2023/05/17

クライマーの心を伝える文章とは何か?クワンデ北壁vs〝Romance Dawn〟5.14- FA

■ 若い人はアルパインもフリーも指導者がいない

最近のジム上がりの新人クライマーはクライミング技術といえば、ムーブのことだと思っており、クライミングを理解していない。

のは、クライマーが書いたクライミングのことを読まないからではないか?と思うんだが…

アルパインクライミングでは、山行報告書の習わしで、文章を書くのが当然の習わしになっているが、フリークライマーは、登攀そのものの時間的にも短いだけに、その登攀の

  個人的な価値

について書くことがすくない。そもそも書かれたものが少ないから模倣もし辛い。だから、若いトップクライマーも登攀について語らない。

だから、読む人も少なく、後進の人が登攀の実際のことが分かるようにならないんではないだろうか?

以下、一流のアルパインクライミングと一流のフリークライミングの記録を、事例として研究してみたい。

■ 事例1 アルパインクライミング クワンデ北壁

https://koyaken4852.hatenablog.com/entry/2016/11/30/165211  より引用

赤字当方。

ーーーーーー

  翌日はお日様がすっかり昇り切ったころの出発となる。ここから第1の核心と思われる右上するジェードルに入っていく。僕がジェードルの入り口までロープを延ばす。双眼鏡で偵察したときはジェードルの下部がこれほど薄氷だということが分からなかった。登れると思えば登れそうだがプロテクションはほとんど取れないのでミスは許されない。傾斜は70~75度くらいだろう。相方が核心に入る。「悪っ」と言いながらジリジリと登っていく。カナダで鍛えた薄氷登りのテクニックを見せてくれる。“よくあんな所を登っていくわ”と僕にとってはひとごと。薄氷の部分さえ抜けてくれれば僕はそのあとの厚く張った氷をリードするだけだ。

 今日の行動食はスニッカーズだ。スニッカーズは何度食べてもうまい。3分の1を二口で食べ、3度に分けて食べるのが僕流の食べ方だ。こうすればたくさん食べた気になるし、身体にたくさん吸収されているような気がする。口から入れたものはなるべく吸収して出さないほうが効率がいい?

 “くそっ、あんな所で切りやがった”まだロープは余っているのに上部に見えるさらに険悪な薄氷の下でピッチを切った。僕がビレー点に着いたら一言、相方が「お前にも面白いところ残しといたで。」僕も一言「有難う。」“仕方がない、行くか”当然プロテクションは取れない。岩から1箇所と気休めにスカスカ氷に半分しか入らないスクリューを決める。

 ここからはピックが1cmほどしか入らないパッチワーク状の薄氷だ。クランポンを置く氷がミシミシと音を立てる怖くない。落ち着いている。5m、10m取れない。途切れ途切れの厚い氷になり、気休め2号を放つ。次第に氷は厚くなり第1の核心は抜けた。ジェードルは計4ピッチ、上部2ピッチは氷が厚く快適な登りだった。さらに1ピッチ延ばし岩の下にビバークをすることにする。登攀を開始するのが遅かったため6ピッチしか進むことができなかった。お互い「今日のピッチは難しかったからしゃあないわ。」と慰めあう。

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・オブザベして、そもそも、自分が登れるかどうかを判断するものだ、ということがわからないと文章の意味が味わえない

・下部のほうがより危険で落ちれないことが分かっていないと味わえない

・傾斜70度=初心者でも登れる=難易度は、リスクと無関係だと分かっていないと味わえない

・薄い氷=危険と分かっていないと味わえない

・ピッチを切る切り方にクライマーの考えが現れるものだと知らなければ味わえない

・悪い=リスク=面白い が分かっていないと笑えない

・ ピックが1cm=かなり入っている方…女性のわたしだとアックスを振り下ろす力が弱いので、1cm入れば上等です。もっと入らなくても登ります。

・5m、10mのランナウトが悪いと分かっていないと味わえない 

・気休め2号 プロテクションの意味が分かっていないと味わえない

・ 6ピッチしか 普通は20ピッチくらいが楽勝だと分かっていないと味わえない

大事なことは文章から、

 リスクテイクのあり方がリアルに伝わってくる=手に汗握る

ってことで、そのリスクが分かるには、ある程度、知識と経験が必要です。

トップクライマーでも5m、10mで緊張している=つまり、死を意識している

のに、一般市民クライマーに40mランナウトを期待していたらしいんですよね、九州では…(笑)。今は、20mランナウトくらいだそうですが、

 市民が、生涯スポーツとして楽しむのに適したリスクかどうか?

議論が待たれているでしょう。なんせ、

 ”1億総おれもいつかはピオレドール賞”だった時代

は、とっくに終わって、

 ”今どきの山や”は、結婚して子供も作る(驚き)

もとっくに終わって、”今だと、

 おれ、在宅勤務なんでジム行くことにしました。憧れはマルチでーす(はあと)

って人が新人なんですよ… その時代に

 お前も20mランナウトに燃えろよ

って(汗)。

■ 事例2 フリークライミング  Romance Dawn 5.14A

 Yuta KashikiのFB投稿より引用。赤字当方。

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 2023.4.27
8年前に自らボルトを打った地元広島:三倉岳のプロジェクトが登れた。
もともとリングボルトが打たれ、基部はキジ場と化していたこの壁は、フリーでまともに試みた人がいないにも関わらず長年プロジェクトと言われていた、そんなラインだった。
さこそ全長15m弱程度だが120°は優にある花崗岩のフェイスは日本では稀有な存在で、プロジェクトとして文句無しのビジュアルだった。
実際に上からチェックしてみると奇跡的にホールドは繋がっていてトップロープながら曲がりなりにもムーブを起こす事が出来たのでボルトを打つ事に決めた。
だがほどなくして仕事の関係で広島を離れる事になった。その片道500kmの現実に事実上通ったり、自分の好きなタイミングやコンディションでトライする事が難しい環境に、本当に終わらす事が出来るのか自信は全く無かった。だが、常に頭の片隅にこのプロジェクトはあった。
内容はショート系のハードルート
離陸した瞬間からボルダーグレードで2〜3段程度の動きから始まり、息つく間も無く縦に距離感のある人工壁のようなムーブが続く。そして、レストポイントを挟みラストはランナウトした状態でシビアなムーブをこなしてトップアウト。終了点は源助崩れのテラスにある木でよくみんなが荷物を広げている場所だ。妥協点は最小限、自分で言うのも憚れるがコンパクトながら素晴らしい内容だ。
しかし、その恐ろしく難しく感じていたこのプロジェクトだったが、登れる時はあっけなく、澱みなく終わった。月日が経ちどうやら少しは強くなっているようだ。思いがけず突然に終わってしまったのでグレードもはっきり言ってよくわからなくなってしまったが、これまで登ってきたどのショート系の5.13台よりも別次元に難しかった事ははっきりと言える。実際はもっと簡単かも知れない。でもこれから色んなクライマーにトライされ登られ、議論して色んな意見が出ればそれで良いと思う。
昔は自分のクライミングの為だけに通っていたこの山も今では仕事で訪れる事の方が多く、付き合い方も変わってきた。だからこそ、その逆境の中でどうプロジェクトと向き合っていくのか、チャレンジしていくのか考えさせられた気がする。そして苦労して乗り越えられた今、クライマーとしてまた少し成長させてくれたと思う。今も昔も自分のクライミングの原点であり、常に厳しさを教えてくれたホームの岩場、これからもお世話になります。だけど、この自己最難クラスの登攀がこれからのクライミング人生の夜明けであるように

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・フリーで長いこと登られていない、見捨てられたルートの発掘 

・長さより、傾斜や難しさ

・ビジュアル

・奇跡的にホールドがつながっている

・課題との付き合い

・登れる自信はなくても頑張る

・ハードかどうかが問題で大きいかどうかは問題ではない

・いろいろなクライマーにトライされ、登られることが価値

・人的成長

・厳しさ、苦労 でも 自己最難

■ アルパイン&フリーの比較とまとめ 

アルパインの価値          フリークライミングの価値

大きさ&悪さ              難しさ&見た目

ピッチ数                 NA

スピードの速さ           見ているだけも含めた長い付き合い 

リスクによって山と向き合う      難しさによって課題と向き合う

核心は悪さ              核心はムーブがつながるかどうか 

隔絶                 みんなに登ってもらいたい

逆境はスノーシャワー         逆境は仕事

本当に向き合っているのは自分     本当に向き合っているのは自分

おれはこのリスクを取れるのか?と向き合う おれはこの難易度が登れるのかと向き合う

■ まとめ

いかがでしょうか?

フリークライミングは、特に前提知識がなくても、クライマーが向き合っている対象がわかりやすいと思うのですが、アルパインクライミングになると、ある程度の知識がないと、そもそも書かれている文章を読解することができないのではないか?ということが伺えます。

そもそも、文章を通じて、

 自分が何と向き合ってきたか?

ということがよく分かる文章が、クライミングに関する文章としては良い文章と言えるのではないかと思いますが、そこには、

 価値観

が当然現れており、アルパインクライミングとフリークライミングでは、価値観は全く違います。

アルパインの人は、壁がデカくないから、と言ってバカにしたりしますが、小さくても難しい壁は、日本にはいっぱいある。

一方、フリークライミングの人は、ムーブがつながる、の意味が理解していなかったりします… チビにはムーブ繋がりませんよねぇ? 

