2023/04/18

ロクスノ 099号 小鹿野の紛争の件 読みました 

 ■ 平山ユージさん、気の毒…

ロクスノ、買う価値ない、というので、見ていなかったのですが、ついに小鹿野の件、読みました。

全体的に、平山ユージさんは、”現状”を元に、”対策”の話をしているのに、古いクライマーの人たちは、

・金を出していないと登れないのか?

・自分の意見は聞いてもらえないのか?

と現状を踏まえた対策というより、

 オレのことはどうなるの?

って内容が主体で、ガックシ… 

現代的クライミングの問題点を解決しようという意欲、まったくなく、現代のジム出身のクライマーが岩場でグレード感が合わなくて困っていたりしても…、

 ・オレは困らないし… 

 ・いや、むしろ古いボルトの岩場のほうが、安全に登る登り方(落ちないでテンションにしておく)を知っているだけに、俺らだけで登れて静かで快適だったなー、そのほうがいいよな-

って行間から溢れ出る感じでした…。

昔の人は、1億総競争社会だったので、行動原理が、嫉妬で、成功している人を見たら、足を引っ張るというのが、行動の基本にあるのかも知れません。

しかし、今の20代、30代って、すでに豊かな社会に生まれ、モノは十分あるし、クライミングも上手で、前の世代には不可能と言われた課題も、登ってしまって、その後すること無い。

ならば、生きる意味を求めて、分かち合い、シェアがいいのでは?とか、モノを所有しない生き方=ミニマリスト、とか言ってる…という価値観の人たち 

 vs 

昔の”もっとくれ、もっとくれ”の人たち

とでは、そもそも、基本的に立っている土台がちがうのかもしれないね…と思います。

徹底的にオレが中心で疑問を持たず、オレが損をしない生き方を貫き、相手の事情を想像する=負け、という競争社会に生きている人が、昔の人は多いのではないでしょうか?

そんな感じに大人げない記事掲載でした。あれで良く恥ずかしくなく読めますね…

■ お礼がゼロだったカムの返却

というのは、わたしがあるガイドさんの講習に出た際に、カムが一つわたしの方のギアラックに入っていたんですよね。

それで返送してあげたら…なんとお礼もなし。そのカム、わたしが盗んだわけではなく、普通は、一緒に登ったら終わり際に、カムが混じっていないか、相互に確認するという作業を普通にするのが当然なのです。特にガイドならそうでしょう。

わたしの赤キャメは、その時の、そのクライミングでいなくなったので、わたしの赤キャメはその人のギアラックに入っていただろう…と思うのですが、確認と返却はなかったのです。まぁ名前は書いていなかったから、想像するだけですが。

かなり有名なガイドさんでしたので、まさか、お互いに内心分かっているカムの混同をそのままにして、私のカムは自分のラックにかけたまま、私から自分のカムは返却してもらう、それも送料も私持ちで…なんてことが起こるとは思っても見なかったのでした…

まぁ、ものすごく貧乏そうでしたので、仕方ないか、と思ったんですよね…  もしかしたら、この手で何個もカムゲットしていたのかもしれないですね。

しかし、九州でも、ジムに2日しか行っていないのに月会費返却されないですし、クライミング業界は、やったもんがち、みたいな感じです。

一方、今でもFB友達の年下の男性クライマーがいますが、私は厳冬期の上高地に夫と出かけた時、すごいいいバイルを拾ったんですよね…

そしたら、偶然FBで、その彼のバイルだとわかったんです。宮崎ホイホイがついていたから。それで送ってあげたら、お菓子のお礼が来た。そりゃそうですよね。自分のものを返してくれたら、手間もかかるんだし、お礼するでしょう。

お礼のない年輩クライマーとお礼してくれる若いクライマー。どっちが人間として立派なんでしょうかね…?

そういう事を考えた機会でした。

■ クライマーとして有名でも、”人格”は、別もの

いつの時代からか、クライマー界は、怪我をした仲間をその辺に放置して、ほっとくのが当然という世界です。

大阪の岩場に行った時ですが、私は装備を持たずに行き、岩場を見るだけにしたのですが、(ビレイが疎かな人と組むのは嫌だったため)、その見学で、墜落が起き、怪我をして、一人電車で帰ることになったんです。

すると、なんと、その落ちた人と同じ会の人、ただその場に居合わせただけの見知らぬ他人の私に会の仲間を任せて自分は岩場に戻っていったんですよね…。

こんな仲間って仲間って言えるの?でもそれが、日本では状態化しているってことです。

そんな状況なので、今年マウンテンバイクの大会に出たときは、びっくりしましたよ。なんせパンク程度のことで、下界の車道を走っているだけの私をちゃんとフォローしてくれるんですよ? 怪我なく、問題なく、集合地点に戻れるか。しかし、考えてみたら、それが当然の大人同士の支え合いですし、大会主催者の責任感ですよね。

なので、どの時代のクライマー業界からなのか、私は歴史を知っているクライマーではないので、わかりませんが、古いクライマーって社会常識が欠如した人が多いです。

■ オレ、クライマーだから…という言い訳

菊地さんの『いかにして岩に…』というフリークライミングの本によれば、クライマーって、昔は、非社会適合者の集まりだったのだそうです。

それは、今でも、古いクライマ-は、慣行としてやっています。

アルパインにもフリーにもそういうタイプはいます。もう殆ど確信犯です。

谷川岳の最寄り駅、土合の駅で、どんちゃん騒ぎして、駅ビバークが禁止になったみたいに…です。どんちゃん騒ぎどころか、昔は、キセルするのが当然だったのだそうです。

多様性という話をする場合、たとえば、ゲイとかLGBTとかが海外では、社会的弱者、とみなされています。根拠なき差別を受けている、ということですね。

それが、日本ではなぜか、岩場を勝手に登るとか、犯罪する人が

 ”オレ、かわいそう” 

と思っているんですよね…。それは、被害妄想ってやつでは…?

オレは弱者だから社会から多目に見てもらって当然だ、って感じで…。それは、子供が6人いるから、女性にヒモとして面倒見てもらうのが当然だと思うとか、奥さんが嫉妬深いから可愛そうなオレは、浮気してもいい、とか、こちらからしたら、理解不可能な論理でした。デブだから、歩荷、免除とか。

いや、犯罪者は多目に見たらダメで、ダメなことはダメだよ、と教え諭される対象でしょう。

いや、子供が6人いるのは自分のせいでしょう。

いや、奥さんがいくら嫉妬深くても、浮気は自分がしたいからするんでしょう。 

いや、デブだったら、むしろ率先して歩荷して、痩せたほうが自分のためでしょう。

クライマーって思考回路時々おかしいですよね…その見本市みたいなロクスノ記事でした。

社会常識に照らし合わせて、一回、自分の言っていることが

単なるわがまま

でないかどうか確認して、頭冷やしたほうがいいですよ、重鎮扱いされている人たちは。 

「大人になりきれない人の心理」より抜粋。 これか…(汗)。


ゴミをポイ捨てするとか、うんこしてはいけないところにするとか、山に火を付けちゃうとか… 

いくら登れてもしてはいけないし、オレの私物だった岩場が公開されたのが気に食わん、って行間からにじみ出ていましたが、岩場って地権者のものなんですよ?いつから初登者の私物になったんだ? そもそも、地権者の許可取っていないから、アクセス問題になっているのに、その尻拭いはしないで、してくれた人に文句言ってるよなぁ…

