2021/05/28

ブッダの教える素晴らしい人生

■ ブッダの教える素晴らしい人生にクライマーの人生が含まれるかどうか?

答えは、人による。

多くのクライマーは、ただのアドレナリン中毒に陥っており、そのことに無自覚であるので、体力が凌駕している間は大丈夫だが、それが裏返ったとたんに、オセロの白が黒に入れ替わる。

■ 冒険がある人生

冒険がある人生は、私は良きものと思える。

(冒険)と(無謀) には、明白な違いがあり、現代の指導者は、その違いをきちんと教えることができている人は、ほとんどいない。

分かり切っていることだが、”人工壁”、にも、”スポーツルート(ボルトルート)”にも、(冒険)はない。安全を担保されたクライミングだからだ。

では(冒険)はどこにあるのか?というと? 

未知の事象を試す、ということだが… クライミング界にあるのか?というと、ない、かもしれない。

登山の歴史から、(冒険)が失われて久しい。

人類としてみたときに(冒険)は登山史上から、とっくの昔に姿を消した。が、個人史において、であれば、人は、どのような世界でも、自分にとっての未知を探求する限り、(冒険)を生きることができる。

ところで、海外に一人で気ままに登攀に行くことは、私にとっては、もはや(冒険)ではない。とっくの昔にやり終わったことだからだ。

例えば、他に、”仕事で頑張って成功を収める”も、私にとっては(冒険)では、もはやない。

”小川山に夏の遠征に行く”、とかも、当然(冒険)ではなく、(快適な逃避行)であるし、一人で岩場に行くも同じく、すでに(冒険)としての賞味期限は切れている…ほとんど(ノルマ)、か、(習慣)に属す行為だ。クライミングは、もはや習慣なんだよなぁ…。

何が自分にとって(冒険)に属す活動なのかなぁ…。

■(冒険)<(慈悲)

というか、そもそも(冒険)がある人生を素晴らしい人生と、ブッダは認めるか?というと、(冒険)より上位に(慈悲)が来るだろうと思う。慈悲があれば(冒険)にまつわる恐怖は乗り越えられる。

ということは、私はクライミングを(慈悲)として生きていれば、ブッダの考える良き人生を生きた人生になるのではないか?と思うが…。

今以上にクライミングに(慈悲)を注いだら…、今でも注いでいる心血は相当な量だと思われるが… (意味のある生き方)として、クライミングがある生き方を感じれるようになるのかなぁ…。 

ものすごい心血を注いでいる事例として、井上D助さんが脳裏をよぎる…。なんだか報われておらず、気の毒すぎる感じだったよなぁ…。

私のクライミングの在り方は、(雑音)としての無知なクライマーたちの事件、に振り回されている、ようにも思えなくもない…。

雑音に振り回されなかったら、違う境地が発見できるのだろうか?

そこのところ、先達に聞きたい。

見えてくる景色がそんなに良きものではないのではないか…と最近は疑い中である。


 

2021/05/27

ミンダナオ

 日本の子どもミンダナオの子ども (3)        

http://www.edit.ne.jp/.../mindanewsdaiaryfuture2021.html...

ミンダナオで再婚し、小学校の4年と5年の実の娘を育てているが、MCLで、親のいない子や崩壊家庭の孤児たち90名あまりといっしょに暮らしてきているせいか、娘たちは放っておいても実にのびのびとそだっている。  

MCLにいると、「子育て」という言葉がへんに感じる。

「子育つ」というのが本当で、ちまたで遊び友情をはぐくむ体験があれば、子どもたちは自然にそだっていくものなのだ。

「子育ての責任は、家庭にある。特に母親の役割は大きい」などという言葉に、違和感を感じるのは、ぼくだけだろうか。

子育ての責任が、親や家庭にあるばあい、親がいなくなったり家庭が崩壊した子どもたちは、どのように育ったら良いのだろうか。  

また、子育ての責任は、保育者や学校の先生にもある、という考え方も、ここでは奇妙に感じられる。

もしそうだとしたら、保育園にも学校にもいけず、教育もうけられない僻村の子たちは、育てられなかった子たちなのか!

先日、アジアの孤児施設をめぐっている日本の人たちが、MCLを訪れた。

曰く「ここの子どもたちは、本当に他の施設の子どもたちとちがいますねえ。

施設にいながら、こんな明るい子どもたちをみるのは初めてです。なぜこんなに明るいのかなあ?」  

ぼく答えた。「ここは孤児施設ではないからですよ。」  

ぼくは孤児院をつくろうとも、施設を運営しようともおもったことは無いし、他の施設をほとんど知らない。

ただ、困難な状況にある一人一人の子どもたちをみるにつけて、放っておけない、何とかしたい・・・。

そんな思いで活動してきたら、自然とこんな形になってしまった。

もちろんここには、母親役のスタッフたちもいるが、彼らとてもとは奨学生で、必要なときには、助言や指示をあたえるものの不必要な干渉はしない。  

子どもたちのとって大切なのは、愛をもって見まもり、ときどき抱いてあげたり愛情のある言葉を、かけてあげること。

そしてなによりも大切なのは、自由にのびのびと遊べる環境をととのえてあげ、将来の夢をもてるように導いてあげることだとつくづく思う。  

まるで機関車が煙を噴いて走りぬけるように、高度成長期をひたすら走りつづけてきた人々は、成長期がとまり、老齢化して、自分の事は自分で出来なくなり始めると、落ちこむどころか精神的にパニックをおこしはじめる。  

「日本で自殺が多いのは、個人主義が行き過ぎたからでは無いだろうか」と、マニラの修道士が話してくれた。  

「個人が尊重され過ぎる競争優先の社会では、協調の心がうしなわれて孤独な人が増えていく」  

自分の力で走れなくなった老人は、施設のベッドにしばりつけられたまま死をまつ以外に方法はないのだという。

それもお金があればの話で、一人暮らしの孤独死も多いのだそうだ。  

ミンダナオでは、MCLでも同様だが、上のお姉ちゃんが下の子に、「ねえ、そこのお店でお塩をかってきてちょうだい」といえば、たとえ夢中で遊んでいる最中でも、下の子はさっとたちあがり、明るい笑顔で、「はい」といって買いにでかける。  

