可能性の排除
ゴルゴ13のストーリーには「可能性の排除」というワードが多く出てきます。
「危険な要素はあらかじめ回避しておく」という意味です。
ルート開拓の時、ラインから離れたところに「浮石」があった場合でも可能な限り除去します。
そのルートを登り切れないクライマーがラインから離れて易しいと思われる場所に行ってしまう可能性があるからです。
このとき、浮石の大きさによって対応が異なってきます。
「親指大」の浮石ならクライマーが落として、ビレイヤーに当たっても大ケガをしない確率が高いですので、除去範囲を広げて対処しないことがあります。
それに最近の外岩クライマーがほとんどヘルメットを被っていますので、落下物への安全な要素が高くなっています。
浮石が「こぶし大」以上なら必ず排除します。例えヘルメットを被っていてもダメージは相当高いし、ヘルメットを被っていなかったら完全にアウトだからです。
再開拓1周年の「新岩」で、クライマーが滞留するスペースの上に大きな枯れ枝がありました。開拓当初は枯れていなかったのですが、その後、「ナラ枯れ」になり相当なスピードで朽ちていました。
最近、キャンプ場で枯れた木の下にテントを張った女性に「大きな枯れた枝」が落ちてきて死亡した事故がありました。本来は回避できた事象ですが、そこまで予見できなかったのです。
エリアの上にある枝は「落ちる可能性」を意識できても待機スペースの問題や雑事に意識がいってついつい見落としてしまいます。
しかしこの数年内には必ず落ちますし、非常に低い確率ではありますがクライマーに当たる可能性がありました。それは100㎏以上の重さで高さ8mくらいから落ちてくるのです。
このため先日、あるルートの終了点打ち換えに合わせて、朽ちた枝を何本かチェーンソーで切断しました。
クヌギの木の幹は太くて、粗い樹皮の「縦向きのホールド」しかなかったので、7mくらいのフリーソロはその日一番困難なクライミングでした。
さらに樹上で自分より高い位置にある幹を切断するのは、もっと危険な作業ですので技術をわきまえない限りお勧め出来ません。
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■ 感想
開拓クライマーはチェーンソーの講習会受けたほうがいいですよ。
チェーンソーの使い方にも安全講習があります。
さらにツリークライミングなら、なおさら…特殊伐採と言う林業でも高度とされる分野です。
林業就業者支援講習というのを国が無料で開催しています。https://ringyou.jp/