2023/10/14

【小鹿野】 ホールドを固めるのはオッケー?

 ■ いろいろな考え方があるんですねぇ…


九州では岩場に木っ端ついていますしねぇ… 木っ端どころか人工ホールドが付いている岩場もあります(笑)。JFAが見たら卒倒するなーと思ったりしました(笑)。

■ フリークライミングの倫理感とはなんぞや?

ホールドは欠けるべきでない、というのは、本当にフリークライミングの理念なんですか?

そこらへんは私は、アルパインクライマーでスタートし、フリークライミングについては、勉強中で分からないので、何とも言えませんが…。

フリークライミングの岩場って、スポーツクライミング(人工壁)並みに堅牢だけど、ただボルトが遠いだけ、っていうのが、フリークライマーの皆さんの理想なんですかね???

ホールドがないブランクセクションには、人工ホールドつけちゃお!みたいな?

■ アルパインのクライマーは、ホールドが100%信頼できるわけないってのが常識

まぁ、私はアルパインスタートのクライマーなので、ホールドを全信頼するなんてことはないわけです。ボルトだって信頼してない(笑)

アルパイン出身者なら誰でも、岩場ではホールドをたたきながら登ればいいのでは?って思っちゃいますね。

なんせ佐久の岩場ですが、先輩の相方が、2度も落をつかんで落ちたんですよ。一度は、私のビレイ中でした。

そのあともう一回落ちましたが、周りの人、誰もその人に同情せず(笑)

なんか、まっとうなアルパインクライマーは、フリークライミングの岩場でも、気を抜いて登ってはいけないんだなぁと、初心者ながら思ったんですよね…

その時、伊藤さんがいたんで。伊藤さんの手前、みんな、カッコつけていたんですかねぇ?

落ちた人は、なんで俺ばっかり…って嘆いていました。

■ 東さんのセオリー

東さんのセオリーでは、フリーの岩場では、ボルトを

 テスティングせず全部信頼して、バンバン落ちていい

ことになっていますが、現実問題として、それを許せる状況か?というと・・・?

私は経験値が足りないので、分からないですが…。

40年物のカットアンカーって、バンバン落ちていいボルトの正反対では?

九州では、カットアンカーは、ハンガーが付いているだけ、まだましで…、ナインアンダーの課題は、大体、オールアンカーで、絶対に墜落は許されないようなのです。

これ…


ナインアンダー=初心者向けの易しいルートは、全部これです…。スラブなんで、ボルト間隔も、チョンボ棒で何とかなる距離ではないですし。

これでどうやって初心者に岩場に慣れさせるか?岩場のあれやこれやを覚えさせるか?というと、残る手はトップロープしかなくなりますね。

■ 盲点1 自分で打ちなおす初心者はいない(盲点でもなんでもないが…笑)

こんな怪しい支点で登るか、もしくは、

 ”登りたいなら、自分で打ち直せ!”

と言われて、

 ”ハイ、打ち直します!”と言ったと仮定して、いったい、いくら掛かるんだろうなぁ… 

昔の人の10倍かかるとして…。

という思考の結果だろうと思いますが、当然ですが、誰も登っていません(笑)。そりゃそうだろう…。

現代における”開拓者”は、クライミング初心者のことではなくて、5.13以上が登れ、登れない課題が無くなっちゃった、くらいな人が開拓するっていう話なんで。

一般的な初心者だったら、こういうのを打ち直しても登りたい、っていう登高意欲、湧きます? 湧きませんよね。

どこが魅力なの?ってなりますよねぇ…

■ 提案:フリークライミングでもアルパインクライミングでもなく、”ロッククライミング”の話をしたら?

ジム上がりで、フリークライミングしか知らない人と、山でのアルパインクライミングが原点にある人とでは、自分のロッククライミングについての意見を戦わせるよりも、自分がどのように成長してきたか?という物語の共有のほうが、

 相互理解

が進んでいいのかもしれません…

なぜホールドを固めるのはOKだ、という理解になったのか?それはその人なりの経験の土台があるはずで。

なんせ岩場って、アルパインの人とフリーの人、対立していますよね。

なんか小鹿野を見ていると、フリークライマー勢が言質を取りたがっているようですが…、例えば、北山真さんはアルパインクライマー大嫌いです。

■ 盲点2? トンデモクライマー

まぁ、分からんでもない。アルパインのクライマーで、オールドスクールの人って、

 トンデモ

の人が多いです。ヒマラヤヒマラヤって… はぁ?その辺のトレッキングの人だって、昨今ヒマラヤ行っているんで…ヒマラヤってだけで、水戸黄門の印籠みたいなことされても…です。”丘”みたいなショーもないのに登って、何も知らない一般人に自慢している可能性が大です。

大体ヒマラヤ行ってきた人が、2mも壁から離れたビレイをしたりしています。座ってビレイするとか、片手でビレイするとか、支点ビレイ、あるいは動くものに道標つける…等々、含めて、いやはや…これは…さすがに…と同じアルパインクライミング出身者でも、真っ青になり、擁護しきれない、ダメビレイ事例を提供してくれるのは、大体、”往年の”アルパインクライマー。

とはいえ、じゃ、フリークライミングのクライマーが、ちゃんとしているか?っていうと、これも全然で、

 ロープ持ってきませ‐ん、ATC持ってきませ‐ん、ドロー2本もってきましたー

って、トップロープで誰かに登らせてもらう気満々ってことですよねぇ?

それでもしっかりドロー二本持ってきているんで、支点は自前。

これは、自分のトップロープ支点にまで、他人のギアを使ってはいけないというフリークライミングの掟が海外でもあるんでしょう…

九州では終了点に、誰かがくれた残置ビナに掛けて降りてきていいよ、っていうローカルルールだそうで、ドロー2本っていう常識すらなかったみたいですが…。このロープなし、ATCなしクライマーより、認識低かったって意味になるよなぁ…。まさに世紀末。

しかし、誰かのロープで、自分はビレイせず、人にビレイしてもらって登るだけ、ってのはフリークライミングのクライマーにとってはOKって意味なのか…へぇ~という、不思議なルールですね、海外のクライマーってのは。

アルパイン出身で岩場に来ている、私のような者には、謎すぎて意味不明です。

■ トップクライマーが模範を示す

以上のようなことは、フリークライミングのフリークライミングたるところの倫理観がきちんと、トップクライマーから示されていないためなので、

誰かがちゃんとした登り方を教えたほうがいい

ですね。

私は、奥村さんがやるのがいいと思っているのですが…なんせ奥村さんくらいしか、根性入っている人いないですよねぇ…

なんせジムでも冷房入れないんですよ?! 気合入ってる!

■ 互いの見下しあいをしていても埒が明かない

フリーの人はアルパインの人が下手くそだ、ランナウトしていると言って見下し、

アルパインの人はフリーの人がリスクを取らない、と言って見下し、

…では永遠に平行線のような????

そうやっている間に、他の岩場が、クライミングによる観光収入を得るだけのことです。

ラオスに行くには、2週間で8万円くらいでしたが、今は円安で1.5倍に値上がりしたとしましょう…ザクッと15万円。

この15万円、海外に落ちて、日本には落ちない…となれば、日本はどんどんじり貧になって行くだけ…。

GPD的に日本は何で稼いでいく気なんだろうなぁ…大局を見てみると、JPモルガン出身の経済学者 佐々木融さんも、観光立国程度しか日本に収入源になる産業はないだろう、と言っていますが…。https://www.youtube.com/watch?v=3HUaHalL2hQ

高度経済成長期に良い思いをし、年金で優雅に海外で暮らしていける高齢者は、いいですが、日本の若い人はどうやって食っていけっていうのかなぁ・・・

そりゃ日本国消滅…って言われても納得、ってなるわ。

2023/10/13

【ロクスノ】清く正しいクライマーたちのトークセッション 

【ROCK&SNOW 100号記念】佐藤裕介×横山勝丘×鳴海玄希トークセッション【ロクスノフェス】

2023/10/11

【盲点】落ちれない遠いボルトは、ただの無駄なボルト

 ■ 5年前の投稿

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日本と海外

たぶん、日本にあるのは、エリートのためのエリートによる、エリートだけのルート。エリートだけが登れるように作ってある課題 =「1ピン目が遠い?そう思うような人は来なくて結構」

たぶん、海外でクライミング文化が花盛り、なのは、

一般の人も楽しめるルート、

があるから、というわけなのだろう。現代は過渡期にあり、旧来の考え方をする人は、”価値観を尊重されていない”と主張し、新しい考え方の人は、”命の価値”を主張する。

命がけであること自体に価値を見出してきたわけなので、そうでないクライミングがあれば、両者は永遠に平行線で価値観が交わることはないだろう。

たぶん、海外が私は好きなのは、そういう問題にいやおうなしに巻き込まれることがなく、ただ普通に危険はできるだけ排除しましょう、という原則が不動なわけで、単純明快だから、だろう。

価値観を持つのは良いことだが、それを人に強いることはできない。

権利があるところには、責任があるが、責任について検討されることが日本では少ない。

ノブレスオブリッジ…特権階級には責任がある…ということなのだ、本当は。

常人とかけ離れた能力があることで尊敬を受けたいという気持ちがあれば、能力が、常人とかけ離れている、ということを受け入れざるを得ないだろう。それをほかの人に強いることはできないということだろう。

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■ 年配者のコメント

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「1ピン目が遠い」は日向神の愛のエリアのことでしょうね。

これは、開拓者のポリシーであって、エリートどうのこうのではと思います。隣のルートからクイックドローを掛けるとかチョンボ棒を使うなど登ろうと思えば登れますが、どちらにしても1ピン目で苦しむ人は核心では全く歯が立たないと思います。

自分の身の丈か、そのちょっと先を登れば良いのでは?

