2023/12/06

【クライミングによる地域おこし】小豆島情報 ビジネスモデル化が課題

 https://motion-gallery.net/projects/shodoshimaclimbing より引用


九州では、このような発想自体が出遅れているようですが、小豆島が参考にしているのは、小鹿野。小鹿野のトップクライマーは、ユージさん。

小豆島は、ギリシャのカリモスを参考にしているようです。 

私が、グロービス社会人ビジネススクールや三井物産などの新事業開発に携わって思うのは、せっかく小鹿野や小豆島のように、有志が集まっていても、ソーシャルビジネスとしての取り組み方に、マネタイズの視点…どうやってお金を回していくか?と言う視点が欠けているということです。

結局、募金を募る、では、お金頂戴というい対象が親からクラウドになっただけで、受け取る一方。それでは、ビジネスではなく、消費… 使って終わり、ってことになります。

ボルト一つとっても、1000円投資したら、そこから、最低でも4%の売り上げをあげないことには、経済活動、とは言えないのです。なぜ4%かというと、世界経済が大体4%成長だからです。つまり、1000円を投資信託に一年入れていれば、1040円になります。

そのマネタイズの手法がクライミング界には全く存在していないので、結局、気持ちはあっても、岩場が単なるコストで終わってしまい、商品として、価値を生むものになっていない。

ギリシャをまねするならば、ギリシャ型のビジネスモデルをもう少し詳細に検証して、どうギリシャでは、地域にお金が落ちて、誰がそれを岩場に還元しているのか?という話を詰めないといけません。

クラウドファンディングは、主催する事業者は、集まったお金の何パーセントかが、着実にクラウドファンディングのポータルサイト主催者に落ちる仕組みですから、ビジネスモデルの伴走まではしてくれません。

こんな簡単なことをしていて、岩場の活性化にはならないですよ…

しかも、宣伝する先が、既存のクライマーでは…市場開拓になりません。一般の人が登り始めるから、お金になるんですよ??

カリモスは、安全に登れる岩場。小豆島は、上級しか登れない岩場。そんな岩場にお金を突っ込んでも、市場は拡大しません。

■ お客さんを見極めろ

物産時代は、上司が、福岡ビジネスコンペの審査委員をしていました…その経験から、まぁ、これだとマネタイズが全く想定されていない、として、三井物産だったら…という目で見ると、ビジネスモデルを突き返して出資には至らない、と分かります。

ソーシャル企業には、ボーダーレスアカデミーがおすすめです。

福岡では、福岡スタートアップと言って無料で起業塾が開催されています。(こっちはあまりお勧めではありませんでしたが…)

https://academy.borderless-japan.com/

■ マネタイズで足踏み

たぶん、マネタイズで足踏みしているのは、

 クライマーが岩場はただで登るもの

という前提を覆しがたいからだと思います。

ラオスでは、岩場はただだけど、宿泊は格安であっても、有料です。

つまり、宿泊費が岩場の使用料というわけです。

そのように、なにがしかの形態で、どこの国の岩場でも、岩場の使用料、をとっているはずです。そうでなければ、岩場を保全する資金は出ないためです。

補助金や税金で整備せよ、という意見もありますが、岩場って、国民全員が使うものではないので、公共のお金の使途として、ふさわしいと考えるのは無理があるでしょう。

また、クライマーやクライミングと言う活動が、生命維持に必要か?というと、これもまた

 レジャー・余暇

ということなので、血税を使う理由にはなりませんよね?そりゃ、災害復旧や貧困対策とボルト代だったら、災害復旧のほうが大事でしょう。

つまり、クライマーは自分たちが社会的勝者であって、社会の敗者・弱者ではない、ということに自覚が必要です。

なんかクライミング界では、俺たちは社会のはみ出し者なんで社会から助けてもらって当然だ…という気分が、かなり根強いですが。

クライミングで得た利益を社会に還元していく、くらいの気概が必要ですよ。

なんせ、クライミングジム、一か月の定期券1万円くらいですよね?

ジムには、誰でもそれだけ出していて、大人気でジムは儲かっているのだから、頭を柔軟にして、様々な発想をネット上で戦わせるべきです。

お金ないからお金下さいでは、乞食と同じことです。

一個4000円のホールド代金は出るのに、1本1000円は、のボルト代はなぜ出ないのか?

そこのところが解決しない限り、クラファンで善意の金を集めてトポを出して終わり、では、永続性のある活動にならないです。

なぜなら、お金が循環していないから。

頑張るのは良いことですが、DoGooderで終わらず、ビジネスとしてどう岩場を使えるのか?その研究をしましょう!

そうしなければ、真の地域貢献はできませんよ。地域貢献と言うより、日本沈没から回避ってほうが正しいかもですが。