました…

私は全体のことをまず考えてしまうタイプです…。まぁ元が学級委員長とか、お姉ちゃん、なんで仕方ないですね。

今回も全体の最適解のために、自分のクライミングの都合は、遠慮してしまい、自分が登りたい課題はまったく触れず…(><)。

…という終わり方だったということを、ハッと思い出し、1000円払うのを嫌がる青ちゃんにお願いして、再度、佐久の岩場へ…。やっぱり1000円は、高いですよねぇ?

クラックなら、別に湯川でもいいので、湯川も提案されましたが、今登りたいのは、登らせてもらえなかった5.7のクラックのマスターリード。

私はトップロープで触った5.9は、自分のカムを入れながら登り、特に悪い感触ではなく、登れそうだと思っていたので、あまり執着はなかったのでした。

それよりも、なんで”マスターでリードします”って朝一から宣言しているのに、誰もビレイしてくれないのか?そっちが謎でした。

誰もっていうのは青ちゃんのことです。というのは、他は全員初対面なんですから…。

結局、誰もビレイに来てくれないので、私はビレイヤーがいないために登れなかったのです。

その5.7は、岸良でオンサイトした課題よりも、どう見ても、簡単で、楽勝そうだったから、登るほうはどっちでもよかったんです…。まぁ、実際、登ったら楽勝でした。

しかし、問題はそこではなく、私が登りたいときに、ビレイを申し出てくれる人が一人もいなかったということのほうが、全くをもって不満でした。

これは、たぶん、私は5.7なら別にビレイヤーは誰でも登れるので、俺じゃなくてもいいだろうと思われてしまったせいかもしれませんが、私はそういう問題じゃないと思うタイプのクライマーです。体を張って覚えた(笑)。

しかし、行って見たら、この日は、青ちゃんがクライミング絶好調で、5.10cがスイスイ登れていました… 合宿中の絶不調は何だったんでしょう?だいぶ心配してしまいましたが、良く寝たら、元気になったそうでした。

逆に、この日は私のほうが寝不足でした。不調でも、まあ、7なら登れます。

とりあえず、やりたかったことは半分くらいしか達成はしていませんが、まぁ、あまり執着するようなステキな課題ってわけでもない…

主体性を大事にされなかったという自尊心の問題のように思います。

2019夏の遠征 中盤 志賀の岩場

■志賀の岩場

今回のメインディッシュは、佐久の志賀の岩場です。
JFAの終了点

師匠の青ちゃんはレスキュー隊長だったため、支点構築やロープワークに長けており、私は、九州で、本州では見たことがない支点を見るたびに不安になって相談していました。

■ 支点への意識

支点への意識というのは、私にとって、九州に行って初めて身に着けた安全意識です。

それまでは、大体経験者との同行で岩場に行くケースが多く、私が連れて行く場合でも、自分が連れて行ってもらったところを復習山行で連れて行く、ということがほとんどでしたので、支点は安全で確実である、ということは前提でしかありませんでした。

九州では、数多くの山岳会のドアも叩いてみましたが、所属することに不安が拭えず、個人で登ることを選択せざえるを得ません。

そうなると、

支点の見極めも自分持ち、

と言うことになります。

これは、経験の浅いクライマーには、なかなか難しいことです。経験者と同行していても、どう経験者が支点を見極めているのか?と意識して、見ていなければ、身につかないでしょう…

佐久の志賀の岩場は、JFAが本格的なリボルトに入ったことで、興味深い岩場でした。

メンバーは、東京方面から、山岳会からはみ出し者である、似たような境遇のメンバー5名です。

■ 8月5日 1本杉エリア

5.10Aをぬん掛けしてもらって、リードし、オンサイトできましたが、なんか調子は悪かったです。お疲れかな?

一本杉エリアは、日陰で涼しく、暑いだろうとかなり防御してノースリーブで行った割には大丈夫でした。

半ズボンの人は、たくさん蚊に刺されていました。


■ 8月6日 神社エリア もとい、??エリア

私にとっては懐かしいエリア。岩田さんとかと登ったなぁ…あのレイバック怖かったなぁ…という課題でした。

10cのスラブは初心者時代にも怖かったですが、今回も怖かった。

いくつかオンサイト出来る課題もありました。


■ 8月7日 ひなたエリア

ひなたエリアは、初めてのビレイヤーで今後海外で組めそうな人と。5.9はオンサイトできましたが、なかなか厳しいです。1本目が、となりの5.10Bより遠いってどういうことよ?

ガンバって、プリクリ無なので、心がすり減って大変。


■ 連日 雨

この時期の佐久の岩場は、標高が低いので、お勧めではありません。私のように支点を見学するとか、そういう特別な用事でない限り、暑いので、小川山のほうが標高の分良いと思われます。

しかも、連日昼過ぎからはお天気が崩れ、3時には雨なので、登れる時間も限定されてしまいます。

ただしエリアを選べば、日陰は比較的涼しく登れます。ウエアはそれこそ、短パンノースリーブかもしれません。上裸がいいと思われますが、日本の岩場では蚊に刺されるリスクのほうが快適度より高いような?