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この問題に対して、一般的な回答だとは思いますが、それで

 事故が防げるか?

っていうのが、インバウンド(外国人クライマー)を日本に受け入れようという場合の問題点です。

なんせ、日本人クライマーの事故ですら防げていないのですから、コミュニケーション力がさらに低い外国人クライマーならなおさら。

■ 地元に事故が増える=医療体制が必要

まとめると

 開拓者のポリシー尊重のまま、ピン遠い問題放置

 →

 来訪クライマーが増える

 →

 ほとんどが5.9や5.8に取り付く

→ 日本の5.9はほとんどピンが遠い 

→ 落ちれないことが外国人や新人クライマーには分からない

→ 事故が増える

→ 地元に医療体制が必要

と現状ではなりますが、こんな状態で、地元にメリットになると思います?

これが、すでに現時点で予見できる。

■ メタアウトカム

意図したことと違う結果が出てくることを メタアウトカム、と言います。

私は、生涯スポーツとしての和気あいあい市民クライミングを推進したい、クライミングは国際言語、を推進したいと思っていますが…

上記のことが分かっているのに、そのまま放置で、クライミングによる地域おこしを推進したとしたら?

…私の尻尾が黒くて三角である、としか思えませんよね。

 けが人倍増計画、

と地元の人から非難されても、仕方ありません。

まぁ、そのような立場に立ちたくないのは、人間ならば、当然のことですね。

あの岩崎師匠も、自分がテレビで中高年登山を指南したせいで、山で遭難者が増えた、と言っています。

■ グレードが目安として機能していない問題

この方の提案にある

 自分の身の丈か、そのちょっと先を登れば良いのでは?

ができないのが問題なんですよね…

遠さ(危険)をグレードのスケールの中に入れてきたのは、

  エイドクライミングの伝統

であって、今ではビッグウォールくらいでしか使われていない特殊クライミング…

クライミングの歴史上の流れで、過去の遺物として残っていますが…。

日向神はエイドのフリー化の岩場ですから、より色濃く残っているということなんでしょう。

盲点その2は 出自としてもともとエイドの岩場は、外国人に紹介するには向かない、ということです。

■ 盲点3 岩場の閉鎖の経験値が低い人たちは、危機意識が希薄

山梨では、背の低い私ですら、え?!と驚くようなところに1ピン目が足されていました…。事故があったからです。

つまり、開拓者は事故を防ぐ努力をし、自己顕示は後回しです。そこが九州との最大の違いですね。盲点3です。

これは、岩場が登攀禁止になってきた歴史による反省があるからでしょう…。 

九州にはそれがないです。大体が名士と言われる人や県庁職員の尽力で一般市民クライマーは、岩場が閉鎖になるリスクには無頓着、です。

■ 盲点4 初心者グレードのほうがピンが遠い

当然ですが、事故になる確率がより高いのは、初心者グレードにおいてであって、エキスパートグレードにおいてではないですよ。

■ 現実問題

・佐世保の海軍に従事する30代クライマーでも、夢中歩行(5.9)は登れない

・10年登っていると自己申告してくる外国人クライマーでもATC持ってこない 持っているのはハーネスとシューズ、ドロー2本だけ。

■ 盲点5 遠い=危険=登れない、登らない

対策なのかどうか、夢中歩行は、5.10bにグレード改訂されていましたが、グレードを変えたとしても、同じことですよね。

だって5.10bが登れると思っている人たちが来ても、”遠ければ登れない”、ですから…。

5.12が登れても、”遠ければ登れない(登らない)”ですよね。

なんせ、問題点は遠い、にあるので。

■ 盲点6 ”落ちれる”遠いと”落ちれない”遠い

同じ遠いにも、

 落ちれる遠い

 落ちれない遠い

があります。遠いの中で外すべきは、

 落ちれない遠い 

です。落ちれない遠いは、そもそも、安全装置としてのボルトの役目をはたしていません。

なので、落ちれない遠いボルトは、ただの無駄なボルトです。



【お詫び】これが私に起こったことでした…

■これが私に起こったことでした… 

  

■ なぜラオスに行けなかったか?

私はACなので、境界線の勉強中です。

白亜スラブ以降、私は

 利用されているのではないだろうか?

という思いが、だんだんと、確信に変わっていっていました。

いくら私がお人よしでも、あの登攀が、トンデモ、であり、恥ずべき登攀であることは、疑いようがないというか、もうバカでも猿でも分かる…あれで分からなかったら、どんな知性って話だからです…。

しかし、私はあの登攀に行かない選択…が取れなかったのです…。気軽に「敗退なしね~」を聞き逃してしまったのです…

ガードが甘かったと言えば、それまでですが、その通りなのです。

なぜガードが甘かったのか?それは、若くして亡くなった弟の死への慚愧の念や、休み不定休で気の毒~みたいな気持ちがあったからです。

■ いつでも応じること

困っているのは、男性クライマーが、女性である私に

 いつでも応じること

を求めてくるということでした。これは、子供がいつでも母親を求め、求めれば当然応じられるのを期待するのと同じですが、乳幼児期以外は満たされる必要がない要求です。発達心理学上も、親は常に要求を満たしてくれるわけではない、とだんだんと幼児は学んでいきます。

■ 登れる機会は全部取る戦略は、相手次第

実際、私は、登攀の経験値を貯めているところだったので、

 登れる機会は全部取る

という戦略を持っていた時代でした。そのマイナス面を考察します。

1)殺されるかもしれません

 いくら登りたいと思っても、相手がビレイ器すら持ってこないような奴では、その人とは登らない選択肢を選ばないといけません。

2)大きな事故を起こすかもしれません

 ヘリレスキュー、死亡事故、重大事故になれば、岩場の閉鎖も考えられます

3)幸福が犠牲になる

クライミングは、当然ですが、誰しもが幸福になるためにやっていることです。その活動で、不幸になっていたら?それはちょっと本末転倒ですね?

言い訳としては、クライミングは、メンバーも少なく、皆が忙しい中、時間を繰り出しており、機会が限られた活動なので、勢い、誰でもいいからメンバーに…みたいな弱みに陥ることがあります。

というわけで、強い克己心 というのが必要な資質になるかもしれません。

しかし、私の課題は境界線問題です。相手への同情心で判断力が鈍るという問題です。

■ 回避行動

この、恐怖体験、と、それを事前に回避できなかったという自分を顧みて、

 すべての登攀活動を停止

する選択肢を取ってしまい、すみません…ラオスにお誘いいただいていたのに、なんだか、その頃、私は相方の無謀さを見抜けなかった自分に失望しており、ラオスの誘いも同じことに陥るのではないか?と思っていました。

それにラオスは、別に自分で一人でも行けるというか、私は英語ができるので、日本人は不要というか、むしろ邪魔なのではないか? そういう気持ちもありました…白黒思想ですね。

日本人のクライマーが全部、無謀なのではないかと怪しむという感じでした。なんせ、西日本は、良識あるクライマーの話よりも、良識がないクライマーの話のほうが、多く小耳にはさみます。

実は、大阪で私が見たクライマーの現実は、九州の現実と変わらないくらい、ひどいものでした…。例えば、骨折した自分の会の仲間を、見知らぬ人である私に預けて、会の人はさっさと岩場に戻る…とか。これは道場の岩場で起きたことです。

あれやこれやの事情があり、判断がつかない、といことで、いったん退却、ということにした…というのが事情です。

このいったん退却、は、回避行動、ということで心理学では捉えられています。

回避行動は、問題の先送りです。真の問題解決は、境界線の問題を解決することです。

■ 境界線問題への取り組み

・必要以上に頑張りすぎないための安全策となる 

・セルフケアのよい練習になる 

・人間関係における役割を明確にしてくれる 

・人間関係において、 許される行為と許されない行為をはっきり示す

・人間関係において、 何を期待すべきかを知る基準となる 

・自分の要求を満たし続けるために、他者に頼りやすくなる

ネドラ・グローバー・タワブ. 心の境界線 穏やかな自己主張で自分らしく生きるトレーニング (p.29). 学研プラス. Kindle 版. より引用

これをクライミングに応用しないといけません。

1)人間関係に制限を設ける

 = 無謀な人とは組まない、ATCを持ってこない人とは組まない

2)許されない行為

 = ATCなし、自分のロープなし、計画書なし、レスキューの習得なし、敗退ロープなし

3)期待すべき行為

 =ビレイのお返しをしないパートナーとは登らない

 =自分の行きたいルートだけ行き、相手の行きたいところには行かないパートナーとは登らない

4)グレード至上主義の人とは登らない

 クライミングカースト制度です。歴史の反省を理解していない

■ 役立ったこと

私はアダルトチルドレンの自覚があり、社会人生活の中でも、自分の仕事上の成果を上司に取られる、ということが良く起こりました。

例えば、私は携帯電話の開発部で、プロマネをしていたのですが、職位としてはサブリーダーでしたが、リーダーの男性がこちらに丸投げして何もしないので、結局、私がすることに。それを見ていた発注先のテレコムニュージーは、私をヘッドハンティングしましたが、私は、このヘッドハンティングを受けることはできなかったのです…。