普通、小鹿野町の応援を取り付けたら、でかした!ユージ!ってなるでしょう。

なってない…。

クライミングの岩場がアクセス問題で、登攀禁止になった経緯をフリークライミング協会が出している冊子で読むと、

「そんなことしたら、登攀禁止になるの当然じゃん!!」

ってことがだいたい全体の9割みたいな感じです。うんこ紙に火を付けて、燃やしたら山が火事になっちゃったとか。迷惑駐車とか、吠えるのがキモいとか。

ボルトが古くて誰も登りに来ない(これない)岩場で、ベテランのオレらだけが静かに登れたのがよかったのに、邪魔すんなって感じでした。

■ 対策は教育

対策は、もう教育しか無いな、と思うのですが、

自己責任の法則

って、他人に適用するもので、自分に適用するものではないって解釈みたいなんですよね。古いクライマーって。

権利を主張するなら、義務もあるんですよ。

土地を持てば、固定資産税を払わねばならないでしょう。それは結構な額ですよ。そういう事がわからない人だけが、いつまでも成功者を妬むと思う。その場合、その人が成功できないのは、固定資産税の支払いを拒否っているからです(笑)。潜在意識的に言えば。

クライミングに置き換えると、初登した人のルート、そのままでいいから、グージョンに変更する費用は、その人もちですよね?

そこで人が死んだら、その人の死亡について、責任を持つのは、ボルトを設置した人ですよね?

権利を主張するなら、義務も果たしてください。人が死んだら賠償金を払ってください、ってなりますよ?

少なくとも日本の裁判所はそう判断しているみたいですよ。

若い人は、偉い人が言っていることだからと盲信せず、常識をもとに判断しましょう。


 


2023/04/17

クライミングもメタ認知が必要… クライミング紛争の根本的原因はこれでは?

■ いがみ合いの人々 = メタ認知が低い人びと

クライミングを始めた初心者の頃から、いつも思っているんだが、

  メタ認知

というのが、ほとんどのクライマーに欠如している資質なのではないだろうか?

というのは、わたしが、かなり後発のクライマーで、クライミングの歴史を知らないせいで、蚊帳の外感があるせいだと思うが、

A)アルパインのクライマーはフリークライミングの人たちを、初登じゃない、と言って否定し

B)フリークライミングのクライマーは、アルパインの人たちを、下手くそだなぁ!なんで、こんな簡単なところでエイド出すの?

と思っている(らしいことが今回判明)。

そのどちらにも属さない、残されている道を行くと

 第三の道: フリークライミングなのに、落ちれない(落ちたら死ぬ)でも、スイスイ登れるだけの力をつけて、オンサイトする

しか道がなくなる。

これを地で行っているのが、現代の(主に)2世エリートトップクライマーです。 

しかし、23歳のクライマーでは、古いクライマーたちが何をめぐって言い争っているのか?わからなくて当然です。

私だってスタート43歳なので、全然分からなかったです。

■ すぐハングドッグに逃げるのは悪いスタイルですよ?

RP主体の現代のクライミングでは、インドア人工壁上がりの人は、指力のセーブのためにすぐ落ちて、ハングドッグします。

しかし、すぐ諦めて、墜落してハングドッグすることが悪いスタイルであることは、現代の一般クライマーは教わっていません。ので、ボルトにテンションしないでヨーヨースタイルで登る人をバカにしてしまいます。

ヨーヨースタイルのほうが優れたスタイルですよ?最悪はエイドです。

一方、紛らわしいですが、

 ショックロードなしのテンションは安全対策、

です。ボルトがボロいルートでは、墜落はせず、テンションにとどめておきます。

しかし、若い人は、結局、どのルートが落ちれるルートなのかの情報の見極めが難しいため、岩場で誰かがハングドッグで問題解決している姿を見て、自分もその通りにする、という、

 ものまね戦略

が命を守る解、になる。だから、人気が特定のルートに偏る。しかし、墜落&ハングドッグと、ボロボルト対策のためのテンション登り、は似ているけど、異なります。

ものまね戦略のおかげで、

 ハングドッグ2時間みたいなクライマーが量産される

ことになる。

故・吉田さんは、執着心で登るクライミングスタイルを広めた人だが、別にハングドッグが長い人ではなかったです。

しかし、執着心のところだけが取り出されて、誤解され、現代では

 ハングドッグが長い=執着心=良い行動

と誤解の上塗りが、現代の標準クライマーの標準的な行動になっている。

それを見た、もともとアルパインをやっていたクライマーたちは当然だが、そんな姿を好ましくは思わない。すぐハングドッグする=すぐ諦める、という、基本的に執着心と反対の行為だからだ。”お前、そんな簡単なところですぐ落ちるなよ!”が本音なのだから。

しかし、ジムクライマー出身の若者の側からすると、ルートファインディングを登る前に行うっていうのが無理!って話なのだ。なんせジムでは、赤いホールドを見て追いかけてください、って話なんですよ? 岩を見て、ムーブを想起するとか、自分が登れるか?登れないか?すら、ただの生岩を見ただけでは、分からず、グレードによって、予め、教えてもらうしか無い。 

■ 日本のトップクライマーがたどる厳しい道

その時期を過ぎたか、あるいは、クライマー一世の親によってエリート教育を幼少から受けれた(クライミングは、非日常動作なので、幼い頃スタートするのが超有利です)クライマーは、第三の道の結果として

 落ちれないルートをオンサイトで落とす

結果になるので、現代の日本人若手クライマーは、世界に突出して、すごい技術の持ち主ばかりだ。海外に行けば、あっという間にトップクライマーです。

中島渉さんの動画みましたか? いやマジ大変そうでしたよね?

しかも、そこまで行くのに、

 A.幼少期から学ぶ、もしくは、

 B. クライミングに人生をかける、

もしくは、両方ということが基本。 

これでは、細い道すぎます。

■ 一般クライマーに同じことを求めるのは非現実的

問題は、これを、

 日本の現代クライマー全員に適用しよう、というのは、現実的に無理!

ってことです。

第一に、”落ちても死なない”というのが、オーソドックスなフリークライミングのお約束です。(もちろん、RとXの符号付きを除く) 

第二に、一般的なクライミンググレード(ムーブの能力)は、5.10代の人が25%で最多層です。

海外のアンケート調査が示していますが、そうでなくても、12登る人だって最初から12を登るはずがないです。誰もが5.10時代、5.11時代を過ごして、5.12になるのです。そこまで行く途中で死んでるって話なんです。

日本では、5.12は、登れて当然の中級グレードになってしまいましたが、それは、それくらい登れないと、日本の岩場では、ランナウトした10代が特に危険で、安全に登れないからです。岩場に行き始めると、誰でもそのことは分かるのにもかかわらず、トップロープだと馬鹿にされるので、結局、メンツに拘る人以外は、命と岩場では、誰が考えても、命のほうが大事なので、どんどん一般的な思考回路の人は、淘汰されることになるからです。けっか、メンツのほうが命より大事な人だけが残る。

他のクライマーから仲間とみなされるのに、人生と命をかけないといけないのでは、要求が高すぎます。

第三に、今人口が増えている一般市民クライマーは、 趣味の人たち、で、クライミングに人生を捧げている人、なんていません。もともと、肩こりにいいからボルダリング、始めました、みたいな人に命がけを求め、そうでなければクライマーじゃない!というのでは、求めるほうがが求めすぎなのは、日を見るより明らかでしょう。

そりゃ、命がけでクライミングしてきた往年のクライマーよりも、命をかけていない現代クライマーのほうが上手なのが、ムカつく、というのは、私にも理解できます。が、仕方ないでしょ。若くスタートしたほうがラクなんだから。