お姉ちゃんがいったことに、下の子たちは笑顔でこたえ、ちっともいやな顔をしないのは驚きだ。

そのかわり、お姉ちゃんは、きちんと下の子の世話をしてめんどうをみる。  

もちろん、お年寄りを一人孤独にほうっておくなど考えられない。

妻のエープリルリンのおじいさんもおばあさんも、当時まだ小学生だった彼女の膝のうえで亡くなった。

日本の子どもミンダナオの子ども (3)        

http://www.edit.ne.jp/.../mindanewsdaiaryfuture2021.html...

Grivel Magic Ring グリベルマジックリング おすすめのプルージック用コード


現代のスタンダードは、ケブラーですが、これすごく使いやすそうです。

■ 技術伝授は、自分のパートナーとするため

支点とか、ノット通過とか、ビレイの仕方もそうですし、宙づり登り返しとか、そういうのを誰かが教えてくれるのは、基本的に、自分のパートナー(フォローとする、つるべの相手とする)ためです。

私の師匠は、組む前に、3日連続で、ロープワークだけの日を作り、公園で斜バリまでやりました…。

なので、教わった人がそのあとありがとーと言って、別の人と組んだら、不義理。

最近、県外クライマーに技術伝達しましたが、その人が心配するといけないので書くと、私は、例外的に、基本的に自分が組む人には、知っている技術をすべて教えるように、とガイドの新保さんから言われて、そうか、と思ったので、実践しています。

ただ…教えられるのを嫌がる男性も多いので、基本的には、経験者には教えない…出来ている前提でいて、危険なことをしているときだけ指摘します。例えば、ロープドラッグとか…。

■ マルチに行ったのに次がないというのは、反省しろという意味ですよ

初級のマルチに連れて行ってもらって、もちろん、そこはトップも、セカンドを見渡せ、トラブルが起こりそうにないような、起ってもすぐ対処できそうなところで、ラクもなく、支点もボルトで、というような、明瞭なところへ連れていかれて、もしも、その次が誘ってもらえない…ということだったら、

”この子はマルチはまだ時期尚早だな~”

と思われたということかもしれません。

例えば、マルチに必携の、プルージックコードをぶら下げてこなかった、とか。めったに出番がないですが、端折れないギアなんですよね。外では…。

■ こんな感じの人が多い

以前、5.12も人工壁ならオンサイトもできるという18歳の九州クライマーが、小川山に行きたい!というので、じゃあ、というので案内したら…。こんなことがありました。

ショートを何本か登ったあとのマルチですが、終了点が見えていて、私の声が届き、目も届くのは、1ピッチ目しかなく、じゃ、ここしか君にリードさせられるのはないから、君、1ピッチ目ね~、と言ったら、びっくりして、あわててセカンドの確保法を質問してきました… あれ~?知らないで来たの?

私なんて、マルチ行くって言われたら、もう毎日のように、支点とセカンド確保のセット、ロープアップ、宙づり登り返しを練習していましたからね~ 遠足行く前の子ども状態で。

その子はそうではなかったらしい…。でも、自分からマルチ連れて行ってくれ、と言ってきたのに…?

と、なり、もう2度目はない。かわいそうなので、関東の知り合いのクライマーは、紹介してやったが、私の紹介だと思われるのは嫌だなぁ…

類友というが、変なやつを紹介すると、自分まで変なヤツの常識なのだろうと、相手から類推されることになる…。

この子は、高校生からクライミングして、5.12はオンサイト出来る子だそうでしたが、それ以外は何も知らないみたいでした…。そのグレードを登るクライマーとしては、知っていて当然のことを何も知らない様子で、しかも、教えてもらって当然と要求して来る要求ぶりが不思議で、紹介した人に問い合わせしたのですが…。答えは、”教えれば何でも教わるのでは”、とか言われ、さらにびっくり。

まるで、私がお父さんかお母さんのように、思っているみたい。私が一人で行く登山にもついていくというので、それにもビックリ… いや、ついてこられても…。仕方ないので、小川山山頂散策は辞めになり、なぜか、私が車で駅まで迎えに行って、登坂することになったんですよね… なにやってんだ、私。私はいつか小川山のてっぺんに立てるのだろうか…

しかし、私も18歳で大阪に転居した時は、何も知らず、色々な人に世話になったけど… ”要求”したことはないぞ?

そのことにも、”え?”って思った。まぁ昨今、6ポケットとか言って、甘やかされて育っているらしいからなぁ。山梨のヨガ講師仲間にも、そんな人いたからなぁ…。

好意的に解釈すると、その子が属していた会は教える技量がないと遠慮して、教えていないのかもしれない。人工壁は教えることとしては、かなり簡単ですしね。
 
逆クリップだめよ、ゼットダメよ、足を掛けたらだめよ、程度。

■ 昔の人の教え方…その①

しかし…それにしても、昔の山岳会の教え方は、ずさんだったらしいですよね。

ずいぶん昔に 一番、仲良しだった先輩に昔の教え方を聞いたら…その人は信州大学の山岳部出身人なのですが…、
 
 「登れ」、以上終わり、だった…

と言っていました…。 その会で一番5.13に近づいた男、と言われていた先輩でした。

■ その② 昔の人は手の込んだ教え方をする…

その先輩が連れて行ってくれた、初めての小川山では、小川山物語に1ピン目プリクリップしました…。

ので、

プリクリ大事ね

と初回で理解。たぶん、その先輩、そのつもりで、その課題を選んだと思われる。

そこはかとなく、相手に自ら悟らせる。そのことを、カウンセリング用語で、非指示的カウンセリング、というそうです。お釈迦様は、そのようにお弟子さんを導いたそうです。

しかし、そのやり方では、現代の人は、ダメなのではないですかね?もっとかみ砕いて、他に解釈の余地がないようにしっかり言葉に表現しないと…。

つまり、今どきの若者は、「プリクリップは大事ですよ」と教わらないと、こんな間接的な教え方では、分からないのではないですかね???

