2022/07/25

正常なグループの在り方に触れて 大型ザックの思い出

 ■ 健全な集団は健全なリーダーシップに宿る

土日はマウンテンバイクの集まりで、正常な社会人集団…思いやりがあるという意味です…、に混ぜてもらって、そうよね、これが普通の感じよね~と改めて思った…。
 
紹介される時から、「この人はロッククライマーだけど、自転車は初心者」とか、リーダー格の人が、私が正確に相手に理解されるように、配慮してくれる。
 
そういうのがないと、自転車のことを知らないというので、え?ッとなる可能性もあるし、知っているはずのことを知らないと、当然だが、こんなこともしらねーのか、と軽蔑される。
 
■ ”こんなことも知らねーのか!” 大型ザック事件の思い出
 
山岳総合センターのリーダー講習に出かけた時、大型ザック問題というのが起きたんだよなぁ…。
 
私は雪の山は3年目だし、慣れていたが、個人で登っている=用心している、ということで、40リットルのザックで済ませており、宿泊は当然だが、やったことがなかった。大体、小屋止まりだと雪の山でも、ザックから出してくるのは財布だけってことが多い。
 
センターの指示書には、80リットル以上の大型ザックを用意しろ、と書いてあった。
 
が、そんなもの、だいぶ東京も大阪も探したが、どこにも、女性用は最初から売っていないのであった。女性の先生に相談しても、きちんとした返事がもらえなかった。それで初回は様子が分からないから、40リットルのままでいいか?と講習会主催側に聞いたら良いという返事だったので、そのまま、参加した。ら、講習の場で、ものすごい馬鹿にされたのだった。その場で、宴会に参加せずザックを買いにカモシカに車を飛ばしたんだが…。(結局買ったのは、モンベルの最大のやつ…こちら。)
 
そう言うことが、初心者時代はかなり起こるが…。
 
リーダーの方の配慮がすごくよかったので、ちゃんと楽しく過ごせたのだった。
 
ちなみに、今でも80リットルの大型ザックは持っていないし、会のアルパインの先輩によると
 
60リットルより大きいザックを使う人=知性が欠如している人
 
という話だった。もちろん、日本国内の山岳会レベルの会山行の話で、厳冬期黒部横断のことではない。
        60Lでもチビの私が担いだら、こんなありえないサイズ感です…
 
https://yamahack.com/4312 オーダーメイドザック
 
■ リーダーの考え方
 
1)みんなが楽しめるように、
 
2)トラブルが少しでも少なくなるように、
 
は、心掛けて考えて遊んでいます
 
とのことでした。
 
 1)誰かが誰かに体力的無理を強いたり(=怪我をしたのに行動継続)、
  
 2)馬鹿にしたり(え、5.9も登れねえのかよ!)、
 
すると誰も楽しくない。現代の5.9って、ホントは5.9じゃないことが多いですからね。
 
■ 逆転現象
 
その上、セカンドのほうが、トップのしりぬぐいクライミングをしているようなクライミングで、”ちぇ、しょうがねえなぁ、連れてってやるよ…”って…完全に、逆転している…。
 
”付き合ってやっている”と表現されるべき状態なのは、セカンドの私の方であって、ありがとうと言われるのは、私の側であるべきだと客観的に見て思う…。もし、立場が逆なら、私は、セカンドに申し訳なく思うだろう。そして、それが普通のクライマー教育を受けた人だと思う。
 
いや~。ギブアンドテイクが、逆転現象。
 
相手から奪っている=テイクしているのに、ギブしているつもりになっているのが疑問でしたが…
 
 
後で送られてきて私を青くした写真。二人が登っている(汗)。ビレイヤーは一人なのに…。これを送ってくれた人も悪びれていなかったので、これが間違ったビレイだとは、分かっていないと思われる。(歴史ある会のエライ人です)
 
それもこれも、
 
 長年積みあがった勉強不足のせいで自覚できないだけ、
 もしくは正しく教わっていないので自覚できないだけ
 
のようですが、会やその周辺の世間全体が、
 
 総テイカー化
 
してしまうと、誰もそれが異常事態だと感知できない、という意味で、ある意味、コロナ禍のマスク警察や、戦時下のかん口令や、特攻隊のレベル感、です。
 
クライマーは自覚して、きちんと考えて、自立した行動をとりましょう。
 
指導者は神ではなく、人間なので、間違いを内包するものです。なんせ、山岳総合センターのリーダーコースという次世代リーダーを育成する機関ですら、ザックに関しては女性クライマーに適切な助言が与えられなかったくらいな話ですから…。
 
後でデナリに行った女性の登山者に聞いたら、彼女でも大型ザックは持っていないそうでしたよ。