■ 頑張り過ぎの日本人
これには、ガンバ!を辞めることですかねぇ…
もはや、口癖になっている、”ガンバ!”
私は、5.8スタートですが、5.9がオンサイトグレードになるまで2年半かかりました。
九州で嫌だったのは、4本5.9を登っただけで次に行けとされること、です。
10代の若者ではないんだから、どう自分を育てるか?は自分で決めるのが大人です。なんで大人にまで、10代の子ども並みに、せかさないといけないのでしょう?
別に大人は、鈍行で、ゆっくり成長して行けばいいのです。たった4本5.9をオンサイト出来たら、次、って、基礎力の厚みが、薄すぎます。
私はそのような薄い厚みの基礎力では、基礎力と呼ばないです。
私のアイスのムーブはすでに自動化されています。その自動化の前に技術的に何を積み上げても、意味がない。
フリーでは、その自動化を今から作るところでしたが、上記のような、
性急なグレード追いかけ
の邪魔が入りました。九州では、グレード思考が強く、
登れる者順の序列化 (スクールカーストみたいなもの)
を老いも若きも受け入れているため、
技術的バックグランドがなく、ただ登れるだけの人に技術的バックグランドがしっかりしている人が従う
という逆転現象が起きています。
田舎者の発想でバカっぽいです。
■ 年配のクライマーは、当然、登攀力は下がっていきます
昔 5.12が登れても、普通は、段々下がっていきます。そりゃそうですよね。人間は100%、誰しも老います。
老いを否定するのが大好きなのが団塊。もうヤダな~って感じです。
自覚がない。
つまり、グレード感覚はくるってきます。あれ?俺って、前は5.11なんて楽勝で登れたのに…なんで10dで苦戦しているんだ?!って
そりゃ、老いるからですよ…
一般に70代にも入れば、どんな筋肉自慢も自覚なき、老いはそこまで迫っています。
最初の師匠、鈴木さんと西穂高沢に行ったときは、68歳と、まだ40代でしたが、40代新人でも私の足のほうが、断然強かったです…
その後、組んだ青木さんは病み上がりだったので、5.9でリハビリ中で、それで初心者の私と登りたいグレードが重なりちょうどよかったですが… その後、回復する手前でやっぱり色々と怪我を重ねてしまっていました。怪我が重なる理由は、
俺だってまだまだ若い
と思っているからなのではないかと思ったのですが…? 普通に5.10代を楽しんでいれば、別に何を恥じることもないと思いますが…昔ならした人だと、ちょっとからかわれただけで、むきになってしまう…韓国で日本人クライマーは、古臭い登りだと言われて向きになってしまい、かかと骨折という悲しいことになっていました。
挑発に弱い点は男性のあきらかな弱点です。
■ 現代クライマーとアルパインクライマーの登りの違い
横山ジャンボさんと倉上慶太さんの登りの差を、使い分けられることが大事だと思います。
二人を見れる動画があり、屋久島の繋ぐ壁という動画で登っていますが…
往年クライマーの方は、押しなべて、ジャンボ型です。細かく足を拾って、体制は、常に安定しています。
若いクライマーの方は、体制がえっと驚く横向きとか、デッドとか、動的だったり、大きかったりで、
登山靴の延長で登ってきた人と、最初からクライミングシューズ
の差が出ています。
一般にアルパインクライミングでは落ちれないので、細心の注意で静的に登ります。アイスなんてバチ効きじゃないと進まないんで、全部ガバって意味です。
一方、若い方はボルダリングジムで鍛えた華麗なムーブです。けど不安定ですよね。ボルトの整備されたフリーの岩場ならいいけど、ハーケンとか抜けやすいので、落ちて衝撃荷重がかかるかもしれないムーブを繰り出したら、ただのバカです。
今はカムも強力で、14kNはありますが…でも、こんなですよ?
墜落で変形した3番なので、インスボンでカムセット中に現代ムーブを気取るって、全く必要ない時って意味です。
むしろ、現代の人は、ステップアップしていくためには、動的に取っていたものを静的にとれるようにならないと、信用できない支点を使って登る技術が身につかない。
私は佐藤さんの練習姿をピラニアで拝見したことがありますが、わざと重たいザックを背負って、易しいルートを行ったり来たりしていましたよ?
そんなことは高難度のクライマーはヤラナイで、ひたすらグレードを上げることだけをやっているでしょう…
■ グレード偏重の害=事故多発
グレード偏重の害は、事故です。
5.7のマルチで、ランナウト核心、と言われたら、5.9がオンサイトグレードになってから行けっていう意味
ですよ?そんなことは教えられなくても分かるようでないといけない。
5.10Aのスラブがカットアンカーだったら、5.11Aのスラブがオンサイト出来るようになってから行けって意味です。(白亜スラブ)
現代の人は、被っているボルダリングジムの壁で、5級が登れるという根拠で、岩場にきますが、その理由では、5.6のスラブでも登れる理由にはなりません。
薄被りのジム壁と体重の分散法を覚えるスラブでは、使う技術が全く違うでしょう。
登れるのは、被っている壁とか、そんなのです。
■ クラック
クラックの場合は、カムのセットは自在なので、カムエイドもできるのですから、逆に自分のフリー能力を超えるルートにだって手を出せるのです。
私も、自分のカムエイドでクライムダウンして帰ってきたことがあります。
玉切れになって登れなくならないように計算する能力の方が重要です。
なので、クラックでただ登ってきました、とクライマーが言う場合は、登っただけで、フリーではなく、エイドかもしれません。
アルパインクライミングは、登ったかどうか?だけが課題で、フリーで登ったかどうかは、カヤの外です。
■ スーパーアルパイン
現代のまっとうな人たちは、アルパインクライマーでも、できるかぎりフリーで登ろうとしています。
そのような現代的な清廉なクライマーと、5.9でもエイドしてしまう市井のクライマーを混同して、同じような賞賛を与えてしまってはいけません。
ちゃんとクライミングしているなら、それくらいは区別できるようになりましょう。
■ 市井クライマー
かといって、現代のフリークライミングのレベルは高いので、出来もしないフリーへのこだわりで事故ッているのが往年クライマーですので、おとなしく敗北を受け入れ、無理だと思ったらエイドしましょう。
プライドより命、です。
市井のクライマーは、自己顕示欲の道具に、クライミングを使って、クライミングを汚す行為を辞めましょう。
まったく怪しからん状態というのが、目下のところ私のオブザベ結果です。特に九州。
若いクライマーが怖いもの知らずを、5.9で私程度の人が登れたところでやっていて、驚きます。
山梨では5.13でやっと出来る自慢です。5.9で自慢になるのは、40年前の価値観です。