2022/06/29

無知が相手を殺してしまう可能性がある…ということ

■ リーダーは ”大自然そのもの”

私は、人間に従う、のではなく、自然界のことわり、に従うのが、登山であり、アルパインクライミングという活動であると思います。

■ 相手のピンチが分かる人間である必要がある

私の両親は、6歳で離婚しているので、私には、ほとんど父親の記憶がありません。

覚えているのは、父が私をプールに突き落として、溺れかけたときに、水面越しに、笑ってみている父のにやけ顔です…(汗)。

3歳の幼女が溺れかけているのに、そのことが分からない…そんな人間がこの世にいるのです…。

この時、父は、26,7くらいの年齢でしょうか?

大人の男性であっても、子供を守る能力がある、なし、というのは、人によるということですね…。 

父性の有無、ということです。

■ クライミングで起こったこと

大人になって、クライミングという活動で男性と関わる機会が多くなり、女性とクライミングした経験が全くない男性は、女性の体力がどのようなものであるか?とか、体力差であるとか、全く理解していない、ということを理解するようになりました。

例え、自分より明らかに体力がない人…幼児や女性…が、命の危機にさらされていても、そのこと自体にも気がつかない人がいる…、いや場合によっては、大半の人がそうだ、ということです。 

このことから、パートナーを組む場合には、性差がある場合は性差への理解が必要です。

■ 担げる重さは筋肉量

例えば、アルパインの場合は、山によっては、担げるザックの重さ=行ける山のサイズを決めます。

というので、女性だから免除、という訳にはいかない場合があります。

特に宿泊を伴う雪山では、いくら年齢が上とか、いくら女性だからと言って、自分の冬山装備一式を担げない場合、危険なので、その特定の山に行くことはできないです。

(別にそこに行かなければよく、昨今は厳冬期の山小屋大人気です。これも体力が下がっている登山者が大半になったことの証です)

とはいえ、昨今は、装備がえらく軽くなって、アイスクライミングの装備一式を入れたとしても、私の装備を計ってみたら、トータル23kgくらいでした。

23kgが担げない山やって誰?ってレベルの軽さです。

担げる重さは、男女とも筋肉1kgあたり出せる筋力は同じなので、同じ体重だとしたら、筋肉の比率の40%と大きい男性が、23kg担ぐのと、30%しかない女性が23kg担ぐのでは、当然ですが、男性の方が楽勝感が出ます。

ま、その分女性は分厚い皮下脂肪で、寒冷からは守られているわけですが、末端の冷えは、女性が大きいので、やっぱり凍傷で死ぬのは女性が先かね?

それでも、厳冬期に私はソロテント泊を赤岳でやっています。その私より、ひよられても、困るな~って感じ。数人で泊まれば、テント内気温はソロより温かいから、です。

■ 私が強いのではなく、男性が、か弱くなっているという現実

私は女性の中でも背が低い152cmしかない=筋肉量少ない、のですが、それでも、17kgくらいまでは、特に問題なく担げて歩けます。

山岳総合センターのリーダー講習で、春山講習の時に、同じ班の男性3人が全員私よりラッセル遅く、普通に講師の後ろを歩いていたら、3人がはるか後方になってしまい、私はトレースを外して、歩かされる羽目になったことがありました。

講師は意地悪しようとしたのではないかもしれませんが、イジワルされた、と私は感じました。 

他の男性は、20kg、19kg、18kgを担いでいましたが、全員私より遅かったです…。

リーダーコースって言っておきますけど、誰でもは入れない講習会ですからね。一応ではありますが、選抜があります。

こんな弱い人たちと、安心して、雪の山、行けますか? 

