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2023/10/09

【中原淳】論より証拠 フィードバックの仕方

引き続き、中原淳さんのフィードバック大全からの引用と考察です。 

■ 仮定法の質問を行う

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と「 仮定 法的 な 質問」 を 投げかける こと です。 

「もし あなた が ◯◯ だ と し たら、 どう 思い ます か?」 

という 仮定 法的 な 問い は、 普段、 人 は 思いつき も し ませ ん。 つまり、 どんな 人 で あっ ても こうした 仮定 法的 な 質問 には 弱い もの なの です。 です から、 もし 視点 を 変え たい と 思っ たら、「 仮定 法的 質問」 を 繰り出す こと で 事態 を 乗り越える こと も でき ます。

中原 淳. はじめてのリーダーのための 実践! フィードバック 耳の痛いことを伝えて部下と職場を立て直す「全技術」 (p.149). 株式会社PHP研究所. Kindle 版. 

実は、 一般 社員 は、 意外 なほど 上司 目線 の 視点 を 持っ て い ない もの です。 たとえば、 予算 や スケジュール を 無視 し て、「 もっと 人 を 採用 し た 方 が 良い」 などの 現場 目線 の 提案 ばかり、 という のは よく ある こと です。 こういう 場合 は 上司 目線 で 冷静 に 伝える と、「 上司 は そんなふうに 考え て い た のか」「 一枚 上手 だ な」 と 部下 が 納得 し、 話 を 聞い て くれる こと が あり ます。

中原 淳. はじめてのリーダーのための 実践! フィードバック 耳の痛いことを伝えて部下と職場を立て直す「全技術」 (p.151). 株式会社PHP研究所. Kindle 版. 

  すべて の タイプ に 言える こと です が、 特に この タイプ の 部下 に関して は、 日頃 の 行動 を 観察 し て、 気づい た こと を 詳細 に メモ する こと が 大切 です。 そのうえで、「 先週 の この 仕事 の とき に、 こんな こと を し て い た けど……」 と メモ を 元 に 具体的 に 指摘 すれ ば、 部下 も「 上司 が 間違っ て いる」 とは 言え なく なり ます。 徹底的 な データ 勝負 です。

中原 淳. はじめてのリーダーのための 実践! フィードバック 耳の痛いことを伝えて部下と職場を立て直す「全技術」 (p.151). 株式会社PHP研究所. Kindle 版. 

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■ クライマーがすべき仮説

「もし自分が地元のおじちゃん、おばちゃんだったら、クライマーを見てどう思うだろうか?」

「もし自分が地権者だったら、クライマーをどう思うのだろうか?」

「もし自分が町長だったら、なぜクライミング禁止にしてくるのだろうか?」

■ 海外登攀に一人で行ける人のほうがより広い世界に適応している

クライマーの能力を測るのに、グレードだけを基準にしていることが問題の多発につながっているのは、だれしもうすうす感じていることなのですが、それが具体的にどうなのか?というと、言語化が難しくて、誰も行っていないということになると思います。

例えば、一生一つの会社に務め続け、一つの組織しか知らない親世代と、何社も転職しその都度給与を上げてきたり、業務委託になったりして、交渉力をつけてきた子供世代、どちらが

 より広い世界に適応している

と思いますか?

同じことで、一生同じ土地の同じ岩場しか知らない人と、日本各地の岩場をいろいろ登った人、あるいは世界各地の岩場をいろいろ登った人では、どちらがより広い岩場に適応していると思いますか? より適切なグレードを与えられる能力があるのはどちらだと思いますか?

その辺がきちんとメタ認知力の差になって、メタ認知できない側が、的外れな自己主張をしていような気がします。

例えば、一度大雨が来て流れてしまえば、位置が変わってしまうようなものに、ピンクテープをつけてこれで良し!とか…。これで良いわけがないのは、ほとんど誰にでも明らかなことのようでした。

こうしたことはグレードの偏重ではなく、

  経験年数の偏重、

です。年数だけ積み上げても、全く何にもならないということは、

 10年以上登ってきたクライマーがこんな登攀する、という事例

から分かります。これを防ぐにはどうしたらいいのか?という話なんですよ。

【中原淳】逆ギレクライマーをどうするか?フィードバック大全より

■ADRって心理カウンセラーでしょ

アイロンさんの提案にありましたが、クライマーがクライマーを訴えるとという逆ギレ状態をどう解消するか?というのは、悩ましい問題です。

私が最初に考えたのは、仏になる…仏教の教えに解があるのかな~と思っていましたが、無さそうでした。

コーチングにも解はないし。そもそも当人がものすごい思い込みを持っているっていうのが問題の根源なので、心理カウンセリングが必要になってしまう…

しかし、中原さんの中間管理職向けのマネジメントの本に良い解決案がありました。

私もこれまで、フィードバックをどうしたらよいか分からないという問題がありました。

男性はプライドが高すぎて、指摘が素直に聞けない。こちらの事情を説明しても、「そんなはずはない」とか、自分を基準に相手をさばいてしまいます。

■ 資料: 分かっていないクライマーのフィードバック

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たとえば、「 そんなに 怒る という こと は、『 こうした 方 が いい』 という 強い 思い が ある ん だ よね?   それ を 聞か せ て くれ ない かな」 などと 言う の です。