余談ですが、小鹿野で初登と違うホールドだからって岩のホールドが加工された事件が合ったようですが、初登者の自分に使えないホールドを女性や子供を含む他の人が使えることは普通のことで、リン・ヒルの著作にも、手の大きいクライマーが使えないホールドを使ってリンが登ったことが書かれています。

つまり、課題の岩が奏でる歌は、身長別だったり、手のサイズ順だったり、ってことです。

そんなのビレイ中にクライマーを見ていれば、分かるようになると思うんだけど…。

人工壁をクライミングと教えてしまうと分かるようにならないかも知れませんね。

 

一般の人バージョン

ジャム中のわたし

 

フリークライミングは、ボルトルートで覚えるより、トラッドで覚えるほうがやっぱり安全と思う…



【行動プロテクション】5.13登れても、トラッドの5.9は登れない=Ⅵで落ちる

 こちらの記事の内容からすると、

 5.13が登れるクライマーはめったなことでは、Ⅵでは落ちない

は、

  過去の認識

であり、最近のクライマーについては、

 現代的認識 = グレードで、行動プロテクションは判別できない。

が正しい認識のようですね。

もちろん、若いアルパインクライマー志望君が、5.13をまずは目指す、というのは良いことだと思いますが。 

高校生を見て、子供は子供だ、と思わない大人はいないと思いますが、ジム上がり新人男性は、高校生と同じです。

★★★ジムクライミング時代の、クライマー三段論法!★★★

 1)高校生は、まだ子供である

 2)ジム上がりの新人クライマーの行動様式は、高校生と同じである

 3)したがって、ジム上がりクライマーは、何歳であっても、まだ子供と同じである。

 ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

基本的に、まず危険から身を守るすべを身につける前にグレードだけ上がっていって、

 ちゃんとした自立したクライミングの理解ができる前に、みないっちょ前気取り

になっている、っていうのが問題だと思う。


 

2023/05/15

【行動プロテクション】注意義務 …新人にも、高校生にも

山岳部新人高校生と同じ扱いをクライミングジム上がりの初心者クライマーにも適用すべき

なんじゃないだろうか?

■登山事故の凡例

https://www.jpnsport.go.jp/tozanken/Portals/0/images/contents/syusai/2018/text/text1-2.pdf

より引用  赤字は当方。

高校生と同じ扱いを、

 クライミングジム上がりの初心者クライマーにも適用すべき

のような気がするんですよね。基本、自信のほうが過剰のような気がします。

それは

 年齢によらず、男性新人全員に適用できる法則

のような気がする。 

 ジム上がりクライマー=大人だから自己管理できる、という前提事態が間違っている、

のでは?

ーーーーーーーーー

(2)指導者が負う注意義務の内容
高校の山岳部の指導者が負う法的な注意義務の内容
は具体的な状況に応じて異なる。以下に裁判になった
ケースをあげる。
① 1952 年(昭和 27 年)北海道の芦別岳で高校の山
岳部の顧問教師が6人の生徒と登山中に,登山ルート
を間違えて傾斜が 50 度以上ある岩場に直面し,そこ
を登ろうとして2人の生徒が滑落して死亡した。
裁判
所は引率していた教師に,危険を察知して引き返すべ
き注意義務があったと述べた(札幌地裁昭和 30 年7
月4日判決,判例時報 55 号3頁)。
生徒に岩登りの経験がなく,教師は「岩場を登るの
は無理ではないか」と考えたが,「大丈夫だ」という
生徒の意見を尊重してその判断にまかせたことが事
故につながった。教師が生徒の意見を尊重した点は,
2017 年の那須の雪崩事故の状況に似ている。那須の
事故では,尾根に出たところで引率教師が引き返そう
としたが,生徒が「登りたい」と言い,教師がそれを
容認したことが事故につながった。
生徒が登山の意欲に溢れている場合には,生徒の判
断は危険性を軽視しがちである。
安全管理については,
判断を生徒に任せるのではなく指導者が判断をしなけ
ればならない。指導者は,常に自分が安全管理できる
範囲を自覚し,判断に迷う場合や判断に自信がなけれ
ば,行動を中止すべきである

② 1983 年(昭和 58 年)高校の山岳部の沢登り中に,
部員の生徒(1年生)が徒渉に失敗して溺死した事故

がある。この登山は,教師が同行せず,生徒だけで企
画されていた。沢のレベルはやさしかったが,亡くなっ
た生徒が疲労し,沢で転倒して流されたことが事故に
つながった。裁判では,計画段階の安全管理に問題が
なく,顧問教師の注意義務違反はないとされた(京都
地裁昭和 61 年9月 26 日判決,大阪高裁昭和 63 年5
月 27 日判決,判例タイムズ 672 号 203 頁)
この種の事故は,登山計画の段階の安全管理だけで
防ぐことは難しい。縦走登山中の登山道からの転落
故なども,登山計画の段階の安全管理だけで防ぐことは
難しい。この種の事故を防ぐためには,指導者が登山
に同行し,登山中の生徒の疲労の程度や現場の状況に
基づいて事故の危険性を判断し,適切に対処する必要
がある。指導者は生徒の部活動に常に立ち会う義務は
ないが,事故を防ぐ観点からいえば,危険を伴う登山で
は指導者が同行して現場で安全管理をする必要がある。
指導者に生徒の登山に同行して安全管理できるだけの
自信がなければその登山を実施すべきではない。指導
者が同行せず,生徒だけで実施する登山は,危険性の
低い登山に限るべきである。
③ 1994 年(平成6年)7月の朝日連峰での山岳部
の登山中に生徒が熱中症で倒れ,死亡する事故が起き
た。引率教師は,登山中に動けなくなった生徒の冷却
措置をとり,テント内で休憩させたが,すぐに救急搬
送の手配をしなかった。裁判所は,引率教師が熱中症
の生徒を直ちに救急搬送しなかった点に注意義務違反
を認めた(浦和地裁平成 12 年3月 15 日判決,判例時
報 1732 号 100 頁,判例タイムズ 1098 号 134 頁)
登山計画を立てる段階で熱中症の可能性を想定し,
安全管理計画を立てることは必要だが,それだけでは
登山中の熱中症を防ぐことはできない。引率指導者は
生徒一人ひとりの登山中の状況を観察して,適切に対
処することが必要である。
登山に同行する教師は,「定期的に水分補給や休憩
をしているので熱中症になることはない」「この程度
の気温では通常は熱中症になることはない」などの思
い込みを捨てて,現実の生徒の状態を観察し,熱中症
の兆候がある場合には速やかに適切に対処すべきであ
る。まして山の中では,すぐに病院に収容できるわけ
ではないので,疑いを持った時点で対応を開始し,悪
化する前に救急搬送の手配等を行う必要がある。結果
的にはそこまでする必要がなかったというケースが多
いと思われるが,特に学校での活動では万一の事態に
備える考え方が必要である。
④ 1985 年(昭和 60 年)山岳部での活動ではなく,
高校の学校行事として行われた登山中の事故のケース
であるが,生徒が六甲山を登山中に登山道で生じた落
石を受けて死亡した事故がある。この登山は教師が同

行せず,生徒らだけで実行されていた。裁判では,教
師が負う注意義務の範囲が問題になったが,高校生は
一定の体力や判断力があり,教師は登山道で生じる落
石事故を予見できなかったとして,教師の注意義務違
反が否定された(神戸地裁平成4年3月 23 日判決,
判例時報 1444 号 114 頁,判例タイムズ 801 号 208 頁)
高校の山岳部の活動でも,登山道で生じる落石事故
を計画段階で防止することは難しい。指導者が登山に
同行していても落石事故を防止することは難しく,指
導者に注意義務違反が認められないことが多いだろ
う。ヘルメットを着用しても,すべての落石に効果が
あるわけではない。落石事故を確実に防ぐ方法はない
が,落石に対する警戒を常に怠らないことが,事故の
リスクを低くすることにつながる。 

2023/05/14

【行動プロテクション】山ではなく、あなたが危険

■ EnjoyClimbing の文化

九州=Enjoy Climbing文化貧困の地、

なんだが、これは土地に由来するカルチャーによる、呪縛、であると思う。

理由1:山梨で、トップクライマーなどと登って、一般的なクライミングカルチャーを身につけたはずのA木さんも、もともとが「○○で一番死に近い男」と言われて喜んでしまうタイプだったからかもしれないが、「敗退ロープなし」のリスク(というより愚かさ)の意味がよく理解できないようだった。

理由2:御坂時代に、九州で5年登っていた、と言っていた自衛隊の男性がフリークライミングのルートを全部Aゼロで登るので、は?と謎だったが、その人は、本州に行って、きちんとしたクライマー教育を受け直して、今ではまともなクライマーになったそうだ。

理由3:こっちでは、米澤さんと小山田さん、長崎のクライマー、樋口先生の一団以外、まともな感性のクライマーに会ったことがない。どの人も、まずは、見かけだけのイケイケ自慢、がベースにあるようで、閉口中。分かっていないことを分かっていないように思われるが、指摘すると怒り出す。例:終了点ロープ直がけがローカルルール、子供にヘルメット被せない、5.9でイケイケモード、間違ったビレイ、支点ビレイ

理由4:指導者の頭の中も、古いようだ。例:M8カットアンカー、水平2点打ち終了点、支点ビレイ、残置で本ちゃん。オリンピックのビレイで外岩。

というような理由で、そもそも、技術的な理解が不足しているというよりも、

 リスクテイキングの仕方、

が間違っていると思う。

■ トレードとの比較

例えば、信用取引は、レバレッジを掛けることができる。

こうだ。25倍のレバレッジなら、100万円の投資を4.5万円で行うことができる。

1ドル100円が、101円に動いたら、100万円は、101万円になり、1万円の収入を得ることができるが、原資は4.5万円だから、4.5万で1万円の収入を得たことになるという取引だ。もちろん、逆も起こる。

つまり、100円が99円に下がったら1万円の損失、98円に下がったら2万円の損失。95.5円以上に下がれば、4.5万円がゼロになる。94円だと、追証が発生して、1.5万を入金しないといけない。

かりに、150円になれば、4.5万円で50万円の利益がえれるが、50円に下がれば、45.5万円の損失だ。

このようなケースで、怖いのは、レバレッジだろうか?いや、

 レバレッジ=怖い、

という考えは、間違っている。

レバレッジが怖いのではなく、方向性に確実性がないまま、賭け事に出る姿勢が怖いのである。

この場合は、円が上にブレるか、下にブレるか、50:50の場合は、掛けごとである。

しかし、90%で必ず上がると分かっていたら、それは賭け事だろうか?今日、降水確率が90%ですよ、と言われた日に、傘を持っていかない人がいたら、それは分かっていただろ!と言わないだろうか?

