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2024/10/22

回避すべき外国人訪問クライマーの経験値も貯まりつつあります

 ■ 回避すべきクライマーもようさん来てる

このブログのおかげか、外国人クライマーからは、問い合わせを良くもらいます。

しかし、一般クライマーには紹介できないレベル…。

はっきり言って、クライミングガイドに紹介するのが、適切なレベルの人がほとんどです。

したがって、その見分け方。

■ 見分け方1) 何を登りたいの?と聞く

一般的に、クライマー同士だと、

 登りたい課題

があります。何を登りたいの?と互いに聞いて、答えが出て、それを交渉で、大体は交代バンコ、かわりバンコで、登る。

のですが、この問いをしても、

「みんなが登っているのを僕も登ります」

みたいな人もいます。つまり、大勢のクライミングに混ぜてもらって、おこぼれを登ってきたクライマーって言うのは、順番待ちの列に並んでいれば自分も登れるという、おかしな成長の仕方をしてきた人です。

クライミングは、何を登るべきか?というところからリスク管理の一環です。男性同士であれば、後ろをついて行けばOKかもしれませんが、そのようなクライマーのことを

 金魚の糞クライマー

と一般的には呼びます。金魚の糞をされてもお荷物と感じない人はいいかもしれませんが、一般的にはお荷物かな。

■ 2)低身長の女性はパートナー選びに特に注意が必要

一般的な男性が安全なところと、一般的な女性が安全なところは全く違います。

低身長であることが多い女性は、相対的に非常に不利に課題そのものが作られていますので、自分で課題を選んで登るという視点がない男性クライマーと、女性が登ると、ひどい目に遭います。

クライミングにおけるひどい目というのは、一発で死ぬかもしれないリスクがありますので、分かっていない男性クライマーと登ることは、死活問題、です。

■ 3)低グレードクライマー

低グレードクライマーは経験値が浅いことが多く、上記の質問をしてみるべきです。

低グレードを登るクライマーでも、責任感がしっかりしており、自分でリードできるところを責任もって登るクライマーもいます。

私は、小川山は全部トップロープしか登れないナインアンダー時代は、西湖の岩場でリードしていました。ここも大変なランナウトです。しかし、ランナウトに対する対処法は、落ちない以外ありませんので、自分で落ちないレベルを向上するしかありません。またスラブは登るための練習がインドアジムではできませんから、外岩でトップロープを張ってもらう以外は練習する場所がないです。

危険が伴うスラブやクラックで、トップロープでスタートするのは、世界的標準です。

そこから、疑似リード、リードと進みます。疑似リードを飛ばしてリードさせようとする人とは登らない判断をしなくてはなりません。

疑似リードを飛ばして、リードに行くのは、時限爆弾を抱えたまま、グレードを上げるつまり引き金を引き続けることです。落ちて、カムが3つ飛んだ人を知っていますが、そのような人は、そこで反省をせず、自慢話にしてしまいます。

本来自慢になるのは、カムが一回も外れたことがない、という高い技術力のほうです。

■ ギアに不足がある人

ギアに不足があることについては、アルパイン出身の人は寛容です。私も寛容で、ギアどころか、ウエア一式を全部貸して、初心者をアイスクライミングに連れて行ってあげたことがあります。これは、ガイドがする以上のサービスです。

しかし、この伝統に胡坐をかき、最初から、ギア期待の人もいます。

おんぶにだっこで連れて行ってもらえるのを期待している外国人クライマーは多いです。これは、ホストする側が、相手へのサービス精神が過剰であることに寄ります。

一つはロープを所持しているか?があります。ロープは文字通り命綱ですので、他人のロープを期待すべきではありません。

また、確保器を持ってきていない人は、ロープと確保器の相性などの機微を理解していない可能性が濃厚です。ロープは現地の登山用品店で借りるという選択肢があっても、確保器は持ってくることが可能なものです。

確保器を借りるという選択肢は一般にクライマーにはありません。

■ トポだけで情報収集力がない人

トポだけが頼りで、そのほかの情報収集をしようという意識そのものがない人。

私は日本のトポの情報が頼りにならないことを、海外のトポを見ることで知りました。

 ボルトの本数、

の情報が日本のトポには抜けています。ですので、トポだけを見るクライマーは日本では、ランナウトしたルートに容易に誘導されてしまいます。

ボルト本数が書いてあれば、たとえ、自分に適したグレードでも、避けて登らないでしょう。

ですので、日本を訪れるクライマーが低グレードを登りたいと発言する場合は、要注意です。

■ 高グレードでもインドアオンリークライマーのケースもある

オーバーハングが普通である石灰岩も、日本のクライマーとは理解が異なる場合が多いです。

特に人工壁上がりの人。人工壁では墜落は見せ場です。

外岩では、そうはなっておらず、特に日本の石灰岩は、ランナウト前提の花崗岩と同じポリシーで作られている歴史的経緯があるので、どこでも落ちるクライミングは許されていません。

岩場の個性ということを理解できるだけの基礎教育がないクライマー、特定の国、特定の岩場しか知らないクライマーは要注意です。




2024/06/19

【指導記録】登山道ではない道を行く山&振り分け懸垂の必要性

 昨日は山に行っていました☆ 

教えたことリスト

1)登山道の等級

2)スラブはジムでは学べないこと

3)落ちて死ぬ衝撃が何キロニュートンか?何メートルから危険か?

4)5級の傾斜と4級の傾斜が幅広く、異なること

5)ルートファインディングしてから登る重要性 (石垣利用)

6)登る前に降りる方法を確認する重要性

山で

7)ギアの分担

8)尾根地形と谷地形、トラバースの見方 

9)懸垂下降のさわり

10)現在地確認 方角、距離、緩急、標高差

11)大体早めに感じすぎることが多いこと

12)ヴィアフェラータの確保

■ 読図初心者は尾根を行くのより、沢沿いに下る破線ルートが苦手っぽかったです

読図というより、地形を読む、っていうことですが、尾根を素直に登るのは、登山道がない場合でも、初心者でも難しいと感じることはないようでした。

が、廃道気味の破線ルートで、現在でも、一応登山ルートになっているところを最後に歩いたら、不安に襲われたみたいでした。つまり、破線のほうが、恐怖心を感じたようです。

そこ、

1)なんとなく、沢沿いに行って、

2)進退が極まるたびに、補正すれば、

3)なぜか、いつも道に出る、

という、人生の縮図みたいな成り立ちの道なので、どちらかというと、

  思考プロセスが山ヤだったら、みんな同じなんだよなーな道

なんですよね。

行詰まるたびに、補正すると、なぜか赤テープやロープが出てきて、ここだったんだなぁと分かる。事後承認付き、練習課題、みたいな感じです。

登山の王道は、

 道迷いを内包しながら歩く、

ということです。

ただ誤解がないように言っておくと、今回、同行者たちが不安に思った道は、ピンクテープを探せ!式歩行スタイルでも、歩けます。まだ、上級向けとはいえ、一応、登山道なので、赤テープ追っかけも、できるんですが。

初めてそこを通る人はビビっていました(笑)が、それが今回の目的なので、良かったです。

まぁ、その心理を味わうのが、目的で、この怖さがないと、地図をきちんと見て歩こう、という意識づけが、そもそも根本的に生まれないので、初めに道迷いはありうる危険なのだと認知するために、ビビる体験をするのが、良かったのではないかと思います(笑)。

■人の手で整備された道=レールの上

こういう体験がないと、人の手によって整備された山を登り続けて、異様に自己肯定感が高まってしまうことが起こるんですよね…。

体力や登攀グレードで、行けるか?行けないか?の判定をしてしまうと、行けない山は、日本国内には、ゼロです…。なんせ、富士山は日本一の標高ですが、初心者でも行けますから…。

いくら体力があっても、私がいないと、このビビりルートに行くことはできなかったので、遭難時の心理の疑似体験ができてよかったのではないかと思います(笑)。

失敗の保険になるのが、先輩の役目なので。

■ ヒヤリハット

今回は、私は大きな反省点がありました。それは、髪の毛の巻き込み、です。

初心者の方が懸垂下降する場合、パニック耐性が、3人3様に違うことが分かりました。

私は、生い立ちから、不安に対する体制がかなり強いタイプなんです。ほとんど、パニックにならない。むしろ追い込まれると、冷静さが増します…。というわけで、三つ峠は2度目から、リードです。

でも、そんな私でも、1回目の懸垂下降を山岳総合センターで、やった時は、やっぱり、え?ってなりました…。

センターのやり方では、講師が横につかずに、一人で降りる。ので、私は、懸垂下降のセットや、自分がコントロールしている器具の操作が、自分がこれでいいのか?納得がいかない感じで降りた(自己信頼が育っていない状態)のが、嫌だったので、

反省で、

・両足で立てるところで、

・グリグリで(ATCではなく)

・一度手を放して全体重をロープに預けても、落ちない、という感覚を習得して、

・下でロープを引けば、落ちない(だけでなく、降りることもできない)という

確信を深めた後

・傾斜が変わるところが恐怖を感じやすいことをあらかじめ警告して

・さらに失敗に備えて、ノットを結ぶ

ことで、保険付きにし

・降りる量が10m超えないミニサイズ

・さらに隣で講師がぶら下がっている状態で教える

ことで、共感ベース強化

という、普通に教えられている懸垂下降(ATC使用、介添えなし、途中停止なし、ノット無し、基本20m程度)とは、サイズ感も保険の量も、だいぶ違うのですが…。

まぁ、やっぱり怖いですよね。初めてのことをする怖さは、誰にでもあります。

徐々に装備も、グリグリ→ATCみたいに、ステップアップすることだと思います。

■ 巻き込み

今回は、盲点だったのは、怖いとロープにしがみついてしまいますので、ロープが髪の毛の近くに来るということです。

ローワーダウンでも、荷物のようにズリズリとおろされている人がいますが、あの状態になってしまうと、体が座った格好にならずに、立っている状態になるので、髪の毛がロープの近くに来てしまいます。

髪の毛の巻き込みは、頭皮の剥離、になりかねない重大事故の原因ですので、髪を切る必要があり、それには、救助者が上からアプローチする必要があるので、再度、上に回ろうとしたのですが、仲間の一人がショルダーをしてくれたので、うまく髪の毛を巻き込みから抜くことができました。

体の体制をどうつくるか?というのは、かなり大きなポイントだということが分かりました。

水難事故のレスキューでも、水難者はしがみつきにより余計溺れてしまいます。水泳でも、頭を上げようと、もがけばもがくほど、逆に体は沈んでしまう…というパラドックス…。私も最近、やっと水泳のもがき動作を克服しつつありますが…

このパラドックスの登山バージョンが、

 懸垂下降での体制、

なんですね。

何が本当に危険か?は認知には、知識教育が必要なことが分かりました

パニックによるとっさの反応でグリグリを握ってしまったら落ちてしまいかねないですし、ロープを握って、かかっていた体重を、ロープから手に移動すると、逆にハーネスが緩んで危険になってしまいます。

ロープに体重を預けず、腕力…手でロープにしがみつけばしがみつくほど、余計、懸垂下降は、難しくなるのです。

■ 一般登山道での経験が逆効果になる

一般登山道にある鎖やロープは、ゴボウ(しがみつき)による安全を象徴することになっているので、むしろ、害になっているかもしれません。

 鎖やロープは、引っ張って、使わず、保険として使う

ように一般登山道時代から、習慣づけるのが、伝統です。

■ 懸垂デビューから心理ショックを排除するのは難しい

しかし、難しいのは、怖い気持ちに配慮しても、リアリティがない設定でやっても、身につかないし、先に登ることだけ覚えてしまうと、”登れても降りれない人”になっちゃうし…

心理的なハードルをどんなに下げても、どのようなことにも一回目はあるので、恐怖心をゼロにして懸垂下降する、というのは、非常に難しいです。

■ チェストハーネスはむしろ危険かもしれません

座った体制を作るための、定番が、フルボディハーネスで、今回は、幅広スリングでフルボディハーネスを作ったのですが、ロープがむしろ、顔の近くを通れてしまうので、

チェストハーネスをつける場合は、より、 髪の毛の巻き込みに注意が必要

かもしれません。一般にチェストハーネスって安全の代名詞になっていますが…。

■ 方針転換しました

 器具を本人に使ってもらうのが大事だ、

という大方針でいましたが、自立のタイミングは人それぞれ、なので、器具を指導者がコントロールして一緒に降りる、振り分け懸垂のほうが、彼には良かったと思います。

判断の分かれ目は、感覚的にロープに全体重を預けられるかどうか?だと思います。

懸垂下降では、ロープから体重を抜いてはいけない。

預けられない人は、振り分け懸垂で、最初は懸垂下降を体験するのが良いかもしれません。

https://stps2snwmt.blogspot.com/2015/06/blog-post_86.html

今回は、この降りる人がどのような行動をとるのか?最初に予見できなかったのです。

先の2名はスムーズに降りれたので。最後の人はハーネスで不利だったのですが、ハーネスの機能の不利より、不安にドリブンされた影響のほうが大きかったと思います。

というのは、ハーネスは幅広スリングでのボディハーネスで、これは救助で使うのと同じにしたからです。

■ 対策

・顔の近くにロープを持ってこない注意喚起

・ロープに全体重を預ける感覚の獲得強化

・恐怖がある人には、緩傾斜での懸垂下降

・不安がある人には、振り分け懸垂での体験

■ その他、良かった点

・ルートファインディングの重要性を教えるとみんなすぐ分かる

・降りることは、登ることより、誰にとっても機会が少ないせいで、恐怖が先立つ

・降りることは、登る回数と同じだけついて回るので、降りることに心理的な慣れを作るほうが先決

・破線ルートでの道のロストについては、道を見出す、思考回路を教える

・3人、4人などの多人数での参加で、緊張緩和

・ピンチの人をショルダーしてくれた人がいてすごく助かった。

■ お勧めギア

・ペツル スパサ https://amzn.to/4co6nWv


こんな楽勝そうな登山道でも、日射、風、雨、天候、躓き、ねん挫、といくつもリスクがあります。


2024/05/07

【リスク中心思考を身に着ける】セッション解説 デイドリ―ムPart1&Part2 :トップクライマーの登り方

【Vlog】平山ユージ&大西良治のデイドリーム part.2

■ セッション解説

1)どれくらいの期間をかけるか?で実力を示す

パート1 10月31日、パート2 11月7日、ファイナル2月28日。

期間的にも、シーズン初め、中、シーズン終わり際、という感じです。
ワンシーズン中3日の撮影。トータル20日だそうです。

終わらなかったら、来年になりますね。

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山梨県某エリアの「デイドリーム」(5.14b)は日本最難のフィンガークラック。日本のフリークライミング黎明期からトップクライマーの挑戦対象として認識され、未来の課題として継承されてきた。とりわけレジェンドクライマー、故・吉田和正が情熱を傾けたことが知られている。2020年1月、30年以上の挑戦の歴史に終止符を打ち、小峰直城が初登。浦野誠動が第2登、中嶋渉が第3登と続いている。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ちなみに、”実力とは、かかる日数で示すものだ”という実力の示し方、も示されているような気がしますね。

1登 小峰っちは、何日かかったんでしたっけ?忘れましたが…。ロクスノの記録の文体がしょぼかったので、がっかりした私だったのでした…。しょぼかったことしか覚えていない(汗)。

3登の中嶋さんは、10日だそうです。

第2登の浦野さんは、かかった日数、ネットに出ていませんでしたが、48歳?!円熟クライマーだったんですね。年齢でも実力を、というか情熱を、示せるかもしれない。

たぶん、一般クライマーは、ルート名だけで実力を示そうとしすぎなのでしょう…

2)1ピン目は大事です!