■ 行動主義的教え方

行動主義的教え方は、朱に混じれば赤くなる、という人に適した学習法ですね。

ーーーーーーーーーーーーーー
「行動理論」は「学習理論」とも呼ばれ、不適応な行動や反応をとってしまうのは、誤った学習や条件付けの結果ととらえ、

適切な行動を学習することによって、不適応な行動を抑える

ことを目的としています。
ーーーーーーーーーーーーーー

私は師匠と登ることで、これを実践していたと思います。しかし、そう考えて、年配の人と行動を共にできるクライマー男子って、周囲には皆無でした… 紹介しても一緒に行かないんだから、学ぶ機会を与えても、受け取らないんだろうと思っていました。

設問: 〇+△=4となる組み合わせをできるだけ多く考えなさい

 ■ 拡散性 vs 保全性

”〇+△=4となる組み合わせをできるだけ多く考えなさい”

というような設問で力が出るのが、拡散性の高い人です。

一般に日本人は、保全性が高い人が多いので、

 ”1+2は、3ですよ~。では、1+3は、何ですか?”

という教え方が好きです。

しかし、同じ原理を学ぶのに

 拡散性が高い人の思考法 = 正解がたくさんある 

 保全性が高い人の思考法 = 正解が一つ

これが、この人たちが持つ世界観を考えるときに

   無意識の前提

として出てきて出来てしまいます。

■ 体力一点豪華主義とガンバ!オンリー

それが山登りで、”体力一点豪華主義”ができたり、”ガンバ!オンリー指導者”が、できる理由です。

たぶん、”体力積み上げ=山のレベルアップ”という発想しかない(=昔のやり方)で、つまり、保全性の思考回路でやってきたから、ですね。

■ FFS理論

FFS理論という個人の資質を見る方法論がありますが…私は子供のころから、努力をしているのに、それを努力と皆が分かっていない、という印象を持っていました…。

私の努力は、興味や関心の追求です。ところが皆から見ると?遊んでいるようにしか見えないらしい(笑)。

しかし、日向神へ行った1山行で、書いた記事10個ですよ? これだけ拡張できる人、そんなにいないですし、そこまで集中力を維持し、洞察を深められる人も、私は、あんまり会ったことがないです。

男子だったら、「アッポロ11号頂き!」で終わるだろう…。それは見てきました…。

もちろん、今回のパートナーは、自己評価をRPではなく、”長ヌン学習の機会”と、とらえてくれたみたいで、感心しました。しかし、稀有な人で、一般には、前者でしょう。

拡散性、というのは、日本人には少ない資質で、私のように拡散性が高い人は、周囲から誤解されやすいです。特段、努力しているように見えないので…。

しかし、語学力など、繰り返しが必要なものは、誰しも一朝一夕には身に尽きません…特に拡散性が高い人は、通常の学校のやり方では身につけられない。

ので、独自の学習法を編み出す必要があります。むしろ、保全性の人のように、言われた通りにやれば、身につくわけでないので、苦労続きです。

ちなみに、私は英語は学生時代はホントに赤点ばかりでしたが、それは保全性の学習法を無理強いされたからです。

私は自分の好きなように英語を学習し、渡米3か月で一通り生活は、OKになりました。やりかたを無理強いされた時間は、すべて無駄でした。

同じことがクライミングの学習法にも言えます。

10級、9級、8級、と、級を上がっていく、”段級システム学習法”は、保全性の人のためのシステムです。

それでは、拡散性が高い子供は、すぐ飽きてしまいます。

■ 拡散性が高い人の登山の組み立て

拡散性が高い人は、〇〇したい!という明確な目標があり、それを実現するのに、必要な能力は何だろうか?と考えます。

例えば、


 問い)冬山で、お天気が悪くても、山で遊ぶには、どうしたらいいか?

 答え)そうだ!アイスクライミングしよう!


 問い)パートナーがいなくても、バリエーションに行きたい!

 答え)そうだ!明神左回りなら懸垂しか出てこない! 


 問い)腕力がなくても、指力がなくても、登れるフリーは何か?

 答え)そうだ!クラックなら可能性があるな!


そんな感じです。自分の能力でできる範囲で考え、足りず、必要な能力を身に着ける…

飽きっぽく、コツコツが苦手な子どもは、適当にしていても、なぜかクリアできるようになるように傍から見えると思いますが…。実は大人が大事な役割を果たしています。

それは、子供が示した興味に反応する、きちんと受け取るということです。

私の母は、子供が生まれたときに百科事典をそろえ、世界文学全集をそろえ、私は絵本は読み放題で育ちました。モンゴメリにハマった時は、次々に続編の本を買い与えられました…。

機会を奪わないというのが、勝手に成長していく拡散性の高い子供をより伸ばすために必要な教育の特徴です。

どんどんチャンスを与え、蓋をしない。ブレーキを掛けない。

子どもは、これ以上、自分には無理だ、と思ったら、勝手に帰ってきます。意欲の火があるときに、油を注いでやるのが、拡散性の高い子供を育てるときに必要なことです。


2021/05/26

海外登攀に必要な英語力とは?

