■ ロープなし、ビレイデバイスなしで岩場に行きたい?
というのが、7~8割のクライマー事情であることが分かった、海外クライミング事情。
日本の岩場が危険→海外で登ろうかねぇ…の転向も、リスク低減の意味合いからすると、効力ないだろうということが分かるテストケースとなった今回。
かといって日本の岩場のボルト状況は、にわかには改善しそうにないしねぇ…。
■ 安全で健全なクライミング活動はどこにある?
いやはや。
自分がクライミング初心者の時を考えても、ロープを持っていないのに岩場に行きたい、なんてことは、そもそも考えられなかったぞ?
まぁ、初心者だったことは認めるが。
クイックドロー2本って、どういう判断で、そういう装備になったんだろうなぁ…。意味不明。
彼女の装備を紹介しますと、シューズ、ハーネス、ドロー2本、プルージックコード、チョーク、長ぬん1本。
ロープが重たいので荷物から端折りたいのは分かりますが、私も海外出張経験豊富ですけど、ビジネスで旅行するときって、1か月とかの長期でも、数泊でも、荷物の総量、同じ量ですよねぇ?なんせ、別に洋服とか持っていくわけないんで。着替え数着で終わりです。
ロープの重さが課金されるのに耐えれないっていうのなら、ビジネス以外で旅行中だったら、全部持って行かないといけないので、本来のクライミングツアーには耐えられないでしょう。
まぁ、10歩譲っても、ロープは二人で1本で良くても、ビレイデバイスは、持ってくるのが筋でしょう。
■ モラルの欠如したクライマーを呼び寄せない仕組みづくり
しかし、もっと大事なことは、モラル崩壊した、このような海外クライマーを呼び寄せない仕組みづくりです。
今回は、岩場に持ってくる持ち物リストを指定したら、ロープもビレイデバイスも持っていないことを白状しました。
従って、登山計画書と装備リストを提出させ、不足がある場合は、指摘する、登攀させない、というのは、有効な方策であるかもしれません。
■ 管理者責任
もちろん、そのようなクライマーに対して、貸し出しを行う必要はもちろんありますね。
このケースで言えば、ロープの貸し出し、ビレイデバイスの貸し出しです。
貸し出しがあれば、管理者責任が生まれるかもしれませんので、借りたギアの使用で起こった事故については、利用者責任であることに、同意の署名などは、取りつけたほうが良いと思います。
■ 大衆化とモラルハザード
クライミングの魅力は、リスクを回避しつつ、高度な行為を行うことで、私自身もそこに魅力を感じてきました。
自分のリスク回避能力に自信があったということです。
しかし、白亜スラブを登って以来、自分のリスク回避能力(人を見極める目)に疑問を抱くようになりました。
思えば、最初のころから、
トンデモクライマー収集器
になっていたような気がしないでもない…。
なぜトンデモを集めてしまい、まともなクライミング能力がある世界に行けないのか?
それは、かなり深遠な問いのようです。
魂の傷か、誰か先祖の受けたトラウマを再演しているのかもしれません。