1ピン目は、パート1では、赤キャメと青キャメで、固め取っていますが、ユージさんの墜落で、赤が飛んだので、2度目では、二つ連結して、強度を高めて使っています。

クラックのクライマーなら習っていて当然の技です。

1ピン目は、2個連結です。

3)ビレイヤーにコールして、キャッチの準備をさせる (行動プロテクション

ユージさんの登りは、登れなくなった時、「はい、テンション」と声をかけるので、私が習った登り方です。

勝手に、”テンション登り”、と呼んでいますが…

これが、九州では全然なく、違和感でした。

テンション登りが、不安なボルトで登る基本の登り方だと思います。

現代の人は、人工壁になれているので、黙って落ちます。

外岩では、落ちそう、とビレイヤーが予期していることが安全対策ですので、ふいに落ちる、アンコントロールに落ちるのはダメです。

リードする許可の有無が、アンコントロールな墜落をしないこと、です。

それに、ロープたるたるで落ちると、落ちる量が多いですよ。

インドアでは、わざとたるませて落としますが、それは常に被っているからです。外岩では、しません。

行動プロテクション:https://allnevery.blogspot.com/2023/05/blog-post_39.html

4)ボルダリングの安全管理 下降路を登る前に安全確保する

アップのボルダー 大ハングでは、まず落ち葉を落として下降路を安全にしています。

5)余計なチョークは落とす

どうも、パモは持っていないみたいですね。あそこ、いつもチョークついて固まっているので、滑る… 服でたたいてチョークをとしていました。

6)ボルダリングの安全管理 クラッシュパッドの移動

大西さんがランディングしたところが、ユージさんが移動したマットの上で、読みがぴったり。流石です。

7)得体のしれない道具は使わない

後ろに見えているパッドと梯子、誰のなんですかね…? いつもあるけど。っていうか、5年前からあるけどなぁ…。

8)プロテクションは厚めにしておく 

デイドリのピンクポイントで設置した、最後のナッツは、どうもユージさんも、登ってみたら、かける余裕はない、みたいでした。登り切ってから、かけるしかないと最終的に判断していました。

ボルトでも、設置してあっても、そこが、片手になれない、かけれない場所だったりしますよね。

事例としては、私にとっては、九州で最初に登った米澤さんの5.10aがこれでした。ボルト飛ばして、登りきるほうを優先したので、ランナウトを受け入れて登らざるを得なくなり、相方は渋い顔をしていました。結果的にはオンサイトでしたが、良いクライミングとは考えられない。米澤さんのグレーディングは激辛なので、あれは普通にアップで取りつくような10aではなかったと思います。

デイドリは、結局、どうせ最終ピンは、クリッピングするゆとりはないので、最後のRP完成動画のほうでは、設置されていませんでした。最後はランナウトを受け入れて登る系です。あっても使えない位置にあれば、意味がないので。

9)ピンクポイントで取りつく

レッドポイントするのに、最初はピンクポイントで登るんですからね。

トップロープで登れたら、はい次、といきなり、レッドポイントで取りつかないですよ?

カムの場所とか検討できないじゃないですか?いきなり本番では…(汗)。

私は、これ、されて嫌でした。私はクラックは習得途中でこっちに来たので、最初からそう言っていたのですが、どうしても疑似リードをする習慣がないみたいでした。カムエイドで、プロテクションを設置して登るのもしなかったら、いきなり登りながらプロテクションを設置することになり、ムーブによほどゆとりがないと登りながら、正確で落ちれる設置はできないですよね?

そこが、分かっていない人たちと登ると、トップロープで一回試登しただけで、あとはいきなりRPしてねーとなり、危険でした。リスクを回避すると、結局、カムに頼らないで登ることになるので、いつまでもプロテクションが確実にならない、ので、十分実力を上げる難しさの課題には取りつくことができない。悪循環です。

プロテクションを軽視している、というのはこういうことですよ。

ピンクで登るためにカムを入れるには、トップロープでぶら下がっている必要がありますが、それには、カムエイドしながらでも、まずは上まで行っている必要があります。

その辺は作業なので、動画には、出ていないです。

10)ビレイ位置

ちなみに故・吉田さんにビレイする場合は、ビレイヤーも、スタートのボルダーの上に上がってビレイしました。地面ではなく。そのほうがより安全ですが、落ちたら、ビレイヤーに激突するかもしれません。(当方、吉田さんの最後のビレイヤーです)

しかし、見ていて指が痛くなるクライミングでした。ユージさんは指にテーピングしていたけど、大西さんはしていないので、出血…。

やっぱ、フィンガージャムは痛いですよねぇ…。

余談ですが、14bはトップクライマー向けなのですが、近くに一般向けの10くらいの初心者向けフィンガーもあります。そっちはフェイスに逃げれます。フィンガーを覚えるところの人は、それで練習してくださいね。

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2024/02/13

【事故報告】疑似リードで死亡

https://freeclimb.jp/information/9978/ より引用。太字当方

当方意見:

古賀志事故のように

 地名×事故ではなく、

タイトルは

  疑似リードで死亡、

のようであるべきだ。

登山の遭難では、地名こそ意味ある内容だが、クライミングでは地名には意味はない。技術の稚拙さにこそある。


 ーーーーー

古賀志事故報告書(Drafted 2023.12.10) 文責:神林飛志

・文書の目的:事故の再発防止をクライマー各位に喚起すること

・場所/ルート
古賀志⼭/不動滝エリア ルート名:クウ(5.8)


・事故発⽣時刻
2022/11/20(⽇) 12:55 頃発⽣。天候は全国的に曇り⾬模様だが、この地域のみ晴。


・事故概要
疑似リード後、終了点において確保不備のため、グラウンドフォールにより死亡


・事故詳細
事故者は腰の⼿術で腰椎にボルトが⼊っており、いわゆるリハビリクライマーであった。クライミング・スタイルとして、リードでの不本意なフォールを避ける為に、慎重にトップロープ→疑似リード→リードRP を⽬標とし、徐々に精度を上げる⽅法をとっていた。

疑似リードのやり⽅については、所有の50m ロープ⼀本を使⽤し、トップロープの余った末端を疑似リード⽤ロープとしていた。このやり⽅はビレイヤーと⽇頃から認識を合わせており、疑似リードでトライを繰り返している。(以降、1 本なので"トップロープ端"、"疑似リード端"と表現する。なお、ビレイループの右に疑似リード端・左にトップロープ端をつけることを常⽤していた) この時点で、古賀志での実施は3 回⽬であり、特にトラブルは起きていない。事故者とビレイヤーとの間の基本的な約束事として、トップアウトしたときにはロープの混濁を避けるため、疑似リード端は事故者が解除し、下降時確保には利⽤しない、ということにしていた。

事故者はビレイヤーと共にこの⽇3 本の登攀を実施している。


1 本⽬は「クウ(5.8)」をトップロープ(疑似リード)で試登した。
この時は疑似リードでのトライであり、トップロープ端、疑似リード端ともにエイトノットで連結。次回からは両者区別をしやすいように、疑似リード端を環付きカラビナにて連結することを合意していた。なお、このトライではトップアウト時には事故者の判断として疑似側ロープを外さないこととして下降している。これについては事故者・ビレイヤーで確認は取れている。

2 本⽬は「沙羅ちゃん(5.8)」をトップロープで実施。
このときはトップロープは回収している。このルートは⽀点が勾配にあり、ビレイヤーから回収状況が確認できない。またセルフビレイの合図もなかった為、ビレイヤーが念のために確認したが問題はなかった。

3 本⽬に「クウ(5.8)」を再び疑似リード(トップロープ)。
ハーネスにはトップロープ端、疑似リード端ともにエイトノットにて連結。ヘルメットは着⽤。トップロープは、クウの終了点ボルト上からスリングと安全環付カラビナで⽀点を作っていた。

事故者はクウを疑似リードしながらトップロープ確保で登攀。終了点に着くと、疑似リード端を終了点の残置カラビナに掛け、セルフビレイを掛けたと思われる。そのまま⽀点回収を実施。⽀点回収の実⾏決定は下⽅のビレイヤーには「回収します」の旨の宣⾔で伝達しており、意思疎通は⾏われている。

この後、事故者はトップロープ⽤スリング⽀点の撤去を開始したと思われる。
クウの終了点は、最後のハング部分に乗り越す形になっており、ビレイヤーからは終了点付近の作業状態は視認できない。

このとき事故者は、終了点ボルトまたは残置ロープにセルフビレイを掛けていたと思われる。事故者は疑似リード端を終了点の残置カラビナに掛けてはいるが、ビレイヤーはトップロープ端のみを確保しているので、この疑似リードロープ端は確保されていなかった。(コレ、普通のことでは?疑似リードでは、リードが疑似なのであり、トップロープ確保が基本ですよね)

セルフビレイのみで安全確保されている状態の事故者は、この確保不備に気付かず、またビレイヤーは事故者が勘違いしていることに気付かなかった。

事故者がトップロープの確保確認を怠ったまま、唯⼀事故者を確保していたセルフビレイを解除してしまい、直後にテンションコールを⾏った。ビレイヤーがロープを張ったその後、バランスを崩し墜落したと⾒られる。なお、ビレイヤーからは事故者が⼀瞬複数(下からは3本に⾒えていた)のロープを掴みかけ、後退りの体勢で落下しているように⾒えている。


・推定される事故原因
事故者が下降時にビレイヤーの確保を確認せずにセルフビレイを解除し、確保のないまま下降しようとしたことによるものと推定される。


・推定される遠因と背景
直接の原因は事故者による「下降時における確保確認の不備」によるもので、少なくとも下降前にセルフビレイを掛けた状態で、ロープ・テンションの確認を取っていれば、確保不備は確認できたはずで、事故は起きていなかったと思われる。


なぜ、「下降時における確保確認の不備」が起きたかについては、「疑似リードでトップアウトした直後にトップロープの⽀点回収を⾏ったこと」が背景にあることは無視できない。


このとき、ビレイヤーから⾒れば、いままでの回収の経験通りで、疑似リードといえども、あくまでトップロープによる確保が基本であり、⽀点回収時にはトップロープを残置⽀点に掛け替えて、確保を⾏い下降を⾏うべき、という考えになる。


また、事故者から⾒れば、以下の状況は当然推測可能と考える。
・トップロープの⽀点回収なので、トップロープは確保として機能しない。
・疑似リードで登ってきた上に、終了点にロープを掛けている。したがって、疑似ロープで確保・下降を⾏うことになる。
これは別段、デタラメな推測ではない。

上記のように、事故者・ビレイヤーともに根拠のある推測であり、⾏き違いが起こりやすい状況であったことが推測される。


さらに追加的に以下の2 点は考慮されるべきである

  1. 問題のルートでは、下降⽤の残置カラビナの位置が低く、事故者の⾝⻑ではビレイループよりも下になってしまい、テンション確認が取りづらい。また、ロープ⾃重で引かれているためテンションがかかっているように感じられる。

2. そもそも単⼀ロープでトップロープと疑似リードを⾏っているため、回収後にどのロープがどのような状態かは混乱しやすい。⽬撃情報から事故者はトップロープを回収後、ロープを下に投げずに、⼿元に持っていたことがわかっている。

上記より、通常の⽀点回収よりも「下降時における確保確認の不備」が、よりおきやすい状況であったと思われる。

・対策と注意喚起
まず⼀義的に「事故者が下降時に、セルフビレイを掛けた状態で確保確認を⾏う」ことを⾏っていれば事故は起きていない。 もちろん、「クライマーが下降時に、セルフビレイを掛けた状態で確保確認を⾏う」という鉄則を怠った以上、どのような策を講じても事故は起こりうるのは当然だが、「疑似リードとトップロープ回収を同時に⾏う」場合は、通常の回収のケースよりもミスが起きやすい、かつ、実際に死亡事故が発⽣している、という事実は看過すべきではない。

⼀般にボルトルートであれば疑似リードは少ない。とはいえ、プロテクション難度の⾼いクラックルートでは試登として疑似リードが⾏われることは、経験あるクライマー同⼠や、とくにクライミング講習ではありうる状況であり、注意喚起を⾏いたい。


以下の対策案を推奨する
・クライマーが下降時に、セルフビレイを掛けた状態で確保確認を⾏う、事の周知徹底
・疑似リードロープと確保トップロープを混濁しないために、事前に必要な⼿段を講じること

 - ⻑さのある単⼀ロープの両端を⽤いることはしない
 - できればクライマーが疑似リード端と確保トップロープ端の区別がつくように、疑似リード端を安全環付きカラビナにするなどの⼯夫を⾏う(両者エイトノットの⽅が安全という考え⽅もある)

・疑似リードとトップロープ回収は可能であれば、同時に実⾏しない
・疑似リード時は、必ず疑似リード端・トップロープ端両⽅で確保をする
・疑似リードとトップロープ回収を同時に⾏わざるを得ないケースで、かつ、疑似リード端・トップロープ端両⽅で確保をすることが困難な場合は、事前にどのロープで確保をするか必ずクライマー・ビレイヤーで共有し、かつ、下降前にもう⼀度相互に確認する。
 - この場合、確保しない⽅のロープは先に外し、間違って確保に利⽤されないようにする、という⼿続きを事前に決めておく。
・トップロープ実⾏時には必ず確保側のロープにバックアップの中間プロテクションを⼊れること。

以上

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うーん、トップロープを回収するにしても、架け替えでは、セルフは取ったままテンションコールをします。私なんか、それでもビレイヤーがアホな場合に備えて、反対側のロープを持った状態でテンションしてもらっていますけど。


よほど信頼関係が構築されていたんですね。


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2023/10/10

【盲点】昔の5.12と今の5.12 リスクテイキングゼロの5.12

■[クライミングを語ろう68]同じグレードやのにジムと岩場はなんで難易度が違う?

■ この動画、3回も見てしまいましたよ(笑)

私は、アルパインクライマーとしてクライミングをしていたので、全くフリークライミングには詳しくないのです。

なので、フリークライミングの人に、「フリークライミングとは、こういうもんだ!」と自己主張されると、”そうなんだー”と思うしかありませんが、現れてきた現象については、まぁ、当然ですが、普通に事実を捉えることができます。

  事実: ”今の男子の5.12登れます”は、瞬間風速のこと。

具体的には、何分も、ある場合には、何時間もハングドッグで粘って、やっとこさ登れた5.12が、”5.12登れます”、です。なので、5.10bでも落ちたりします。油断は禁物です。

これはマシな人のことで、ひどい人だと、ジムグレードのことです。

■ 昔のクライマーの5.12は、どうだったのだろうか?