これは、結局のところ、今回も再演してしまったような気がします。

気合を入れて、アダルトチルドレンの性質と境界線の問題に取り組まなければ、私には、永遠に、

 ATC持ってこないヤツ

が、弱くなった苗にたかるアブラムシのようにやってくる、ってことになります。実際、これまで、私に登攀を持ち掛けてきたクライマーはみんなそんな奴らでした(汗)。いや~、

クライマー業界の闇を取材する取材記者

みたいな気分になってしまいましたが、闇は深い、です。

■ 男性は実力の査定が自分では正しくできない

私は女性なので、男性から見える世界観というのを理解するのにしばらくかかりました。今の時代は、

 グレードというものさしで実力が図れるという幻想

が根強いので、クライミングジムでスタートした男性クライマーは、5.12がトップクラスだった頃の往年のクライマーを尊敬していません。

そのため、

 登攀に必要なあれやこれやが全くゼロ

で岩場に現れます。

その上、岩場で10年登っていても、

 20mの課題をRPで登っているだけ

の活動なので、何回それを繰り返したところで、

 登攀に必要なあれやこれやが積みあがることはありません。

経験という言葉も要注意です。これで、ペテランが出来上がるわけも説明できます。

■ 見極め

上記は一般的なクライマーなのですが、そうした人たちが組みたいと言ってきたときには、見分ける目が必要になります。

その辺は、上級のクライマーに教えてほしいかもしれません…。

「この岩場には、俺が登るグレードはない」

「敗退なしで」

「えー、5.9でしょ、これくらい登れよ」

などと言います。 これらは、すべて

 外岩のグレードが人工壁と同じように、確実なものだという前提(無意識)

が働いています。私が師匠と登っていたころは、

 「うーん、これは6級やな」とか

 「今日はだんだんになっていて簡単だから4級」

とか、同じ氷壁でも登ってみて、感想を語り合うのが普通でした…。

ので、外の岩場で登れて当然と言うような態度を取られたときには、かなり疑問を感じました。その疑問に忠実でないといけなかったのです。自分の考えより、相手のほうが会ってるのかな?と思ってしまったのは、私がまだ、フリークライミングの分野ではひよっこで、10年の経験はないと思っていたためです。

また、下部核心のルートを勧められたり、すでにローカルクライマーの間で、リボルト対象になっているような課題をわざと勧められたりしたときには、

 落とそうと思っている

と思いました。

 相手の生命に危険をわざと起こすことに罪悪感を持っていない、

ということです。これを言うと言われた側は、

 心外である

と思いますが、

 九州などではボルトの安全性への意識が低すぎる状態が常態化しており

 UIAA推奨の25kN

の強度があるボルトを使っている課題は、数える程度しかありません。

強度がないだけではなく、すでに40年経過しており、いつ壊れるか時限爆弾…そんなところで、落ちろ落ちろというほうが、認識が甘い、のです。

正しくは、3ピン取るまで、決して落ちるな、です。落ちるくらいなら登るな、です。

最後になりましたが、

UIAAのスティーブをはじめ、なんとかクライミング停滞期の私を救おうとしてくださった方々、お誘いをお断りしすみませんでした…

もう、恐怖で固まっていた、というのが事実です。





2023/10/10

【盲点】昔の5.12と今の5.12 リスクテイキングゼロの5.12

■[クライミングを語ろう68]同じグレードやのにジムと岩場はなんで難易度が違う?

■ この動画、3回も見てしまいましたよ(笑)

私は、アルパインクライマーとしてクライミングをしていたので、全くフリークライミングには詳しくないのです。

なので、フリークライミングの人に、「フリークライミングとは、こういうもんだ!」と自己主張されると、”そうなんだー”と思うしかありませんが、現れてきた現象については、まぁ、当然ですが、普通に事実を捉えることができます。

  事実: ”今の男子の5.12登れます”は、瞬間風速のこと。

具体的には、何分も、ある場合には、何時間もハングドッグで粘って、やっとこさ登れた5.12が、”5.12登れます”、です。なので、5.10bでも落ちたりします。油断は禁物です。

これはマシな人のことで、ひどい人だと、ジムグレードのことです。

■ 昔のクライマーの5.12は、どうだったのだろうか?

昔の人は、分厚いマットが敷かれたクライミングジムなどなく、5.12が触れるだけでも、そこへ積み上げるには、

 怖さ

をかなりな状態で克服しないといけなかったはずです。というのは、外の岩で、自分のギリギリにチャレンジするのと、インドアジムの分厚いマットや落下係数0.3に調節された人工壁で、5.12にチャレンジするのでは、

 心理グレード

が全く違います。

ので、私自身も、はじめっから外岩の小川山ストーリーは別にトップロープでいいのなら、普通に登れていたわけなんですが、5.9のオンサイトが確実になるまでには、2年半かかりました… 山梨時代です。それで、こちらに来てからも、命拾いした感じはあります。

同じ5.9でも中身が違います。その中身の差は、恐怖で、だいぶ違うわけですが…そこが、グレードだけで実力を測ると、捨て去られてしまうわけですね…。

 昔の人の5.12は、中身のぎっしり詰まった相当の実力

■ 日本の岩場は、”あるクライミング”理論に貫かれている

安易に…と私からは見えますが…男性はグレードを上げますが、それは安全のためです。

日本の岩場では、
 
 易しいグレードほど、恐怖グレードが高く設定

されており、

 難しいグレードは、ボルト配置が下手したら1mおき

で安全です。これは、クライミングで有名な論文があり、それに倣っているんですよね…名前は忘れましたが…。

その忘れた論文によると、リスク+難度で、5.12も5.9も同じになるように調整されているのです。

なので、日本の岩場は、基本的にはこの理論に貫かれている、ということなんです。

そこは、フリークライマーでも、古い人、昔からやっている人しか共有されていません。

ので、新しい人は、えー?!ってなりますね。

■ リスクは除外して、ムーブだけの難度表記にするのは新しい潮流

たしかに、外岩では、ムーブ自体は簡単で、リスクがやたら大きい…のが、一般的な入門ルートです。

ので、アルパインルートは2グレード下、と言われていますが、

 登攀力にゆとりをもっていても、防げないリスク

はある。その1は、ビレイヤーが下手っぴってリスク。大体、落ちないで登るのがルールであるアルパインクライミング育ちのビレイヤー(例:往年クライマー)は、ほぼ全員ビレイがダメです。

落ちたクライマーを確保した経験がないんだろうなと分かるビレイ具合…壁から2mも離れ、しかもダラリンで、フリークライミングのルートをビレイしています。

■ アルパインの外的リスク

だれかアウトドアのフリークライミングのリスクを検討したクライマーがいないのかなぁと検索したら、こちらの論文がヒットしました。

称名の滝フリーソロの時のリスク検討
https://www.jpnsport.go.jp/tozanken/Portals/0/images/contents/syusai/2020/tozankensyu.vol35/tozan35_1-2nakasima.pdf


しかし、これもアルパインのリスクなんで、フリークライミングのゲレンデのリスクとは違うんですよね…

アルパインのリスクを理解して取ってきた人にとっては、フリークライミングのゲレンデってリスクフリーと言ってイイくらい安全安心感があります。

■ フリークライミングの外的リスク


サンプルとして、またしてもアイロンさんが提供してくれました…

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最近は東股沢の開拓やってます。

私が発見した美しい(けど浅くて途切れ途切れ)のクラックにラインを引かせてもらったんだけど、プロテクションが取れん。。。

核心のプロテクションが足下3メートルの良い音がするフレークにセットしたカム、なんてやりたくないよね〜

TRでは一撃できているからプロテクションに問題がなければ登れそうなんだけど、登るためにボルト打つ? それともボルトレスで登れるように鍛えてから登る?

