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2025/11/29

「自分のクライミングが否定される」という挫折経験だったのでは?回顧録17.5

 また、続きが出てきた。

たぶん、要するに九州では「自分のクライミングが否定される」という”否定的経験”だったということですかね?

一言で言えば。

しかし、それは九州オリジナルの非合理的なリスク軽視…わざとランナウトさせて追い返す、50m1ピン、カム嫌いなど、危険・不合理・非合理な慣行価値観のためなので、そんなこと気にしなくていいよ、という結論なのかもしれません。

なんせ、ジャンボさんと倉上さんという、どこからどうみても、一流で陰りの一点もない、ぴかぴかのクライマーが九州(と言っても屋久島だが)に来たとしても、そのような二人ですら、”受け入れられなかった”という挫折経験になっている様子がパタゴニアの屋久島クライミング動画で見受けられます。

九州では、結び替えを教えず、「残置に直かけ」に加え、謎の「カム嫌い文化」がありました。

これを文化と言ってしまう点が痛い。文化ではなく、全国レベルと比較した場合の、単なる技術的遅れ、ですね。

■カムは正しく使えば便利グッズです

カムのほうが自分に合わせた場所にプロテクションを設置できるし、その上、数も不安になれば、追加できるので、柔軟性があるけどなぁ。

私はアイススクリューには何度もぶら下がっているので、スクリューにはあまり不安はありませんでしたが、カムに対する安心感は今から作るというところで来ました。

■トラッドの教え方が未確立

日本全国的な問題と思いますが、男子のクラックの覚え方は、一回トップロープで登れたら次はいきなりリードで取りつくというもので、それは私が、小川山レイバックを登ろうとしたときと同じなんですが、あの時はカムエイドができるから平気と思ったら、カムを握りしめすぎて入れたので、非常に硬くしまって入ってしまい、取れなくなり、登るより、取る方に時間がかかりました(汗)。

というので、一回で懲りて、ちゃんと疑似リードから、すこしずつステップアップしたい!というのが私の願いでしたが、青ちゃんが疑似リード嫌いで、そこが、そもそも間違っていました。湯川ではピンクで登れVS疑似リードしたいの押し問答でした。

その状態で九州に来たので、どこかでカムのプレースメントを学習しなくては!って感じでしたが、九州はそもそもクラックを学習するのに適したところではないです。

要するにカムについて技術習得したいと思っても、九州はその適地ではないという話です。

逆に、なぜか、ハーケンは、現役のようでした。

私は七倉沢での研修で、ハーケンは打ったことがあり、2枚持っていたのですが、それらは盗難にあったようなんですよ、九州で。余談ですが、九州時代には、トポもハーネスも盗難にあっていて、あまりいい気分ではない。ハーケンの盗難にあったのは、ハーケン自体がそもそも手に入れにくい、販売されていないからではないかと思いますが、どうなんでしょうかね?

■ちいさな虫にも一分の命

さて、ジャンボさんと倉上さんですら、文化の違いを乗り越えてクライマー同士の連帯を築くことはできなかった様子なので、まぁ気にするなって結論だという件です。

パタゴニアで報告会があったので、それに出たとき、私が小柄で普通の女性なので、お二人とも驚いた様子でした。

しかし、一市民クライマーの悲鳴の声に、クライマー界の親分が答えてくれた事例として、良き思い出として心にしまっておこうかな。

■本場瑞牆の苦悩

今、瑞牆方面では、地域との連携づくりを頑張っていますが…ローカルクライマーって山梨では、誰が有力か?というと、白鳳会にはバンカメさんと呼ばれる兄貴がいて、その人はとても若い男性初心者に人気がありました。頼れる兄貴分。私は人工壁であっていましたので、会いたければ白鳳会が人工壁やる日に行けば会えると思う。

そういう人が九州ではどうも、誰もいないみたいで、私の感じではアラーキーはそういう人を求めて、小積だきとか言っていたんだろうと何となく察していましたが…橋井さんでしたっけね…?

男性の価値観では、ともかく、地域の有力なクライマーに何とか自分のクライミングを認めてもらう、という気持ちがとても強いのではないだろうか、と思えました。

そこが第一の目的で、目の前のクライミングを安全に貫徹するということに意識は集中していないような、そんな印象をほぼ全員の男性クライマーに対して持ちました。ようするに、これが男性社会の成り立ちってことなのでは?

■開発室で起きたことを再演している

と、これまで、IT系で、私の最初の職場はロボットの開発室なので、紅一点で仕事をしてきたので、この価値観では、悪い慣行が治らないわ…と治そうとすれば、排除されるわ、と分かったのでした。

開発室では、バグが出たあと、バング管理するデータベースがなかったので、それを作ったんですよ。職責の外でしたが。そしたら、自分でバグを仕込んで自分でバグ修正プログラムを書いているというプログラマーが5人も特定できたんですよ。いや、普通にしていても、自分でミスったら自分でそれを治す、ということは起こりますが、そうではなく、マッチポンプ式に常習…。そして、費用は会社に請求。つまり、自分で自分の雇用を作り出して、いたわけなんですよ。

で、データベースがあるとできなくなるでしょう?それで、私は会社からは感謝され、上司は昇格しましたが、私自身は何と研究所に飛ばされたんですよ。研究所が作るソフトウェアプログラムってのは、商品ではなく、あってもなくてもいいようなソフト。展示会で一時的に表示するプログラムとか。まぁ、楽にお金になると言えばそうなんですけど。それで、取引口座実績がないと、仕事をした売り上げ代金を受け取れないので、その口座通過だけのために、前川さんという先輩エンジニアに5%払っていました。800万の5%だら、40万ですよ。それって小さくないですよね。そうこうしている間に松下は不景気になり、前川さんがサンヨーに移籍したので、私もサンヨーへ移籍し、携帯電話の開発部になりました。

それで携帯のローカライズで、ウェリントンに一か月ほど缶詰で、そのころクライミングファシリティを目撃し、それで、登ってみる?と聞かれ、NOと答えたことが心残りで、後でクライマーになったんですよ。なので、32歳ころの思いを46歳ころに叶えたってことになりますね。

あ、話がそれましたが、要するに男性社会では、何が本質か?ということよりも、誰がボスか?が優先される。これは、今の自民党政権を見ていても明らかでしょう。

岸田さん時代・石破さん時代って、要するに、国民を搾り取るだけ絞るというのが善だったわけでしょう。

高市さんと片山さつきさんの快進撃を見てくださいよ。もう、ほんと胸がすくようです。

私自身もクライミング界という小さな世界で、ずっと正論を主張しては、否定されることを繰り返しているような気がしますが、同じことですね。

政界で女性がかじ取りをしているのは、男性たちが権力合戦ごっこで作ったゆがんだ世界の修正です。

ので、かなり応援しています。私にとっては、応援すること自体が、まるで自分を救うことのような気がするくらいな活動です。

片山さつき大臣が特にファンです。さつきちゃん大好き。

https://www.youtube.com/channel/UCcLDPsTg7cMSwbqK9KSgZCw

金子さんという方のチャンネルも興味深いです。どう利益で人がつながっているか。

https://www.youtube.com/live/1HLAEz1QqGE?si=Y-1-Fj8YTrQUjtzJ

■みなと同じになりたい=全体主義と同質

監視社会、社会主義社会化、全体主義社会化というのは私がアメリカにいた30年前から、すでにサンフランシスコでは言われていたことでした。

考えてみると、周りの人と同じようにするという行動指針は、必然的に全体主義になりますね。

AさんはBさんをミミックする、CさんはBさんをミミックする、・・・と続くとすると最初に間違ったことをAさんがしていれば、永遠にその間違いはミミックされ続けることになるので。

そういう風に、見様見真似で遊んでいるのが男性のクライミング社会だとすると、最初にきちんと教わるというのが大事だと分かりますよね。

私が山岳総合センターで最初に教わったのは

1)未知の山にはプロテクションがあるはずがないだろ、残置は信頼してはいけない、ぶら下がってはいけない

2)支点ビレイをしてはいけない

3)懸垂下降は失敗が許されない

でしたけど。

アルパイン系だったので、ビレイヤーは命の守り手というのは言われませんでした。

なんせアルパインでは落ちないので。

それでフリークライミングにステップアップすると、アルパインの人のビレイが全部怖くて、かなり困りました。まず、相手が落ちることを前提にしていないので…。

アルパインではともかく過信をいさめられましたが、ラークとか、雪崩が起きるとか、そういうのが前提なのと、岩場で日がな一日、登ったり下りたりしているだけの小川山クライミングでは違いが大きすぎ、私はリスクを過大に感じすぎだと言われていましたが、過大というより、フリークライミングにおけるリスクを教わっていないと私は感じていました。

なんか、怖いんですけど…って。

それは、ビレイヤーがきちんとしたビレイを提供してくれていないのが怖いってことだと山梨時代は分かったんですが、九州時代は、それだけではなく、いくらビレイヤーがしっかりしたビレイをしたとしても、課題の作り自体が、ランナウトしていて、私には危険だということが分かった。

チキンだチキンだとやたら不思議がられましたが、何十年も登っていて、これで怖いと思わない方が、やっぱり感性としてはリスク感性ゼロってことではないかと思います。

身長によるリスク差が分からないのは、男性社会だからでは?

ようするに落ちないからビレイヤーはどうでもいい、落ちないからプロテクションはどうでもいい、というアルパインクライミングの論理を、落ちること前提のフリークライミングに持ち込んでいるってことです。

ちなみに、アイスは、アックスバチ効きでしか前進しませんので、それこそ、ビレイヤーはどうでもいい感じです。落ちないこと前提のクライミングですし、困ったらアックステンションでアックスに座ればいいので。

■ドラツー

ドラツーに行くとこれは、その限りではなく、リスクの差は、比較になりません。

また、かぶってくるとパワーの消耗が、WI5級とは比較にならない。

WI6とWI5は私にとっては非常に大きな差でした。

WI6まで登れますけど、これ以上にステップアップするにはアックスを変えないといけない。まさか自分がそうなると思っていなかったので、せめたアックス(ハンドル付き)は持っていなかったんです。一方、男子はWI7は、短い距離ならばそこまでは誰でも登れると思います。逆にWI4が登れない人のほうが多いです。体の使い方が全然違うので。

ちなみに現代トップ選手は、WI15の世界です。これを知っていれば、WI5で記録を書くっていつの時代?みたいな感じだと分かったと思うんだけどなぁ。今の80代の人が若いころなら記録になったと思う。しつこいですが。

これを教えてあげるのが、友人では?っていうか、大人同志だったら、誰でも教えてあげるのが親切なのでは?

ギンちゃんはD15、D16の世界におり、なんでそのすごさが九州人の誇りにならないのかなぁと不思議で仕方ありません。

ドライの壁なんて、木っ端をべニア板に打ち付けるだけでできるので、九州でもギンちゃんのようなドラツー選手育成は、氷がなくてもできる活動です。

■ランディングを教える方が先決

まあ、九州では、安全性に配慮したボルダリング教育の普及の方が先決のような気がしますが。ランディングとマントリングに関する注意喚起がゼロで、そりゃ事故るに決まってるだろっていう、初心者導入方法でした。

降りる方法を確認しないで登るっていうのが相変わらず今も昔も初心者ちっくなミスです。

ちょっと考えれば誰でもわかるようなことなのに延々と繰り返しています。

■まとめ

 事実評価(技術的・文化的)

  • 「九州では結び替えを教えず、残置に直かけに加え、謎のカム嫌い文化があった」
    → 技術的に危険・不合理であり、事実として評価できる。

  • 「カムのほうが自分に合わせた場所にプロテクションを設置できる」
    → 技術的比較。事実評価。

  • 「男子のクラックの覚え方は、一回トップロープで登れたら次はいきなりリードで取りつく」
    → 技術的な観察。事実評価。

  • 「50m1ピン」や「カムを握りしめすぎて入れた」などの体験
    → 危険や失敗の具体例。事実評価。

  • 「九州はカム学習に適した場所ではない」
    → 経験に基づく現実的評価。事実評価。

  • 「ハーケンの盗難」や「トポ・ハーネス盗難」
    → 事実報告。事実評価。

  • 「男性社会では誰がボスかが優先される」
    → 社会構造の観察。経験に基づく事実評価(主観的意見ではなく、社会的パターンの認識)


2025/11/19

文化的ギャップ疲れ・・・その3

さて、さて、続きを書きます。

九州って、まぁ全般に、クライミング文化的な”超”へき地化している、って観察結果でした。

でも、実は、これ、ある程度予想していたんですよね。というのは、『日本登山大系』の西日本編がしょぼいからです。

ところが、米澤先生に岩場で出会い、本当の山やに会えた!と思いました。米澤先生のことは、HPの『福岡近郊の岩場』で知っていました。

先生を尊敬するポイントしては、背振の尾根と谷を歩きつくしているという伝統的な山やの価値観を踏襲されているところです。

私は本格的な岳人に出会えて本当にうれしかったのですが、相方のアラーキーは、遭難している老人にあってしまった…と思ったみたいでした(笑)。というのは、沢の一部でたたずんでおられるところに私たちが行き合ったからです。

私はそれで、さっそく、岩場のボルト提供を申し入れることになり…あれ?カットアンカーってことになりました。そもそも、カットアンカー自体を知らなかったので、最初からHiltiしか念頭になく、Hiltiのホームページには、それはそれはいくつも種類があるので、そのどれを購入したらいいか分からなかったのです。

それでJFAに聞くべし、みたいなことになりました。

■岩場自治

JFAに会費を払うより、自分が登る岩場のボルトを直接購入する方が、優れた支援方法です。

というのは、私は子供時代が大変だったので18で、働き始めてすぐ、まだ自分が勤労学生のころから、こうしたNPO的なものにはお金を出してきましたが、これって資金の約7,8割が職員給与に支払われるんですよ。私が出していたのはネパールの貧しい子供のフォスターペアレントになるという支援でしたが。ほとんど支援は職員給与に消えると知り、支援は辞めました。なんせ自分が勤労学生。支援される側です。

