2022/11/18

岩場は作り手次第で危険にも楽しくもなる

岩場には岩場の歴史がある…というのは、体の良い逃げセリフであり、その歴史の創造にかかわっていきたくない、という責任逃れです。

なんせその歴史は、事故多発という結果をすでに示しているんですから。原因は正さなくてはなりません。 

自分は強いから関係ない、嫌なら登るな、他の人は死んでもいい、それが自己責任だというのは、間違っており、自分だけよければ他の人の命なんてどうでもいいという、ただのわがままです。ものすごいエゴイズムです。慈悲の真反対。

地権者の立場になれば、

 わざと死にたい人が来るような岩場、

にされてしまっては地方行政…〇〇村や、○○町は浮かばれません。最低限、市町村として自分たちの資産を守らないといけません。

その際に、クライミングは怖いから面白いという価値を脅かすことなく、わざと危険なルートを作らないためのルールとしては最低限このようなものが考えられると思います。 


1)5.9なり、5.11なり、そのグレードを登るクライマーのために、適切にボルトが配置されている。(5.12ノーマルの登攀力を前提にして、5.10代のボルトを打たない)

2)岩場としての全体的なグランドデザインがある

3)課題同士が2m以内に接しているなど、近すぎない。無理をして課題数稼ぎをしていない

4)登攀自体が楽しめる内容である。 

5)リスクを上げることでの興奮だけを求めるというような本末転倒が起こっていない 

6)わざと事故を誘発するような作りになっていない 

7)やむを得ず、危険を甘受する場合は、R、Xなどの記号付与をフリークライミングの慣行に従って行い、クライマーに危険を明示的に知らせる

世界の常識は、ボルトの安全性をAMGAインストラクターが管理して、登るクライマーは自分でどれくらい腐ったボルトを登るか判断します。それが自己責任、ということの意味で、腐っているボルトにえいやと、イチかバチかで命を預ける、ということではありません。

   ボルト劣化の具合が一覧表にしてエクセルにまとめられている台湾の岩場