スタイルとか安全性とか悩むときりがないけど、みんなどうやって折り合いをつけているんでしょう???
ーーーーーーーーーーーーーー引用終わり 太字当方

これ、フリークライミングで良く起きます。

■ 現代クライマー的解とオールドクライマー的解

 登るためにボルト打つ = 現代クライマー的解
 ボルトレスで登れるようになってから登る = オールドクライマー的解

です。

そこで、今いさかいが起きているんですよね。私はいさかいが起きるより、説明しろ、と思います。

例えば、トポに

 核心のプロテクションが足下3メートルの良い音がするフレーク

と書くか、Rをつけておけば良いです。RとかXってそのためにあるんでしょうし。

個人的には、ボルトを安易に打つのには反対意見です。

■ 誤解を受けることと無理強いされること

私がクライミングで、特に少し前まで登っていた人との間で起きたことで嫌だったことは、

 TR派だと誤解を受けて非難されること
 
 と

 すでに無理しているのに、もっと頑張れと無理強いされて心がすり減ること

の2点でした。

この誤解は、誰にとっても、5.9は同じ困難度だ、という誤解に基づくもの、だからです。

落ちたときのリスクも、誰にとっても同じだ、というは誤解です。おばあちゃんがこけただけで5か所も骨折するのは、30代男性がこけたときと同じリスクと思いますか? 女性のほうが男性より、壊れやすい、です。

過去に、私が連れて行ったアメリカ人クライマーは佐世保勤務の軍人さんで、33歳でごっついパワーの人です。

その人は、愛のエリアの5.9夢中歩行はオンサイトできなかったんですよ?

私は念のため彼が現地の岩慣れできるように、別の5.9トップロープを張ってあげ、さらに5.10Aも登らせてあげたのに…。これだけの好待遇で、彼が怖いというのなら、私がいきなり一本目でオンサイトできたのは、すごいことでしょう。

私の日向神一本目は、この課題で、1ピン目はるか遠くです。

降りて来たら、クライマーに、

「これが遠いって文句あるなら、この岩場に来るな!って意味だよ」

と言われました。男性です。しかし、5.12で同じ状況か?全然、ボルト近いです…

■ 身長が低いというハンデ=恐怖グレードが上がるですよ?

私は身長が152cmなので、同じスタンスに立っても届くところ違います。

マスターとぬんがけリードはエライ差です。

しかも、一回リードで落とされて、頭縫っています。血みどろの岩場になって救急車です。身をもって安全とは何か?学び中です。

クライミングで、新人さんや、その岩場に詳しくない人は、何を登るべき段階か?分からないというのは真実です。なので、これを登ったら、どうお?というのは親切ですが、それを無理強いするのは…。

 虐待です。

■ 人に勧められて登ったルートは印象が薄くなる

私も大堂海岸で、スーパークラックはやっておいてよかったなとは思っていますが…。

これは、私は疑似リードで取りついた課題です。

しかし、自分で選んで登った5.8のほうが印象に残っている。登って楽しかった。何が課題か見えた。

長いハンドのスーパークラックのほうが私向きと分かりました。

■ 自分の基準で人を裁くとは?

ラオスへ行ったとき、13を目指しているヒロさんは、私が6Aでテンションして、スイマセンと言ったら、「俺らも同じよ」、と言いましたが…

体の性能は人それぞれです。その性能の限界にチャレンジしているときに、感じている感情は同じです。

ですから、ギリギリにチャレンジしているときのグレードは違っても、みな同じです。

私のギリギリが5.10Aで来ることは、クリップする余裕がなくて、ノークリップで抜けてしまう、ということからも分かると思います。

日本の大体の10Aではそんなことはありませんが、米澤先生の課題は辛いことで知られ、一本そんな課題があって、それは米澤さんの10Aだったので、多分10Aじゃない(笑)。
…cとかだと思う… 

これがグレードで騙される弊害というか、リスクです。辛い上にランナウトしていると、もっと最悪です。

あー、ホントあれは落ちなくて良かった…と思いますが、トポにその旨書いてあるか?というと書いてありません。本人が、俺の課題は、Rです。と書くかというと?書かないでしょう。

開拓者と言うものは、自分の作った課題を登ってほしいものだからです。

…という事情なので、頑張っていない子呼ばわりされると、大変、腹が立ちます。

その頑張っていない子呼ばわりですら、そもそも、そう呼ばわってくる人が、共感力というよりも、そもそもクライミングに対する理解力が低い、ということに起因するのですから…。

つまり、自分は全然ギリギリを登っていないくせに言っているのですから…。

■ エリートが作った岩場

日本の岩場は、基本、昔のアルパインクライミングのエリート族が作ったものが多いです。

で、5.12を登れるようでないと、そもそも楽しめないようにできている、とあの北山真さんも著書の中で述べています。

この問題の回避のために、初級クライマーはみんな海外に行くんですよ?

理由は海外では、5.9は5.9のクライマーのためにボルトが打ってある岩場があるからです。

でないと、5.12を登る前に死んでしまいますよね?

私はすでに頑張って、心がすり減っただけでなく、右膝や左のアキレス腱は、もう生贄に差し出した的な様相です…、つまり頑張りすぎ、です。

クライミングではまるでお荷物みたいな扱いを受け、なんだか頑張りを理解してもらえなかったので、納得がいかなかったです。

その上、なんで私をお荷物扱いする人に、国際ガイドをしてやらないといけないのでしょう??? 私のスキルはハードアーンドです。仲間でしょーとあなたが主張するだけ仲間待遇は、もらっていないです。仲間でしょう、を主張する人ってテイカーですよね?基本。

今水泳で、他の人からみたら、ホントに初めてですか?と言われるくらい上手に泳げるので、クライミング、別に下手くそでないんじゃないかと、先述の米国人クライマーと比較しても思いました。

ただパワーがないだけなのです。そんなの女性であれば当然です。女性は男性にはなれませんし、なりたいとも全く思いません。

私は握力17Kgなんですよ?握力65kgの人がクリップ飛ばすガバで、飛ばせずクリップしたいのは当然かも?

というわけで、理解力が問題だという結論です。こんなの、ジム壁登っていても分かるようなことですけど?

2023/10/09

【一般クライマー向け】自己成長に必要なのは巨人の肩に乗る、とトライアンギュレーションです。

 ■ 3件から相みつを取る

見積もりは3件から取りますよね?同じことで、3人のベテランから意見を聞きます。



■ ”巨人の肩に乗る”の反対が、”友達を模倣する”です

私がインスボンに3度も行っているのは、巨人の肩に乗ったからです。

友達を模倣する、だと何度ヨセミテに行っても、飛行機代に見合うような充実した登攀はできないですよ?

なぜなら、模倣した先が間違っているからですよ…

模倣するなら、きちんと成功している人を模倣しないといけません。

■ Trust But Check

人は神ではありません。誰だって間違う。

あれ?と思ったときにチェックするのは、不信ではなく、当然の行為ですよ。

それが

 不従順

だと感じてしまうのではあれば、儒教思想に汚染されすぎかもしれません。




【中原淳】論より証拠 フィードバックの仕方

引き続き、中原淳さんのフィードバック大全からの引用と考察です。 

■ 仮定法の質問を行う

ーーーーーーーー

と「 仮定 法的 な 質問」 を 投げかける こと です。 

「もし あなた が ◯◯ だ と し たら、 どう 思い ます か?」 

という 仮定 法的 な 問い は、 普段、 人 は 思いつき も し ませ ん。 つまり、 どんな 人 で あっ ても こうした 仮定 法的 な 質問 には 弱い もの なの です。 です から、 もし 視点 を 変え たい と 思っ たら、「 仮定 法的 質問」 を 繰り出す こと で 事態 を 乗り越える こと も でき ます。

中原 淳. はじめてのリーダーのための 実践! フィードバック 耳の痛いことを伝えて部下と職場を立て直す「全技術」 (p.149). 株式会社PHP研究所. Kindle 版. 

実は、 一般 社員 は、 意外 なほど 上司 目線 の 視点 を 持っ て い ない もの です。 たとえば、 予算 や スケジュール を 無視 し て、「 もっと 人 を 採用 し た 方 が 良い」 などの 現場 目線 の 提案 ばかり、 という のは よく ある こと です。 こういう 場合 は 上司 目線 で 冷静 に 伝える と、「 上司 は そんなふうに 考え て い た のか」「 一枚 上手 だ な」 と 部下 が 納得 し、 話 を 聞い て くれる こと が あり ます。

中原 淳. はじめてのリーダーのための 実践! フィードバック 耳の痛いことを伝えて部下と職場を立て直す「全技術」 (p.151). 株式会社PHP研究所. Kindle 版. 

  すべて の タイプ に 言える こと です が、 特に この タイプ の 部下 に関して は、 日頃 の 行動 を 観察 し て、 気づい た こと を 詳細 に メモ する こと が 大切 です。 そのうえで、「 先週 の この 仕事 の とき に、 こんな こと を し て い た けど……」 と メモ を 元 に 具体的 に 指摘 すれ ば、 部下 も「 上司 が 間違っ て いる」 とは 言え なく なり ます。 徹底的 な データ 勝負 です。

中原 淳. はじめてのリーダーのための 実践! フィードバック 耳の痛いことを伝えて部下と職場を立て直す「全技術」 (p.151). 株式会社PHP研究所. Kindle 版. 

