■ なぜバレエを辞めたのか?
バレエは19歳で始めた。大学の新生活も落ち着いた頃、自分らしく生きるために始めた趣味だ。
私がバレエに傾けたエネルギーは大きい。就職して、4、5年のブランク、2~3年のブランクがあっても、なんだかんだと、都合をつけて再回し、山梨に来るまで20年続けた。
カリフォルニアに2年住んだことがあるが、そこでもバレエのレッスンを日常的に受け、先生はアメリカ人だった。
他に、パリとメルボルン、カンザスでレッスン経験がある。海外出張に行ったら、バレエのレッスンか、バレエ公演、あるいはバレエ用品店がないかな~、と探すからだ。
その大事なバレエを山梨に来て辞めた。大きな転換点だ。
その理由は・・・ 先生が体を壊すレッスンを強要するから。
山梨は子供中心の社会なので、”大人が趣味で行うバレエ”については、後進県である。大人の趣味のクラスはあるが、力は入れられていない。あくまで、子供の才能発掘が活動の中心だ。ただ経営上の理由で子供のレッスンが行えない時間帯に、子供のレッスン収入だけでは不足する収入を補うために大人向けクラスが行われている。
そういうクラスでも、自分一人でバーレッスンするよりはマシなので、「ま、現状維持でいっか~」と当初、思っていた。
・・・が、子供の育成と同じメソッドを大人に適用しようとするレッスンは、体が壊れるのが先だと気が付いた。
それまで、都会暮らしが長く、そして、都会では競争が激しく、一流の先生しかバレエ教師として生き残れない・・・ので、ハッキリ言って一流からしか指導を受けていない。
・・・なので、子供のついでという意識レベルの指導では、大人は体が壊れる、と分かってしまったのだった。
実は、私自身も初期のころ、小学生と一緒にレッスンしていた(^^;)。20代は、まだ体が子供の側に近く、私は若かったし、初心者なので、無理なレッスンの無理さもよく分からず、吸収が早く、2~3年で、あっという間に上達した。
その後、一旦就職でブランクが空き、20代後半で再スタート。大人として、オープンクラスでレッスンした。
だから、かろうじて、だが、子供から始めること、大人から始めること、の両方が分かるのである。
話を戻そう・・・なんで、バレエを辞めたか?
体を壊すこと確実な指導にお金を払うことはできないからだ。
体を壊してしまっては、現状維持にさえもならない・・・。
しかも、お金を払ってまで、自分のカラダにマイナスなことをすることはできない。
趣味は、人生をより豊かにするためにあるからだ。
幸いなことに、カラダの維持はヨガで教えるほうに回ってやっている。しかも、この分野はとても幸せになれる。
■ 教えて気が付くこと
ヨガもバレエと同じで、先生の側からみると、”なんでこんなこともできないのっ!!”というようなことが生徒さんはできない。
例えば、”骨盤を立てる”こと。
骨盤を立てるなんて、あまりにも初歩過ぎて、教えようがない。立てるのは立てるのだ。
それ以上説明しようがない。というのが、多くの先生のホンネだろう・・・
でも、大人の生徒さんの約7割は骨盤を立てて、座ることがそもそもできない。
私自身も、どうやってできるようになったのか?自分でも説明しようにも説明ができない。
でも、基礎なので、できるようになってもらわないと、ヨガをしても体を整える活動でさえなく、逆にカラダに悪い活動になってしまう・・・。
ので、自分の体を実験台にして、どうやったら骨盤を立ててもらえるか、思考錯誤する。
それが先生業だと思っている。
しかも、かなり報いがある先生業で、5年同じことをやっていると、初心者で来た生徒さんでも、かなりの人が、骨盤を立てて、スカーサナできるようになっている。
これには本当に感動している。継続は力なり、は本当なのだ。
一方一向にできない人もいる。その人たちは、本人の努力がないのかというと、違うと想定すべきなので、私のチャレンジ課題になっている。
■ 山
山岳会も、山仲間も、クライミングジムも、クライミングのパートナーも、自分の人生を趣味によって、より良く、より豊かに、より幸福に、より充実感を持って、生きるためにある。
人生がより良くならない・・・ 複雑怪奇現象化する・・・なら、イラナイ。
つまり、誰かの不勉強のために、自分の命が短くなる・・・より命のリスクに晒される・・・ようなら、全然、人生はより良くなっていないどころか、より悪く、マイナスになっている。
そのような場合は、切り捨てるべきだ。
日本人は真面目で、Mなので、自分にとってプラスになっていないことでも我慢して続けようとする。
しかし、それは間違っている。
趣味は、自分の人生をより良くするためのもの。
友人は、自分の人生をより楽しくしてくれるもの。
その基本が抑えられていないところに、何を築いても、無駄だ。