同じことが、クライミングに言える。ルートの長さが25mのときに、50mロープではすっぽ抜けが起こることは、予め分かっている危険だ。

50mロープ一本で登っているときに、ピッチを2つ繋いでしまえば、ロープが足りなくなるということも分かっている危険だろう。

いくら、5.13がジムで登れても、クラックの経験値がゼロだったら、ヨセミテで、いきなりリードで取り付くのは、まぁ、誰にでも結末が見えている愚かな選択肢、だろう。

しかし、90%で晴天というときに雨が降ったら?それは、仕方なかったね、と誰でも言うだろう。ジャンボさんの事例はそのようなものだと思われる。 

愚かである、幼稚である、というのは、雨が降ると9割わかっているときに傘を持たないで出かけるようなクライミングのことであり、それは、リスクテイキングとは言わない。

クライマー本人に起因するリスクがある。それは、

 そうしたリスクについて 考えることを面倒くさがる習慣

である。思考停止は、クライミングにおいては、それだけで、リスクオンで、いつ何時、大暴落…逆方向への動き…を起こしてもおかしくない、ということだ。

■ 事例

以前、アイスクライミングに行ったときに、登っているクライマーの落氷が当たる場所にたち、新人のわたしと相方に、アックスを使った支点づくりを指導しようとしたクライマーがいた。自分は先輩だと自認し、先輩風を吹かせてくれた次第だが、そこに立っていたために、ラクが当たって、ヘルメットが割れた。これは、アクシデントだろうか?

いやちがう。そもそも、ラクがあるところに立ってはいけないという、基本を学びそこねたそのクライマー自身がリスクなのである。

いくら、教えてあげたかったから、という心理的な理由があったとしても、アイスクライミングの基本を学びそこねている、という事実が覆ることは無い。

ラクがあって当然のアイスの登攀中のフォールラインに立たない、

なんて、クライミングに行った初日で教わる。むしろ、教わらなくても、勝手に分かるようになるようなことである。

しかし、最近の若い人は、なにもかもを言語化しないと、分かるようにならない。

日本でもハイコンテキスト文化が終わりつつあり、ローコンテキスト文化への移行中であるため、察するという能力が低下してためだ。

これは、問い、を立てることで、思考にエンジンがかかり、思考停止を辞め、みな考え方をマスターすることができると思う。

■ 人的危険リスト

さて、このような理由なので、ローコンテキスト文化による、ハイコンテキスト化が、今、求められていることだ。

以下は、クライマー自身に起因している危険である。

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・登ろうとする山の事前の研究や情報の不足  → 慢心
・トレーニング不足 → 怠惰
・不良な健康状態での入山 (高齢になっても山を保守的にしない等)
・装備不足や装備を持っていても、それを使うための技術の未熟さ → 怠惰
・ずさんな食糧計画 
・体力や技術がともなわない登山ルートの選択(例:白亜スラブ)
・生活技術や幕営技術の未熟さ
・ナヴィゲーション技術の未熟さ
・健康管理に関する知識の欠如
・天候判断の知識不足
・リーダーシップやフォロアーシップの欠如

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ハイキング(一般登山)でも、無謀といえることはよく起こる。たとえば、心臓病に持病がある人が、数日の日程で、薬も持たずに、ヘリも飛べない、隔離された山、例:北海道や南アルプス深南部など…に入るなど。

他にもあるかもしれないが、とりあえず、これらを当てはまるかどうか?が、事故時に検証されるべきだと思う。

■  ジャンボさんと佐藤ユースケさんのケース

昨日、ジャンボさんの遭難報告書を読んだ。

https://www.jpnsport.go.jp/tozanken/Portals/0/images/contents/syusai/2020/tozankensyu.vol35/tozan35_3-1yokoyama.pdf

同時懸垂下降でのすっぽ抜けの事例だった。

これは、ジャンボさんの人的リスクだろうか? ちがうだろう。

すっぽ抜けと言えば、馬目さんも懸垂でのすっぽ抜けをしているし、花谷康弘さんも同じだ。

スピードアップのためにストッパーノットを省略する、というのが、一流クライマーの流儀になっていて、そのためすっぽ抜けリスクは引き受けた上での登攀ということになっていると思われる。それだけ、現代のクライミングが

タイムトライアル的

ということだ。

一方、一般クライマーつまり、EnjoyClimbingのクライマーには、そんなタイムトライアルは必要ない。

時短は、追いかけるものではなく、クライミングを続けていれば、時間の方が勝手に短くなり、勝手にかからなくなって行くものだ。読図が上手になれば赤布が追いかけてくるようになるのと同じである。

■ 方向性の間違ったトレーニング(マルチに行きたいのにショートでグレードだけを追いかける)

ところが、マルチに行きたいクライマーが、マルチの手順を踏まずに、日頃ゲレンデクライミングを繰り返していると、その手順は経験値として積み上がっていかない。

例えば、ロープをまとめる速さが生まれてこない。ロープはロープバッグに詰め込むだけだからだ。(ロープバッグに入れておくにも、上下を不必要に返さない、返す場合もそっと返す、などと工夫が必要)

結局、ショートのトレーニングを何回重ねても、マルチに行くための、経験の土台が築かれない。ので、ショートしかしないのに、なんでマルチに行きたがるんだろう?とわたしなどは思う。

マルチに行きたい人はショートでも、リード・フォローで登って、セカンドの確保は上の終了点でやり、2人で、懸垂で降りてくれば、1ピッチのマルチに行ったのと同じことになる。

これをやらない人が、マルチに行きたがる=ただのミーハー・同調圧力、ってことで、行けるための根拠を積み上げていない。

そんなミーハーにつきあわされて、なんで自分の積み上げた技術を出さないと行けないのだろう?というのがわたしには謎だった。それは、搾取であって、ぜんぜん山の友情とはちがう気がする。

■ ローワーダウンでのすっぽ抜けと同時懸垂下降でのすっぽ抜けは同じ

さて、上記のジャンボさんのミスで、ジャンボさんは、原因は特定できていない。すっぽ抜けが起こった状況は、一般クライマーでもローワーダウンをするから、その状況と同じだ。

ローワーダウンで、普段、20m以下の短いルートしか登っていない人は何年登っていても、末端のすっぽ抜けには無自覚なまま、クライミング歴を積み上げていくだろう。

アイスでは、易しいルートが登れたら、次は、難易度をあげるのではなく、壁を大きくしていく、だから、ロープ長については、すぐに気がつく。55mの滝を登るには、60なら2本を連結しなくてはならず、ノットの通過がある。あるいは120mロープが必要になる。

昨今は、クライマーは

 グレードだけを追い求めている

 だから、ロープ長が足りなくてすっぽ抜けを起こしそうになったヒヤリハット事件というのは、初心者をとっくの昔に超えた10年選手になっても経験していなかったりする。

ローワーダウンで、ロープの残りが数メートルになったら、普通わかっている人は、何も言われなくても、ストッパーノットを結ぶものだ。

そして、そういう人が価値あるクライマーであって、高いグレードが登れるだけって人は、そのへんにゴロゴロしている。

無自覚なままの事故と、ジャンボさんのミスのような者は全く本質がちがう。味噌糞一緒くたにしないことが大事だ。

どんなに気をつけていたとしても、起こるときには事故は起こる。

それと事故をわざと誘発しているようなメンタリティがクライミングカルチャーとなってしまっているのとは全くちがう。

九州では、推測に過ぎないが、単に、手抜き・怠惰を、かっこよさに転嫁しているだけなのではないだろうか?

それのどこがかっこいいのだろうか?




2023/05/13

【行動プロテクション】ヨセミテでもよくあるプロテクション設置できない現代クライマーの事例

これは、AACの事故報告本からの引用です。

https://amzn.to/41sfm36 キンドル無料で読める。

文字起こしさん利用

INADEQUATE PROTECTION - MISPERCEPTION OF DIFFICULTY
Yosemite National Park, Half Dome
On May 13, Peter (31) and Alain (26), both from France, were climbing pitch sit
of the Regular Northwest Face (VI 5.9 C1), hauling a bag for a bivouac at Big
Sandy Ledge. Peter took a 20-foot lead fall on the crack labeled "5.9 polished
fingers" in the Supertopo guidebook. One piece of protection pulled and he
landed on a ledge, injuring his ankle. They rapped to the base and called 911.
They bivouacked that night, and the next day Peter was assisted by SAR team
members to hike up to the main hiking trail on Half Dome. From there the NPS
gave him a horse ride out due to his sprained ankle.