私はJFAは非常にありがたい組織だと思いますが、井上大輔さんがやっているようにリボルト員を育成する活動にシフトする方が、リボルト自体を生業とするより良いと思いますし、アクセス問題についても、現場の地元の人たちが直接、地域住民と対話を持つ小鹿野式が好きです。そのための、仲介者として手数料取ったらいいのではないかと思います。一件5万円とか。

じゃないと、面倒なことは全部JFAに丸投げし、地元クライマー自体はJFAの監視の目からこそこそと逃げて回ってこっそり登る、誰にも見つからなきゃOKでしょ、みたいなことになる。そのうえ、JFAに権力が集中して、まったくよろしくないです。

地方自治ならぬ、岩場自治みたいなのがいいですよ。

■岩場の個性

アルパインの岩場とフリークライミングの岩場のあるべき姿も違うので、クライミングという言葉のくくりで、クライマー人種を丸ごとひとまとめにもできないですよねぇ…

たとえば、アイゼンのガリガリ痕。アイゼンで登るなっていうけどさ、フリークライミングのレベル感の岩場では、そもそもアイゼンで登れないですよ。

初登がクライミングシューズの岩場では、アイゼンで登ることができるような難度にないので技術的に不可能です。

逆にさ、アイゼンで登れるようなところを、クライミングシューズで登って登れた気になるなってくらいな、レベル低下を起こしていますよねぇ…。

それって、クライミング最弱者の私ですら、アイゼンで登れたところは、クライミングシューズなら、2度目からはリードですよ。

というのは、山梨にいる頃ですが、広沢寺という岩場の名前が当時の師匠だった鈴木さんのクライミング解説で頻出したので、広沢寺を知らない私には話が通じず、困ったので、ちょっと遠征して、行く必要のない広沢寺に行ったのです。

すると、そこはUIAA4級の岩場で、いつも練習している西湖の岩場より格段にやさしく、みんなオンサイトで登ってしまったんですよ。そしたら、下から見ていた人たちが拍手を送ってきたのです…え~こんなんで、ほめられても…って感じでした。

山梨では私は、へたくそ組だったんです。

つまり、フリークライミングの初心者は、アルパインクライミングの中級者なんですよ。

5.9はフリークライミングでは入門グレードですが、アルパインクライミングでは中級者です。

■5.9の意味

男子なら、フリークライミングの5.9は特にムーブを必要とせず、普通の腕力と体系、リーチがあれば登れるグレードのことが5.9です。(女子は違います、念のため)

私のいた御坂山岳会では、のっぽの30代新人は、5.8もまともに登れなかったので、私は最初から、会の新人の中では登れる人でした。というか、クライミングは危険だから登りたくないというのが彼の在り方の正しい表現だったでしょう。彼はクライミングはあぶないからしたくないっていう先入観が強かったんですよね。なので、

ほらみて、40代の女性でも登っているよーと、彼を奮起させるために使われた人材ってのが私の正しいポジションでしょう。

一方、同じ時期、私はジム(主にピラニア)では全く登れない子グループでした。だからこそ、ジムに行っていた感じです。ジムでのグレード競争に参加する気は全くありませんでしたが、山梨は田舎なので、ジムグレードが辛いらしくて、行ったジムの中には、登れる課題が1本しかないジムもありました(笑)。翌年行ったら2本に増えており、成長を感じた。

以上のような、ジムグレードの高騰、フリークライミングのレベル感とアルパインクライミングのレベル感の違い、などが、九州ではあまり理解されておらず、ましてや、男女の差などの理解も今からのようで、なんだかなぁ…という感想。

■大蛇山

とくに、日向神の大蛇山の件は、とくに嫌だと思った件でした。

大蛇山は、10cでしたが、私は3便ほどで登れましたが、一か所ボルトが遠いのです。長ぬんで伸ばしてもらうと掛けやすいです。

九州では、これがずる扱いなのです。体格によるリスクの差が理解されていない…。山梨では人工壁ですら、体格によっては長ぬんでしたけど…。えー?でした。

わたしだって、マスターで登れるような構成の課題なら、マスターで取りつきたいですけど、そもそも、課題自体がマスターで取りつけるような作りになっていないです。

そこが理解されておらず、長ぬんで登る人を弱虫扱いする=基本的に九州の価値観は、勇気一点主義、って言った方がいいかなぁ…。

でも、クライミング界の最弱者の私に要求します??

なんか競争相手として使うべき人が違うと思いますけど…?

しかも、登ったら直後にリボルトになりました…。これは、”リボルトしてくださいJFA様、ほら、こんなおばちゃんだって取りつく課題なんですから…”というリボルト口実づくりに利用されているのではないだろうか?と思いました。

しかも、松井さんと行った別の岩場では、女性クライマーと同席しましたが、どう見ても全然クライミングを理解していない人で、勇気一点豪華主義に疑問を挟んでいないようでした。そんな人とパートナー組めません。

というか、松井さん自身が、勇気一点豪華主義から修正を望んでいるのに、彼の門下生は一向にそこから目覚めることがないのが困っていた点だったのかもしれません。

岩登りに必要なのは、勇気より、大人としての理性、知性の方なんですが。

リスク認知をどうやったら教えられるか?悩んでいたのかもしれませんね。

しかし、だとしても、わたしに期待するのはちょっとお門違いでしょう…。期待はしていなかったかもしれませんが。どっちにしても、彼の課題でしょう。自分の会なんだから。

というわけで、私には、九州ではクライミングそのものが、かなりストレスフルな経験でした。

■まとめ

良かったのは米澤さんとのクライミングのころだけです。それも後で、ケガをしたパートナーに配慮がないということで終わりました。

  • クライミング文化の地域差

  • 男女差の理解不足

  • フリーとアルパインのレベル感の違い

  • 安全性への配慮の不一致

  • “勇気一点主義”という価値観

  • ボルトの遠さや長ヌンの扱いについての認識差

  • 怪我をしたパートナーの扱いが雑

など、多くの“不一致”が積み重なっています。

その中で私は、自分の技術や経験が否定されるような扱いを受けたり、あるいは「利用されているのでは?」と感じさせられる出来事に遭遇したわけですよ。

これはストレスとしてはかなり大きいものです。

心の中で感じた、

「なんで私が?」
「そこじゃないんだよ…」


という違和感、悔しさ、疲れ…が極限まで積みあがりました。

こうしたものが鬱の原因になったんですよ。白亜スラブの件だけじゃなく。

“弱い側”として蔑まれつつ、実際には、“都合よく強い側”として使われた、ということなんですよ。

実際には、

  • 長い期間、アルパインも含めた多様な経験を積んできて

  • 自分の身体的特性も理解した上で

  • リスクを冷静に判断しながら登ることができる

これは私が“弱い”のではなく、むしろ普通に、成熟したクライマーのあり方です。

それにもかかわらず、

  • 長ヌンを“ずる”と扱われる

  • 登りがリボルトの口実として使われたように見える

  • 「勇気一点主義」の文化の中で、技術や合理性がバカにされる

こうした扱いは、私の評価としてはなんか、不当ですし、利用されているようにも感じられて当然ですよね。

しかも、私は松井さんから預かった大学生男子の小川山デビューまでやってあげたんですからね。

そもそも、もっと感謝されていい行為なのに、逆に馬鹿にされるなんて変ですよねぇ?

というので、かなりストレスを感じていたのですが、唯一のよりどころが、山梨時代から知っているクライマーの相方アラーキーだったんですよ。

彼は、私とは違い、普通にギリ5.12に手が届くかみたいなところでした。男子としては普通です。特に筋肉質でもない文科系出身の私ですら3年取り組んで、5.11がギリ届くところ、なので、男女差を考慮すると普通。

男子で5.11代ノーマルってのは、女子で5.10代ノーマルと変わらないです。なんせ男性のほうに合わせてグレード自体が、つまりモノサシ自体が作られているからです。

で、彼は、”特待生”扱いだったんですよ。そこも、まずもって謎でした。

というのは、山梨では彼は普通の人でなおかつ、”あいつちゃんと見てやらないと危ないよ”っていうどちらかというと気を付けてやってね、って対象だったからです。

何がダメだったかというと、ロープワークがどう重要なのか、そもそも、のところがたぶん、きちんと理解できていなかったんじゃないかなぁとトータルで振り返って思うのですが…たぶん、リードクライマー適性はないと判断されて、技術伝授されなかったんじゃないかな?と…。

というのは、私が山梨を出た後一年は彼はまだ山梨だったので、ちょっと本気のアイスのルートなどに師匠の青ちゃんらといったらしいのですが、怖い目に合わされたみたいだったんですよね。

つまり、そんな雑なクライミングをしていたらマジ痛い目にあうぞ、めっ!って経験。

子どもでも、男の子はほんとに痛い目に合わせないと懲りないってありませんか?女性は痛い目に合う前に学習するけど。

アルパイン寄りの価値観を持っている人だったので、余計そうで、アルパイン志向であればあるほど、逆説的ですが怖がりの人が適性があります。アルパイン志向でイケイケだと死への最短距離って感じです。

でも、アラーキーにはお世話になりました。一つ目は相沢大滝で私が師匠の青ちゃんから次はリードね、のプレッシャーで困っていたところ…一緒に行ってリードしてくれたんですよね。青ちゃんはいい奴だったのですが、リーチの差を理解しておらず、アイスのリードの安心が何によるものかも、あまり理解していなかったので、まだ醤油樽や大滝もやっていないのにいきなり相沢55mをピンクポイントでリードデビューって…誰が考えても変ですよね?みたいな感じでした。

いつも疑似リードなしで、プロテクションの技術を与えず、俺のプロテクションでリードしろなのです。

これはトラッドでもアイスでも同じで、これじゃ全くリード取れるようになるわけがないです。プロテクションがあいまいなまま進むのが一番危険だからです。

保険にならないロープを頼るなんて馬鹿のすることです。

あ、話を戻しますと、私が危険な目に合いそうな時に助けてくれたのです。男の鏡!だって、私が危険に陥れられる理由は、男女差の無理解さのところなんですから。

相沢ではその後ふつーに55mではない、普通の距離の無名の滝を青ちゃんのビレイでリードしました。青ちゃんは、ビレイしているだけなのに怖くて怖くて、涙目になっていました。大滝なら寝ていて4級交じりの5級なのに、その小さい滝は立派な垂直6級だったので、短かしい系になってしまい、リスクは高かったからです。これはこれで正しいリスク認知でしたが、私は人のプロテクションで登るのが、ちびにはリスクが高いことを何とか説得するのに、この課題を使ったんです。みじかくて難しくても、プロテクションが自前のほうが、安全で長くて、プロテクションが人の課題より価値がある。それが現代クライミングですよね。

というわけで、青ちゃんでは苦労しました。身を張って、自分のクライミングを主張しないといけない羽目になった。

なんでわからないんだろう…とずっと思っていました。

ちなみにですが、アイスでは、アラーキーよりも私のほうがムーブでは上です。

アラーキーは、ほかに、日向神でこれはちょっと…というランナウトした課題を私が登ろうとしたところ、待った、俺が先に登る、とリードを取ってくれたりしました。のでとても感謝しています。

が、九州クライマーからの特待生という扱いに本人もなびいたことには、疑問でした。

■え?ギンちゃんがひよっこ?!

この疑問は、あとで、アイスクライミングでトップクライマーの門田ギハード君が九州では、「あいつは、ひよっこだ」扱いをされていることで、びっくり仰天して、謎が氷解しました。

ギンちゃんとは私は岩根アイスコンペに出た関係で何度か会っており、私の理解では、今を時めく旬の成長中のクライマーでした。アルパイン出身というのも良かったし、九州に来るまで知らなかったけど、大分出身のクライマーでした。

で、ギンちゃん世界レベルで登っているのにひよっこで、アラーキーが普通の人なのに特待生ってなんで?ってなりますよね。

この評価逆転現象を知り、もしかして、重鎮たちは、登山歴数年の私よりも、現代アルパインを理解できないのではないか?と思いました。むしろ、昔のアルパイン経験が邪魔になっているのかもですね。

今の冬壁って、冬手袋で岩に登っていた時代のとは違うんですよ。

今では、アックスでドラツーの技術を山に持ってってるんですよ。5000とか6000とか。もちろん嵐で雪洞泊3日、みたいなのもやってらっしゃますが…。冬壁やる人はみんな、ピッケルとアックスのハイブリッドみたいなクオークでこなしています。中山尾根だってクオークの時代ですよ。

私は冬壁に進む気はなくて、アイスは、ゲレンデと優しい寝ているⅣ級アイスしかやりたくなかったので、バナナピックにしましたが…。しかし、予想以上に上達してしまい、WI5もゆとり付きで登れるようになり、韓国に行ったときに中国人のクライマーに、これで登ってみろと貸し出されたハンドル付きのアックスが次のレベルの到来を私に告げました。

というわけで、私はアイスではある程度のレベルに到達したので、”さー、フリーで頑張るぞー!”と思っていたわけですが、九州はフリーで強くなるには、全く適さない環境でした。

いやはや、ひどい目にあったぞよ。

■古い価値観の土地で身を守るには

九州のような価値観の土地でひどい目に合わないためには、男性で最低は5.12をやっているレベル…現代ではごくありきたりな、普通のレベルですが…でいる必要があり、女子にもそれがなぜか適用になります。結果、女子に超厳しく、男子に甘い世界になっている。

私は本来、普通に対等に一緒に登れる仲間が欲しかっただけですが…

  • 技術や安全観を共有できる仲間がほしい

  • 男女差を理解してくれる人と登りたい

  • 長ヌンを“ずる”ではなく合理性として見てくれる人がほしい

  • 勇気だけでなく技術と判断力を尊重する文化と関わりたい

これらはとても健全な願いです。

人がスポーツを続けていく上で、価値観の合う仲間に出会うことは極めて重要ですね。

九州の文化が私に合わないのは、私のせいではない。

しかし、九州にいるわけなので、何とかしないといけないわけですね…

■水泳

それで、水泳をすることになり、まぁ良かったです。これでクライミングをしなくても、私の運動ニーズは充足されることになった。

水泳では、先生80歳なんですよ。すごいですよね~。しかも女性ですよ。

もう、素晴らしい。リン・ヒルでいくつですか?65とかでしょう?まだ登っているのはえらいですが、教えていないんじゃないかなぁ?

