筑紫耶馬渓にボルダーに行きました!楽しかった。
というか、また知見が広がって、岩とのお友達度が上がり、非常に勉強になりました。知的探求心が満たされ、満足。
■ 分かったこと
ボルダーの世界のスタートが1級からということが分かりました(笑)。
なんでエイハブ船長が基準やねん~と思っていました…。
なにしろ、エイハブ船長って1級。
9割の人が関係ない世界じゃーん? クライミングジムで登っている人の9割は、1級登れないと思いますけど…。
でも基準が1級のエイハブ船長ってことは、要するに、1級以下は、まだデビュー前と言う感じなんだろーなー、と伺えます(^^;)。
■ フリークライミングは、5.9以上の世界
これはデジャブー感がある景色でした…。
『我々はいかにして岩に…』という菊池さんが書いた本を、以前、風邪で大熱出しているときに暇すぎて、読むことになり、フリークライミングの世界を知ることになりました。あの本はホントに読んで良かった本です… 私のKindleデビュー本です。
2年半もかけてやっと5.9がオンサイト出来るようになった時、当時所属していた山岳会の先輩が「今からフリーだね!」と言ってきました。
え?これまでもクライミング、頑張ってきたと思っていたのに???
しかし、クライミング講習では、ナインアンダーとナイン以上は明確に区分があります。
ナインアンダーの人は、まぁ、日和田とか、三つ峠の易しい課題とか、いわゆるゲレンデで練習です。ここがいうなれば、大学1年生レベル。ここで通い倒すことができないので、多くの人は、
外岩ナインアンダーの時期を適切に過ごすことができていないかもしれない。私はこういう岩場に行くと、ウルウルした目で見られる側です。なんか困ったなー。
大体、この世界(フリーの世界)では、5.13になるまで、延々と課題を難しくしていきます…ので、クライミングを始めて、2日目で、5.13登れちゃったみたいな人は、全くフリークライミングが楽しめない…。すぐ辞めていきます。
■ ボルダーの世界
外ボルダーの世界は、これとフラクタル(相似形)というのが、今回、私が分かったことでした。
行ったのは、2段のボルダー(笑)。とりつくしまなし…。
ボルダリングのグレーディングの基準は、全国的には
エイハブ船長1級 です(笑)。
去年一緒に登ってもらったハッシーは、2段の中ではお買い得で易しいと言われている親指岩下のボルダー”8月”に取り組み中でした。
”2段かぁ…あな恐ろし”と、思っていました(笑)。それは間違っていましたね。
世界はV16とかですからね。日本の強つよクライマーはV10とかです。
ボルダラーでは、
V8は、ハッシーみたいな若い男子が登れて当然なグレードみたいデス。
■ ちなみに ワタクシは?
私はそのとき、隣の4級のスラブをしたのですが、登れてうれしかった。ボルダーでは初4級。
私は、デシマルで5.10a~b、フレンチグレードでは、5c~6Aくらい、インドアジムでは6級~5級なので、ボルダーだと4級が登れるくらいになるハズで…、
おお!大体合っている…。
Vグレードは、V0からスタートなので、私もV0からスタートしようと思います。すぐ終われるといいな~ たぶん、
V3、V4くらいで行き詰まるハズ。
これは、40代でクライミングを始めた人の普通みたいデス。
■ 筑紫耶馬渓 上の段
行って見たら、とても、かぐや姫な岩場でした。
ああ~ こんなの昇仙峡でみたことある~ って感じの
どっかぶりの強傾斜の岩。
岩自体には、名前がついていないみたい。こっちの人は岩には名前を付けないんですかね?