昔の人は、分厚いマットが敷かれたクライミングジムなどなく、5.12が触れるだけでも、そこへ積み上げるには、

 怖さ

をかなりな状態で克服しないといけなかったはずです。というのは、外の岩で、自分のギリギリにチャレンジするのと、インドアジムの分厚いマットや落下係数0.3に調節された人工壁で、5.12にチャレンジするのでは、

 心理グレード

が全く違います。

ので、私自身も、はじめっから外岩の小川山ストーリーは別にトップロープでいいのなら、普通に登れていたわけなんですが、5.9のオンサイトが確実になるまでには、2年半かかりました… 山梨時代です。それで、こちらに来てからも、命拾いした感じはあります。

同じ5.9でも中身が違います。その中身の差は、恐怖で、だいぶ違うわけですが…そこが、グレードだけで実力を測ると、捨て去られてしまうわけですね…。

 昔の人の5.12は、中身のぎっしり詰まった相当の実力

■ 日本の岩場は、”あるクライミング”理論に貫かれている

安易に…と私からは見えますが…男性はグレードを上げますが、それは安全のためです。

日本の岩場では、
 
 易しいグレードほど、恐怖グレードが高く設定

されており、

 難しいグレードは、ボルト配置が下手したら1mおき

で安全です。これは、クライミングで有名な論文があり、それに倣っているんですよね…名前は忘れましたが…。

その忘れた論文によると、リスク+難度で、5.12も5.9も同じになるように調整されているのです。

なので、日本の岩場は、基本的にはこの理論に貫かれている、ということなんです。

そこは、フリークライマーでも、古い人、昔からやっている人しか共有されていません。

ので、新しい人は、えー?!ってなりますね。

■ リスクは除外して、ムーブだけの難度表記にするのは新しい潮流

たしかに、外岩では、ムーブ自体は簡単で、リスクがやたら大きい…のが、一般的な入門ルートです。

ので、アルパインルートは2グレード下、と言われていますが、

 登攀力にゆとりをもっていても、防げないリスク

はある。その1は、ビレイヤーが下手っぴってリスク。大体、落ちないで登るのがルールであるアルパインクライミング育ちのビレイヤー(例:往年クライマー)は、ほぼ全員ビレイがダメです。

落ちたクライマーを確保した経験がないんだろうなと分かるビレイ具合…壁から2mも離れ、しかもダラリンで、フリークライミングのルートをビレイしています。

■ アルパインの外的リスク

だれかアウトドアのフリークライミングのリスクを検討したクライマーがいないのかなぁと検索したら、こちらの論文がヒットしました。

称名の滝フリーソロの時のリスク検討
https://www.jpnsport.go.jp/tozanken/Portals/0/images/contents/syusai/2020/tozankensyu.vol35/tozan35_1-2nakasima.pdf


しかし、これもアルパインのリスクなんで、フリークライミングのゲレンデのリスクとは違うんですよね…

アルパインのリスクを理解して取ってきた人にとっては、フリークライミングのゲレンデってリスクフリーと言ってイイくらい安全安心感があります。

■ フリークライミングの外的リスク


サンプルとして、またしてもアイロンさんが提供してくれました…

ーーーーーーーーーーー
最近は東股沢の開拓やってます。

私が発見した美しい(けど浅くて途切れ途切れ)のクラックにラインを引かせてもらったんだけど、プロテクションが取れん。。。

核心のプロテクションが足下3メートルの良い音がするフレークにセットしたカム、なんてやりたくないよね〜

TRでは一撃できているからプロテクションに問題がなければ登れそうなんだけど、登るためにボルト打つ? それともボルトレスで登れるように鍛えてから登る?

スタイルとか安全性とか悩むときりがないけど、みんなどうやって折り合いをつけているんでしょう???
ーーーーーーーーーーーーーー引用終わり 太字当方

これ、フリークライミングで良く起きます。

■ 現代クライマー的解とオールドクライマー的解

 登るためにボルト打つ = 現代クライマー的解
 ボルトレスで登れるようになってから登る = オールドクライマー的解

です。

そこで、今いさかいが起きているんですよね。私はいさかいが起きるより、説明しろ、と思います。

例えば、トポに

 核心のプロテクションが足下3メートルの良い音がするフレーク

と書くか、Rをつけておけば良いです。RとかXってそのためにあるんでしょうし。

個人的には、ボルトを安易に打つのには反対意見です。

■ 誤解を受けることと無理強いされること

私がクライミングで、特に少し前まで登っていた人との間で起きたことで嫌だったことは、

 TR派だと誤解を受けて非難されること
 
 と

 すでに無理しているのに、もっと頑張れと無理強いされて心がすり減ること

の2点でした。

この誤解は、誰にとっても、5.9は同じ困難度だ、という誤解に基づくもの、だからです。

落ちたときのリスクも、誰にとっても同じだ、というは誤解です。おばあちゃんがこけただけで5か所も骨折するのは、30代男性がこけたときと同じリスクと思いますか? 女性のほうが男性より、壊れやすい、です。

過去に、私が連れて行ったアメリカ人クライマーは佐世保勤務の軍人さんで、33歳でごっついパワーの人です。

その人は、愛のエリアの5.9夢中歩行はオンサイトできなかったんですよ?

私は念のため彼が現地の岩慣れできるように、別の5.9トップロープを張ってあげ、さらに5.10Aも登らせてあげたのに…。これだけの好待遇で、彼が怖いというのなら、私がいきなり一本目でオンサイトできたのは、すごいことでしょう。

私の日向神一本目は、この課題で、1ピン目はるか遠くです。

降りて来たら、クライマーに、

「これが遠いって文句あるなら、この岩場に来るな!って意味だよ」

と言われました。男性です。しかし、5.12で同じ状況か?全然、ボルト近いです…

■ 身長が低いというハンデ=恐怖グレードが上がるですよ?

私は身長が152cmなので、同じスタンスに立っても届くところ違います。

マスターとぬんがけリードはエライ差です。

しかも、一回リードで落とされて、頭縫っています。血みどろの岩場になって救急車です。身をもって安全とは何か?学び中です。

クライミングで、新人さんや、その岩場に詳しくない人は、何を登るべき段階か?分からないというのは真実です。なので、これを登ったら、どうお?というのは親切ですが、それを無理強いするのは…。

 虐待です。

■ 人に勧められて登ったルートは印象が薄くなる

私も大堂海岸で、スーパークラックはやっておいてよかったなとは思っていますが…。

これは、私は疑似リードで取りついた課題です。

しかし、自分で選んで登った5.8のほうが印象に残っている。登って楽しかった。何が課題か見えた。

長いハンドのスーパークラックのほうが私向きと分かりました。

■ 自分の基準で人を裁くとは?

ラオスへ行ったとき、13を目指しているヒロさんは、私が6Aでテンションして、スイマセンと言ったら、「俺らも同じよ」、と言いましたが…

体の性能は人それぞれです。その性能の限界にチャレンジしているときに、感じている感情は同じです。

ですから、ギリギリにチャレンジしているときのグレードは違っても、みな同じです。

私のギリギリが5.10Aで来ることは、クリップする余裕がなくて、ノークリップで抜けてしまう、ということからも分かると思います。

日本の大体の10Aではそんなことはありませんが、米澤先生の課題は辛いことで知られ、一本そんな課題があって、それは米澤さんの10Aだったので、多分10Aじゃない(笑)。
…cとかだと思う… 

これがグレードで騙される弊害というか、リスクです。辛い上にランナウトしていると、もっと最悪です。

あー、ホントあれは落ちなくて良かった…と思いますが、トポにその旨書いてあるか?というと書いてありません。本人が、俺の課題は、Rです。と書くかというと?書かないでしょう。

開拓者と言うものは、自分の作った課題を登ってほしいものだからです。

…という事情なので、頑張っていない子呼ばわりされると、大変、腹が立ちます。

その頑張っていない子呼ばわりですら、そもそも、そう呼ばわってくる人が、共感力というよりも、そもそもクライミングに対する理解力が低い、ということに起因するのですから…。

つまり、自分は全然ギリギリを登っていないくせに言っているのですから…。

■ エリートが作った岩場

日本の岩場は、基本、昔のアルパインクライミングのエリート族が作ったものが多いです。

で、5.12を登れるようでないと、そもそも楽しめないようにできている、とあの北山真さんも著書の中で述べています。

この問題の回避のために、初級クライマーはみんな海外に行くんですよ?

理由は海外では、5.9は5.9のクライマーのためにボルトが打ってある岩場があるからです。

でないと、5.12を登る前に死んでしまいますよね?

私はすでに頑張って、心がすり減っただけでなく、右膝や左のアキレス腱は、もう生贄に差し出した的な様相です…、つまり頑張りすぎ、です。

クライミングではまるでお荷物みたいな扱いを受け、なんだか頑張りを理解してもらえなかったので、納得がいかなかったです。

その上、なんで私をお荷物扱いする人に、国際ガイドをしてやらないといけないのでしょう??? 私のスキルはハードアーンドです。仲間でしょーとあなたが主張するだけ仲間待遇は、もらっていないです。仲間でしょう、を主張する人ってテイカーですよね?基本。

今水泳で、他の人からみたら、ホントに初めてですか?と言われるくらい上手に泳げるので、クライミング、別に下手くそでないんじゃないかと、先述の米国人クライマーと比較しても思いました。

ただパワーがないだけなのです。そんなの女性であれば当然です。女性は男性にはなれませんし、なりたいとも全く思いません。

私は握力17Kgなんですよ?握力65kgの人がクリップ飛ばすガバで、飛ばせずクリップしたいのは当然かも?

というわけで、理解力が問題だという結論です。こんなの、ジム壁登っていても分かるようなことですけど?

2023/03/29

【開拓者向け情報】ボルトルートでも終了点だけ打つという戦略

 ■ 終了点だけ打つ

昨日、中島さんに、ボルト提供を打診したら、

  終了点だけ打っているから大丈夫

って返事だった。

 さすが、考える人は考えているな

と思った。

■ へたくそな若者クライマー

米澤さんがクラックの横にボルトを打ったのは、

 最近の九大山岳部クライマーはカムをきちんとセットできないため

だった。

  自分がクラックを登るときに要るから…じゃない。

つまり、若い人のスキル低下のため。

たぶん、九州の終了点が奇天烈なのも、若い人の知性のレベル低下で、ヌンチャク2個終了点に使う程度の常識すら、きちんと実践できないので、諦めて、人工壁スタイルにしているだけ。

結局は、若い人の側に寄り添った結果なのである。

■ 人は必ず老いる

人は必ず老いる。老いれば、登れなくなる。

登れなくなれば、昔余裕で登った課題も、余裕ではなくなる。

余裕でなくなれば、ボルトが欲しくなる。

ボルトが欲しくなれば、ミニマムボルトの原則は守れない。

ミニマムボルトの原則が守れなければ、クライミングとしては堕落の道を歩んだことになる。

さて、どうする?

■ 終了点だけ打つ、という解決策

若い人が、画家の絵をなぞっているだけの、模写のようなクライミングで満足しているのは、それしか知らないためである。

つまり、ボルトを追いかけるクライミング。

ボルトを追いかけさせないためには?

つまり、ボルトがなければ良い。

しかし、ここがルートであるということは示したい。

   結論: 終了点だけを打つ

これは、クラックと同じスタイルである。

■ 年配のクライマーはトラッドクライミングの教え方を知らない

私の師匠の青木さんが、背の低い私が自分のカムのセットが必要だということが分かっていなかったように、 

一般的な年配のクライマーは、トラッドクライミングの正しい教え方、は知らない。

自分だって教わったことがないからだ。

トップロープクリーンで登れた後は、疑似リードが必要だ、という認識すら無い。

一言、「俺は疑似リードが嫌いだ」

で終わりで、ボルトの間隔というものが、個人差の産物、であるという認知をする能力やそのための経験をする機会、そのものがないためだ。

そりゃそうだ。

人のカムで登った経験が皆無の人ばかりなのである。老年期になっても登っているクライマーというものは。

つまり、俺のクライミングの歌、は奏でて来たが、人のクライミングの歌を聞いたことは無い。

例えば、ギリギリボーイズの伊藤仰二さんが、いつも師匠とふたりで登っているアイスクライミングに来たことがあったが、彼と比べればいくら、アイス歴40年の師匠でも、どう考えても技術は伊藤さんが上だろうと思うが…

それでも、伊藤さんが、師匠の打ったスクリューを活かして登ってくれた。つまり、年配者を立て、譲ってくれていた。 

日本では、若年者は年配を立ててくれるもの、なのである。 

伊藤さんのほうが師匠より実力が上だからやってあげることができるが、まだリードクライマーとして修行中の私には適切ではない。私には私の安全が第一なスクリュー配置が必要だからだ。

そこは、どうあがいても、年配のクライマーには理解できない。人のスクリューで登るほうが、簡単だと思っているからだ。 そりゃ打つ手間は省けるかもしれないが、リスクが少ないか?どうか?は身長による。

■ ベテランクライマーはフリークライミングのことは知らない

つまり、ベテランというのは、人の作ったルートを登って、この人のクライミングの歌はいい歌だなぁ…と、実感するようなクライミングのレベルまで行っていない。

現代のクライミングの歌は、岩の場合、おおよそ5.12以上で奏でられるためである。もちろん、それ以下でも良い歌はある。例えば、屋根岩2峰などは色々なスタイルの歌が聞けるルートとして有名だ。

が、そんなの、若いときの右も左もわからない頃にすっかり登っちゃって楽しかったーで終わりで、後は自分の歌を奏でる方しか興味がない。

俺は俺の好きに登るぞーというのが誰だって、定年後は楽しいわけである。

一方で、歳を取っているから、もう難しいのは登れない。

例えば、湯川だったら、10cのフィンガーなんて、出だしからずっとテンションで、普段スイスイとインスボンをリードしていたからって、トップロープ以外、無理なんである。

なんなら、女性の方が指が細いから、君、これ、いけるんじゃないの?くらいな勢い。

最初の師匠の鈴木さんなんて、トップロープを自分に将来貼ってくれる人を育てていると公言していたくらいである。ずっと登り続けるには、そうする必要があるからだ。

クライマーなんてそんなもの、現実主義者なのだ。

当然、年を取れば誰だって過去よりは登れなくなる。

■ 岩を汚すよりは

とはいえ、岩場の開拓をするような、効率の悪いことに時間を費やせる、ゆとりがある人が昨今いない。

世の中の労働市場は、労働力不足であえいでいる。

というので、定年退職後の人の出番となる。

日本の岩場は、開拓されつくされたというのが、一般的な見方だ。

残っているルート=落ち穂拾い。

歩く手間をかけて丹念に探せば、いいのだが、その時間がないとなると、既存ルートの隣にもう一本作ろうということになり、ルートの人口密度が濃くなる。

すると、分かりづらくなる。

それだけでなく、限定、とか付けないといけなくなる。

は?って感じになる。ここ人工壁かよ!ってことだ。

一方、到達までに6時間かかる岩場では、誰も遊びに来てくれない。例:前穂北尾根

というので、このような状況下で一番良い解決策は

 岩場を見つける 

 初発見者権限として岩場に発見目印をつける (=終了点)

 終了点だけ打つ

という手だというのは納得した。

■ 適正ボルトの時代変化

そもそも、適正ボルト間隔は、昔は、身長が日本の平均男性の160cm前後に合わさっていたと思われる。

しかも、エイドのルートだと、特別のっぽだった人が、お前がいけ!と言われて登っていたわけで更に遠くなっており、170cm以上の人に合わさっている。

ところが、現代では、子供も登る、女性も登る。 

それでは、現代では、ボルト間隔が遠すぎる。

つまり、140cm前後から必要になる。 

しかし、140cmの人向けの間隔でボルトを打ったら?

人に親切にしたのに、俺がチキン呼ばわりされる。

それは受け入れがたい。

もしくは、ミニマムボルトの原則に反しているだの、との批判を受ける。

そもそも、そんなにミニマムボルトがいいなら、ボルトが嫌な人は、すっ飛ばして、フリーソロしてくれよ、と思うが、そういえば、喧嘩腰になる。のも、得策ではない。

めんどくさいことをすべて避けるには?

 終了点だけ打つ

これで解決なわけである。

米澤さんは、終了点は打っていたが、全然使っていなかった。立ち木にぶら下がって開拓しているから、自分の継続トレーニングには、その立ち木で別に十分だからだ。

だから、私もそのようにしている。ボルトはいらない。

なんせボルトのほうがカットアンカーだから信用ならない。別に、立ち木で懸垂で降りれるからいいのである。

しかし、ボルトがないと

 そこがルートだ

ということが示せない、ということなのだ。

これは、この終了点がないとルートだと認識できない人のために完全なる募金、なのです。

なんせ自分にはいらないわけですから…

大したクライマーでもないとすでに明らかになっている年齢の人が、開拓者のエゴを主張して、限られた岩場資源を独り占めしようとせず、後世の

 ちゃんと現代レベルで登れる人に、国際レベルでの適正ボルト

を打ってもらうほうがいいに決まっている。 

その時のために若い人はせっせと海外の岩場にでて、

  国際グレードのグレード感の吸収

に勤めましょう。

海外旅行は大変疲れます。海外で移民として暮らすのも、若いときは、言葉もあっという間に覚え、楽勝です。

が、年をとると、言語・文化の吸収能力が下がっているので疲れます。

若ければ若いほどいいわけなので、海外でできるだけ多くの岩場に触れましょう。

そして、その知見を成熟してから、日本の岩場に持ち込みましょう。

これで世代間連携はバッチリです!

