2023/11/26

【マキラのアジト】趣味の部屋=趣味の岩場

 ■ すごいめっけもん♪

昨日は、例の、AI関係のリクルーターが職務経歴書を出せと言うので、仕方なく、過去の職歴をまた翻訳していた…。はぁ。

転職って、めったにしないので、するとなると、前に作った書類は、3世代くらい前に使っていたPCの中…。

ちなみにきた求人の内容…


これってホンモノなんでしょうか? 

FBと同じく、LinkedInも米国の流儀で運営されているので、なんか詐欺っぽいというか…。こういう求人が来たときに、

 相談できる相手

ってのが私が欲しいものなんですが…。私より上級のビジネススキル(プログラミングレベルのITとビジネスレベルの英語力)を持っている人が周囲にいないので、誰にも相談できない…(汗)。

しかたないので、今キャリコンを雇っています…。この弱肉強食ワールドで、女一人でやっていくの無理。 ついでに前のエンジニア時代にメンターになってもらっていたアメリゴと由り?を戻しました…。

海外のソフトウェア産業で働いたことがある方のアドバイスを求めています! こういうrecruitingが来たのは、一回や二回でない。

とりあえず、almas begum 詐欺 で検索してもヒットしなかったので、書類作成中。

で、英文履歴書と職務経歴書の作成で、土曜なのに、めっちゃ疲れたので、友人のアキさんが出店するという紅葉祭りに出かけた。

ちょっと時間が余ったので、近所の探索…冒険を探しに出かけた…ら、なんと!超ヒット商品発掘。

■ マキラのアジト

ここは、私でないと見つけられないかもしれない。

というのは、ここ、洗濯機を乗り越えて、ドアにたどり着くんで…(笑)。

普通の人は、洗濯機を見た瞬間に、ドアまで行くのを辞めるであろう。

しかも、お店のドアではなく、普通の家のドアなんで…なんかなぁ。

こんな具合。

で、入ったら、めちゃ好みであった☆


夫の元君が、電子工作大好きなんである。

しかも、実は、このわたくしめも、もともとはロボット開発室で、オシロスコープで波動計測していたんである。まー、クライマーとなった今、エンジニア時代の私が遠く過去のこととなっているのは事実であるが…。

で、マスターの趣味は、アンプの修理らしい。音楽関係には全く疎い私だが…。ラジオとレコードプレーヤー聞かせてもらった。

音楽家のようなアーティストと電子工作好きの理系の出会う場所…らしい。


私は昔から理科大好きで、中学受験の時に、試験勉強をしたのも、理科室。実は数学の問題が解けないで、先生に聞きに行ったら、暇そうな理科の先生にたらいまわしにされただけであるが、その理科の先生は、勉強は見てくれなかったが、ビーカーでお茶を入れてもらった☆ 良き思い出があるんだが…。

巷のロボット教室とかに子供を入れていないで、こんなカフェで、電子工作をするマスターをただ見ているのがいいんではないか?とか思ってしまったが。

子供に必要なのは、心理的安全基地であって、無理やり知識をインストールされる場、ではないんである。

なんせ、子供って、興味を持つまで教えない、ってのが大事。 教えてしまうと、押しつけになる…教えない。ここが味噌なんである。

実際、私は小3の時に、英語教室にしばらく通ったが、全く無駄であった…あとで自分でNHKラジオ講座で勉強したほうが良かったんだよなぁ…。

で、ここのカフェは、定年退職後の趣味みたいなもの、らしい…。

まぁ、岩場の開拓も同じようなものですよね! おじさんの男の趣味の部屋=岩場。

ということなので、なんか、私にとっては、”いつもの感じ”、なのであった☆ 

お父さんの趣味の部屋(岩場)にお邪魔しまーす!みたいな?

私は、父のお膝で遊んでいる3歳児の娘だったんで、親父の膝元で遊ぶ感覚ていどのことなんである。

■ 岩場はなんで、”係争の場”となったのか?

しっかし、このように、単なる、定年後の楽しみであったはずの岩場が…その価値をおおやけに見出されたとたんに、

 俺の初登ルートだ、俺以外の登り方で登られるのは許せん!


とか、

 知り合いだけに来てほしい

みたいな、エゴの発露の場となったのだろうか…??? 

ああ、悲しき人間の性って感じですよねぇ…。

■ 日々を楽しく満たされて過ごす

ここのカフェ?というか、他人も入れる趣味の部屋…は、マスターが

 日々満たされて過ごせる場のシェア

みたいな感じである。私も、暇なので、満たされて過ごしたい。

遊び=趣味なんて、人生の浪費だ、と言う向きもあろうかと思うが、人生はそもそも、みんな死ぬんだし、生まれてから、死ぬまでの暇つぶしでもあり、まぁ、好きなように生きればいいんである。

日本は何か知らんけど、戦後70年、「〇△■な生き方をしないとだめ」という金太郎あめ労働者洗脳教育が、世間を席巻したいたようで、その呪縛から解き放たれるには、

 定年

という免罪符が必要なようなんだが…。

別に22歳から定年な生き方をしているのが、先進国のトラベリングロッククライマーたちである(笑)

■ 型にはまらない生き方から、型を利用する生き方へ

前に行ったラオスで一番人気のクライマーは

 イギリス人なのに、一回もまともな就職をしたことがない男性

であった。周囲のクライマーから、その就職をしていない件で最も尊敬を集めていた。

 古い体制に巻かれる=敗北

という意識が、先進国のクライマー業界には浸透しているようで…(笑)

ワタクシとしては、巻かれない人が上、と言う時代はもう終わりつつあり、さらに上を行く、古い体制と新しい体制の間をスムーズにジョブサーフィンできる人、が素敵な人なんではないか?と思うんだが…。

と言うわけで、今もLinked Inでのrecruitingにアドバイスくれる人募集中!