Analysis
Peter said that he misjudged the difficulty and the amount of protection needed
to avoid the ledge. He rates himself as a 5.13 climber, but he fell on a 5.9 section.
This is a good reminder that ratings are subjective, and that Yosemite crack
climbing is a specialized technique.
(Source: John Dill, NPS Ranger.)

赤字当方。

不十分なプロテクション - 難易度の誤認識
ヨセミテ国立公園、ハーフドーム
5月13日、フランスから来たピーター(31歳)とアラン(26歳)は、ビッグドームでビバークするためのバッグを担いで、レギュラー北西壁のピッチシット(VI 5.9 C1)を登っていた。
を登り、Big Sandy Ledgeでビバークするためのバッグを運んでいた。
Sandy Ledge "でビバークするためのバッグを運んでいた。ピーターは、スーパートポに「5.9 polished」と書かれたクラックで、20フィートのリードフォールをした。
Supertopoのガイドブックには「5.9 polished fingers」と書かれていた。プロテクションが一枚切れてしまい
レッジに着地し、足首を痛めた。彼らはベースまでラップで移動し、911を呼んだ。
その夜、彼らはビバークし、翌日、ピーターはSARチームメンバーの助けを借りて、メインのハイキングコースまで登った。
ハーフドームの主要な登山道までハイキングしました。そこからはNPSが
は、足首の捻挫のため、馬で移動することを許可した。


分析
ピーターは、レッジを避けるために必要な難易度とプロテクションの量を見誤った、と言った。
彼は自分を5.13のクライマーと評価しているが、彼は5.9のセクションで落ちた。
これは、クライミングの評価は主観的なものであり、ヨセミテのクラッククライミングは特殊な技術であることを思い知らされる良い機会である。(出典:NPSレンジャー、ジョン・ディル)

20フィートは6.1mです。

■ 世界中、ちゃんと教わっていない男子はみんな同じでは?

というのがわたしの感想です。

日本でもしょっちゅうこのようなことが起こっていますが、米国では冊子になっており、日本では、事故が起きても、事故報告すらされない、ということで、日本のクライミング界は、世界に遅れています。

【原理原則】花崗岩のランナウト、石灰岩のランナウト

 ■ 垂壁のランナウト  ランナウト許容度 △


 花崗岩(スラブ)のランナウト ランナウト許容度 大

■ 石灰岩(オーバーハング)のランナウト ランナウト許容度 小

これが年配の人は、一緒くたで考えているんではないですかね?

今の時代って、ボルダーもですけど、最初っからどっかぶりです。 15度の傾斜なんて、初心者向け、とされており、私でも登ります。甲府の人工壁は40度で5.11からしかない。それを15度にして練習で登っていました。

15度でも、下部では落ちれない。

一方、スラブで85度の傾斜は、易しくはないですが、よくある傾斜、つまり普通です。スメアで歩ける場合もある。これで落ちるのは、後ろに走れ、とよく言われます。

私はこんなので落ちるのと、オーバーハングで落ちるのが混同されて議論されているから、結論が出ないのだと思いますが、ちがうのかね?

山梨で初心者の岩場とされている西湖の岩場は私も通いましたが、上部ではありますが、ランナウトしています。

いっぽう、どっかぶりは、上に行けば行くほど、安全になり、ランナウトによる地面激突より、ソフトキャッチのほうが大事になります。

被っている下部核心の課題、っていうのが初心者が最も取り付いては行けないリード課題で、まぁ大体ボルダーっていうのは、いきなり被っています(笑)。マットに落ちて死なない高さにしておく&マントリングで落ちない、が大事です。

2023/05/12

ビビっているときが一番楽しいとき

 ■ ベテランは中道論

最近、経済指標生活、しています♪

CPIというのは物価指数で、海外では、物価高で大変なようで、海外の友達は悲鳴をあげています。

私もスコーミッシュ、物価高いなー!と思って、行きたいのか?行きたくないのか?わからなくなりそうです(笑)。一泊30ドル以下では、宿が見つからない感じです。日本でだって2000円くらいで泊まれるのに。車で寝泊まりするのは、できるのだろうか…なら、レンタカーしたほうが安いかも。アメリカでの運転は、30年ぶりとかになりますが…。危険だなぁ。

消費者物価指数CPIがでたので、いろいろな人が解説してくれていますが、 やっと大井さんのが出た。

大井幸子さんと田中泰輔さんを、私は参考にして、トレード戦略を立てています。おふたりとも海外のヘッジファンドや銀行で第一線で働いて、海外事情通。

というのは、私のOL時代の経験値からも、海外の市場経済と日本の市場経済は切っても切れないのに、日本国内では、あまりそれが理解されていない、と思っています。

日本経済をメタ認知する、となると、一つ視点をあげて、世界から見る。

九州の岩場をメタ認知する場合は、全国の岩場の視点から見る。

日本の岩場をメタ認知する場合は、世界の岩場の視点から見る。

こちらが大井さんの動画。https://www.youtube.com/watch?v=6IQAqM9d2qU&lc=UgzxA1LqaZ8iEUXKo3B4AaABAg

こちらが田中さんの動画。https://www.youtube.com/watch?v=TEfrqQC0zEE

マーケット関係者は、まぁ、あんまり動じていません。

で、国内若手トレーダーのレバナス一本リーマンさんなどは、ビビりまくっている感じです。https://www.youtube.com/watch?v=tg9PUuQ78xY

■ ベテランの余裕 vs 新人のコーフン

アルパインクライミングとか、フリークライミングでも、同じことじゃないかなと思ったりしました。

初めてルートに出る、となると、ビビりまくって、調べに調べ、ビーコンまで持ってジョーゴ沢に行くみたいなことになりますが、まぁ、ベテランになると、「ん?気温0度以上、あー、今日は辞め辞め」みたいな感じで、すっかり前提条件に通じてしまって、危険な橋はそもそも渡らないので、どのルートに行くにも、ほぼほぼ楽勝になってしまう…って感じではないかと思ったりします。

田中さんなどは、日本株は、サイクル銘柄、と言っています。つまり、四季があって、下がれば買い、上がれば売るだけ。粛々とこなす。

それを日本人個人投資家(つまり、山岳会の新人)は、わー、ユニクロ、上がったー!買わねば!と高値圏で買って、みんなが売り払ったところで高値づかみで損切できず、しばらく我慢して、価格が戻った途端に売り…となると、何のための投資だか…ということになっていると指摘しています。

つまり、目の前の価格変動に乗せられて買っているって話です。

今日も日経平均2万9千円超えだった。ので、粛々と手持ちの投信、売却。高値で売って安値で買う、これが基本なので基本戦略通りですね。

問題は、キャッシュで持つ以外、今は世界中、見渡しても何も安いのがない感じです。

割安株がないから、日本株で個別銘柄って話になるよなぁ…。

その流れでは、今日はインドのETFを発見しました。1678です。ただ買い時は少し先みたい。 まぁ短期売買ではない場合は、タイミングは分散なので、そこまでシビアではなく、大まかに安値圏に入れば、買いです。

現在の、日本株の高値は、日本企業の業績が良いからではなく、

 米国景気→ドル高・円安→日本株割安感→買われる→株高、

ということで、余り日本の実力とは関係ないみたいです。もちろん、個別株は別ですが。

基本、日本株はサイクル銘柄で分散投資による長期保有には向かないので、個別株はベンチマーク的な使い方をするために保有するのが良いかもしれません。例えば、ファナックの株価は、製造業の在庫の循環、キチンの波を表しているそうです。なのでミニ株で仕入れました。

そういう景気のサイクルを掴むと、ベテランの気持ちになれるような気がします。

私は、株式は、自分が応援したい会社の株を買うのが王道だと思っていたのですが、相場の世界はとっくの昔にそんな牧歌的な時代は終わって、金融工学が作り出すお祭り騒ぎの景気循環にみんな波乗りするように乗っかっているらしいです。ので、誰でもそういうサイクルを覚えたら、市場からお金を取り出せるようになる、と思われます。

これは山の世界とも似ています。

■ 飽き

これは、誰にも言えないでいたことなのですが、アルパインでも、なんか自分の山のてっぺんは見えた感というか、冬の八ヶ岳に皆が集まって来てしまう理由が分かってしまったというか… 北アで難しい天候をこなす体力気力、やっぱりなくなってきますよね、若くなくなると。

私などはスタートが38歳、なので、最初から北アの厳冬期は自分にはないと思って、せいぜい春山止まりです(が、それでもGWでも、厳冬期並みに気温が下がること、ありますよね)

だから、代替えでフリークライミングでもしようか…ということなんですが、フリーの世界でも、え?ボルトがボロすぎて登れない?!ってことなので、なんか、フリークライミングという山の、てっぺんがはげ山だった、みたいな感じ(笑)。

スポーツに行く気にはなれないですし… それだと全然ちがうスポーツですよね。

じゃあ、海外で登るしかないじゃん~って理由で、みんなが海外に行っていたんですね…。

だから私は英語が話せるのでモテるわけか(笑)。

海外って言っても、日本のクライマーは、そうそう日常にすることはできないでしょう?というので、クライミングという山の終わりは見えてきたよなぁ…みたいな気持ちは、実は山梨を離れた頃からすでにありました。別に福岡に来なくても。

もともと、冒険や探検が好きな私から言わせれば、登山って、すっかり隅々まで探検しつくされて、もう余白がない世界、みたいな感じです。

もちろん、5.13が登れるクライマーには、まだまだ余白があるのかもしれないんですが、上級クライマーの様子を見ていると、そうとも思えないというか…。

余白=もろくて、誰も近づきたがらない、じみーな岩場、みたいな感じだったりするので、健全な大人の知的好奇心を満足させる遊びとは言えないなぁ、って思ったり…

というので、福岡では、別の山に登る時期だと心得、ヨガの山に登ろうとしたり、自然農という山に登ろうとしたり、あるいは、オーソモレキュラー栄養学の山に登ろうとしたりしてみましたが、数年で、どれもてっぺんが見えてしまいました。