■海外登山に行きたかったおばちゃん登山者

以前、五龍山荘に勤めていたころ、一般登山者のベテランおばちゃん登山者で、山梨に遊びに来たり、色々となついてきてくれたおばちゃんがいた。なんでだろう?と不思議だった…。というのは、私とおばちゃんたちの間に、共通点がなく…つながる思いがなかったから…。(共通点というか、そういう心の絆がある人とは、そういうものは自然と分かるものだ…)

不思議だなぁ…と思っていたら、ニュージーランドのトレッキングに行きたいという話が来て、一緒に行かないか?と誘われた。

ご存知のようにニュージーランドは世界で一番美しい自然歩道で知られているが、小屋泊を自分で計画すると一泊30ドルくらい。10日あるから、300ドルくらい。同じルートでも、ガイドをつけると、3300ドルくらい。

予約してとか、あれこれ頼まれ、海外サイトを予約してあげようとしたんだが、海外は信用性のためにクレジットカードの情報がいることが多い。建て替えるのは、さすがにそこまではしてあげれないので、断ると…。おばちゃんたちは、なんと3300ドルを選んだのでした…。私は懇切丁寧に、自分で入力する方法を教えたのに、出来ないのだそうで…。その作業はあまりに簡単だったので、できない人類がこの世にいることがあり得ないレベル。つまり、できないというよりやりたくないのだと分かったのでした。自分で自分のパソコンから入力するより、3300ドルのほうがいいらしい。手間5分くらいのことだったのに。

この事件で、おばちゃんが欲しかったのは、一緒に遊びたい仲間ではなく、ただの旅行代理店代わりの人、私の人格が好きなのではなく私のスキルが好きだったのだ、と分かったのでした…。失礼な話ですよね。

ラオスで、私と同様に英語が話せるおばちゃんクライマーが、旅行代理店利用されているのを見ました…。あれをして、これをして、と周囲から利用されて、旅行代理店のように飛び回ってアテンドした上、通訳もさせられ、それなのに、わたくし、ビレイさせていただきます!って…。一緒に来ているクライマーのおじさん達、大名登山んじゃないけど、どっかと座って、何もしない。ラオスでは食事はセルフサービスなのに、上げ膳据え膳。

おばちゃんが、気の毒だと思って、そんな奉仕をするのはおかしいですよ、自分の好きなところを登っていいんですよ、ビレイヤーとクライマーは対等ですよ、と教えたら、おばちゃんクライマーは、なぜか私とは価値観が合わないとかいい、怒ってしまい、私とは登らない、と。驚いた。

人の世話に生き、その代わりに登らせてもらう、という関係性が好きな人もいるのだと…。

でも、仏教でいう自利利他って、クライミングしたいという気持ちを満たすために、自己犠牲して奉仕するって関係ではないですよね? おじさん達の側から見ると、登らせてやるから、通訳しろ、ということになる。

うーん… そのおばちゃんは別に登らせてもらわなくても、普通に自分でリードで登れるクライマーで、私と同じでしたが…。おじさんに付け込まれる理由はないのでした…。なので、なぜ、そのような関係性を望んでいるのか、よく分からなかった。虐げられる必要はない。

日本では対等の関係性で登るのが嫌な人もいて、たぶん、共依存を望んでいるのだと思います…

■ クライミング能力を高く売りつけると、海外での案内が買える

師匠の青ちゃんは、最初は良かったのですが、私が楽しそうにしているとどんどんと不機嫌になり…一人でラオスに行ってからですが…韓国では私が韓国の人に誘われたクライミングを阻止… いつも共依存を望む人とは最終的に登れなくなります。

私が師匠を尊敬できなくなったのは、登ってあげるから、案内してね、車出してね、という関係性で海外で登ってきたことが分かったからです。なんだ…。つまんないの。それじゃ海外へ行っても、自分で町の中や岩場の中で、現地の文化に触れたり、なんだりしたわけではない。ただのお客さんとしてもてなしを受けた、というレベル。そんなんで日本人クライマーに対しては自慢になるのは、単に日本国内が、国際化というレベル感では国際標準から遅れているからです。

ヨーロッパの若い人は、見知らぬ国でも、言葉が通じない国でも、気軽にバックパッキングに出かけていきます。日本では、男性が、ママボーイなので、そうなっていないけど…。

なので、日本で、海外で暮らしてた?すごーい!となるのは、日本しか知らない日本人の勝手な誤解で、世界中で日本ほど暮らしにくい国はないですから…ほんと。

■ 共依存

話は戻りますが、日本の、協力し合いは、共依存関係と似ているところがあるので、かなり要注意です。

 相手の能力を高めないで、自分に依存させたままにしようとしたり、
 自分の能力を高めて、自立しようとしない場合

は、要注意です。

クライミングトリップに英語力は要りません。いるのはコミュニケーションをしようという強い意志。

クライミングシステム自体が、そもそも、国際言語です。

まずは、ロープドラッグしたりしないような、きちんとしたクライマーに自分がなりましょう。きちんとクライミングの手順を分かっていれば、相手が次に何と考えるだろうか?っていうのは、大体、予想の範囲内に収まります。

コミュニケーションのミスで、墜落、などが怖い、という人は、そもそも、結び替えが分からないとか、自分の能力がない人です。

結び替えで、下のビレイヤーに、テンションと言って、ちゃんとビレイされているか不安、とか言うなら、懸垂でおりれば、自己完結できます。

そもそも、自己完結できるクライミングをしていないから、相手の能力が不足して自分を危険に陥れると不安になるわけです。

愛された記憶より、愛した記憶

どれだけ愛されたか?よりどれだけ愛したか?

