■ 昨日は久しぶりのモビトレクリニックの日だった♪
いやはや、私の、
”頼りになる弟”
は、ここにいたんですね!
院長の光安先生は、実はお姉ちゃんがいる。お姉さんとの関係を聞いたら、先生的には、「俺は姉貴がうざいんだけど、あっちは俺のことが大好きらしい」という感じだった(笑)。まさに、我が家。
私は、子供のころ、弟と姿かたちが似ておりで、「僕?」と姉&弟ではなく、兄&弟と間違われつつ、育ちました。
その弟は、24歳で突然死しました。水泳でメダルを取るような、すごいスポーツ選手でした。6歳から泳いでいたからなぁ。スポーツは万能で、中学のころ、チョコを14個もらってきました。亡くなった時は彼女が3人いました(汗)。
■ 分かっていないヤツ…
だけど…私の弟は、ほんと、分かっていないヤツだったんですよねぇ…。
だって、ロッキングチェアーに登って落ちて、頭、縫ったんですよ?
そんなの、登る前から、ごろん!ってなるってわかるやん!って、4歳児の私は思いました。
■ 小学生の世界観
まぁ、小学生くらいまでの勉強ができない子供=単純に理解力がない子供、です。
子供のころの彼は、自分を取り巻く物理世界、人間世界の理解について、限定的な視野しかもっていなかった…。
物理の法則、より、誰がえらいか?かっこいいか?が優先…
子供時代の彼の世界観と言えば、親が水泳を習わせたせいもありますが、例えば、
誰が誰に勝つ!
とか、そういうのです。まぁ、子供のころの男の子の世界観、なんて、そんなもんですよね(笑)。ご飯は、何もしなくても、自動的に出てくるのが当然とか(笑)。
なので、12歳で、すでに20歳の”大人”を演じていた… うちは片親なので、私は長く母親役の代行者でした… 少なくとも、演じる能力があった”子供大人”の私とは、かなり世界観(物事の理解力)が、かけ離れており、それがゆえに、
弟への心配、
が募るのでした…。
奴は物理の法則がわかっていなんじゃないか?
ってことです。
■ いやらしい比較
いやらしい比較ですが、必要なのであえて、比較しますね。このようなことは、社会人になってめったにしなくなりましたが、クライミング界、という限定条件で必要です。
私と弟がどれくらいかけ離れた世界にいたか?というと、私は各中学から一人か二人しか合格者が出ない、県内トップの進学校…周囲は医者とか弁護士とかの家庭しかいない…に進学したのに、弟は高校入学初日に、額にそりこみを入れ、学ランは裏地に龍。つまり、そんな学校しか入るところがなかったのでした…。
私の進学した大阪外国語大学は、司馬遼太郎を排した大学で、東京外国語大学と並ぶ、外交官の養成機関でした…一年生の時に外務省から学生招待があります。大学入学時、私の覚えている自分の偏差値は74でしたが、それでも周囲が賢いので、気分は、落ちこぼれ組でした…。
参考に、久留米大学の偏差値は…47~
学歴偏重というか、大人になったら、社会での成功に、偏差値などは関係ないというのが一応の建前ですが…クライミングに来て、
普通の物理法則がどうも理解できないらしい
クライマーたちの様子を見て、学歴や偏差値は、自分の安全を守る参考情報として重要だと意見を変えました。
誰もを公平に扱うにも、程度があります。
物理の法則…文登研が出している”確保理論”が理解できる程度には、知性がないと、クライミングを経験や瞬間風速であるクライミンググレードだけで実践するのは危険です。
さて、弟が高校の入学初日に、ヤンキーへ鞍替えしたのを見たとき…、私は、弟も苦労しているなぁと思ったのでした…。ですので、弟クラスの知性しかないクライマーにも同情的です。
そこが多くのちゃんとしたクライマーとの違いです。トップクラスのクライマーのみなさんは、物理法則が分からないダメクライマーのことなんて顧みてくれないですよ。
■ クライミングで再現された弟との関係性
この関係性は、私がクライミングで、しっかりとしたクライミング教育を長野の山岳総合センターで受け、経験40年の師匠について学び、そこから、
リスク管理がクライミングのすべて、という世界観
を理解したのに対し、周囲のジム出身の若い男性たちの世界観は、
10mランナウトより、40mランナウトする奴がえらい
とか
クライミンググレードが上のほうがえらい
みたいな世界観…であるのと相似形です。つまり、子供時代と、
起こったことが相似形
なんです。
子供のころ、ロッキングチェアを登った弟を心配して、
やっぱそうなったじゃん!