まだ、トラッドという山は登りたいかもしれない… というので作戦を思案中ですが、多くのベテランがトラッドという答えにたどり着くのと同じ理由で、たどり着いているような気がしています(笑)。

色々サイクルが見えていない、ビビって投資している頃が一番楽しいんですよね。

まだ、何も分かっていなかった、あの頃は楽しかったなぁ…

   こういうのに行きたかったんですよね、初心者の頃は…


ロープを出す基準

 ■ 混乱しているアルパインロックでのロープを出す基準

これまでの経験から言えることは、アルパインロッククライミングにおいてリスク認知は、

 ロープを出す基準

に深く関わっており、その基準を誰もが

 俺が正しい

と相手に押し付けるために、

 どっちがより命知らずか?競争、

に陥っている、ということです。

■ 九州人のロープを出す基準は、出さない方向=つまり怠惰方向

私個人の経験でしかありませんが、九州人のロープを出す基準は、出さなければならないと一般市民向け山岳会で標準的に考えられている基準より、どうも出さない、方向です。

これは、以前の会(家庭的)で36歳男性(背も高く肥満もない)に対して先輩たちがロープを出してきた基準より、私が持っている自分にロープが必要だ、という感覚は、え?こんなところでロープ出すの?だったためです。

つまり、大雑把に言えば、前の会の人より、私はロープ要らない派、でした。スタンディングアックスビレーも、「こんなところでいらないなぁ。歩ける」ってところで会の先輩たちはロープを出していました。

ところが、九州に来たら、

 ここは絶対にロープがいるところ、

 あるいは、

 マルチの終了後などで2級の歩きでも、ロープを解かないところ、

と私の経験や、青木さんとの登攀で行われてきたロープの出され具合から、私には確信的にロープを出すべきだと、感じられる場所でも、ロープを出さない人たちが主流でした。

例えば、マルチ終了後、短距離で2級がでてきたら、ロープは解かず、岩にかけながら前進するのが普通です。しかし、こちらの岳人や一緒に登っていたA木さんは、その感覚は持っていないようでした。

福岡山の会の人にも、私がスリング出して自己確保でちょっとした下降…マルチの後…を降りたら、え?と驚かれました。

■ 基準は 厳冬期甲斐駒 8合目

本州だと、雪の山で、ロープを出す・出さないの基準は比較的わかりやすいです。

厳冬期の赤岳で、天候や視界に特に問題がない場合では、ロープ無しで歩けないような人は、まぁ、アルパインスノーはお呼びではありません。一般登山の雪山で、もう少し歩きの経験値を積んでから来てください、みたいな差し戻しです。

同じようなのが、厳冬期甲斐駒です。落ちたら一環の終わりのところがあります。

まぁ人間は、落ちたらやばいなと思っていると落ちないので、実際は、通れてしまうことが多いですが、そのような場所でロープを出さない姿勢自体が咎められる、ということになっています。

花谷ガイドが口を酸っぱくして若い人に、少しでも不安を感じたらロープを出せと繰り返していました。

■ 岩 

一方、アルパインロックになった途端に、なぜかロープを出さないほうがエライ、みたいなことになるのですが…

5.XXというグレード自体が、もうそこからはロープが必要、という意味に解釈されるべきですが、されていない。

そこに最大の問題があるように思います。

”ロープ出す、出さない”問題は、本質的に言えば、”怠惰・非怠惰”の争いです。それを”かっこいい悪い”問題に転嫁すると、つまり、出さないほうがかっこいいという

問題のすり替え

にすると、”怠惰”を”かっこいい”ということができるようになります。

 ロープ出す  → 非怠惰 → かっこ悪い

 ロープ出さない → 怠惰 → かっこいい

というので、ロープを出さないほうがかっこいい、という論理?は、ただの怠惰の隠れ蓑に使われていることが多いです。

■ 山は誰にでも平等 = Aという山に行ける人と行けない人がいる

当然なのですが、多くの現代人が分かっていないことの一つに、山は誰に対しても平等、ということがあります。

例えば、この人は新人だから、気温を調節してあげよう、とか、晴れにしてあげよう、とかありません。傾斜をゆるくしてあげよう、とか、風を弱めてあげよう、とかもない。

初級ルート、入門ルートという言葉が誤解させるようですが、それらはあくまで、かかる時間の短さや、傾斜のゆるさ、であり、危険が減ります、って意味ではありません。

寒いときは寒い。入門ルート初級ルートでも寒い(笑)。

そこが、どうも、言葉の綾でわかりにくくなるみたいなんですよね。

人間がやっている競争は、相対的競争です。でも、山が求めて来るのは絶対値としての実力です。

男性クライマーは大体、あいつが○○登れたんだから俺も行けるハズ、みたいな心のなかでの計算をしています。

それが大間違い。大学生が○○尾根登れたら、俺も行けるかというと、予備力が違います。

私はヤマレコに、一般登山者と、本格的がつく登山者の間を埋めるようなルートの記録をよくあげていました。

例えば、雪山の入門としたら、3月の金峰山を御岳新道から登るとか、です。あるいはツルネ東稜の縮小バージョンで地獄谷から。

そのような、本格的なバリエーションと一般登山の間のようなルートで基本的なリスク管理を学ぶ、という初歩の段階を飛び越して、『チャレンジ!アルパイン』に進んでしまう、あるいは、『日本登山体系』に進んでしまうことが、根本的な遭難原因…

  山の絶対値を相対的な競争に置き換えてしまう

という誤解に陥っている原因のように思います。

たぶん、高校山岳部では沢登りをいっぱいすると思うのですが、沢にワンシーズン程度は最低でも捧げないと、アウトドアでの、リスク感性は身につかないのではないでしょうか?

というのは、沢こそ脆いので、傾斜に関係なく、危険かそうでないか?によって、ロープを出す出さないの判断が必要だからです。

■ 雪の山でも危険な人はいっぱいいたな

振り返ってみたら、雪の山でも危険だなーって人はいっぱい会いました。

・厳冬期の-20度にもなるヤツにアイスに行ったら、携帯出すのに15分かかった人がいた。じっと待っていると寒さで死にます(笑)

・厳冬期のヤツで酔っ払って登山口に来た人がいた。

・素手でピッケルをつかもうという人がいた。

・明日大荒れ、で12時から天候下るとわかっているのに、11時敗退を受け入れられない人がいた

・ウエアが全然ダメ

・冬靴もシェルも貸してアイスに連れて行ったら、2度めを断るとケチ!となじられた

・ガスで視界がゼロなのに、適当に前進したがる

・コンパスウォークができないのに、なぜか荷物だけは不必要なものでぎっしり重たく、ザックの中に芋きんとんが入っていて、凍りついていた

とリスク管理の観点からは、?な事件が結構ありました…

それらは、みな、山行計画を立てる時点で、シミュレーション不足、から来るのではないか?と思います。

逆に、ある会は、ものすごく慎重で慎重すぎるくらいでした…例えば、ジョーゴ沢から硫黄を詰めるという山をした時、ビーコンを持たされました。たしかに雪崩れたら、逃げ場なさそうな地形なので、それは受け入れてビーコンを持って行きましたが、赤岳山荘でビーコンチェックしている私達パーティを、ガイドさんが不思議そうな顔して見ていました(笑)。だよね~ 今からどんなスゴいルート行くねん、って思うよね~と思ってちょっと恥ずかしかったですが…。

むしろ、その会は責任を感じている会ということで、やりすぎ!なくらいでちょうどよいのがリスク認知だと思います。

その会は、山行計画書にジャケットの色を書かせていました。というのは、遭難したら、レスキュー隊が最初に必要な情報が、

 ジャケットの色

だからです。

■ フリークライミングのリスク管理

一方フリークライミングに来たら、まぁアルパインと比べるとリスクフリーな感じなので仕方ないかも知れませんが、リスク管理ゼロっぽくて、驚きました。

しかし、海外で登るとなると、リスクありますよね?

なんせ、怪我したら、海外の病院って…先進国以外はどうなんでしょう?

ラオスは、一回目の時に現地の日本人グループと知り合いになり、そのうちの一人は現地で働いている看護婦さんでした。

なので、少し安心があり、それで一人で行きました。台湾も、すでにラオスで一緒に登った人とだったし、まぁ無理をさせられることはなく、大丈夫だという感触はありました。行動プロテクションというやつです。

しかし… ”ロープを出さないほうがかっこいい”と思っていると、行動プロテクションゼロ、です。

怠惰が逆にかっこいいという逆転現象になっている場合、どう転んでも危険に陥る敷かなくなります。

そこのところは、一旦、ロープを出さないほうがかっこいいという価値観が男性の頭に植え付けられるとそれを撤回するのは、かなりの労力というか、本人にしてみれば、自己存在の否定みたいなことになってしまうので、クライマー人生の初期に、

 良き岳人の手本&ロープを出す基準

を先輩からインストールされる、というのが大事なことだと思います。それをしそこなった場合、撤回するのは、かなり大変になることが予想できます。

■ 岳人と言えるレベルと思いやりレベルはちがう

同じ難度でも、スキルが低かったり、体力が低かったりすると、怖く感じます。

ので、ロープが欲しいという水準は個人の中でも、変化します。年を取れば、誰でも、保護が欲しくなる。

カッコつければ、もうリード欲はない、です。

なんせ、リードするほうが楽しいのですが、年を取ればリードしなくても楽しくなる。

一方で山が要求するロープがいるという水準は変わらないし、難易度も変わらないので、登れる山は必然的にだんだん低レベル化していきます。

それでいいと思います。

フレッド・ベッキーって、ヨロヨロ、ヨボヨボのおじいちゃんになっても、自分でバックパックを担いで、登り続けていましたよね?