《関連記事》

クライマー別カム配置の考察

https://allnevery.blogspot.com/2019/08/blog-post_68.html 

トラッドのリード習得法

https://allnevery.blogspot.com/2023/01/blog-post_11.html

ロープの伸びが配慮されていないボルト配置 → エイドルートなのでしょう

https://allnevery.blogspot.com/2022/01/blog-post_4.html

ラオスのメモ

https://allnevery.blogspot.com/2016/11/memo.html

2023/01/31

クラックの習得の仕方でコンフリクトがあったこと

湯川

トップロープクリーンで登れました → 誰が考えても疑似リードの段階 

なのに、青ちゃんが疑似リードが嫌いっていう理由だけで、なぜ、俺がセットしたカムでピンクポイントしろ?って思った。ので説得するために、背が低い人には、その人にマッチした位置にピンが必要であるというブログをわざわざ書くはめになった。

納得ができないことは、テニスならやってるけど、クライミングではやってはいけない。クライミングの場合は命がかかるので。クライミングで自分軸を外すと命取り。



2023/01/11

トラッドの習得 クラック(カムセット)の習得の仕方

■ 信頼できる筋からの情報 (コピペです)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

トップロープでクラックの概要を知る

トップロープでバックアップしながら、カム類をセットしながら登ってみる。

自分がセットしたプロテクションで落ちてみる。当然、トップロープでバックアップあり

1番上のナチュプロ吹っ飛ぶ

どこが悪かったのか考えさせる。

修正しながら上まで抜けさせる

リードでセットしながら登ってみる

無事にRP

ーーーーーーーーーーーーーー

注意事項: めちゃくちゃ時間かかる。13クライマーでも初級クラックで、パンプアップでRPならず、ということもある。グレードと関係ない。

■ 納得を深めた

やっぱりなぁ…。私は、

 クラックで人権侵害を受けた から 希死念慮 が出るようになったんだなぁ…

と超・納得しました。

■ トップロープで登れたからハイ!リードね!って変ですよねぇ

私は湯川でクラックは二日程度登り放題をしたのですが…そのあとが、いきなりハイ、リード(汗)… それは、いくら何でも、突然すぎるだろーというので、師匠の青ちゃんに抵抗しているところで、クラック行脚は終わっています。(俺の設置したピンクポイントで登れ)

でも背の高い人が設置したピンクポイントのカムって、背の低い私にとって全く届かず意味なしなんですよ。それはUIAAのスティーブもだよね~と言ってくれましたよ?やっぱり私の理解はあってるじゃん?

デゲンナー5.8とか、城ケ崎のファミリークラック5.8程度、とか、モツクラック5.9とかは、オンサイトしていますが、オンサイトだから、カムへの信頼があるわけではない。

で、私の必要なのは、プロテクションの設置力と落ちて大丈夫なセットを覚えるところですが、その教え方が…

大丈夫だから、落ちてみなー 

では、その大丈夫の根拠がないですよねぇ?

一般には、カムにスリングかけて、トップロープ状態で、落ちてみるんですが、それって、激痛&腰痛路線ですよね(笑)? なんせスリングって伸びがないんで。

カムエイドで登ったり下りたりしているので、まぁ何となくは、カムへの信頼は育っているのですが…。

私が、油山川の10bは、TRではスイスイ登るのに、リードになったら長時間かかっている、というのを見て、

 「なんだよー サッサと登れよー」

みたいなビレイをされると、こんな心理的寄り添いのないビレーヤー(つまり頼りがいの無いってこと)だったら、一人で登ったほうがいいな、とか思っちゃうんですよね…

いや、正直、そうでしょう…。一人で登るよりマイナスですよね。焦らさせられる分。

■ トップロープ+リード =疑似リード

疑似リードも大堂海岸でやってもらったのですが、あんまり意味がなかったですよね。

なので、色々工夫はしてくれたと思うので、一応努力はしてくれた、ありがたかったとは思いますが、たぶん、ポイントがずれているんだろうな。子供がいない男性=父性の欠如。つまり、相手に寄り添って待つ姿勢はない、ってことです。俺と同じになんでできないだ?あ?って、なるってこと。でも、成人男性の体力や肉体の壊れにくさって、人間の中では一番でしょう。同じ基準で女性を裁かれても…

やっぱり、自分の命は自分で守る原則を考えると、疑似リード、1本、2本で、クラックのリード修業が終わり、さぁリードしなーっていうのでは、あまり根拠があるクライミングではないな。

まぁ、本人は、カム3つ飛んで止まったっていうのが、どちらかというと

 自己肯定感

につながるタイプなので、本人はなんで私が嫌なのか?理解できないと思うのですが、私は嫌なものは嫌なので、永遠に平行線だと思うんですよね。

というので、岸良で私の課題のクラックをビレイする気がないと分かったので、一緒には登れないなと思いました。

岸良のボルダーの方では、私は大幅に自分の安心安全感覚をゆがめて、5級のハイボルダーでは、オンサイトしているんですが、あれを「あのクライミングは…(ダメクライム)」と評価していなかったことも、マイナス要因になりました。

■ 弱気に登るのが自分らしい登り

弱気に登るのが私らしい登り方なのです。アイスだって、めちゃ弱気に登って、ちゃんと6級がスイスイ登れるようになり、私のムーブは二重花丸なのですから…。

自分らしく登ってもダメ判定、頑張って登ってもダメ判定、ならどう登っても、彼からはダメ判定しかもらえないということで、結局、励まし合い、ではなく、一方的に私が相手を励ましている関係になります。相手からは永遠に、ダメな奴だなぁ…というフィードバックしかもらえないって意味ですね。

それは、イケイケの人からしたら、イケイケクライミングだけが正義、だからです。

以前、城ケ崎で、かなり怖いクライミングをして吠えていました。ビレイしていた人は、「一生で一番怖いビレイだった」と言っていました…。つまり、ビレイヤーが私でなくても、「もう!怖いな~」ってクライミングだってことですよ…。ビレイヤーする側にも、心理的負担を強いているクライミングってことです。

と、以上のような理由で、

  心的エネルギー枯渇

していたので、新型栄養失調が重なり、鬱になりましたが、最近はだいぶ回復しました。

クラック登りの習得、カムの習得については、言質が取れたので、今後はこの方針で頑張ればいいだけになりました。あー、良かった~。

           岸良の楽勝クラック 肉離れ中に登った

PS 台湾も良きクラック課題があるうえ、スポーツルートもあるので、おススメです。

非常に易しいレベルから登れる。

2022/10/02

自由の世界へ…倒立の会の Hisashi Watanabe 存在がインスピレーション!

■ サーカスだんvol.2ゲスト渡邉尚&儀保桜子

この動画は、昨日倒立を教えてくれた渡辺先生の動画ですが、彼の

 身体知

に対する考えが上手に語られています。どんどん頭でっかちになっていく社会の中で、

 体の使い方についての知識

は忘れ去れる方向にありますが、人は、動くから、動物。静物じゃなくて、動物、なんですよね?

人が人として生きていくことの半分くらいは、動物、動くものとしての本性を全うしてい行くことにあると思います。

倒立も、クライミングも非日常の動作ではありますが、足で立つ、を 手で立つ、に変えてもいいし、

 水平面を歩く、

を 

 垂直面を歩く  (→ 2点のカウンターバランスが必要になる)

とか、

 オーバーハングを歩く、(→ ボディテンションが必要になる)

に変更してもいいのです。 

     ルーフを”歩いている”私 私ができるんだから筋力じゃないですよねぇ?

ちなみにルーフでは、リードのほうがえらい、は覆されます。ロープが前に出ていても、後ろに出ていても、一緒です。落ちたら終わりです。

■ 自由とは?

動画では、自由とは何か?が語られています。

誰も見ていない”世間体”とか、どこにもありもしない”普通” に囚われている日本人には、本当の意味の

 自由

は、ヨーロッパくんだりまで行かないと、疑似体験できないものかもしれません。 

フランスではアートが強く保護されているそうで、その

 金魚鉢の中での自由

であるようではありますが、自由を疑似体験した後に、

 実践

しているのがえらい。と思いました。私も若いころ、疑似体験までは行ったと思いますが、その後、日本に帰国して、

 不自由の中の自由

です。心は自由だな。周囲の人を見てそう思いますが、それが気に食わない人の攻撃がめんどくさいです。

 

■ 世界のユージだってヨーロッパに7年放浪

さて、若いクライマーの皆さんにお勧めしたいのは、

 できれば10代、遅くとも20代で海外で登ること

です。 

この動画を見れば、勇気が湧くでしょう。

 世界的クライマーの平山ユージさんが、7年のヨーロッパ放浪を経ていることは有名な話ですが…

わたくしも実は、海外方法組です。20代に張ったところで、2年のカリフォルニア…。

富豪だったんですねーとかいう人がいますが、私、母子家庭で3人兄弟。アメリカに行ったとき財布の中身2万円。バンクアカウント?なんのことですか?状態です。

そもそも、大学だって自腹で行っています。そんじょの親のすねかじりと同じに扱わないでください(笑)。

で、海外ですが。

アメリカの郊外とサンフランシスコ市内に暮した経験があります。

郊外へ最初は住み込みバイトで降り立ち、その後は、住み込みから、通いのバイトへ独立して、サンフランシスコの郊外からシティへ移りましたが、シティでは6回引っ越しました。

週に2日程度働いて、メキシコ人コミュニティで有名な、ミッションディストリクトに暮し、楽しくヒッピーライフを送って、英語を習得して帰ってきました。

2年いたのは、当初の予定の1年では、まだしっかり英語を習得出来た感じがなかったためです。一つの家庭に住み込んでいることは、最初のうちは必要な保護でしたが、1年後には補助輪外したいなと思うようになり、シティへ引っ越すことになりました。

初めて済んだ家は、ミッションのガンショップ2階。最初は、試し打ちした、という銃口だらけの壁にびっくりして、ここは危険かも?と思ったのですが‥、店の人に言わせると、

「銃の販売店だから、毎日、警察官が立ち寄る。うちほど安全なところはない」

という話だったので、それもそうかも?と思い、安心してそこへ住むことに。 

それで、しばらくミッションにいたんですが、暮らしやすかった。メキシコ人のコミュニティで、物価も安く、必要なものは、ゲイの人のためのスリフトショップで、ボランティア活動していれば手に入りました。

ミッションはアーティストの住処でもあったので、ミュラルやアンティークショップが多く、私の好みでヒマつぶしには事欠かず。

気に入ったカフェは、レズビアンがやっているカフェだったのですが、常連だったので、コーヒーとサンドイッチで午前中いっぱい、辞書片手に英語の勉強…ほかの常連さんが、分からない英語を助けてくれました。

サンフランシスコは、伝統的に日系人が多い町なので、日系人の家庭に介護の仕事に行ったり…、主に英語しか必要でないことを着眼点に仕事は決めていました。なにしろ、英語を勉強しに行ったのに、英語話さないで済む仕事しても意味ありません。ので、日系の日本食レストランでのバイトなどはスルー決定です。

色々、楽しく、無償の仕事=ボランティア&有給の仕事を合体した体験学習みたいな感じで、暮らし、ミッションの他、ステートユニバーシティがある、Ingelside heights, Presidio heights, Bernal heights, HeightAshubery, Richmond などに住みました。


 英会話学校のボランティア生徒役をしたら、あっという間に上達し、みんながビックリした。そういえば…。

英語学習ソフトのテスターもやりました。当時からソフトウェア開発部のテストやってたってことになりますね。 

運転免許はアメリカではじめての免許を取りました。フリーウェイは広いので初心者向きです。

郊外にいたころは、アダルトスクールに通っていました。日本人は自意識では英語ができないと思っていますが、世界のみなさんは、今からABCを覚えるレベルなので、クラス分けされると上級クラスです。なのに、恥ずかしがりで正解でないとしゃべれないので、なかなか英会話力が身につかないですよね。

恥ずかしさを克服するポイントは人それぞれと思いますが、日本人だけの中学校の英語のクラスでは、英語らしく発音すると馬鹿にされるので、誰も

 できることをできるようにやらない

のがネック。つまり、みんなと同じへたくそに収まっていないと仲間外れにされるので、

 仲間でいるために下手くそになりたい!

というのが本音なのが英語。

そこを、ちゃんと英語が話せるようになりたいのは、私自身の真の願いだ!

ということに変換できないと、当然ですが、英語が話せるようにはなりたがっていないので、話せるように当然のようにならない。

英語が話せるようになりたいのは、一体誰なのか?

自分である。

という自覚が必要なのが英語の習得です。

若い人頑張ってね!

私はとっくの昔に習得したので、今はちょうどよい機会なので

 倒立、頑張りまっす! 

先生がダンサーなのが嬉しかった☆

2021/08/31

他者評価と自己評価

昔に自分で書いた記事がFBからアップされた。自分でもよい内容だと思ったので、あげておこうと思う。これを読んで、誰かほかの人の”登れる判定”で登らなくて良かったと思った。

何が登れて何が登れないのか? あるいは、何を登りたくて何を登りたくないのか?それを決めることが自己責任、ということだからだ。

一般に

アルパインクライマー=登れるところを登るのが自己責任、であり、

フリークライマー=登れないところを登りたいと思うのがクライマーに足る情熱ある態度

とされている。その混乱が日本では見受けられ、アルパインの流儀でフリーのルートが開いてあって、フリーしか知らない現代初心者クライマーを危険に陥れている。多くのクライマーはそこを理解するのに時間がかかるので、一定数が事故ったりなんだりで亡くなっている。

■他者評価と自己評価

私が自分で思っている登れる感(自己評価)と師匠が思っている登れる感(他者評価)が、大幅に違うので、そこに少しリスクを感じています。

例えば、アイスですが、私はまだ醤油樽の滝のリードも終わっていないのに、相沢55mのリードが来て驚きました… 

一応、断っておくと、先輩や師匠と言うものは、登れる!と思わない限り、後輩にリードを勧めないものなので、55mリードできると思ったんでしょう。

一方で私が満足したリードは広河原沢の中央ルンゼに行ったとき、勝っちゃんのビレイで登った滝。4級でそんなに大きくない、たぶん20mくらい? ロープだいぶ余ったので。

上手にロープの流れを作ってリード出来たよな~と自画自賛中でした(笑)。大した滝でないので、シラケた顔してたよなー 青ちゃんは。

乗鞍の滝に行ったときも、こんなの、何がいいの~くらいなノリだったよな~

というので、安全マージンというか、何に達成感を感じるか?というのは、

初心者は先輩が思うより、すごく小さくても、しっかり達成感

なのかもしれません。私は10m→20m→30m→40m→50mと成長していくつもりだったというか、それが死なないための秘訣だと思っているので、10m→50mになると、喜ぶというより、”んなわけないじゃん!”という反応です…すいません。

先輩に、「その場合は楽勝そうに登ったらだめだよー」と言われたんですが、アイスって、登るための苦労の90%が、スクリュー打ちなので、それがないトップロープだと誰でも楽勝モードっぽい登りになってしまいます。

