2023/08/09

【提言】トップクライマーのYouTubeチャンネルを!

■ トップクライマーのYouTubeチャンネルを

なぜなら、日本の男性社会は、いまだに年功序列型だからです。

「トップクライマーが情報発信していないのに、それを差し置いて、若い自分が情報発信してはバッシングされるのでは?」

という配慮が働いていると思われます。でも、そうやって、きちんとしたクライマーが情報発信しないでいることによる、

間違った情報伝播の弊害のほうが大きい

です。

アルパインでは、勘違い事例は、栗城さんです。栗城さん以前にも、全然アルパインクライマーとしては認知されていない、登山家・野〇健さんとか、いろいろ登山界には、実力が分かりにくいという問題がありました。

そもそも、アルパインのベテランの人たちも、地方の山岳会の指導者レベル程度の人は、エイドで登っているはずだと、勝手に現代のスーパーアルパインを誤解しているので、佐藤さんたちみたいなスーパーアルパインの記録を見ても、その世界のすごさが分かっておらず、スルーしています。

つまり、エイドで登っていないと明記していなければ、ベースはエイドだと思っているんですよね。

エイド=昔のアルパイン、チームオンサイト=現代のアルパイン、ですよ?

フリークライミングの世界は、グレードがあるので、分かりやすいのか?と思って、アルパインは、もういいや~安全なフリーを生涯スポーツにしよーと思ってきたら…フリーのほうでも、問題山積だった(汗)。

正しい教育が広がっていない。というより、めっちゃ勘違いした文化が広がっていた。それが幅を利かせているので、自分が間違っていることが分からない人が増えちゃって、その結果が、

 瞬間風速系グレード自慢

みたいな感じ。

本来は、カウンターバランスになる女性側からの抑止力も、全然、働いていない…男みたいな女性ばかりだから、と言う事情による。

本来は、海外のフツーの人がフツーに余暇に楽しんで登るフリークライミングって、
 
 どのグレードであっても、人それぞれ自分の限界にチャレンジ中なんだなー

ってことが分かるクライミングですよ。

「は?なんで5.9で登れねーんだよー」っていうような、心無い言葉を吐くパートナーは、パートナーではない。

5.9で登れないのは、5.9と題してある課題が、ホントには5.9ではなく、10cだったりするから、というのは、クライマーなら知っていて当然のこと、です。

参考:昔のグレーディングは辛い https://allnevery.blogspot.com/2019/01/old-school-grade.html

そのような意識しか持てないのは、現実を見れておらず

 ”クライミングをカッコつけるためにやる”

からでしょう。

自分がクライミングでカッコつけれると思うのは、現代レベルのクライミングについて無知だから

でしょう。

ちゃんとしたトップクライマーの実力を見れば、自分も頑張れば、30歳スタートの今からでもトップクライマーになれるという気持ちは、湧かないと思うのですが…。

なんで湧いちゃうか?というと、

 5.13なら俺だって

と思うからでしょう。

師匠の青ちゃんも、若いころ、ダイエットしたりなんだりして、やっとこさで、5.12登れたそうです(当時の12=今の13)。それでこんなの楽しくない!と納得して、フツーにショートでは、クラックとかアイスとか登って自分のクライミングを楽しんでおり、自分がカッコつけたいがために、人の命を危険にさらすようなカッコ悪いことはしていない。

体形が、アルパイン系で、歩荷が強く、体重が重い人は、指力とのバランスで、フリーは上級者になるのは難しい、ってことです。

かといって、体重落とすと、今度は、山で持たなくなるし…。

そうなると、妥協点が、比叡とか、白亜スラブみたいな、担がなくてよい、山岳地帯のフリーのマルチ、みたいなことになりますよね。あくまで妥協で、自慢するような話ではない。

寒さにも耐えなくていいし、ポータレッジもいらず。基本、お手軽コースだけど、登攀は楽しめる。

基本、岩のマルチは、アルパインみたいなチャレンジモードではなく、クルージングモード、みんなの使う言葉で言えば、エンジョイクライミング、で登るものです。

しかし、それも、ちゃんと知力が備わっていないと、登る前から遭難している登山と同じことをしてしまいます。


そんな”お気軽”ルートで、誰かの犠牲を伴ってまでして、カッコつけたいというのは、性ホルモンの働きだそうです。

が、それだけに、男子同士はよく分かっていて、自分がその過剰分泌されたテストステロンの犠牲にならないように、パートナー選びには細心の注意を払っているようです。

自分は組まないで、私に問い合わせが来ます(笑)。私は避けられている人の、順番繰り下げで、私に順位が回ってきて、一緒に登ることになったらしいのですが…。

弱り目に祟り目、みたいな感じでした。ほんと振り切ってよかった…。命拾いしたかもしれん。今でも、押し付けてくる人います…(汗)。

いや~、もう一回組むって、よっぽのバカじゃないとしないと思うよ?

あなたなら、組みたいですか? おんなじ程度のテストステロン過剰なら、いいのかもしれないですが、私は勘弁だな。

いやはや、ほんと、山岳総合センターで、総合的な実力をつけていてよかったです。あの登攀、ほんと、私がセカンドでなければ、やばい事件に発展していたかも、です。

佐藤裕介が語る「崖っぷちからの挑戦状 with ジミー・チン」| ナショジオ