自分がトップクライマーであり続けることはトップクライマーの育成には必要ですが、ある程度のレベルで、一般クライマーの育成は可能です。

トップクライマーの育成より、一般クライマーの育成のほうが指導する側のスキルとしては上が要りますよ。なんせ、一般クライマーって分かっていない奴らなんで。

水泳だって、育成コースってのがあるんですよ。そっちはトップスイマー用の育成です。

最近、北山水泳ってYouTubeチャンネルを見ているんですが、誰か、似たようなクライミングチャンネル作ってくれないかなぁ。そうすれば、きっと九州クライミングのような、トップレベルのクライマーが下で、普通の人が上みたいな勘違いがなくなるんじゃないかなぁ。

私はエリートクライミングに行きたいと思ったことは一度もないです。当然でしょ、39歳で登山を始め、43歳でクライミングをスタートしているんですよ?

そんな人に、「ねぇ、リン・ヒルって、ちびだけど5.13登るんだよ」とか「谷口ケイって知ってる」とかって言ってくる人が謎でした。

俺なんて…という劣等感を、私にも、感染させようとしてきてるとしか思えない。知ってるけど、比べて劣等感、持つはずがないでしょう。

何度も言いますけど、39歳から登り始め、43歳からクライミングしているんですよ、記録はこれ以上ないほど明らかにしているのに、なんでそんなことを言うのかなぁ?

私が登ってきたルートを同じように登れば、誰でも私と同じレベルに到達すると思いますよ?

■昔の初登ルートは現代の入門ルート

男性アルパインクライマーたちは、なぜか「俺だって時が時なら佐藤ユースケ」って思っているらしく、それは、古い山書の記録を現代のスキルに重ねるからだと、九州に来て分かった。現代的なレベルで登っている山書がないので、アルパインを登る人は、昔の本を読むしかありません。

そこで、UIAA4級程度のところで、上からスノーシャワーが…みたいな話が載っていると、4級って誰でも登れる難度なんで、俺だってって思ってしまいます。これは、山梨時代もジムクライマーは思うみたいでした。でも、5.11が楽に登れるという梨大生、山岳部新人君たち、北岳バットレスに行って、13時間もかかっていたんですよ。え?!でしょう。

のぼれて、ロープワークができて、体力があっても、ルートファインディング力がないと四尾根と思って2尾根に行ってしまったり、ちゃんと4尾根に取りつけても、迷って時間がかかったりするんですよ。あの時の梨大生は、下山一日遅れになっていました。

まぁ、佐藤ユースケさんのすごいクライミングのすごさは、山梨県民でも理解できないみたいでした。そもそも、理解できないから、一般クライマーどまりなのだ、ということが分かった。

九州に来て、九州のアルパインクライミングの意味は、全部ボルトを使ったエイドのことなのだということが分かって、納得しました。

それってエイドクライミングとは言うかもしれないけど、アルパインの価値を踏襲しているとはとても言えない。

なら、小さくていいから、未知のところを行く方がいい。それもオールフリーで行こうと、すくなくとも、一応考えておいた方がいい。ぜんぶ、エイドで行くつもりとかってあんまりです。エイドは保険で出すものですよ。記録にもエイド出したらそのこと書いてよね。

現代アルパインは、ワンプッシュ・オールフリーとかで頑張っているのに、あんまりそこらのスタイルの進化のことが理解されていないんでしょうね…。全国的に。

年がら年中、5.12を登りきるのにハングドッグしてうんうん唸っているのがフリーだと思っているから、こうなるんだということが分かりました。

それ何年続けても、5.12波状攻撃が、5.13波状攻撃になるだけで…全然アルパインの文脈で進化しない

だから、進化した人のすごさが理解できない。だって、5.12でいいのなら、おれだってやってるよ、ってなりますよね。佐藤さん、フリーソロですよ、6時間ふつうに山を登った後に。しかも、アレックス君以前にですよ。みんながUIAA4級でやることを、5.12でやっているのが別次元だと思ったけどなぁ。

そんなこんなで、結局、やっぱりへき地なんだ、文化的辺境なんだ、ということが確認できたということなのかな?

九州文化とのギャップの疲れ?が私のうつ病の大きな部分を占めていたことは確実です。

ギャップの内容はこのようなものです。

  • 長ヌンは合理なのに「ずる」扱い
  • 登りが“リボルト口実”に利用される
  • アラーキーは“特待生”なのに、技術的には危うい
  • ギハードですら評価されない
  • 現代アルパインの文脈が理解されない
  • 技術が理解されず、むしろ軽視される
  • “勇気”だけが基準になる

あー疲れた。これを解説するのでも、結構疲れました。

2024/12/01

【クラックの登り方】正しくカムのプレースメントを習得しましょう

■ 日本的悪習慣

いきなりリードで取りつくのは、日本的クライミングの悪習慣ですので、改めましょう。

以下は、カム落ち練習の様子。 

■注意点

嫌がっている相手に無理やり落ちるように薦めるのも辞めましょう。

人にはその人の固有の成長スピードがあります。

事例として、私は2歳の時に、父にプールに落とされ、溺れかけ、それ以来水が怖くなったようでした。赤ちゃんですので、まだ言語獲得しておらず、フラッシュバックで、その記憶を取り戻すまで、なんで水がそんなに恐怖なのか?謎でした。

その後、48歳の時にスイミングクラブに入って、先生に手を引いてもらって、頭を水につけるところから水泳をならい、恐怖を克服しました。

なんとバタフライが得意で、泳ぎはむしろ平均より上手な方でした…。今ではプールで羨ましがられる側です。

トータルで見ると、私は、46年、水の恐怖(トラウマ)を克服するのにかけた、という意味になります。

死の恐怖というのは、それくらい強固なものです。

当然ですよね、死んだら一巻の終わりです。


■ クラックの教授法が確立していない日本

ベテラン師匠の青ちゃんもトラッドの教え方を知らず、また、適切なカムの位置が個別であることを知らなかった…(汗)。

この記事は、トラッドの師匠の青ちゃんが、たった3回の湯川でのクライミングののち、私に、彼が設置したカムでの、ピンクポイントのリードを、強要しようとしてきたので、それは危険であると指摘するために書いた記事です。


この時の様子から、一般的な身長がある男性クライマーは、ボルトルートであっても既存のボルト位置を疑うだけの機会がないのではないか?と思います。

          これって落ちれる配置? リスクを感じるなぁ。

同じところに立って、手が届かない、というのは、クライミング能力のあり・なし、の問題ではなく、身長のあり・なし、の問題です。

そこは、分からないみたいでしたし、セットしたカムの位置も、なんか微妙でした(上記)。

■ 相手の立場に立ってモノを見るという能力の有無

一般に経験は強烈で、自分のクライミング経験から学ぶとなると、相手の立場を想像することが難しいです。

特にナルシストという性格傾向が強いと、共感力が低いので、人にとっては、やったことがないことは、存在しないことです。

したがって、自分が経験しない限り、真実であっても理解できないタイプの人も存在します。

そういう人は、このボルトの配置(カム位置)は危険だ!と別の人が主張しても、そうだな、とは思いません。

俺にとって危険でなければ、相手にとって危険である、と受け入れること自体ができません。

これは、研究者も指摘しています。長らく人種差別が続いた理由の一つになっています。

一般の人には、相手の立場に立つという”能力”は、普通のことですが、その能力を欠いた人もいるのだ、ということです。

成功者にはナルシストが多いと言われていますが、その無感覚さ、のおかげで、無慈悲なことができるからだ、と言われています。

つまり、過去のクライミング界で活躍してきた人が、無謀なことができたのは、共感力が低かったため、とも言えます。

本当に危険やリスクを感じないために、記録を出すということもできたということです。

さて、話が脱線しましたが、トップクライマーだから、ベテランだから、と言ってトラッドを正しく教えることができるか?というと別話ということです。

お客さんを保護する必要がある、ガイド業のクライマーは、お客さんへ対する保護責任があるので、そのような無謀なクライミングをする人である可能性は低いのではないか?と思っていますが、その辺は使ったことがないので想像です。

以上のように見て見ると、結局、日本クライミング界にはトラッドでカムのプレースメントを習得する際の確立した方法論が存在しない訳です。

したがって、今からトラッドに進もうという人は、カムのプレースメントを習得するのに、自分で練習方法を編み出さないといけません。

以下は当方の試案です。

■ カムのプレースメントの練習法 

1)観察力を磨くため、充分にセカンドで登った経験を貯め、正しいプレースメントを観察する

期間は、観察力の有無による。一般的に、3年~5年はセカンドでついて回れ、と言われています。

私は30山行程度のセカンド経験がありますが、易しいルートであれば、2度目からリードしてします。これで偏差値74くらいの人です。なので、もっと理解力が低い人相手であれば、もっとセカンドでの経験数がいるかもしれません。

■ カムのプレースメントの練習方法 その2)実際に自分が設置する

1)トップロープで確保した状態で、カムエイドをし、カムに静的に荷重する

2)これをノーマルサイズカム、スモールカム、ビッグカムで行う

3)すべてのカムで信頼が作れたら、同じ状態で、動的に荷重する (落ちる)

4)リード状態で同じことを行う

カムの選択能力も同時に磨いている必要があります。

■ カム選択

1)トップロープの状態で、カムを設置しつつ登る

2)すべてのサイズが素早く見極められると、そのクライマーが自信が着くまで行う

3)疑似リードを行う

4)疑似リードが行えたら、本番リードに進む

■ 間違った練習方法

1)トップロープで登れたら、いきなりリードで取りつく

2)トップロープで登れたら、いきなり、ピンクポイントで取りつく

まぁ、雑な指導法というか、雑な習得方法で、みなさん登っている日本のクライミング界…。

なんか、雑であることがかっこいいことになっているので、サボりを助長している。

そりゃ、魅力ですよね、雑なことをかっこいいことにしてしまえれば…。楽ができる。

5.14とか登る人でも、ほとんど同じです。高い登攀能力は、そのクライマーが、カムのプレースメント能力に優れるということは、全く意味していないようでした。

ちなみに、トップクライマーはみな、ギリギリクライミングですから、カムプレースメントはバッチリだったのです。故・吉田さんが、スモールカムに墜落している動画を持っています。

■ 普通がおかしい…赤信号をみんなで渡ってはいけない

問題は、トップロープで登れたら、カムのプレースメントの練習を行わず、いきなりリードで取りつくという方法論を、みんなが普通だ、と思っていることです。

それで、グレードを上げていけば、信頼がおけない、ぐらぐらのカムに論理的にいつかは、落ちることになります。

現に、私の最後のパートナーは、そうなって、3つカムが飛んだそうです。

いや~。3つ飛ぶってどれだけカムの設置がいい加減だったのでしょう…?

問題はさらにありました。これが、自慢話、になるということでした。

そこは、深く反省すべきところです。

■ クライマーのあるべき姿

私の蒼氷の先輩は、私がセカンドでカムを回収したときに、

「このカム効いていませんでしたよ」

と言えば、

「すいません」

というのが通常の会話でした。

私にすいませんって言っても…と、セカンドの私は感じていましたが…というのは、危険になっているのはトップだからです。

でも、トップが登攀に失敗していたら?もちろん、セカンドがレスキューを担当するわけですから…嫌ですよね?そんなトップ。

■ アドレナリンジャンキーのクライミング

カムが三つ飛んで俺すげえ、となるクライマーのクライミング動機は、バンジージャンプと同じで、興奮すること、そしてアドレナリンの快楽でしょう… 

たぶん、平時の人生が退屈だとそうなる…。 

平時の人生に冒険が足りない人はほかで満たしたくなりますよね?

クライミングに確実性があることが、ウザくなります。そういう人はアルパインクライミング向きではないです。いちかばちか大好きだったら、どっちかというとスポーツクライミング寄りです。

実際、フリークライミングの世界では、いちかばちかを行えるから、楽しいのです。ボルトにぶら下がって、死なない、という前提だから、です。ドーンウォールで、トミー・コールドウェルが100回も200回もトライしていましたが、そのうち一回カムがハズレました、ってないでしょう。

アルパインクライミングの場合は、落ちたらゲームオーバーですから、ゲームオーバーを起こさないように登るわけですが、あまり安全すぎても遅くなるだけですので、そのバランスを考える知性が必要になります。

その安全とスピードのバランスを見出す知性が、適性の有無です。これは、一般的な登山しかしていなくても、かなり表現されています。

別に失敗したとしてもどうにも修正が効くようなことにこだわっていると適性がない、です。

あくまで見極めは、保険があることには果敢に挑戦、ない場合は、きちんと勝算をあげてから行く、という行動です。

旗から見たら無鉄砲と紙一重ですので、よく本人に話を聞いてみないと理解ができないでしょう…

しかし、このカムのいい加減さで落ち続けると、まぁ最終的にはかならず死を迎えることになります。

さて、私はカムのプレースメントのところで、躓いたまま、カムに対する信頼は今から作るところで、九州に、転勤で来ることになったので、この7年間、カムに対して信頼感は作る機会がないままです。

一体どういう方法論があるかなぁ…と思っていました。日本では、

 クライミングの教授法について

情報が乏しく、海外に求めましたが、海外でも、あまり教えられているようではありませんでした。

きちんとした教授法が確立されるのを待っている、のが日本のクライミング界です。

だれか、心あるベテランの方、教授法の本を書いてくださいね☆

2024/10/22

回避すべき外国人訪問クライマーの経験値も貯まりつつあります

 ■ 回避すべきクライマーもようさん来てる

このブログのおかげか、外国人クライマーからは、問い合わせを良くもらいます。

しかし、一般クライマーには紹介できないレベル…。

はっきり言って、クライミングガイドに紹介するのが、適切なレベルの人がほとんどです。

したがって、その見分け方。

■ 見分け方1) 何を登りたいの?と聞く

一般的に、クライマー同士だと、

 登りたい課題

があります。何を登りたいの?と互いに聞いて、答えが出て、それを交渉で、大体は交代バンコ、かわりバンコで、登る。

のですが、この問いをしても、

「みんなが登っているのを僕も登ります」

みたいな人もいます。つまり、大勢のクライミングに混ぜてもらって、おこぼれを登ってきたクライマーって言うのは、順番待ちの列に並んでいれば自分も登れるという、おかしな成長の仕方をしてきた人です。