となる可能性が高い…(汗)。私の自動的な身体反応… 心理反応
アラート
が立つんです。 このアラートは、パニック障害、みたいな感じです。私が弟を守らなければ!という気持ちになってしまうんですね。実際、守ってやりましたが。
■ 原理的に死につながる世界観
なぜなら…
・10mランナウトより40mランナウトがえらい
・グレードだけが能力のモノサシ
という、クライマーの世界観(古価値観)だと、”原理的に”、もれなく死につながります(汗)。
この
”原理的に”
って、ところが大事で、そこがどうも、男性クライマー(で、知性が低いタイプの方々?)は、分からないみたいなんですよね…(汗)。
■ 心身がアラート反応
そこが、私にとっては、感情が自動的に反応してしまい、
”焦燥”・”いらだち”・”軽蔑”・”攻撃したくなる”
のポイントでした。
一言でいえば、「アホちゃう!」って感情です。
腹を立てて付き合ってられん、と出ていくならまだしも、”弟”と脳が反応しているから、出ていけないんですよね…。
だから、ダブルバインドでうつになりました。
■ 真の弟はここにいた!
ところが、光安先生は、私より、物事が分かっているんです!弟なのに!(← あくまで私の脳の誤解です!血のつながりは当然ですがありませんよ…笑)
年下の男性で、自分より、頭が良く、知性が高く、頼りになる男性に出会ったことで、なんだか、すっかり肩の荷が下りたというか…
私にとっては、先生の存在自体が、クライミングで殺されかけ、トラウマの映像がフラッシュバックするようになったことのセラピー…です。
やっぱり、ちゃんとしている人は、ちゃんとしているんだ…的な(笑)。
■ 当たりが悪かっただけ
そう、私は単に、当たりが悪かっただけ、なのです。
しっかし、九州に来てからは、ベテランなら安心、という山梨クライミング時代に培った、安心の行動法則も役に立たず(汗)。ベテランはおらず、ペテランしかいなかった。
老クライマーはむしろ、間違ったことを世間に流布している側でした…(汗)。樋口先生以外。
ダメ事例としては、
・カムの配置が悪くてロープがスタックしても、おかしいと気が付けない
・マルチピッチのルートで、適正にロープの計画を立てる能力がない
・新品を持っている人がいると、人のロープでリードしようとする
・リードを任せたら、ロープアップされない
・カムが3つ飛んで、反省するのではなく、自信をつけてしまう
・岩場のルートのグレードが5.9とあるとき、5.9ではないことが分かっていない
・エイドルートを目指しているのに、フリーを頑張る
・自分の力量(登れていない)を客観的に評価できない
・人をグランドフォールで落とすまでビレイを顧みることができない
・ぱっつんビレイが、リードクライマーに負担があるビレイだと分からない
・スポーツクライミングのビレイは、外岩のビレイと同じではない(流してはいけない)
・たぐり落ちでも、ちゃんとキャッチできないといけない(クライマー側のミスであってもミスをカバーできるだけのビレイ能力が必要)
・相手を自分のミスで、死の危険にさらしてもそうと気が付くことができない
・残置で登ろうとする
・プロテクションの適正な設置について理解ができない
・動くものに道標つける
・支点ビレイは、リードに使ってはいけないと分かっていない
・一人のビレイヤーが2名をビレイする
・ちびにエイドルートを登らせようとする
・残置を使って登ることが、危険行為だと分かっていない
ということかなぁ…。
山梨時代は、ビレイについて分かっていないのが初心者だと思っていましたが、そうではなく、山から入門した人でも、
きちんとした登山教育を受けていない人は、ジムクライマーと同じ考え方をアウトドアに適用
している。それは同調圧力のためですかね?
そのことが分かったのが収穫かな…。
■ モビトレの勧め
モビトレでは、整形外科の先生以外に、内科の先生とPTの先生がいます。
クライマーで、ケガをした人が、ケガを繰り返させないために、どのようなトレーニングに進めばよいかを、先生は、レントゲンで全身状態を見ながら、適切に助言することができます。
また、コツ(骨)や人体の再生には、コラーゲンという基本栄養素の十分な補給が不可欠ですので、現代の最新の栄養学である分子栄養学での食事指導もセットで行われています。
いくら運動しても、体の素材になるものが摂取されていなければ、回復は、遅延しがちになります。それでなくても、成長期を過ぎた人は、老いと戦っているのに…
というので、クライマーでケガをして、慢性症状がある方は、ぜひ一度モビトレを訪ねてみてください。
先生、とっても知性が高いスポーツ選手なので、しっかりとしたリハビリ計画が立てられます。
ほんとスポーツ分野に必要なのは、運動能力ってより、知性のほうです。
ほんと、九州のクライミングで欠けている資質は、勇気でも、能力でもなく、
知性=理解力
のほうですよ。