2019/08/12

2019夏のクライミング遠征 前半 ストリームサイドでグランドフォール

■ AirB

2019年夏のクライミング遠征は、私の大阪のマンションを空にする用事から、スタートしました。

大阪のマンションは皮肉なものです… 初めての海外遠征でのラオスでは、たくさんのヨーロッパ人クライマーが自宅をAirBに貸し出し、そのお金を遠征費用に充てて、クライミングに来ていました。私も使っていない自宅があったので、そのことを話すとAirBを勧められました。

しかし、帰国後すぐはアイスクライミングに忙しく、大阪の家をAirB仕様に整える時間は取れず。その後、福岡転勤になってすぐに頑張りましたし、師匠も、買い物などで助けてくれたりしましたが、すぐに大阪では、民泊が禁止になってしまい、せっかく入れた家具類が一度も本格的に使用される前に、不要になってしまいました。その分のお金を遠征にかけていたら…(涙)です。

今回はその不要になった布団類を処分するために来ました。新品の式布団、掛け布団、人間をダメにするソファなどを積んで、大阪から長野まで師匠が走ってくれました。

青ちゃんの自宅はクライマーが良く泊まっていくので、その際の布団に提供ということです。

荷物で後ろが見えない高速道路を6時間運転で疲れました。

■8月2日 お魚釣り

出発初日は大峰で、大きなアマゴがかかる場所があるということで、お魚釣りに行きました。なんと!行って5秒で私の竿にアマゴがかかりました(笑)。

これは!というので、大いに期待したのですが、その後は、意外に低調で、3時間ほど釣ってトータル12匹。サイズも、大きいのは1匹だけでした。途中で日が差してきたので、お魚に釣り人がバレてしまうんですよね。


朝3時起き4時集合だったため、入渓3時間後の12時ごろには疲れてきてしまい、運転もあることだし、というので、欲張らずに帰ってきました。

仮眠で温泉に立ち寄りましたが、食事と仮眠だけで温泉には入らず。思うのですが、日本の道の駅も、仮眠できる畳敷きの間と座布団、竹の枕を置いてくれたら助かるのかもしれません。

この日は私は2年ぶりのお魚釣りでしたが、あまり釣りを忘れておらず、意外に釣れたのでうれしかったです。3匹しか釣っていませんが、3匹逃して、1匹は20cm以上の大きめのをもう陸に上げるくらいで逃したので、悔しかった…。

お魚はトレードみたいだと思いました。ありとあらゆる小さな淵や小さな流れにもお魚はいます。つまり、トレードチャンスはあります。ただ取れるお魚が小さい、つまりPipsが小さいというだけです。

大きいお魚を手にするには、それなりの技術と魚の習性や川の流れ、天候、人の影、水量、時間帯など、それなりに知識の深さが必要です。それもトレードにそっくりで、大きな利益をあげようとしたら、深い理解と度胸も必要です。人間的器がお魚の大きさ(笑)?一面の真理です。私は、提灯釣りしかできないので、まだそういう釣りで釣れるお魚専門です(笑)。

■ 8月3日(土) レスト

高速道路の料金節約で、12時を超えてから料金所を通過したかったので、夜中の2時長野着。もう、ついたとたんにすべてを投げ出して睡眠です。

しかし、習慣で朝は早起き。この日はレスト日にし、私の用事である、古民家の物件見学に行きました。この件は、また別に書くことにします。


■ 8月4日 (日) 小川山 ストリームサイド&リバーバンク

この日は、日曜で、上の駐車場は、もう一杯なのは明らかなので、下の無料駐車場へ停められ、私が行ったことがあるストリームサイドとリバーバンクを案内しました。

去年、九州で会った地元熊本の後輩18歳新人君を連れてリバーバンクへ行ったのですが、登れそうだなーと思った課題を登らなかったので、ちょっと心残りがありました。その子はビレイはしっかりしている子でしたが、どれくらい彼に甘えていいのか?よく分からなかったんですね。お姉さんとしては。というか、もはや母子くらいの年齢差ですが!

