■ リーダーは ”大自然そのもの”
私は、人間に従う、のではなく、自然界のことわり、に従うのが、登山であり、アルパインクライミングという活動であると思います。
■ 相手のピンチが分かる人間である必要がある
私の両親は、6歳で離婚しているので、私には、ほとんど父親の記憶がありません。
覚えているのは、父が私をプールに突き落として、溺れかけたときに、水面越しに、笑ってみている父のにやけ顔です…(汗)。
3歳の幼女が溺れかけているのに、そのことが分からない…そんな人間がこの世にいるのです…。
この時、父は、26,7くらいの年齢でしょうか?
大人の男性であっても、子供を守る能力がある、なし、というのは、人によるということですね…。
父性の有無、ということです。
■ クライミングで起こったこと
大人になって、クライミングという活動で男性と関わる機会が多くなり、女性とクライミングした経験が全くない男性は、女性の体力がどのようなものであるか?とか、体力差であるとか、全く理解していない、ということを理解するようになりました。
例え、自分より明らかに体力がない人…幼児や女性…が、命の危機にさらされていても、そのこと自体にも気がつかない人がいる…、いや場合によっては、大半の人がそうだ、ということです。
このことから、パートナーを組む場合には、性差がある場合は性差への理解が必要です。
■ 担げる重さは筋肉量
例えば、アルパインの場合は、山によっては、担げるザックの重さ=行ける山のサイズを決めます。
というので、女性だから免除、という訳にはいかない場合があります。
特に宿泊を伴う雪山では、いくら年齢が上とか、いくら女性だからと言って、自分の冬山装備一式を担げない場合、危険なので、その特定の山に行くことはできないです。
(別にそこに行かなければよく、昨今は厳冬期の山小屋大人気です。これも体力が下がっている登山者が大半になったことの証です)
とはいえ、昨今は、装備がえらく軽くなって、アイスクライミングの装備一式を入れたとしても、私の装備を計ってみたら、トータル23kgくらいでした。
23kgが担げない山やって誰?ってレベルの軽さです。
担げる重さは、男女とも筋肉1kgあたり出せる筋力は同じなので、同じ体重だとしたら、筋肉の比率の40%と大きい男性が、23kg担ぐのと、30%しかない女性が23kg担ぐのでは、当然ですが、男性の方が楽勝感が出ます。
ま、その分女性は分厚い皮下脂肪で、寒冷からは守られているわけですが、末端の冷えは、女性が大きいので、やっぱり凍傷で死ぬのは女性が先かね?
それでも、厳冬期に私はソロテント泊を赤岳でやっています。その私より、ひよられても、困るな~って感じ。数人で泊まれば、テント内気温はソロより温かいから、です。
■ 私が強いのではなく、男性が、か弱くなっているという現実
私は女性の中でも背が低い152cmしかない=筋肉量少ない、のですが、それでも、17kgくらいまでは、特に問題なく担げて歩けます。
山岳総合センターのリーダー講習で、春山講習の時に、同じ班の男性3人が全員私よりラッセル遅く、普通に講師の後ろを歩いていたら、3人がはるか後方になってしまい、私はトレースを外して、歩かされる羽目になったことがありました。
講師は意地悪しようとしたのではないかもしれませんが、イジワルされた、と私は感じました。
他の男性は、20kg、19kg、18kgを担いでいましたが、全員私より遅かったです…。
リーダーコースって言っておきますけど、誰でもは入れない講習会ですからね。一応ではありますが、選抜があります。
こんな弱い人たちと、安心して、雪の山、行けますか?
一般に、関東では大倉尾根を男性30kg、女性25kg担いで3時間というのが、アルパインをしたいと望む人に必要とされる体力だとされているそうです(無名山塾談)
体力がないだけでなく、体力をつけないと山は危険、というのが基本認識に必要です。
大きく見積もりすぎてビビってもいけないし、小さく見積もりすぎて、天狗になってもいけません。
さらに言えば、行きたいからと言って体力なしに突っ込むのは、無謀行為、です。
■ 無防備すぎないこと