■ 責任問題

整備のため、入場料で一人1000円取られます。これは、ボルト代というのは分かりますが、入場料と言うのは、ただ積算されるだけなので、整備にかかったお金を取り戻すという話なら、損益分岐点があるハズです。それを知らされもせず、永遠に1000円払い続けるというのは、嫌だなー。

周辺のクライマーにも声をかけて見ましたが、一様に高すぎるという意見が優勢でした。駐車場代で1台1000円なら分かる、と言う意見が、もっとも妥当なラインと思われました。

一般に、入場料などとして、施設使用料と取った場合、インドアジムと同じで、そこで起きた事故は管理者の責任となります。

それなのに、なに、この1ピン目の高さ、という整備具合でした。

落ちれるフリークライミングではなくて、落ちてはいけないフリークライミングである、という点は、せっかく整備が入ったのに改められていません。

リボルトの場合、リボルトの質の話として、ボルトが品質向上して、ハンガーボルトからケミカルになった点ばかりが強調されます。

が、それでいいのでしょうか?そりゃ40年前、30年前に打たれたボルトより、現代のボルトのほうが強度が上なのは当然です。しかも、志賀の岩場なんて、日本の最内陸なんで、海からは最も遠いので、塩害に耐えるボルト、つまりチタンなんて、オーバースペックではないですかね?まぁ、お金に余裕があれば、チタンでもステンレスでも、なんでも使えばいいと思いますが…。

私は昔の人の話を聞いていると、乏しい資源の中で、よく工夫して必要な強度を引き出してきたなぁと思うことが多いのですが、過剰な安全を求め過ぎる風潮には、ちょっと疑問があり、ケミカルもその一つです。

まぁ私も落ちるならケミカルがいいですけど…(笑)。

それよりも、リボルトでお願いしたいのは、そもそもの支点の適性配置です。

ボルトの質以前に、そもそも

・落ちそうなところに支点がないとか、
・1本目が遠いとか、
・2本目が1本目より遠いとか、
・3本目が、1本目プラス2本目の距離より遠いとか、

そもそも論的なバッドな配置、辞めてほしい。わざとRルート、作っているんですか?って配置が多いです。それがグランドアップで、仕方がないからそうなっているなら、いざ知らず、ラッペルダウンでも、上手すぎる人が作っているために、ガバ=支点飛ばし、という論理はおかしい… 5.9のボルトは、5.9を限界とする人のために打ってもらわないと。俺にはいらねーから打ってないってのは、その開拓者が作った同じ岩のほかの課題を見れば分かります。なぜなら、自分にとってボルトが必要な、つまり、落ちるかもしれない、…課題は適正ボルトになっているからです。

例えば、5.12と題されたルートは、両足で立てるところに1本目が打たれています。つまり出だしのムーブから、5.12だからですね。 ですから、いくらガバでも、出だしのムーブが5.6ではなくて、5.9だったら、5.9でも両足で立てるところから打たないといけません。

が現状はそうなっていませんよね。5.9と並べて見れば、5.10bなのに、1本目は、80cm下にありました…つまり、5.9を登る人は一本目掛けるまで落ちれない。5.10bの人のほうがその距離は80cm下であるからには、落ちれない時間は5.10bの人が短いわけです。

これは登山理論ではトレードオフですが、易しい課題ほど心理負担が大きいということです。難しいのをやる人は、怖い思いはしなくて済んでいるっていうことなんですね、簡略化すれば。難しいだけで怖くはない(危なくはない)。

ということで、日本では実力に見合ったルートというのが初心者ほど用意されていないという現状になっており、それはリボルトで是正されるか?というと是正されないということが分かったのが今回の収穫でした。

どうせ岩を傷つけなければいけないのであれば、意味ある打ち方にしてほしいです。

2019夏のクライミング遠征 前半 ストリームサイドでグランドフォール

■ AirB

2019年夏のクライミング遠征は、私の大阪のマンションを空にする用事から、スタートしました。

大阪のマンションは皮肉なものです… 初めての海外遠征でのラオスでは、たくさんのヨーロッパ人クライマーが自宅をAirBに貸し出し、そのお金を遠征費用に充てて、クライミングに来ていました。私も使っていない自宅があったので、そのことを話すとAirBを勧められました。

しかし、帰国後すぐはアイスクライミングに忙しく、大阪の家をAirB仕様に整える時間は取れず。その後、福岡転勤になってすぐに頑張りましたし、師匠も、買い物などで助けてくれたりしましたが、すぐに大阪では、民泊が禁止になってしまい、せっかく入れた家具類が一度も本格的に使用される前に、不要になってしまいました。その分のお金を遠征にかけていたら…(涙)です。

今回はその不要になった布団類を処分するために来ました。新品の式布団、掛け布団、人間をダメにするソファなどを積んで、大阪から長野まで師匠が走ってくれました。

青ちゃんの自宅はクライマーが良く泊まっていくので、その際の布団に提供ということです。

荷物で後ろが見えない高速道路を6時間運転で疲れました。

■8月2日 お魚釣り

出発初日は大峰で、大きなアマゴがかかる場所があるということで、お魚釣りに行きました。なんと!行って5秒で私の竿にアマゴがかかりました(笑)。

これは!というので、大いに期待したのですが、その後は、意外に低調で、3時間ほど釣ってトータル12匹。サイズも、大きいのは1匹だけでした。途中で日が差してきたので、お魚に釣り人がバレてしまうんですよね。


朝3時起き4時集合だったため、入渓3時間後の12時ごろには疲れてきてしまい、運転もあることだし、というので、欲張らずに帰ってきました。

仮眠で温泉に立ち寄りましたが、食事と仮眠だけで温泉には入らず。思うのですが、日本の道の駅も、仮眠できる畳敷きの間と座布団、竹の枕を置いてくれたら助かるのかもしれません。

