2022/06/26

フリークライミングでは山のリスク感性は身につかない

 

 

■ 乾徳山 

ここは関東のクライマーにとっては、アルパインの入門ルートです。3P。

■ 山には順番があり、飛び級はない

今どんな体力がある人でも、自立したアルパインをやるなら、5.12登れようが、5.7しか登れまいが、18才だろうが、38歳だろうが、誰でも同じ順番で、習得するステップとされている山があります。

なぜ順番があるのか? それはアルパインクライミングが、だんだんとリスクを大きくしていく活動だからです。小さいリスクをコントロールできないで、大きいリスクがコントロールできるわけがないです。

リスクコントロールの失敗=死です。

■ コントロールを身に着ける前に死ぬ若い人

山には順番がある。それを端折っていくと、死ぬ。現代の若い人は、グレード、特に

・ショートのピッチグレード(ルート全体のルートグレードではないという意味です)

と、

・ジムで登るジムグレードと外岩の差が理解できない

の2点において、

アルパインとは何をしていく活動なのか?山とは何なのか?

を理解しておらず、5.11がインドアジムで登れたら、北岳バットレス四尾根に行けると思っています。この理解において、山という大自然は、単なるステキな背景程度の扱いなので、かっこいい俺を引き立てる額縁くらいの扱いになっています…。

これは、そこそこ山をやっているように見える人も同じで、九州でフリーしかやっていない=寒冷に対するリスク感性は育っていない、とか、大なり小なり、ほとんどの人が、

リスク不感症

に陥っています。例:5.12登れますという男子でも、OBGルートで10cで二時間半とか

私自身も、そのような時が振り返ればありました…。

この山は自分のカムでは行っていません。カム全セット購入以前の山です。一個か二個持っているレベル。(ハーケンは打ち方知っていました)

■ 小・中学校で何も勉強しなくても、1番か2番だった

私は、小中学校の頃、クラスで1番もしくは2番に、特にがり勉しなくても成績が良かった…ということは、大体のリーダーをやっている日本人の男性よりも、

 自分の方が合理的解を持っているケースがほぼ100%だ

ということです。 

日本人の男性は、思考能力という点で女性に劣っていたとしても、社会に出たらリーダーとなる、つまり、思考をつかさどるということになりますが、そうなると、頭が悪い人に頭が良い人が合わせるということになります。平たく言えば。

なんせ、大体大学行くときまで、大方の傾向として、女子のほうが賢いですよね?医学部ほっとけば、女子だらけと言われていますし、外大も8割女性です。

そんな状況が平地なら、別に命の危険はないので、”男を立てる”に問題はないんで、やりたい人はやればいいんですが、山だと即座に命の危険… 

命は一人一個なので、さすがに、あいよ、と差し出すわけにはいきませんね?

というので、女性は女性のリーダーが必要だといつも思っています。

女性の体力で合わせたベストな行動と男性の基準でベストな行動は違います。

そもそも、標高300mを1時間で歩けない人をバリエーションに連れていくことは、間違いですが、女性だと、山の場合は、ずっとゆっくり歩き続け、男性だとダッシュして休憩ながーい。弱者である女性にとっては、体力消耗になるパターンが定番です。

男女が協力しないといけない場面では、より体力のある側が、より体力のない側に合わせるのが、安全性の面から、良策です。当然ですが…。

父性が発達していない男性には、これができない。父性が発達していないと若い男性に行っても、そりゃ仕方ねーべ、ということになりますから、将来発達してもらうとして、若い間は男女の体力格差が激しいので、女性は女性の体力でのベスト行動を行うのが良いと思います。

年齢が上がって行けば、男性側が人間的に成熟し、弱い者に合わせる心のゆとりが出てきますし、自分の体力もそもそも落ちて、女性にすら負けるようになって、傲慢さは減じていきます。

ちなみに、私は41歳の時の西穂沢は、65歳の師匠よりも強かったです。