一般に、関東では大倉尾根を男性30kg、女性25kg担いで3時間というのが、アルパインをしたいと望む人に必要とされる体力だとされているそうです(無名山塾談)

体力がないだけでなく、体力をつけないと山は危険、というのが基本認識に必要です。

大きく見積もりすぎてビビってもいけないし、小さく見積もりすぎて、天狗になってもいけません。 

さらに言えば、行きたいからと言って体力なしに突っ込むのは、無謀行為、です。

■ 無防備すぎないこと

子どものころ、母に「あなたが淹れたコーヒーはホントおいしいわ~」と言われ、なぜか私が日々母の帰宅時にコーヒーを入れるのが義務化したことがありました…。 
 
仏教では、思っていないことを言うのは、綺語とされています。子供のころ、言われた、あれは綺語?母から娘へのコントロールなのか?それとも本音なのか?とふと思い、いつも適正な判断力だな~と思っている、おかもん先生のジャッジメントを聞いてみたら、「いいんじゃないですか?」でした。
 
最近、分かったことは、毒親じゃない生まれの人は、人を疑うことを知らないので、騙されやすく、毒親生まれの人から見ると、え?!という無防備さだったりすることです。
 
逆に言えば、毒親生まれの人は、それだけ用心という心のエネルギーを消耗して疲れる人生=消耗するとうつになる…という意味ですね。
 
ナルシストという人種は、自分がちやほやされることに関して、力を使います。
 
クライミングでは、男性のナルシストが多いことが良く起こります。筋肉フェチとか、自分の登攀の写真を取られたがるとか、雑誌に大した内容でもない記録を自分のために載せたがるとか、用心したほうが良いかもしれません。
 
雑誌には皆に知ってほしい内容を乗せるのが良き事だと思います。
 
■ ナルシストと一緒にいると、用心深くなります
 
いつも自分のことを優先するナルシストだったパートナーが、ある日、岸良海岸で、私が怪我をしているので『〇〇さん(私の事)は、ザック免除でいいよ』と言ってきたことがありました。
 
でも、そこ、別にほとんど歩かないところだし、そのザック、別に全然、重くないし、こんなところで恩を買ったら、後でどんな大きな恩返しを求められるか?と思って、内心、”ありがとうと言ってはならん!”と思いました…。
 
たぶん、自分が登りたいことろを優先させてもらった恩を、ザック免除で返したかったのかもしれません。
 
そこ、本来私が行きたかった岸良のクラックを、彼がめんどくさがって、自分の行きたいところを先に行ってはだめか?と聞いてきたので、「いいよ」と答えたところでした。
 
どこを先にしても、結局どっちも登るならいいかと思ったためです。
 
そのあと、私が登りたいところを登る番になったら、私の番は来なかったです。
 
その人には大変ガッカリしました。私はかなり親切に対応してきたつもりだったからです。
 
しかも、他の2人も、誰も、私のビレイを申し出る人がいなかった。行く前に、岩場のトポを渡していたにもかかわらずです。
 
■ ビレイは代わりばんこが普通です
 
ビレイ代わりばんこ、登りたいところを登らせてあげあう関係なんて、基本中の基本です…。
 
ラオスでも、台湾でも、当たり前のようにやっていて、それで問題が起きたことがない…。
 
ラオスや台湾で、初対面の男性とすら、普通に登れているから、私の問題ではない、ということは切り分けられますし。
 
これは、やはり、男尊女卑が身についており、男性が女性の意思を軽んじて、何とも思わない日本文化の表れ、のような気がします。
 
■ 芽を摘んだのかもしれません
 
この件は、女性に結果平等を求めると、体力面で明らかに上の男性が有利になり、弱者を虐げていることになると気が付いたのに、芽を摘んでしまったのかもしれません…。
 
だとしたら、申し訳なかったと思いますが、それまでの行動と首尾一貫しない行動をとられると、こちらも警戒してしまいます。
 
日本社会では、西洋社会で起こらないような、え?と驚くことが起きるというのは、このようなことです。 

■ もし自分に娘がいたら
 
このような人たちと組ませたいと思うだろうか?と自分に問うのが、コツかもしれません。
 
大事なものとは? もちろん、一人一個しかない命、です。