2023/11/23

【心理学】セラピスト職のニーズを感じた数々の不可解な事件

■俺を癒して!の叫びシリーズ

 その1)セリフ「無条件に愛してほしい」

→ 見捨ての傷 ギャン泣き大人バージョン

意味:子供のころの見捨てられ不安を私は解消していないから、クライミングを通じて、私の見捨てられ不安を解消してほしい。

その2)セリフ 「セックスしたい!」@山岳会山行テント泊中 

 見捨ての傷 抱っこして!大人バージョン

意味: 私は日常のストレスで、はちきれそうになっているから、あなたをはけ口にさせてほしい。妻にはとっくの昔に相手にされなくなったから。

私は自分が負える以上の責任を負っており、それを口に出すことも、自力で解消することもできない。なぜなら、自分で解消せず、親に機嫌取ってもらって成長したからだ。

どうかあなたの力で私を一人前の大人にしてほしい。私は自分で自分の機嫌を取る方法が分からないので、どうすればいいのか教えてほしい。

その3)セリフ 「どのボルトを使っているか、なんで教えてくれないんですか!!」Byトポに開拓者として名前が載っている庵メンバー 

→ 侮辱の傷 先生、教えてくれないなら、俺、拗ねちゃうよ!大人バージョン

意味:プライドは高いけど実際は知識はないので、なんとか、情報を仕入れたいが、いまさら、人に頭を下げて聞く気にはなれない。こっそり教えてもらいたい。

子供のころに親に質問したら、むげに扱われた、という屈辱の傷があるので、普通に素直に聞くことができないが、それは赦してほしい。私の拒絶の傷をいやしてほしい。

ってことなんかなぁ… 

■ 世の中傷ついた人ばかり、なんですよね

クライミングをしていると、心理学、とくに愛着障害の問題解決のニーズを感じます。

愛着障害があると、なんだか不可解な言動が多くなります。

(ご自身が言っていること)と(やっていることの不一致)に気が付いていないというか…

最も顕著な事例は、チッピングして、有名になる、っていうタイプの開拓者でしょう…

悪いことをして有名になって何がいいんだ?って、普通の人は思いますが…。

自己愛性パーソナリティー障害なのでは?って感じですよね。

だとすると、解決には、心理専門職の介入が必要と思われますが…。まさか世間のように法律で規制するわけにもいかないので…。




【パートナーシップ】 クライミングパートナーに適性のある男性の見分け方

日本のクライマー男性は、ほぼほぼ全員、大人だけど、子供っぽい。

本来のアダルトチルドレンは、子供のころ大人をしていたという意味ですが、きちんと大人であるという自我で登ってくれないと、相方を殺します。

トップクライマーたちはすべからく、そこは抑えたうえで、楽しんでいる。チャレンジしている。

というので、適切な相方を見分ける方法です。

■クライミングに適性のある男性の見分け方

ーーーーーーーー

1「 安心感があるかどうか?」

2「 話をちゃんと聞いてくれるか どうか?」

3「 憧れたり、 尊敬し たり する 部分 が ある か?」

4「 実体験に基づいて 語っ て いる か?」

5「 毅然とした態度でNOと言えるかどうか?」

6「 謝罪 と 感謝 が できる か どう か?」

7「 困ったときに相談したいと思えるか?」


大堀 亮造; 大堀 亮造. アダルトチルドレンを克服したければ、父性を身につけなさい (Kindle の位置No.577-582). Kindle 版.

ーーーーーーーーーーー

1「 ビレイに安心感があるかどうか?」
  NG事例: 人工壁でのロープ合わせなし。第三者によるビレイチェックなし。

2「 ルートの相談をちゃんとしてくれ、どのようなレベルを登りたいか、聞いてくれるか どうか?」
  NG事例: 自分が登りたいのに登っちゃって、相手には、そのロープでトップロープさせるだけ

3「 クライマーとして、憧れたり、 尊敬したりできる部分が ある か?」
  NG事例: ねえねぇ、残地持って帰って、みんなで山分けしようよ~

4「 実体験に基づいて クライミングを語っているか?」
  NG事例: 〇〇に行ったけど何を登ったか記録がない。失敗から学ばない。

5「 こんなのも怖いのか!とバカにされたとき、毅然とした態度でNOと言えるかどうか?」
  NG事例: すぐかっとなってクライミング競争をおっぱじめる

6「 相方に、謝罪と感謝ができるか、 どうか?」
  NG事例: 貸したギアを何か月も返してくれない。ロクスノも返さない。

7「 困ったときに相談したいと思えるか?」
  NG事例: 相談したはずが、自分の相方を取られる羽目に…。

2023/11/21

【心理学】 クライミングはパートナーシップの修練の場

■ こんな関係にはまっているとき、境界線は赤信号!

1)相手にビレイを与えるばかりで、代わりにビレイを受け取っていない

岩場の事情があったとしても、対等にビレイを交代できない関係性は、パートナーシップは崩壊します。

例外は、まだ岩場のリスク認知があまく、いわゆるリード登りができず、デッドばかりで取るような、未熟で下積み中の新人クライマーの場合。

10年登っていても、リスクを避けて多めに見てもらうために、わざとデッドで取り続け、他者にお目こぼしで、トップロープにしてもらいたいようなクライマーも海外には良くいます。基本、ATC持ってこないクライマーとは、登るべきでなく、ロープを持ってこないクライマーも海外遠征中の例外中の例外とすべきです。

2)相手が請け負うべき責任まで、あなたが負っている

読図、運転、ロープの選択、レスキュー、行動食、リスク管理、ギアの選択(ロープを濡らさないなど)

クライマーとして一人前になるタスクを自分でせず、0.5+0.5=1人前、の発想の人は間違っています。それだと、片方がダメになったら、すべてダメになるということです。