ので、私は疑似リードがしたかったのですが、それはできなかったので、いつまでたってもリードに必要な技術が身につかないということに…

岩に置き換えると、やはり、クライミングの初期から、5.6でいいので、リードしてプロテクションやランナウト等を学びつつ、傾斜をきつくして困難度を上げて行くのがいいのかなと思います。登攀距離は自然に伸びると思いますし…

大変なのは、フェイス、スラブ、ハング、クラック、ワイド、とタイプの違うクライミングのすべてで、それをやって、苦手の部分がないクライマーになることで、一般に現代クライマーは、フェイスやオーバーハングは人工壁で登れるので得意で、スラブやクラック、ワイドは下手くそになりがちだということです…

苦手克服には、簡単なところから

 登れる自信&落ちない自信

を積み上げるしかないんですが、土地柄や環境に左右されます。




2021/07/05

ボルト強度がない + 技術ない = 死へまっしぐら

 ■心理的安全性どころか

九州には、師匠とのクライミングを一年やって、なんとか疑似リードで5.9のトラッドがリードできるのではないか?という段階で移住してきたわけですが…

そのような段階にあるクライマーにとっては九州は心理的安全性ゼロどころか、リアルに身体的安全性が脅かされる場でした。もう証明済みです。

こちらは私が技術と仲間を求めてお尋ねした会のリストです。名前を上げると苦情が来ると思いますので、知っている人にだけ分かるようにしていますが…技術低下は著しいです。

1)想〇会 読図力ゼロレベルで槍に登りたい中高年登山全盛なので、アルパイン指向の人は参加無駄です。逆に丸腰でロープがいる場所に挑む、と言うことになっている。

2)ピ〇クル 若い人の会ですが、ロープワーク講習会でけが人だしそうな勢いでリスク管理意識が乏しく、技術的な補充もないので、危険です。結果的にハイキングしか行かない(いけない)になっている。冬山合宿の季節に常にアドバイスを出す側になっています。数年見ていますが一向にレベルアップしない(できない)その前段階で何をすべきか?わからないようです。

3)福岡〇の会 オールドスクールのクライマーさんがいる歴代、人材輩出の会ですが、二人一緒にビレイ、など技術の低下が著しく、若い人はそれを正解だと思って技術習得してしまうことで、むしろ害悪になっているようです。きちんとした継続的なクライミング技術習得への道筋が立っていない。誰も本州の文登研などの研修に参加しないのではないでしょうか。

4)フラ〇ベ 一番まともですが、若い方がかわいそうに支点ビレイされていた…私もされる羽目になりそうで怖くて行けない。

5)ムー〇 フランベの前身ですが、技術の内容が古くて現代クライミングでは…みたいなことになっている… とにかく九州は情報が古くてガラパゴス化しているのが問題です。背の低い女子に向かって、エイドで鍛えてやる、と言われても、誰が私をショルダーするんですか?みたいな話です。

■ 頭7針

私は九州に来る前に、クリックアップで落とされて頭7針、縫っていますので、かなり慎重化している段階で来ました。

思えば、死なない程度のこの怪我で慎重になっていてよかったです…(><)。

私は、開放性が高く、人を信頼しやすく、自己責任比率が高くてあまり相手を責めない体質なので、殺されないように、このような経験が与えられたのだと思います…

九州では、もう一回目の外岩でグランドフォール(クライマーもビレイヤーも悪くない、タダのランナウト)を見たり、

初めての日向神でリードした5.9が10bだと言われたり… 

オールドスクールクライマー達の超怖いビレイを見たり…

ホントに胃がキュッとなる経験が多かった…。

 ダラリンビレイどころか、支点ビレイとか、二人一緒にビレイとか、お座りビレイとか…。

ダラリンビレイなんて可愛いものですね、状態でした…。

もう、九州クライミングってさんざんレベルでしたねぇ…

何に対しての恐れなのか?そりゃ、リアルに殺される恐れでしょう(笑)!!


2021/06/01

クライミングが執着化していないか?

 ここ数年ほど、長く考えていることは、

クライミングが、執着化いないか?

ということです。

クライミング愛というと、良い意味に取られるのが、西洋的捉え方ですが、東洋では愛は執着です。ですので、必ずしも良いものではないです。

本音を言うと、もうクライミングめんどくさすぎで、私の人生を豊かにするよりは、単にややこしくしているので、さっさと終わりたい、ということもあります…

ただやり終わっていない仕事があり、それが私の後ろ髪を引いて、終わるに終われない…

そんな葛藤の中に4年ほどいます。運動という意味では、バレエという別の趣味もあったので、バレエ天国の福岡にいることだし、復帰してみようかなとしたのですが、いつでも戻れるということを確認しただけでした… もう賞味期限が切れた趣味だった。


クライミングが、思い通りにならない、ってあるのだろうか…??? うーん…

思い通りに頼れるビレイヤーとの関係を築いた、という経験がないかもしれません。というのは、青ちゃんとの間では、私はあまりチャレンジをさせてはもらえなかったからです。

チャレンジという意味では、先輩の荒木さんが、小川山レイバックを初めて登らせてくれたことに落とし前をつけてくれたというか、赤のカムでのカム落ち練習や大堂海岸でのスーパークラックでの疑似リードなどをしてくれ、先輩として、きっちりビレイしてくれたなぁと思っています。いや~、三倉で入門クラックリード、あれはギリギリだったなぁ…。そんなこんなで、けっこうギリギリリードは、大安心の先輩のビレイで登らせてもらっているので、感謝。

疑似リードの量やカム落ち練習の量、あるいはムーブ習得にかかる時間、などは、

 ”質量的問題”

があります。この質量を本人に判断させるのが大事だと思います。

私の最初の師匠の鈴木さんも、私がトップロープで登っている様子を見て、アイスリードさせれると思ったみたいで、いきなりリードでしたが…リードが怖い人が、怖いと思っている理由は、怖くない人は、よく話し合って聞き取りしないと、思ってもいない理由です。

例えば、私は握力が弱いので、回収する側でもけっこう大変で、スクリュー残置したことががあり、リードで登るほうだったらなおさらだなと思っていました。効率を求めるマルチで、リードする場合には、アイスだとほとんどの時間のロスがスクリュー…スクリュー埋め込みに時間がかかるとそれだけで、パーティ全体のロス時間です…

そんなこんなで、スクリュー設置が楽になるギアを持っているおじさんと意気投合したりしていました…おじさん曰く、年を取ると、男性でも握力が下がってスクリュー打ちが大変になるのだそうです。

話がそれてしまいましたが、クライミングのどのようなスキル要素でも、

 習熟に要する時間は人それぞれ

なので、その人それぞれの部分を個人のニーズに合わせないと、リスクが増えます。

スポーツクライミングなら、”クリップ動作”とか、あるいは、トラッドなら、”カム選択の素早さ”とか。カム設置、も熟練が必要です。その熟練はカムエイドで作る。

■ 慈悲

慈悲は愛の対立語です。

愛: 自分が起点

慈悲: 相手が起点

 クライミング愛=自分がクライミングを愛している

 慈悲で登るクライミング=クライミングに自分の働きが必要とされている

〇〇さんは、クライミング業界に必要な人材だ、という言い方をされている人がいましたが…その意見には私は疑問があるな…と感じる方でした。というのは、初登者の権利の主張ばかりが大きく、その文字数、もっとクライミング事故の削減にどうしたらよいか?などにつなげてほしいと思ったからです。

私が思うクライミング業界に必要な人材は、井上D助さんですね…。頑張ってほしいと思っています。

ですので、私の慈悲は、差別的、です(笑)。


私自身は、私がクライミングで理解したことをまとめてしまって、早く別の活動に本腰を入れたいと思っています。

というのも、クライミングが私の生活を豊かで、思い出深いものにしている、という風には最近は感じられないからです。子供クライミング体験を除いてですが…。

しかし、子供たちのクライミングも、気を付けないと、すぐコンペワールドになってしまいます。幼いうちはそれで良いと思いますが…心身の健全な発達のため、なので…それがユースが終わるころ、20歳ころになっても、自分の職業的な身の振り方が分からなくなると、やはり問題かなぁと思います。

大事なことは、クライミングで食べることではなく、クライミングを通じて、何を学び、どう魂を磨いたか?だと思います。

クライミングに限らずですが…、すべては、魂を磨く、その道具なのです。

2021/03/01

アセントの種類がいっぱいありすぎて、よく分からない件

ヘッドポイント: 試登

ピンクポイント: カムプリセットで完登

レッドポイント: 何度も登って完登

グランドアップレッドポイント:

グリーンポイント:オールナチュプロ。残置無視。

オンサイト:初見で一撃

フラッシュ:人の登りを見てから一撃

ハングドッグ:ぶら下がってオブザベすること

ホワイトポイント:ノーテンのトップロープ完登

グランドアップ(ワンプッシュ):下から順に登る

講習スタイル:疑似リード

■ 既成ルート

私は開拓していて思ったんですが、開拓者はオンサイトしたくてもできないのです…

なので、既成ルートをリードしないって言うのはだいぶ損です。

せっかくオンサイトが可能なのに…

しかも、日本ではルートの数はとても限られているので、”リードで登れるようになるまで取っておく系” です。私はガマスラブはそうやってオンサイトしました。 

カサブランカとか、ジャク豆とか、練習用と決まっているようなルート???は、TRで登らせてもらって、段々と分かってからリードでいいと思うんですが…

そういう性格の以外は、リードでやらないと損した気分ですよね。




2021/01/02

心がすり減る対応=安心して失敗できる環境

 ■心がすり減る

クライミングでのリードで

 心がすり減る、

のです…。振り返ると…

1)三つ峠リード時代

ともかく落ちてはならんと当然のように思っているのと、そもそも落ちない程度なので、落ちるつもりは全くないので、ビレイヤーどころか、支点すら信用など一顧だにしておらず、まったくリード問題なし。むしろ、自分の作ったロープワークの支点がいいのか悪いのか、師匠の清高さんが評価(ダメだし)してくれず不満。(多分、OKだったんでしょう)

2)アルパイン的ゲレンデ時代(西湖の岩場)

ガイドの堤さんが整備した岩場で地元の山岳会では、年に一回の岩トレ(アイゼントレ)に使う。岩をクライミングシューズで登ったことがないのに、アイゼンで岩を登っていた時代。もちろん、クライミングシューズを履いたらリード楽勝なので、同期と20ピッチ目指してロープワークの習得で岩場に通っていた…ので、リードが怖いなんて、意味分からず…今思えば、3P 5.6。

3)リード怖い怖い期

そのまま、大ランナウトの3P 5.7の小川山春の戻り雪での練習にスライド。いや~、心すり減る!でも相方も信頼していたし…。自分を鼓舞していました。10Aのトムと一緒、登れず。

4)手繰り落ち

小川山屋根岩1峰で、10bにトライしてたぐり落ち。でも止めてもらう。2トライ目に完登。その日一番危険な人アワードを受賞する。

5)クラック修行

湯川。疑似リードさせてもらえず、不満を貯める。5.8だけリード。

6)小川山行っても登れるものがないんですよねぇ…な時期。

色々行くが小川山で私のリードに適した課題がない。このころ、三つ峠に行って楽勝で5.9をリード。あれ?みたいな楽勝さ。小川山の5.9は相変わらず、登れず。

7)ラオスに行って城ケ崎

城ケ崎でリードデビューしてみんなに一皮むけたね~と喜ばれる。ほとんどラオスで一皮むけたと思う。ラオスでは5cは全部登りつくし、6Aに行っていたころ。1日5~8本登る。小川山とエライ違い。

8)落とされる 頭を7針縫う

兜で。ちょっと違うムーブを試してみたかっただけなんだけど、落ちてキャッチしてもらえず、担がれて山を下りる。血みどろの岩場。そのあと、その場に行っていない…私の流した血はどうなったのだろう… 

9)残念ながら山梨時代を去る…ので日々登る生活お終い

ヨガの日々に入ろうとするも挫折し、九州クライミングは、本匠の山女5.10bを1墜落で2撃でRP。リードはしたいけど、えらい怖い。特に日向神。愛のエリア。夢中歩行、文字通り夢中。

10)槙尾山の岩場(大阪)

でリード三昧すると、師匠の青木さんがビックリ仰天。師匠が連れている男子は私を見てリードしようと取り付くが静止される。君はまだダメ系。青木さんはビレイを信頼できるので登れる。

11)師匠のビレイもダメかもしれんと自覚

佐久の岩場にサブガイドみたいな感じで呼ばれていく。なんだかイケイケの女性がいてドン引き。別のペアのだらりんを指摘したら、師匠が「まぁ、クライマーが確実だからええやろ」と言う…そういう問題じゃない…佐久では過去に2度、浮石を掴んで落ちた先輩をキャッチしていた私の心の声…

12)九州でリードを強いられる…

というか、九州って、この支点なんなん?っていう疑問自体が解決できない‥‥ので疑念が深まる…一方で安心は増えず。人工壁も外岩クライマー向きではなく、ピラニアは良かったなぁ~とかベースキャンプ行きたいーとか思ってしまう

13)だんだん支点の謎が明らかになる ボルトの謎も解ける

14)三倉で撃沈

15)龍洞に一人で行く

楽しく登って、やっぱプロテクションは自分で設置すればいいでしょとか思う でも海外なので落ちないクライミング

16)関東のクライマーと登って登りこみのすごさを知る

それと比べたら、私はギリギリをリードしている…と自覚。12登れるスキルのある人が10台みたいな安全マージンのぶあつさ

17)怪我も重なりクライミングお休み中

まぁ怪我もしたし、古いクライマーと一緒だと、ビレイヤーもボルトも信頼できないのだから、登る環境にない、と結論。

心がすり減る問題は解決せず… 一番解決したのは、ラオス。そもそも、登っているときに落ちることを考えていない。

落ちることを考えていると、本当に落ちると思う。夫とか甘えやすい人がビレイヤーになってくれないかと思ったりする。なにしろ、私がムーブと格闘している間に、世間話とかをビレイヤーがし出すと、きちんと観察してもらっていないのではないかと思って、安心できずに登れなくなる… じわーとしか登れないので、そんな登りだと、パワーロスにつながっている。それは分かるが、スタティックにしか取る気になれない。無邪気にデッドとかありえない…と思う…。

墜落して頭を縫った翌日ですら、負けてはいけない、と思って岩に登っていたが、今回は 負けてはいけないとは思えない…むしろ、負けるべき、と思えてしまう… 

対策がないまま、ボルダーへ。ボルダーもボルダーで危険でやっぱりやめた系。






■心がすり減る対応=安心して失敗できる環境
自分で流れを書いて納得。
三つ峠、大ランナウトの小川山、九州と、落ちること(=失敗)が許されない環境にいることが成長の足かせ。
落ちても大丈夫なところでバンバン落ちて、”失敗経験を積む”、”そこから自分の安全マージンを引き出す”というのが大事なことですね。

■二撃の事例

心がすり減る対策、で成功事例が2件ありました。1件は大蛇山。核心は2個あるのですが、1個目でクリップが遠いので、一旦降りて、再度トライしたら登れたのでした。その時は2撃で登れました。

小川山のボルダーで2段を登る先輩と初の4級を落とした時も、1撃目は一旦降りて、心を充満させてから再トライしたら登れたのでした。この時は登れるのは分かっていましたが、根性がいる系だ、と分かっていたので、一旦降りて、しばらくしてから登りました。先輩がビックリ眼でした。

この2つの事例は、普段の安全マージンから、より薄いマージンを取って登って成功した事例…

ここから、落ちるというライン…ここからは自分には無理…というラインの見極めが、落ちる経験がないと、ぶわーとした太い線になりますが、フリークライミングの世界と言うのは、その線がどんどん正確にシャープになっていく世界だと思う。これはダメ、これは行けるというのが明確化していくというか…