この日は私は2年ぶりのお魚釣りでしたが、あまり釣りを忘れておらず、意外に釣れたのでうれしかったです。3匹しか釣っていませんが、3匹逃して、1匹は20cm以上の大きめのをもう陸に上げるくらいで逃したので、悔しかった…。

お魚はトレードみたいだと思いました。ありとあらゆる小さな淵や小さな流れにもお魚はいます。つまり、トレードチャンスはあります。ただ取れるお魚が小さい、つまりPipsが小さいというだけです。

大きいお魚を手にするには、それなりの技術と魚の習性や川の流れ、天候、人の影、水量、時間帯など、それなりに知識の深さが必要です。それもトレードにそっくりで、大きな利益をあげようとしたら、深い理解と度胸も必要です。人間的器がお魚の大きさ(笑)?一面の真理です。私は、提灯釣りしかできないので、まだそういう釣りで釣れるお魚専門です(笑)。

■ 8月3日(土) レスト

高速道路の料金節約で、12時を超えてから料金所を通過したかったので、夜中の2時長野着。もう、ついたとたんにすべてを投げ出して睡眠です。

しかし、習慣で朝は早起き。この日はレスト日にし、私の用事である、古民家の物件見学に行きました。この件は、また別に書くことにします。


■ 8月4日 (日) 小川山 ストリームサイド&リバーバンク

この日は、日曜で、上の駐車場は、もう一杯なのは明らかなので、下の無料駐車場へ停められ、私が行ったことがあるストリームサイドとリバーバンクを案内しました。

去年、九州で会った地元熊本の後輩18歳新人君を連れてリバーバンクへ行ったのですが、登れそうだなーと思った課題を登らなかったので、ちょっと心残りがありました。その子はビレイはしっかりしている子でしたが、どれくらい彼に甘えていいのか?よく分からなかったんですね。お姉さんとしては。というか、もはや母子くらいの年齢差ですが!

ストリームサイドは、LoveorNothingという課題が、実はぬんがけリードで、去年登れており、今年はマスターで行けるんじゃないか?という甘い期待がありました。

アップは奥の一級掃除師への道5.10Aが、実際には5.9くらいな感じで易しいと知っていました。

青ちゃんの朝の運転は、なぜか大荒れで、ぐおん!ぐおん!と大ブレの、いつも以上に車酔いしそうなハイスピード運転で、私はあまりのやる気にびっくりしたのでしたが…、よっぽど暑い大阪にうんざりしていたのかな~と思ったりしていました…、後で判明しましたが、エナジードリンクで躁鬱状態みたいでした…(汗)。

ストリームサイドへ着くと、一言目「濡れてる」。

あーあ、です。しかし、ストリームサイドは2階建てなので、上の階はいいかもしれないので上がってみます。

私の目的のLoveorNothingは、核心部の3ピッチ目の後で濡れていました…(><)。私は、一目見て、これは私のマスターリードはないな、と思いました…去年も結構シビアな核心部だったんです… 

ところが、青ちゃん、超やる気。ほかのアップ用の課題を見ようともせず、このLoveorNothingを凝視しています… えー、アップしないの~と思いましたが、そこはアルパインクライマー、最初からアップではなく、アップアップがお好みなのです…(笑)。

まぁ、当然のように青ちゃんリード。そして、3ピン目でテンション。そりゃ、そうだよなー、と思いました。だってスタンスがもともとないのに、岩壁が濡れているので、スメアしようにも…、なんです。レイバックで上がっていくのですが、去年は乾いていたので、レイバックはしなかったよなぁと思いました。

その後、私はトップロープで行ったのですが、ノーテンで抜けました。が、やはり、濡れているので、怖くて、リードだと、落ちそうというメンタルで、進めなくなると思います…。固まるかなぁ。

まぁ、そんなことを言っているから、”クライマーとして、まだまだだ”、と言うことになるのです。が、迷ったら弱気、というのが、今の実力相応の態度であるかもしれず…。そのバランスのとり方は、どうしたらいいのか?実のところ、自分でも、どう試行錯誤を重ねたらいいのか?よく分からないんです。

以前の私は、”迷ったら強気”戦略を取っていたのですが、そうすると、喘息になったり、墜落で止めてもらえず、頭を縫うことになったり、なんてことないところで転がり落ちたり、と自分が思っている自分の能力は、実は等身大ではなく、私は実力を過信…大きく見積もっているのではないか?という疑いが濃厚。

しかし、周りの人から、「これ、リードできるんじゃない?」と言われる課題は、私にはそう感じられない課題だったりして、周囲の私への評価は、さらに大きそうな? 客観的な自分の力が、どこにあるのか?正確なところがつかめていない状態です。

というので、弱気戦略でいますが…、濡れて悪くても、これリードで取りついてよかったのかなぁ? 