正しくは、1+1=2 で、ゆとりをもって、登ります。

3)あなただけが危険を冒している

グランドフォールの可能性がある1ピッチ目をリード…、

あなたには難しい箇所を相手のためにリード…、

車をいつも運転している…、

怪我をしているのに家に帰してもらえない…、

自分だけがビレイが確実で、相手はビレイのチェックを受ける気がない…

すべて相手はクライマーとしての責任を担う気がない。半人前のまま進もうとしているということです。

4)いつも相手の意向が優先されている

相手が登りたいルートには行くが、あなたが登りたいところには行かない

5)相手と違う意見を言いにくい

グレードは身長により異なる

6)あなたの登攀が、ひたすら相手にかかっている

相手が機嫌よく登ってくれないと、こちらが登れない羽目になる。一蓮托生。

7)相手から命令されたり、人格を非難される

したくないリードの無理強い。怖がるとバカにする。

■ まとめ

2人一組で登るクライミング。リスペクトがある対等の関係性で登れる人と登れない人がいます。

日本では、戦争の歴史的経緯からアダルトチルドレンが量産されています。

アダルトチルドレン=境界線問題。

対等の関係性で、登れないということです。

特に男性クライマーは、息子命の母親によってママボーイ化し異様にエゴがでっかく拡大しているために、女性とみれば、ガマンや譲歩を強いる自動思考が作動している人が多いです。

こういう人は女性だけにそのような行為をするので、男性からはそれが見えない。

その場合、女性同士のほうが気楽に登れていいかもしれませんね!



【心理学】国民的トランスジェネレーショナル・トラウマ

[目撃!にっぽん] “ずっと父が嫌いだった” 家族が向き合う戦争の傷痕 | NHK

■ 戦争体験=心の崩壊

戦争体験世代 → 戦争トラウマ 心理的に子供と愛着が築けない
子世代 → 親と分離トラウマがある = 自閉症、愛着障害、ASD、ADHD等
孫世代 → 分離トラウマにとらわれた親に育てられたアダルトチルドレン

となっているようです。

私の事例では、祖母は戦争トラウマがあり、満州からの引揚者でした。その子供である母は、忙しく自立した女性に育てられたため、ASD受動型みたいでした。つまるところ、おとなしく、頼りなく、とても寂しがり屋でした。えーん、と泣いている小さい子供が、母。
そのような母のもとに生まれたのが、私です。私はかなりたくましいですが、それは、真逆にたくましくない母に生まれたせいですが、既存の”自分では何もできない女性”という女性像を塗り替えたいという思いで、私は母のもとに生まれることを選んだのではないでしょうかね?

英語が話せ、ITができ、しかもチェーンソーも使えて、クライミングもできるって、ただのじゃじゃ馬じゃないですよねぇ…自分でもなんでこうなったのか謎。私は楽しいことを勉強してきただけですが。

さて、この動画の人は、

戦争体験世代 → 戦争トラウマ 心ここにあらずで心理的に子供と愛着が築けない
子世代 → 父に反発 あんな男にはならない!と強い男になる

となっています。では孫世代はどうなるでしょうか?

孫世代 → 子世代の父の強さに反発して、優しい男性になる、があるかもです。

私の夫は、孫世代の、心優しい男性、かもしれませんねぇ…。

■ 屁のツッパリで、40mランナウトの方々の世代背景

を見ると、大体、戦争時に親が戦地に出ていた子供世代でしょう…

帰ってきたら、親は、魂を抜かれ、戦地の悲惨さが分からない村の人に、戦争ボケと呼ばれて、見下されている。そんな親を見て育った子供は

 俺は勇敢なんだ!!!

と聞かれてもいないのに、主張するために、4級で40mランナウトする羽目になったのかもしれませんね…

■ 心優しく

そういう時代背景で、明らかに心理ゲームによって動き、翻弄されてしまっている人に、

2020年においては、5.12でエルキャップをフリーソロする時代ですよ~

と教えてしまうのは、

 心無い行為

だったかもしれません。だって、その人は、自分が翻弄されていることに無自覚なわけですから…。裁判だって、犯罪を犯罪と分からない子供には罪を着せません。

と言うわけで、なんで九州の年配の人は、ランナウト自慢なのか謎が解けました。

ズバリ指摘して、すいませんでしたね。いや、時代錯誤感がかなりあり、おったまげてしまったためです。九州の若い人は、もうとっくに分かっていたよーということなんかね?

最近の若い人は心優しいですね☆

だからと言って、こんなクライミングは常識の範囲外ですので、やめましょう。左が私です。

一人のビレイヤーが2名のクライマーをビレイ中ってことが分かる写真(汗)。本番ならカム持っているのに、この日はアイスクライミングの転進だったので、ゲレンデクライミングだと思っていたら、本番リードを初対面の人に対してする羽目になった。めちゃランナウト中。しかもリードなのに50リットルザック付き。

この山岳会の会費を一年分払い、1回比叡に行っただけで、この写真をもらって、この人たちは何にも分かっていないと思い、退会。

のこり11か月の返却をお願いしたら、これは特別措置で普通は返さない金だ、と言われました。

は?どんだけ?盗人猛々しいのか… 恩着せ合戦になっているよなぁ。使っていない金を返すのは当然です。

しっかし、この登攀、危険だったよなぁ…。

青ちゃんとインスボンでたくさん登っていたことが身を救いました。師匠、ありがとう。

参考:命あってのものだね

2023/11/20

【心理学】クライミングのメンタリングは人づくり

 ■ 師弟関係の本質は、人づくり

今となっては失われてしまいましたが、本来、バリエーションルートを含む困難な山において、師弟関係は、人づくり、です。

その事例は、コンラッドアンカーとジミー・チンが出ている、『Meru』にみられますね。

私はアルパイン出身なので、とっても感動しましたけど…フリークライミングにおける師弟関係でも同じなのではないでしょうかね?

師匠と話すだけで、山人生が大きく変わるような、そんなメンターを得た人はとてもラッキーです。

■ クライミングで人生を良くする

人生において、取り組みから結果が出るのには長い時間がかかりますが、山登りと言うのは人生のメタファーであるので、短時間で問題解決ができます。

山の経験を実生活に持ち帰り、強くしなやかに生きましょう。

山頂と言うクライマー自身が決めたゴールを達成する道筋の中で、クライマーがより良い人になるために支援してくれる人、それが師匠であり、メンターです。

クライマー本人が、自ら課題を決め、ゴールへ進んでいくことを支援する。

その結果、より良いクライマーになることができる。

そんな師匠、そんな仲間こそ、クライミングを生涯の趣味とする醍醐味ではないでしょうかね?



