2020/01/21

影のヒーローインタビュー

■ 成功者に偏った雑誌の価値観

私は一つの夢というか、希望というか、こうだったらいいのに...ぜひ書きたい...というインタビューがあります。それは、各岩場の開拓者のインタビュー。

今のロクスノは、特に日本のロクスノ、あるいはフリーファンは、どっちもすでに世界記録を達したクライマーの話しか乗っておらず、市井のクライマーには役立つ情報は、全く載っていないので、誰も買う気になれません。

ボルト情報は載っていますが、一回見たらいいようなので、何年も同じ写真。更新されていないです…。

私が教わった17ミリレンチでグージョンの効きが確かめられる、というような肝心の話は全く載っていませんし!

■ ベータが必要

日本の岩場には必ず、骨を折ってくれた人がいます。そういう骨を折ってくれた人のほうが、地元クライマーにとっては偉大な人たちです。

三倉だったら両粂さん。四阿屋だったら廣瀬さんでしょう。日向神なら山崎さんです。

5.13以上のルートを開拓するのは、ほとんど個人的なもので、それがクライマーの何人が後から登ってくれる課題か?というと?クライマー界の1%の人が登ってくれたら、御の字でしょう。

■ 市井のクライマーには役に立たない

99%のクライマーは、5.7とか5.8から登って、大体の人が5.12までのグレードの中に納まるのです。

ので、そのようなグレードの課題を開拓してくれている人たちが真の功労者です。
高グレードを追いかけている人たちとは別の世界です。

9割の人がこっちなのに、こっちの世界は無視で、トップレベルの人しか雑誌に載せないので、読むところがない=買わない、となるよな。

■ 岩場のこと

どんな事情でできた岩場で、どんな風に楽しく開拓し、今はどういうことになっているのか?そういうことがたぶん、役立つ情報です。

その岩場に最初に来た人は、何を登ればいいかな?と普通は、なりますし、今の日本の岩場の現状だと、開拓者の名前とその人のルート設定の癖を併記してくれないと、海外のクライミング並みに気軽に取り付くことはできないです。開拓者の個性によっては、低グレードの課題は、ランナウトにより、非常に危険な課題になっています。

そういう情報は、ベータと海外では言われています。つまり、日本に足りないのはベータ。

ボルトの種類も書いていないし、ランナウトで事故った課題とか、事故の履歴も残っていない。

というわけでセーフクライミングからはもう遠くなっています。もう、ほんとに危険ですね… 

それはどうしてこうなってしまったか?というと日陰のヒーローに功労してこなかったからです。

世界レベルになった人は別にわざわざ取り上げなくても、誰かが取り上げるでしょう。

それよりも地元で地味にリボルトを頑張っているのが誰か?ということのほうが地元ではより価値ある情報でしょう。

結局のところ、グレード崇拝はそうした文化が作り上げているものです。