そういうのが、真のかっこよさ、ではないか?と思います。ま、ちょっと頑固で意固地な気がしないでもないですけど(笑)。

■ 怖いという人には出してあげるのがかっこいい

36歳男性のほうが、私よりロープのニーズが高かったのですが、あの経験を後から反芻して考えた結果、結論は、

 怖がっている人には、自分には要らないところでもロープを出してあげるのが仲間

ということがわかりました。たとえ、大の男なのに男らしくないなぁ、と内心思っても、です。

それが山仲間として必要な態度だからです。それが本当の優しさ、です。

一方で、山が要求する基準は、絶対値なので、

 「○○山は君にはまだ早いと思う」

ということは、言える人でなくてはなりません。優しさと迎合はちがうからです。

男性山やの教育で大事なことは、これらのロープを出すときの基準と態度を分けて考えるということをしっかり伝える、ということだと思います。

そういうことを見て盗むために、マルチにベテランと行くんだと思いますが、ちがうんですかね?


 

 

不安は怒りの抑圧

 ■ リスク認知しない=私を殺そうとしている

ということに、私は

 怒って

いたんだなぁ…と、昨日のブログをメタ認知して分かるようになりました。

子供の頃、母がお買い物中毒になり、このままでは一家全体が破滅する!と子供の私がリスクを認知したのに、母がそれをリスク認知しないので、中学生の私は、腹がたったんだろうと思います。しかし、まだ中学生なので、怒りを親にぶつけることは、自分の首を絞めることになる。という二律背反状態に陥り、高校生の頃、重い鬱症状になりました。

大学には行かねばならぬが、行くカネはない…という行き詰まりの道を、正面突破した学生時代…いや~、私の青春時代は、ほんとに大変だったなあ。

同じ心理的反応が、福岡でクライミングパートナーだったA木さんに起きた。

リスクを認知しないので、本当は、腹が立っていたんですね、私。




 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

■ 前回と今回

しかし、中学生で無力だった頃と違い、今回は、世間という社会からお助けが来ました。

スティーブが慰めてくれたり…

JFAがリボルトに来てくれたり…

佐賀の樋口先生が、奥村さんを呼んで講師をしてくれたり…

黒田さんの論文が心の支えになったり…

鈴木ガイドや後藤ガイドがときにいいね!をくれたり…

どっちにしろ、心の習慣上の理由で、うつ病になりましたが、前回、子供の時の困難な状況の再演でしかなかったことが、やっとこさ、わかりました。

みなさん、ありがとうございました。

しかし、私はなぜ、明らかに危険と誰でもわかる人を断ち切ることができなかったのでしょう??

そこには、やはり

 弟への投影

が発生していたと思います。強い罪悪感、というものです。

■ ミラーニューロン

人は、ミラーニューロンによって、近くにいる人と同調しようという働きがあります。

それで起こるのが、ガスライティングです。

つまり、あなたは山田さんなのに、いつも周りの人が岡田さんと呼んでくると、あれ?俺って岡田だったっけな?と思い始めるってことです。

■ 呪文

対策は呪文です。

「この人はわたしの弟ではない」

「帰属エラーを修正する」

2023/05/11

師匠恋し…エンジョイクライミングには正しいリスク認知が必要

 ■ 青ちゃんの最後の言葉:楽しんで登っていってほしい

山っていうのは、山そのものとの出会いと同時に、人との出会いもあるものだ。

佐藤さんの記録もそういう人との出会いで紡がれて行っているらしい。そうなんだ、と思って嬉しかった。

https://drive.google.com/file/d/1hEx6xLhSBwzooV78ZRJ8yVH6rEs9GYhJ/view?ts=645bed0b

世界レベルのクライマーでも、グレードを追いかけているわけではない、ということです。

普通に楽しんで登っていたら、こんなグレードが登れるようになるのが、現代アルパインクライマーなんですよ?? 



■ 雪から、アイス、そして岩へ

私の山との出会いは、雪の山… 美しい八ヶ岳の山にと、後に一人で、登り始めたのが最初だ。

厳冬期の八ヶ岳は、小屋も充実しているので、個人でも取り組みやすい雪山だ。さらに高めたいと思ったので、山岳会に入ったが、会自体が弱体化していたので、なかなかレベルアップはできなかったが、それなりに楽しい残雪期の鹿島槍鎌尾根やら、黒部川を遡行して、真砂尾根などに行っている。

山行リストはこちら。 

https://stps2snwmt.blogspot.com/p/201504201603-2016-2016-2016-201629.html 

すべて山との出会いが、人との出会いによってもたらされた山だ。

この2つは、御坂山岳会の榑林さんという素晴らしい先輩が企画してくれた山だ。(信大出身者)

苦言になるが、御坂は家庭的で良い会だったが、みなが良い人過ぎて、メタボになったオジさん登山者が一升瓶を担いで初級のバリエーションに行く、という無謀…凍傷者3人…を阻止する力がなかった…。

その時、私の参加を阻止してくれたのが、当時の師匠の鈴木清高さんだった。今でもお元気で登られているようで、時々、山の記録を拝見している。

インスボンや韓国のアイスは、青木さんという佐久の師匠と出かけた。私は雪の山は、単独初見での阿弥陀北稜を終わった。ロープが出るルートは、初級のアイスルートのジョーゴ沢から硫黄に登るとか、入門の峰の松目沢敗退だったが…も、なんとか済ませて、個人で厳冬期にテント泊ができるところで、それ以上の山となると、仲間が必要なので、雪稜はこれ以上レベルをあげるのは、もう無理ね…というところだった。

実際、フリーのルートのほうが、アルパインのルートよりも、リスクが小さい。ある程度フリーが上達するまでは、フリーに専念した方が良いという蒼氷の先輩のアドバイスもあった。

ので、結局、冬季のフリーはアイスだろ、というので、アイスクライミングを習得することに力を注いでいたのが、私の山梨最後の日々だった。

スケジュールは、全部クライミング優先(笑)。

■ アイスから岩、岩からクラック

青木さんは、もともと日本発のレスキューを組織した人で、30代のときに、わざわざ関西から長野にレスキュー隊を作った話をしてくれと呼ばれたそうだ。それが定年退職の年令になって、長野に移住したら、レスキュー隊の人が人手不足というので、もう退職の年齢なのに、手伝ってくれないか、という話が来たのだそうで、この30年レスキューの世界が衰退していったということをしみじみ感じたみたいだった。

私の山岳総合センターでのリーダー講習で、講師をしてくれた高橋さんと村上さんが、八ヶ岳のレスキューの隊長、副隊長だったので、私にとって、青木さんの技術には、非常に魅力があった。

私は当時、山梨アルパインクラブという義理入会のパートナーが、ジムで5.11が登れるからというので、北岳バットレス四尾根にいくというので、振り回されて、てんやわんやしていたのである。四尾根に同意した理由は、私は3年後くらいのつもりだったのに当人は今年のつもりだった…という大きなすれ違いがあった。

この時、花谷康弘さんに相談して、それを師匠に誤解されるという事件があった。ガイドさんだからだ。一般に師匠クラスの人はガイドを嫌うが、それは誤解に基づくことが多い。昨今、ガイド業している人は山岳会の貧困を理解しており、山岳会で登っている人をガイドの顧客扱いすることは無い。むしろ、山岳会が弱体化したことがガイド業の興隆となっているのだ。

山岳会を一つ運営している私でも、無料でギアを貸して連れて行く山にはやってられない感しかない。

一般に高校・大学などの山岳部を経由していないジム上がりの男性クライマーは、リスクの認知がものすごく甘い。

その上、女性の発言は言うことを聞かない。危険なビレイを指摘しても聞かない。

ジムで5.11が登れるというのは、北岳バットレス四尾根が登れるという何の裏付けにもならないが、そのことがよく分からないのだ。それはグレードが付与されている弊害のため。

北岳バットレス四尾根は、ルートグレードは3であるので、入門や初級ルートですらない。

御坂山岳会の先輩が気の毒がってくれ、「前穂北尾根にパートナー君も一緒に」と言ってくれたのだが、5.11の彼は来なかったので、結局、アルパインロックとはどういうことか?せっかく先輩が張り切って見せてくれたのに、共有できず、残念だった。

私はこの後、自分のリードで取れるルートということで明神主稜とか、ご近所の旗立岩中央稜に出かけた。もちろん、テント泊一式とカムを一式持って、自分でプロテクションを取っていくのである。こういうのを今の若い人はしなくてはならないが、みんなやりません… 

それより、派手で有名なルートに行きたがってしまいます。たぶん、ルートの選び方でみな間違ってしまうから死んでしまうのでは…。

ちなみに当時の私は5.8は落ちないでのぼれましたが、5.9が万全か?というと怪しいレベルでした。そもそも、日本のルートってグレーディングがもっとも曖昧なのが5.9です。5.9と言っても、実は10cだったりします。

