■『アルピニスト』
大分出身のワールドカッパーのギンちゃんが、こんなコメントしていたので、ほっとしました。
ーーーーーーーーー世界のギンちゃんのコメントーーーーーーーーーーーーー
カナダ人クライマー マーク・アンドレ・ルクレールを2年間密着したドキュメンタリー映画
彼の生き様に憧れと、どこか羨ましさを感じた。
登攀映像はクライマー目線で見ても「ん?」となるような異次元の登りをしています。
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そうなんですよねぇ…。
ミックスのフリーソロしていたりして、いや~と思ったりしました。私もM5ミックスの昇天まではセカンドで行っていますが…(2P目は楽勝でリードで来そうでした。アイスだったので)
ですが、ミックス部分になると…アックスをハーケンのように打ち込んでいる部分では
「確実性ありで、よし、よし。」
と思ったんですが、後の方の画像ではオーバーハングに足ブラミックス…。いや~やばい感じ。
■ 異次元の登り
私が九州に来て思うのは、この 異次元の登り、を知らないから、
異次元でもない一昔前の登り
を自慢してしまうことになるのでは?ということです…。
日本人でも佐藤祐介さんなどは、異次元の登り…されています。(例:スーパー赤蜘蛛フリーソロ )
5.12RP出来るレベルの人が、5.9のスラブを40mランナウトして威張っているというレベルではなく、5.14が登れる人が、パワーバー半分しか食べないでも、5.12のルートをフリーソロ出来てしまうというのが、自慢できる基準になっている。
昔の基準のままだと、すごくない記録をすごいスゴイとほめそやす羽目になるかもしれません。まぁ、そのことに気が付いていない場合は、それで幸せと思いますが。
■ 一般のアイスクライミングは比較的安全性が高いクライミングです。
一般の氷柱ではない、スラブ上のアイスクライミングは、氷がしっかりしている限り、一般の人の思うよりも確実性が高いクライミングで、別に、いちかばちか?ではありません。
基本、アックスバチ効き、になるようにテスティングしてからしか登らないです。
しかし、氷柱レベルになると、アックスバチ効きにいくらしようと思っても、氷柱自体が縦に切れやすく、外れたり、モノポイントのつま先が抜けたりすることは頻繁なので、
スラブ状態のアイスvs氷柱
でのレベル差は、アルパインの入門ルート(日和田みたいなの)とフリークライミングの入門ルート(小川山みたいなの)くらいの差があります。
海外のクライマーが恵まれているのは、日和田から小川山が一続きに提供されているので、段階的成長に切れ目がないということです。
日本の岩場は、落差激しいです。
■ミックス
現代アルパインをやる人は、ミックスと沢は避けて通ることができないと思いますが…
九州では、ミックスへ至る道のりは全くゼロ。
沢も本格的な沢はないそうです(米澤さん談)。
ので、なかなか、”本格的”という形容詞が付く登山形態に進みがたく、その結果、山への認識が、本州から見た場合、”山をなめている”と言われる状態に陥りやすいです。
熊への対応も間違っていたり、深い山への対応法知らなかったり。
フリーでも、
例えば、九州から来たクライマーが小川山で、
「終了点直がけが九州ではローカルルールなんで~」
とか言って同じことやっていたら、いや~、目も当てられませんね。
でも、それが、”特殊”なケースだと九州の若いクライマーは、山岳会で教えられていないとしたら、間違っているのは誰なんだろうな?
■ 結論、独学
間違った知識を伝授されるくらいだったら、適切な書物を読んで、独学したほうがマシですよ、というのは、このような現実がある場合です。
まぁ、人間誰しも老いますし、教えてもらえないと愚痴るより、自分で色々な書籍で勉強するのが良き事でしょう。
ちなみに、『アルピニスト』 ここで無料視聴できます。