青ちゃんが行ってくれたので、ぬんがけリードでもよかったのかもですが…。落ちても3ピン目だし…。でも、ここのピンってあんまりよくないって、何かのトポに書いてあったような? ああ、悩ましい。このような条件のとき、どう意思決定するか?というのは、アドバイスが欲しいところです。

さて、看板ルートも終わったので、上げたロープで何か登りたいところですが、両隣の課題は、なんと12b。

なので、1本頑張ってみましたが、まったく歯がたたず。

ロープを抜いて、奥の10Aをやることにしました。私はこれはマスターでリードできました。同じ10Aとは思えない簡単さでした。スタートが少し怖いので、ビレイヤーはセルフが必要です。

■ ソロクライミングでのグランドフォール

このロープで隣の12cを青ちゃんがやっているときに、事件が起きました…。

ソロで登っていたオジサンが、私たちがやったLoveorNothingの核心部で墜落…。私は青ちゃんをビレイ中でしたが、方角が同じなので、すべての一部始終を見ることができました...。 ロープのテンションが来たとすれば、地面スレスレです。オジサンは、お尻から落ちたと思いました。

さっき、オジサンは、右奥にある10cを同じ形でリードしていたのに…。すぐに「大丈夫?」と声を掛けましたが、うん、という感じでした。でも、墜落直後って、アドレナリンで、大丈夫じゃなくても、歩けちゃったりしますよね???

私も岸良の岩場で肉離れした足で、3本、登ちゃったんですよね。もっと別の声がけができなかったものか?と今になって思います。

一体、どうしたらよかったのかなぁ…。オジサンはしばらく休憩していましたが、その後、岩場から姿がなくなりました。こちらに声もかけてくださらなかったので、消息不明。ザックもロープも広げたままでした…。

以前、四阿屋の岩場で、同じスタイルのグランドフォールに居合わせたときは、パートナーの方が私たちパーティに回収を依頼してきたし、墜落者はすぐに病院へ行きました。念のためで、仲間に担いでもらっていたと思います。

こういう危急時に、どういうアクションを取ればよいのか…?

ベテランの青ちゃんは、「ソロクライミングするくらいの人は自分で分かっているよ」「腰を冷やしにでも行ったのかな」という意見でした。

その後、私たちは、もう乾いているかなということで、下の段に移動し、マリリン5.9をリード。これは出だしが核心で、やっぱり私は一本目のピンが、私の身長では掛けられない配置でした…。青ちゃんは普通にかけれたので、かけてもらいました。

極小スタンスに私は乗らないといけませんが、普通の人は乗らなくて掛けれる。ということは、その極小スタンスに乗るムーブは、5.9ではないと思うので、ボルダリングのシットスタートが難しいのと同じ原理で、この課題は、私にとっては5.9じゃないと思うのですが…。

とはいえ、1ピン目が遠い課題でも、その遠さも含めて、5.9という課題もあるはずで、安全になってしまえば、5.8となる、というタイプの課題もあると思います。そこら辺の切り分けを、誰かきちんとしてくれないかなぁと思ったりします。

マリリンは、私には5.10c、青ちゃんみたいに大きい人は、5.9でした。私は下の核心部は、ムーブは5.10cだけど、プリクリップにしたのでグレード格下げし、上の普通のマスターリードもいれて、5.10Aってところです(笑)。プリクリなしのマスターで行けば、核心前にクリップがないので、10cにしたいです(笑)。

さて、下の段は濡れ濡れで登れないので、エリア移動で、リバーバンクへ。ちょっと遡行すると出てきます。

■ リバーバンク

リバーバンクでは、前に登りたかった★みっつ課題をマスターで登りました。

テプラ5.9ですが、立木をバックステップにして使ったので、立木を使うと5.8かな。トップロープにして、ムーブを解決してみましたが、岩だけを伝うと、少し怖いトラバースです。トラバースしないなら、一旦下がって直上するので、少しトリッキーです。

青ちゃんは隣のチコリータ10dをやりたくなってしまい、取りついたのですが、手首の怪我悪化してしまいました…。私は見るからに足がなく、アームパワーでのカンテルートだったので、絶対に無理と分かっていたので、取りつきませんでした。

その後、お隣の秋の訪れ5.10A…これも前に見たとき、やりたかった…をマスターでやって、本日のクライミングはお終い。

秋の訪れのほうが、テプラより易しかった。

■ 堰堤

後は上の堰堤で渡渉して終わりですが、トイレもあれば、テン場もありました。ここは、ひっそり無料宿泊ができるのかも?

小川山は、前から駐車場代とテント泊代がかかる岩場ですが、山梨の人は日帰りで、テント泊することは少ないです。

500円もかかることになってしまったので、無料のストリームサイドとリバーバンクは価値が上がったような気がしてしまいました。

ボルトはいいのかなぁ…。去年調べたブログで、ボルトがイマイチと書いてあった記憶があり、それだけが心配ですね。

この日は、グランドフォールしたおじさんのことが気にかかり、今一つクライミングには、気持ちが入らない日でした。

まぁ、長距離運転の疲れもあるので、そこそこで終わる日という認識でした。明日からお客さんが見えるので、その準備もあるため、早めに切り上げて帰りました。

おじさん、ご無事でありますように。

ストリームサイド

リバーバンク









2019/07/25

クライミングの価値とは何か?の研究

■ 達成感だけではないクライミング

頑張ることは、もちろん、それだけで尊いのですが、もし、クライミングの価値が、

記録達成

だけにあるとしたら? 

