引き続き、クライマーに適した正確ということを考えています。
■ リスク・リワードレシオ
リスク・リワードレシオという言葉をご存知でしょうか?
これは、リスクに対して、その見返りがどれくらいか?ということを意味している言葉です。
例えば、
あおり運転や、過度のスピードでの運転
は、リスクリワードレシオの悪い典型です。
あおり運転で得れるメリット、リワードが、多少目的地に早くつくとか、イライラの解消、という些細なことに対して、リスクは、交通違反で切符を切られたり、死亡事故になったりと、釣り合わない重さです。
ですので、リスクとリワードを天秤にかけて、リワードが小さくリスクが大きい行動をとる人と言うのは、非合理的な行動をしている、ということになります。
■ アルパインvsフリー
私が思うには、アルパインクライミングというものをあまり深く理解していない間は、本チャンに対するリスクリワードレシオを、リワードが大きいもの、と見積もっているのではないか?ということです。
リスク=チャレンジ、登攀がそう難しくない に対して、
リワード=達成感
が大きいと、初級クライマーの間は感じるのではないか?ということです。
それはリスクをしっかりは理解していないため、非合理的な行動を取っている、ということです。
■ フリーを始めると反転する
ところが、フリークライミングをスタートすると、クライマーにとっては、
(クライミングする時間)がリワード
(歩く時間)が代償
と段々反転してきます。
達成感はアルパインの登攀よりも、フリーでの登攀のほうが大きいからです。なにしろ、必要な打ち込みの量が違います。
クライミングとクライミングの達成感がリワードとすれば、歩く時間、アプローチゼロ分のゲレンデのほうが、アプローチ1時間のゲレンデより優れているという評価に反転します。
これが、フリーをスタートすると、だんだんと歩かなくなってしまう理由ですね。
■ 歩き続けることが難しい
一方、伝統的にアルパインクライマーと言うのは、歩けてなんぼ、ですので、一般登山で、1時間の山なんて、初心者どころか、今日登山靴買いました!みたいな人ですら歩ける距離ですので、誰の評価も得れませんので、まったく箸にも棒にもかからない評価を受けます。
しかし、歩く山をするのは退屈で、歩きたい!という動機に欠けてしまう、というのも事実…
しかも、歩きで作った下半身の筋肉はお邪魔、となれば、さらに歩くことに対して動機が減ります…
ということで、フリーのクライマーになったとき、どれだけ歩きを維持できているか?というのは、そのクライマーの
努力の証
であるような気がします。歩きが弱くなる=努力足りていない、みたいな?