2020/10/09

誤解を受けることと無理強いされること

私がクライミングで、特に少し前まで登っていた人との間で起きたことで嫌だったことは、

TR派だと誤解を受けて非難されること



すでに無理しているのに、もっと頑張れと、無理強いされて心がすり減ること&体を壊す方向に無理強いされること

の2点でした。

先日、私が連れて行ったアメリカ人クライマーは佐世保勤務の軍人さんで、33歳でごっついパワーの人です。その人、愛のエリアの5.9夢中歩行はオンサイトできなかったんですよ? しかも、デシマルが始まる前の2ピン目で退却。

私は念のため、彼が岩慣れできるように、別の5.9トップロープを張ってあげ、さらに5.10Aも登らせてあげたのに…。

私の日向神一本目は、この課題で、1ピン目はるか遠くです。降りて来たら、クライマーに、「これが遠いって文句あるなら、この岩場に来るな!って意味だよ」と言われました。男性です。

私は152cmなんで、同じスタンスに立っても届くところ違います。マスターとぬんがけリードはエライ差です。しかも、一回リードで落とされて、頭縫っています。血みどろの岩場になって救急車です。身をもって安全とは何か?学び中です。

■ 何を登るべきか分からない は真実だが…先に教えたらいいだけ

クライミングで、新人さんや、その岩場に詳しくない人は、何を登るべき段階か?分からないというのは真実です。

なので、これを登ったらどうお?というのは親切です。

私も大堂海岸で、スーパークラックはやっておいてよかったと思っています…。これは、なんで俺が…という感じで、しぶしぶ、後輩思いの先輩が登ってくれ、私は疑似リードで取りついた課題ですが… でも、自分で選んで登った5.8のほうが印象に残っているというか…。

登って楽しかったというか、何が課題か見えたというか… フィンガークラックは大堂海岸では辛い…。長いハンドのスーパークラックのほうが私向きと分かりました…。

ので登っておいてよかったですが、だったら、最初に来れは前に登って快適だったハンドだから、登れるところまで登ったら?と言ってくれたら、自分の意志で取りついたかもしれません。

■ ギリギリにトライしている気持ちは同じですよ、当然でしょ

ラオス行ったとき、13を目指しているヒロさんは、私が6Aでテンションして、スイマセンと言ったら、俺らも同じよ、と言いました。

体の性能は人それぞれですが、性能の限界にチャレンジしているときに感じている感情は同じです。ですから、ギリギリにチャレンジしているときのグレードは違っても、みな同じです。

私のギリギリが5.10Aで来ることは、クリップする余裕がなくて、ノークリップで抜けてしまう、ということからも分かると思います。大体の10Aではそんなことはありませんが、一本そんな課題があって、それは米澤さんの10Aだったので、多分10Aじゃないです…cとかだと思う… (あー、ホントあれは落ちなくて良かった…)

というので頑張っていない子呼ばわりされると、大変、腹が立ちます。

…しかも、その頑張っていない子呼ばわり、そもそも、そう呼ばわってくる人が、共感力低い、つまり、相手の身に立てない、という欠点のためなのですから…。

日本の岩場は、基本クライミングのエリートが作ったもので、エリートでないと楽しめないようにできていると、あの北山真さんも著書の中で述べています。

ので、私はすでに頑張って、心がすり減っただけでなく、右膝は、もう生贄に差し出した的な様相です…頑張りすぎ、です。

クライミングではまるでお荷物みたいな扱いを受け、なんだか頑張りを理解してもらえなかったので、納得がいかなかったです。

今、水泳で、他の人からみたら、ホントに初めてですか?と言われるくらい上手に泳げるので、クライミング、別に下手くそでないんじゃないかと、先日の米国人クライマーと比較しても思いました。

ただパワーがないだけなのです。私は握力17Kgなんですよ?握力65kgの人がクリップ飛ばすガバでクリップしたいのは当然かも?

2020/08/27

フリーで適正ボルトを知るための4級アイスのリードへの進み方

■ プロテクションを打つとすると

アイスはプロテクションを自ら打ちます。一方、岩ではプリセットされています。プリセットされた岩に慣れてしまった人に、そうでないクライミングを教える場、としての体験アイスを考えてみたいと思います。

■ リードするのに必要な最低レベル

アイスもフリーが登れる人と登れない人では、だいぶ進歩具合が違います…一番お勧めなのは、

・フリーで5.11がインドアジムで登れる
・赤岳レベルの雪山が個人で貫徹できる

という前提を作ってからアイスへ進むことです。体験レベルであれば、これらの条件は解除するしかありませんが…。

■4級はどんなレベルか?

4級のアイスクライミングというのは、今日この日、全く初めてアイスクライミングをした人でも、トップロープならノーテンションで登れるという難易度です。

ですので、もしアイスでクライマーになりたい人がいた場合は、安全管理の面からも、4級がトップロープで登れない人は、ジムへ戻り、赤岳レベルの雪山と併用でトレーニングをしばらく続けた方が良いと思います。アイスで一番事故が多いのは2級、つまり歩くところだからです。ムーブ的にもかなり違います。

誰でも登れるはずというのが4級ですので、4級で落ちるようであれば、まだアイスへ進む準備自体が十分できているとは言えない。つまり、外岩の5.9みたいなものです。(一般にフリーへ進む前提条件は、5.9トップロープでノーテンション完登です)

■ 余力がいる=リードで覚えることは多い

トップロープならノーテン登れるという状態は、クライミングムーブだけを見た時、そのクライマーにとってリードへ進む、余力は十分、ということです。

つまり、リードするのは、他に覚えることがいっぱいある、ので余力が必要、その余力は、ノーテンかどうかで、見極める、ギリギリ具合で見極めるという意味です。

覚えることの中身は…書くと長くなりますので端折りますが、一言にまとめると

 アイスのリード負担は、ほとんどプロテクション

です。ので、

プロテクションの数が多いほうが負担は重く、
プロテクションが少なく登るほうが負担は軽く、

つまり、

 少ないプロテクション=少々手を抜いている

ということです。

■ 駆け引きの中身

自分がどの程度手を抜いて許されるクライマーか?

というのは、

自分が決めます。

この点が、かなり、自己責任具合が発露されるもの…

  氷との駆け引きでもあり、自分の弱さとの闘い

でもあります。弱いと手抜き工事をして、うっかり落ちたときに、最後のピンが、遠~かったりしたら…いや~考えたくないですね。

ただアイススクリューは、見た目よりは頑丈です!脆弱なのは、氷のほうです…。

つまり、氷の質の見極めが、安全にはとても大きな要素になります。気温も関係します。一日の中で、いつリードしているか?というのも重要な要素になりますし…

さらに、どこをリードするか?というライン取りから、リードはスタートです。

■トップロープの時に、このリスク計算に思い至らないのが問題

トップロープで遊んでいるときに、このようなことを考えておけるかどうか?というのが問題です。

たいていの人は、考えておかない…。

ので、いざリードとなった時に、せっかくの経験が積みあがっていないということになります… ので、一度でいいので、初心者時代にリードのまねごとをした方がいいです。その後のトップロープ時代が無駄にならないようにするためです。

■ 岩との駆け引きを理解するためのアイスリードだとしたら

岩場の開拓者のために、適性ボルト間隔を理解するため、打ちながら登るというのは、どういうことか?を理解するためのリードであれば、高難度をリードする必要はないのですから、例えばすでに岩で高難度を登っているクライマーであれば、しばらくTRをすれば、登攀自体はあっという間に身につきます。

で、アイススクリューを打ちながら登ってもらう…その場合は疑似リードでもいいのかもしれません。そうすれば、駆け引きの内容が非常によく頭に入るのではないでしょうか?

早めに打たないとロングフォールになるな…と思いつつも、適切な打てるアイスがなく、やむなくランナウト…下で待っているビレイヤーが青くなっている…ごめんね‥ビレイヤー…という心理的駆け引きも、見えてくるのではないでしょうか?

2020/04/06

有段者へのリードクライミング導入方法の考察

■ 有段者へのリードクライミング導入

についてベストな戦略を考えています…。

これまでの大学山岳部新人君向けを、体力がない人、知力が劣る人、などすべての人に、じゅっぱひとからげに転用したような教え方ではない、良い教え方はないかなと…。

戦略1)アルパイン風…
歩きの山の山頂で易しい1、2ピッチのマルチ登攀で、山全体をトップアウトする喜びを伝える作戦

戦略2)ザイルを伸ばす風
リムーバブルプロテクションの使用から教え、自分の判断でリスクコントロールし、ザイルを伸ばすという真の意味を教える作戦

戦略3)杉野さん方式
トップロープして、疑似リード、リード、で、それぞれの安全マージンの厚みの差を理解させる

戦略3)一般路線
インドアスポーツクライミングのリード → ビレイの習得&ロープワーク → 外岩スラブ → 外岩エイド → 外岩ハング… → 外岩マルチ

戦略4)必要最低限路線

懸垂&結び替え練習 → TR → リード

戦略5)待つ路線

トップロープフィックスでの各自クライミング → リードしたくなったら、自分には何が欠けているか?考えさせる


私としては、戦略5)の待つ路線が一番いいかなぁと思ったりしますが…。


自分に必要なことは何なのか?

を考えるスキルがつくと、自動航行、オートパイロットできる。

■ 男子の師匠の得方

大事なことは、自分から意欲がわく、ということ。それが発生するにはどうしたらいいのか?

私が思うに、男性は男性の師匠の得方があると思います。

師匠の青ちゃんは釣りを学んだとき、自分の後から来た釣り人が自分より多く釣っているのを見つけ、驚いてその人に、後ろを歩かせてください!と言って、後ろを歩かせてもらって盗んだそうです。彼は今では釣り名人…

まずは相手の成功の秘訣が何なのか?それを知りたい!と思う、その思いがモチベーションなのでは… 

男性の場合は、このような入り方でないと、自分で学ぶというスイッチが入らないのかもしれません。


2020/03/27

Free Funのオウンリスクの説明の曖昧さ

■ オウンリスクの説明の曖昧さ

たぶん、現代の知性に訴えるには、フリーファンの巻頭に掲載されている表現では、表現が曖昧過ぎるのだろう、とおもいます。

1)行動の結果が予測できない人

→ 事例をあげないと現代の人は、それがどういう意味なのかわからないのでは?

例:登ったら、降りなくてはなりません。ローワーダウンと結び替えは平地で練習してから行きましょう。など…・

2)アクシデントによって起こりうる事態を自分が受け入れるかどうか?の判断

→ この表現も曖昧過ぎて、具体例をあげないとよく分からないのだと思います… アクシデントによって起こりうる事態=死、骨折、など具体的に明示しないとおそらく、イメージできないのでは?具体的事例が必要のような気がします。それも写真付きで。

私の友人は、身重の奥さんを残して、33歳で他界しています。開放骨折で九死に一生。それ以外も、墜落で足首骨折した場合は、回復に1年くらいかかると思います。

3)岩場の安全は誰にも保障されていません

→ いつ開拓されたか?どのような人がどのようなボルトを打ったか?シークリフの場合は腐食が、もろい岩場かどうか?ボルト管理台帳はあるのか?災害履歴はあるのか?事故履歴はあるのか?
など、具体的に示さないと、おそらく何をチェックして、リスクを受け入れたら良いのか?分からないと思います。

龍洞の岩場には、エクセルでまとめた終了点の信頼性評価ファイルがあります。

4)道具に対する正しい使用法を学ぶ義務があります

→ 取扱説明書を熟読し、使用を開始する際は人工壁でテストの後、使用になれてから、外岩で使用しましょう、と具体的に書かないと、学ぶ義務だけでは、スルーでしょう…

5)ナチュラルプロテクションのセット不良などは重大な被害を与える

→ これも、オブラートに包みすぎなのでしょう。カムが三つ飛んで、グランドフォールして死亡事故、など具体的に伝えないと意味が分からないのだと思います。

6)ボルトなどについては誰も保証していません

→ 曖昧表現… なぜなら、それでもボルトはあるからです…。おそらく現代のUIAAが推奨するボルト強度は25kNで、1985~90年代に打たれたM8カットアンカーは、施工が良くて、15kN、悪いと、5kNもないかもしれません、と具体的に数字を挙げて、書かないと分からない。

終了点についても同様。

7)安全マージンを考えてとりつくべき

→ そのマージンが分からないのが新人で当然なので、ボルトが信用できないJFA管轄外の岩場=落ちないグレードを外では登る、ケミカルなどの岩場、墜落は比較的許容できるがランナウトではなく、トラバースでもない、直上の素直なルートで、核心前にクリップができる、などと具体例をあげないと安全マージンの取り方がわからないのが、新人でしょう。

薄い安全マージン自慢大会に陥っているのが、日本のクライミングの現状なので、このやんわりした書き方では、意図が伝わらない。

8)低グレードのルートは、よりレベルの高いものによって、ボルトなどが設置されている場合・・・

→ これも具体的に、各岩場でどれとどれがそうなのか、具体的に指摘を受けてから、それらのルートを登るべきだと書かないと分からないと思います。トポには、開拓者の〇〇さんが、5.9を登る人なのか、5.13を登る人なのかは書いてないので、それは要するに知りようがない、という意味ですので、こんな曖昧表現では安全マージンを設定しようにも、そのための情報がないという意味になります。

9)ナチュプロを使用する際には、その知識と技術も必要です

→これも具体性をもって伝えないといけない。疑似リード状態で、カムに乗ってカムをテストする。エイドでカムのプレースメントを覚える。カム落ち練習を行う。具体性が欠如しているので、たぶん、みんなどうして良いのか分からない。

10)自分の能力とリスクを天秤にかけ、より安全なスタイルを選択することが最重要です

→ いやー これは、まったく真逆が横行しています

11)落石、ロングフォールの岩場ではヘルメット

→OK

こんな風に具体的に書くべきです。

12)グレードは数字だけに惑わされてはいけません

→ 〇〇の岩場はヨセミテグレード、など岩場ごとの特徴を知る必要があることを具体的に例示しないと分からない。ランナウトを特に避ける必要があることも具体的に書かれていないと分からない

13)落下物や落石を予測して

→ それができていないクライマーが多い。具体的に図示しないとできるようにならない

14)スポーツルート用&当てはまらないルート

→ では、フリーとスポーツとトラッドなど岩場に細かく分類をつけるべきでしょう…海外のトポはそうなっています

15)ルート下部でのフォールは・・・

→ 1ピン目を掛けたら落ちてもいいのがフリーなので、これはローカルルールになっている…落ちる位置を見定めないといけないのは当然だが、それも具体的に言及がいるでしょう

16)ビレイは信頼できる相手

→ ビレイの信頼関係の作り方を述べないと。つまり、人工壁で、第三者にビレイのチェックをしてもらう

17)着地の失敗による骨折や捻挫

→ 全治何か月なのかまで書かないと、おそらくよく分からないままで、終わる

18)脊椎、腰部損傷

→ 同じ。ボルダーのフェスで男子、ばんばん、飛び降りていましたけど。下地、石ですよね‥ 下地の種類などを細かく教えないとダメです、たぶん。山のボルダー=土、クッション性あり、など。

19)スポッター

→ 体重差の具体的例を言わないと分からない。どっちが重いと危ないのか?何キロ程度の差、高さとの関係

20)別のスタイルの選択をすべきです

→選択の仕方を教えないと分かるようにならない

21)ジム内のグランドフォールは・・・参事に発展する可能性があります

→これも、参事の具体的事例がないと、曖昧なのだと思います

というわけで、おそらく、クライミングの能力とリスクを天秤にかけてクライミングしているクライマーは非常に少ないです。

まぁ、ここまで具体的懇切丁寧に説明しないといけないのなら、クライミングに来てもらわなくてもいい、と言いたくなるとは思いますが…。

■ ラオスの事例

私は今回はラオス行かなかったのですが、色々考えて、膝の脱臼が半年以内に、良くならなかったので、今現在考えられる、一番のリスクは、再度、脱臼すること…脱臼は癖になる、というのが最大のリスクです‥‥でしたが、ラオスでは、再脱臼した場合、医療機関にかかることができないだろう、かかれても質が…というので、辞めたのでした…。

■ プロセスを見せていない

何がリスクなのか?を考える、その思考プロセスを見せていないから、まぁ、当然ながら、リスク評価ができるようにならない、というだけなのではないでしょうか?