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■ クライマーがすべき仮説

「もし自分が地元のおじちゃん、おばちゃんだったら、クライマーを見てどう思うだろうか?」

「もし自分が地権者だったら、クライマーをどう思うのだろうか?」

「もし自分が町長だったら、なぜクライミング禁止にしてくるのだろうか?」

■ 海外登攀に一人で行ける人のほうがより広い世界に適応している

クライマーの能力を測るのに、グレードだけを基準にしていることが問題の多発につながっているのは、だれしもうすうす感じていることなのですが、それが具体的にどうなのか?というと、言語化が難しくて、誰も行っていないということになると思います。

例えば、一生一つの会社に務め続け、一つの組織しか知らない親世代と、何社も転職しその都度給与を上げてきたり、業務委託になったりして、交渉力をつけてきた子供世代、どちらが

 より広い世界に適応している

と思いますか?

同じことで、一生同じ土地の同じ岩場しか知らない人と、日本各地の岩場をいろいろ登った人、あるいは世界各地の岩場をいろいろ登った人では、どちらがより広い岩場に適応していると思いますか? より適切なグレードを与えられる能力があるのはどちらだと思いますか?

その辺がきちんとメタ認知力の差になって、メタ認知できない側が、的外れな自己主張をしていような気がします。

例えば、一度大雨が来て流れてしまえば、位置が変わってしまうようなものに、ピンクテープをつけてこれで良し!とか…。これで良いわけがないのは、ほとんど誰にでも明らかなことのようでした。

こうしたことはグレードの偏重ではなく、

  経験年数の偏重、

です。年数だけ積み上げても、全く何にもならないということは、

 10年以上登ってきたクライマーがこんな登攀する、という事例

から分かります。これを防ぐにはどうしたらいいのか?という話なんですよ。

【中原淳】逆ギレクライマーをどうするか?フィードバック大全より

■ADRって心理カウンセラーでしょ

アイロンさんの提案にありましたが、クライマーがクライマーを訴えるとという逆ギレ状態をどう解消するか?というのは、悩ましい問題です。

私が最初に考えたのは、仏になる…仏教の教えに解があるのかな~と思っていましたが、無さそうでした。

コーチングにも解はないし。そもそも当人がものすごい思い込みを持っているっていうのが問題の根源なので、心理カウンセリングが必要になってしまう…

しかし、中原さんの中間管理職向けのマネジメントの本に良い解決案がありました。

私もこれまで、フィードバックをどうしたらよいか分からないという問題がありました。

男性はプライドが高すぎて、指摘が素直に聞けない。こちらの事情を説明しても、「そんなはずはない」とか、自分を基準に相手をさばいてしまいます。

■ 資料: 分かっていないクライマーのフィードバック

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たとえば、「 そんなに 怒る という こと は、『 こうした 方 が いい』 という 強い 思い が ある ん だ よね?   それ を 聞か せ て くれ ない かな」 などと 言う の です。

中原 淳. はじめてのリーダーのための 実践! フィードバック 耳の痛いことを伝えて部下と職場を立て直す「全技術」 (p.143). 株式会社PHP研究所. Kindle 版. 

ーーーーーーーーーー

ポイント  

・逆ギレされたからといっ て、 安易にほめ たり、 なだめたりし ない  

・相手の話を最後まで聞き きる  

・相手の主張をリピートしたうえで、 矛盾点 を指摘 する  

・相手が沈黙したら こちらも沈黙する  

・日を改めてしまうのも手

中原 淳. はじめてのリーダーのための 実践! フィードバック 耳の痛いことを伝えて部下と職場を立て直す「全技術」 (p.147). 株式会社PHP研究所. Kindle 版.より引用。



■ 応用 NGパターン

入門クライマー: このルートに僕がいけないなんて心外です!俺だってできるはず!

教えた人:まぁまぁそう怒るなよ。

入門クライマー: バカにしやがって。許せん!今に見ておれ!

教えた人:行きたいのは分かるよ。ただ今の実力じゃけた違いだと言っているんだよ。

入門クライマー: はぁ?実力がけた違いってどういう意味ですか?俺は能力がないっていっているんじゃないですか!!

教えた人: いやそうじゃなくて今は、まだということだよ

入門クライマー: 同じことですよ!俺だって5.12登れるんですよ?

教えた人:そういう問題じゃないだ?

入門クライマー:じゃどういう問題なんですか?

教えた人:だから、アウトドアには登れるだけじゃないいろいろなリスク管理があるんだよ

入門クライマー:そんなことくらい分かっています!俺だってリスク管理できる!!!

教えた人:いや君は分かっていない。だから皆が心配しているんだよ。

入門クライマー:はぁ、何言っているんですか?俺はちゃんとわかっている。もういいです。ほっといてください。勝手に登りますから。(今に見ておれ…俺の実力を見せてやる!)

→ 結果、分かっていないことが分かっていないクライマーは、一発逆転ルートに行こうとしてしまう。(例:北岳バットレス4尾根、白亜スラブ、根子岳、3級しか登れないのに2段をノーマット)

■ 応用OKパターン

入門クライマー:俺が危ないクライマーだって?!そんなことを言われるのは心外です!!俺は何も間違っていない!

教えた人:自分は間違っていないと思っているんだね。

入門クライマー:ええ、間違っていないですよ。現にあなたは5.11止まりだが、俺は5.12が登れます!

教えた人: なるほど。そう思うということは、何か強い思いがあるんだね?それを聞かせてくれないかな?

入門クライマー: 俺を馬鹿にしたあいつらを見返してやるんです!!俺だってやればできる

教えてくれた人:そうだね、君は自分だってやればできると思っているんだね?

入門クライマー:その通りです!!あっと言わせてやる!

教える人:そうだね、その思いは分かったよ。ただ、いきなり〇〇は急ではないか?と私は思っているんだよ。君は〇〇を登るのに、どんなスキルが必要だと思っているんだね?

入門クライマー: 5.11が登れればOKと赤本に書いてありました!

教える人:それ以外はどうだい?とりつきやルートを見つけられるのかい?

入門クライマー: ‥‥。

教える人:敗退はどうだい? やり方は知っているかい?

入門クライマー: …。正直敗退なんて想像したくありません!!敗退なしで行きます!!

教える人:しかし、ロープがアップされず、セカンドも登ってきて来ないとしたら君はどうするつもりだい?

入門クライマー: ヘリを呼びます。

教える人: それって、恥ずかしいことではないのかい?

入門クライマー: …。

■ こんなにうまく行くとは思えませんが…

クライミング界に必要なのは、まさに心理技術のような気がしますね…

特に中原淳さんのフィードバック技術。

これは心理技術とは考えられていないと思いますが…。普通にサラリーマンで中間管理職をしている人向け。

中原さんは、中間管理職向けにワークショップも開いているので、岩場を預かる立場で、困っている立場の人は出てみたらいいのかもしれません。

いこじになっている点では、オールドクライマーも入門クライマーも同じなような気がします。

【対策と傾向】ロープはレンタルを用意する

 ■ 飛行機の都合

で、ビジタークライマーは、個人装備以外のものは持ってきていない、というのは旅行者として受け入れる場合は、受け入れざるを得ないのが、昨今の

  世界のスポートルート専門クライマーの実態

なので、もし、どこかの町が町おこしにクライミングを使いたい場合、

  ロープはレンタルを用意

しないといけませんね…。テンドンの9ミリ中ごろのシングル、でいいと思いますが…。

大事なことは、免責事項(ディスクレーマー)に署名させ、

 このロープで事故が起きたとしても、貸したほうは責任を負わない

と書いておくことだと思います。 もう、アメリカ人とか南米とかの人は、日本と違って、何でもありの世界で生きていますから、盗人猛々しい、ということが起きるのは想定内です。

■ ヒトのロープで起こりうる事故の可能性

1)すっぽ抜け  なぜなら、たまに末端をカットしている人がいるから

2)出しにくく、戻しにくい 慣れていないから。緊迫感のあるトライは向かない

3)ビレイデバイスと相性が悪い 固さなど。丁寧なビレイが必要

ロープが切れて落ちるというのは、考えにくいと思いますが、たぶん、人のロープだと思って丁寧に扱うことなく、雑に扱う人が多いので、ロープの痛みは早いと思います

事故の事例を貸すときに読ませる、というのは、クライマーにリスク管理能力を身に着けさせる良い手段のように思います。

■ 情緒…マーケティング施策で心に寄り添う

感情面で、クライマーに寄り添うには?

どこそこの宿(お値段高め)に泊まった人は、ロープレンタル料、1日無料、などがいいのではないですかね?

大体安宿に泊まるとか、バンに寝泊まりするとか、バム生活をする人って筋金入りハードなクライマーなので、平均的クライマーではない…。

こっちで実感する限り、平均的クライマーって、やわ、です…。

アルパインクライマーの常識や伝統的なバムクライマーの常識は、横において、”なんちゃってバムクライマー” (ほんとは何にもつらいことがないけど、あるっぽい感じ)にしておいてあげたほうがいいかも…?

つまり、そこらで寝ろ!って無理な人が多い感じですね…。なので宿泊は最低レベルが3000円でもいいと思います。

■ どのロープが使い勝手が良いか?という特集をロクスノはしてください

そうすれば、ロープのあれこれについて意識が高まり、

 人のロープで登っちゃおう!

