■ 白亜スラブのような、失敗したリードを、成功体験とし、自慢の種にしてしまう誤謬が生まれるわけ
は、やはり、
アルパインクライミング教育の失敗
に、因を約50%程度は、求められるものでしょう…。本人の責任…資質を含めて…が、50%はあるとしても。
それにしても、彼はヨセミテ、何度か行っていましたから、ビッグウォールにもチャレンジしており、ということは、アメリカンエイドは分かっているハズで、岩角に設置したカムでロープがスタックすると、ロープが上がらなくて、にっちもさっちも行かなくなることくらい、学習済み、だと私は思っていたのですが…どうも違ったようです。心のメモに、”ヨセミテに、何回行っても、クラック登りの基本を分かっているとは限らない”と書いておきましょう。
結局、このように、10年以上の経験があるクライマーであっても、
経験から自学自習する、
というのは、
本人の振り返り力、反省の力による
ところが多く、
各種の人気ブログを読んでも、一般に、どのような失敗をどのように反省したのか?は記述されていないことが多い
ですから、あまりカンニングできない…。カンペがないと、どうにもできないのが現代人なのです…。
■ 自己愛による探索行動 + アルパイン教育の不足 + 反省力の不足 + カンペなし
という4つの素因によって、起きているのが、
きちんとしたクライマーと言える状態になる以前の、アホっぽいクライマーの死
です。
自己愛…無敵神話…による探索行動は10代の若者に多い行動です。幼児がとんでもないところに行ってしまうのと同じで、親の愛に守られているからこその無敵神話。
■ 良き手本を持つ…
今の時代の良き手本、なら、誰になるのでしょうか? アルパインなら、ダントツ、
佐藤ユースケさん
だと思うのですが…。ジャンボさんなら、本当に良き事でしょうなぁ…。ラジオで聞いた会話に一番父性を感じた。もちろん山野井さんでもいいのですが、山野井さん、すでに生神のレベルだからなぁ…。佐藤さんも生神に近いですが。
山野井さん、ユースケさん、ジャンボさん、は、いうなれば、美術館で見るモナリザとか、ゴッホとかのレベルです。自分との距離感が離れすぎていて、まるで相手の行動原理が理解ができないレベル。
先日は大阪で個人ギャラリーに行ってきましたが、ギャラリーでは、現代の作家たちがしのぎを削っているリアルな会話が楽しめます。すると、ちょっとした豆知識、カンペですね、みたいなことを話しています。選ぶべき鉛筆の種類とか、どうやって描けるようになったか?とか…。
このようなレベルの人材が現在のアルパイン業界で、ほぼゼロとなっています。私のおススメは
石田登山塾のブログを読み込むこと
です。こちら
http://ishidatozanjukunisshi.blogspot.com/
アイロンさんブログ
どちらの方も対面して、お人柄を知っていますが、信頼できるクライマーです。
これは、私のデッサンと、その結果、出てきた水彩画ですが…
このデッサンを見て、デッサンの基本的素養がない、と思う人はいないでしょう。私は中学までは、クラスで一番か、2番に絵がうまい子供でした。デッサンでは 評価は5でした。
…しかし、だからと言って、
現代のゴッホとか、ダビンチとかになれると思う人はいないでしょう。
このデッサンを見て才能のきらめき、を感じる人もいないでしょう。
こちらは、その結果、水彩にしたものですが…ハイライトを残す練習というので、習作です。
この絵を見て、絵がなんたるか?分かっていないと思う人はいないですが、だからと言って、水彩画家になれる才能があると思う人はいないでしょう。
これが私が何度も、このブログで言っていることで、男性クライマーで、どうしても、「俺だってチャンスと環境が整えば、佐藤ユースケになれた!」と思ってしまう人が、理解し損ねていることです。
私を見て、クライミングの素養がないと思う人はいませんが、だからと言って、現代クライマーの系譜につながると思う人がいるわけありません。41の手習いですよ?勘弁してよ。
■ 私自身が何度も、主張していること
私自身が、何度も主張しているのは、私は、クライミングを絵に例えると
(デッサン力ゼロ、水彩?何それ美味しいんですか?レベルの人)ならば、指導できますが、
(男性クライマーで、俺だっていつかはユースケ!)とか思っている誤解の深い人は、指導できない
ということです。若い国体クライマーとか含め。
その人たちは、誤解が深く、プロの登山ガイドでも誤解がとけないレベル感ですから、一般クライマーがとけなくても、仕方ないかもしれません。
どんなに言っても私の言うことの意味わかりませんし(自己愛が強すぎて、正面から見れない)、分かる素地(そもそも、美術館レベルの登りと、個人ギャラリーレベルの登りが峻別できない、自分のレベルを正確にアルパイン業界で位置づけできない)がないからです。
私は子供のころから、美術館に通い、世界の巨匠の絵画に触れて大きくなりました。ので、現在、街角の画廊に行っても、作家さんと会話が楽しめるわけです…
このアルパインクライミングバージョン、もしくはフリークライミングバージョンは、最初から山岳総合センターに行くか、無名山塾に属すか?で悩み、沢では海外遡行同人に呼んでもらって一流の遡行やクライマーに触れ、相当に老舗で伝統がある山岳会に属さないと起こらない…ちなみに私の場合は、ラッキーだったのは、クラブ蒼氷の先輩と初期はクラックを登りに小川山に通っていたことです。そのあとは、大阪労山の登山学校の元校長先生である青木さんという大阪のクライマーと登っていました。青木さんから見ても、どのクライマーもダメクライマーのようで、私は組む人がいなかったためです。
九州に来て、荒木さんという山梨時代に知り合った先輩と登っていましたが、私は山梨アルパインクラブは半年ほどしか属しておらず、ここのようなレベルの市井の山岳会は、福岡の山岳会とどっこいどっこいの教育レベルで、私が上記に述べたようなことは、教えもできないし、きちんとした教育体制もない、ということです。
いうなれば、私は美術館の絵(山岳総合センターでのリーダーコース)と蒼氷(市井のギャラリー)の両方を見てきたから、NG山岳会を見て、それがNG山岳会と分かるわけです。
しらなかったら、間違った教えでも、丸ごと受け入れるしかありません。
■ 山岳会の教育レベル低下は深刻ですよ
福岡の山岳会は、山梨の市井の山岳会より、教育の質は、さらに輪をかけて落ちており、指導者が、二人のリードクライマーを一人でビレイする、なんて非常識な行為も行っています。そんなビレイで登らなければならないくらいなら、会に参加するほうが害になるレベルかもしれません。
どれくらいアルパインクライミングの教育レベル低下が激烈か… ご理解いただけ、対策を練っていただけたら、幸甚です。なんせ、命を危険にさらして、得た情報ですから…。
本当に重要な情報というのは、このようなもので、クイックドローをヌンチャクと呼ぶのはやめましょう、なんていうのは、教育的指導ではなく、単なる揚げ足取りです。
クライマー業界で、ヌンチャクと言って通じない奴は、クライマーになる以前なので、教えてやってください。そっちの方が教育者のとるべき指導です。どこの世界にもスラングはあり、教科書通りというだけを教えるのは教科書がやることで、生身の指導者がやることではありません。
以上、心ある上級クライマーの方、山の世界の神様、よろしくお願いいたします。