ウエアが高級なのがムカつく、とか言っても仕方ないです。

ということで、今の日本の岩場の現状は、

 普通の能力の人にとって、無理ゲー

になっています。

■ 歴史的経緯を知る恩恵

それは、小川山育ちのわたしでも同じで、たとえば、ジョコンダって、腐ったハーケンが一ピン目でしたよね(笑)。

しかし、そこで、一緒に登っている人たちからは、「このハーケンは、このルートの歴史を示すためにそこにあるのだ」と聞かされるわけです。

そこで、そーっと、手で抜けるハーケンを、フレークの割れ目に戻しました(笑)。

 

腐食で膨らんで、かなり年季の入ったハーケンでしたが、別の岩場では、それくらい腐ったハーケンでも、”まぁ、とりあえず何もないよりはマシかもしれん”と思いながら、スリングをかけておいたことがありました。(注:ドローは使わない、タイオフ)

ということで、わたしのような、師匠に恵まれた幸運な人ではない、一般的にジムでクライミングを教わって、インドアのリード講習に出て、インドアリードがアウトドアリードと同じだと思っている人は、腐ったハーケンを全信頼してしまいます。そこにそのまま置いてある理由が、歴史的経緯を示すため、だとはわからないからです。

年輩のクライマーは、腐ったハーケンを置きっぱなしにしている理由は、”残置を信用するなよ”と若いクライマーに教えるためだ、ということが、若いクライマーには、全く伝わっていないことがわかりません。 

彼らの時代は、クライミングというのは、”一流大学の若者” がやる活動で、そのへんの偏差値50みたいな人ではなかったからです。つまり、これくらい分かるはず、という基準が、高いのです。現代の一般の人は、もっと噛み砕いて説明してやらないと分からない人が主流です。それは同じ大学の後輩に対しても、です。全体にまんべんなく物事に対する理解力が下がっているのです。

ちなみに、私は天下の東工大(理系の東大)の院生を、蒼氷(名門山岳会)の先輩につけて、エリート教育をしてあげたことがありますが、蒼氷のエリートを付けても、その子は、一年後、だらりんビレイをしていました。人は教えられたように、ではなく、他の人がやっているように、やってしまう生き物なのです。蒼氷で教えられないんだから、誰だって教えられなくて当然です。東工大の知性でわからないんだから、それ以下の人は全部わからなくて当然です。

■ 山の世界も同じだった

山の世界でも同じで、百名山の山行脚が山登りだ!と思っている人は、山頂で「オタク、何個目?」とか聞いてしまいます。その人にとってはスタンプラリー競争が登山の全てで、他のスタイルがある、とは思いつくことができないからです。

聞かれた人は、”なんのことだろう…???”となってしまってしまいます。

本格的という形容詞がつく登山の方では、高所登山の人は、体力一点豪華主義で、読図もクライミングもてんでダメというか、登山技術として身につけなくてはいけない、とそもそも、思っていない。下手したら、雪崩の知識もないかもしれません。なんせ、チームに専門家がいて、その人が判断し、自分は登るだけだからです。

読図ができる沢屋さんたちは、今度はクライミングは下手くそなので、クライマーに異様に高い信頼を預けてしまい、中間支点がない崩落箇所でもクライマーならリードできる、と誤解していたりします。脆いところにいくらハーケンを打っても、打った岩ごと崩れ去るだけです。

ね?群盲像を評す、でしょう?

これら全部が、

 メタ認知

の不足から来ている、というのが私の見立てです。群盲像を評す、ということになっている。

みな、一つのクライミング、という世界の話をしているのに、相手が見ている世界が分からず、自分が見ている世界がすべてだ、と思ってしまうということです。

今回の小鹿野の騒動も同じではないでしょうかね?

というのは、平山さんはジムオーナーなので現代クライマーの現状を見知って知っていると思いますが、古いクライマーたちというのは、自分の仲間内の狭い範囲でしか、クライマーと接しないからです。 

この推測は、当然間違っている可能性もありますが、菊地さんや中根さん、あるいは、若手のガイドできちんとアルパインとフリーの両方が分かる人たちは、大体、自分たちと一般クライマーを区別して考えているのに、古いクライマーはそうでないような気がするからです。

■ 安全マージンは、個別です

現代の一般クライマーの安全マージンと 中島渉さんのような2世エリートクライマーが取れる安全マージンは、全く違います。

私は安全マージンが厚すぎると文句を言われたことがありますが、43歳でスタートした女性の安全マージンが厚いのは、理性的な合理的結論で、18才でスタートした男性と同じだったら、その人の知性を疑うべきです。

■ 典型的現代クライマー像

現代の一般クライマーは、最初の5年くらいは、5.11がインドアジムで登れるから、バットレス4尾根はオレ楽勝!と思うくらいのクライミングに対する低理解度です。

トラッドクライマーでも、最初の10年ほどは、カムの配置が悪いとロープが流れなくて登れなくなる、その程度のことが分からないくらいの低理解度です。

インドアリード出身だと、5.12が登れても、長ぬんで伸ばすとか知らないです。

これなど、昔のクライマーで5.12といえば、会を率いるエース級ということなので、そんな人が自分の首を絞めるクライミングをするなど想像すらできないでしょう。

さらにいえば、カムでとった中間支点による安全の確保は、身長によってちがう、 ということもわかりません。

遠いピンが身長の低い人にとっては、危険だ、ということが40年登っていても理解できないのは、セカンドを務める経験が、リーダークラスの人には、皆無だからです。盲点になっている。つまり、古いクライミング文化では、経験が限定的で、気がつくチャンスがなかった、ってことです。

今、挙げた事例は、山岳会で登っている重鎮と言われる人たちには、全く気がつくチャンスがないです。

こんな低い理解度で、今の若い人達は、クライミングしているんですよ?

■ オススメ 海外の登攀に行く

年輩のクライマーにとって、メタ認知をつける、オススメの一手が、海外へ行き、海外の外国人若手クライマーと登ること、です。

自分の会の若い人を引き連れて、登れるオレ、を見せつけるために海外に行っている場合ではありません。

海外の若者と登れば、日本の現代の若者や、山岳会の後輩に対する変な期待…オレが○○歳の頃は、これくらい登れたぞ…なんでお前が登れないの?がない、ので、

  へぇ~、今の若者はこんなふうなんだー

と中立的視点で納得できます。

たとえば、私はアメリカ海兵隊の若者を日向神につれていきましたが、初夢は登れないそうでした。海兵隊の人なんだから、勇気がないとか、体力がない、ということが問題になっているわけではないですよね?