とか、

 アイスのロープと岩のロープ一緒でもいいよね!

って人は減ると思います。 みんな、たぶん、

 人のロープで登ること=自分の責任で登っていない=無責任

を 

 助け合い、

と誤解しています。ギブ&テイクの、ギブをしてもらっているんだから、後輩の新品のロープを俺の本気リードに使っても当然、とすら思っているかもしれません。

これらは、すべてお手本がないために起きる事象です。

かっこいいクライマー、自己責任で登るクライマーの理想像が共有されていないってことです。

■ 親や師匠の背中から学ぶ

登る計画を立てるときに、クライマーの頭の中にあることが分かっていない…。

師匠は伊藤さんと登るとき、電話でロープの相談をしていました。ので、私は見聞きしており、自分のロープを持ち寄って、計画を立てるのが当然だという理解ができていましたが、一般のクライマーは、

  ロープ一本で敗退なしがカッコイイ

という間違った情報がインプットされているようです。それもこれも、父性…トップクライマーの在り方、背中から学ぶっていうのがないからです。

助け合いであるのは、クライマーとして全く無知の1回目だけです。そうか、クライミングってこんなもんなんだな、と分かる、2度目から、自分で用意しないといけないですが、その自覚が10年たっても生まれない、というのが現代のクライマーの平均的知性です。

口にして、きちんと伝えないと、登ってりゃ分かる、っていうのは期待できない。(OJTは効かないってことです)

■ 事故事例:四阿屋のグランドフォール

2ー3ピン目が遠く、3ピン目で落ちて、適正ビレイだったのに、グランドフォールして腰椎骨折。こうなると、ストレッチがある伸びの良いロープは裏目に出ます。

The second and third bolts were far away, and the climber fell on the third bolt, so he had ground-fall and fracturing his lumbar even though it was a proper belay. When this happens, a stretchy rope, usually considered a good rope,  can backfire.




2023/10/08

【訴訟】行政に対しても、”俺様”クライマー 軒先借りて母屋ぶんどれ?

 ■ アイロンさんがいいこと言ってた…

さすが。https://crackclimbing.net/archives/3284


■ クライマーは登らせてもらっている立場が理解できていない

んですよね…。それは行政との窓口対応を 

 JFAが好きでやってるんでしょ、(自己責任なんだから)

とか思っているからなんですよね…。間違っても

 JFAってありがたい組織だな~

っては思っていない。

大体、現代の男性クライマーって、ちゃっかりすること=賢いこと=自己責任、だと思っており、

 「ねぇねぇ、あの終了点、みんなで持って帰って山分けしようよー」

とか言う人が多いです…(汗)。はぁ?って感じ。しかもJFAに会費も払っていない。

恩恵は受けても、貢献はする方がバカ、みたいな価値観です。

女性クライマーと結婚した5.13クライマーが反省させられているのを見ました…。なんでそんな価値観になったのかなぁ…っていうのが、もっぱら、ここ5年ほど考えている謎解きです。もはやライフワークになっている(汗)。

■ 交通ルールでも同じ

たぶん、

 ルールを守らなくても誰にも怒られないのに ルールを守るやつはバカだ

という考え方がはびこっているのは、

 クライミングは自己責任

と言う言葉を、都合が良いように解釈したためではないか?と思うのですが。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ローカルルールはクライミングコミュニティを守るためにある

ここに駐車するのはやめよう、夜9時を回ったら静かに、ここに入ってはいけません。チッピングはNGです、クラックの脇にボルトを打ってはいけません、オウンリスクでお願いしますetc etc

これらのローカルルールはクライミングエリアを守るために対外的に約束したものと、クライマー皆んなが円滑に楽しむためにあるものがありますが、基本的にはどちらもクライミングコミュニティを守るために存在しています。ときにはクライマーの行動を束縛するように感じるルールもありますが、それが結果的にクライミングエリアを守るためだったりコミュニティ内での不要な対立を防ぐ役割を果たしているものがほとんどです。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 上記サイトより引用

そこは自覚がないと思います。見つからなきゃOK って思っているのが9割で、実際、登攀禁止になっていた野岳の岩場を議員さんを案内していったことがあるのですが、クライマーの車が駐車されており、登っている声が聞こえていました…。こちらの話声を聞いて、そそくさと隠れたみたいな感じです。

■ 無法地帯化している…

野岳を例にとると、全く資格のない人が、クライミング講習?とかで女性にリードさせてトップロープを張り、3000円だか何だか、お金を取っているそうです。怪しげな商売をしていました。

その違法ガイドおじさんと、近所の山の駐車場で鉢合わせになったのですが、詰めれば2台停めれるので詰めてくれと言ったら、激上し、他の車を止めさせないような駐車の仕方をし、困っていたら、別の登山者の男性が現れ、その人を見たとたんに、”すいません”と言って詰めた…という行動をとった人でした。女性蔑視なのか?俺様タイプなのか?

なんかこの事件が、九州の岩場の現状っぽかった…。これは、クライミングではなくて、一般登山の駐車場で起きたことですが…。

なんか九州って、自尊心に問題を抱えた人が多そうな印象なんですよね…。

私の印象は間違っているでしょうか?いやはや…こっちでは、自分が間違っているのか?って色々考えて、うつ病になりましたが、結論的には、病んでいるのは私ではなく、あちらのほうでは…。

■ 違法ガイド

余談ですが、私は自己責任200%のタイプなので、こういう俺様おじさん…自己責任50%の人…に奉仕する女性役を押し付けられそうな気がして、クライミング自体を辞めました。なんかヒトラーに利用される官吏みたいな立場に立たされそうになっているような?

というか、九州の文化圏にいると、自己責任が取れていた人も、だんだんと50%の俺様化していく現象が起きているような気がします。これは、周囲の女性の対応が、男性の自我を幼児化させていく行動…男であれば何をしても善、許される…をとっているからなのではないでしょうか?男ってだけで大事にされるって意味です。これは文化的観察ですが…。

男ってだけで間違った行動に対する抑止力が下がっている。

■ でかした!が普通

トップクライマーの平山ユージさんが、行政の同意を取り付けたことは

 でかした!ユージ!

というような、お手柄、なことです。

同じようなことで、大分の八面山のある中津も行政がクライミングに好意的です。

しかし、その好意を取り付けたクライマーは、でかした!と受け取られない。

 えー、今までクライマーだけで、ひっそり自由に登れてよかったのにー 

 ずっと秘密にして登りたい~

みたいな感じなのかもしれませんが、現代の開拓って、ましてや、リボルト再整備って、個人のポケットマネーでは、もはや無理って金額ですよね?

10万円、20万円を払うのは、普通の人にもできますが、100万、200万って払えます?今のクライマーって、年会費3000円でも払わないのに。

地元のクライマーが立ち上がらなければ、JFAだって何にもできません。UIAAだって、リクエストが無ければ何もできません。

ローカルクライマーが自分たちの岩場は自分でメンテする!という意識を持つ、それが 自己責任、の意味なんですよ。

そうすれば、支援はやってきます。

■ アメリカでは、もっとひどい

どんだけフリーライドって感じですが… これは、日本だけの現象ではなく、世界の現象です。

私のところに来たコスタリカ人クライマーですが、旅行中(と言っても4か月も滞在)だから、ロープを持ってこないのはまだしも、ATCも持っていない…

つまり、誰かが張ったロープにトップロープで登ろーって魂胆だったみたいです。

友人が、城ケ崎でも、他人のトップロープで、5.12を登っている外国人クライマーを見かけたそうです。

日本人は優しいので、別に自分が登った後は減るもんでもないし、いいよいいよ、と登らせてあげてしまいます。

私もラオスでは、自分がリードした後のロープに、別のクライマーを登らせてあげていましたが、それは、ちゃんとクライマー同士である、という了解の上でした。

ビレイする気もさらさらないクライマーを岩場に連れていくってのは、話が違いすぎます。

そもそも、便乗しようと、乗り込んできたクライマーを登らせてあげるっていうのは常軌を逸しています。

■ 軒先貸して母屋取られる… 著作権

そんなことをしていたら、

 軒先貸して母屋取られる、

になってしまいます。 実際クライマー界に起きていることは、

地域自治体の人が軒先貸してくれたら、クライマーが母屋、ぶん取ってる、みたいな現状…

人の所有物に登って、自分の著作権を主張するっていうのは、一般の人の目には、そう見えます。クライマーは、全く自覚がないと思いますが…。

初登者の権利主張って、図々しいこと、この上ないですよ、一般良識の感覚からすると。

あなたが地権者ならどうです? 

ルートの設計が悪く、そこを登ることで、ボルトが欠損しているわけでも何でもないのに、6件も重大事故が起きていて、何人も病院送りにしている、そのルートを設定した人が、俺のルートに手を加えるなんぞ、許さん!とか言ったら…

普通、何様?って思いませんか?

■ 玉石混交… 登攀の価値が分からなくなっている…お買い得品が良いルート?