【通山珈琲】やっぱ、クライミング界、いびつですよ

■ ”失われたご近所があるカフェ”通山珈琲

 最近、ヘビロテ中の通山珈琲さん。ここは、なんだか、私の理想が体現されている。

私の理想って? ”さりげないご近所づきあいでの、負担にならない程度の助け合い”、があるってことです。

いうなれば、「あ!お醤油がない!お隣にちょっともらってきて!」みたいな。

■ ”失われたご近所さん”があるカフェ

通山さんには、大体、何人か人がいて、お客さん同士で楽しくおしゃべりするのが普通です。

大人の社交場?

おしゃべりしないで、静かに本を読んでいる人もいるが、大体のお客さんは、おしゃべりしている。

それで他愛ない話をして、なんか人と人の接点が、面白い店です。

昔の日本は、こうだったんじゃないですかね?

■ ”インクルーシブなカフェ”

老若男女、いろいろな年齢の人がいて、

 それぞれの気持ちや意見を聞ける場・言える場

になっています。若い人の意見や状況が聞けて、興味深いです。

■ 単一層の弊害顕著なのがクライマー界かもですね…

日本ではクライマーと言えば、若い男性のことで、一つの年齢層、一つの性別だけが、クライマー界のすべてになってしまっていた時代が長かった。

だから、日本のクライマー界では、男性が既得権を守ろうという気持ちになって、サバージュ・ババージュの件みたいに、”初登者の権利”を持ち出して、禁じ手のチッピングもどきをしてしまい、間接的に、リーチが短い女性や子供を排除したくなるのかもしれません。

別に、女性が、男性しか登れなかった5.12を登れたり、子供が登れたりすることで、自分が何かを失うことにはならないのになぁ。

■ 海外の悪いところだけ取り入れちゃった日本

海外では、読書中の人に、”Would you keep eye on my child?”と言って、ちょっと煙草を買いに行くとか、で、子守りをしてもらうのは、当然、無償で、気軽にお願いしていい、お願い事、となっています。

私も勉強中に、子供を無償で預かったことが何度か…。(知らない子の時もある)

ベビーシッターとして、サンフランシスコでは、仕事はしていましたが、そのついでに自分の面倒見ている子じゃない、他の人の子供を、他のシッターがトイレ行く間、ちょっと見ている、なんてのは、別に普通なんですけどね…。

日本の人は、境界線の引き方が下手なんだろうなぁ。

■ 年配の人は若い人を助けたい

私の世代は、就職氷河期ですが、30代からみたら、バブル世代と見分けがついていない。

まぁ、私でもつかないくらいですから、仕方ないなと思います。バブル世代は、世間の見方が、とってもお気楽なところで初期設定されていますが、以降の世代は、微妙に何もしなくても世間が自分を世話してくれる、なんて納得感がありません。

かといって何が正解なのか?よく分からないし…。先人の知恵を聞こうにも、やたら成功譚を語られても、ビフォーバブルの成功譚では、役に立たないんですよね。だってバブル期って成功しないほうが難しいくらいの時代なんですよ。

エレベータの登りで駆け上がるのと、下りエレベータを駆け上がるくらいの違いがあります。

だから、若い人からは、人に拠っては、この人の成功譚を聞いても、もはや時代が変わって適用外になっている、と思って、あちら側扱い、されたりすることもあるかもしれません。

例えば、1社だけの株式を購入してそれを長年持っていれば10倍になる、とか…もう、そんな時代はとっくに終わった(笑)。

山で言えば、マッターホルンのヘルンリ稜を登って尊敬される、とかすっかり終わっているし、ヨセミテ行きました、も同じです。

行ったことではなく、何を登ったの?ってのが課題になります。行くだけなら温泉行ってきた、ってのと同じですよね。クライミングしない私も夫とヨセミテは行ったことがあります。

■ 若い人の中では、貧富の差が、拡大している印象

若い人たちの中では、自分の足で歩み始めたという実感を持って生きている人と、いまだに古い価値観に縛られて、親の言うとおりにしたほうがいいんだろうか?と揺れている人がいるように感じられました。

クライミングで、親の言う通りする…平均的な山岳会の言うとおりにすると、ひどい目に遭います(笑)。

いうとおりにするなら、ガイド協会が出しているガイド教習本の言うとおりにしましょう☆

そう…いうとおりにする相手をきちんと見極められないといけないです。

日本では親の言うことは、すべからく聞くべし!ってことになっていますが、親になったからと言って、人が急に賢くなることはないですから、親だって間違いますよねぇ。

例えば、えらい人に任せておけば大丈夫、とか、バブル世代の人は行ってきます。偉い人に任せた結果、失われた30年の結果責任を取っているのは現代のわれわれ。

先生も同じで、学校の先生と言うのは究極の世間知らずです。そりゃそうだ、社会に出る前に教師になるんだから…。

よくよく考えて、自分で見極めて、自分の人生のかじ取りをしましょう、っていうごく普通の、これまでも当たり前だったことが、より一層重要になっている気がします。

■ インスタントな選択肢

カフェ経営者になるってことは、インスタントな成功への道ではない。

最近、近所にバブル期の福岡で高値掴みして建てた戸建てが売れ残っており、路上キャッチセールスを若い人が何人もやっていますが…。

あのような仕事をしたいというのは、インスタントなお金を求めたせいではないでしょうかね…?

