2022/07/15

嫉妬じゃなく庇護欲だったのかも?

■嫉妬じゃなく庇護?

しばらく前のことになるが、師匠の青木さんが、私のパートナーを全員否定するので、困ったことがあった。
 
かっちゃんと組むと”あいつはやめとけ”。くまちゃんに落とされると、”だから、(アイツのように)すぐ落ちるクライマーは俺は嫌いだと言っただろ”。…と、散々な対応で、そんなこと言ったら、組むやつ居ないじゃーん!となりました。
 
私は青ちゃんと会う前から大学生のO君と登っていたのですが、だいぶ指導をがんばりましたが、つまり可愛がりましたが、「あいつはムーブをひけらかすばかりだ」と、最終的にはやっぱりNG判定。
 
韓国でも、ファン君が山岳博物館に誘ってくれたら「あいつは手が早いからダメ」。
 
もうね…、誰と組めばいいんです?みたいになっていて、私が連れてくる人全部にダメだしでした。
 
九州で組んでいた荒木さんは、山梨時代はほとんど一緒には登っていません。アイスの友で、フリーでは意見が合わないというか…行きたい場所が違い過ぎて、合わないということでしたし、彼は、山梨アルパインクラブで一番死に近い男、と言われており、私なんて先輩からすら、”どうぞお気をつけて”と言われる相手だったので、できれば、優先度で言えば下、だったのですが、九州では、消去法で行くと、安全度をランキングしたら彼しかいなくなりました。米澤先生とは、互いにトップロープフィックスでバンバン登るほうが時間有効活用だよね~みたいな仲でした。RP型のグレード追求型の登りは嫌いだったからです、二人とも。
 
荒木さんは、私を初心者時代から知ってくれている先輩ですが、山梨アルパインクラブは別に山岳総合センターと違って体系的に山の技術を教える場というわけではないので、経験蓄積量はそこまで貯まっていなかったらしく、10年以上山をやっていても、マルチに行ったら、ロープアップされないとか…懸垂すればロープが足りない、とかなのでした。基礎的なことが欠如している。どこの会でも指導力不足なのです。
 
それで、青木さんにみっちり指導してもらおうとインスボンに連れていく羽目になったんですが、青木さんのほうは別に彼と組みたいわけじゃないですよねぇ…。しかも、私は膝を亜脱臼した直後で登れない。にもかかわらずこの機会を逃したら、一生二人が互いの登りを見る機会はないだろうと思い、無理して行ったのです。
 
ただ、せっかく無理したのに、先輩の荒木さんは、青木さんのリードの美しさに理解をすることなく、ただふつーに登れて楽しい!ってだけで、ロープワークの美しさを学習しなかったっぽいです…残念。
 
米澤先生にしても、青木さんにしても、往年のクライマーのすごいところは美しいロープワークとあっと驚く素早いロープ操作です。ロープをまとめるなんて気が付く前に終わっている。だから、一緒にて、ロープがジャムって大変とかないです。そのために時間がかかるとかもないです。
 
初心者クライマーと登ると、しょうもない理由で夜になります…。
 
荒木さんのように初心者はとっくに抜けてクライマーとも、下手したら夜になりそうです…。
 
話がずれてしまいましたが、師匠の青木さんが、あいつはダメこいつはダメというのが、超めんどくさかったですが、色々考えると、男性同士だけに
 
男性の基本的行動原理が、(カッコいい俺優先)で、(安全後回し)
 
ということを男性同士だけに分かっていて、”娘代理”のような私を父親のように守りたかっただけかもしれません。
 
そういう意味では父親に愛されて大変だった記憶になるのかも?