中原 淳. はじめてのリーダーのための 実践! フィードバック 耳の痛いことを伝えて部下と職場を立て直す「全技術」 (p.143). 株式会社PHP研究所. Kindle 版. 

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ポイント  

・逆ギレされたからといっ て、 安易にほめ たり、 なだめたりし ない  

・相手の話を最後まで聞き きる  

・相手の主張をリピートしたうえで、 矛盾点 を指摘 する  

・相手が沈黙したら こちらも沈黙する  

・日を改めてしまうのも手

中原 淳. はじめてのリーダーのための 実践! フィードバック 耳の痛いことを伝えて部下と職場を立て直す「全技術」 (p.147). 株式会社PHP研究所. Kindle 版.より引用。



■ 応用 NGパターン

入門クライマー: このルートに僕がいけないなんて心外です!俺だってできるはず!

教えた人:まぁまぁそう怒るなよ。

入門クライマー: バカにしやがって。許せん!今に見ておれ!

教えた人:行きたいのは分かるよ。ただ今の実力じゃけた違いだと言っているんだよ。

入門クライマー: はぁ?実力がけた違いってどういう意味ですか?俺は能力がないっていっているんじゃないですか!!

教えた人: いやそうじゃなくて今は、まだということだよ

入門クライマー: 同じことですよ!俺だって5.12登れるんですよ?

教えた人:そういう問題じゃないだ?

入門クライマー:じゃどういう問題なんですか?

教えた人:だから、アウトドアには登れるだけじゃないいろいろなリスク管理があるんだよ

入門クライマー:そんなことくらい分かっています!俺だってリスク管理できる!!!

教えた人:いや君は分かっていない。だから皆が心配しているんだよ。

入門クライマー:はぁ、何言っているんですか?俺はちゃんとわかっている。もういいです。ほっといてください。勝手に登りますから。(今に見ておれ…俺の実力を見せてやる!)

→ 結果、分かっていないことが分かっていないクライマーは、一発逆転ルートに行こうとしてしまう。(例:北岳バットレス4尾根、白亜スラブ、根子岳、3級しか登れないのに2段をノーマット)

■ 応用OKパターン

入門クライマー:俺が危ないクライマーだって?!そんなことを言われるのは心外です!!俺は何も間違っていない!

教えた人:自分は間違っていないと思っているんだね。

入門クライマー:ええ、間違っていないですよ。現にあなたは5.11止まりだが、俺は5.12が登れます!

教えた人: なるほど。そう思うということは、何か強い思いがあるんだね?それを聞かせてくれないかな?

入門クライマー: 俺を馬鹿にしたあいつらを見返してやるんです!!俺だってやればできる

教えてくれた人:そうだね、君は自分だってやればできると思っているんだね?

入門クライマー:その通りです!!あっと言わせてやる!

教える人:そうだね、その思いは分かったよ。ただ、いきなり〇〇は急ではないか?と私は思っているんだよ。君は〇〇を登るのに、どんなスキルが必要だと思っているんだね?

入門クライマー: 5.11が登れればOKと赤本に書いてありました!

教える人:それ以外はどうだい?とりつきやルートを見つけられるのかい?

入門クライマー: ‥‥。

教える人:敗退はどうだい? やり方は知っているかい?

入門クライマー: …。正直敗退なんて想像したくありません!!敗退なしで行きます!!

教える人:しかし、ロープがアップされず、セカンドも登ってきて来ないとしたら君はどうするつもりだい?

入門クライマー: ヘリを呼びます。

教える人: それって、恥ずかしいことではないのかい?

入門クライマー: …。

■ こんなにうまく行くとは思えませんが…

クライミング界に必要なのは、まさに心理技術のような気がしますね…

特に中原淳さんのフィードバック技術。

これは心理技術とは考えられていないと思いますが…。普通にサラリーマンで中間管理職をしている人向け。

中原さんは、中間管理職向けにワークショップも開いているので、岩場を預かる立場で、困っている立場の人は出てみたらいいのかもしれません。

いこじになっている点では、オールドクライマーも入門クライマーも同じなような気がします。