2018/10/25

龍洞の岩場 (8) ずぶ濡れ

やっとクライミング初日まで到達しました…(笑)。

まだ登ってる記録まで達していないのに、(8)。

さて、鬱々とした気持ちで、晴れを待ち望んでいたわけですが…地元の天気予報も、予想はあまりよくない。

しかし、日曜は午前中は雨マークではなく、曇りマーク。曇りマークに掛ける!という気持ちでした。

偵察から帰ると、デイビッドから一報…「明日も雨だったら観光に切り替えて台南のほうに行こうかな」

まぁ家族を抱えた人のことなので、可愛そうで文句は言えない…しかも、一歳児連れてPキャンでしょう…? そりゃ、嫌になるよな。って私も思います。

でも、パートナーがいないと岩って登れないものなので、困ったなーとは思ったんですよね~ 

偵察から家に帰ると、ケリーが、私の隣のベッドをベッドメイキングしていました…。

「ケリー、誰か新しい人が来るの?」

「そうなのよ~」

というわけで、誰か来るんだ~とトキメキました。なぜって、独り者だったら、一緒に登れるかもしれないから。

ケリーから「夕食出かけるけど一緒にどう?」って誘ってもらいましたが、私は運悪く、セブンでお弁当をゲットしたところだったし、デイビッド達と出かけた温泉地の近くでスーパーに入り、りんごだのバナナだのを購入したところだったので、

「あるもので済ませるわ、ありがとう」

と言ってお断りしました。何しろ、ケリー達はお客さんといるので、なんとなく、悪いなーって感じなんですよね。この日、最初の友達のLetが帰国でした。入れ替わりに誰か来るらしい。
他にも泊れるところが掲載されている

https://www.onmywayhostel.com/jiufen-hostel-en/

http://www.a-home.tw/en-bnb.html



 ビールとコーヒーは、40元で、それがアンカーの基金になるそうです。

 Beer for Bolts ってTシャツのロゴになりそう!
 これで40元(160円)
おねだり犬、チョンチョン!

















一人でゲストハウスにぽつんと…せっせとトポ研究。エリアを何とかして理解しようとしていました…つまり明日行くべき岩場です。

デイビッドはクラック初心者っぽいので、やっぱりバッグゲートで安全パイのトップロープかなぁ…と。

私がもっとクラック登れたらいいのですが、初見でリードって今のスキルでどうなのかなぁ…です。しかも、まだ岩に取り付いていないので、岩の性格というか、感触というか、ぬめっているのか、効きがいいのか、いろいろ分かっていない。

例えば、佐久の岩場とか、横に縞々走っていて、どれも楽勝に登れそうに見えますが、実は、みーんなスローパー。全然、楽勝ではない。見た目と実際は違うものなのです。

ので、要注意なんです、初めての岩場は…。

初めは用心して易しい課題から、お近づきになるに限ります…。とりあえず、スポーツの5.7でも登るかと思っていました。スポーツならもう落ちないので。

でも、明日の午前中、勝負掛けたいかもしれない…あとは雨マークだし…。

この日は一人でご飯を食べ、台湾ビールで締めました。

チョンチョンという名前の黒いわんこがいるのですが、海外のわんこはどのわんこも、よくしつけられて、いい子です。でも、おなかが空いたのか、私が一人で晩御飯を食べているとおねだり…。でもねぇ、わんこは人間の食べ物食べてはいけなんだしね…と言うと、自分でドッグフードを引っ張り出してきました。まぁそれならいいかとあげたんですが、あとで、それってビタミン剤だったんだよ~とケリー。まぁ、仕方ないですね~。

■ 翌日

朝起きると、メンバー、一人増えていました。タイから来たタオ君です。30代。デカい。タオは明らかにアメリカ発音で、私としてはとってもなじみやすかった。

アメリカへ高校生の時交換留学生で行ったのだそうです。ああ、それ、私が応募しようとして、母に没、決定された奴ね~ 私も行きたかったなぁ、高校生で。まぁ、大学でリベンジ!したからいいんですけど。

タオが来てくれたので、さっそく、三人で岩場へ向かいました。タオは本当に来てくれてうれしかった!

この日、疲れたデイビッド一家は、近所のホステルに宿をとったみたいです。老夫婦がやっているノースパーキング前のホステルだそうでした。赤ちゃんのアントワンが雨の日テント泊ではかわいそうすぎです。

夜ケリーには九分当たりのホステルを勧められていたのですが、そこまで車で20分。その時間すら、どうも節約して、時間を優先したみたい。

早速、サウスパーキングから昨日の偵察通り、通過…しかし、どれもこれも、登るに適した良き課題のようにタオの目には見えなかったようでした…。

午前中の良い時間帯はあっという間に終了…。ミュージックホールに向かって歩いたのは、そこにQXたちがいると知っていたからです…実は。

地元ガイドのQXがいる=雨でもそこそこ登れるのでは?な魂胆です。

残念ながら、ミュージックホールについたころには、ジャージャーの土砂降り。岩に取り付くと降るって感じでした。

即席3人パーティですが、リーダーはタオです。タオの決め台詞、”Who’s climbing?”