現実は、10000人クライマーがいたら、5.15を登れるクライマーは、1人くらいなので、残りの9999人がやっていることは、価値がないこと、となってしまいます。

もちろん、5.15から、5.16へと羽ばたくクライマーは、クライマー界の星、スターですが、誰もがなれるわけじゃないから、輝くのがスター。

では?ほかにどんな価値があるか?と言われると…

■ プロセス

プロセスを大事にする、ということは、とても良く言われます。 努力が必要なので、そのプロセスを味わうということですね。

プロセスを大事にする、ということは、Be Here Now の同義語です。今を味わうということです。

簡単に言えば、楽しいクライミングをする、楽しくなるようにクライミングする、ということです。

■ 仲間意識や人との絆

他に仲間意識と言うことも言われます。私は、人との絆という言い方をしています。

クライミングが思いやりでスタートする活動になるべきだということです。例えば、どこかのルートを登りたい人にはビレイヤーが必要でしょう。

その人のために行ってあげれば、それは思いやりの山です。後ろを歩いてくれる先輩が良い先輩だ、とよく言います。

■ 思い出

良いことも悪い事も起こりますが、それが、のちに思い起こせるような、良い思い出となることは、死ぬ瞬間にいくつも、思い出せることが増えるということで、良いことのような?

たとえ、死ぬほどビビったとしても(笑)。

■ 友人が広がること

クライミングをしなければ、知ることがなかったような友人を得たり…

■ 行く場所が広がること

クライミングをしなければ、行くことがなかったようなところに行ったり…

ラオスなんて、私の辞書にはない場所でした(笑)。龍洞もです(笑)。

■ 人間的成長

クライミングは命がかかる活動なので、短気=損気です。じっくり取り組む必要があり、人間的な成長を促します。特に男子。

…と以上が、私が、クライミングしていてよかったなと思うことです。

■ 長年一つの外国の岩場を愛すること
 
が、最近、こんな言葉を聞くことになり、長年の国際的なクライミングで、

歴史や真の国際交流

と言うものがあるのかな?と思うようになりました。

これは、師匠の青ちゃんのセリフです。

日韓関係が大丈夫ですか?という問い合わせに対して…

ーーーーーーーーーーーーー
嫌な思いをする事があるかも知れません。
でも本来の日韓関係はそうではありません。
一部の為政者が煽る反日感情に踊らされる事なく、本来の日韓関係や山仲間の関係を続けたいと思います。
また良識ある韓国人が大半である事は間違いありません。
また日本人もね。
確かに抑圧された歴史があり、反日感情だけでなく韓国自国民にさえ深い怨みがある様です。40年韓国通って感じている事ですが、その怨みの反面、日本人には少ない熱い信頼を祈る様な…そんな人達が多い様です。
ーーーーーーーーーーーーーー


”人種へ対する偏見を乗り越える”

”気に入った国に通い続けることで、その国や人を深く理解する”

ということがあるのかもしれません。もちろん、クライミングに限らず、通い続ける、関わり続けることで、そういうことは、他の活動でも起こりうることだと思いますが…。

しかし、一般に、韓国に限らず、ある国について、長い間通い続ける、というような機会がある仕事についている日本人は、とても数的に少ないでしょう…。

ならば、数における優位は、とても得れそうにない、一般市民ですら、こうした機会が得れる貴重な活動と言えるのかもしれませんよね。

そして、一つの岩場を深く愛することがない場合、そこに通い続ける動機に欠けます… ので、よっぽど岩場が気に入らないことには、一つの国に40年も通い続けます?続けませんよね?

あとは、苦手の克服。

お人柄を考えると、とても、国際派とは思えませんが、それでも毎年行ったとしたら、苦手意識を上回る好き!という気持ちがあったということですよね?

ということで、

一つの外国と特別に親しくなることで、その人の人生を文化的に豊かにする、と思います。

クライミングが無かったら、絶対にやらなかったことがその人の人生に起きている、ということを垣間見る、機会でした。

こうして築いてきた資産が、社会の変化やリタイヤによって、失われるのはさみしいな、と言う思いがあります。




2019/07/24

インスボン リンク集

コードウィルキルリッジ
http://peponisan.blog18.fc2.com/blog-category-14.html

インスリッジ
http://iorirokuya.blog59.fc2.com/blog-entry-496.html
https://hositotakibi.amebaownd.com/posts/6351537

シュイナードB
https://yama-to-damashii.outdoor.cc/201406ins/ins.html
https://blog.goo.ne.jp/kuoutdoor/e/1393cc11985406c7aef53a84f0009d99
https://hositotakibi.amebaownd.com/posts/6351510

医大ルート
http://chamonixclub.com/kiroku/1206insbon.html

https://blog.goo.ne.jp/movefukuoka/e/96fa233f873c1b49db91fc88db2e613d

クローニーキル
http://ubealpine.fc2web.com/17houkoku/3-insbon.htm
http://enokido.net/mountain/archives/000707.html

女情ルート 
http://enokido.net/mountain/archives/000703.html

ピジョンルート
http://cczoo.blog19.fc2.com/blog-date-201005.html

廣瀬ガイドのサイト
http://www.glafis.com/hirose/insbong/access.html

ピナクルの記録
http://www.pinnacle-mountain.jp/hp/report/2015/20150419,22-insubon.pdf

http://fuuro.main.jp/2015/05/24/1335/

http://zettkeikanakurikuri.cocolog-nifty.com/blog/2018/05/post-59c0.html

http://www.eva.hi-ho.ne.jp/osamu-u/insubong_060503/insubong.html

2019年の記録
http://funclimbing.net/?p=12259
http://blog.livedoor.jp/donguriyamanokai052/archives/51973403.html
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-1838320.html