福岡の不動産市場は、10年前から徐々に上がって、今最高期にあり、バブルの様相ですが、そんなこと、ちょっと住宅市場のグラフをググればわかることです。そんな高止まりした不動産を売りつけるということは、どっちかというと、悪徳商法で、白い商売ではないので、そんな商売はやめて堅気の仕事をしたらどうだ、とそのキャッチのお兄さんに説教してみましたが、「やりがいあります!」と言う返事でした。やりがい詐欺にやられている…。

若さ=世間知らず、と言う意味なので、誰にも間違う権利はあるのだし、やりたければやればいいのですが…私をカモだと思っているみたいで、断っても断っても、何度も声をかけてくるんですよねぇ…

というわけで、なんか、

 若いクライマーが物ほしそーに近づいてきたこと

と同じ感じ…(汗)。

依存心一杯な君を救ってあげたいけど、その依存心が問題の核心なんで、救うの、無理なんだよ…を思うんですよね…。

カモ扱いされていることが分からないほどのバカじゃないですよ…(笑)。

■ 自己責任=無責任と転換されているクライミング業界…

クライミングは、自己責任…とよく言われますが、この言葉は、実際のところ、ボルトは開拓者が設置したのだから、一般クライマーは無償で登っていい、とか…”無責任”な意味合いに転換されています。

自分さえよければ良い、と勝手に自己責任を無責任に変換しているのは、日本国内だけです。

例えば、終了点に残っているカラビナを持って帰る、とか。それ、ただの窃盗ですから。

正しくは、自分がやりたいようにやる、それについて結果責任を取る、です。

人生は一度切り、生きたいように、楽しく行きましょう☆ 

仲間がいれば、つらいことも、なんのその。

通山珈琲に行けば、分かりますよ☆



2023/11/19

【優良書籍】『射精責任』

 現在受講中の講座で、紹介があった書籍です。全米ベストセラー書籍。

■ 自分の意見をなんにでも、かんにでも求められる海外…特にアメリカ

海外でクライミングすることを考えると、いろいろなことを武装しておく必要がありますが、理論武装、はその一つ。

人工中絶問題は、アメリカで恋愛しようという人には、避けて通れない課題…自分の意見を持っていないと、恋愛の対象者にすら入れません(笑)。

興味がなくても、意見を持たざるを得ないような社会構造になっているんですよね。

■ ピルを飲んでいたアメリカ時代

アメリカでは、私がいたころは、ピルが無料配布されていました。私はまだ若い娘で、レイプが最も恐ろしい身に降りかかる不幸だったので…ピルは無料だし、身を守るべし!と思って飲んでいました。

若くして身ごもって、人生ままならなくなるってのは避けたかった。逆に、他国の移民1世の女性は、身ごもって在留したい人もいます…。私には、仰天の世界観でしたが。

さて、以下が、射精責任の概要、です。







どうです?

日本の男性のみなさんは、女性に負担を強いていることを無自覚かもしれませんね…。

一説に、日本の家父長制→中国伝来の儒教で日本の土着信仰ではない。

男尊女卑は、西洋からのエリザベス王朝時代の男女観…という指摘もあります。確かにジェーン・エアとか、読んでいると、そうだな、と思いますよね。

どっちにしろ、片方がつらい目に遭って、片方がそれに便乗するのは良くない。

単純にそれだけでしょう。

子供は愛し合っている男女が、”協力関係において”作りましょう。

2023/11/18

【読了】100%クライミング人生

 大開拓王の東さんの最新書籍。(というか、クライミングの本は、大体ロクスノ連載をまとめただけのもの…)

https://amzn.to/47yw6cZ

面白かった☆

冒頭に、東さんは開拓者ではなく、セッターなんだという記述があり、開拓者のあるべき姿が北山さんにより語られているが…開拓者=ビンボー臭い、泥まみれである、というのが要旨なようで…それだから、あんまり開拓志望の男性クライマーが出てこないのかもしれない。

昨今の男子は、韓国アイドル的で、日焼けダメでーす、メンズエステ行ってまーす、みたいな人も多いからだ。

さて、東さんのセッター稼業と開拓ライフが、大変華やかに描かれており出てくるメンバーは、世界を股に掛けるコンペクライマーだらけであるが…

岩場でグレーディングするときの、大事な要素が書いてあった。

  そのグレードを限界とする人にとっての核心をランナウトしない

である。 

例えば、5.10bの課題を作った場合、作った本人は大抵の場合、もっと登れる人で、5.13クライマーレベルであろう… しかし、5.10bというのは、私のような一般クライマーでも登る。

その想定されるクライマーがレットポイントするのがやっとと言う場合、ランナウトすれば危険にさらすことになる。

ーーーーーーーーーーー 引用

開拓のモラル

ルート開拓は無償の行為であるし、そのルートを再登するクライマーに対して、どの程度まで責任を負わなければならないかは定かではない。ただし、開拓したルートを公表したり、雑誌に発表したりするという行為は、他人を迎え入れることを前提としている。再登者のことを考えず、ただ自分がその岩を登りたいのであれば、自分が登った後にボルトを撤去したほうがましだ。

このエリアで良くないと感じたことをまとめると

 ①ルート間隔が近い

 ②ボルト間隔が遠い

 ③岩の脆い部分にルートがある

 ④終了点がお粗末

である。

日向神は、二つも当てはまっている。

ボルト間隔が近いのがいいというわけではない。12Bのルートにある10B程度の部分なら、5mくらいランナウトしても仕方ないときがあるだろう。

当然そのルートを挑戦するクライマーなら落ちない部分であるから。

しかし、10bのルートで10Bに近いムーブが出てくる部分をランナウトさせてはいけない。

開拓者は問題ない力量でも、そのルートをレッドポイントするのがやっとというクライマーを危険にさらすことになるからだ。

ボルト位置はラインの案内に役立ち、クリップのしやすさを考え、岩の強度のある部分にうつと言うセオリーがあるが、グレードに対応した間隔も必要である。

P63

‐‐‐‐‐‐‐‐‐引用終わりーーーーーーーー 太字、赤字当方

我が意を得たり、な記述であったのだが…

付け加えることがある。

昨今の5.12クライマーと言うのは、昔のように

 well rounded (よく練られた、包括的な)