父親知らずで育った私には、行動の理由が分からなかったのは、父親の愛が現実の行動に落とし込むとこうなる、ということが感知できなかっただけかもしれません。
 
■ 会の人がみんな危ないビレイヤーだった
 
というのは、山梨アルパインクラブで、自分の女性パートナーを会の男性たちとは人工壁ですら組ませない会長さんがいたからです。
 
理由を聞いたら、”(そのパートナーに)怪我して欲しくないから”と。
 
この返事を聞いたときは、”え?私はその会の男性らと組んで、人工壁バンバン落ちているんですけど!”とビックリして、会長ですら、信用していない、みんなのビレイに身を任せて、落ちている自分の不覚に気が付き、さっさとそこには行かなくなりました…。
 
しかし、この事件はよく覚えていて、ほとんどの初心者男性たちの安全に関する信頼度は、ちゃんとした人たちから見ると、かなり低いということです。
 
私自身の経験から言っても、初心者男性の危険認知力は、かなりヤバく、人を殺してもきょとんとしてしまうレベル感です。実際、そのような段階のクライマーに落とされて頭7針縫っていますし…。(彼は今は反省して良くなっています。私が人身御供になったということです)
 
■ 実力を冷静に見極められない人たち
 
初心者クライマーは、別に人を下に見ているわけではなく、自分の命の扱いも、ぞんざいです。
 
ロープなしで北鎌尾根で落ちるようなレベルで、アチコチ行きたい人(福岡の会)とか、読図もできないのに、アルパインに進みたいとか、フリークライマーに見下されている私ですら登れるようなところにも登れないくらいのスキルでルートに行きたいとか、セカンドの確保法も知らないままにマルチ行きたいとか…ボルダラーですら、3級しか登れないのに2段をノーマットで登りたいとか、
 
 (自分に要求するレベル)と(実力)の乖離
 
がものすごく大きい。
 
 (俺にとって簡単に出来ると思っていること)と、(実際の実力)が、違いすぎる
 
のです。 ある意味、自己肯定感強すぎ。

しかも、教えてやると、逆ギレ、です。そんなことはない! 俺だって!と思ってしまいます。
 
その根拠は私が行けるくらいなことは俺だって、と当然のように思うわけですが…、夫の元君ですら、わたしよりうんと体力ありますが、彼は私が登れるところ登れないですよ…。
 
そして、大体は、誰かに連れて行ってもらえれば目標は達成できる、と考えていそうです。
 
逆に返せば、連れて行ってもらえる女性はいいよね~、とか思っていそうです。私の青ちゃんとの記録や米澤先生との記録を見てもらえば、分かりますが、連れて行ってやっているのは、どっちかと言えば、私ですよ??
 
私もよく、初心者に ”連れて行ってください!”と言われますが…。ちゃっかりしすぎではないでしょうかね?
 
それだと、”おねだり””暗記”で、ルートをこなす、という意味で、暗記にも経験にも頼らないことを良しとする、オンサイト、という価値観、度外視ですから。
 
ほんと初心者君って分かっていないですから…。その上、他力、です。おべっか使えば、連れて行ってもらえるとすら、思っていそうな気配がある。
 
・ジムで5.11が登れても、外岩に出たら、5.9も登れないですよ? 
・ボルダーでエイハブ船長1級が登れても、リードだと5.9はできないですよ?
・根子岳みたいな脆いところに行くための、安全対策ってそもそも存在しないですよ?
・いくら登攀やビレイが上手になっても脆い岩の対策にはならないですよ?
・2段をノーマットで登るには、マットアリなら5段くらいが登れていないといけないですよ? 
・コーチみたいなエリートビレイヤーにビレイされて、いくら記録的な課題が登れても、雪稜では気象知識や生活知識がないと、遭難ですよ?
 
その辺を誰か心ある男性が言ってやらないと、女性の私がいくら言っても、男性は深層心理で、男尊女卑なので、誰も聞きません。
 
それは俺の事じゃなくて、女性の体力のことでしょ!とでも、思っているのかもしれませんが、そうではなく、必要なスキルや知識が何なのか?ちゃんと理解するおつむが足りていないだけなのです、ほとんどの場合。
 
なんせ、私が初見ソロで行くようなところも、7人でつるんでも遭難していますから。(阿弥陀北稜)
 
誰かちゃんと説明してやってください。現代のツヨツヨエリートクライマーの方。