ラオス・・・ そういえば、前の仕事で、福岡にいるときに、”ラオス経済セミナー”に出席した・・・。経産省とラオス大使館主催なわけだが、私には疑問に思えた。
後進国とは言いたくないが、経済発展していない国を経済発展させることが、必ずしも、人間の幸福にはつながらないことは、経済発展を終わり、すでに後退期に入っている日本人なら、誰でも知っている。
私はベトナムとタイに仕事で出かけたことがあるが、経済発展著しい両国では、あちこちにガツガツとした欲望が渦巻いていた。成金が精製されるような時期にあるのだ。
日本もかつてはそうであっただろう、皆が上を見てハングリー精神むき出しで、お金持ちになることだけを求めて働いている・・・そういうエネルギーに満ちていた。
日本人にはハングリー精神が無くなって久しい。若い人は、それがないことを批判される。
が、人間は、2足以上の靴を持っていても、一回に2足履けるわけじゃないし、服だって同じこと。食べ物だって同じこと。
必要以上に、モノやお金があったところで、幸福が向上するわけではないのだ。
必要以上に欲しがることは、ハングリー精神ではなく、単なる”貪欲”、というものだし、ハングリー精神の名のもとに欲の深さを正当化してはいけない。
もちろん、食べ物がないために飢えなくてはならないような境遇・・・は気の毒だし、それはいわゆる”貧困”であると思う。私も米と塩しかない生活を知っている。学生時代は、りんごだけで1週間生き延びたりした。なので、本当に飢えへの同情から、ユニセフのボランティアをしていたこともある。
が、そのような貧困層出身の私の目から見ても、日本での貧困は、途上国での貧困と質が違うのは否めない。緊急性という意味で。
まぁ、そういう訳で、ラオスを世界の工場とすべし!という経済界の思惑には、そう共感するわけではない。
しかも、今回、幸せそうに暮らす、ラオスの人たちを見て、さらに確信してしまった。かれらには経済的な幸福よりも、絶対的な幸せがあった。彼らはそこらの日本人より、うんと幸せそうだった。
■ 国際社会
グリーンクライマーズホームは、世界中から、クライミングする若者が集まっている場所だった。
プチ国際社会。各国のクライミング情報が得られた。今回がたまたま運がよかったのかもしれないが、それでも、シンガポール、オーストリア、フランスセユーズ、アメリカ、コロラド、アラスカ、の人などと知り合いになり、中には、パリオペでバレエの衣装の衣装係をしている人もいた。
私はそういう国際社会の中で、強い強みを感じた。
最近、たまたま強みを強化することを優先的に考えているので、強みについて確固とした確信が持てたことは、一つの成果だった。
語学は、ここのところ、機会がなく、進展がないと思っていたが、甲府のデイビッドのおかげか、とてもスムーズに、復活。
今回は語学については、自分が知っているクライミング用語の世界が主だったこともあるが、自信を深めた。
■ クライミング
クライミングのほうは・・・6Aがリードできたことが大きい。6Bはやはり怖い。6A+は、やぱりリーチが核心。
各国のクライマーと登れ、クライミングのマナーの差を感じた。
日本では、登れる人がエライし、えらい方が上から目線で何でも決めてしまい、初心者には発言権がゼロのことが多いが、国際社会ではそうではない。
誰でも、同じだけの発言権があり、誰もが誰かに何かを強いる、ということはない。
大事なことは
・リードしたくない人にはリードさせない
・ビレイヤーはクライマーが選ぶ
の2点だと思う。今回は、私はビレイヤーとして頼まれて行ったと思うが、初日の最初からリードを強いられて不愉快だった。私自身はその人をビレイヤーとして選んだ覚えはないのに。
誘った方がリードし、ビレイしてくれた人にはトップロープでお返しする、それでよいと思うのだが、違うのだろうか?
国際社会は、このルールで動いているようだったが。
今回は、毎回、何かオンサイトやRPがあり、とても楽しく過ごせたし、ビレイヤーは多岐にわたった。
上級者でも、自分の登りたいところしか、登らないと言う人ではなく、どんなところでも登って楽しいと言ってくれるクライマーは人気だった。
シンガポールのチェンは8Aを登るそうだったし、マティスも7Aをやっているそうだった。私が5Cで苦労している時、ビレイヤーが私を注視せずに、となりで7をやっている人を見ていたのには、がっかりだった。
クライマーを見てくれないビレイヤーは、本人がいくら登れても、いいビレイヤーとは言えない。
■施設
グリーンクライマーズホームは
・宿泊施設
・食事
のほか、
・クライミングギア一式
・クライミング講習会
を提供しており、グレードも4からあるので、まったく岩を触ったことがない人でも、クライミングを楽しむことができる。
海外クライミングというと敷居が高いもの、と思いがちだが、岩場としては日本の岩場より易しく感じたし、ボルト間隔も近く、リードするにも適切な感じだった。
ここで初めて、クライミングする、という外人さんも多かった。一度、日本の感覚で、初心者です、という人を誘ったら、ホンモノの初心者でビックリした。日本では、私は初心者です、と自称する人も、ただの謙遜である場合が多く、実際は、5.10Aくらいを登っている人が多い。
でも、外人さんは8の字結びから知らなかったので、そのくらいの初心者だと、英語に慣れていない日本人の場合、たぶん、英語でのクライミング講習は、英語の壁で難しいと思うが、日本式の初心者、本当に初めてのことではないが、自信満々にふるまうことがはばかられるだけで本当は登れる人たちは、どんどん出かけて行って、日本と違ってランナウトのおびえなくていいクライミング環境でどっぷりクライミングに浸ってクライミング三昧を楽しんだら良いと思う。
食事の用意の心配もなく、面倒なテント泊もせずに済み、ビールも安く、掃除洗濯もお任せ。
クライミングだけに集中できる環境が、グリーンクライマーズホームには用意されていた。