な成長をしてきた5.12クライマーじゃないってことだ。

今の一般クライマー、特に、講習会などにも参加せず、放置プレイの山岳会に籍だけおいて、実質は、友達をまねしてクライミングしており、正規の教育の一縷を得ていない人は、

 お買い得品数珠繋ぎ、一発芸5.12クライマー

であることが多い。

一般クライマーの旅は、お買い得品の5.9から始まる…お買い得品5.9が登れたら、お買い得品5.10を登り、お買い得品5.11を登り、お買い得品5.12で上がるのである。

そうすると、5.13が登れても、ヨセミテで、スラブの5.8で落ちてアメリカアルパイン協会の事故報告書に載ることになったり、インスボンでは、5.13クライマーでも、5.8のワイドクラックに登れなかったそうである。

お買い得品を探す、と言う行為は、とても普及している。お買い得だけの一発芸で、レッドポイントで5.12が登れた人でも、「私は5.12クライマーです」と述べるし、私のように「ゆっくり5.10Aをオンサイトで登っていきたい」という人がいても、「4本5.10Aを登ったら、5.10bに行ってください」と無理やりしたくもない、グレードアップを求められる。

つまり指導者側も、Well Roundedなグレード、クライミング能力を身に着けさせようというよりも、とにかく、グレードを稼がせたい、という気持ちが強いのが、昨今のクライミング事情だ。

これは、自信をつけさせたいという親心もあるだろうが、ほとんど、”私がこのクライマーを育てました!”と言いたいというエゴの声のほうが強いのではないだろうか?

クライマーの主体的な学びや主体的な成長よりも、境界線侵害と言えるようなスタイルでの、クライミング教育がまだ世間を跋扈しているのである。

理由はどうであれ、昨今の男性クライマーが自己申告してくる

 5.12登れます

は安易に信用してはいけない。期待する技術的バックグランドはほとんど伴わないことが多いし、5.12登れると言っている男子が、5.9で”跳ね返される”(そうです)。つまるところ、あまり実力の厚みはない。

エイハブ船長1級は、5.9がリードできない男子でも、一瞬芸で登れました!と申告してくる。リードも同じようなのに陥っていると思われ、昔は、グランドアップで実力をあげて行っていたので、意味があった5.12も、今では、ボルトとロープに守られ、ハングドッグでうんうん唸ってやっとこさ登っても、5.12なのである。

私なんかは、5.12がオンサイト出来るまでは、ハングドッグ禁止にしたらいいんじゃないかとすら思うほどだ。安易にロープにぶら下がることが、さも、

 執着心があって素晴らしい

みたいな評価になってしまっている。それは、40年前ですら、5.13とか、5.14の世界最難の方々の話である。みなさん、誤解なきよう。


2023/11/17

【クライミングを人生に生かす】 マインドセットの更新時期

■ 停滞期は誰でも来るは言い訳

クライミングは、あなたの愛であり、情熱であり、あなたの時間、エネルギー、そして財力を捧げるために選んだもの。

もしクライミングが、あなたを気分良くさせるどころか、むしろ足を引っ張っている…と自覚したとしましょう。

その時、あなたはどうしますか???

あなたを見ているもうひとりの自分は、そういう自分に対してどう対処しますか?

「停滞期は誰でも来る」と言うのは、真実ですが、そこから何かを学び取らない限り、次なる成長はない。そればかりか、自分の心理を深く考えない言い訳となってしまいかねません。

■ 考え方のアップグレードが必要な時期

クライミングが人生の足を引っ張っている…

そのような局面で問題となるのは、

 マインドセットの不適合

です。

■ クライミングが怖い、自分を受け入れる

良くある不適合は、

 クライマーなら、ランナウトに耐えろ、みたいな奴です。

人は誰でも年を取れば、若いときと比べて登れなくなります。そこで、ランナウトを自慢している、不必要にリスクを拡大して登るスタイルで自我を満たしていたクライマーは、ジレンマに陥ります。自分がそのリスクを取るには、十分な体力やスキルがない…もはや若いときと同じリスクはとれない…という自覚は、クライマーなら誰でも、自然と起こります。

しかし、イケイケを自分のアイデンティティにしていると? リスクを取れない自分を認めてやる、受け入れてやる、愛してやることができなくなってしまいます。

下手をすると、希死念慮になったり、あるいはシニシズムに侵されたり、思いが病気を作ってしまうかもしれません。

https://www.youtube.com/watch?v=5lTSLKsNqUY

■ 頑張るがアイデンティティだと?

別のクライシスは、頑張るがアイデンティティの場合。

頑張るも執着の一つですので、頑張らないクライミングを受け入れる練習をしろという神のお達しですね。

クライミングの神様は、登れないあなたでも、ちゃんと愛してくれますよ!



■ 人として成長すること=クライマーとして成長すること

マインドセットを改善することは可能です。まぁクライマー業界に、マインドセット改善の達人はあまりいないかもしれませんが…。

しかし、自分のマインドセットをアップデートして、自己受容を勧めることは、あなたがこれまでにしたことの中で最も興味深く、パワフルなことかもしれません。そうです、蛇が抜け殻を脱ぐように。出世魚のように。新しい自分を作り直しましょう。

なにしろ、登れる奴だけがえらい!とクライマー業界は喧伝しすぎています。

冷静に考えてみましょう… 

他の競争社会でも同じですが、何万人もクライマーがいる中で、競争原理を受け入れていては、一人しかトップに立てない。

そんなので負けたところで、何が問題なんです??