初登も、歴史的な意味とか、重みとか、いろいろ課題ごと、ルートごとに違います。

良いルートもあれば、悪いルートもあり、ボルト位置がまずい失敗作もあれば、名作というようなものもある。十パひとからげで語るから、価値のないルートを作った人でも、権利主張して、俺が俺が、って話になる。

まぁ、何が価値あるルートで、何が価値がないルートか?っていうこともまた、別の議論として、クライマーは分からなくなっているから、

 Old But Gold

みたいな、タイトルが可能になるわけですが…。

少なくとも 町おこしにクライミングを使うなら、町の人は

 事故をわざと誘発するようなのではない課題が揃っていること

を条件にしたくなりますよね? それが普通でしょう…

■ 安きに流れること肯定路線

まぁ、一般クライマーも、開拓クライマーも、全般に

 安きに流れてきた

ってことだけは、確実に言えることでしょう…

そのツケを払うのは? 一体、今、何歳のクライマーたちの世代なんでしょうかね? 


2023/10/07

【提言】デイドリームって、コブラクラックより難しいの?

 ■ トップクライマーこそ

ロクスノ紙面(もしくはYouTube)で、グレード感覚の評定の話し合いしてもらいたいなぁ・・・

デイドリって、スコーミッシュのコブラクラック5.14bより難しいってホントなんですか?

そもそも、池田功さんが目を付けたというのは、知らなかった。いったいどんな経緯で、吉田さんのプロジェクトになったんだろうか…

■ 円安

スコーミッシュ、行きたいとは思っていますが、この円安で全く行く気になれないですねぇ…。

アメリカの物価、聞いてたらバカらしくて。もちろん、私には、コブラクラック、かんけーないですよ(笑)?

しかし、海外のいろいろな高難度クラックを登ってきた人たち…一流クライマーしかできない議論ですよねぇ。

一般の開拓者で、スコーミッシュ行ったことがある、なんて人、こちらで聞いたことないです。

■ ロクスノのレベル低下=クライマーのレベル低下

デイドリがコブラクラックより難しいのかどうか?って…

それをロクスノ紙面でやればいいのに!

そうすれば、難しさ、グレーディングというのが、どういう話で…体の感性で…決まってくるのか、だんだんと一般の人にも分かるようになっていくでしょう…

そもそも、海外でばんばん登った経験があるトップクライマーしか、高難度ルートに適切なグレードを与えられる経験値がない、ってことも分かるでしょう。

■ ロクスノのレベル低下の著しいこと

そういう議論がロクスノには全く出てこず… 紛争もあおるような記事しか出てこず…

初登記録と言っても箸にも棒にもかからない落穂ひろいの記録か、場所が分かりづらくて誰も再登できないから、高グレード言ったもん勝ちの発表か、どっちかで、全く何の参考にもならない雑誌ロクスノ…。

技術情報ですら、ペツルの右から左への横流しでも役立つのに載せていない…。そりゃ誰も買わないでしょ。

クライミング業界の良識を形成するには、トップクライマーの議論を載せることですよ。

大体、ほとんどのクライマーが、誰がトップクライマーか?すら分からないんだから…

最近のクライマーって、平山ユージって誰?って顔していますよね。

■ レベチが分からないから嫉妬するのでは?

たぶん、1990年代から30年くらい情報から離れてしまっているクライマーは、たぶん、地方に多いと思いますが… レベチ、ってことが分からない状況になっていると思います。

レベチというのは、レベルの圧倒的な差、ということです。

というのは、九州では本州では全く評価されない人が、かなり高い評価を得ることができるからです。

え?

って感じ。別に社会ではいろいろな評価があっていいので、いいのですが… その評価の危うさは、

  本来到底チャレンジすべきでない高難度のルートに、挑んでしまう

ことです。

これに気が付いたのは、こちらである積雪期のアルパインルートに挑んでいた若い人たちがいたので、長野の師匠に、連絡したところ、師匠が若いころでも決して手が届かなかったようなルートだった、ということがありました。

私の師匠さんは、若いときはそれなりに、50ピッチも60ピッチもあるルートをこなしていた人でしたので、ありゃ!これは…と、この若い人たちが、とんでもなく実力を勘違いしてルートに挑んでいることが分かったのでした…。

一般にちゃんとした山岳会CMCなどでは、そのルートに行ってよいかどうか?を会で話し合ってくれます。適切な助言もそこで与えられます。こちらでは、アルパインのルートに適切な助言を与える能力がある会はないようでした…。なんせ会山行が、明神主稜なんですよ?もし御坂だったら恥ずかしくて重鎮に報告できないレベル。たぶん、そもそも、若いときに高いレベルまで行ったクライマーがいないので、若い人にも助言が与えられないのだと思います。明神って私がその辺のクライマーと組んで行った程度のルートですけど?

(実際は、助言を与えても、与えられた方が怒りますけど…。)

■ 初心者男子は、自分だってやれる!っていうのが、かなり強固

実は、山岳総合センターの同期で一緒にアイスに登っていたKさんも、行く気になっている沢ルートが全部超高難度で、最初の師匠の鈴木さんにそれを指摘され、入門者が行く沢ではないよ、とフィードバックしたところ、彼はカンカンに怒って、罵声を浴びせかけてきたのでした…。

つまり、初心者でとてもそんなところに行く能力がない、ということが分かっていないので、侮辱された、と思ってしまったのです。

男性の自尊心って、周りの人がやれることは、自分もやれるはずだというので、維持されているのか?母が自分のために自己犠牲してくれることで保たれているのか?そんな感じで、あまり挫折と言うか、本当の意味で、

 自分自身の実力を突きつけられた経験

がないような印象です。

甲府の最初のパートナーSさんも、ルートに出ること自体が初めてなのに、北岳バットレス四尾根!と言っていたし…3年後の目標かと思って快諾したら、今年って話で、なんでそういうことになるのか、全く理解できませんでした。

ところが、この人と組まずに済んだことを「あぶないところでしたねー、行かなくてほんとよかったですね」と言ってきた人が、ロープが上がらない白亜スラブのようなリードをして、それで、「やっぱりロープは60mだね!」と言う感想…。

いくらロープが60でも、80でも、アップされないと、そこでゲームオーバーです。ゲームオーバーにならなかったのは、セカンドが、”しりぬぐいクライミング”をしてくれたから、なんですけど…?

自分がきちんと登れていない…そういうことが、本人はまったく自覚できないみたいなんですよね…。

クライミングでは、知性が大事ってこのような意味です。

■ 5.13も信頼に値するわけではない

他にも、開拓者らの発言から、あれ?という感じのことが、2,3ありました…。

5.13って最近は登れる人が多いグレードですけど…そういう人が言っている13ってホントに13なのかな?

だって、5.12って男子って一発芸、一瞬芸で登れる人はごまんといます。瞬間芸でいいのなら、長野の師匠も登れたことがあるそうですし。男子で5.12が登れない人はいないんじゃないでしょうか?ボルダーの1級は全くの素人で今日触ったような人でも登れますし。

■ お買い得を探すとどんどんレベル低下を招く

奥村さんも書いていましたが、グレードには幅があっていいのですが…つまり、簡単な12と難しい12があっていいのですが…その簡単なほうに自分を合わせるクライマーのほうが、たぶん人情上、多いですよね?

すると、原理的には、どんどんグレードが低レベル化していくということになると思います。大体の男子は、お買い得品を目を皿のようにして探すって感じなので。それは、周囲の人に認められるため、です。

甲府でも、どこかよそのところからやってきたクライマーが、「あいつ、5.12登れるって言ってたけど、登れねーじゃん」みたいな評価を受けていましたが、どうも自己申告が、たまたま登れた瞬間芸を申告、みたいな感じなんですよね…。

それは、何発も打ち込んで、二か月後にやっと登れました…、みたいな報告が、一言二言しか載らない初登記録を読んだら、模倣してそうなるだろうと思いますが…。

5.14登るのに2か月かかり、私は5.14クライマーですと言ってイイのなら、5.13登るのに2か月かかり、それで、私は5.13クライマーです、と言ってイイのだし、ならば、5.12登るのに2か月かかり、私は5.12登れます、と言ってイイ、と思ってしまいますよね?