2014年の事故情報
http://everest.cocolog-nifty.com/gassan/2014/03/post-b914.html

韓国の山 ルート情報あり
http://irubonkun.web.fc2.com/kr/mount/climbing/bukhan_index.htm

ソロで行ったつわもの
https://rsf2.blogspot.com/2014/03/blog-post_29.html

アイスのクライミングジム
https://montura.jp/blog/%E4%BB%81%E5%AF%BF%E5%B3%B0/

ソラクサン
http://www.glafis.com/hirose/blog/?p=2338
https://www.tripadvisor.jp/Attraction_Review-g317129-d775854-Reviews-Seoraksan_National_Park-Sokcho_Gangwon_do.html

アイス
http://blog.livedoor.jp/climbing2-goforit/archives/56665353.html
http://www.glafis.com/hirose/blog/?p=599

落石事故
http://everest.cocolog-nifty.com/gassan/2014/03/post-b914.html

2019/07/22

Ogawayama a Climbing Guide

I could not find a proper Ogawayama climbing guide that I can send to my climber friends abroad so I think I should write some here.

1) Where is Ogawayama?

It's in Nagano Prefecture, in Kanto.  NOT in Tokyo. Tokyo is a maga city, it's huge and there are houses and houses...endlessly.  Think of Tokyo, a sort of Asian version of NY.  Although Tokyo has some smaller crags, like Okutama, most climbers in Tokyo metropolitan area, prefers to go to Ogawayama.

2) What is Ogawayama?

Ogawayama is considered a mecca in free climbing in Japan.

So the visitors in Japan has to pick up the only one place in Japan to climb, I would suggest it is Ogawayama.

http://w2.avis.ne.jp/~mawarime/access_map.htm

Mawarime Taira Camp site in Kawakami village is where you want to go ultimately.  The station name  is "Shinano Kawakami".

3) OK, how do I get there?

There is several ways to get there.

Most popular is to get there by car from Tokyo, by car share. The negative side is car traffic jam. Like most big city, Tokyo's traffic jam is very bad, you can end up spending more time in car than in climbing itself. If there is not much traffic, from Tokyo to Ogawayama is 3.5 hours to 4 hours.  This option is good for local residents but most costly for visitors and probably very stressful.

To solve this problem, many people choose to get on a train.  Train you will have two choices.  To get there by Yamanashi side or Saku side.

To get there from Yamanashi side, you will have to get on Chuou Line (JR train). Chuo line has, express train called Azusa and if you get on Azusa, you can save time. Many student climbers prefer to pay less, spend time more on train, that case cost is relatively low, like half.

You will have to get off Kobuchi sawa JR station then transfer to Koumi Line, the go to Shinano Kawakami Station.

The problem is Koumi line is not so frequent enough... there will be a train  in a hour, so it will not be time efficient. So many people try to get hitch hike or car share  from the Kobuchi sawa Station. 

There is a bus from Shinano Kawakami to somewhat close to Mawarime Taira camp site but it does not goes to the camp site it self. So I think it is best you call cab from the station to Mawarime Taira camp site.

The other way is from Saku and there is Shinkansen (bullet train) from Tokyo to Saku, or a bus. Shinkansen is easy and comfortable and only takes about an hour.  Bus is cheap, a half price, double time.

From Sakutaira Shinkansen Station, you will have to transfer to Koumi Line and the rest is the same.

4) Where can I find topo?

Here is some Link.
http://www.kawakami.ne.jp/ogawayama/top.html

http://www.kawakami.ne.jp/ogawayama/area_map_je/areamap_new_j.html

http://www.kawakami.ne.jp/ogawayama/area_map_je/Ap_Map/e_ogawayama_a4.pdf
http://www.kawakami.ne.jp/ogawayama/classics/selection003.pdf

5) Accommodation?

Kinpu sanso provides accommodation too. 6800 JPY for breakfast and dinner,  one night.
http://w2.avis.ne.jp/~mawarime/mountain_cottage.htm

They will rent camping goods. 2000 yen for a tent including camping fee.
http://w2.avis.ne.jp/~mawarime/rental.htm

This illustrates situation well.
http://mfc-outdoor.com/camp/mawarime/


The cost is mostly train.

Tokkyu Azusa train, Tokyo to Kobuchi sawa, 4574 JPY.
Koumi line Kobuchi sawa station to Shinano Kawakami station.  580JPY

So about 10,000 yen for a round trip.

or

Tokyo To Sakudaira by Shinkansen 6540 JPY.  OR bus 2200 JPY.
Koumi line Sakutaira  station to Shinano Kawakami station.  760JPY.

So about 6,000 or 14,000 yen for a round trip.

Cab from Shinano Kawakami to Mawarimetaira Camp site is half an hour ride.

■ A model case (Sakudaira)

By Shinkansen

Tokyo - Sakudaira  6450 JPY  6:52 - 08:16
https://www.jorudan.co.jp/norikae/cgi/nori.cgi?Sok=1&pg=0&Dym=201907&Ddd=26&Dhh=6&Dmn=26&eki1=%E6%9D%B1%E4%BA%AC&eok1=R-&eki2=%E4%BD%90%E4%B9%85%E5%B9%B3&eok2=R-&C1=0&C2=0&C3=0&C4=0&C6=2&C18=0&Cfp=1&Cway=0&rf=nr&Add=5#bR1

Koumi Line  Sakudaira to Shinano Kawakami  8:31 ‐9:57 760JPY
https://time.ekitan.com/train/TimeStation/80-24_D1.shtml