そんなことよりも、自分自身のマインドセットを理解し、改善することは、人生の他の分野にも広く恩恵をもたらします。

【行動変容プログラム】セーフクライミングの普及に関するプラン

 ■ お手上げ感を持っていた

正直、私は、独学スキルがあると言っても、手取り足取りのクライミング指導を受けたわけではないので、イケイケクライマーのパートナーに、

「リスク管理はお前に任せた!」

と丸投げされても、参ったな感がありました。

協力関係には、相補的か?対象的か?の二つがあります。片っ方が片っ方を補う、というのは相補的関係ですが、これでは、片方がいないと安全管理がすっぽりなくなるということになります。

そうではなく、双方が、安全管理に責任を持ち、どちらも役割をスイッチングできる必要があります。

白亜スラブのこちらの登攀の事例にもありますが…。

セカンド一人が技術的に何かよけいに持っていても、トップを登るクライマーがイケイケでは…。事故は防げないです。

■ 真のクライマーになろう!

トップを登るクライマーには、

 A)不必要なリスクは摂らず

 B)必要になれば、果敢にリスクを取り、しかも勝率が非常に高い

という二つの資質が必要です。

■ 佐藤祐介さんのスタイル?

山梨では有名なランナウト王子の佐藤さん。正真正銘の世界を股に掛けるクライマーです。

私は、個人的に、佐藤祐介さんは、”ランナウト王子”と呼ばれるものの、この二つの条件を兼ね備えた人であり、九州の伝統クライミングのように、意味もなく40mランナウト、という登りではないと思います。

本当にギリギリのクライミングをしていたら、おふざけでランナウトしている暇はないはずです。

■ 行動変容プログラムが必要です

おとといは、神先生の、アンコモンセールス、のセミナー日でした。そこで知ったのが、このプロチェスカの行動変容プログラムです。

禁煙やダイエットのためのプログラムですが、クライマー界には、ぜひとも必要です。これがないと、市民レベルにクライミングが普及することができません。いちいち市民が命かけて岩を登ると思いますか?思えませんね?

私がクライミング界に神様から呼ばれたわけは、これをクライマー業界に伝えるためではないか?とすら、思います。

私にとって、非常に、これだ!感があり、マーケティングのAIDOMAの法則を知った時と同様、これならいける!と思いました。

何に対して? セーフクライミング思想の普及に対してです。

■ クライミングは本来ぜんぶセーフクライミング

クライミングは、本来すべてのクライミングがセーフクライミングを踏襲しています。

そうでなくては、トップクライマーたちは、トップに上り詰める前に死んでいますよね?

逆にランナウト自慢の人で、トップクライマーになっている人います?いませんよね。せいぜい地元の山道具屋で親父になり威張っているレベル。

トップクライマーの彼らが上り詰めれた理由は、運ではないです。きちんとしたセーフクライミングのスキルの上に、果敢にリスクを取ります。

ところが、これが現代クライミングでは壊れてしまっているんですね…。

■ リトマス試験紙のワタクシ

40代で山を始めた中年女性ですら、フリーソロで行けてしまうような阿弥陀北稜で、死者・遭難者出しているっていうのが、現代クライミングの実態(事例はこちら)です。あまりにレベル低下がひどい。

この状態が温存された理由は、このワタクシでも行けるくらいの難易度のルートに行ったことが、無知な一般市民に対して自慢話になってしまい、武勇伝として語れば、語り部の自尊心をくすぐるので、イケイケっぽい自慢話を辞められない…ということです。

それで、私はリトマス試験紙のようになっています…(汗)。あのビビりで、登攀下手くそで、体力も身長もない、○○さん(ワタクシのこと)でも、登れたんだ…と誰かが、分かってしまえば、その自慢話が

 大した内容ではないとバレる

ということになって、多くの人から恨みを買ってしまいました…。

しかし、これって、わたくしのせいか?というと、全くの八つ当たりですね…。


■ セーフクライミングのメリット

以下は、クライマーに対して、自身の安全性や他者への責任を意識させ、ポジティブな動機づけを促すメッセージです。

1)自己成長と挑戦の機会を増やす

"クライミングは素晴らしい自己成長の機会です。挑戦を通して自分の限界を超える手段でもあります。セーフクライミングを実践することで、より長く成長できますよ。死んだり、怪我をすることは、自己成長の停滞になります。"

2)安全の重要性を共有する

"セーフクライミングは、あなた自身だけでなく、周りの人々への責任も含まれます。パートナーを死亡させ、自分も墜落し、妻や子供を、路頭に迷わせたいですか? セーフクライミングを実践すれば、そういう心配なく、クライミングの楽しさをより大きく味わうことができます。"

3)相方とのパートナーシップの重要性を強調する

"クライミングは、相方との協力が重要です。協力とパートナーシップは、安全性を高める手段です。"

4)将来の冒険のために安全を確保する

"セーフクライミングの習慣は、将来の挑戦においても重要です。簡単なところで出来ないことが、高度なクライミングで出来るはずがありません。自己保護のスキルを磨くことで、より大胆で安全な冒険に挑戦できます。"

5)他者とのきずな

"セーフクライミングは、信頼関係を築く絶好の機会です。自分の安全を相方に頼り、同時に相方の安全も守ることで、絆は深まります。また、そのような相互監視をクライマー同士で行うことによって、クライミングコミュニティでの絆が深まります。"

【心理学】セーフクライミングの普及にプロチェスカのTTM理論

■ 行動変容ステージモデル

では、人が行動を変える場合は

「無関心期」→「関心期」→「準備期」→「実行期」→「維持期」の5つのステージを通る

と考えます。

ーーーーーーーーー

1. 無関心期への働きかけ

 意識の高揚

 危険認知のメリットを知る

 感情的経験

 このままでは「まずい」と思わせる

 環境の再評価

 周りへの影響を考える

2. 関心期への働きかけ

 自己のリスク認知能力の再評価

 リスク認知が不足している自分をネガティブ(かっこ悪く)に、セーフクライミングを行っている自分(かっこよく)をポジティブにイメージする

3. 準備期への働きかけ

 自己の解放

 セーフクライミングをうまく行えるという自信を持ち、セーフクライミングを始めることを周りの人に宣言する

4. 実行期と維持期への働きかけ

 行動置換

 不健康な行動を健康的な行動に置き換える(例:ランナウト競争 → ボルト種別の知識)