クライミングをするようになり、”なぜ父は私たち三人を捨てたのだろう?”という疑問を持つようになりましたが…

今回のクライミングで、その疑問は、ますます晴れていき、答えは、父はまだ母から自分が子供として面倒を見てもらいたかったから…。家庭を二人で作り上げるもの、という理念がなかったから…と分かりました。

多くの男性にとって、”女性は助けてもらうもの”。”助けてあげるもの”、でも、”協力するもの”、でもない。それは、子供のころに会う女性代表が、お母さん、だからですね。

私は父を知らない上、知らないということにあまり不都合を感じてこなかったので、父からなぜ愛されなかったのかな?ということにも、ほぼ40年疑問を感じなかった。クライミングをするようになって、父性の不足という日本国民共通の現象を理解するようになり、疑問を持つように…そして、クライミングを通じて納得。

私は母については、母が私を愛してくれたのか?ということについては、ほとんど疑問自体を持ったことがなかった…それは、自分が母を死ぬほど愛した、ということについて核心があるから。

私にとって残念な事実だったのは、母は子供からの愛には答えるには、そもそもの”能力”自体がなかったということ。愛していなかったというよりも、愛していても、愛から出た判断んではなく、功利や損得、で判断してしまう、ということなのだった。

愛された記憶より、愛した記憶。

クライミングの仲間でもそうだ。判断は賢く。どのような判断が賢い判断か?ということを考えましょう。

2021/05/25

アドレナリン中毒ではなく

 

■ 幸福のホルモンは3つ

セロトニン

オキシトシン

ドーパミン

ギリギリに迫らないクライミングでは、ドーパミンが出ているような気がするのですが…。

それで、朝早くから起きてクライミングのために、ヨガをして、セロトニン…

仲間がいて、オキシトシン…。

アドレナリンって、そんなに関係ないですよねぇ…

まぁ、核心部ですぐあきらめるようなのは、もちろん、何しにきたの、みたいな話になりますが…。

私は外岩は粘っているとムーブが出てくるのですが、多少粘りに時間が必要で、それでも、5分、10分と思いますが、ADHDのビレイヤーだとそれが待てない空気を出すからダメ。 

たぶん、粘っているときにホルモン変化して、何か脳内スイッチ入っていると思います。

■ アドレナリン中毒になると勃起不全になるらしっすよ(笑)

一方常にギリギリ追求だと、アドレナリン中毒ですよね… 目つきがすでに変になっているクライマーもいるとか… 違う世界にいる感じがしたら要注意なのかも?

Wikipediaより引用

ーーーーーーーーー

アドレナリンの生理学的効果

交感神経が興奮した状態、すなわち「闘争か逃走か (fight-or-flight)」のホルモンと呼ばれる。動物が敵から身を守る、あるいは獲物を捕食する必要にせまられるなどといった状態に相当するストレス応答を、全身の器官に引き起こす。

運動器官への血液供給増大を引き起こす反応

心筋収縮力の上昇

心、肝、骨格筋の血管拡張

皮膚、粘膜の血管収縮

消化管運動低下

呼吸におけるガス交換効率の上昇を引き起こす反応

気管支平滑筋弛緩

感覚器官の感度を上げる反応

瞳孔散大

痛覚の麻痺

勃起不全

興奮すると分泌される。例えば喧嘩になった時に分泌されて、血まみれや骨折の状態になっても全く痛みを感じないといったケースもある。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー






2021/05/24

楽しいホルモンが必要

 ■ グレーディングシステムによる上下意識によるリスクとは?

今日の仏教説話は、増上慢について、でした。

私はグレードでは大したグレードが登れないのですが… それだから、増上慢に陥るリスクとしては、小さくて、それでよかったのかもしれません。

若い男子は、師匠たちと比べて自分の方が登れる、と思ったら、岩場に一緒に行かなくなります。

でも、師匠たち…60代とか、ですよ? 30代の男性より、60代が登れるって変ですよね?フィジカル一番強いのは、男性は25歳のころなので。

そういう意味で、グレーディングシステムによる上下意識がリスクなのかも?

■ スタイルがある意味リスクがある

一緒にクラックをやっていた先輩は、カム位置が悪くてロープスタックさせたことがあったのですが…ショートの時、それを指摘したら、怒ったんでした…(汗)。

その時は、10cをオンサイトしたことになったので、オンサイトの喜びがそがれると思ったのかな?

オンサイトしたものは、その後、スタイルを向上させる再登をしたほうがいいかもしれません。

オンサイトって、いつもけっこうギリギリなので。

そういう意味ではオンサイト、レッドポイントというスタイルがある意味、技能の不足をカモフラージュしてしまうので、ある意味リスク。

■ 自分の理想のクライミングを追いかける

オンサイト、レッドポイント…、そういう、

”誰かに与えられた成功の型” ではなく、”自分の目指す理想のクライミング”、

みたいなものが見つけられればいいですね。

私はアイスクライマーとしてクライミングは、デビューしたので、オンサイトって、よく考えたら、全部オンサイトです。アイスの場合は、同じ場所でも、毎回氷、違うから、毎回オンサイト。

■ 尊敬できる人に会いたい

岩の遊び方、スタイルの求め方、そういうので、この人すごいな~って人に、今まで会ったことがないかも???

レッドポインターの故・吉田さんは、何百回もうちこむとか、体重まで課題に合わせるとか、究極に岩に寄り添う、というのが、スゴイ点でした。岩のためにホームレス生活とか、ヒモ生活、とかですからね。

私が岩登りで嫌いな点は、足るを知る、がない点です。

■ 中級者へステップアップするかどうか?思案

昔の山岳会でも、5.12RPできるくらいじゃないとリーダーは務まらなかったと思いますが…そのレベルに到達するのに、男性で10年かかる…。

毎週ジムに行って週末は外岩っていう生活をして、10年。28歳→38歳、32歳→42歳 で十年…。 

私はフリーは43歳でスタートしていますから、5年程度のキャリアですが…、クライマーとしてあるべき生活を今はしていないので、10年で、つまり53歳で5.12RPはないだろう、と思うのですが…。たとえ、週2ジム、週末外岩という生活をしたとしても…。あるのだろうか?これが一点。

そもそも、12が登りたいのだろうか?というのが2点。

ただし、それくらいのスキルが日本中の岩場で、とりあえず安全に、取りつけるスキルであって、間違っても5.9がギリギリの人が、5.9に取り付いて良いようには、外の岩場は、出来ていないです。自己責任で、岩場で楽しむために、必要なスキルがそれくらいってことです、つまり。それは分かるようになったので、理解の面で、九州に来た時と今では雲泥の差です。