発着時間:06:28発 → 09:58着 
総額:7,190円 
距離:204.4km 
■東京 20番線発
|  はくたか551号(E7/W7系)(金沢行) 164.4km 
|  06:28-07:43[75分] 
|  3,670円( 指定席 3,520円 ) ◇佐久平 [48分待ち] 
|  小海線(小淵沢行) 40.0km |  08:31-09:58[87分] |   ↓ ■信濃川上
■ A Model case (Yamanashi Kobuchi sawa)

Shinjuku to Kobuchi sawa 06:43 ‐9:43 3024 JPY 
https://www.jorudan.co.jp/norikae/cgi/nori.cgi?Sok=1&pg=0&Dym=201907&Ddd=26&Dhh=5&Dmn=53&eki1=%E6%96%B0%E5%AE%BF&eok1=R-&eki2=%E5%B0%8F%E6%B7%B5%E6%B2%A2&eok2=R-&C1=0&C2=0&C3=0&C4=0&C6=2&C18=0&Cfp=1&Cway=0&rf=nr&Add=10#bR3

Kobuchi sawa to Shinano Kawakami 10:06 ‐ 10:51 580 JPY
https://www.navitime.co.jp/stoplist/?TCode=8082000b&RCode=00000147&SCode=00003757&type=1&Year=2019&Month=07&Day=26&Hour=07&Min=48&from=timetable

発着時間:06:28発 → 10:51着 
総額:5,870円 
距離:194.9km 

 ■新宿 9番線発  
|  あずさ71号(松本行) 163.4km (Azusa) 
|  06:28-08:40[132分] 
|  3,670円( 指定席 2,200円 ) 
|  小海線(小諸行) 31.5km 
|  10:06-10:51[45分] 
|   ↓ ■信濃川上









2019/07/20

リードに対する恐怖心と懐疑の歴史

■ 人工壁無知時代 ・・・2,3か月 

人工壁というものの存在すら知らず、普通に積雪期登山から、雪上確保へ。支点は、スノーバー&デッドマン&ボラート。

当然だが、落ちる気配すら感じない傾斜なので、全くリードが怖いという発想すらない。

リードがいかなるものか?ということについて、七倉沢で、センターの先生が自分がリードするのを私を後ろにつかせて、見せてくれた。盗ませる系。一瞬でリードが何かを理解した。

■ 山岳総合センター時代 …2,3か月

山岳総合センターで、スポーツクライミングのリード講習をリーダー講習とは別枠で受講。リーダー講習は、スポーツクライミングの経験は前提のようだったため。センターでは指導の前提になる知識を整理して伝えることができないようだった。

大町の壁まで、はるばる甲府から出かけていたが、3mくらいで落ち、初めて頂上に到達した時に拍手を受ける時代(笑)。緩傾斜は登山靴で登る。

クライミングジムの必要を理解し、ピラニアやアクティバに、何回か出向く。アウェー感半端なく、アウェー感敗退。

■ 最初の師匠 1年

鈴木さんと三つ峠で出会う。「そんなところにいるとは、さてはクライマーだな!流動分散を作って見せなさい」で作れてしまう。

当時はランナウトなど全く理解しておらず、初めての三つ峠は何も怖いと感じず。ハーケン、リング、すべて信用。懸垂支点も、全部信用。支点に関する信用絶大。

このころは、小瀬の人工壁に毎週週2で通う。 人工壁での基礎的な失敗を重ねる。

1)たぐり落ち。原因は、無理強い。
無理強いされたリードで5.10cを登り、終了点が開けられず、手繰り落ちて、床上50cmで止まる。場が凍り付く。分かっていない先輩にリードを無理強いされたため。

2)無知なビレイヤー
分かっていないビレイヤーに核心部で引っ張り落とされそうになる。ほかの人がビレイを変わってくれる。

3)体重差
トップロープバーで、体重差のある人をビレイして、2mくらい吹っ飛ぶ。

4)ギアの無知
スポーツクライミングしかしていない人が、外のマルチ練習でアタフタするのを知る。

5)ロープワークの重要性
一緒に組もうとした人が懸垂で支点に通さずにロープを投げそうになり、驚く。メンタルの適不適があることを知る

6)無知
会の同期を兜岩に連れて行くが、まったくクライミングに無知と分かる。頭を下にして落ちる

このころは、ランナウトのリスクよりも、ビレイヤーがリスクだった。どの人もビレイを習得していないか、ロープワークを分かっておらず、一緒に登りたいのにきちんと登る機会が得られなかった。

2)トラッド怖い怖い期

ホームの会の先輩らが、

 三つ峠は怖い
 アイスは怖い
 沢は怖い

と、根拠なく怖い怖いと連呼する。特に三つ峠。私は何も怖くなかったのだが、経験値の有る先輩たちが怖い怖いというので、おそらく怖いのだろう、と、怖くないのは私の無知によるものだろうと想定し、三つ峠を避けるようになる。

先輩たちが話していた怖さは、支点の悪さ… 三つ峠は、北アなどでのアルパインを模擬的に練習する場であるので、ハーケンやリングボルトが意図的に設置されたままになっている。先輩たちの”怖い”は、落ちないアルパインの登りと落ちて当然のフリーの登りを混同しているために起こっている話だった。

しかし、当時の私は先輩たちを、自分より知識があり、分かっている人、として尊敬していたため、先輩たちが怖いというなら、その通りなのだろう、と想定。

アイスも同じで、先輩たちの知識体系は古く、アイスの経験値も不足しているために、怖い怖いの連呼だった。アイスはアックスがバチ効きでないと登らないので、別に怖くない。

