■ 荒船昇天
https://iceclmb.blogspot.com/2019/02/syouten-arafuneyama.html?fbclid=IwAR0EuN81Y7T_ejBTRnRbocX48N66bzUHji6OcmVxIczLPQs5_Ke_9q0o2u4
これは私が行ったクライミングの中で、もっとも高度なクライミングの記録です。
ミックスM5のルート(マルチピッチ)で、荒船山です。
これのおかげで、これを標高5000とか6000mに持っていくことが、ワールドクラスの記録的登攀、ということが分かるようになった。私のは当然ですが、標高500とかです(笑)。
九州には、この荒船山のように、ミニチュアレベルで本格登攀を経験することができるルートがないので、若いクライマーは、ショートの登攀グレードでしか、登攀の価値の判断ができず、ジムで5.12登れるから、俺すげえ!と思ってしまいます…が、5.12ニアイコール1級って、その日初めてボルダーした20代前半男子が、頑張れば、なんとか登れちゃうレベルの事です…。男子なら誰でもそこがスタートライン。
瞬発力なので一瞬のパワーで解決。つまり、持続時間1,2秒。それを5時間とか10時間とか、あるいは3日間とかやっている人たちが世界クラスのクライマー達なんですよ…
九州人に分からないのは仕方がないと思いますが…。
”若い男性の出来て当然”は、当然ですが、他の年齢層には当てはまらないですからね…
昨今の”新人”は、クライミングジムで趣味としてクライミングを始めた人で、18歳ではなく36歳だったりします。それでも高齢化した山岳会では、”若い奴”であり、往年クライマーは、18歳のころの俺ができたこと、を その新人に期待します。女性でも同じです。
18歳男性が出来て当然のことを、49歳女性に期待して、期待を満たすことができないからと言って、その女性がダメな奴であるはずがありません。誰が考えても当然の結末。
しかし、山は人をそのように区別できませんから、最初に山に喰われるのは、弱い順です。
私が観察したところでは、60代以降の体力の衰えた男性と40代女性は同じくらいの体力度です。
50代の男性でも、前穂北尾根では、当時40代前半の私の方が強かったこともありました。
体力の質も違い、女性は持久力で男性を勝ることが多いです。南アルプス深南部へ行ったときは、バテバテのオジサンを休ませて、私が沢へ水を取りに行ってあげる担当でした。
九州では規模が大きい山がほとんどないし、雪も降らないので、山のリスクということは、ほとんどお留守。山をなめている人が、舐めていない人を馬鹿にすることが出来てしまうレベル感ですが、北ア、北海道などのちゃんとリスクがある山での遭難を見ていていると、九州の人の無知が露呈している事例が多い。
まぁ、山のリスクがない山しかない九州ではリスクがないのが山なので、理解しがたいとは思いますが…。山やと言えるレベルになる前に、根子岳で落ちて死んでいる人の名前がずらーと書いてありますが… マッキンリーをガイド付きで登るとか、デナリでもガイド登山で登るとか、そういうのは、もはやアルパインの成果とはみなされず、
高所遠足
という時代ですよ。 そんな遠足に大枚払うより、昇天に登ったほうが現代クライミングの意味が良くとらえられるでしょう。