これは、5.7に見えるね、と私もタオも思った課題があった!

ロープを出すと、タオが「このロープ新品じゃないか」と。「光栄に感じるね」

確かにマムートのロープ新品…しかし、ザーザー雨で、その新品のロープも、びしょ濡れです…。実は私はこれはリードできそうと思って一ピン目にカムをさしてみたのですが、そうこうしている間に、かなり本格的な雨に。

タオのリードの後のクリーンアップは、せっかくなので、デイビッドにセカンドで行ってもらいました。デイビッドに登らせなければって感じ。カムって経験なので。
タオリード中 これ私も登りたかった

で、私の番になったのですが、登れない…。

岩が滑って保持力マイナス120%な感じでした…。クラックに手をかけると、袖口を伝って水が脇腹に流れ、お腹まで…。これは快適なクライミングとは真逆ですねぇ…とほほ。私はトップロープなのに登れないのでした。2回ほど落ちて、1回目はロープテンションがなく、グランド。2度目は、びよよんとなったけど、やっぱりグランド。

あきらめました。滑って登れない。登れないイメージを入れたくない。

QXと講習生のチェンは、もう帰るそうです。理由は海のほうが重い雲があるから…。どうも海から天気は来るらしいです。

もうロープもザックもびしょびしょで、全員レインウェア着ているのにずぶ濡れ…。QXたちも、岩の隙間に入って雨宿りしています…が、風向きがあり、海に面しているので、ほとんど気休め。

帰ろうよ!となったのですが、デイビッドが、チェンがやっていたWedding Route5.7をやりたいそうです。まぁ、私より先に到着して、6泊も雨続きだったのですから…

気前よく、タオがいいよ、と…。寒いな~と思ったのですが、そこはクライマー。付き合うことに。
雨粒、映っています!
が、長かった…。このリード、たぶん、デイビッドは初トラッドだったと思うんですよね、なので、とっても長かった。

もともと距離も長いルートでしたが、だいぶ長い時間かかりました。ホントに、雨も土砂降り路線。

素晴らしかったのはタオで、先輩として立派でした。文句を言わず、励まし続けていました。文句言って焦らせても、落ちたり怪我されたりしたら、困るのは全員ですから、励ましたほうがいいのです。

私は見ていたのですが、やっぱりプロテクションの設置に右往左往する感じでした。登る前にプロテクションを考えておかないといけないのですが、それができていない。途中で、今から核心に入るから、2つセットしろだの、そこは横クラックに入れるんだ、などヤジを飛ばしました…。上のほうは見るからに細いクラックなのに、小さい番手のナッツを初めで使うので、焦りました。カムの4番は最初のほうで使ったらよかったのに、ずっと使わないで残っているし…どう見ても上で使う余地はないのに…。スリングも途中で足りなくなったみたいでした。

私自身も寒くて、途中で低体温症になってはマズイ!と思い、ザックからクッキーを出してきて食べ、タオにも口まで持って行って1枚食べさせました。なんか食べないと寒くて死んじゃう!まぁ、死にはしないでしょうが、寒いです…。

という、ほうほうの体と言っていい状態でクライミング…。その後、タオが回収に上がりましたが、「クリエイティブなセットだったね」とあくまでポジティブでしたが、プアプロテクションを指摘。

私も見ていて怖かったクライミングでした…が、あとで同じ課題を登ってみましたが、登攀は寝ていて簡単だったので落ちないでしょう…でも、雨でザーザーの中ですから…。

途中でみんなで大笑いして、体を温めました!

さて、濡れて重くなったロープを担ぎ、元来た道を駐車場へ…。QXたちはノースパーキングから来ていたので、例のスケアリー・トラバースを通って帰っていました。

ので、「うちらもそっちのほうが近いのでは?」という質問が出たのですが、パーキングがサウスのほうだったので、結局、元来た道が早いのです。また未知のルートより、既知のルートという定型判断を私がした格好で、元来た道へ。

戻るときは、来た時よりも、アプローチ道が、沢みたいにジャージャー流れていました…。

車について、デイビッドに「いや~、車はありがたいね。ごめんね、濡らして」と言いつつ、乗り込む…。デイビッドをちゃんと生きて家族のもとに返せてよかった☆

私のザックをタオが車の荷物入れに入れてくれたのですが、「これ、俺のザックと同じ重さジャン!」と驚いていました。「いつもこれくらい担いでいる」と言うと(ほんとです)、ちょっと困ったような顔をして見せました。私はザックに、この日はロープと靴、カム一式を入れていました。

私とタオは、さっそく家に帰って、全身脱いで温かいシャワーに入り、乾いた衣類を。そう言えば、私もデイビッドも、ラオスで会ったときと全く同じ衣類を着ていて、笑えました。お互い着た切り雀っぽいです。

そして、夕方は、ほかのメンバーも全員で、海鮮料理の海乃星へ行きました。

メンバーの数だけで、どんどん料理を注文するケリー…ここは中国語のメニューにチェックを入れて、ご飯は食べ放題。クライマー御用達のボリューム満点の店のようでした。

 日曜だったので、大繁盛中だった。
色々とおいしかった。

写真にとって、あとでこれ下さい、と言うのがおすすめ!