 支援関係

 セーフクライミングを続ける上で、周りからのサポートを活用する

 強化マネジメント

 セーフクライミングを続けていることに対して「ほうび」を与える

 刺激の統制

 セーフクライミングに取り組みやすい環境づくりをする

ーーーーーーーーーーーーーーー 

1)無関心期

無関心期は、トップクライマーや経験豊富なクライマーからの助言に対して「あぁ言えば、こう言う」といった心理的抵抗を示します。

この時期の対象者は、行動を起こすことに全く価値を感じていません。行動を起こすことの負担ばかりを感じています。助言に対しては反論することが多く、言えば言うほど、頑なに行動を起こすことを拒否します。

この時期にセーフクライミングを伝えては逆効果です。まずは相手の気持ちを十分に受け止め、共感的な態度をとるようにしましょう。

そのような中で、相手が少しでも話を聞いてくれるタイミングがあれば、いつか正の行動をしたくなったときに役立つ情報提供を、相手の了解を得て行うとよいでしょう。この時期には動機付け面接法を用いることも推奨されます。

2)関心期

関心期は、セーフクライミングをしたい気持ちが芽生え、セーフクライミングの価値と危険なスタイルを改めないことの価値が、心の中で綱引きをしている状態です。

この時の「セーフクライミングしたいけど、イケイケを気取り続けたい。」という心理を「両価性:アンビバレンス」と呼びます。

例えば、宿題をしたくないけどやらなきゃいけないと思っている時に、親に「宿題しないとダメよ!」と言われると、急激にやる気がなくなるのと同じで、この時期には、指導者が進ませたい方向に押せば押すほどやる気がなくなり、行動を起こさなくなるということが起きます。

まずは、対象者のセーフクライミングに対する気持ちをオープンクエスチョンで尋ね、否定せず共感的な態度で携わります。

対象者の「セーフクライミングしたい」気持ちを含んだ言葉を少しでも引き出すことが重要です。アンビバレンスが収まってきている場合は、動機を強化していきましょう。

 動機の強化の方法

アンビバレンスが収まっている場合、動機の強化を行います。

動機の強化は、「その行動を起こすことでどんなよいことがあるか」といったメリットからの動機付けを行います。対象者の個別性を踏まえて動機の強化を行いましょう。

例)骨折で入院した35歳男性(家族:妻と子ども2人)に対するセーフクライミングの動機の強化:

「セーフクライミングすることで奥さんやお子さんに気を遣うこともなくなりますし、家庭からの不満もコントロールしやすくなります。わざわざ隠れて登りにいかなくてもよくなりますし、ぜひセーフクライミングを実践するとよいですよ。」

3)準備期

準備期は決意を表明する時期です。対象者はイケイケクライミングの悪影響を十分理解し、セーフクライミングのメリットを強く感じます。

準備期の対象者は、すでに動機は高まりきっているので、動機の強化を再度行う必要はありません。この時期の対象者は自ら本やインターネットを使い、セーフクライミングを行うにはどうしたらよいのかを探しています。

セーフクライミングを実行するために、医療者や周りの人にセーフクライミング宣言をするとよいでしょう。

また、セーフクライミングを開始するときに困らないように、具体的なセーフクライミングの方法を対象者自身に考えさせましょう。

「また、イケイケを気取りたくなったくなった時、どんなことをしたら乗り越えられそうですか?」等の声掛けをし、対象者が考えられなかったときや、的外れな回答だった場合に、例えば、冷水を飲んだり、別の課題に行くなど、指導者から対処法を提示します。

また、この時期は「自分ならセーフクライミングでグレードを上げていける」といった自己効力感(セーフクライミング達成への自信)を強化することが重要です。自己効力感の強化の仕方は4点あります。

 自己効力感を高めるためには

 ・達成体験:今までの成功体験を思い出させる

 ・代理体験:他の誰か(特にできそうもない誰か)ができたという体験を聞く

 ・言語的説得:その道のプロから「あなたならできる」と言われる

 ・生理的情緒的調整:セーフクライミングを大きく捉えず、気楽にやる

4)実行期

実行期は行動を変えてまだ間もない(6ヵ月以内)対象者を指します。

この時期はまだ始まったばかりの変化に適応できず、がんばっている時期です。例えば、禁煙であれば離脱症状を乗り越えるために努力の必要な時期です。しかし、そのような中でも行動を変えることができた自分に自信を持てたり、その効果を少しずつ感じるようになります。この時期には、継続して自己効力感を高めるとともに、その行動が継続できるような強化子(きょうかし)を与えます。

強化子とは、ある行動を続けるための快の刺激のことです。簡単に言えば、対象者が禁煙した時のご褒美のことです。医療者からのほめ言葉や笑顔が、この強化子になります。ぜひ、対象者のこれまでの努力を具体的に言葉で表し、褒めるようにしましょう。加えて、セーフクライミングでよかったことを探させ、禁煙の効果を実感することも対象者の行動を継続させる一つの方法となります

5)維持期

維持期は行動を変えて6ヵ月以上経ち、セーフクライミングしていることが普通になる時期です。この時期には、何か問題があっても自ら解決し、行動を継続していきます。

そのため、サポートを必要としなくなる時期です。この時期には自立を進め、自ら問題解決できるように促していきます。

ただし、1年以上禁煙していても再喫煙する人がいるように、逆戻り(ステージが元に戻ってしまうこと)はよくあることです。

どのような場面でそういった逆戻りが起きそうか、具体的に話し合い解決策を考えた上で、自立を促しましょう。

イケイケクライミングは、繰り返し再発する慢性疾患と言われています。クライマーは長いプロセスの中でセーフクライミングを覚えていきます。1度や2度の失敗は当然だと考え、対象者が再度、危険行為をした場合は、その失敗経験から何を学び取るか話し合い、次のセーフクライミングに生かすような前向きな言葉かけをしましょう。

ーーーーーーーーーーーーーー

セールスにおいては、大事なことは実行期の人にのみ売るということです。