ストリームサイドは、LoveorNothingという課題が、実はぬんがけリードで、去年登れており、今年はマスターで行けるんじゃないか?という甘い期待がありました。

アップは奥の一級掃除師への道5.10Aが、実際には5.9くらいな感じで易しいと知っていました。

青ちゃんの朝の運転は、なぜか大荒れで、ぐおん!ぐおん!と大ブレの、いつも以上に車酔いしそうなハイスピード運転で、私はあまりのやる気にびっくりしたのでしたが…、よっぽど暑い大阪にうんざりしていたのかな~と思ったりしていました…、後で判明しましたが、エナジードリンクで躁鬱状態みたいでした…(汗)。

ストリームサイドへ着くと、一言目「濡れてる」。

あーあ、です。しかし、ストリームサイドは2階建てなので、上の階はいいかもしれないので上がってみます。

私の目的のLoveorNothingは、核心部の3ピッチ目の後で濡れていました…(><)。私は、一目見て、これは私のマスターリードはないな、と思いました…去年も結構シビアな核心部だったんです… 

ところが、青ちゃん、超やる気。ほかのアップ用の課題を見ようともせず、このLoveorNothingを凝視しています… えー、アップしないの~と思いましたが、そこはアルパインクライマー、最初からアップではなく、アップアップがお好みなのです…(笑)。

まぁ、当然のように青ちゃんリード。そして、3ピン目でテンション。そりゃ、そうだよなー、と思いました。だってスタンスがもともとないのに、岩壁が濡れているので、スメアしようにも…、なんです。レイバックで上がっていくのですが、去年は乾いていたので、レイバックはしなかったよなぁと思いました。

その後、私はトップロープで行ったのですが、ノーテンで抜けました。が、やはり、濡れているので、怖くて、リードだと、落ちそうというメンタルで、進めなくなると思います…。固まるかなぁ。

まぁ、そんなことを言っているから、”クライマーとして、まだまだだ”、と言うことになるのです。が、迷ったら弱気、というのが、今の実力相応の態度であるかもしれず…。そのバランスのとり方は、どうしたらいいのか?実のところ、自分でも、どう試行錯誤を重ねたらいいのか?よく分からないんです。

以前の私は、”迷ったら強気”戦略を取っていたのですが、そうすると、喘息になったり、墜落で止めてもらえず、頭を縫うことになったり、なんてことないところで転がり落ちたり、と自分が思っている自分の能力は、実は等身大ではなく、私は実力を過信…大きく見積もっているのではないか?という疑いが濃厚。

しかし、周りの人から、「これ、リードできるんじゃない?」と言われる課題は、私にはそう感じられない課題だったりして、周囲の私への評価は、さらに大きそうな? 客観的な自分の力が、どこにあるのか?正確なところがつかめていない状態です。

というので、弱気戦略でいますが…、濡れて悪くても、これリードで取りついてよかったのかなぁ? 

青ちゃんが行ってくれたので、ぬんがけリードでもよかったのかもですが…。落ちても3ピン目だし…。でも、ここのピンってあんまりよくないって、何かのトポに書いてあったような? ああ、悩ましい。このような条件のとき、どう意思決定するか?というのは、アドバイスが欲しいところです。

さて、看板ルートも終わったので、上げたロープで何か登りたいところですが、両隣の課題は、なんと12b。

なので、1本頑張ってみましたが、まったく歯がたたず。

ロープを抜いて、奥の10Aをやることにしました。私はこれはマスターでリードできました。同じ10Aとは思えない簡単さでした。スタートが少し怖いので、ビレイヤーはセルフが必要です。

■ ソロクライミングでのグランドフォール

このロープで隣の12cを青ちゃんがやっているときに、事件が起きました…。

ソロで登っていたオジサンが、私たちがやったLoveorNothingの核心部で墜落…。私は青ちゃんをビレイ中でしたが、方角が同じなので、すべての一部始終を見ることができました...。 ロープのテンションが来たとすれば、地面スレスレです。オジサンは、お尻から落ちたと思いました。

さっき、オジサンは、右奥にある10cを同じ形でリードしていたのに…。すぐに「大丈夫?」と声を掛けましたが、うん、という感じでした。でも、墜落直後って、アドレナリンで、大丈夫じゃなくても、歩けちゃったりしますよね???