なので、12を登る人以外は、みなまだフリークライミングのカテゴリーではクライマー未満です。フリークライマーとしてのスタートは5.9ではなく、5.12です。5.12はフリーへの入門資格。

60代で12登る人も世の中にはいますし、本人がそうやりたければやればいいし、やりたくなければ、やらなければいいだけのことなのですが…、

多くの人に伝えたいのは、みんなが思っているフリークライミングなるものは、それなりの分厚いスキル修練(つまり、10年)を必要とするものですぞ、と言うことです。

例外はあります。子供ならすぐ身につきます。3年でそこそこ行けると思います。私の師匠は、初めて1か月で5.13登った人を見たそうですが、すぐに辞めてしまったそうです。

■ リスク管理能力は、分かったとたんに身についている技術

それと比べると、例えば、外岩で、長ヌンを使用すること、などという知識は、了解!と分かったら、即、明日からできる。

知ることさえできれば、明日からすぐ実践できるスキルですよね?

なので、なぜ、みんながそんな簡単に身につけられることを身につけず、身に着けるのに10年の歳月がかかることを身に着け、自分をリスクにさらしているのか?ということが不思議。

一発芸は身につけないで、長年の努力の要る芸は身についているみたいな?

ボルトルートでも、長ヌン使ってロープドラッグを解消しましょう。将来マルチに行きたい人とか、ビッグウォールに行きたい人とか、特にそうです。

ロープスタックしたら、どうしたらいいか?目が点では、即、ヘリ、です。

■ 何を満足とするのか?

それより、私はどう成長して行ったらいいのかなぁ…。

すでにクライマーとして自分の身を守るための知識は十分なので、後はムーブが向上し、フィジカルがアップすればいいだけなんだけど…

引き付け、立ちこみ力、後は保持力、みたいです。

足が先行のクライミングを身につけないと。単純にホールド遠くて取れないってことが今の外岩では多いからです。

あーあ、ラオス楽しかったな。楽しく登ったら、帰国したら、違う人になっており、いきなり城ケ崎登れたんでした…  

あ、分かった。必要なのは、師匠じゃなくて、楽しい岩場と楽しくて出るホルモンのほうか。


 ラオスで楽しいホルモンが出て、作った糊代で取ったオンサイト 城ケ崎

指導者なしで成長していかざるを得ない現代初心者クライマー(ジムスタート&師匠なし)の成長戦略

 ■父なき子

私は、実は、若い男性…クライミング仲間のことは、

 ”ともに父なき子”

と感じていました。現代ではきちんとした指導者は大変少ないので、指導が得れることは大変ラッキーな境遇で、そのような人は大変少ないからです。

 師匠を持たずに成長する=父を持たずに成長する

です。クライミングの初期においては、基本的にクライマーは、自分が何が分かっていないのか、分かっていません。それが分かるようになるまでに、必ず必要な、自分より、よく深くクライミングを分かっている人からの庇護、父親的存在からの庇護、そういうものがなく、やってこないといけない場合…これが現代ではほとんどなのですが…、

どうしたらいいか? 

■ 弱気が自分を守る

私は子供のころと同じことをしているような気がします。私は母子家庭の育ちなので、親がいない状況で、すごく心細く、子供時代を過ごし、一緒にいるのが弟と妹でした…心細さを何とか、兄弟の世話で紛らわし…そして、無力な子供に必要な保護や庇護を、なんとかして得ないといけませんでした。

戦略的には

 1)負担にならない程度、隣の家のお父さんを拝借…

です。より分かっている人、大きな視点で見れる人に聞く。聞くというのは、助けを求めるということですから、助けを求められて、答えてくれない人は稀です。

その際のポイントというかマナーは、

 2)唯一絶対視しないということ

です。つまり、複数の意見を聞く、ということです。

 3)分かる範囲のことは自分で予習してから聞く

というのもマナーです。

これは、私が個人で持っている生き方のコツ、で、小さいころのサバイバル生活で身に着けたことでした。

クライミングでも、同じことをしているがために、そうした戦略をしていない人よりも、楽にクライマーの常識を身に着けたかもしれません。

同じような境遇…指導者を持たずに成長していかなければいけないクライマーに対しては、

 ”こうすればいいよ~”という感じでした。

なので、一緒に成長して行っている男性クライマーに対しては、同志、つまり親がいなかった私と、一緒に育っている弟、という視点を私は持っていました。手探りで進まないといけない。

■ あまり良くない戦略

一方、クライミング業界で、あまり推奨できない戦略としては

 周囲と同じことをする

があります。というのは、現代では、9:1くらいの割合で、間違っているほうが多勢だからです。

つまり、朱に混じれば赤くなる、です。周りと同じにしていれば、俺オッケーと思っていると、悪い環境にいれば悪くなる… 

この戦略の欠点は、悪い環境だということに気が付けないこと、です。みんなも同じなのですし、その”みんな”も間違っていることを分かっていない…。

■ こうしたらいいよ

1)最初に理想のあり方(羅針盤)を模索する 

2)自分の現在地を知る 足りないところ

3)現実的にその羅針盤で進めなくなったら、アドバイスを求める、

こうすると、”周り”は、あまり関係なくなります。

色々考えると、九州に来る前も、結び替えができない男性クライマーがいたような気がしますが、私は?と言えば、”クライミングに行くなら、結び替えができないと危険だ”と言われれば、単純に、”そうか”と、実践しただけです。