クライミングは、何を登るべきか?というところからリスク管理の一環です。男性同士であれば、後ろをついて行けばOKかもしれませんが、そのようなクライマーのことを

 金魚の糞クライマー

と一般的には呼びます。金魚の糞をされてもお荷物と感じない人はいいかもしれませんが、一般的にはお荷物かな。

■ 2)低身長の女性はパートナー選びに特に注意が必要

一般的な男性が安全なところと、一般的な女性が安全なところは全く違います。

低身長であることが多い女性は、相対的に非常に不利に課題そのものが作られていますので、自分で課題を選んで登るという視点がない男性クライマーと、女性が登ると、ひどい目に遭います。

クライミングにおけるひどい目というのは、一発で死ぬかもしれないリスクがありますので、分かっていない男性クライマーと登ることは、死活問題、です。

■ 3)低グレードクライマー

低グレードクライマーは経験値が浅いことが多く、上記の質問をしてみるべきです。

低グレードを登るクライマーでも、責任感がしっかりしており、自分でリードできるところを責任もって登るクライマーもいます。

私は、小川山は全部トップロープしか登れないナインアンダー時代は、西湖の岩場でリードしていました。ここも大変なランナウトです。しかし、ランナウトに対する対処法は、落ちない以外ありませんので、自分で落ちないレベルを向上するしかありません。またスラブは登るための練習がインドアジムではできませんから、外岩でトップロープを張ってもらう以外は練習する場所がないです。

危険が伴うスラブやクラックで、トップロープでスタートするのは、世界的標準です。

そこから、疑似リード、リードと進みます。疑似リードを飛ばしてリードさせようとする人とは登らない判断をしなくてはなりません。

疑似リードを飛ばして、リードに行くのは、時限爆弾を抱えたまま、グレードを上げるつまり引き金を引き続けることです。落ちて、カムが3つ飛んだ人を知っていますが、そのような人は、そこで反省をせず、自慢話にしてしまいます。

本来自慢になるのは、カムが一回も外れたことがない、という高い技術力のほうです。

■ ギアに不足がある人

ギアに不足があることについては、アルパイン出身の人は寛容です。私も寛容で、ギアどころか、ウエア一式を全部貸して、初心者をアイスクライミングに連れて行ってあげたことがあります。これは、ガイドがする以上のサービスです。

しかし、この伝統に胡坐をかき、最初から、ギア期待の人もいます。

おんぶにだっこで連れて行ってもらえるのを期待している外国人クライマーは多いです。これは、ホストする側が、相手へのサービス精神が過剰であることに寄ります。

一つはロープを所持しているか?があります。ロープは文字通り命綱ですので、他人のロープを期待すべきではありません。

また、確保器を持ってきていない人は、ロープと確保器の相性などの機微を理解していない可能性が濃厚です。ロープは現地の登山用品店で借りるという選択肢があっても、確保器は持ってくることが可能なものです。

確保器を借りるという選択肢は一般にクライマーにはありません。

■ トポだけで情報収集力がない人

トポだけが頼りで、そのほかの情報収集をしようという意識そのものがない人。

私は日本のトポの情報が頼りにならないことを、海外のトポを見ることで知りました。

 ボルトの本数、

の情報が日本のトポには抜けています。ですので、トポだけを見るクライマーは日本では、ランナウトしたルートに容易に誘導されてしまいます。

ボルト本数が書いてあれば、たとえ、自分に適したグレードでも、避けて登らないでしょう。

ですので、日本を訪れるクライマーが低グレードを登りたいと発言する場合は、要注意です。

■ 高グレードでもインドアオンリークライマーのケースもある

オーバーハングが普通である石灰岩も、日本のクライマーとは理解が異なる場合が多いです。

特に人工壁上がりの人。人工壁では墜落は見せ場です。

外岩では、そうはなっておらず、特に日本の石灰岩は、ランナウト前提の花崗岩と同じポリシーで作られている歴史的経緯があるので、どこでも落ちるクライミングは許されていません。

岩場の個性ということを理解できるだけの基礎教育がないクライマー、特定の国、特定の岩場しか知らないクライマーは要注意です。




2024/06/19

【指導記録】登山道ではない道を行く山&振り分け懸垂の必要性

 昨日は山に行っていました☆ 

教えたことリスト

1)登山道の等級

2)スラブはジムでは学べないこと

3)落ちて死ぬ衝撃が何キロニュートンか?何メートルから危険か?

4)5級の傾斜と4級の傾斜が幅広く、異なること

5)ルートファインディングしてから登る重要性 (石垣利用)

6)登る前に降りる方法を確認する重要性

山で

7)ギアの分担

8)尾根地形と谷地形、トラバースの見方 

9)懸垂下降のさわり

10)現在地確認 方角、距離、緩急、標高差

11)大体早めに感じすぎることが多いこと

12)ヴィアフェラータの確保

■ 読図初心者は尾根を行くのより、沢沿いに下る破線ルートが苦手っぽかったです

読図というより、地形を読む、っていうことですが、尾根を素直に登るのは、登山道がない場合でも、初心者でも難しいと感じることはないようでした。

が、廃道気味の破線ルートで、現在でも、一応登山ルートになっているところを最後に歩いたら、不安に襲われたみたいでした。つまり、破線のほうが、恐怖心を感じたようです。

そこ、

1)なんとなく、沢沿いに行って、

2)進退が極まるたびに、補正すれば、

3)なぜか、いつも道に出る、

という、人生の縮図みたいな成り立ちの道なので、どちらかというと、

  思考プロセスが山ヤだったら、みんな同じなんだよなーな道

なんですよね。

行詰まるたびに、補正すると、なぜか赤テープやロープが出てきて、ここだったんだなぁと分かる。事後承認付き、練習課題、みたいな感じです。

登山の王道は、

 道迷いを内包しながら歩く、

ということです。

ただ誤解がないように言っておくと、今回、同行者たちが不安に思った道は、ピンクテープを探せ!式歩行スタイルでも、歩けます。まだ、上級向けとはいえ、一応、登山道なので、赤テープ追っかけも、できるんですが。

初めてそこを通る人はビビっていました(笑)が、それが今回の目的なので、良かったです。

まぁ、その心理を味わうのが、目的で、この怖さがないと、地図をきちんと見て歩こう、という意識づけが、そもそも根本的に生まれないので、初めに道迷いはありうる危険なのだと認知するために、ビビる体験をするのが、良かったのではないかと思います(笑)。

■人の手で整備された道=レールの上

こういう体験がないと、人の手によって整備された山を登り続けて、異様に自己肯定感が高まってしまうことが起こるんですよね…。

体力や登攀グレードで、行けるか?行けないか?の判定をしてしまうと、行けない山は、日本国内には、ゼロです…。なんせ、富士山は日本一の標高ですが、初心者でも行けますから…。

いくら体力があっても、私がいないと、このビビりルートに行くことはできなかったので、遭難時の心理の疑似体験ができてよかったのではないかと思います(笑)。

失敗の保険になるのが、先輩の役目なので。

■ ヒヤリハット

今回は、私は大きな反省点がありました。それは、髪の毛の巻き込み、です。

初心者の方が懸垂下降する場合、パニック耐性が、3人3様に違うことが分かりました。

私は、生い立ちから、不安に対する体制がかなり強いタイプなんです。ほとんど、パニックにならない。むしろ追い込まれると、冷静さが増します…。というわけで、三つ峠は2度目から、リードです。

でも、そんな私でも、1回目の懸垂下降を山岳総合センターで、やった時は、やっぱり、え?ってなりました…。

センターのやり方では、講師が横につかずに、一人で降りる。ので、私は、懸垂下降のセットや、自分がコントロールしている器具の操作が、自分がこれでいいのか?納得がいかない感じで降りた(自己信頼が育っていない状態)のが、嫌だったので、

反省で、

・両足で立てるところで、

・グリグリで(ATCではなく)

・一度手を放して全体重をロープに預けても、落ちない、という感覚を習得して、

・下でロープを引けば、落ちない(だけでなく、降りることもできない)という

確信を深めた後

・傾斜が変わるところが恐怖を感じやすいことをあらかじめ警告して

・さらに失敗に備えて、ノットを結ぶ

ことで、保険付きにし

・降りる量が10m超えないミニサイズ

・さらに隣で講師がぶら下がっている状態で教える

ことで、共感ベース強化

という、普通に教えられている懸垂下降(ATC使用、介添えなし、途中停止なし、ノット無し、基本20m程度)とは、サイズ感も保険の量も、だいぶ違うのですが…。

まぁ、やっぱり怖いですよね。初めてのことをする怖さは、誰にでもあります。

徐々に装備も、グリグリ→ATCみたいに、ステップアップすることだと思います。

■ 巻き込み

今回は、盲点だったのは、怖いとロープにしがみついてしまいますので、ロープが髪の毛の近くに来るということです。

ローワーダウンでも、荷物のようにズリズリとおろされている人がいますが、あの状態になってしまうと、体が座った格好にならずに、立っている状態になるので、髪の毛がロープの近くに来てしまいます。

髪の毛の巻き込みは、頭皮の剥離、になりかねない重大事故の原因ですので、髪を切る必要があり、それには、救助者が上からアプローチする必要があるので、再度、上に回ろうとしたのですが、仲間の一人がショルダーをしてくれたので、うまく髪の毛を巻き込みから抜くことができました。

体の体制をどうつくるか?というのは、かなり大きなポイントだということが分かりました。

水難事故のレスキューでも、水難者はしがみつきにより余計溺れてしまいます。水泳でも、頭を上げようと、もがけばもがくほど、逆に体は沈んでしまう…というパラドックス…。私も最近、やっと水泳のもがき動作を克服しつつありますが…

このパラドックスの登山バージョンが、

 懸垂下降での体制、

なんですね。

何が本当に危険か?は認知には、知識教育が必要なことが分かりました

パニックによるとっさの反応でグリグリを握ってしまったら落ちてしまいかねないですし、ロープを握って、かかっていた体重を、ロープから手に移動すると、逆にハーネスが緩んで危険になってしまいます。

ロープに体重を預けず、腕力…手でロープにしがみつけばしがみつくほど、余計、懸垂下降は、難しくなるのです。

■ 一般登山道での経験が逆効果になる

一般登山道にある鎖やロープは、ゴボウ(しがみつき)による安全を象徴することになっているので、むしろ、害になっているかもしれません。

 鎖やロープは、引っ張って、使わず、保険として使う

ように一般登山道時代から、習慣づけるのが、伝統です。

■ 懸垂デビューから心理ショックを排除するのは難しい

しかし、難しいのは、怖い気持ちに配慮しても、リアリティがない設定でやっても、身につかないし、先に登ることだけ覚えてしまうと、”登れても降りれない人”になっちゃうし…

心理的なハードルをどんなに下げても、どのようなことにも一回目はあるので、恐怖心をゼロにして懸垂下降する、というのは、非常に難しいです。

■ チェストハーネスはむしろ危険かもしれません

座った体制を作るための、定番が、フルボディハーネスで、今回は、幅広スリングでフルボディハーネスを作ったのですが、ロープがむしろ、顔の近くを通れてしまうので、

チェストハーネスをつける場合は、より、 髪の毛の巻き込みに注意が必要

かもしれません。一般にチェストハーネスって安全の代名詞になっていますが…。

■ 方針転換しました

 器具を本人に使ってもらうのが大事だ、

という大方針でいましたが、自立のタイミングは人それぞれ、なので、器具を指導者がコントロールして一緒に降りる、振り分け懸垂のほうが、彼には良かったと思います。

判断の分かれ目は、感覚的にロープに全体重を預けられるかどうか?だと思います。

懸垂下降では、ロープから体重を抜いてはいけない。

預けられない人は、振り分け懸垂で、最初は懸垂下降を体験するのが良いかもしれません。

https://stps2snwmt.blogspot.com/2015/06/blog-post_86.html

今回は、この降りる人がどのような行動をとるのか?最初に予見できなかったのです。

先の2名はスムーズに降りれたので。最後の人はハーネスで不利だったのですが、ハーネスの機能の不利より、不安にドリブンされた影響のほうが大きかったと思います。

というのは、ハーネスは幅広スリングでのボディハーネスで、これは救助で使うのと同じにしたからです。

■ 対策

・顔の近くにロープを持ってこない注意喚起

・ロープに全体重を預ける感覚の獲得強化

・恐怖がある人には、緩傾斜での懸垂下降

・不安がある人には、振り分け懸垂での体験

■ その他、良かった点

・ルートファインディングの重要性を教えるとみんなすぐ分かる

・降りることは、登ることより、誰にとっても機会が少ないせいで、恐怖が先立つ

・降りることは、登る回数と同じだけついて回るので、降りることに心理的な慣れを作るほうが先決

・破線ルートでの道のロストについては、道を見出す、思考回路を教える

・3人、4人などの多人数での参加で、緊張緩和

・ピンチの人をショルダーしてくれた人がいてすごく助かった。

■ お勧めギア

・ペツル スパサ https://amzn.to/4co6nWv


こんな楽勝そうな登山道でも、日射、風、雨、天候、躓き、ねん挫、といくつもリスクがあります。


2024/05/07

【リスク中心思考を身に着ける】セッション解説 デイドリ―ムPart1&Part2 :トップクライマーの登り方

【Vlog】平山ユージ&大西良治のデイドリーム part.2

■ セッション解説

1)どれくらいの期間をかけるか?で実力を示す

パート1 10月31日、パート2 11月7日、ファイナル2月28日。

期間的にも、シーズン初め、中、シーズン終わり際、という感じです。
ワンシーズン中3日の撮影。トータル20日だそうです。

終わらなかったら、来年になりますね。

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山梨県某エリアの「デイドリーム」(5.14b)は日本最難のフィンガークラック。日本のフリークライミング黎明期からトップクライマーの挑戦対象として認識され、未来の課題として継承されてきた。とりわけレジェンドクライマー、故・吉田和正が情熱を傾けたことが知られている。2020年1月、30年以上の挑戦の歴史に終止符を打ち、小峰直城が初登。浦野誠動が第2登、中嶋渉が第3登と続いている。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ちなみに、”実力とは、かかる日数で示すものだ”という実力の示し方、も示されているような気がしますね。

1登 小峰っちは、何日かかったんでしたっけ?忘れましたが…。ロクスノの記録の文体がしょぼかったので、がっかりした私だったのでした…。しょぼかったことしか覚えていない(汗)。

3登の中嶋さんは、10日だそうです。

第2登の浦野さんは、かかった日数、ネットに出ていませんでしたが、48歳?!円熟クライマーだったんですね。年齢でも実力を、というか情熱を、示せるかもしれない。

たぶん、一般クライマーは、ルート名だけで実力を示そうとしすぎなのでしょう…

2)1ピン目は大事です!

