■ ついに触れます!
いやね、私も夫が一緒に登ってくれたら、どんなに心強く安心できるか?と思いますよ…
でも、元君(=夫)には、精神的負担が大きすぎる、ビレイの責任が大きすぎる、んですよ。
事例1) 積雪期の中山峠(八ヶ岳)が怖い
事例2) 飯山高原のラッセル程度が怖い
事例3)GW 仙丈で、フリーズ
事例4)クライミングに連れて行っても、スマホ見てる
事例5)落石注意で立ち止まって休憩してしまう
事例6)厳冬期ヤツに富士山に行ったときの靴で行ってしまう
事例7)私がクライミングで墜落し、頭を縫う大怪我しても、事態が理解できない
■ 現代初心者、お上りさん、まんまの夫
夫は、実は、少年時代からカブスカウト、ボーイスカウト、でアウトドアスキルは高い方なんです。火おこしとか得意そうです。
しかし… 初めて行く北アに…白出沢からの奥穂を持ってきてしまう感性…知らない人のために言えば、白出沢からの奥ほって上級コースです。大慌てで、私は、前穂へ変えさせました。もちろん、初心者向けのコースへの変更です。
一番、これはダメだ…と決定打になったのは、GWの仙丈が岳です…。ガスが広がるという予報だったのですが、ちょうど、小仙丈でガスが…夫に走るように指示すると、意固地に固まる…つまり、リスクとプライドでは、プライドが勝つ、というわけです。
夫は末っ子なので、駄々をこねる=主張が通る、という経験があるのだと思いますが、自分の思いがあるとき、地団太を踏む、駄々をこねる、頑として黙る、部屋に閉じこもる、ということを行います。
これらは、パッシブアグレッシブ、と言われますが、非常に屈折した自己主張のやり方で、これでは、相手が折れざるを得ません。Lose:Loseの道をどうやっても選ばさせられるという意味です。
もちろん、春でも山でガスが広がるようなら、早めに下山するのがベスト選択肢、それができないなら、ビバークになりますが…、夫はそこまで先が読めていたわけではなく、単純に、「急傾斜は俺は怖いんだよ!」ってだけです。しかし、怖いだけでリスクはないことが多いです。私は走れる場所です。(ちなみに春山の富士山も走っておりました)
■ クライミングのビレイ
クライミングでは、最初のころに人工壁に連れて行きました。もちろん、先輩が私をビレイしてくれる時、です。先輩にビレイされている妻を見ても、「お世話になっています」とか「(妻の命をあずかってくれて)よろしくお願します」とかがない…(汗)。つまり、彼の視点では、妻の面倒を見るのは俺の役目だ、という視点が、えらく欠如しているわけです。
できないなら、できないなりに、助力しようという人は、基本的には、よく見ているもの、だと思いますが…。ずっとスマホとにらめっこ(汗)。
というわけで、夫にビレイをしてもらうという妻という図は、夢と消えました。
その後も、クライミングの節目になるような活動の時…例えば、吉田さんのスクール初日など…は夫を連れて行っていますが、私が落ちこぼれ気味なのを見ても、「俺が彼女を支えなくては!」という発想はゼロで、ビリケツの私を見て、「何やってんだよ」(汗)。下手くそだから習いに来ているのよ、みたいな意味が分からないみたいでした…残念。
夫の中では妻は、なにもかも上手に出来て当然だと思っているみたいです。それだけ、優れた人だと夫に認定されているのかもしれませんが、ちょっと違う気もしますよね…?
一緒に登っていたモウアラさんは、ビレイヤー男子がジムで見繕った人はみんなダメで…旦那さんが、よっしゃ!とクライミングに参加してくれたという経緯がある女性クライマーでした…羨ましい。夫唱婦随の反対バージョンです。
仮に、妻を守るのが夫の役目なのだとしたら…モウアラさんの旦那さんは、それをきっちりやっていますね…
一方の私の夫は、私がビレイヤーに落とされても、「何やってんだよ」だったのです…
全然、愛されているようには感じられませんでした…
流産した時も、「なんでわからないの」で、介抱されているようには感じられず、責められているように感じました。
クライミングを通じて、男の子ふたり兄弟の家庭に育った男性というものが、女性に著しく無理解である、ということは理解できるようになりましたが…。前の会の先輩荒木さんが、男性二人の兄弟の二番目で夫と同じ立場でしたので… ああ、これは女性経験がないから、知らないために男性ができることと同じことを女性に要求してしまうんだ、と思いましたが…。自分はすっかり私のビレイに安心して座り、時にはポンプアップも要求して来るのに、私には、ポンプアップしてくれたことは一回もありませんが? つまり、心の中に持っている女性像が、”母、一択”、みたいなんですよね…。
一方、私は、母、弟、妹、という女性が多い家族に育ったので、弟は、母、姉、妹、と360度の女性を知っているわけで、そのイメージで男性とお話しすると?男性の側の視野がえらく狭いことに驚かされます。
■結論
というわけで、一般的に、現代初心者の男性は、登山でもクライミングでも、
知識が浅はか
なので、知識レベルの違いにより、パートナーは組めない、という点。
さらに言えば、
女性への無知
により、パートナーは組めない、のです。
これまで、強い女性クライマーを色々紹介されましたが、100%恋人か夫をビレイヤーにしていました。ビレイヤー日替わりって人は見たことないです。選手クラスだと父親がビレイヤーです。
つまり、そこらの男子と組んでいる限り、クライマーにはなれないよ、っていう意味ですよ、逆に言えば。
女性どうしで組んで強い人、いたら、お目にかかりたいくらいだな~
私が夫と組まないのは、夫に対する愛の証明で、夫は夫がやりたくないと思っていることはしなくていいよ~ということです。たとえ、それが、周囲の人が当然のように得ている妻の権利、であったとしても、です。