それでも、私が上げたような冒険的ルートは、リスク認知がきちんとできれば、言い換えればロープが出せれば、行けるのです。

福岡の想山会はここで躓いており、ロープを出さずに北鎌尾根に行って死者を出しています。

■ フリークライミングはアルパインの基礎です

5.9は確実でないとならぬというので、山のルートは一旦お預けでした。だからフラストレーションが貯まるので、ときどき一人で出かけていました。厳冬期の甲斐駒とか。

フリークライミングに専念しようということで、小川山通い、が始まった頃、出会ったのが、青木さんでした。通称、青ちゃんです。個人名を出すのはどうか?ということで、A木さんと書いたら、荒木さんという別人と誤解されたそうで、それで青ちゃんと書くように改めていました。

荒木さんと青木さんが、同じA木さんになるとは、うっかりミスでした(笑)。

青木さんは、関西では名を知られた岳人のようで、最初一緒に行った摩利支天大滝のアプローチで、知らない人たちが次々に挨拶していくので、なに?有名人?って感じでした(笑)。アイスクライミング40年のベテランでした。

ちなみにベテランが私と登ってくれたのは、当時、私が大学生のO君の指導を頑張っていたからです。 63歳、43歳、23歳のトリオでした。若い男子は一緒にいるだけで危険で、何をしでかすか分からない爆弾だからです(笑)。

私は、ベテランから、多くを学びました。

彼が何を言うか?するか?ではなく、何をしないか?から学ぶのです。

ある時、赤岩のアイスに誘いが来たので、青ちゃんに話すと、「俺は行かねぇ」という答えでした。それで私も行きませんでした。すると、行った人は、氷が崩壊して足を骨折していました。それも若い人。 

大体ベテランは、日の高い日中はアイスを登らないし、南面の氷も避けている。と学習。

雪の山と同じですね。 悪い日は登らないのです。

■ 小川山通い

同様なのが、岩です。

岩は蒼氷の先輩が一年くらい月一で小川山に付き合ってくれましたが、小川山は、当時の私には桁違いに難しく、リードが取れるルートは殆どないのでした。

この頃、ホントはピラニアのムーブ講座に通いたかったのですが、金曜の夜は仕事の日で、だめ。その解消に日曜に仕事をスイッチすると、小川山が、ということでした。

その頃、菊地さんの講習にでて、クラックは、まだフェイスより見込みがあるなと感じました。

その後、故・吉田和正さんの講習でクラックを登り始め、青ちゃんと湯川を2日、そんなところです。

一応、TRで確保しながら、スリングで繋いだカムに落ちるというのも、一回はやってくれたのですが、一回でカムへの信頼、積み上がります?いや、それは…無理でしょう。

同時に登攀の力も上がっていっていたので、結局、デイビットと出かけた台湾のクラックでも別に落ちることなく、ほぼオンサイトで登り…ほぼというのは、登るのを辞めて降りてきたルートもあるからです…雨が降って、クラックに手を入れたら、手から脇の下を通って水が流れて来て、こりゃ無理だと思いました…(笑)。 カムエイドで敗退しました。5.4の看板ルートのほうは、最初は恐る恐るだったのに、最後はカム3つでのぼってしまう…回収便だったので…という手の抜きようになりました… あれを見たら、清高さんは激昂するでしょう。

余談ですが、このように心の中に、誰々が見たら…というのが良心の正体なのです。

インスボンは青ちゃんが生涯をかけて登り続けている山なので、誰か付き合ってあげてほしいです。廣瀬さんが有名ですが、青ちゃんにも取材が来て、でも断っていたそうです。私が同行した時点で30回目くらいでした。

一度、青ちゃんの情熱を引き継ぐのが私では、間尺が合わないと思い、若い人を連れていきましたが、私とは登れるのに、その人とは登れないみたいで、息が合わないみたいでした。

40代スタートの私だと毎年行ってもリードが取れるまで5年はかかると言われました。

まぁ、ホントのことを言えば、ルート次第で、インスリッジなどアルパイン入門ぽいリッジルートもあるのですが、そのフォローをするのが、いやだ、というのが、多分、本音(笑)。

しかし、入門者のフォローは、後輩には努められず、先輩、が必要です。その理由は、この白亜スラブの登攀をお読みください。https://allnevery.blogspot.com/2019/03/blog-post.html

登攀歴10年のクライマーでも、こんなことになるので、初心者であれば、なにをかいわんや、です。

これは山梨アルパインクラブの先輩です。後で教えてくれたところ、

 登攀の仕方について指導は受けていない

そうでした。俺は教わっていない、のだそうです。私も山梨アには、数ヶ月しかいなかったので、様子はわかりませんが、ほとんど会長さんが気に入った女性クライマーを山に連れていくために男子は歩荷要員みたいでした。 

さて、そんなこんなで、師匠に恵まれたため、あれよという間に、海外クライミングデビューを果たしてしまった私ですが、インスボンだけですよ、師匠と登っているのは。

一人で行ったラオスの岩場、台湾の岩場に行ったことで、日本の岩場…普通のゲレンデと言われるショートの岩場…が、世界的に稀に見る遅れ具合…であることに気がついてしまいました。

九州では、そのため、フリークライミングでの問題点を多く感じるようになりました。 

それでUIAAのスティーブ・ロングさんに色々と日本の現状を相談するようになりました。彼とは、メール友達という具合です。海外の人の意見は、複数のソース(友人)を持っています。

日本のフリークライミングは、海外のフリークライミングとは明らかに違い、アルパイン色が強いです。初心者に安全なのは、海外のほうです。もちろん、海外にも危険なフリークライミングというのはちゃんと?あります(笑)。ただそれらが一般の市民向けクライミングとは峻別されているか?いないか?というのが違います。

海外の若い市民男性クライマーで、俺だってトニー・コールドウェル!と思っている人は、ほぼいません(笑)。たとえ、カムではなくナッツで支点を取るような人でもです。 

日本では、なぜか話が飛躍する。いきなり、お前もピオレドール賞、目指せよ、になり、中心的価値観が名誉に偏り過ぎています。

しかも、そもそも、アルパインを教える人、スポーツクライミングを教える人がいても、きちんとフリークライミングを教える人がいないのに。

それで、最近は、現代の若いフリークライマーはAMEGAの資格を取るのが良いと思っています。

■ 米澤さん

九州では、屋久島フリーウェイを開拓された米澤さんとしばらくご一緒していました。

米澤さんのことはお会いする前から尊敬していました。当時、御年74歳と青ちゃんを上回るご年齢の立派なアルパインクライマーでした。ヒマラヤ・タサルツェの記録を拝読し、失望されているご様子で、とても気の毒になりました。

米澤さんの開拓で、必要なボルトを私が提供しようとして、わかったのが、現代でも九州では開拓にカットアンカーを使い続けている、ということでした。米澤さんは、古い中根穂高さんの書いたものを読んでカットアンカーにしたそうです。つまり、グージョンが一般的になっているという情報自体が、九州には届いていないみたいなんですよね。

最近、中根さんの本を確認してみましたが、グージョン推奨というのがわかりにくかったので、ロクスノにきちんとグージョン推奨の記事を乗せるべきですね。JFAのフリーファンは九州では、入手自体が不可能感あります。

後で福岡山の会と比叡に行った時、M8カットアンカーを大量購入しようかと考えている途中の場面に出くわしました。

ボルトや使うべき資材など、JMSCAの経路で流したら、一発で全国に広まりそうなのに、全くそうでないのです。つまり、山岳会離れは、若い人だけでなく、年配の人もそうなのです。

比叡だけでなく、九州の一般的なフリークライミングのゲレンデ(例:野岳や八面)のボルトは、大体40年前のカットアンカーで、これは、まずいということで、JFAが来てくれたりしました。

しかし、JFAは現地の開拓クライマー(山崎さん)に、このボルトはまずいですよ、と言わないのです。なんか私に言ってもらおうとしているようでした。

しかも…なんと、日向神ローカルクライマーの代表開拓者の山崎さんが、私に、登れと薦めてきた”大蛇山”がリボルト対象でした…(汗)。

もちろん、私は、大蛇山、ヨーヨースタイルで登ったので、ボルトはそっとしか使っていませんが…。リボルト対象のルートをそうと知りつつ薦めてきたってこと?と青くなりました。しかも、リボルト前にすら、落ちろ落ちろ、と言われていたのです。

私は、ラオスのオーバーハングの6Aでは積極的に落ちています。別にK君に落とされて頭を6針縫ったトラウマはありません。寝ているルートで必要もないのに落ちると怪我します。 

開拓者は、一般にリボルトはしたがらない体質です。それでボルトが古くて登れないルートが貯まる一方、新たにカットアンカーで開拓している人が後を絶たないので、ルートが増えて、それもまた登っていい強度はないという悪循環にあるのが日向神でした。

確認したわけではありませんが、新規開拓ペースが早すぎる場合、資材を確認したほうがいいです。現代のグージョンは高いので、どんなにお金持ちでも何10本も開拓できるとは思えないです。1本一万円でも、100本作れば、100万円なんですよ?