1ピン目は、パート1では、赤キャメと青キャメで、固め取っていますが、ユージさんの墜落で、赤が飛んだので、2度目では、二つ連結して、強度を高めて使っています。

クラックのクライマーなら習っていて当然の技です。

1ピン目は、2個連結です。

3)ビレイヤーにコールして、キャッチの準備をさせる (行動プロテクション

ユージさんの登りは、登れなくなった時、「はい、テンション」と声をかけるので、私が習った登り方です。

勝手に、”テンション登り”、と呼んでいますが…

これが、九州では全然なく、違和感でした。

テンション登りが、不安なボルトで登る基本の登り方だと思います。

現代の人は、人工壁になれているので、黙って落ちます。

外岩では、落ちそう、とビレイヤーが予期していることが安全対策ですので、ふいに落ちる、アンコントロールに落ちるのはダメです。

リードする許可の有無が、アンコントロールな墜落をしないこと、です。

それに、ロープたるたるで落ちると、落ちる量が多いですよ。

インドアでは、わざとたるませて落としますが、それは常に被っているからです。外岩では、しません。

行動プロテクション:https://allnevery.blogspot.com/2023/05/blog-post_39.html

4)ボルダリングの安全管理 下降路を登る前に安全確保する

アップのボルダー 大ハングでは、まず落ち葉を落として下降路を安全にしています。

5)余計なチョークは落とす

どうも、パモは持っていないみたいですね。あそこ、いつもチョークついて固まっているので、滑る… 服でたたいてチョークをとしていました。

6)ボルダリングの安全管理 クラッシュパッドの移動

大西さんがランディングしたところが、ユージさんが移動したマットの上で、読みがぴったり。流石です。

7)得体のしれない道具は使わない

後ろに見えているパッドと梯子、誰のなんですかね…? いつもあるけど。っていうか、5年前からあるけどなぁ…。

8)プロテクションは厚めにしておく 

デイドリのピンクポイントで設置した、最後のナッツは、どうもユージさんも、登ってみたら、かける余裕はない、みたいでした。登り切ってから、かけるしかないと最終的に判断していました。

ボルトでも、設置してあっても、そこが、片手になれない、かけれない場所だったりしますよね。

事例としては、私にとっては、九州で最初に登った米澤さんの5.10aがこれでした。ボルト飛ばして、登りきるほうを優先したので、ランナウトを受け入れて登らざるを得なくなり、相方は渋い顔をしていました。結果的にはオンサイトでしたが、良いクライミングとは考えられない。米澤さんのグレーディングは激辛なので、あれは普通にアップで取りつくような10aではなかったと思います。

デイドリは、結局、どうせ最終ピンは、クリッピングするゆとりはないので、最後のRP完成動画のほうでは、設置されていませんでした。最後はランナウトを受け入れて登る系です。あっても使えない位置にあれば、意味がないので。

9)ピンクポイントで取りつく

レッドポイントするのに、最初はピンクポイントで登るんですからね。

トップロープで登れたら、はい次、といきなり、レッドポイントで取りつかないですよ?

カムの場所とか検討できないじゃないですか?いきなり本番では…(汗)。

私は、これ、されて嫌でした。私はクラックは習得途中でこっちに来たので、最初からそう言っていたのですが、どうしても疑似リードをする習慣がないみたいでした。カムエイドで、プロテクションを設置して登るのもしなかったら、いきなり登りながらプロテクションを設置することになり、ムーブによほどゆとりがないと登りながら、正確で落ちれる設置はできないですよね?

そこが、分かっていない人たちと登ると、トップロープで一回試登しただけで、あとはいきなりRPしてねーとなり、危険でした。リスクを回避すると、結局、カムに頼らないで登ることになるので、いつまでもプロテクションが確実にならない、ので、十分実力を上げる難しさの課題には取りつくことができない。悪循環です。

プロテクションを軽視している、というのはこういうことですよ。

ピンクで登るためにカムを入れるには、トップロープでぶら下がっている必要がありますが、それには、カムエイドしながらでも、まずは上まで行っている必要があります。

その辺は作業なので、動画には、出ていないです。

10)ビレイ位置

ちなみに故・吉田さんにビレイする場合は、ビレイヤーも、スタートのボルダーの上に上がってビレイしました。地面ではなく。そのほうがより安全ですが、落ちたら、ビレイヤーに激突するかもしれません。(当方、吉田さんの最後のビレイヤーです)

しかし、見ていて指が痛くなるクライミングでした。ユージさんは指にテーピングしていたけど、大西さんはしていないので、出血…。

やっぱ、フィンガージャムは痛いですよねぇ…。

余談ですが、14bはトップクライマー向けなのですが、近くに一般向けの10くらいの初心者向けフィンガーもあります。そっちはフェイスに逃げれます。フィンガーを覚えるところの人は、それで練習してくださいね。

関連記事

2024/02/13

【事故報告】疑似リードで死亡

https://freeclimb.jp/information/9978/ より引用。太字当方

当方意見:

古賀志事故のように

 地名×事故ではなく、

タイトルは

  疑似リードで死亡、

のようであるべきだ。

登山の遭難では、地名こそ意味ある内容だが、クライミングでは地名には意味はない。技術の稚拙さにこそある。


 ーーーーー

古賀志事故報告書(Drafted 2023.12.10) 文責:神林飛志

・文書の目的:事故の再発防止をクライマー各位に喚起すること

・場所/ルート
古賀志⼭/不動滝エリア ルート名:クウ(5.8)


・事故発⽣時刻
2022/11/20(⽇) 12:55 頃発⽣。天候は全国的に曇り⾬模様だが、この地域のみ晴。


・事故概要
疑似リード後、終了点において確保不備のため、グラウンドフォールにより死亡


・事故詳細
事故者は腰の⼿術で腰椎にボルトが⼊っており、いわゆるリハビリクライマーであった。クライミング・スタイルとして、リードでの不本意なフォールを避ける為に、慎重にトップロープ→疑似リード→リードRP を⽬標とし、徐々に精度を上げる⽅法をとっていた。

疑似リードのやり⽅については、所有の50m ロープ⼀本を使⽤し、トップロープの余った末端を疑似リード⽤ロープとしていた。このやり⽅はビレイヤーと⽇頃から認識を合わせており、疑似リードでトライを繰り返している。(以降、1 本なので"トップロープ端"、"疑似リード端"と表現する。なお、ビレイループの右に疑似リード端・左にトップロープ端をつけることを常⽤していた) この時点で、古賀志での実施は3 回⽬であり、特にトラブルは起きていない。事故者とビレイヤーとの間の基本的な約束事として、トップアウトしたときにはロープの混濁を避けるため、疑似リード端は事故者が解除し、下降時確保には利⽤しない、ということにしていた。

事故者はビレイヤーと共にこの⽇3 本の登攀を実施している。


1 本⽬は「クウ(5.8)」をトップロープ(疑似リード)で試登した。
この時は疑似リードでのトライであり、トップロープ端、疑似リード端ともにエイトノットで連結。次回からは両者区別をしやすいように、疑似リード端を環付きカラビナにて連結することを合意していた。なお、このトライではトップアウト時には事故者の判断として疑似側ロープを外さないこととして下降している。これについては事故者・ビレイヤーで確認は取れている。

2 本⽬は「沙羅ちゃん(5.8)」をトップロープで実施。
このときはトップロープは回収している。このルートは⽀点が勾配にあり、ビレイヤーから回収状況が確認できない。またセルフビレイの合図もなかった為、ビレイヤーが念のために確認したが問題はなかった。

3 本⽬に「クウ(5.8)」を再び疑似リード(トップロープ)。
ハーネスにはトップロープ端、疑似リード端ともにエイトノットにて連結。ヘルメットは着⽤。トップロープは、クウの終了点ボルト上からスリングと安全環付カラビナで⽀点を作っていた。

事故者はクウを疑似リードしながらトップロープ確保で登攀。終了点に着くと、疑似リード端を終了点の残置カラビナに掛け、セルフビレイを掛けたと思われる。そのまま⽀点回収を実施。⽀点回収の実⾏決定は下⽅のビレイヤーには「回収します」の旨の宣⾔で伝達しており、意思疎通は⾏われている。

この後、事故者はトップロープ⽤スリング⽀点の撤去を開始したと思われる。
クウの終了点は、最後のハング部分に乗り越す形になっており、ビレイヤーからは終了点付近の作業状態は視認できない。

このとき事故者は、終了点ボルトまたは残置ロープにセルフビレイを掛けていたと思われる。事故者は疑似リード端を終了点の残置カラビナに掛けてはいるが、ビレイヤーはトップロープ端のみを確保しているので、この疑似リードロープ端は確保されていなかった。(コレ、普通のことでは?疑似リードでは、リードが疑似なのであり、トップロープ確保が基本ですよね)

セルフビレイのみで安全確保されている状態の事故者は、この確保不備に気付かず、またビレイヤーは事故者が勘違いしていることに気付かなかった。

事故者がトップロープの確保確認を怠ったまま、唯⼀事故者を確保していたセルフビレイを解除してしまい、直後にテンションコールを⾏った。ビレイヤーがロープを張ったその後、バランスを崩し墜落したと⾒られる。なお、ビレイヤーからは事故者が⼀瞬複数(下からは3本に⾒えていた)のロープを掴みかけ、後退りの体勢で落下しているように⾒えている。


・推定される事故原因
事故者が下降時にビレイヤーの確保を確認せずにセルフビレイを解除し、確保のないまま下降しようとしたことによるものと推定される。


・推定される遠因と背景
直接の原因は事故者による「下降時における確保確認の不備」によるもので、少なくとも下降前にセルフビレイを掛けた状態で、ロープ・テンションの確認を取っていれば、確保不備は確認できたはずで、事故は起きていなかったと思われる。


なぜ、「下降時における確保確認の不備」が起きたかについては、「疑似リードでトップアウトした直後にトップロープの⽀点回収を⾏ったこと」が背景にあることは無視できない。


このとき、ビレイヤーから⾒れば、いままでの回収の経験通りで、疑似リードといえども、あくまでトップロープによる確保が基本であり、⽀点回収時にはトップロープを残置⽀点に掛け替えて、確保を⾏い下降を⾏うべき、という考えになる。


また、事故者から⾒れば、以下の状況は当然推測可能と考える。
・トップロープの⽀点回収なので、トップロープは確保として機能しない。
・疑似リードで登ってきた上に、終了点にロープを掛けている。したがって、疑似ロープで確保・下降を⾏うことになる。
これは別段、デタラメな推測ではない。

上記のように、事故者・ビレイヤーともに根拠のある推測であり、⾏き違いが起こりやすい状況であったことが推測される。


さらに追加的に以下の2 点は考慮されるべきである

  1. 問題のルートでは、下降⽤の残置カラビナの位置が低く、事故者の⾝⻑ではビレイループよりも下になってしまい、テンション確認が取りづらい。また、ロープ⾃重で引かれているためテンションがかかっているように感じられる。

2. そもそも単⼀ロープでトップロープと疑似リードを⾏っているため、回収後にどのロープがどのような状態かは混乱しやすい。⽬撃情報から事故者はトップロープを回収後、ロープを下に投げずに、⼿元に持っていたことがわかっている。

上記より、通常の⽀点回収よりも「下降時における確保確認の不備」が、よりおきやすい状況であったと思われる。

・対策と注意喚起
まず⼀義的に「事故者が下降時に、セルフビレイを掛けた状態で確保確認を⾏う」ことを⾏っていれば事故は起きていない。 もちろん、「クライマーが下降時に、セルフビレイを掛けた状態で確保確認を⾏う」という鉄則を怠った以上、どのような策を講じても事故は起こりうるのは当然だが、「疑似リードとトップロープ回収を同時に⾏う」場合は、通常の回収のケースよりもミスが起きやすい、かつ、実際に死亡事故が発⽣している、という事実は看過すべきではない。

⼀般にボルトルートであれば疑似リードは少ない。とはいえ、プロテクション難度の⾼いクラックルートでは試登として疑似リードが⾏われることは、経験あるクライマー同⼠や、とくにクライミング講習ではありうる状況であり、注意喚起を⾏いたい。


以下の対策案を推奨する
・クライマーが下降時に、セルフビレイを掛けた状態で確保確認を⾏う、事の周知徹底
・疑似リードロープと確保トップロープを混濁しないために、事前に必要な⼿段を講じること

 - ⻑さのある単⼀ロープの両端を⽤いることはしない
 - できればクライマーが疑似リード端と確保トップロープ端の区別がつくように、疑似リード端を安全環付きカラビナにするなどの⼯夫を⾏う(両者エイトノットの⽅が安全という考え⽅もある)

・疑似リードとトップロープ回収は可能であれば、同時に実⾏しない
・疑似リード時は、必ず疑似リード端・トップロープ端両⽅で確保をする
・疑似リードとトップロープ回収を同時に⾏わざるを得ないケースで、かつ、疑似リード端・トップロープ端両⽅で確保をすることが困難な場合は、事前にどのロープで確保をするか必ずクライマー・ビレイヤーで共有し、かつ、下降前にもう⼀度相互に確認する。
 - この場合、確保しない⽅のロープは先に外し、間違って確保に利⽤されないようにする、という⼿続きを事前に決めておく。
・トップロープ実⾏時には必ず確保側のロープにバックアップの中間プロテクションを⼊れること。

以上

ーーーーーーーーーーーーーーー


うーん、トップロープを回収するにしても、架け替えでは、セルフは取ったままテンションコールをします。私なんか、それでもビレイヤーがアホな場合に備えて、反対側のロープを持った状態でテンションしてもらっていますけど。


よほど信頼関係が構築されていたんですね。


疑似リード関連記事一覧 

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2023/10/10

【盲点】昔の5.12と今の5.12 リスクテイキングゼロの5.12

■[クライミングを語ろう68]同じグレードやのにジムと岩場はなんで難易度が違う?