”周りの人が出来ていないから、やらなくていいのでは?”とは考えなかった。

なにせ、雪山をするために無線免許まで持っています。今どき携帯電波でOKです(笑)。あれは無駄な準備だったな…失敗です。

”弟として他クライマーを見る”ということの意味は、私にとって、こういうことです。つまり、

  ”指導者がいない中で、暗中模索しながら進む”仲間

ってこと。

可愛がる、って意味ではないのですので、念のため(笑)。

トリセツをちゃんと見れば、クライミングの安全は基本的に確保できる


エーデルワイス社:クライミングロープの管理の仕方・洗い仕方

 こんな動画があったので、掲載。

1)手洗い 30度のお湯に洗剤を溶かし、上下をたわしで挟んで洗う
2)マシーンウォッシュ ドラム式洗濯機を使う 布袋に入れて洗う
3)陰干し 直射日光を避ける

■ ロープの基礎知識

1)ロープはカーンマントル構造です
2)三ツ撚ってことです。 つまり、三権分立。1本でも切れたら、もう終わりです
3)ロープは化学薬品に対して弱いです
4)ロープの寿命は手で触り、固くなったら終わりです 最悪はふにゃふにゃ系
5)紫外線が主たる劣化原因
6)泥はNG カラビナにも悪いです
7)濡れNG あまり知られていないのかな?
8) 大墜落の後は休ませる = ロープの反対側を使う
9)一か所に荷重が偏るような使い方はできるだけしない 例:バイトのエイトよりラビットノット

基本、ロープは、クライミングでは命綱ですから、大切に扱う気持ちが大事ですね。

■ ロープのチェックの仕方

私は、これぞ!という登攀の時や人に講習会を開く前は、

 行く前にロープをチェックする

のが、なんだか瞑想チックな習慣になっているのですが…。

私よりスゴイ人というか、A型の人?まじめな人?は、登攀の度にロープをチェックしており、一回一回でのコンディションの差が分かるようになるそうです。講習会とか開く人は必須ですね。



■ 縮んだロープの思い出…

まだクライミングデビューしていないころ、初心者の時に、ノット練習用で、先輩がくれたロープ… 強烈にしわが寄っていた。

不思議に思い、それで外皮とコアのずれを治す方法などを研究し、ロープを解体してバラバラにし、ロープの寿命について知識を得る契機になりました。

そのロープは登攀用にくれたのではなく、ノットの練習用の5mくらいのでしたが… ロープの寿命について考えるきっかけになった。

ので、会を運営していたら、古いロープは、4-5mに切って、みなに配布すると良いのかもしれません。中には、私のように、”なんだろ、これ?”と思って、遊んでみる、みたいな人が出てくるかもしれません。

■ 新品ロープのおろし方


へぇ~。いつも普通に束ねなおしをしていただけでした…いつもって言っても、そんなに何回もあるわけでない買い替え。 

キンクを取るって行為だと思っていたんですが、違うんですかね?

2021/05/23

分業でスキマに落ちてしまった知識

■ 分業でスキマに落ちてしまった知識

一般登山、アルパインクライミング、フリークライミング、ボルダリング、スポーツクライミング、という分業(=縦割り行政)で、それぞれを実践するのに必要な必須知識でないために、スキマに落ちてしまい、教わる機会が著しく少なかったり、うっかりスルーしがちであったり、どこにもちゃんと書かれていないとか、書かれていたとしても、その書きようが、ザックリしすぎていて、きちんと必要不可欠な情報として、伝達されていない、というような情報…というか知識がある。

そのような情報は?というと…考え付くままに上げてみた。

1)フリークライミングにおける結び替え 理由:アルパインに結び替えはない 

2)フリークライミングでのストッパーノット 理由:普通すっぽ抜けと言えば、懸垂

3)アルパインクライマーに必要な登攀力のニーズ  理由:フリーをしなくていいと思っている

4)フリーでのロープ管理知識 理由:会のロープで登っているから

5)ボルダーでのアウトドアトイレ作法 理由:普通のアウトドアキャンプ経験がないから

6)フリーでの長ヌン使用 理由:トラッドもアイスもアルパインもしないから

7)アルパインでのビレイ(キャッチ経験がない)理由:人工壁をしないから

8)ボルダーでの試登のTR 理由:ロープを持っていないから

9)フリーでのボルト知識 理由:どこにも書かれたものがないから

10)アルパインでの支点劣化の知識(今のは40年前の) 理由:トポが更新されていないから

11)ボルダラーの歩き 理由:ボルダーが近所すぎ!

12)フリーのアプローチ難易度 理由:登山はしたことないから


こんなところかなぁ…。

現代のクライマーは、何系クライマーでも、ジムで登らない(登れない)人は、まぁ、とりあえずダメクライマーと決定して構わないかもしれません。

ある程度…というのは、どうもボルジム5級らしいですが…、どのような身長か?年齢か?に関わらず、最低限の登攀力でそこがないと、その人の力では、一般登山以上の山は、どの山でもこなせないので。セカンドでも厳しいというレベルが5級。

これらは、縦割り行政?みたいな感じでカテゴリーで教えるために、知識がすり抜ける危険がある、ということですので、入門書に書いたらいいですね。

例えば、ボルダラーの入門書に、野糞の仕方、を書いておく。スコップ持って行け、みたいな話になるかもですが…。一般的に言えば、森林限界以下なら、山にお返しするだけですけど…お帰りにならない場所でやるから、問題ですよね?例えば川のすぐそばとか…


もういっそめんどくさいので、クライミングと総まとめして、登攀、歩き、ロープワーク、読図、支点構築、とカテゴリー整理しなおしたら、いいのではないですかね? 

少しづつ階段を上がって行けるように…あらゆる登攀スタイルを列挙しておけば、トータルで力をつけて行けるのかも?