能力評価のほうはグレーディングという物差しがありますが、リスクについて考えるには、あまりにも現代の社会生活が安全を前提にしすぎており、道路で前を見なくても歩けちゃう(ケータイ見ながら歩いているでしょう)くらいの平和ボケですので、そのような社会という前提を考えると、自己責任といいう言葉の内容が、伝わっていないのは、まぁ歴史と現実が示しているように思います。

ピンクポイントでの登攀と疑似リードの必要について

■ 人のクライミングをよく見る=適正安全マージンが分かるようになる

師匠と喧嘩したのは、湯川で私が疑似リードに進みたいときに、疑似リードではなく、ピンクポイントをさせようとしたことが、最初でした。

私がピンクが嫌だったのは、カムを指す位置が、いつも相方の回収で登っていて、遠い。背が高い人は、一ピン目から私と違います。

私のリーチが、彼の50cm下で、手が届かない位置にカムが刺されたピンクポイントでのリードは、たぐり落ちの危険、が非常に高い。

なぜ、それが彼は理解できなかったのか?

それが理解できないと、自分のパートナーにピンクを強要することになります。

なぜ理解できないのか?というと、おそらく、セカンドをやらないからです。

師匠はおそらくセカンドをやったことがないと思うので、身長でカムの位置が違うと言っても、なかなかその具体的な様子が浮かばなかったに違いありません。

私は、わざわざ紙面でそれをきっちり書いているくらいです…(汗)

https://allnevery.blogspot.com/2019/08/blog-post_68.html

師匠、一度でいいから、私のいうことを聞いて、疑似リードをしてくれたらよかったのに。

そうすれば、私がカム位置が違うと言っている意味が分かったでしょう。

■ 湯川 カムセット難しい

一方、湯川はカムのセットが難しい岩場で知られています。だからこそ、カムのセットを覚える疑似リードにぴったりの岩場です。

■ カム位置=ギリギリ度の指標

セカンドで登らなくても、自分の限界に迫っていれば、カムの位置は、クライマー本人にとって、どれくらいギリギリに迫っているか?の指標である、ということが分かります。

誰でも、危険の量に応じて、カムのセット間隔が短くなります。

それは、端的に言えば、アルパインクライミング…つまり、落ちないクライミングで、プロテクションは、ほとんど出番なし…は、やっていても、フリークライミング=プロテクション必須…、はやっていなかったから、彼はそれが理解できなかった、ということなのです。

おおざっぱに言えば、アルパインクライミングは落ちないクライミング、フリークライミングは落ちながらも、何度もトライして、”岩に合わせて自分を変えて登る”クライミングです。

岩への寄り添い、がアルパインとフリーでは雲泥の差、です。

■ どこからフリークライミングの領域なのか?は人による

岩への寄り添い、というのは、岩のために肉体改造が必要になる、ということです。

どのグレードから、岩に向けて肉体改造が必要か?というのは、人によります。

一般的な体格の人にとって、フリークライミングの始まりは、5.11以上から、現代では5.12は中級者になってしまったので、現代クライマーには5.12から。

もちろん、これは標準体型&標準体力の人向けで、クライマー界の標準=若い男子、です。

若い男子の身長&体力に入っていない人たちにとっては、肉体改造が必要になるフリークライミング、としてのクライミングのスタートは、もっと下のグレードからです。

私などは、高齢&女性ですので、10台でフリークライミングとして、岩に向けて自分の肉体改造を始めないといけませんでした。

すでに始める前と今では別人です。

■ 疑似リードは必須です

人間は、クライマーを見ていると、脳がシンクロしてしまい、私はいつもビレイしている相手(=クライマー)の動きを読めるようになってしまい、彼が何が登れ、何が登れないか、よく分かります。

人間には、ミラーニューロンと言って、相手のムードや気分に、シンクロする機能があります。

共感脳のことです。

ですので、ビレイをしてあげる時間は、共感の時間、観察の時間、です。

クライマーをよく見ているビレイヤーが良いビレイヤー、とよく言われます。

ので、それが起こっていなかったということを考えると、要するに、師匠は私がTRで登っている間、そんなに良くは見ていなかったのかもしれません。

おそらく老眼で、あまり見ること自体ができなくなっているのだと思われますが…(本人の非ではない。)

トップロープでの疑似リードは、クライマーが、カムの位置、岩、ムーブと、どういう歌を奏でているか、ビレイしながら、観察する時間であり、そう思えば、安全マージンを理解するためには、かならず必要、です。

疑似リードして大丈夫そうなら、リードに進みましょう。

もちろん、オンサイト狙いは、また別の話です。習熟度は、もっと必要です。

■ 共感脳が勝負のクライミング

こうしてみると、共感脳、が、クライミングにおいては、味噌だということが分かります。

共感脳が強くない人は、

 ・相手に実力とかけ離れたグレードのリードを勧めてしまったり

など、事故や怪我につながることを、相手に良かれと、勘違いして行ってしまいます。

一般的な傾向ですが、男性ホルモンまっさかり、みたいな方は、一般に共感脳が強くない傾向があります。共感というのは、心理学の分野では、女性性や知性に属することだからです。

女性性というのは、花がきれいだ、とかそういうことを想うっていう話ではありません。男の人の場合、花がきれいだと思うのと同じレベルで、女性がきれいだ、可愛いな、と思ってしまいます。

そうではなくて、
 
 相手の心情に立つ、
 相手の立場からモノを見る、

というのがクライミングで必要とされる共感能力です。 

花が可愛いという人は、花を摘みます。花を愛する人は、花に水をやります。

フリークライミングは、ムーブを楽しむクライミングなので、登頂を目的とするアルパインとは目的が違います。アルパインは登頂のためなら手段を択ばないというダークサイドがあります。それを覆したのがフリークライミングです。

 フリーでは、5.9でも、5.13でも、やっていることは同じ

です。つまり、上下の関係はありません。

5.13を登れる能力を山に持ち込むのが、現代のスーパーアルパインです。

■ トップロープで様子を見る

相手をビレイしている途中、クライマーをよく見て、クライマーと同じ気持ちでビレイするということですが、一般に会で登ってきたオールドクライマーは、ビレイが大変いい加減です…。特にトップロープ。ひっぱってりゃいいくらいなノリです。

そうではなくて、登っているクライマーと同じように、岩との対話を感じてほしいものです。もしそのクライマーが、あまりに稚拙で下手であれば、相手が上手になって、戻ってくるまで、ジムで登らせたらいいだけなのです。

それをしたくないのは、ただ単に、自分に都合がよいビレイヤーが欲しい、というご都合主義でしょう。

■ クライミングは移ります

私はクライミング、後輩に、「楽々、登っているように見える」と言われ、びっくりしたことがあります…。本人は、楽々でなく、必死、の時だったからです。

相手が必死か、楽々か、を見分けるのは、やっぱり共感脳の働きのような気がします。

男性は多くの人が、これが発達していません。

ちなみに、バレエでは、先生のお手本通りに動きを作れる必要があり、私は、動きのコピーが得意なほうです。この能力のため、水泳はあっという間に習得しました。この能力は、年齢を遅くスタートすると衰えています。

クライミングの初期のころ、今では有段クライマーのハッシーと言う先輩と人工壁でビレイ習得しました。彼の登りを注視していたせいで、私のムーブは男登り、だったらしいです(笑)。そりゃ、ハッシーのフィジカルでやるムーブを私がやっても、フィジカル違い過ぎて、できるわけないわなー。

というので、後で、ムーブをだいぶ直されました(笑)。

色々、師匠とは喧嘩しましたが、危険を無理強いされようとしたときに喧嘩 = Good

だったと理解しています。雨、降らないと地、固まりません。


  迷ってもハードプッシュしてはいけません。それやってるとムーブは身につかないです。

2020/03/16

大堂海岸

さて、杉野保さんの事故死のショック一色だった、先週が終わり、名文と言われるOldButGoldも、連載をいくつか読んだ。

そして、クライミングの記事の質とは何なのか?と言うことについて理解が深まった…。

クライマーのみんなが読みたいのは、どういうことなのか?私にも理解ができた。

本来、書いておかないといけなかった記録を書いておく。先月のことになってしまったが。クライミングについて書くのは、なんとなく気が重いものだ。

先月の記事
https://allnevery.blogspot.com/search/label/%E5%A4%A7%E5%A0%82%E6%B5%B7%E5%B2%B8

■ 大堂海岸

一般に、易しい課題から難しい課題へステップアップするのが、クライミングでも当然のプロセスとされるが、難易度的に何が自分にとって適切なグレードなのか?ということを、日本ではクライマー本人に判断させない伝統がある。

クライミングの面白さは、そのバランスが取れていることによるわけで、難しすぎるものを強いても楽しくない。易しすぎても楽しくない。

怪我などをすると、クライマーは登れるグレードが下がるものだが、その下がり具合も本人しか分からない。本人しか分からないことが分からない師匠を持つと、クライマーは不本意な思いをする羽目になる。つまり、不満が増える。

これは日本だけに独特な現象で、自分が登るところは自分で決めて良い欧米の文化には、存在しないリスクだ。

私は、吉田講習は1度しか受けていない。あとはビレイヤーで登っているだけで、湯川の易しいグレードをオンサイトする、という段階で、九州に引っ越しになってしまった。

つまり、易しいクラックのオンサイト経験を貯める段階に来て、その機会が得られなくなって、すでに3年が立とうとしている。その間、1年も足の怪我で思うようなクライミングはできる状態にない。足踏み中だ。

この3年というのは、夫の転勤のために住む場所が変わり、クライミングを続けていく環境づくりに非常に大きな困難を見出している時代だ。

環境が整わない。それは、主に私の側だけの原因とも言えないようだ。九州は外岩環境は悪い。

大堂海岸は、易しいクラックがたくさん用意されている岩場ではないだろうか?ということで、2017年くらいから、師匠の青ちゃんに「大堂海岸はどうですか」と聞いてはいたが、大阪から遠いということで、実現していなかった。

ので、2年越しということで、大堂海岸の話が来たときは、ちょっとうれしかった。イメージは易しいクラック登り放題!というものだったからで、実際は、そのイメージとは、かなりかけ離れた登攀になった。

大堂海岸に行くには、大分からフェリーに乗る。運転はパートナーと交代だ。私は早めに出て、卑弥呼の湯でひと風呂浴びて鳥栖駅に向かった。鳥栖は、駐車料金200円/泊で停めれるからだ。

私の個人的な意見では、私の車で行けば、誰も駐車料金を払う必要がない。もしくは、相方の家に私の車を止め、彼の車で行ってもいい。燃費的にそっちがいいというのなら。

しかし、そうできないのは、年配のご両親が、女性と二人で行くなんて…という保守的な考えだから、だそうだ。そういう余計な考えがない私からすると、彼と行くための出費として、800円の駐車費用が余分にかかる。こんな感じで、年配の人の古い考え方のために若い人の支出が増えるという事態は社会の縮図ではないだろうか?

行きで運転を半分交代したら、ナビがナビせず、降りる出口を逃してしまい、フェリーの乗船時刻の2分くらい前に波止場についた。かなりスレスレだった。なぜか、このパートナーとは、ピンチを仲良く乗り越える仲だ。他の人との間で、あんまり遭遇しないようなピンチを味わうことが多い。一瞬、緊迫した空気が漂った。

フェリーは夜行で寝て過ごす。山小屋雑魚寝に慣れている、山や上がりのクライマーなら、特に問題がないどころか、毛布が100円で貸し出しされているので、むしろ上等なほう。相方は、豪勢なシュラフ類を車から出してきていて、驚いた。私は、あんまり豪華な装備を持つタイプじゃない…。シュラフもモンベルだし。相方のシュラフは宿泊を共にしないので見たことがなかったのだった。若者らしく豪華な装備だった。若いということは見た目に支払う額が大きいということだ。

朝は5:30に下船。暗くて何も見えないが、乗船が一番乗りだった分、下船の駐車位置も先頭だった。降りて2時間半くらいで、岩場につく予定で、通りがかりのファミレスで、朝ごはんとコーヒーを仕込む。二人ともコーヒーがないと、しゃんとしないタイプ。

岩場に行く前に、案内をしてくれるN村さんがいるキャンプ場へ行く。

10時前にはついたが、非常に快適なキャンプ場のようで、ちょっとうらやましかった。夏は、海水浴客でにぎわうのらしい。

今回、雨で、メンバーが2名、脱落したが、関西からのメンバーを誘った折、「私のテントに寝ていいよ」と言っていたくらいで、すっかりテント泊のつもりだった。今回は、お宿、旅籠郷に泊まるのは、気を使ってもらったんだな~って感じ。

アルパインのクライマーは男女混合で気にしない人が多いが、フリーのクライマーはテントが、車で横付けできるところでしか泊まらないせいか、豪華な個テントの人が多い。

■ 初日

さて、初日の話だ。キャンプ場では、どこかで見たことがある方…。 

ああ~、S沼さんとバタちゃんだった。しばし、昔話に花を咲かせる。

数年前、小川山に呼び出しをくらった。同じく、なぜか呼ばれたらしいS野さんたちと不思議な感覚で参加した。神奈川のほうの山岳会の合同クライミングだった。

私とS野さんは、部外者なので、なぜ呼ばれたのかよく分からないまま、登ったのだった。

その時、同じく、なぜ呼ばれたのかなぁ…という感じで参加していたお二人が、S沼さんとバタちゃんだった。部外者同士。

豪華な枝肉が出るバーベキュー大会で、S沼さんがたまたま隣にいたため、吉田さんと師匠の青ちゃんを引き合わせたのに、なんだか上手くいかなかった話をしたんだよなぁ…。

その時、聞いた話では、ばたちゃんたちは、テント泊でも玄米だそうで、興味を引かれた。今回も、キャンプ場での片付け中に、ちらっと見ると、小さな圧力鍋があった。

テント泊でバムをしながら、日本の岩場を旅出来たら、楽しいだろうなぁ。

■ 白いエリア?