■  開拓者としてほそぼそとやる

さて、どっちを向いても、やれやれ、という状況なのが日本のクライミング界ですが、そういう中にあって、ゆいつ安全なのが、開拓者として、山や人生を終わることです。

開拓者になれば、現在の開拓スタイルは、グランドアップではないので、ラッペルでぶら下がって、岩にご対面。…つまり、命はかけていない…のに、初登の栄誉は得られます。

ラッペルは、若い人にさせると危険ですが、熟練クライマーにとっては、全くリスクゼロです。

もちろん、開拓は、ブッシュの整理とか、苔落としとか大変ですし、ボルト代も負担がありますが(ちなみにやったことがあります)、年をとると時間もカネもあるので、問題は、そこではありません。

それを盾に開拓者への感謝を要求するのも変な話で、感謝されなきゃ、やらないっていうのなら、やらないで、岩場を次世代に残し、のんびり縁側でお茶でも飲んでいてくれてもいいわけです。

クライミングは、登る方も開拓も、あくまで、自分がしたいからやっていることでしょう。

問題は、国内では、大体、主要な岩場は、すでに開拓され尽くしていて、新たな岩場は、かなり僻地にある、ということです。

なので、フルタイムの仕事を持っていて、現役世代の忙しい人はやれない。しかし、リタイヤ後であれば、自由な時間は持て余すほどあるので、そういう時間が取れる。つまり、 

 世代間分業 

が成り立ちます。としたら、定年退職後は、チャンス到来、です。終了点だけ打ちましょう。あるいは、開拓許可だけ取りましょう。

時間の問題は、自分がその僻地に住み込んでしまえばいいとも言えます。実際、故・吉田さんが取ったのは、その戦略です。

決して行ってはならないのは、地権者の許可なしの開拓。負の遺産になります。 

お金があれば岩が付いている山ごと買い取るのがオススメ作戦です。

■ 僻地住み込み型開拓に、地域おこし協力隊制度を活用する

私が提案したいのは、これの若者バージョンです。

開拓ができるレベルに成長した、海外の適正グレードが理解出来、5.14のルートを5.15と間違って発表しないレベルのクライマー限定

ですが、当人が地域に住み込んで、開拓するとするならば、僻地にある岩場で、現代の基準に合わせたボルト強度と、グレード付与、そして、適正ボルトの岩場を作ることができます。

あるいは、そのような人を招く才覚がある人が地域おこし協力隊に就任する。たとえば、岐阜の岩場のように、です。小山田さんが開拓応援に行っていますよね。

平たく言えば、インドアジムでスタートした人が外岩デビューするにあたって、落ちれる岩場を作ることです。

もう変なメンツは捨てて、5.8で若者が落ちてもいいじゃないですか。5.8だからって何が何でもボルト2本じゃなくてもいいじゃないですか。たかだか、5.8のルートなんだから。

20mのルートだったら、適正ボルトは、グレードに関わらず、5~6本くらいでしょう。

なんせ、5.8とか、5.10代とか、今では雑魚みたいなグレードなんだから、大して貴重な課題でもないし、仮に、すごく面白い5.8なら(小川山の愛情物語とか、川上小唄みたいに)、「これは簡単だけど、上手になってからしか登れないよ」とトポに書いておけばいいことです。

つまり、どの5.8も同じ扱いにせず、課題によって、価値に差がある、という現実を認める、ということです。しょぼい5.8もあれば、素敵な5.8もあるのは、現実であり、仕方ないです。

開拓者にもいい開拓者とそうでない開拓者はいます。それはどこの世界でも同じです。

■ 現実逃避を辞めることが唯一の正解

こんなにインドアジムが増えて、ジム上がりのクライマーが量産されているのに、受け入れる側が古い価値観と古い現実認識のままでいるから、岩場では、重大事故になります。

かといって、現代クライマーの側に、おまえらもっと勉強しろ、と言ったところで、じっと座っているのすらできないような人(発達障害)が増えている現代なのですから、かなり無理な要求です。昔のように、優秀な人がクライミングに来ているわけではないのです。

岩場での死亡事故や重大事故を防ぐのは、すでに岩場でたんまり楽しんだ人に課された使命と思って諦めて、現実を受け入れるしかありません。

じゃないと、日本中アクセス問題で登れる場所がなくなります。自ら首を締めます。

岩場を公開しなければいい、という問題にしてしまおうというのは、それこそ、姑息です。

■ 自分の正義を押し付けない、相手の事情を推し量る

クライミングっていうのは、基本的に誰が何をしているか?でリスクの内容が変わります。

例えば、1例で、プリクリップをあげましょう。

同じところに立っても、背の低い人には、クリップできない位置に、ボルトがありますから、その人がプリクリップするのは、マイナスをゼロにする行為で、他の人と同じ安全を確保するだけのことです。プリクリップして、やっと平等。

おなじプリクリップでも、普通に手が届く人が、プリクリップしたら? それは、日和ってる。弱虫、チキンということでしょう。

プリクリップという一つの行為にしたって、どういう条件の元での行為か?その人の持っている身体条件からみて、その判断がどうなのか?を見ないと、

  勇気がある・なし

ですら、正確に把握できません。

事例2です。

普通に考えて、20歳の若い男性が40kgの荷物を担いでいても、たぶん全然きつくないです。しかし、60代の女性が20kgの歩荷で、山小屋に食料を運んでいたら、すごいですよね?40kgを70代男性に担がせたら、いくら元アルパイン出身でも、虐待です。

そういうのがまったくなく、

 全部ひとつのスケール=グレードで測るだけ、

という前提になっているのが、おかしいのです。

…というか、登っていたら、普通は、誰にとっての、どんな内容が本当に偉業なのか?ということは、分かるようになってくるものです。

 分かるようになってこない=真面目にクライミングに取り組んでいない

んじゃないの?と邪推してしまいそうです…

■ 自分のこと

私は、43歳でスタートして、アイスクライミングは良き師匠を得て中級者、岩は3年でインスボンセカンド、ラオスと台湾は一人で出かけ、日本人パートナーではない外国人と組んでマルチまで登っています。

私は山岳総合センターで雪上確保から教わったので、アルパインの人たちにも受け入れられ、故・吉田さんのビレイヤーをしていたので、フリークライミングの人たちにも好意的に受け止められ、そのお陰であり、これは、一般的ではない達成だとは思いますが、それを行うのに、

 5.10代のスキルしかいらない

ということに若い人は気がつくべき、勇気をもらうべき、と思います。 

■ ロープワーク講習会×海外

ムーブ習得より、大事なのは、リスク管理です。

ジムで5.12登れるより、先にロープワークを講習会への出席と独学で確実にするほうが、自由に外岩で登れる道は広がります。

海外で登る、という選択肢は、日本の外岩で登るにしても、ブレークスルーの道です。

日本の5.10台では、落ちれませんが、海外の6Aでは落ちても、ほとんどのケースで大丈夫です。もちろん、クライミングですから、100%安全ということはありませんが、ビレイヤーが悪いというリスクも加味して、ボルトがうたれた岩場もあります。(例:ラオス)

しかも、激安です。2週間8万円でお釣りがくるほどです。

親は孝行するもので、スネをかじる対象ではありません。同じことで山岳会というのは、貢献するために参加するもので、無料の登山学校代わりにするものではないです。

そんなチンケな手段にとらわれず、恐れず、海外に進みましょう。

ラオスでは一見の旅行者でも、講習を受けて登ることができます。そんなのを恐れてどうするんでしょう?

私が海外で一緒に登った方々、フランス、シンガポール、ドイツ、アメリカの人たちです
 

【参考】

当ブログのトップ人気記事です。現代九州クライミングの実情を知るのに、合わせてどうぞ。

https://allnevery.blogspot.com/2021/12/blog-post_16.html

2023/04/15

On Miyazaki climbing (Hinokage Boulder, Hiei slab, Mukabaki trad)

I had a conversation that might help other climbers visiting Kyushu Island from outside the area.

Q: Hello. I am planning a climbing trip to the Miyazaki area, and my friend directed me to ask you for advice on climbing crags or where to get information about climbing spots. I hope you can help me, as I can’t find much information online.

A: Hi there. I wonder which Miyazaki crag you are talking about, there are several.

Q: I am not aware of any specifically, but my partner and I are planning a trip down there and have heard that there is some amazing climbing in the area. We climb mostly in the 5.10 grades. Is there anything you recommend?

A: You know, the grade does not tell anything about cragging skills... it's only a grade. What type of climbing do you prefer? Trad, slab, overhang, or sport?