■ 地方独特の対抗心がボトルネック

地方の人は、地方独特の対抗心?で、どうも中央のやり方に対する反発もあるのかも知れません。

肝心の人たちに…例えば、比叡の人たちに、カットアンカーがだめ強度のボルトであることは伝わらなかったかもしれません。

さらに言えば、当時、九州の師匠さんとしてお慕いしていた松井さんは、外岩の指導経験は少ないようで、どう考えても、これは初心者がリードするには適していないルート選択ではないか?というのが示されるのでした。

一般にフリークライミングは教科書的に言えば、1ピン目で落ちても死なないハズですが、1ピン目から落ちていいフリーのルートは日本にはなく、あるのは海外ですよ。

日本の岩場は基本的に、エイドのフリー化で作られたままのボルトの配置になっているので、リードの取り付きはほぼほぼ、ハイボルダーです(笑)

松井さんはボルト以前に課題の捉え方が、私とは違いました。例えば、愛のエリアの、”愛は勝つ10c”は、下部核心で左上しています。さらに言えば、5.10bが登れたから、すぐ次!とグレードをあげようとするより、同じグレードのものをたくさん登っていれば、グレードって勝手に上がっていくんですよね、なぜか、わかりませんが。ということで方針としても、合わなかったです。日本の岩場には、10代が少ないと言うのは理解できますが。

推測ですが、九州では、ボルトの検証自体が、年配の人は抜け落ちており、松井さんだけでなく、ムーブの高田さんも普通に残置を使って登っており、それを危険だと考えていないようでした。松井さんは、本ちゃんで残置を使って落ちたそうなのですが、そのことでボルトについての勉強は進まなかったのかも知れません。米澤さんですらカットアンカーで停止していたのですから、仕方ないことなのかもしれませんが、だからといって、間違っていることは間違っている。事実を覆して、残置を使う登攀が正しいことにはなりません。

余談ですが、クラックの岩場、大堂海岸もカットアンカーでした(笑)。もう日本国中そうなのです。

また、憶測ですが、九州では、若手のクライマーの育成が希望の星?なので、コーチ職にあると、選手として相手を見てしまい、性急にグレードを稼がせたい、自分の手柄としたいという気持ちが働くのかも知れません。

それは人工壁ではいいかもですが、普通のクラッギングではNGですね。

今までの師匠たち、清高さんや青ちゃんには、まったくなかった視点なので面食らいました。

一般に選手とされるような年齢…10代後半~20代前半…を終わった人は、全員、セーフクライミング世代ですよ。

43歳でフリーを始めた人を18歳と比べられても(笑)。

フリークライミングのグレードは、一つのグレードの中でも濃淡があり、私はギュリッヒのクライミング理論…5.9のベテランは、10Aの初心者であるを採用しているので、まだ4本しか(九州の)10A(オンサイトではあっても)を終わっていないのに、10cに取り付くというスタイル自体がリスクに感じられました。

その上、ですが、人工壁のスタイルが定着しているので、九州の人はすぐ外岩で落ちます。

すぐ落ちるスタイルのほうが上だと考えられているのも疑問で、私がヨーヨースタイルで登っていると、チキン扱いされるのですが、伝統的フリークライミングのエシックでは、ヨーヨースタイルのほうが、スタイルとして上ですよね?

その辺もどうもフリークライミングそのものが理解されていないようで、落ちろ落ちろと言われるのが苦痛でした。そもそもボルトが安心できないと結論がでているのに、落ちろと言われても。

古いボルトが安心できないこと自体が、九州では認知されていなかったみたいで、出会う多くの人は、カットアンカーは、カムより強度が強いと思っているみたいでした。大きな誤解です。

同じことがマルチピッチでも起きており、マルチではより深刻です。ランナウトが楽しいみたいになっている。

私も瑞垣で初めてのマルチではランナウトしていますが‥あれはカムで取った支点で自分のミスですが、それと話がちがうのが、ボルトルートのランナウトです。

歩ける3級スラブなら、いっそインスボンみたいにボルトを抜いたらどうかと思います。あってもランナウトしていたら意味ないですよね。インスボンも3級で取り付きはスタートですが、ボルト自体がないので、その時点で怖い人は来ないです。

九州ではマルチ=アルパインと理解され、取り付きまで徒歩5分の白亜スラブはアルパインとされていますが(これが大きな誤解であることは本州のクライマーは分かると思いますが) 、残置を使った登攀が基本になってしまっています。それは、アルパインではなくスポートルートというのです。残念なことに沢ですら、そうらしいです。(祝子川) 

というので、落ちれないボルト配置を肯定しているフリーのルートっていうのが九州のボルトルートの現状です。

というか、日本全体がそうなのかもです。私は、山梨のゲレンデでは、新しいルートかトラッドしか登っていなかったので、山梨でも気がついていなかっただけかもしれません。

余談ですが、小鹿野の紛争は、花崗岩のランナウトと、どっかぶりオーバーハングのランナウトを混同しているというのがあると思っています。

私もどっかぶりは、ラオスで登っていますが、被っていて地面が近ければランナウトは懸垂の失敗が許されないのと同じ程度の許容度の低さです。オーバーハングで地面が近ければ、なおさらです。逆に、地面から離れれば、別にどんだけロープがでていても安全です。オーバーハングのルートのほうが落ちるには逆に安全です。 

■ エイドクライミング

このような具合に、つぎつぎと、九州でのロッククライミング全体像が、私の前に暴かれて行ったわけですが…

JFAが来てくれたり、奥村さんが講習会を開いてくれたり、と次々と手が差し伸べられたわけですが… ありがとうございました。

でも、その差し伸べられる手を振り払ってしまうのが、九州クライマーみたいなんですよね…

わたしの仲間は、誘ったけど誰も来なかったですね…

それは、なぜなのか分かりませんが…。独自の発展を遂げているのは、その通りです。

その一つがエイドクライミングです。こちらの会では、ムーブの高田さんが指導者となって古典的アルパインクライミングというので、エイドを教えてくれているのですが…

現代のアルパインって、オールフリーですよね? 

そもそも、山に残置があるのがおかしいので。私の山岳総合センターの講習でも、初日に言われたことが、「山の残置は信頼してはいけない」とか、「支点ビレイはダメ」です。

まあ、初心者はエイドを覚えて置くと、ピンチに役立つとは思いますけど。私も初期にちょっぴりやりました。しかし、ピンチに出してOKのエイドの記録…残念な記録を…立派な記録としてロクスノにあげてしまうようになると…これは、前後不覚ってやつです。

山梨クライマーの先輩が、九州の悪習慣に染まり、そんな記録を出したので、本当に悲しかったです。これまでの彼の努力、フリーの登攀の栄光を無にするような記録だと思いました。

そもそも、彼はロープクライミングに向いていないほうだったので、ボルダーに転向するそうでした。性格を鑑みて、それが良いのではないかと思いました。

結局、彼と行動をともにして一般的クライマーの行動原理を知ったことは、すごく私にとって、参考になりました。これまでベテランからのハンドダウンだったので、一般的なジム上がりクライマーというのを余り知らかなったからです。

彼はジム上がりというよりは、山よりでしたが、行っていた雪稜など、雪上訓練や、スタンディングアックスビレーなどの確保技術ゼロで行っていたんだろう…読図技術もないだろう…ということがわかりました。沢もたぶんロープの出し方、いい加減ですね。というのは、一緒に行く岩場で、私にお助けヒモが必要なことが何回かありましたが、まったく気が付かない様子だったからです。チームで登った経験値はないのでしょう。

現代の若い人は、指導者がいない上に、技術習得にお金を払うこと自体をしないため、指導者との接点自体がなく、ロープを出す基準が全く習得されておらず、結果としては、イチかばちかなんですね…

そのままルートが難しくなるだけなので、長年やっている人のほうがリスクが高い。

トレードに例えると、リスクヘッジ無しで、デリバティブやっているような感じです。 追証が発生したら無限大です。つまり、命を取られます。

つまり、落ちなければ確保は要らない、というレベルをだんだん難しくしているだけ、なんですね。それで登れるのは、せいぜい入門ルートです。

初心者の時期に身につけておくべきリスク管理能力を身に着けそこねていると、そのことに負い目ができてしまい、バレるのが嫌で、講習会からは更に足が遠のく、という循環にあるみたいです。

小さな嘘がどんどん雪だるま式に大きな嘘につながっていくみたいなことになっているんですね…

ということで、非常に残念な終わり方をした先輩とのパートナーシップでした。指導者さえきちんとしていれば、まともな山やになったと思います。

■ 鬱

そのプロセスで、右足の肉離れ、右膝の脱臼、左足のアキレス腱断裂、と怪我が続いているのですが、鬱にもなってしまい、驚きました。

この鬱というの始まりが、漠然とした不安、でした。師匠の青ちゃんと別れた頃から始まりました。

青ちゃんと登っていた頃は、青ちゃんが警戒するくらい、イケイケでした(笑)。まぁベテランと登っていたら何も怖くないですよね。

ところが、リスク認知が疎かな上に、登れない人たちといることが不安の種になっていました。漠然ではなく、顕在化している不安です。

不安の裏には怒りがあるそうです。怒りを抑圧すると? 鬱になる。

ですので、このブログでは不安の根源を永遠に書いているような気がします(笑)。

フリークライミングをしたいのに、まったくフリーとは言えないような、落ちれないフリーを続けていて、十分な実力があると本人が感じらず、下部核心のルートは登るべきでないとリスク認知しているのに、グレードだけをあげさせられ、さらにスタイルで、落ちろ落ちろ、と言われば、そりゃ鬱にもなりますね…。

怪我は、私の潜在意識が、クライミングに行かないで済む口実を作り出すために作っていたのではないか?とすら、今では思っています(笑)。

               楽しかったあの頃・・・兜
 

 

2023/05/10

【AIとの対話シリーズ】日本のアルパインロックの課題をプレゼンにしてみた。

【AIとの対話シリーズ】このAIがすごい!Gamma

 Gammaという生成系AIを使ってプレゼンテーションを作りました。

https://gamma.app/docs/-3b84o09sl2o47or

これを使って、文部省の論文をアップすれば、誰でも読めるようになるのでは?

 

https://gamma.app/docs/-3b84o09sl2o47or https://gamma.app/docs/-3b84o09sl2o47or