■ この動画、3回も見てしまいましたよ(笑)

私は、アルパインクライマーとしてクライミングをしていたので、全くフリークライミングには詳しくないのです。

なので、フリークライミングの人に、「フリークライミングとは、こういうもんだ!」と自己主張されると、”そうなんだー”と思うしかありませんが、現れてきた現象については、まぁ、当然ですが、普通に事実を捉えることができます。

  事実: ”今の男子の5.12登れます”は、瞬間風速のこと。

具体的には、何分も、ある場合には、何時間もハングドッグで粘って、やっとこさ登れた5.12が、”5.12登れます”、です。なので、5.10bでも落ちたりします。油断は禁物です。

これはマシな人のことで、ひどい人だと、ジムグレードのことです。

■ 昔のクライマーの5.12は、どうだったのだろうか?

昔の人は、分厚いマットが敷かれたクライミングジムなどなく、5.12が触れるだけでも、そこへ積み上げるには、

 怖さ

をかなりな状態で克服しないといけなかったはずです。というのは、外の岩で、自分のギリギリにチャレンジするのと、インドアジムの分厚いマットや落下係数0.3に調節された人工壁で、5.12にチャレンジするのでは、

 心理グレード

が全く違います。

ので、私自身も、はじめっから外岩の小川山ストーリーは別にトップロープでいいのなら、普通に登れていたわけなんですが、5.9のオンサイトが確実になるまでには、2年半かかりました… 山梨時代です。それで、こちらに来てからも、命拾いした感じはあります。

同じ5.9でも中身が違います。その中身の差は、恐怖で、だいぶ違うわけですが…そこが、グレードだけで実力を測ると、捨て去られてしまうわけですね…。

 昔の人の5.12は、中身のぎっしり詰まった相当の実力

■ 日本の岩場は、”あるクライミング”理論に貫かれている

安易に…と私からは見えますが…男性はグレードを上げますが、それは安全のためです。

日本の岩場では、
 
 易しいグレードほど、恐怖グレードが高く設定

されており、

 難しいグレードは、ボルト配置が下手したら1mおき

で安全です。これは、クライミングで有名な論文があり、それに倣っているんですよね…名前は忘れましたが…。

その忘れた論文によると、リスク+難度で、5.12も5.9も同じになるように調整されているのです。

なので、日本の岩場は、基本的にはこの理論に貫かれている、ということなんです。

そこは、フリークライマーでも、古い人、昔からやっている人しか共有されていません。

ので、新しい人は、えー?!ってなりますね。

■ リスクは除外して、ムーブだけの難度表記にするのは新しい潮流

たしかに、外岩では、ムーブ自体は簡単で、リスクがやたら大きい…のが、一般的な入門ルートです。

ので、アルパインルートは2グレード下、と言われていますが、

 登攀力にゆとりをもっていても、防げないリスク

はある。その1は、ビレイヤーが下手っぴってリスク。大体、落ちないで登るのがルールであるアルパインクライミング育ちのビレイヤー(例:往年クライマー)は、ほぼ全員ビレイがダメです。

落ちたクライマーを確保した経験がないんだろうなと分かるビレイ具合…壁から2mも離れ、しかもダラリンで、フリークライミングのルートをビレイしています。

■ アルパインの外的リスク

だれかアウトドアのフリークライミングのリスクを検討したクライマーがいないのかなぁと検索したら、こちらの論文がヒットしました。

称名の滝フリーソロの時のリスク検討
https://www.jpnsport.go.jp/tozanken/Portals/0/images/contents/syusai/2020/tozankensyu.vol35/tozan35_1-2nakasima.pdf


しかし、これもアルパインのリスクなんで、フリークライミングのゲレンデのリスクとは違うんですよね…

アルパインのリスクを理解して取ってきた人にとっては、フリークライミングのゲレンデってリスクフリーと言ってイイくらい安全安心感があります。

■ フリークライミングの外的リスク


サンプルとして、またしてもアイロンさんが提供してくれました…

ーーーーーーーーーーー
最近は東股沢の開拓やってます。

私が発見した美しい(けど浅くて途切れ途切れ)のクラックにラインを引かせてもらったんだけど、プロテクションが取れん。。。

核心のプロテクションが足下3メートルの良い音がするフレークにセットしたカム、なんてやりたくないよね〜

TRでは一撃できているからプロテクションに問題がなければ登れそうなんだけど、登るためにボルト打つ? それともボルトレスで登れるように鍛えてから登る?

スタイルとか安全性とか悩むときりがないけど、みんなどうやって折り合いをつけているんでしょう???
ーーーーーーーーーーーーーー引用終わり 太字当方

これ、フリークライミングで良く起きます。

■ 現代クライマー的解とオールドクライマー的解

 登るためにボルト打つ = 現代クライマー的解
 ボルトレスで登れるようになってから登る = オールドクライマー的解

です。

そこで、今いさかいが起きているんですよね。私はいさかいが起きるより、説明しろ、と思います。

例えば、トポに

 核心のプロテクションが足下3メートルの良い音がするフレーク

と書くか、Rをつけておけば良いです。RとかXってそのためにあるんでしょうし。

個人的には、ボルトを安易に打つのには反対意見です。

■ 誤解を受けることと無理強いされること

私がクライミングで、特に少し前まで登っていた人との間で起きたことで嫌だったことは、

 TR派だと誤解を受けて非難されること
 
 と

 すでに無理しているのに、もっと頑張れと無理強いされて心がすり減ること

の2点でした。

この誤解は、誰にとっても、5.9は同じ困難度だ、という誤解に基づくもの、だからです。

落ちたときのリスクも、誰にとっても同じだ、というは誤解です。おばあちゃんがこけただけで5か所も骨折するのは、30代男性がこけたときと同じリスクと思いますか? 女性のほうが男性より、壊れやすい、です。

過去に、私が連れて行ったアメリカ人クライマーは佐世保勤務の軍人さんで、33歳でごっついパワーの人です。

その人は、愛のエリアの5.9夢中歩行はオンサイトできなかったんですよ?

私は念のため彼が現地の岩慣れできるように、別の5.9トップロープを張ってあげ、さらに5.10Aも登らせてあげたのに…。これだけの好待遇で、彼が怖いというのなら、私がいきなり一本目でオンサイトできたのは、すごいことでしょう。

私の日向神一本目は、この課題で、1ピン目はるか遠くです。

降りて来たら、クライマーに、

「これが遠いって文句あるなら、この岩場に来るな!って意味だよ」

と言われました。男性です。しかし、5.12で同じ状況か?全然、ボルト近いです…

■ 身長が低いというハンデ=恐怖グレードが上がるですよ?

私は身長が152cmなので、同じスタンスに立っても届くところ違います。

マスターとぬんがけリードはエライ差です。

しかも、一回リードで落とされて、頭縫っています。血みどろの岩場になって救急車です。身をもって安全とは何か?学び中です。

クライミングで、新人さんや、その岩場に詳しくない人は、何を登るべき段階か?分からないというのは真実です。なので、これを登ったら、どうお?というのは親切ですが、それを無理強いするのは…。

 虐待です。

■ 人に勧められて登ったルートは印象が薄くなる

私も大堂海岸で、スーパークラックはやっておいてよかったなとは思っていますが…。

これは、私は疑似リードで取りついた課題です。

しかし、自分で選んで登った5.8のほうが印象に残っている。登って楽しかった。何が課題か見えた。

長いハンドのスーパークラックのほうが私向きと分かりました。

■ 自分の基準で人を裁くとは?

ラオスへ行ったとき、13を目指しているヒロさんは、私が6Aでテンションして、スイマセンと言ったら、「俺らも同じよ」、と言いましたが…

体の性能は人それぞれです。その性能の限界にチャレンジしているときに、感じている感情は同じです。

ですから、ギリギリにチャレンジしているときのグレードは違っても、みな同じです。

私のギリギリが5.10Aで来ることは、クリップする余裕がなくて、ノークリップで抜けてしまう、ということからも分かると思います。

日本の大体の10Aではそんなことはありませんが、米澤先生の課題は辛いことで知られ、一本そんな課題があって、それは米澤さんの10Aだったので、多分10Aじゃない(笑)。
…cとかだと思う… 

これがグレードで騙される弊害というか、リスクです。辛い上にランナウトしていると、もっと最悪です。

あー、ホントあれは落ちなくて良かった…と思いますが、トポにその旨書いてあるか?というと書いてありません。本人が、俺の課題は、Rです。と書くかというと?書かないでしょう。

開拓者と言うものは、自分の作った課題を登ってほしいものだからです。

…という事情なので、頑張っていない子呼ばわりされると、大変、腹が立ちます。

その頑張っていない子呼ばわりですら、そもそも、そう呼ばわってくる人が、共感力というよりも、そもそもクライミングに対する理解力が低い、ということに起因するのですから…。

つまり、自分は全然ギリギリを登っていないくせに言っているのですから…。

■ エリートが作った岩場

日本の岩場は、基本、昔のアルパインクライミングのエリート族が作ったものが多いです。

で、5.12を登れるようでないと、そもそも楽しめないようにできている、とあの北山真さんも著書の中で述べています。

この問題の回避のために、初級クライマーはみんな海外に行くんですよ?

理由は海外では、5.9は5.9のクライマーのためにボルトが打ってある岩場があるからです。

でないと、5.12を登る前に死んでしまいますよね?

私はすでに頑張って、心がすり減っただけでなく、右膝や左のアキレス腱は、もう生贄に差し出した的な様相です…、つまり頑張りすぎ、です。

クライミングではまるでお荷物みたいな扱いを受け、なんだか頑張りを理解してもらえなかったので、納得がいかなかったです。

その上、なんで私をお荷物扱いする人に、国際ガイドをしてやらないといけないのでしょう??? 私のスキルはハードアーンドです。仲間でしょーとあなたが主張するだけ仲間待遇は、もらっていないです。仲間でしょう、を主張する人ってテイカーですよね?基本。

今水泳で、他の人からみたら、ホントに初めてですか?と言われるくらい上手に泳げるので、クライミング、別に下手くそでないんじゃないかと、先述の米国人クライマーと比較しても思いました。

ただパワーがないだけなのです。そんなの女性であれば当然です。女性は男性にはなれませんし、なりたいとも全く思いません。

私は握力17Kgなんですよ?握力65kgの人がクリップ飛ばすガバで、飛ばせずクリップしたいのは当然かも?

というわけで、理解力が問題だという結論です。こんなの、ジム壁登っていても分かるようなことですけど?

2023/03/29

【開拓者向け情報】ボルトルートでも終了点だけ打つという戦略

 ■ 終了点だけ打つ

昨日、中島さんに、ボルト提供を打診したら、

  終了点だけ打っているから大丈夫

って返事だった。

 さすが、考える人は考えているな

と思った。

■ へたくそな若者クライマー

米澤さんがクラックの横にボルトを打ったのは、

 最近の九大山岳部クライマーはカムをきちんとセットできないため

だった。

  自分がクラックを登るときに要るから…じゃない。

つまり、若い人のスキル低下のため。

たぶん、九州の終了点が奇天烈なのも、若い人の知性のレベル低下で、ヌンチャク2個終了点に使う程度の常識すら、きちんと実践できないので、諦めて、人工壁スタイルにしているだけ。

結局は、若い人の側に寄り添った結果なのである。

■ 人は必ず老いる

人は必ず老いる。老いれば、登れなくなる。

登れなくなれば、昔余裕で登った課題も、余裕ではなくなる。

余裕でなくなれば、ボルトが欲しくなる。

ボルトが欲しくなれば、ミニマムボルトの原則は守れない。

ミニマムボルトの原則が守れなければ、クライミングとしては堕落の道を歩んだことになる。

さて、どうする?

■ 終了点だけ打つ、という解決策

若い人が、画家の絵をなぞっているだけの、模写のようなクライミングで満足しているのは、それしか知らないためである。

つまり、ボルトを追いかけるクライミング。

ボルトを追いかけさせないためには?