私も岸良の岩場で肉離れした足で、3本、登ちゃったんですよね。もっと別の声がけができなかったものか?と今になって思います。

一体、どうしたらよかったのかなぁ…。オジサンはしばらく休憩していましたが、その後、岩場から姿がなくなりました。こちらに声もかけてくださらなかったので、消息不明。ザックもロープも広げたままでした…。

以前、四阿屋の岩場で、同じスタイルのグランドフォールに居合わせたときは、パートナーの方が私たちパーティに回収を依頼してきたし、墜落者はすぐに病院へ行きました。念のためで、仲間に担いでもらっていたと思います。

こういう危急時に、どういうアクションを取ればよいのか…?

ベテランの青ちゃんは、「ソロクライミングするくらいの人は自分で分かっているよ」「腰を冷やしにでも行ったのかな」という意見でした。

その後、私たちは、もう乾いているかなということで、下の段に移動し、マリリン5.9をリード。これは出だしが核心で、やっぱり私は一本目のピンが、私の身長では掛けられない配置でした…。青ちゃんは普通にかけれたので、かけてもらいました。

極小スタンスに私は乗らないといけませんが、普通の人は乗らなくて掛けれる。ということは、その極小スタンスに乗るムーブは、5.9ではないと思うので、ボルダリングのシットスタートが難しいのと同じ原理で、この課題は、私にとっては5.9じゃないと思うのですが…。

とはいえ、1ピン目が遠い課題でも、その遠さも含めて、5.9という課題もあるはずで、安全になってしまえば、5.8となる、というタイプの課題もあると思います。そこら辺の切り分けを、誰かきちんとしてくれないかなぁと思ったりします。

マリリンは、私には5.10c、青ちゃんみたいに大きい人は、5.9でした。私は下の核心部は、ムーブは5.10cだけど、プリクリップにしたのでグレード格下げし、上の普通のマスターリードもいれて、5.10Aってところです(笑)。プリクリなしのマスターで行けば、核心前にクリップがないので、10cにしたいです(笑)。

さて、下の段は濡れ濡れで登れないので、エリア移動で、リバーバンクへ。ちょっと遡行すると出てきます。

■ リバーバンク

リバーバンクでは、前に登りたかった★みっつ課題をマスターで登りました。

テプラ5.9ですが、立木をバックステップにして使ったので、立木を使うと5.8かな。トップロープにして、ムーブを解決してみましたが、岩だけを伝うと、少し怖いトラバースです。トラバースしないなら、一旦下がって直上するので、少しトリッキーです。

青ちゃんは隣のチコリータ10dをやりたくなってしまい、取りついたのですが、手首の怪我悪化してしまいました…。私は見るからに足がなく、アームパワーでのカンテルートだったので、絶対に無理と分かっていたので、取りつきませんでした。

その後、お隣の秋の訪れ5.10A…これも前に見たとき、やりたかった…をマスターでやって、本日のクライミングはお終い。

秋の訪れのほうが、テプラより易しかった。

■ 堰堤

後は上の堰堤で渡渉して終わりですが、トイレもあれば、テン場もありました。ここは、ひっそり無料宿泊ができるのかも?

小川山は、前から駐車場代とテント泊代がかかる岩場ですが、山梨の人は日帰りで、テント泊することは少ないです。

500円もかかることになってしまったので、無料のストリームサイドとリバーバンクは価値が上がったような気がしてしまいました。

ボルトはいいのかなぁ…。去年調べたブログで、ボルトがイマイチと書いてあった記憶があり、それだけが心配ですね。

この日は、グランドフォールしたおじさんのことが気にかかり、今一つクライミングには、気持ちが入らない日でした。

まぁ、長距離運転の疲れもあるので、そこそこで終わる日という認識でした。明日からお客さんが見えるので、その準備もあるため、早めに切り上げて帰りました。

おじさん、ご無事でありますように。

ストリームサイド

リバーバンク