私はてっきり、初日は当然ながら、モンキーに決まりだと思っていたら、エリアはトポにない柏島方面のエリアだそうだった。

エリア名は、分からない。白いエリア?最近、ワイドの人たちの間で話題に上がっていた。

ここは民家の間を通り抜けていく。絶対に案内がいないと到達が不可能そうだった。

アプローチは懸垂で、支点は巨大な岩を支点にする。N村さんがフィックスにしてくれたが、ロープが岩角にこすれるということで、相方はローププロテクターを持ってきてくれていた。

私はそういうこととは知らなかったので、登り返し用のギアが、グリグリしか入れていなかった。このFixを設置したところは、ユマールが一つほしいところだ。

相方は、10bでアップ後、ワイドの壁の11Aをしたが、そこへは私はビレイポイントにたどり着くまでに身長上の核心があり、到達することもできない。160あるバタちゃんですら、腹ばいになって、やっとこさのクライムダウンで、落ちたら、海水ドボンのプチボルダー。沢ならお助け紐の場所だ。

ので、私はこの日は完全に傍観で登っていない。自分のクライミングはしていない日だった。

最初にNさんが易しい岩峰の5.10Aをセカンドで登らせてくれているが、私の怪我した足で5.10Aのリードはない。相方とは、分けられて、相方はなぜか、他人のためにリードさせられていた。

例の11Aはモスキートと言う名前の課題だが、相方は登りたそうにしていたし、私がセカンドで登っても、回収が大変なので、セカンドで登りたそうにしている人のためもあり、相方には、ぜひ登っておいで、と送り出した。

しかし、セカンドの人のほうの顔が輝いていたのが不思議だった。ここ登りたかったのかなあ。相方は、なんとかオンサイト。ルーフのところで、今はクライミングガイドとなったS沼さんが「うまい!」と声をあげていた。あとで相方に伝える。

この日は相方は3本、このモスキートのオンサイトが嬉しそうだった。

私は、ザックを置いたところにランチを取りに行くだけにも、自分のスキルを上回るところを登らなくてはならず、しかも、S沼ガイドに迷惑扱いを受けたので、そんな扱いを受けるなら、ここには来ないで、モンキーの偵察でもしていたかったわ、と思ったくらいな登攀日だった。まぁ、相方とどこのエリアに行く予定なのか、相談しなかったのが一番悪い。

お宿に行くと、さっそくお風呂を勧められたが、ぬるい湯しか出なかったので、からすの行水。相方も同様で、すぐ出てきて宿の人にお湯の出し方を確かめていた。

お食事は、噂通り、魚尽くしでおいしかった。ビールで乾杯して、お刺身類を食べている間に、お腹いっぱいになり、ご飯は食べないで終わってしまった。サツマイモに地元の柑橘を入れたポテトサラダが斬新。汁もアラを使ってくれていた。ここはクライマーの口コミで広がった宿のようで、ご主人のほうも、クライマー歓迎のようだった。

■ 二日目

二日目は雨の予報だった。午前中にモンキーに行った。車で、林道の奥まで入ってみたが、非常に荒れており、大丈夫そうなところまで引き返してきて駐車。トポにある下降点を見つけるまで、展望台、というのは立派なものを想像していたら、たいした展望もなく、あまりに質素なものだったので驚いた。倒木やらが道をふさいでおり、とても車では無理だが、クライマーの踏み痕らしきものは続いていた。

下降点から降りると、モンキーはエリアまでいくのに、フィックスが出ていた。持ち手用にノットが結んであるせいで、グリグリ確保での下降ができない。

ラオスでも、アプローチにグリグリ下降が必要な場所があったが、ノットなど作っていないので、楽に降りれてよかったなぁ。この難度だと、私はザックを背負ってだと、握力が重さに負ける可能性があるので、ザックを先におろし、自己確保を架け替えながら、なので、ノットのせいで余計に時間がかかった。

登攀は、5.8のぐいの実クラックにロープをあげてくれ、ありがたかった。彼は降りてくるときに「5.8と思って舐めている自分」とか、言いながら降りてきた。思ったより、渋かったのだろう。日本の地方の岩場は、地方コンプレックスのため、どこもグレードが辛い。

大堂海岸は、フィンガーが得意な開拓者だそうでフィンガーが辛めだそうだ。

ぐいの実は、疑似リードしたら、どう?と言ってもらえてうれしかった。とりあえずアップで登ったら、後は、リードしたかったからだ。昨日のお礼かね?

ロープの表皮が剥けている箇所がある、と相方がやたら気にしていたのが印象的だった。表皮は確認してはみたが、まぁ大丈夫そうだった。師匠の青ちゃんがレスキューの講習をしてくれたんだが、そのときにロープのコイリングの話もやったはずだが、いなかったっけ?カーン・マントル。

ぐいの実は、左肩を押し付けて、体重が分散でき、とりあえずノーテンで抜けれてうれしかった。それなりに長さがある。

フォローで上がってもらい、「カム、どうだった?」と聞いたら、「赤がイマイチだった」とのお返事。あーあ。残念賞。リードのお許しが出るかな。

雨も降ってきたので、他のエリアの偵察へ。四国の道という遊歩道まで戻る。この道をスタートしてすぐにエリアへ下降できるが…どうも巨大ボルダー。ザックを背負っていたら、エリア到達までが一苦労そうだ。とりあえず、雨でもフリクションはいいのだが。

偵察なので、空荷だが、私はそれでも、岩の間にはまり込んだら、登り返せない可能性があると思い、飛び石で飛んでいく相方を手前で待つことにした。岩の間に入ってしまったら、どこにいるか見つけてもらうのも困難化してしまう。相方も、行ってはみたものの、帰りは違う道になってしまったみたいで、傘を紛失していた。

こういう大岩の飛び石…で去年は普段より重たい2セットのカムが入ったザックを背負ってジャンプしたために、飛距離がでず、着地が傾斜面になってしまって肉離れしたので、今回は、かなり私は慎重だ。

最果てのエリアまでも行ってみたいと、四国の道の奥まで、結構歩いてはみたが、下降点が明瞭でない感じだったので、飽きてしまい、時間を持て余す。四国の道は、ボルダーが一杯で、コケだらけではあるが、ボルダー天国にしようと思えば、出来そうだった。

とりあえず、冷えたので、道の駅まで戻り、休憩所で、さんまの姿すしなどを頂く。どうしようかということで、昔のゼロ戦だかを見に行く観光案もあったが、町の遊びかぁ…と食指をそそられない。余った時間が2,3時間で、行っても車の往復で終わりそうなのだ。結局、アプローチの確認で林道の反対側に行ったり、何も見えない別の展望所で、位置関係を確かめたりする。今回はアプローチ偵察ってことだ。

そうだ、明日行くエリアを相談!ということで、S沼ガイドたちに、テントに遊びに行ってもいいですか?とテキストを打つ…と、どうも、こちらに向かっているそうだった。ので、一旦、宿に戻ってから、道の駅にとんぼ返りすることにする。ひとしきり、ベータを貰う。テント泊の人は、道の駅で大抵のものは調達できるうえ、閉店間際は安いらしかった。

我々は、ホテルのお風呂へ。昨日の反省を生かして、500円余分に払うことになっても、お風呂を充実させることにしたわけだった。

宿に戻り、食事をしたら、前日と違い、マスターは早めにお開きにして欲しそうにしていたので、とっとと部屋に戻り、山時間で早々に布団へ。

■ 3日目

私は明け方、怖い夢で目覚めた。リードを強要された、首から下がない男たちが出てきて、後悔しているらしい。「怖い夢を見た」と相方に言ったら、「2度寝すると夢をみるものだしね」という返事で、「大丈夫?」とか「怖くないよ」とか、言われるよりも、なんだか妙に納得感があった。そうか、悪いのは、2度寝のほうか、みたいな。

相方は別にリードを強要はしない。私が全く登れない時代から、知ってくれている先輩だし、私の顔色がさっと変わると、リードを申し出てくれる優しいところがある。

私はまだ、自分が登るべきところが確実に見いだせるわけではない。特に情報量が少ない日本の岩場は。海外のトポは充実しており、登るルートを選びやすくなっている。

以前、アイスの相沢大滝でのことがあった。

これは、私がいきなりすぎるリードを求められて窮していた事件だが、その時救ってくれたというか、キミには無理、と客観的な指摘をしてくれた先輩だ。私もそう思っていたのだが、師匠は、私に登れと思っており、その説得が難しかった。私のほうが経験が浅い訳で、経験値から語られるとそれは反論しがたい。しかし、経験値というものが、いかに偏っており、主観でしかないか、学習中だ。

師匠は、いつもピンクポイントでリードさせたがった。易しくてもいいからマスターで自分で登るべしとすでに教わっていた私の登攀方針と相いれなかった。普通に、誰もが通るように、TR→疑似リード→リードと進むのが、私の希望だった。

ピンクのリードって何がいいのろう。師匠とはクラックのリードもピンクで登らせようとし、喧嘩になった。カムだって、スクリューだって、入れる位置がクライマーごとに違う。そのことは経験では分からないことらしい。

誰かのプロテクションを追いかけたら、岩やアイスとの対話ではなく、プロテクション設置者との対話になるんじゃないの。

■ うねり

3日目はハーバーエリアへ行こうとしてみたが、波が高すぎ、到達できなかった。すごいうねりだった。大自然のパワーって感じだ。大堂海岸は太平洋に面している。外洋に面しているということは、この海の対岸は日本じゃない。

ハーバーエリア偵察で、ラッペル用のボルトを見たので、後学のために写真を撮っておく。近くの木にバックアップのスリングがかかっており、3点でもあるし、みたところボルトは健在そうだ。しかし、相方は見向きもしないで行ってしまった。たしかに降りれるけど、そのあとの帰りが…。これは、あとで自己責任論でひと悶着あった。自己責任というのは、日本の岩場ではかなり扱いが難しい単語だ。

結局、再度モンキーに行き、私は自分登りたい5.7と5.8があるところにザックを置いてきた。3日目は、互いに賢くなり、これはギアの軽量化が必要そうだ、ということで、余分なカムは車において、各自2セット全体で4セットもカムを持っている、なんてことはない。私は小さいザックに詰め替え、ロープバッグは別で持った。

大体、今まで、アプローチ数分、下界とほぼ同じ、の小川山のノリが抜けず、”ゲレンデなんだから、軽量化はいらない”というノリを貫いてきたのだった。シークリフは、軽量化がいる。

相方は、アップの後、私はそのロープでTRでスーパークラック5.9を登らせてもらった。結構すんなり登ったねという相方の感想だった。

スーパークラックは、ハンドバチ効きだが、下部のスタートがプロテクションが悪く、緊張しないといけない。相方は岡山ルート5.10cを一本。核心でテンションが入った。レイバックに入ることは下からでも分かった。レイバックに入ると、プロテクションが取れないので、ビレイも気を遣う。レイバック以外でも登れるのだろうか?

しかし、波が高く、相方のザックがいちど波を受けてしまった。かなり岩場の基部に近いところに置いたのに。外洋のうねりはすごい、ということか。

S沼ガイドたちは遅い朝だったようで、岩場に取り付き始め、アップだろうか?長ーい5.9をやっていた。もしかして、一番弱い私を配慮して、ここはお勧めだよーということだったのかもしれない。そんなことを考えつつ、はるか上にいるクライマーをパシャリと写真に収める。

さて、私の番だ… 易しい課題は、5.7のワイドっぽいお祭りクラックと、5.8のシンクラック系のおまかせクラックが並んでいる。時間の都合上、1本しか登れないのだが…どっちに行くか、で悩む。

前回、竜頭泉で、これは行けると思った5.8のワイドで、敗退しているしなぁ…。ワイドって、5.8でも、5.13クライマーが落ちる系なのだ。登り方が全く違う。お祭りクラックのワイドは、そういうタイプのワイドには見えなかったし、5.7のワイドは、龍洞の岩場では楽勝だったんだが…。タイプが違うように見えた。

結局、5.8のシンハンドか、フィンガーのように見える、おまかせクラックにした。手が小さいのが強みなら、その強みが生かせるかもしれないからだ。

カムのサイズを見極める…。小さい系をいくつか。立てるところで、一ピン目を入れておく。

菊池講習では、技術が確立するまで、カムは50cmおきに入れろ、ということだった。カムのプレースメント技術は、それなりに習得に時間がかかる技術だ。なので、下手なカムも、数打ちゃ当たる的な作戦を、初心者の間は取らざるを得ない。

行こうとすると、相方が3番は?という。実は3番は入りそうなところがあるのは分かっていたが、そこはイラナイ、と判断していたところだった。小さい番手のカムが上に決まるからだ。しかし、スモールカムより、3番のほうが信頼性は高い。いらなくても、追加することにするか。せっかく、指摘してくれたし。

とりつくと、やはり思った通り、シンハンドのところで悪戦苦闘だ。というか、足ジャムが問題で、うまくジャムが使えていない。結局、テンションが入ってしまう。相方のスモールカムの00番は偉大だなと思う。まぁ、効いていないと抜けて落ちているわけで、まぁ、できて当然のことができた、というだけなんだが。妙に達成感がある。

私がクライミングを始めた当初から定番の恐怖ストーリーは、カムが3つ抜けて落ちてグランドしたってハナシだ。

だから、相方がリードしているときは、絶対にカムが抜けませんように、って祈っている。

これを教えてくれた人は、ガイドだが、いかに自分が怖いクライミングをしていたかという話をしてくれようとしたと思うんだが、たぶん、今、私が取り付いている課題には、もう登れないんじゃないだろうか、と思う。クライミングシューズ自体を持っていないかもしれない…。

さて、レイバックになったり、ジャムになったり、悪戦苦闘しながら、3、4回は落ちて、なんとか核心を抜け、核心が抜けたら、あとはフェイス登りでも大丈夫で、岩の尖塔に掛けてある古スリングへ。ビナが3枚あって一枚は開かなかった。とりあえず、スリングは、ひっぱてみたが大丈夫そうであったので、ビナでローワーダウンした。終了点がダメそうなら、懸垂で降りることになる。

降りると、S沼ガイドが、特別講習してくれた。クラックには必ず正対すること、あとは足だ。ワンステップ噛ませるとムーブが作りやすい。ラオスに行って以来、3Dのクライミングは上達したんだが、足ジャムが悪くなっており、改善はされていない。足ジャムがなぁ…

完全にフェイスが使えないクラックでないと、足ジャムは上達しないのだ。私は5.10cの笠間ピンキー、ジャムを使わず登ってしまったからなぁ。あれは2撃で落とせたんだったが…。はるか過去の話のように思える。

帰りは、またちょっと焦って帰る羽目になった。フェリーの時間だ。相方が登りが遅い私のためにロープを持ってくれてた。悪いなぁ。登りは、別に足は悪くないんだが、同年代だと女性のほうが遅い。歩きの無いフリーばっかりしていると、歩きが弱くなるが、別に弱くはなっていないらしいと最近、別の女性と山に登りに行って分かった。これで普通なのだ。

予想より出発時間が押して、港への到着予定が10分前だ。またしても飛ばす羽目になる。相方は運転慣れしており、車好きらしく、所有車種数で行くと、7台目なのだという。それは、よっぽど車好きなのだろう。つまり、運転は安心人材ってわけだ。

私は女性なので、まぁ男性よりは運転は慎重だが、一般の人の、女性は運転下手という思想に便乗している。運転は嫌いではないが、プレッシャーの中で運転するのは嫌いだ。

港へ着くと、今回はゆとりをもって乗船でき、2度目なので乗船チームワークも良かった。夕暮れ時で、美しい夕暮れの中、フェリーは進んだ。

夜中の九州道を飛ばし、私は鳥栖から、さらに1時間の道のりを三瀬越えで帰った。

 全体に、柏島の海がきれいで気分が盛り上がった。

登攀のほうは、ぼちぼちだ。

この足、早く治らないだろうか…。

まだ、脱臼した右ひざは、完全に伸ばすことができない。

半年経過したが、痛みは増してきているようにも感じられ、思い切った動作を行うことはできない。

着地なんて、もってのほかだ。


そういう事情を分かってくれて先輩は、大堂海岸を誘ってくれたわけで、ありがたいなと思っている。

いい時に友達でいることは易しいが、悪い時に友達でいることは難しい。

男性は圧倒的に体力差があるので、私と行っても、アプローチが核心化してしまう。

そのあたりも、一緒に行ってみないと、そういうもんだ、ということが、一般には男性クライマーには女性と登った経験値が少なすぎて、分かりづらいのだ。

今は、会で登る時代が終わり、個人の時代だ。

会で登っていた昔と違い、普段、男性としか組まないクライマーは、気が付くチャンスがない。

ので、今回は雨で、ちょうどよかったと言えば、良かったのかもしれない。