自分でステップアップした雪山をしてきて、そのあと、これ以上ステップアップするには、誰か上級者のアドバイスや、仲間が必要だ、となって、そのために仲間や師匠を求めるようになった人を特に助けたい、という気持が強いです。
雪の山に魅せられた人、ですね。
九州では、積雪期の経験値を積むには、著しく不利です。というか、九州に住んでいては無理です。
というと、久住の山や、雲仙の霧氷の美しい写真を送ってきて、私を慰めてくれようとする人が確実にいるのですが… それらの山々の積雪量って5cmとかです。
これは、12月前半の最もスリップしやすく、登山をあきらめるレベルの積雪量なんです。アイゼンは、数センチの雪には全く利きません。
そもそも、このようなレベルの積雪では、アイゼン付けません。役立つのは、荒縄です。登山靴に荒縄を巻き付けたのが一番グリップが良くて滑り止めになりました。
雪=アイゼン、の自動思考があるのは、東京方面の都会の登山者も一緒ですが、普通に良く積もった積雪だと、11月の燕岳とか西穂山荘までは、ツボ足で登れます。基本的にアイゼンは氷に効くもので、雪ではないのです。雪も、新雪ならば、サラサラなので、アイゼン効かないです。
12月初旬に、南沢小滝・大滝に偵察に行く人は、登山靴で滑りながら、アプローチこなします。
九州の山でも、登山道で岩にガリガリ痕が付いてるのを見かけますが、アイゼントレ、なのかなぁという感じです。ガリガリ痕は岩場をアイゼンで登る、冬季登攀でよく見かけるものだからです。また、ガリガリ痕=効いていない、という意味です。せっかく付けたのに滑っているという意味です。
ブラックアイスと言って、アスファルトにうすーく氷が氷結したものは、もっとも滑りやすいので、九州レベルの凍結や雪というのは、雪国の人がもっとも出かけるのを避けるレベルの積雪量です。スタッドレス効かない。チェーンしか効かないです。降るなら降るでしっかり積もってくれた方が安全なのです。
なので、いっくら、霧氷キレイだよ~と言われても…。リスクと利得を天秤にかけると、リスクの方が上で、利得のほうが少ない、ということになります。
上記のような状態も含め、分かっていない人を助けたいという気持はあります。
それは、かつての自分がいるから、というだけで、もっとわかりやすく説明しといてよ、みたいな気持ちがあるからだけで、その人たちに共感しているわけではありません。
なんで、みんな命がかかっている事なのに、そんなに勉強不足で気がつかないのかな?くらいは思っています。
私は後輩については、特定の好みがあります。まず、クラック好きなことが大条件です。
なんせ、ボルトを追っかけるクライミングをしていては、岩を見る目とか、つかないからです。岩のルートファインディングで、最も簡単なのがクラックです。岩の弱点。
弱点をたどらずに強点をたどることを先に覚えてしまうのが、昨今のクライマーで、そういう人は、ボルトの無いところにルート外しをして落ちてしまいます。
ほんとはアイスでクライミングデビューしてもらいたいくらいですが…というのは、アイスは、どこを登るか?も、個人次第なので…その人の個性が見極めやすいからです。例えば、見栄っ張りでイケイケの人は、最初に強点を登って、だんだんと弱点に収束していきます…しかし…、アイスはギアが高額で、だれにでも期待できるクライミングではないので、まぁクラックで妥協です。
ボルトルートしかしないクライマーは、クライミングに対する理解が偏っているので、好きではありません。
人工壁は受け入れますが、人工壁しかしないクライマーもあんまり興味がないです。その人の興味がムーブへの探求心にある場合は、ヨガの経験値ゆえに共感することが多いですが、ムーブへの興味は共有できても、一緒に外岩してほしい、となると、リスクがある山はできず、ゲレンデで、限界だろうな~と思います。
人工壁育ちの人は、長ヌンで伸ばすとか知らないだろうし…、引率のお母さんになってしまうことが予想できる気がするからです。
人工壁×ハイキングというクライマーも、敬遠すべき、と学びました。どっちも自然界そのものへの好奇心には、基づかないためです。絶対、引率になる。
好きなのは、沢やさん。でも、沢って、何個も登っていると大体パターン似てきちゃうんですよねぇ…
というので、冒険好きな女性のクライマーで、クライミングそのものよりも、山そのものが好きって人が好きです。
そういう場合は年齢問わず好きです。以前女性だけで、甲府の岩場のある山で、色々な尾根を降りるという山をして、とっても楽しかったです。
女性だけだと、イケイケになることは少なく、リスクマージンのとり方も似ているので、仲間の心配をする必要がなく、ただただ楽しかったです。