Q: Of course. We typically climb slab and sport. My partner is new to climbing, so I'm trying to show her around.

A: Most of the sport (bolted) routes in Kyushu are bolted with 40-year-old cut anchors, so if you want to climb sport routes, you have to know exactly which route to climb. Knowing the name of the route is important.

Trad routes in Kyushu are in Mt.Mukabaki, which is in Miyazaki prefecture, but they are rather advanced trad routes. Yamaoi (a Piolet d'Or climber) has routes there.

Kyushu Slab is very famous at Mt.Hiei, but it has a huge runout, which means you will die if you fall. It's not recommended for 5.10 climbers to lead, and you will need at least 5.11 slab skills to be on the safe side. However, many people still go there despite its infamous reputation for many deaths. There are some multi pitches.

Bouldering is very recommendable for climbers of any skill level. A 5.10 climber will be able to climb a 6th-grade Japanese bouldering grade. It's also in Miyazaki. It's Hinokage Boulder. Ashima visited and liked there. 

Do you know past Kazumasa Yoshida in Hokkaido?

Q: I am an 11th-grade climber and do trad climbing, but my partner is more of a beginner, so I'm trying to find a good spot to take her. I don’t know Yoshida.

A: I see. Kyushu has a very unique climbing culture. For example, past Yoshida was once the world's top climber in 1987, on a trad route called Mars 5.14a. But in Kyushu, there is no such world-class climber in rope climbing. That means the quality of the lead routes, even the bolted routes, varies greatly. Most of them are made by unskilled developers.

The slab at Hiei still uses 40-year-old cut anchors, so you can't afford to fall. The other rope routes are mostly the same, unless the Japan Free Climbing Association reinstalls bolts that match today's standards.

The famous route like Dachura 5.14a (in Yamae crag) is probably safe since it's climbed by Dai Koyamada. So you must know the name.

In your case, go to the Japan Free Climbing Association(JFA) website and check the re-bolted (re-bolt is a Japlish) information in Kyushu, find the bolted routes that you would like to climb, and make sure that the route has been reinstalled with new bolts. Then, you can lead climb, and let your girlfriend climb top rope.

5.9 in Kyusyu is often not 5.9, it's 5.10b. What it says 5.10b, my partner fell, he was usually climbing up to 5.12. So it is best you know exactly which route you want to climb or just go to boulder. I took a US Marin soldier to Hyugami crag and to the route it says 5.9, he could not climb. It was too much runout for him, since he was used to bolt (sport) routes in indoor climbing. FYI. no offense. 

Q: No offense taken, it is very helpful. I find some of the climbing in my area is similar. Old rusted bolts and huge runouts on 5.10a routes that feel more like 5.11. Thank you for information I will continue my research and hope we can find something simple to enjoy. 

A: Hope you a good luck! By the way, Dai Koyamada, a world class boulderer,  is the Kyusyu's Yosida. So in Kyusyu, bouldering is the one good thing I can recommend. It is very popular too. 

Q: Problem is, we are living out of our van and don’t have any crash mats to use. 

A: Hinokage will lend you a crash pads. 

Q: Thank you for information I’m getting excited to be down in Kyushu.

A:  I'm glad that I could be of help to you! Have a great time in Kyushu and enjoy your climbing trip! If you have any more questions, don't hesitate to ask.
 
Further information:
 
The Ranch: 
The gym owner Kiyokawa is co-developper with Dai, in Hinokage.
 
https://portal.miyazaki.jp/about-hinokage-boulder/
 
Topo:
http://k1hut.yuki-mura.net/ 

On Mt.Mukabaki
https://allnevery.blogspot.com/2023/05/mtmukabakion-trad-new-route.html
 
The bolt information:

Inside of a Cut anchor... rotten...
This is not petzl, it is cutanchor, so hard to tell.
Only the hanger is petzl (alminum) 
And cut anchor is made of different material. 
 
As a result, galvanic corrosion is the case.
 This is proper goujion bolt, 25kN. Cut-anchor has less than a No2 cam strength in general.

【若い人向け情報】中島さんの動画出ましたよ

Humble_Wataru Nakajima- from Imashi Hashimoto on Vimeo.

若者よ!目を覚ませ!!

■ 責任最小

このところ、アキレス腱の断裂で、再度、まとまった時間ができたので、資産整理をしていて、自分の投資ヒストリーを振り返り、色々と理解している。

弟が死んだ、26歳の春。熊本に飛んだが、すでに8年、弟を始め、家族とは会っていない期間があり、それは私が大人になるために非常に苦しんだ期間だった。蛹から蝶というくらいの大変革だったので、まぁ、私に再会した人は別人と思っていたと思う。

私は、”責任” が、そのまま形になって生まれて来たような人、と表現したらいいと思う。

6歳で、4歳の弟、2歳の妹の面倒を見る、というのが、”責任”として、姉の私に降り掛かっていたためなので、”責任”は、後天的な資質だが、”責任”の大小が景気循環の波のごとく、多いときはリセッション、少ないときは景気が良い、とそういう感じだ(笑)。

今は、責任が最小の時期にいるので、自分を振り返ることができる。

■ エースだった時代

さて、私は開発部にいたのだが、当時松下は、ロボット開発では、かなりの後発部隊で、真似下とやゆされるような状態だった。

それを返上しよう!と意気込んだのが私のいた開発部だった。さしずめ、私は、当時のエース扱いだった。実際、私は、男性一色の開発部に女性雇用の道を開いたと思う。

しかし、なんと松下さんはロボット開発事業から全面的に手を引いたんですよね。

まぁ、全社的な視点で見ると、不採算事業だったからなんだが。夏に事業部解散の噂が流れた。私が不安がると、直属の上司が耳打ちして、「たとえ、多少の解雇があったとしても、あなたが解雇されるのは、一番最後だからね、安心してね」ということだった。当時、個人事業主として独立したばかりで、私は、組んでいるプログラミングの師匠である前川さんに5%を払って、口座を通過させてもらっていた。

松下みたいな大企業は取引先を査定しており、誰でも仕事ができる訳では無い。私は4年の信用で、取引を始めた。が4年では口座が作れない。前川さんは15年松下とやっており、前川さんの口座を通過させてもらって、仕事の代金を受け取っていた。前川さんとは、お互いウィンウィンだった。なにしろ、プログラミング業界って力仕事で、若い私がコーディングできる簡単な部分が8割、核心の1、2割を経験値の高い前川さんがやったほうが、効率がいいからだ。私は5%払っていたが、5%だって800万の5%だから、40万円。何もしないで手にするお金としては悪くないだろう。

前川さんからすると、私みたいな若いのがあと4人いたら、いいなぁ、なんて言っていた。

ちなみに、私以外で、私の年齢でこんな職業形態になった26歳の男性なんて周囲には誰もいない。みんな、就職氷河期で、仕事自体が見つけられず、実家に帰ってプータローとかだ。

しかし、残念なことに松下は事業部解散。そして、解散のときは、「あなたは、雇ってくれるところがあるから…」という理由で、松下さんは、PCの前に座っても8割は寝ていることで有名な男性のほうの雇用を守ったのである(彼も非正規雇用だったが)。

その男性は、でも、ほんとに、松下が雇用してやらなければ、他に雇用先がないだろう・・・と思われた。彼は、突発的優秀性というか、非常に才能が偏っていて、他の誰もがしたくないコードのデバッグをしてもらったら、役立つという感じだったんだよな。その代わり、8割は寝ているんだけど(笑)。