つまり、ボルトがなければ良い。

しかし、ここがルートであるということは示したい。

   結論: 終了点だけを打つ

これは、クラックと同じスタイルである。

■ 年配のクライマーはトラッドクライミングの教え方を知らない

私の師匠の青木さんが、背の低い私が自分のカムのセットが必要だということが分かっていなかったように、 

一般的な年配のクライマーは、トラッドクライミングの正しい教え方、は知らない。

自分だって教わったことがないからだ。

トップロープクリーンで登れた後は、疑似リードが必要だ、という認識すら無い。

一言、「俺は疑似リードが嫌いだ」

で終わりで、ボルトの間隔というものが、個人差の産物、であるという認知をする能力やそのための経験をする機会、そのものがないためだ。

そりゃそうだ。

人のカムで登った経験が皆無の人ばかりなのである。老年期になっても登っているクライマーというものは。

つまり、俺のクライミングの歌、は奏でて来たが、人のクライミングの歌を聞いたことは無い。

例えば、ギリギリボーイズの伊藤仰二さんが、いつも師匠とふたりで登っているアイスクライミングに来たことがあったが、彼と比べればいくら、アイス歴40年の師匠でも、どう考えても技術は伊藤さんが上だろうと思うが…

それでも、伊藤さんが、師匠の打ったスクリューを活かして登ってくれた。つまり、年配者を立て、譲ってくれていた。 

日本では、若年者は年配を立ててくれるもの、なのである。 

伊藤さんのほうが師匠より実力が上だからやってあげることができるが、まだリードクライマーとして修行中の私には適切ではない。私には私の安全が第一なスクリュー配置が必要だからだ。

そこは、どうあがいても、年配のクライマーには理解できない。人のスクリューで登るほうが、簡単だと思っているからだ。 そりゃ打つ手間は省けるかもしれないが、リスクが少ないか?どうか?は身長による。

■ ベテランクライマーはフリークライミングのことは知らない

つまり、ベテランというのは、人の作ったルートを登って、この人のクライミングの歌はいい歌だなぁ…と、実感するようなクライミングのレベルまで行っていない。

現代のクライミングの歌は、岩の場合、おおよそ5.12以上で奏でられるためである。もちろん、それ以下でも良い歌はある。例えば、屋根岩2峰などは色々なスタイルの歌が聞けるルートとして有名だ。

が、そんなの、若いときの右も左もわからない頃にすっかり登っちゃって楽しかったーで終わりで、後は自分の歌を奏でる方しか興味がない。

俺は俺の好きに登るぞーというのが誰だって、定年後は楽しいわけである。

一方で、歳を取っているから、もう難しいのは登れない。

例えば、湯川だったら、10cのフィンガーなんて、出だしからずっとテンションで、普段スイスイとインスボンをリードしていたからって、トップロープ以外、無理なんである。

なんなら、女性の方が指が細いから、君、これ、いけるんじゃないの?くらいな勢い。

最初の師匠の鈴木さんなんて、トップロープを自分に将来貼ってくれる人を育てていると公言していたくらいである。ずっと登り続けるには、そうする必要があるからだ。

クライマーなんてそんなもの、現実主義者なのだ。

当然、年を取れば誰だって過去よりは登れなくなる。

■ 岩を汚すよりは

とはいえ、岩場の開拓をするような、効率の悪いことに時間を費やせる、ゆとりがある人が昨今いない。

世の中の労働市場は、労働力不足であえいでいる。

というので、定年退職後の人の出番となる。

日本の岩場は、開拓されつくされたというのが、一般的な見方だ。

残っているルート=落ち穂拾い。

歩く手間をかけて丹念に探せば、いいのだが、その時間がないとなると、既存ルートの隣にもう一本作ろうということになり、ルートの人口密度が濃くなる。

すると、分かりづらくなる。

それだけでなく、限定、とか付けないといけなくなる。

は?って感じになる。ここ人工壁かよ!ってことだ。

一方、到達までに6時間かかる岩場では、誰も遊びに来てくれない。例:前穂北尾根

というので、このような状況下で一番良い解決策は

 岩場を見つける 

 初発見者権限として岩場に発見目印をつける (=終了点)

 終了点だけ打つ

という手だというのは納得した。

■ 適正ボルトの時代変化

そもそも、適正ボルト間隔は、昔は、身長が日本の平均男性の160cm前後に合わさっていたと思われる。

しかも、エイドのルートだと、特別のっぽだった人が、お前がいけ!と言われて登っていたわけで更に遠くなっており、170cm以上の人に合わさっている。

ところが、現代では、子供も登る、女性も登る。 

それでは、現代では、ボルト間隔が遠すぎる。

つまり、140cm前後から必要になる。 

しかし、140cmの人向けの間隔でボルトを打ったら?

人に親切にしたのに、俺がチキン呼ばわりされる。

それは受け入れがたい。

もしくは、ミニマムボルトの原則に反しているだの、との批判を受ける。

そもそも、そんなにミニマムボルトがいいなら、ボルトが嫌な人は、すっ飛ばして、フリーソロしてくれよ、と思うが、そういえば、喧嘩腰になる。のも、得策ではない。

めんどくさいことをすべて避けるには?

 終了点だけ打つ

これで解決なわけである。

米澤さんは、終了点は打っていたが、全然使っていなかった。立ち木にぶら下がって開拓しているから、自分の継続トレーニングには、その立ち木で別に十分だからだ。

だから、私もそのようにしている。ボルトはいらない。

なんせボルトのほうがカットアンカーだから信用ならない。別に、立ち木で懸垂で降りれるからいいのである。

しかし、ボルトがないと

 そこがルートだ

ということが示せない、ということなのだ。

これは、この終了点がないとルートだと認識できない人のために完全なる募金、なのです。

なんせ自分にはいらないわけですから…

大したクライマーでもないとすでに明らかになっている年齢の人が、開拓者のエゴを主張して、限られた岩場資源を独り占めしようとせず、後世の

 ちゃんと現代レベルで登れる人に、国際レベルでの適正ボルト

を打ってもらうほうがいいに決まっている。 

その時のために若い人はせっせと海外の岩場にでて、

  国際グレードのグレード感の吸収

に勤めましょう。

海外旅行は大変疲れます。海外で移民として暮らすのも、若いときは、言葉もあっという間に覚え、楽勝です。

が、年をとると、言語・文化の吸収能力が下がっているので疲れます。

若ければ若いほどいいわけなので、海外でできるだけ多くの岩場に触れましょう。

そして、その知見を成熟してから、日本の岩場に持ち込みましょう。

これで世代間連携はバッチリです!

《関連記事》

クライマー別カム配置の考察

https://allnevery.blogspot.com/2019/08/blog-post_68.html 

トラッドのリード習得法

https://allnevery.blogspot.com/2023/01/blog-post_11.html

ロープの伸びが配慮されていないボルト配置 → エイドルートなのでしょう

https://allnevery.blogspot.com/2022/01/blog-post_4.html

ラオスのメモ

https://allnevery.blogspot.com/2016/11/memo.html

2023/01/31

クラックの習得の仕方でコンフリクトがあったこと

湯川

トップロープクリーンで登れました → 誰が考えても疑似リードの段階 

なのに、青ちゃんが疑似リードが嫌いっていう理由だけで、なぜ、俺がセットしたカムでピンクポイントしろ?って思った。ので説得するために、背が低い人には、その人にマッチした位置にピンが必要であるというブログをわざわざ書くはめになった。

納得ができないことは、テニスならやってるけど、クライミングではやってはいけない。クライミングの場合は命がかかるので。クライミングで自分軸を外すと命取り。



2023/01/11

トラッドの習得 クラック(カムセット)の習得の仕方

■ 信頼できる筋からの情報 (コピペです)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

トップロープでクラックの概要を知る

トップロープでバックアップしながら、カム類をセットしながら登ってみる。

自分がセットしたプロテクションで落ちてみる。当然、トップロープでバックアップあり

1番上のナチュプロ吹っ飛ぶ

どこが悪かったのか考えさせる。

修正しながら上まで抜けさせる

リードでセットしながら登ってみる

無事にRP

ーーーーーーーーーーーーーー

注意事項: めちゃくちゃ時間かかる。13クライマーでも初級クラックで、パンプアップでRPならず、ということもある。グレードと関係ない。

■ 納得を深めた

やっぱりなぁ…。私は、

 クラックで人権侵害を受けた から 希死念慮 が出るようになったんだなぁ…

と超・納得しました。

■ トップロープで登れたからハイ!リードね!って変ですよねぇ

私は湯川でクラックは二日程度登り放題をしたのですが…そのあとが、いきなりハイ、リード(汗)… それは、いくら何でも、突然すぎるだろーというので、師匠の青ちゃんに抵抗しているところで、クラック行脚は終わっています。(俺の設置したピンクポイントで登れ)

でも背の高い人が設置したピンクポイントのカムって、背の低い私にとって全く届かず意味なしなんですよ。それはUIAAのスティーブもだよね~と言ってくれましたよ?やっぱり私の理解はあってるじゃん?

デゲンナー5.8とか、城ケ崎のファミリークラック5.8程度、とか、モツクラック5.9とかは、オンサイトしていますが、オンサイトだから、カムへの信頼があるわけではない。

で、私の必要なのは、プロテクションの設置力と落ちて大丈夫なセットを覚えるところですが、その教え方が…

大丈夫だから、落ちてみなー 

では、その大丈夫の根拠がないですよねぇ?

一般には、カムにスリングかけて、トップロープ状態で、落ちてみるんですが、それって、激痛&腰痛路線ですよね(笑)? なんせスリングって伸びがないんで。

カムエイドで登ったり下りたりしているので、まぁ何となくは、カムへの信頼は育っているのですが…。

私が、油山川の10bは、TRではスイスイ登るのに、リードになったら長時間かかっている、というのを見て、

 「なんだよー サッサと登れよー」

みたいなビレイをされると、こんな心理的寄り添いのないビレーヤー(つまり頼りがいの無いってこと)だったら、一人で登ったほうがいいな、とか思っちゃうんですよね…

いや、正直、そうでしょう…。一人で登るよりマイナスですよね。焦らさせられる分。

■ トップロープ+リード =疑似リード

疑似リードも大堂海岸でやってもらったのですが、あんまり意味がなかったですよね。

なので、色々工夫はしてくれたと思うので、一応努力はしてくれた、ありがたかったとは思いますが、たぶん、ポイントがずれているんだろうな。子供がいない男性=父性の欠如。つまり、相手に寄り添って待つ姿勢はない、ってことです。俺と同じになんでできないだ?あ?って、なるってこと。でも、成人男性の体力や肉体の壊れにくさって、人間の中では一番でしょう。同じ基準で女性を裁かれても…

やっぱり、自分の命は自分で守る原則を考えると、疑似リード、1本、2本で、クラックのリード修業が終わり、さぁリードしなーっていうのでは、あまり根拠があるクライミングではないな。

まぁ、本人は、カム3つ飛んで止まったっていうのが、どちらかというと

 自己肯定感

につながるタイプなので、本人はなんで私が嫌なのか?理解できないと思うのですが、私は嫌なものは嫌なので、永遠に平行線だと思うんですよね。

というので、岸良で私の課題のクラックをビレイする気がないと分かったので、一緒には登れないなと思いました。

岸良のボルダーの方では、私は大幅に自分の安心安全感覚をゆがめて、5級のハイボルダーでは、オンサイトしているんですが、あれを「あのクライミングは…(ダメクライム)」と評価していなかったことも、マイナス要因になりました。

■ 弱気に登るのが自分らしい登り

弱気に登るのが私らしい登り方なのです。アイスだって、めちゃ弱気に登って、ちゃんと6級がスイスイ登れるようになり、私のムーブは二重花丸なのですから…。

自分らしく登ってもダメ判定、頑張って登ってもダメ判定、ならどう登っても、彼からはダメ判定しかもらえないということで、結局、励まし合い、ではなく、一方的に私が相手を励ましている関係になります。相手からは永遠に、ダメな奴だなぁ…というフィードバックしかもらえないって意味ですね。

それは、イケイケの人からしたら、イケイケクライミングだけが正義、だからです。

以前、城ケ崎で、かなり怖いクライミングをして吠えていました。ビレイしていた人は、「一生で一番怖いビレイだった」と言っていました…。つまり、ビレイヤーが私でなくても、「もう!怖いな~」ってクライミングだってことですよ…。ビレイヤーする側にも、心理的負担を強いているクライミングってことです。

と、以上のような理由で、

  心的エネルギー枯渇

していたので、新型栄養失調が重なり、鬱になりましたが、最近はだいぶ回復しました。

クラック登りの習得、カムの習得については、言質が取れたので、今後はこの方針で頑張ればいいだけになりました。あー、良かった~。

           岸良の楽勝クラック 肉離れ中に登った

PS 台湾も良きクラック課題があるうえ、スポーツルートもあるので、おススメです。

非常に易しいレベルから登れる。

2022/10/02

自由の世界へ…倒立の会の Hisashi Watanabe 存在がインスピレーション!

■ サーカスだんvol.2ゲスト渡邉尚&儀保桜子

この動画は、昨日倒立を教えてくれた渡辺先生の動画ですが、彼の

 身体知

に対する考えが上手に語られています。どんどん頭でっかちになっていく社会の中で、

 体の使い方についての知識

は忘れ去れる方向にありますが、人は、動くから、動物。静物じゃなくて、動物、なんですよね?

人が人として生きていくことの半分くらいは、動物、動くものとしての本性を全うしてい行くことにあると思います。

倒立も、クライミングも非日常の動作ではありますが、足で立つ、を 手で立つ、に変えてもいいし、

 水平面を歩く、

を 

 垂直面を歩く  (→ 2点のカウンターバランスが必要になる)

とか、

 オーバーハングを歩く、(→ ボディテンションが必要になる)

に変更してもいいのです。 

     ルーフを”歩いている”私 私ができるんだから筋力じゃないですよねぇ?

ちなみにルーフでは、リードのほうがえらい、は覆されます。ロープが前に出ていても、後ろに出ていても、一緒です。落ちたら終わりです。

■ 自由とは?

