2023/07/09

【クライミングによる地域おこし】 ”バム設備導入”で、小さくスタートする

■ リボルト代捻出装置

日本では、空前の家余りで、不動産の購入は、あと回しにすればするほど、条件有利になります。

一番ババをつかんだ人って、たぶん、バブル絶頂期に購入した人ですね… 

クライマーのゲストハウスというのは、岩場のボルト基金をねん出するための、マネタイズ装置として、ラオスをお手本に、考えたものです。

私が何千万円か出してペンション経営みたいなのしたがっているのだと、みんな思っているらしい…(汗) 

全然違いますよ?そもそも、そんなお金どこにあるんです(笑)? 

しかも、そもそも岩場が魅力がないことには誰も来ません(笑)

■ 高級サービスはいらない

ラオスでは、6ドル/泊 くらいで、宿泊できますので、30泊しても、18000ドル。なら泊まろうかと言う人は出てきます。

大体、西洋人クライマーは、長期休暇、1か月などをクライミングに充てます。

■ 同じ言葉を使っても…

一方、日本の受け入れ側(地方自治体など)がイメージしているのが、

 日本の民宿 

と思われ、そこに、とんでもないかけ違いがあります。

 日本の民宿=上げ膳、据え膳、手取り足取りのおもてなし

です。

 無料で宿泊して、食事も質素に済ませて、すべての持ち金をクライミングに費やしたい!

というクライマーのニーズに合わない!

 日本的発想=かまいたい

 顧客の実情=ほっといてほしい

■ アクティビティはすでにある

クライマーのニーズは、人手不足でサービスを提供できない日本に好都合なんです。

日本の自治体の成功事例報告を聞いていると、農泊でもなんでも、おもてなしでてんやわんやしている様子が、逆に生きがいがなくて、死ぬのを待つだけだった年配の人の生きがいになって楽しい!って路線です。

今時、日本では高齢者は余っており、20代は、孫文化と言って、自分より年上の人が自分のニーズを満たしてくれないと、”つかえねー”っていうくらい不遜です。

同じことが中国と韓国で起こっていると思われ、中国・韓国がメインの顧客層の農泊では、

 ばあちゃんちに(もしくはじいちゃんちに)来た孫

という顧客イメージがぴったりです。したがって、タケノコ掘りましょう、とか、しめ縄作りましょう、とか、毎日、アクティビティを提供してやることで、顧客の満足度が高まります。

しかし、これを 疑似バムクライマーをしたがっているインバウンド客でやると?

えー、ウザい、ってことになります。

こちらにスコーミッシュでの バム記録が書いてあるブログがありますが…

https://i-love-banff.com/sub/squamish%E6%BB%9E%E5%9C%A8%E8%A8%98%EF%BD%9C%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%9F%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%83%90%E3%83%A0%E7%94%9F%E6%B4%BB%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6/

必要なのは、

  •  シャワーを浴びる場所
  •  安く食料を入手できるスーパー
  •  無料駐車場
  •  空港で借りれるレンタカーが海外平均並みに安いこと

の4つのほうです。これで世界中から、バムクライマーが、岩場を求めてバム生活をしに、日本の岩場に来ることができます。自治体の人が手掛けるべきはこっちのほうです。

たぶん、情報を整備するだけでできます。

もちろん、来ないかもしれません。

■ ボルト整備が先です

というのは、クライミングで死にたい!と思っているのは、日本人おじいさんクライマーくらいで、大体の一般クライマーっていうのは、普通に堅気の仕事を持ち、一か月のサマーバケーションで、海外の岩場に行くというのが普通のライフスタイルだからです。遊びに行った先で死にたい、ってあるはずありません。

ということは、終了点が40年ものの、日本の岩場は、世界的にみて優先度、かなり下のほうです。

こんな状況で、クライマーのためのゲストハウスを作ったところで、そもそも商品である岩場事態に、魅力がない、ということなのですから…。

■ 瑞垣

私が思うには、日本でもっともバム活動しやすいのは、瑞垣ではないかと思います。

・そもそも、トラッドの岩場なので、ボルトが問題にならない

・いったん入れば、歩いて岩場に通える

・多くの日本人クライマーが訪れるので、カーシェアしてもらいやすい

・課題数が多い

というので、北杜市は、このお宝に気が付かないわけですが…まぁ、いいんじゃないかと。

知り合いにタイの開拓者がいますが、日本はレンタカー代が高すぎる、っていうのが瑞垣に登りに来ない理由でした。

今では立派な大都市になってしまったバンコクで働く、ヨセミテ育ちのミレニアム世代の若者が、そういうなら、かなり適切な指摘なんだろうと。

■ 地域課題は、誰の課題か?

そもそも、各地の地域おこし自体が、地域住民自らが取り組むべき課題、です。

主体者は、地域。

だれかーと言っている時点で、その地域は、振り落とされる側です。

ということなので、結局のところ、

 日本の岩場って、その価値を見出してくれる人=日本の高齢者クライマーだけ

という悲しい事実がそこにあります。デイケアセンターと言われている岩場は多い。

若者は、無料で登れる岩場には見向きもせず、インドアジムにお金を投じます。年10万円くらいが標準ですが、それくらいのお金があれば、あっという間に岩場の整備費用になりそうですよね。10人集まれば100万円で100万あれば、50本は整備できそうです。

50本と言えば、小粒の岩場レベルです。たった10人で。

ところが、日本の一流クライマーだって、コロナでもなければ、国内岩場は見向きもしない訳ですから、ガールフレンド(海外岩場)は大事にしても、お母さん(国内岩場)は大事にしない思春期の男子みたいなことになっています。

しかし、それは、誰のせいか?っていうと… 魅力がないお母さん(国内岩場)って気がしませんかね?


  こんなボルトで、どう素敵でしょ、って言われても、”…” ってなりますよね。