そして、その力を評価できるようにしないと、昔の人の教え方に任せておいたら、現代の40年前の支点のまま、レスキュー技術もなしで、ネットで見よう見まねで行ってらっしゃいという話で、屍の山が増えるだけのような気がします。

現代人の在り方…情報はネットで得る、仲間もネットで、と教える内容(昔のまま)が、あまりにもマッチしていない。


人のロープでポンピングしてはいけない

■ 命が一番直結している道具なので、やはり自分のロープで登るべき

会で登っていたら、会のロープなので、自覚が起きにくいと思いますが…

一般に自立したクライマーは、人のロープでは登らない。

自分のロープで登ります。それは、ロープの特徴も自分の特徴に合わせるためです。例えば、私は軽くて小さいクライマーなので、伸びの良いロープを使っています。

理由があってロープを借りて登ることはあると思いますが、普通は人のロープは絶対ダメです。

命が一番直結している道具なので、やはり自分のロープで登るべき。

特に落ちる可能性があるルートでは、なおさら、です。

http://blog.livedoor.jp/marvinjp/archives/51271559.html?fbclid=IwAR2YaFghz97jzVlyzgCqcNOTu8vJywcaUiW3yoQTRIShsBIv0lbavVXfoRo

■ ポンピング

また、落ちて元の位置に復帰するときは、現代のスポーツクライミングでは、ポンピング(ポンプアップ、吊り上げ)は不可欠になっています。

が、これを他人のロープでやられると「待ってよ!」となりますね。

どっかぶりのルートでは、ポンプアップでビレーヤーの手助けも必ず必要となります。

グリグリが以前にもまして普及し出したのは、これの影響があります。

チューバータイプでポンピングをやるのとグリグリでやるのはビレーヤーもクライマーも負担が全然違ってきます。

チューバはやはりポンピングで上がるときはずっとロープを引いておかないといけないのでビレーヤーは大変です。

そして引いていてもチューバーは少し滑るので、なおさらです。

ロープはこの作業をやると間違いなく痛みは早いです。

ですので、最低限岩場でトライする人は自分のロープでトライしないといけないです。

人工壁もかぶってくると同じです。

■ ロープを使い分ける

私は、

 ポンピングや長いハングドック、
 初心者クライマーの引き上げがあるようなロープワーク、
 あるいはぶら下がりっぱなしのトップロープフィックスで登るとき

は、くたびれた太径のロープとロープを使い分けしています。人工壁用に購入したもの。というのは、傷みが大きいからです。

①ムーブばらしトライ用   少し使い込んだロープかつグリグリ

②完登が期待できる本気トライ 柔らかくてしなやかなロープかつビレー器もチューバーに。


ですので、遠征で、自分が登れるグレード、オンサイトトライをする予定の時は、良いほうの②を持って行きます。

■ 指摘してやらないと気が付けない

今回の日向神も、自分のリードのために②を持って行ったのですが… うどん汁事件のため、相方にロープを貸さざるを得なくなり、その時相方が ①の登りをしたので、後で釈然としない思いがしたので、連絡しました…。

人のロープを使っていてポンピングはないよなぁ…と思ったからです。

相方に指摘してやらなくて、本人がみずから気が付くことができるか?というと、気が付けないだろうと思います。

自分が逆の立場に立つまでは…(笑)。

師匠クラスの人たちは、「若いクライマーは、いろいろ分かっていないから一緒に行くのはヤダ」と言いますが…、その中身は、つまり、こういうことです。


■ 濡れたロープで登るべきか?

さて、人のロープを借りて登らざるを得ない場合はあると思いますが…大抵は、借りたとしても、別にロープが痛むような登りをすることはなく、特にオンサイト出来たら、ロープは全然痛まないので問題ないですし…

オンサイト → ロープの痛みはほとんどなし
テンション → ロープの痛みはなし
ロープドラッグ → ロープ痛みまくり
ポンピング → ロープ痛みまくり
ハングドッグ → まあまあの痛み

つまり、ヨーヨースタイルで登れば、別にロープは痛まないのです。ハングドッグ長いとかしなければいいわけですね。

ロープを借りるべきか?無理して濡れたロープで登るべきか?…その場合の判断の仕方、というのも、若いクライマーはベテランから判断の仕方を伝授される機会がないのだろうと思います。

安全を優先

が正解です。今ある状況の中で、もっとも安全である、選択肢を取ります。

今回は、 濡れたロープで登るvs乾いた人のロープで登る、です。

濡れたロープは強度も落ちますし、滑るので、ビレイも正確にできませんので、危険ですので、まず第一に没です。

教訓: ロープを濡らしてはいけない

つまり、クライマーはロープをびしょ濡れにした時点で、ポンピング登りは放棄したのと同じこと、なのです。

人のロープで登らないと行けなくなった場合、長いハングドッグ、ロープドラッグ、ポンピングを避けた登りをすれば、OKです。

そこでいや俺は2時間粘ってRPするぜとなるのは、煩悩です。乾いた自分のロープで戻ってきて再トライするのが良いでしょう。

それより、そもそも、ロープを濡らしてはいけないという知識がなかったのが、今回は不思議だった気がしました。雨の日にロープをどっぷり水につけてしまっては、どうやって登る気だったのでしょう…

■ ポンピングは下のビレイヤーは大変です

ポンピングですが…下のビレイヤーは大変です。

登っている方は分かっていないですよね。

私はいつも、思春期の元気いっぱいの男の子が、遊びを監視してくれる、お母さんをくたくたにさせて、そのことに全く気が付いていない図を思い起こします。

男性は、気を付けてくださいね。元気は年齢順で、若い男性は、自分でも気が付かずに、周囲を疲弊させていることが多いです。重たいものは自分から持たないと、より年寄りと登っている場合は、相手が先にバテ、相手が先に危険にさらされます。

登っている方は楽しくて気が付いていないけれど、下のビレイヤーはポンピングは大変です。

これも逆の立場に立つまでは気が付けないっていう事例ですかね…。

こんな感じなので、クライミングはいつも、弟と遊んでいるような気がしてくるんです…

クライマーは、一般的に、登れるグレードが上の俺のほうが上って思っているような気がするのですが、フリーの場合は、アルパインとは違って、登れるグレードが高い人のほうがより多くのリスクを背負っているわけではないです。

ので、実態はより多くの負担を背負っているのは、下のビレイヤーだったりします。