クライマーで例えるなら、普通クライマーが大好きな、岩場のクライミングが全然ダメで、しかも、デブで歩けもせず、荷物をもたせたら、更に歩きが遅くなり、もう歩荷もダメで、クライミングもダメ、と、”なんで、お前 山やってんの?”みたいな人が、ラッセルさせたらモーレツなラッセル力を見せるみたいな、そんなかんじだ。特殊な単機能型ってことですね。

ま、要点は、パナソニックという会社は、本当に家庭的で良い会社だったってこと。それが裏目に出て日本の国力低下につながっているってこと。つまり、落ちこぼれから拾ってくれるのが日本社会ってわけですね。言葉は悪いが行くところがない人。日本の地方が今、そうなっている。

で、私は失業したわけだが、それは前川師匠も同じだった。それどころか、プロパーの人も同じで、全員バラバラの配属になった。ので、別に自尊心は傷ついていない。松下の正社員だった人でも、やっていた仕事がなくなり、全員が事業部解散の憂き目にあったのだ。

私は渡りに船で、ドイツの外資から歯科営業の仕事のヘッドハンティングをもらっていたので、困ったら、そこに行けばいいか、という感じだった。歯科タービンってモーターなんで、モーターの塊のロボット開発部の人からしたら、単純な仕組みだからだ。

当時、私より10歳くらい上の30代後半の若手エースに、MITに社費で留学した人がいたんだが…彼も、結局、転職した。上と意見が合わなかったようである。(MITはマサチューセッツ工科大学)

私自身もそうで、エンジニアとして仕事していたのに、松下さんが提供しようとした仕事は広報…なんのわたしの強みも活かせないではないか・・・というので、外資に行った。

この経験でわかったことは、会社っていうのは優秀な人から辞めていく、と言われるが、実際にそれが本当に起こっている、ということだった。

それは、情、というか、人間同士の温かい気持ちから起こっている。そりゃ、他に行くところがないんだから、誰だって彼に席を譲るだろう。譲られた本人は、それが譲られていることだとは、全く気がついていないと思うが。まぁ、”甘ちゃん”っていうのは、そんなものだ。 大事にしてもらって気が付かない人のことが、甘ちゃん、なのだから。

これでは、日本企業は弱体化していく。だいたい、ヘッドハンティングというのは、海外スタートの習慣なので、外資に抜かれることが多い。

しかも、外資のほうが待遇自体も良い。ので、どんどん、日本人で優秀な人は外資系企業に吸われて行ってしまう。

日本では、あらゆる組織が同じかもしれない。つまり、山に例えるなら、山岳会、ということだ。

実際、横山ジャンボさん、佐藤ユースケさん、花谷泰広さん、菊地さん、ヒロケンさん・・・とあらゆるクライミングの著名人を見ても、誰も、”山岳会”を背負っていない。

スポンサーも、アルテリアとか。(え?外資?)

名刺交換するときに、「○○社でございます」と昔の人は自己紹介する。しかし、私が、労働市場にいた時代から、できる人は、「エンジニアの○○です。△△をやっています」と自己紹介するものだった。当時で、すでに20年くらい前である。

日本では、メンバーシップ型から、ジョブ型に移行中だが、これを山の世界でいうと

山岳会から個人の時代

である。

残念なことは、労働市場で起こっていることと同じで、やはり、山岳会に残らない、あるいは、山岳会をお荷物だと感じる、付き合いきれない人は、どこに収束するか?というと、海外、なのである。

■ レガシー

日本の岩場では、古いクライマーが、”俺が初登者だ。俺の登ったとおりに登る以外は許さん”と言って、今では陳腐化した”俺のクライミングの歌”を理解されたがり、その根拠は、そのほうが、”後に続くクライマーのためになるから”、ではない。

俺が(あるいは、私が)、”理解されたい”、つまり、”共感されたい”からで、それってかなり、個人的な理由である。

つまり、要約すれば、それは、”視野が狭い”、と言われる状況だ。

現代では、子供も登り、女性も登る。つまり、公共の意味する内容は、広がった。

時代の流れは、理解したくないが、自分の事情は理解してもらいたい、というのでは、態度としても子供である、ということは否めない。

伝統という言葉は、そうした個人の甘えをカモフラージュする口実に使われているに過ぎない。

もちろん、自分以外のクライマーのことを考える年配の人もいる。米澤さんは自分のためにボルトを打っているのではなく、現代の(登りが下手な初心者が中心の)大学生山岳部のために打っていたので、クラックの横にボルト、になってしまっていたのである。

(ちなみに、入門レベルのクラックでは、それでもいいのかもしれないという現象がアメリカでも起きているようである。人気がありすぎるルートでは、まだトラッドクライマーとして、クラック慣れする前のクライマーが来てしまい、プロテクションをきちんと設置できないので、事故が増える。事故を起こしてしまうくらいなら、ボルトを打っておき、そこでクラックに慣れてもらうのも手、ということだろう。クラックルートなら、なんでもかんでも、打っていいという話とはちがうだろう。しかも、同じサイズのカムが10個必要なルートとか、一体、誰がそんなに同じサイズばかり持っているって話ってなるし)

結局、若手で優秀な人は、海外に押し出されざるをえない…。つまり、日本の岩場ではなく、海外の岩場で登る…ってことだ。

それは、結局のところ、日本に優秀な彼らを活かす受け皿がないため、というのがわたしの主張だ。

日本の岩場で頑張っている小山田さんですら、別に会は背負っていない。

例えば、山岳会で、”若い人が来ない”という嘆きはよく聞く。

しかし、若い人が活躍できる場がない山岳会には、その会で育った人ですら残らない

なら、その会に恩も何も無い人に、貢献を期待するのは、虫が良すぎる話だろう。(九州で何の好い目もみていない私に同郷のよしみで”見返り”を期待されてもねぇ…)

若い人の山岳会の側では、”もはや、伝統的に強いクライマーを輩出してきた山岳会の○○会ですら、アドバイザーとして、もはや機能できないのでは?”と思ったところで、代打が見つけられないので、くすぶっている、ということになっている。

若いだけに、誰に話を聞くべきか?という見極めすらできないでいる、というのが、実情だろう。

20年は長いようだが、短い。ゼロ歳だった子供は大人になる。20代だった人は40代になり、40代は社会を動かす主軸だ。しかし、40代だった人は、60代になり、60歳は個人差が大きい。70歳ともなれば、個人差は消え、もはや社会に何か価値を提供する活動をするという年齢ではない。林住期に入り、自分の人生を見つめ直す時期だ。

したがって、現在のアルパインクライミングを60代、70代がメインの構成員の山岳会…ほとんど中高年登山というジャンルのハイキングクラブと化している会に期待しても無駄だ。

では、誰に?