一緒に行ってくれた人も、登れない…(笑)。
”だって2段ですよ?な世界”ですが、これが将来の目標値である、登れると思うから、将来に向けて偵察なんだろうな~と。そして、その感覚は合っているようです。
普段、1級のボルダーが登れる人ですが、まるで歯が立たない。クライミング、乗り越えるべき課題は、人それぞれ、ですが、うっすら乗り越える線が見える、それは共通なんだ~と思いました…。
お互いに登れるグレードは違うけど、直面する課題は一緒だね~フィジカルアップか~
と感慨深いな~と思って見ていたら…、
助っ人、強つよクライマー君がやってきてくれたのです♪ 有段者。
ムーブを見せてくれたので、なんとなく、分かった! 彼を見て、なるほどな~!と思いました。
私は、浮アンダーで出てきた、トウフック+押し下げ=体浮く、の法則を思い出しました。
■ 5.12の世界(1級の世界)
大体、昔の山岳会のリーダーたちは、最も強い最盛期で、5.12をギリチョンで触る力があり、そのラインが、アルパインクライミング…つまり山岳地帯で、
何が出てきても、どうにかこうにか、なんとかできるという一線のようでした。
ちなみに、私には到達は不可能なレベルと、白亜スラブに行って分かり、しばらくハートブロークンでした…。
私は山が好きで、アルパインで何とかなることを目指していたからです。
もう私にはアルパインルート登り放題はないことが判明。
なぜオールドクライマーが花崗岩の易しいマルチに限定して登っているのかもすっかり分かった…ので、すっかり、もう頑張らなくてもいいんだ‥‥という、お気楽クライマーモードでした(笑)。目標を失った感じですね。
ちなみに一般に若い男子が、ギリギリボーイズに参加するとして、その入門資格が、
セカンドでも、5.12、40kg歩荷
というところだということですが、これは昔はトップクラスのリーダーさんの技量です。牛後は鶏頭ってことです。
■ 余談 2軍レベル 5.11の世界
私のいた〇坂山岳会の先輩たちは、なんとか努力して5.11を維持しているクライマーたちで、そうなると、厳冬期に新人を連れて赤岳主稜に行くのは、難しいのです…ので、私は単独で阿弥陀北稜に行くほうを選びました。(ちなみに今のスキルだと、セカンドで中山尾根に行って、後輩を連れて行けばいいみたいな段階です)
先輩たちは会では2軍というか第一線はなくて、あとは楽しく登れるところを登ろうねってクラスです。多くの元山やの男性クライマーが落ち着くレベル。 頑張ったら11.
私はまだ5.11は登れないですが、5.9は大体確実です。ので、そう言う人は阿弥陀北稜はゆとり付きです。ゆとりの幅が、アルパインでは、外的要素に負けない分余分に必要。
まぁ3軍ですね。会の中では、新人担当でちょうどよいです。
今一緒に登ってくれている先輩は、10年かけて5.12まで来た男性ですが、じっくり努力で来た人の、標準的な感じかなーと想像しています。このレベルで1級。会だとロープをあげてくれる頼りになる1軍です。
導き出せるのは、
5.12=大体1級 ボルダーはこのレベルの人から始まる
です。
私は歩きだけの時代も入れて8年くらいで今のところに来ているので、まぁ、女性山ヤとしては、標準的な成長速度と思います。ごくごく普通。
50台でスタートした女性クライマーだと5.11は超ギリチョンみたいです。私はフィジカルの克服とメンタルの克服で、5.11までは行けるような気がします。あと2年しかタイムリミットがないですが(笑)。
■ 5.13は もはや普通
そのアルパインの世界のワンランク上がフリーの世界で、5.13は、もはや若い男性の間では、
(頑張りは必要だけど)誰でも到達可能なんじゃないか?
というグレードになっています。クラックと系統が違うクライミングではありますが、当時世界最難であったMars(マーズ)5.14aが、1989年なのです。
それ以前を調べると?
世界初の5.13は、1978年、約40年前です。アメリカのレイク・タホにある Grand llusion(5.13b/c)が、世界初の5.13ルートで、13歳の男の子、ミルコ・カバレロ(Mirko Caballero) がトライしています。(余談ですが、このラインでトニーがハングドッグのスタイルを持ち込んだとされています)
ちなみに、レッドポイントでの初登、1988年の鈴木英貴さんと10年後です…つまり、若い人が能力のピークでやっとこさ登った課題を円熟クライマーがRPするのに、10年。
今では5.13を登るクライマーは、多いとは言いませんが、近所で発見できるレベルです。私もお一人5.13クライマーの知り合いがいますし、ラオスに行ったときも、チェンが頑張れば、5.13に届くそうでした。めっちゃ通わないとダメだそうでしたが。
つまり、
昔の天上人の話が、今では市井の人です。世界で一人しかいなかった人が、100人か1000人かに増えた感じ?
さて、吉田さんのMars5.14aは、世界初5.13台の約10年後の1989年の登場です。
となると、めんどくさいので数字の端数を端折ると
5.15a 2000年
5.16a 2010年
5.17a 2020年
な計算になることになります(笑)。今の世界最難は、5.15dのアシマちゃんか、アダム・オンドラ君だと思います。
ボルダーの世界は、こうした世界と直接つながる世界です。
が、
今の市井のすごい人はたぶん、有段者。世界に羽ばたくには、有段者であるのは、ただの通過点ということですね。
■ ボルダーは突破力
ボルダリングは、リードとは違って、下部に核心があって、後は簡単であることが多いです。下部核心はリードでは危険ですが、ボルダーではむしろ安全。
ので、インドアトレーニングを外でやる気分でボルダーにぶら下がり健康機気分でぶら下がるのがいいのかもしれません。
私は、岩の絵を描くのをちょっとやろうかなと思います。小さいころお絵描き得意だったので…
何気にボルダーは、暇です(笑)。何度もトライしてもよれるだけなので。