2022/08/23

100%自分原因説の否定

■ ロックオン!されます…

最近、一歩前進というか、以前と異なる行動様式をとったことがありました。

私はアウトドアでのリスク認知に適性があり、全体を見てリスクを先取りして考えることができます。例えば、このペースで歩くと夜だな?とか(笑)。

一番これが生きたのは、深南部での鎌ナギという尾根を通行した時です。このままいくと、どうなるか?について、気が付くのが、普通の人より早いです。鎌ナギの時は、このままいくと、全員でワンビバークだなと分かりました。なんせ懸垂下降をしたことがないハイキングの経験しかない人7人を懸垂させようというのですから。それで、行ける!というリーダーと意見対立して、大変でした。この事件は、登山歴〇十年のベテランリーダーで、かなり良心的な人でも、アルパインルートでもなく、かといって一般ルートでもない微妙なルート…事例としては鎌ナギ…では、見積もりが正確でも、さらに期待値を下回る現代初心者なので、ゼロベースで考えなくてはならない、ということが分かった事例でした。

話を戻すと、その危険予知能力を社会に生かそうかね~と思って、子供のキャンプのボランティアをしようとしかけたのですが、途中でキャンセルしました。 その理由は…。

ただの一介のスタッフとして出た説明会で、二人も三人も、キャンプ責任者ではなく、私に援助を求める人がいたから、です。

公平に見て、その説明会は、あまりこなれておらず、保護者の不安に十分こたえるような内容ではなかったことや、参加者同士が互いに知り合うことで不安を除去できるようなことにはなっていなかった、ということは、一理あります。しかし、それらを除外しても…。

困った!誰か!と思ったときに、”最初に見る人”が、責任者でなくてワタシ…(汗)。

1人がきただけなら、その人が特殊なだけですが、2人も3人も来たなら、誰か!と思ったときに頼られてしまう人は、客観的に見ても、一番頼れそうな人、なのでしょう…。

しかし、本来の責任を負うべきなのは、私ではない。しかし、それを責任者に報告しても、その人たちに対して、必要アクションを取るという行動は取れないようでした…。責任の範囲がミニマムな人だった。必要最低限ということですね。しかし、社会の要求は、必要十分を求めます。

■ いつものパターン

そして、私の脳裏によみがえる、板挟み状態…。

責任を十分全うしてあげる権限は委譲されていない(=登山で言えばリーダーではない)のに、あの人もこの人も、「なんとかして!」と私を見る… 

実生活に置き換えると、私は、”姉であって、母親ではない”のに、弟も妹も、母の代わりに”お姉ちゃん、何とかして!”と思っている…。

クライミングでは、私は、”クライミングインストラクターではない”のに、新人さんは、突っ立ったまま、”教えて!”と思っている…。

あるいは、私は、”海外に連れて行ってあげるクライミングガイド”ではないのに、相方は、”俺の飛行機券、予約して!”って思っている…。(しかも、建て替え)

あるいは、私は、自分の登りたいスタイル、今したいことは、たくさん易しいルートで経験値を貯めること、と分かっているのに、相方は、”俺のビレイをお願いね”とだけ思っているってことです…。

… というので、

  いや~、これは無理ゲー参加の道だー

と思って、ボランティア参加、取りやめました。無償労働なのに、嫌なことをするのは不幸の元。

一歩成長です。

■ 100%自分原因説?

一般に、人は、

 自分が思う未来を作り出している

と言いますが、私はこの説に不満です。

例えば、不安な保護者が、この人!と頼ってくるのが1人だけだったら、それは偶然かもしれませんが、3人もいるなら、これは、明らかに、この場合は、キャンプ責任者が頼りないということの傍証です。そのことは、私のせいではない。私自身は、何もそこに関与していません。

本格的登山での経験値に置き換えると、

 鎌崩でメンバーの能力がなく、そのことについてリーダーが無自覚だったり、

 自称ベテランのアルパインクライマーが支点ビレイをしている人がいたり、

 伝統の格式がある山岳会でのビレイがひどい有様だったり、

と指導者クラスが、頼りない、と表現できる現象が起きているのは、私の原因ではない

です。

原因は、私とは関係がないところにあります。

クライミングで起きた様々な事件も同じで、教えるところがないので、ダブった入門クライマー候補者たちが、藁をも掴むの、藁、として、私を掴もうとするということでしょう…。

クライミングパートナーが私を頼ろうとするのは、本人が、しっかりリードを学んだり、あるいは、航空券のチケットくらい自分で取る能力を身につけない、あるいはサボり、といううだけで、私の側に原因があることではないでしょう。 

私は、鏡のように映し出しているだけです…

原因は、どの場合にせよ、

 100%自分原因説

は、適切でないと思います。という観察ができたのが、今回の学習でした。

念のためですが、”自分の優秀性を確認するために、わざとこのようなことを起こしているのだ”という目的論は、却下です。

そもそも、善意で助けてあげようか?というだけのことでした。その上、私が特段、優秀か?というとそうではないですので、私が優秀だというより、むしろ、世間の平均が下がっているということの方が、現実を良く表現していると思います。

このマザーチンクシャーには、”殺されそう!”という思いを癒す効果があります。クライミングで、心に傷を負った人へ… 

https://hometama.com/index.php?MTS_Korosare