アルパインをしたいクライマーなら、アルパインを教えると題している講習会に自腹を切って出るしかない。

フリークライミングだったら、アルパインほど状況依存が少ないので、たぶん、ちゃんと菊地さんや北山さん、中根さん、海外のギュリッヒの本などを読めば、大抵のことはカバーできる。(外岩に登りたい人が、スポーツクライミングの本を読んでも仕方がないですよ? 別物なので)

そして、一通り外岩でフリーが登れるようになったら…私がやったように、海外に出ていくのがオススメである。

最初は、ラオスがいいと思う。もう山岳会の冬合宿も、ラオスにしてしまうのがいいのでは?と思うくらいだ。

なんせ、アルパインの基礎力はフリークライミングなのに、若い人が身につけそこねているのは、フリークライミング能力なのだから。そのフリークライミング能力の意味するところは、決してムーブではない

海外では、20代の若い男性が、5.8でパートナー募集をしている。ちょうど、初心者バンド仲間募集くらいのノリだ。おれギターやるから、誰かベースやらない?程度の話で、プロ級の腕前も要求されない。

これは、5.8で落ちても死なない、整備された岩場環境があるからで、日本の岩場では同じことはできない。

クライミングというスポーツの裾野は海外のほうが当然広い。5.8しか登れない初心者のクライマーも、もちろん絶対数として海外の方が多い。

日本の男性は、”ねぇ、お母さん、見て見て!”を卒業しないといけない。ジムで自信をつけて、外岩に来るのはいいんだが、それと同じことを外の岩でやって、「よくできました☆」と言われたがっている…というのは、見ていれば理解できるが、全く外岩は別物なので、頓珍漢な行為だ。そもそも、誰かに見てもらって感心されたいという気持ち自体を卒業しないといけない。

外の岩とボルダリングジムの壁は全く別物だ。外岩にはスタイルの問題がある。ただ登れた!だけでは、「よくできました☆」とはならないのだ。まぁ、初心者が完登したら、誰でも親心で言ってはくれるが、ボルダーのように登れさえしたら何でもあり、ではない。

そんなことも、10年登っていても分からないのが、現代のクライマーのあり方だ。それはどれだけ長く岩に接しても、主眼になっているのが、俺がかっこよく見えるかどうか、だからだ。最初の入り口としてはいいが、いい加減、目を覚ましましょう。現代クライミングって、V15って世界なんですよ?

しかし、そんなことすら、自分で理解できないようでは、誰もヘッドハンティング(師匠になりに)に来てくれない。

断っておくが、私に2名の師匠がいたのは、私が師匠を求めたからではない。あっちから来たのだ。

40代のおばさんクライマーが、一撃できるような課題を、粋がって登るような人には、要するに、”誰も付き合いたくない” のである。5.12が登れても、トポも用意してこない人も同じだ。

なんせ、ローワーダウンの練習せずに岩場に来てしまった、みたいな理由で、落ちて死なれても、後味が悪い思いをしたり、レスキュー出動するのは、同行者である。

岩場のローワーダウンで、「僕、降りれませーん」という人は現実に存在する。課題のランナウトで、課題に、”来るな!”と言われる以前の問題だ。登ったら降りないといけない、のは、誰でも考えたら分かることなのだから、降りる練習くらい、下界でやってから行かないといけないことくらい、猿でも分かる。

アメリカに要る頃、語学学校に留学した友達が、全然、喋れるようにならなかったので、愚痴っていた。「考えてみたら、語学学校にはアメリカ人はいなんですよね」なんて言っていた。が、そんなの、日本にいるときに考えたら、すぐ分かることでしょう… 

こんな調子で、日本の若い人は、伝統的に 思考停止 しているわけである。

従って、年配の人がもはや頼りにならないのは、”いい加減、目を覚ませ”って言うわけなので、良いことなのだ。

語学学校に行ってもアメリカ人はいないことが事前に分からない人が行くのが、山岳会、である。

登山の技術を教えてもらいたかったら、登山技術を持っている人が開いている講習会、に行かないとその技術は手に入らない。

そんなの、当然のことですよね。





2023/04/14

最近の若い人は、時代錯誤が分からない

■ 適切な師匠(アドバイザー)を見つける

山では適切なアドバイザー(師匠)を見つけるのが大事です。

現在の九州には、佐賀の樋口先生以外は、適切な師匠レベルの人はいないと思われますが…。

投資信託のアドバイザーとしては、モーニングスターの朝倉さんが、

 投資家目線

で自社利益への誘導に傾いておらず、いいな、と思いましたが、つい最近、3月に福岡でセミナーがあったようです。

■九州財界に接する機会があった

私は物産OL時代に、九州財界のランチ会など出席する立場にあったのです。しかし、その頃はトヨタ以外に経済を引っ張っている企業なく、トヨタとの会合だけは、上司がでかけていましたが、一般財界の方とランチに会社の代表で出るのは、なんと私でした。東大卒の上司は、トヨタだけ抑えていればいい、って話で、九州のデパートの会長さんとかとお話するのは、雑魚の私ってわけです(笑)。つまり、それくらい、年配の会長職などにある方は、実権をもはや持っていない、って意味になりますよね…だって、私、物産には、ちょっとしかいませんでした。そんな人に重要な役だったら、回せませんよね?

私としては、日本経済がどんなふうに成り立っていっているか、垣間見ることができて面白かったんですが。

久しぶりに福岡に帰ってきて、都会的な活動を再開したら、なんと福岡では、詐欺が横行中でした。起業=マルチ商法、みたいな感じで、農業をしているような純朴な青年まで、マルチ商法のために、私に商売を仕掛けて来る始末でした…。

モーニングスターの講演会は、そんな零落した福岡経済の中にあっては、稀に見る?(笑)良い講演会だったようですが、ネットで見れます。

こちら… https://www.youtube.com/watch?v=faQZfjdpKrU&t=1419s

その中で起用された若い投資家が、レバナスの風丸さん。

こういう若い人はいいなぁ…と思いました。

https://www.youtube.com/watch?v=IpUrRWEBW2o

https://www.youtube.com/watch?v=UJlC92M9lns 

https://www.youtube.com/watch?v=GwbY4f1oO0w

私自身も若いときは同じ幻想を持っていましたが、若い人は、父親世代の年配の人を、”無条件に”尊敬していると思いますが、それは幻想です。30歳くらいでそのことに気が付きます。

その人が仮に先生だとしたら、学校にお勤め=子供の教育には詳しいが、世間は知らないという意味です。公務員とかも同じで、世間については知らない…。

なので、全面的に信頼できる大人、つまり万能な人はいないということです。

福岡の若い人の山岳会はこれができていいない、誰かの言う通りにしよう、という気持ちが強い社会が福岡をはじめとする九州人の傾向です。依存的ってことですね。

目を覚ましましょう…

もちは餅や、じゃないですけど、その業界にいた人の意見を聞かないとダメです。

例えるなら、クライマーは、モーニングスターの朝倉さんみたいな人を、風丸さんみたいな立場の人は見つけないといけないという意味ですよ? 

二世クライマーはその意味で恵まれているので、今きちんとしたクライミングをしているのは、ほとんど例外なく2世クライマーです。

それ以外の人は、不利な状況ですので、自覚して、情報はきちんとした情報源から仕入れないといけません。そのためにいるのがクライミングガイドで、ポッと出の人についても仕方ありません。

今の23歳って、2000年生まれだから、基本、1980年代のバブルとその崩壊後の社会については分からないですよね。

クライミングも同じで、カットアンカーのボルトをエイドで打ちまくった時代の遺産を、ははーっ!!とありがたがって登っている場合ではありませんよ。

話を聞くなら、菊地さんとか、中根さんとか、クライミングのヒストリー全体を追っている人の話を聞くべきです。

過去の遺物となってしまい、エイド=アルパインクライミング、という図式から逃れられない現在の80代、70代の人の弟子になっても、時代遅れのクライミングが身につくだけのことです。(断っておきますが、ちゃんとクライミングを続けてきた人は、70代でも現代のクライミングの意味が分かると思います。例:青ちゃん)

今2023年なのに、いつの話してるの?みたいな頓珍漢な時代錯誤の記録を上げてしまっている人は、うぶすぎです。周囲を見渡して、冷静に自分の能力と地位を見極めましょう。