動画では、自由とは何か?が語られています。

誰も見ていない”世間体”とか、どこにもありもしない”普通” に囚われている日本人には、本当の意味の

 自由

は、ヨーロッパくんだりまで行かないと、疑似体験できないものかもしれません。 

フランスではアートが強く保護されているそうで、その

 金魚鉢の中での自由

であるようではありますが、自由を疑似体験した後に、

 実践

しているのがえらい。と思いました。私も若いころ、疑似体験までは行ったと思いますが、その後、日本に帰国して、

 不自由の中の自由

です。心は自由だな。周囲の人を見てそう思いますが、それが気に食わない人の攻撃がめんどくさいです。

 

■ 世界のユージだってヨーロッパに7年放浪

さて、若いクライマーの皆さんにお勧めしたいのは、

 できれば10代、遅くとも20代で海外で登ること

です。 

この動画を見れば、勇気が湧くでしょう。

 世界的クライマーの平山ユージさんが、7年のヨーロッパ放浪を経ていることは有名な話ですが…

わたくしも実は、海外方法組です。20代に張ったところで、2年のカリフォルニア…。

富豪だったんですねーとかいう人がいますが、私、母子家庭で3人兄弟。アメリカに行ったとき財布の中身2万円。バンクアカウント?なんのことですか?状態です。

そもそも、大学だって自腹で行っています。そんじょの親のすねかじりと同じに扱わないでください(笑)。

で、海外ですが。

アメリカの郊外とサンフランシスコ市内に暮した経験があります。

郊外へ最初は住み込みバイトで降り立ち、その後は、住み込みから、通いのバイトへ独立して、サンフランシスコの郊外からシティへ移りましたが、シティでは6回引っ越しました。

週に2日程度働いて、メキシコ人コミュニティで有名な、ミッションディストリクトに暮し、楽しくヒッピーライフを送って、英語を習得して帰ってきました。

2年いたのは、当初の予定の1年では、まだしっかり英語を習得出来た感じがなかったためです。一つの家庭に住み込んでいることは、最初のうちは必要な保護でしたが、1年後には補助輪外したいなと思うようになり、シティへ引っ越すことになりました。

初めて済んだ家は、ミッションのガンショップ2階。最初は、試し打ちした、という銃口だらけの壁にびっくりして、ここは危険かも?と思ったのですが‥、店の人に言わせると、

「銃の販売店だから、毎日、警察官が立ち寄る。うちほど安全なところはない」

という話だったので、それもそうかも?と思い、安心してそこへ住むことに。 

それで、しばらくミッションにいたんですが、暮らしやすかった。メキシコ人のコミュニティで、物価も安く、必要なものは、ゲイの人のためのスリフトショップで、ボランティア活動していれば手に入りました。

ミッションはアーティストの住処でもあったので、ミュラルやアンティークショップが多く、私の好みでヒマつぶしには事欠かず。

気に入ったカフェは、レズビアンがやっているカフェだったのですが、常連だったので、コーヒーとサンドイッチで午前中いっぱい、辞書片手に英語の勉強…ほかの常連さんが、分からない英語を助けてくれました。

サンフランシスコは、伝統的に日系人が多い町なので、日系人の家庭に介護の仕事に行ったり…、主に英語しか必要でないことを着眼点に仕事は決めていました。なにしろ、英語を勉強しに行ったのに、英語話さないで済む仕事しても意味ありません。ので、日系の日本食レストランでのバイトなどはスルー決定です。

色々、楽しく、無償の仕事=ボランティア&有給の仕事を合体した体験学習みたいな感じで、暮らし、ミッションの他、ステートユニバーシティがある、Ingelside heights, Presidio heights, Bernal heights, HeightAshubery, Richmond などに住みました。


 英会話学校のボランティア生徒役をしたら、あっという間に上達し、みんながビックリした。そういえば…。

英語学習ソフトのテスターもやりました。当時からソフトウェア開発部のテストやってたってことになりますね。 

運転免許はアメリカではじめての免許を取りました。フリーウェイは広いので初心者向きです。

郊外にいたころは、アダルトスクールに通っていました。日本人は自意識では英語ができないと思っていますが、世界のみなさんは、今からABCを覚えるレベルなので、クラス分けされると上級クラスです。なのに、恥ずかしがりで正解でないとしゃべれないので、なかなか英会話力が身につかないですよね。

恥ずかしさを克服するポイントは人それぞれと思いますが、日本人だけの中学校の英語のクラスでは、英語らしく発音すると馬鹿にされるので、誰も

 できることをできるようにやらない

のがネック。つまり、みんなと同じへたくそに収まっていないと仲間外れにされるので、

 仲間でいるために下手くそになりたい!

というのが本音なのが英語。

そこを、ちゃんと英語が話せるようになりたいのは、私自身の真の願いだ!

ということに変換できないと、当然ですが、英語が話せるようにはなりたがっていないので、話せるように当然のようにならない。

英語が話せるようになりたいのは、一体誰なのか?

自分である。

という自覚が必要なのが英語の習得です。

若い人頑張ってね!

私はとっくの昔に習得したので、今はちょうどよい機会なので

 倒立、頑張りまっす! 

先生がダンサーなのが嬉しかった☆

2021/08/31

他者評価と自己評価

■ 誰かほかの人の”登れる判定”で登らない

何が登れて何が登れないのか? あるいは、何を登りたくて何を登りたくないのか?それを決めることが自己責任、ということだ。

一般に

・アルパインクライマー=登れるところを登るのが自己責任、であり、

・フリークライマー=登れないところを登りたいと思うのがクライマーに足る情熱ある態度

とされている。その混乱が日本では見受けられ、

アルパインの流儀でフリーのルートが開いてあって、フリーしか知らない現代初心者クライマーを危険に陥れている。

多くのクライマーはそこを理解するのに時間がかかるので、結果、一定数が事故ったりなんだりで亡くなっている。

■他者評価と自己評価

私が自分で思っている登れる感(自己評価)と師匠が思っている登れる感(他者評価)が、大幅に違うので、そこに少しリスクを感じていました。

例えば、アイスクライミングですが、私はまだ醤油樽の滝のリードも終わっていないのに、相沢55mのリードが来て驚きました… 

一応、断っておくと、先輩や師匠と言うものは、登れる!と思わない限り、後輩にリードを勧めないものなので、55mリードできると思ったんでしょう。

一方で、私が満足したアイスのリードクライミングは、広河原沢の中央ルンゼに行ったとき、勝っちゃんのビレイで登った滝。4級でそんなに大きくない、たぶん20mくらい? 50mのロープだいぶ余ったので。リードフォローです。

上手にロープの流れを作ってリード出来たよな~と自画自賛中でした(笑)。大した滝でないので、シラケた顔してたよなー 青ちゃんは。

乗鞍の滝に行ったときも、こんなの、何がいいの~くらいなノリだったよな~

というので、安全マージンというか、何に達成感を感じるか?というのは、

初心者は先輩が思うより、すごく小さくても、しっかり達成感

なのかもしれません。私は10m→20m→30m→40m→50mと成長していくつもりだったというか、それが死なないための秘訣だと思っているので、10m→50mになると、喜ぶというより、”んなわけないじゃん!”という反応です…すいません。

先輩に、「その場合は楽勝そうに登ったらだめだよー」と言われたんですが、アイスって、登るための苦労の90%が、スクリュー打ちなので、それがないトップロープだと誰でも楽勝モードっぽい登りになってしまいます。寒いから早く登りたいし。

ので、私は疑似リードがしたかったのですが、それはできなかったので、いつまでたってもリードに必要な技術が身につかないということに…

岩に置き換えると、やはり、クライミングの初期から、5.6でいいので、リードしてプロテクションやランナウト等を学びつつ、傾斜をきつくして困難度を上げて行くのがいいのかなと思います。登攀距離は自然に伸びると思いますし…

大変なのは、フェイス、スラブ、ハング、クラック、ワイド、とタイプの違うクライミングのすべてで、それをやって、苦手の部分がないクライマーになることで、一般に現代クライマーは、フェイスやオーバーハングは人工壁で登れるので得意で、スラブやクラック、ワイドは下手くそになりがちだということです…

苦手克服には、簡単なところから

 登れる自信&落ちない自信

を積み上げるしかないんですが、土地柄や環境に左右されます。

参考:ナルシストクライマーの特徴




2021/07/05

ボルト強度がない + 技術ない = 死へまっしぐら

 ■心理的安全性どころか

九州には、師匠とのクライミングを一年やって、なんとか疑似リードで5.9のトラッドがリードできるのではないか?という段階で移住してきたわけですが…

そのような段階にあるクライマーにとっては九州は心理的安全性ゼロどころか、リアルに身体的安全性が脅かされる場でした。もう証明済みです。

こちらは私が技術と仲間を求めてお尋ねした会のリストです。名前を上げると苦情が来ると思いますので、知っている人にだけ分かるようにしていますが…技術低下は著しいです。

1)想〇会 読図力ゼロレベルで槍に登りたい中高年登山全盛なので、アルパイン指向の人は参加無駄です。逆に丸腰でロープがいる場所に挑む、と言うことになっている。

2)ピ〇クル 若い人の会ですが、ロープワーク講習会でけが人だしそうな勢いでリスク管理意識が乏しく、技術的な補充もないので、危険です。結果的にハイキングしか行かない(いけない)になっている。冬山合宿の季節に常にアドバイスを出す側になっています。数年見ていますが一向にレベルアップしない(できない)その前段階で何をすべきか?わからないようです。

3)福岡〇の会 オールドスクールのクライマーさんがいる歴代、人材輩出の会ですが、二人一緒にビレイ、など技術の低下が著しく、若い人はそれを正解だと思って技術習得してしまうことで、むしろ害悪になっているようです。きちんとした継続的なクライミング技術習得への道筋が立っていない。誰も本州の文登研などの研修に参加しないのではないでしょうか。

4)フラ〇ベ 一番まともですが、若い方がかわいそうに支点ビレイされていた…私もされる羽目になりそうで怖くて行けない。

5)ムー〇 フランベの前身ですが、技術の内容が古くて現代クライミングでは…みたいなことになっている… とにかく九州は情報が古くてガラパゴス化しているのが問題です。背の低い女子に向かって、エイドで鍛えてやる、と言われても、誰が私をショルダーするんですか?みたいな話です。

■ 頭7針

私は九州に来る前に、クリックアップで落とされて頭7針、縫っていますので、かなり慎重化している段階で来ました。

思えば、死なない程度のこの怪我で慎重になっていてよかったです…(><)。

私は、開放性が高く、人を信頼しやすく、自己責任比率が高くてあまり相手を責めない体質なので、殺されないように、このような経験が与えられたのだと思います…

九州では、もう一回目の外岩でグランドフォール(クライマーもビレイヤーも悪くない、タダのランナウト)を見たり、

初めての日向神でリードした5.9が10bだと言われたり… 

オールドスクールクライマー達の超怖いビレイを見たり…

ホントに胃がキュッとなる経験が多かった…。

 ダラリンビレイどころか、支点ビレイとか、二人一緒にビレイとか、お座りビレイとか…。

ダラリンビレイなんて可愛いものですね、状態でした…。

もう、九州クライミングってさんざんレベルでしたねぇ…

何に対しての恐れなのか?そりゃ、リアルに殺される恐れでしょう(笑)!!


2021/06/01

クライミングが執着化していないか?

 ここ数年ほど、長く考えていることは、

クライミングが、執着化いないか?

ということです。

クライミング愛というと、良い意味に取られるのが、西洋的捉え方ですが、東洋では愛は執着です。ですので、必ずしも良いものではないです。

本音を言うと、もうクライミングめんどくさすぎで、私の人生を豊かにするよりは、単にややこしくしているので、さっさと終わりたい、ということもあります…

ただやり終わっていない仕事があり、それが私の後ろ髪を引いて、終わるに終われない…

そんな葛藤の中に4年ほどいます。運動という意味では、バレエという別の趣味もあったので、バレエ天国の福岡にいることだし、復帰してみようかなとしたのですが、いつでも戻れるということを確認しただけでした… もう賞味期限が切れた趣味だった。


クライミングが、思い通りにならない、ってあるのだろうか…??? うーん…

思い通りに頼れるビレイヤーとの関係を築いた、という経験がないかもしれません。というのは、青ちゃんとの間では、私はあまりチャレンジをさせてはもらえなかったからです。

チャレンジという意味では、先輩の荒木さんが、小川山レイバックを初めて登らせてくれたことに落とし前をつけてくれたというか、赤のカムでのカム落ち練習や大堂海岸でのスーパークラックでの疑似リードなどをしてくれ、先輩として、きっちりビレイしてくれたなぁと思っています。いや~、三倉で入門クラックリード、あれはギリギリだったなぁ…。そんなこんなで、けっこうギリギリリードは、大安心の先輩のビレイで登らせてもらっているので、感謝。

疑似リードの量やカム落ち練習の量、あるいはムーブ習得にかかる時間、などは、

 ”質量的問題”

があります。この質量を本人に判断させるのが大事だと思います。

私の最初の師匠の鈴木さんも、私がトップロープで登っている様子を見て、アイスリードさせれると思ったみたいで、いきなりリードでしたが…リードが怖い人が、怖いと思っている理由は、怖くない人は、よく話し合って聞き取りしないと、思ってもいない理由です。

例えば、私は握力が弱いので、回収する側でもけっこう大変で、スクリュー残置したことががあり、リードで登るほうだったらなおさらだなと思っていました。効率を求めるマルチで、リードする場合には、アイスだとほとんどの時間のロスがスクリュー…スクリュー埋め込みに時間がかかるとそれだけで、パーティ全体のロス時間です…

そんなこんなで、スクリュー設置が楽になるギアを持っているおじさんと意気投合したりしていました…おじさん曰く、年を取ると、男性でも握力が下がってスクリュー打ちが大変になるのだそうです。

話がそれてしまいましたが、クライミングのどのようなスキル要素でも、

 習熟に要する時間は人それぞれ

なので、その人それぞれの部分を個人のニーズに合わせないと、リスクが増えます。

スポーツクライミングなら、”クリップ動作”とか、あるいは、トラッドなら、”カム選択の素早さ”とか。カム設置、も熟練が必要です。その熟練はカムエイドで作る。

■ 慈悲

慈悲は愛の対立語です。

愛: 自分が起点

慈悲: 相手が起点

 クライミング愛=自分がクライミングを愛している

 慈悲で登るクライミング=クライミングに自分の働きが必要とされている

〇〇さんは、クライミング業界に必要な人材だ、という言い方をされている人がいましたが…その意見には私は疑問があるな…と感じる方でした。というのは、初登者の権利の主張ばかりが大きく、その文字数、もっとクライミング事故の削減にどうしたらよいか?などにつなげてほしいと思ったからです。

私が思うクライミング業界に必要な人材は、井上D助さんですね…。頑張ってほしいと思っています。

ですので、私の慈悲は、差別的、です(笑)。


私自身は、私がクライミングで理解したことをまとめてしまって、早く別の活動に本腰を入れたいと思っています。

というのも、クライミングが私の生活を豊かで、思い出深いものにしている、という風には最近は感じられないからです。子供クライミング体験を除いてですが…。

しかし、子供たちのクライミングも、気を付けないと、すぐコンペワールドになってしまいます。幼いうちはそれで良いと思いますが…心身の健全な発達のため、なので…それがユースが終わるころ、20歳ころになっても、自分の職業的な身の振り方が分からなくなると、やはり問題かなぁと思います。

大事なことは、クライミングで食べることではなく、クライミングを通じて、何を学び、どう魂を磨いたか?だと思います。

クライミングに限らずですが…、すべては、魂を磨く、その道具なのです。