沢に関しては、会は経験値が低いため、ほんのお湿りの雨ですら、沢中止。しかも、装備不足の新人が来ても、Noと言えない。そのまま、新人に突っ込まさせてしまう。ので、会が心が優しすぎて危険が大きい会だった。

基本的に会は、知識と言う力を使って、リスクにきちんと対応することで、山と対話する会ではなく、こわい、あぶないという先入観で、すべてのリスクを避ける=ハイキングしかしない、できない、に移行する意図が強かった。

この頃は、不必要に、ビビらさせられていたため、自分の能力を下回る、こわごわルートしか行っていない。

師匠の鈴木さんが、これでリードできないなら、もう見込みはない、というくらいの、ビビり具合。

雪は単独で厳冬期甲斐駒まで。山では成長。クライミングは、テーマは何を分かっていないのか? 

フリーはパートナーが不在で、登りに行くことすらできない時代。

■ 外岩正常化期 1年

転機は、岩田さん。岩田さんが小川山で登ってくれるようになり、クラック5.9でもヘロヘロ。トップロープで経験値を積む。フリーのマルチなのに、フォローすらできず、プルージック登攀で解決したりする。

この経験はきちんと教育を受けている山ヤの先輩と登るというので、良い経験だった。

アルパインのクライマーじゃないと知らないだろう技術で、セカンドの務めを全うする。

が、なまじセカンドで技術を出して頼れるため、フリーの能力開発が追い付かないという時期。

多くの人にムーブの引き出しがまだないみたいだ、と言われる。あとになって考えると、これは体側をマスターしていないという意味だった。正対しかない、ということ。

ピラニアに通い、基本的なムーブの習得を目指す。7,8級でツイスト、フラッギング、両方できるようになる。

この頃もランナウトや、リーチの短さで、クリップできないリスクを理解しておらず、よくわからないが、リードが怖い。三つ峠の5.9でオンサイトして喜ぶが、小川山の5.9は、難しく感じる。トラッドの5.9とフリーの5.9に質的差を感じる。

外岩5.10bでたぐり落ちする。この経験で、クリッピング時に安定体制を作ることが非常に重要だと目覚める。

小川山で最も易しい5.10Aのトムと一緒は、リーチの問題で核心前にクリップできないため、怖くて登れない。

師匠の鈴木さんにはジム通いにチクチク言われる。

■ アイス 1年

アイスは、下がふかふか雪なので、怖くないので、アイスで経験値を貯める。小滝で10本ノックの会などで、ムーブを蓄積する。

一般の人と反対だが、アイスで成長。これは良かったと思う。アイスのほうが、指の負担なく、ムーブを蓄積できるので。

アイスのルートで、ロープワークや支点の経験値も貯める。

■ フリーよれよれ時代 半年

小川山のフリーは、難しすぎて登れない時代。

ストレスで、岩は辞めようかと思うくらいなのだが、ラオスに行ったことで、楽しさに開眼。なんと、ラオスはランナウトしていないという点で、ちびっこに最適なルートだった。

つまり、外岩が怖い、という恐怖心のほうが正常で、日本の岩場が特殊であることを知る。

小川山が怖い理由がボルト配置にあることを知る。5.7の春の戻り雪なんて、ランナウトが核心であり、初心者に適しているルートとは言えないことを理解。しかし、それが日本の実情であり、それを克服してきたなぁという感じだ。

メンタルヨレヨレになった理由はそこだと理解。

十分に経験値として登れる自信がつく前に、ランナウトでメンタルチャレンジを受けていただけなのだった。

ラオスへの2回の渡航で、メンタルへの重しを外した状態で、リード経験蓄積したら、登攀力が急激にアップ。 

トップロープでいくら登っても上がらない登攀力が上がった(笑)。

トップロープ登りとリード登りは違うためだ。岩との対話、復活。

■ まとめ

色々振り返って、良くなかったのは、

   根拠のない脅し

アイスは怖いと根拠なく、インプットされたため、かなりその思い込みを解除するのに時間がかかった。基本的に、無知な人たちから言われたことは、信用してはならないのだが、新人の間は、自分が一番無知な人と言う前提があるので、その前提を覆すのに時間がかかる。その人たちが経験豊富であるベテランとして登場したりもするが、そうともかぎらない現実がある。真実を発見するのに時間がかかったりする。

会の先輩も、どくらいの経験を、どんなクライミングで蓄積したのか?教えてもらわないと、言っていることは、その先輩の経験値の範囲だったりして、根拠が希薄なケースがある。

大事なのは、自分でリスクを理解するプロセスを経ること。

通常アイスは危なくない。脆いアイスはアブナイので、それを見極める目を養うことのほうが重要だ。大体若い男子は、それがないので、突っ込んで、アイスが崩壊して、落ちて大怪我している。気温などへの警戒だ。

フリーも同じで、プロテクションへの深い理解なしに、安全とリスクのバランスを適正に保ちながら登ることはできない。

いくら登攀力があったとしても、いい加減なプロテクションに勝ち続けるのは、ただのロシアンルーレットになる。

セーフクライミングには、リスクへの対峙の仕方も大事だ。メンタルというのは、ただ強いだけでは無謀と同じことだ。リスクを前にしたときにバックオフするような人は山ヤには向いていないため、論外だが、勝算という計算なしに突っ込む人もまた論外だ。

勝を重ねていくには、詳細な計算がいる。計算が緻密になる以前は、安全マージンがたくさん必要だということだ。