ならば、5.9を登るのに2か月かかり、5.9クライマーです、と言ってイイということになります。ここまでくると、ん?って思いますよね。

■ 初級ルートに必要なゆとりが理解されていない

だとすると、私は初めて取りついたときから瞬間芸なら5.9登れていました…。(小川山ストーリーは登れていた)しかし、ナインがオンサイトができるのに、2年半くらいかかりました。

ナインなら絶対落ちないレベルになるというのがリードの許可みたいな感じでしたが、その辺の機微が一般クライマーには理解されていないのではないかと思います。

もし現代クライマーのやり方でやれば、瞬間芸で落っこちまくっている時代から、5.9にリードで取りつかなくてはならなくなり、それだとアップアップすぎます。

というのは、日本の5.9は本当には5.9ではないことが多いからです。ボルト位置もプロテクションとしてまっとうに機能していないようなことが多いです。

■ アルパインクライマーの能力の高レベル化も知られていない

…とまぁ、これらのことは、九州に限らず、自分の実力が正確に見極められないクライマー全般の話で、たぶん、年配の人も同じだと思います。

というのは昔の教え方が延々と変わらずづ付けられ、変わったのは、山に行く時間だけ…現代の山岳部で年間130日山に行っている人たちいるでしょうか?いないですよね?50日でもやっとこさ、です。すなわち、成長のスピードは3分の1になっているのに、行くルートの困難さは同じのが求められていて危険です。(例:大学山岳部が北岳バットレスに行く)

今は、アルパインのクライマーですら、5.12がオンサイト出来る人が、一流って時代なんですけど… みな分かっていないで、昔と同じでレッドポイントやエイドで登っていると思っているから、あいつだけ、いい目、見て許せん!となるわけだろう…と思うんですが?

太ってしまって今では、私がすいすい登れる5.9ですら、登れない人が、「俺だって運が良ければ佐藤ユースケ」って言っていました…。多分、佐藤ユースケになるための努力を端折っていると思うんですけど…本人は全く気が付かない、ってことになります。

人の成功をうらやむ人は、大体は事実関係の誤認がある、と思っています。つまり、努力に対して全く注目していないってことです。

■ スポーツクライミングで名を挙げても評価されない

アイスクライマーのギンちゃんは、私は素晴らしいクライマーだと思いますが、九州ではひよっこ扱いされていました…(笑)。

山梨でてんで、箸にも棒にもかからないクライマーが、”特待生扱い”で、世界のトップレベルクライマーがひよっこ扱い(笑)。

たぶん、誰も現代アイスのレベルを分かっていないと思います。まぁ、これについては、環境の上からも、九州のクライマーが分からなくても仕方ないと思いますが…。

鉱泉アイスフェスに行けば、その辺の一般アイスクライマー女子でも、一昔前のアックステンションクライマーには想像もできないようなムーブ出していますよ…。

あれ見たら、一発で分かると思うんだけどなぁ… ギンちゃんの大会での活動しか知らないからそうなるんでしょうなぁ。

スポートで評価されないのはアルパインのクライマーからすると仕方ない、って気になりますが、スポートで磨いた技術を外岩に持ち込んでD15、なんてのが今のトップクライマーなんですが、実際の姿を見てないと分からないですよね…

■ 這っても黒豆

勉強不足であるとか、実力が足りていないとか、そういうことが、女性たちの

 男を立てる文化、

で、うまーくオブラートに包まれ、あまり自覚せずに、自分のエゴを拡大させてきたとしたら…?

そりゃ、這っても黒豆、って言いますよねぇ?

這っても黒豆は、メタ認知力がない人のたとえです。あれは黒豆か?虫か?という議論があったとき、その物体が動き始めて、虫だということが分かったのに、黒豆、と主張を譲らない人のセリフです。

たぶん、クライミング界は、全体的に

 這っても黒豆状態

に陥っています。

■ 不適正なボルト位置

適切にビレイしても、落ちたらケガをする位置にある支点は、無駄なボルトです。

ミニマムボルトの原則に反しています。墜落時の保険に役立たないなら、ボルトの意味がない。それでも、自分の著作権にこだわるって、俺のエゴが勝っているって意味です。まさに這っても黒豆。

そのエゴが入門ルート程度のグレードで引っ込められないのは、時代錯誤したレベル感…当時は自分はトップレベルのクライマーだったという自負があるからでしょう…

現在のレベル感で自分を測ることがあれば、入門ルートの入門ルート足る位置づけも分かるでしょう…

分かれば、自然とどのようなルート設計がふさわしいかも自覚できるでしょう…

そうした自覚(メタ認知)が全く失われるようになってしまったのは…

 デイドリは、コブラクラックより難しいのか?

みたいな議論が掲載されなくなり、トップクライマーのありようを多くの人が共有できなくなったためです。

こんな体たらく、世紀末的事情になっているのは日本だけで、私には、「あの8Cはどこにあるのか?再登者は出ていてグレードは確実なのか?」と海外のサイト運営者から、問い合わせが来ますよ。

           ああ~楽しかったあの頃に戻りたい…






2023/10/06

【心理学】憤怒のチャイルド

■ 自己愛性と境界性 

これだな~というのが来ました。

南ゆうたさんのメマガより引用。

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あなたの周りには、劣等感に触れられると激怒する人はいませんか?

または、見捨てられ不安を感じると激しい攻撃に転じる人はいませんか?

そのような状態に陥る人の心には、「憤怒のチャイルド」が住んでいるかもしれません。

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憤怒のチャイルドは、劣等感や恥、寂しさや不安が刺激されたときに出てくるチャイルドです。

牙をむいて威嚇するかのように、攻撃性や怒りでもって相手に向かっていきます。

あまりに強烈で激しい怒りで、しかも自らの正当性を一ミリも疑わないので、歯止めが効きません。

憤怒のチャイルドの背景には何かしらの怖れが見つかることがあります。怖れていることが表面化しそうだから、怒りで何とかしようとするのです。

たとえば、自分の恥ずかしい部分が人にバレるのを心底怖れている人は、憤怒のチャイルドになって誰かに責任転嫁し、「お前のせいでこうなった!」と当たり散らしてしまうかもしれません。

自分の致命的な欠陥をまざまざと意識しそうになると、代わりに憤怒のチャイルドが出て来て他責や攻撃やこき下ろしを始めることもあります。

または、見捨てられ不安を感じると、理想化していたところから一転、相手への攻撃やこき下ろしを始める場合もあります。

健康な怒りと憤怒のチャイルドが違う点は、前者は自分を受容できており、相手に何をしてほしいかが明確で、後者には自己否定や劣等感などの苦痛な感情から何とかして身を守りたいという気持ちがあるという点です。

憤怒のチャイルドは、「あいつのせいでこうなった!」と復讐に燃え、被害者のポジションから抜け出せなくなることもあります。

憤怒のチャイルドは、自己愛性パーソナリティ障害や境界性パーソナリティー障害の人がよく抱えているチャイルドです。

一般的な傾向として…

自己愛性の人は、劣等感を刺激されると憤怒のチャイルド化します。

境界性の人は、見捨てられ不安を感じると憤怒のチャイルド化します。

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■ クライミングのパートナーシップにも、心理学が必要

と感じたのは、師匠との韓国クライミングで、

 私がクライマーとして成長する = 師匠が見捨てられ不安に陥る 

みたいなことが、再三、起きたからです。

ラオスで成長して帰ってくるとそれが気に食わないみたいだったんですよねぇ…。なんで?

ふつーに考えて変ですよねぇ? 自分が教えている人が成長したら、ふつーはうれしくないです?私だったら、後輩が、自分のロープ買いました!とか、○○に行ったら登れました!とか報告してくれたら。うれしいけどなぁ。

まぁ、心の傷はひとそれぞれ。私にはてんで意味不明だったので、心理学を勉強しようという気になったので良かったのかもしれない。

■ クライミングには、安定的な愛着関係が必要

詳細は省きますが、

 安心安全のクライミング

は、

 安定したメンタル基盤の上

に育まれるもの。 私のクライミングが上達する度に、あるいは男性の仲間を連れてくるたびに、

 お前とはもう登らない!!

と脅すような人だと、どうやって安定した関係を築いたらいいのだろうか?ということです。

■ 憤怒のチャイルド対策?

このメマガの話では、どう対策したらいいのか分かりませんが、

   一般的にはインナーチャイルドを癒す

という手段が有効です。どう見ても過剰反応しているときは、

   相方の中のインナーチャイルド癒し

が必要ですが、問題は、

自己愛性や境界性の人は、自分を顧みる力がかなり弱い、ってことなんですよね…

■ 治療

1)証法的行動療法

週1回の個人およびグループセッション。ストレスに対処する、より適切な方法を患者が見つけるのをサポート。怒りのコントロールに効果的。

2)システムズトレーニング(STEPPS)

週1回のグループセッションを20週間行う。自分の感情をコントロールし、否定的な予想の正当化を疑い、自分自身を適切に対処。

3)メンタライゼーション(メタ認知)

人が自分や他者の心の状態について考え、理解する能力をメンタライゼーションと言う。自分と周りの人の感情や思考などを理解し、それらが自分と他人の行為にどう影響を与えるか、距離を置くかトレーニングする。

4)転移焦点化精神療法

患者と精神療法家の交流に重点を置く。質問を行い、患者の非現実的な自己像や歪められた思考に対して、どう対処するかサポート。患者が自分と他者について、安定した現実的な感覚が育める。

5)スキーマ療法

生涯身についた思考、感情、行動、対処法に関する、不適応なパターンを明らかにし、健全なものに置き換える。少なくとも週1~2回、3年間のセッションが必要。

6)一般的な精神医学的管理

一般医向けにデザインされた療法。患者の自立心を高めるために、人間関係の構築する能力を優先的に治療。

です。クライミングって、ほんと、心の比重が大きいスポーツですよねぇ…