■ 歴史は繰り返す

【第138回】【マイケル・バリー】最近のバリーの発言まとめてたらとんでもない事がわかったという動画がありました。

マイケル・バリーといえば、リーマン・ショックを予測した人ですよね。映画になっていませんでしたっけ?https://amzn.to/3KCGEgB

また、リーマンショックが来るのかぁ…。備えましょう☆

ちなみに今レバナスにいれたらダメですよ? 落ちる前なんですから…

2023/04/13

”同じお湯で茹でても、じゃがいもは柔らかくなり、卵は固くなる”についての考察

 

■ 今日の考察のお題

同じ環境を与えれても、人によって反応は違う、

という事について考えます。

■ 5.12で自信をつけることに疑問を抱かない

九州に来て、わたしのクライミング環境は、大きく変わりました。

山梨=アルパインクライミングのメッカ

福岡=アルパインクライミングの僻地

です。

どうも、ボルダー以外のフリークライミングについては同じではないかと思います。

で、この環境が、与えた影響は、人によって違うなぁと思います。私には、かなりネガティブな影響を与えましたが、同じように山梨から九州に来た先輩には、自信を与えました。

その差は、同じお湯でも、じゃがいもを茹でれば柔らかくなり、卵を茹でれば固くなる、ということだと思います。

■ 自己破滅性リスクを考慮する

九州では、「趣味でクライミングをしている」というと、

 自己破滅的な人格と誤解を受ける

ことが多いです。 それはクライミングの本質と全く沿っていないというか、

むしろ、真逆、です。

そのような誤解があることが、そもそも山岳地帯での事故多発(『九州の岳人たち』を読みましょう)に伝統的につながっていると思います。

登山は、リスクオフさえすれば、後は楽しく登れますが、九州での最大のリスクは、

 自己破滅性を美化する文化

ですね。

余談ですが、九州では、沢のルートも、ボルトです…(汗)365日水が流れるところのボルトって信用できます?それ、スポーツクライミングみたいなルートっていうより、ロシアンルーレットみたいなルートですよね?

山梨では、沢ではハーケン(セカンドが回収する)か、カム持参、もしくは自然物でした。

■ リスクオフしてから、果敢にリターンを求める

クライミングの伝統にリスクオフの教えがあるか?というと、投資の世界と同じで、その誘惑に負けた者から、退場する、というのが歴史です。

マークアンドレが、いくらかっこよく見えても、たったの20何歳かでこの世から退場しているんですよ?

それは、リスクオフしていなかったから。

投資の世界に例えるなら、

 ロープ=元本を守る、

 登攀グレードをあげる=利率を取る

です。

ロープワークを最初に確実にしていないと、元本である自分の命を取られてしまいます。

登攀グレードは、クライマーなら、クライミング経験を重ねていれば勝手に上がっていきます。グレードを追い求めなくても

そこで、ロープによる確保の正確な知識によって元本を守らずに、グレード主義により、利率だけ上げていくと、投資ではなく、投機、になってしまいます。

投機を美化する文化が、やはり九州にはありますが、綿密な元本死守の原則を無視をすれば、結局は山に食われてしまいます。

さしずめ登攀力は、利率なので、若い時利率が高いときに高いグレードのルートにチャレンジしておかないと、利食い死損ねます。

年を取って、登れなくなる=低利率時代に入る、ですが、利率はきちんと入ってきますので、若い人のようにガンガン登れなくなっても別に引け目に感じる必要はないです。誰だってそうなります。 むしろ、自覚せず、若いときのままに行動するほうが、リスクですよね。

 ■ トラッドウィークエンド

これは、今日回ってきた情報です。

https://nkbv.nl/actueel/events/trad-weekend-ettringen-ceat.html

こういうのに出れば、世界の流れも掴め、海外在住の友だちもできて良いのでは?

■ 佐藤さんのサイト更新

https://www.sato-alp.com/

世界を股にかけるアルパインクライマーの佐藤さんのサイトが新しくなったそうです。

それでも、彼の実力がにじみ出るサイトとは、まだまだ言えないのかな?という気がしますが…アルパインのクライミングって、実力を、無知な人にも、分かるように伝えるのは、ほんとに難しいことなんですよね…。

ーーーーーーーーーー

今井:もう「Dawn Wall」とか行っちゃえばいいのに…
兼原:あれだよ、たぶん「NINJA」をもう30ピッチ登るみたいな、そんな感じだよ。そこには、やっぱりシングルピッチじゃない、登山っていう概念が入って、そこがメインなっていくからさ。山頂まで行く手段としてのフリークライミング能力。

ーーーーーーーhttps://www.alteria.co.jp/sport/2022-athletes-meeting-2/ より引用

って言っていましたが、九州の人だと知っているルートが違うので、ものさしが違ってしまって、「NINJA」みたいにクライマーが共通に実感できるルート難度がない。

九州人には、甲斐駒のスーパー赤蜘蛛とか言っても通じないのかもしれないですね。 

日本のトップクライマーが北杜市に集結してしまうのは、仕方ないけど、九州の廃れぶり…会でちゃんとした冬山合宿に行く能力すらない…を、思うと、なんとかならないかなと思ったりします。

こちらの会、西穂山荘止まりとか、結局、転進して赤岳とかです。そんなの、会に属していない一般登山者が真似事で行く山ですよね・・・。しかし、それしか行く自信が無いということなので、気の毒だなと毎年思って見ています。


2023/04/12

【若い人向け情報】中島渉さんの動画が2日後に出るらしいですよ

HUMBLE -Wataru Nakajima- Official Teaser from Imashi Hashimoto on Vimeo.

楽しみですね!

九州に限らずですが、僻地のリスクは、情報弱者となるリスクです。

ボルダーでは小山田大さんがいますので大丈夫と思いますが、リードの方は、まったくイケてない九州クライミング…さらにアルパインにもなると、目も覆いたくなる無知が、はびこっている九州クライミングの実情。

”現代アルパインクライミング”の基礎力、とされているのが、フリークライミング。

しかし、スポーツクライミングしか教わっていない若い人は、ちゃんと登れるクライマーを見ていないので、間違った価値観を身につけてしまっているのではないか?と思ったりしています。 

ちゃんとした人の登りを参考にして、年配の人のエイドクライミングをクライミングの全てだと思い込まないようにしましょう。

続報:中島さんの動画でましたよ https://allnevery.blogspot.com/2023/04/blog-post_62.html

2023/04/10

わたしの愛着障害 未解決の傷…諍いの種を感じてしまう…

■ いがみ合いのもとに敏感

小川山のトポに書かれた菊地さんのフリークライミング小史を読んで、花崗岩派と石灰岩派がいがみあっているらしい…と推察したのだが、

諍いの元凶が何か

を文脈から読み取れてしまう能力…は、子供の頃の傷、だと思った。

私は父方からも、母方からも、双方にとっての、初孫で、母と2人のおばあちゃんが、初孫を巡って、競い合う、という関係にあった。

いがみ合いの元は、赤ちゃんのわたしで、どちらも、赤ん坊を独占したいという所有欲が諍いの元。

なので、個人を愛情から、所有したい、という人が出てくると、私の感情の流れとしては、

冷める

のである。やれやれ、また誰が誰を所有するって話か…みたいな感じで。どうせ、所有欲が満足するまで、互いに喧嘩してやり合うんでしょ、みたいな。

赤ん坊の頃は、結局、子供には母親が一番なので、双方の祖母が諦め、母の手に委ねられると、今度は、赤ん坊が泣いても、母親が対応できないというケア不足に陥るということになる。赤ん坊は母親一人で育てられないのは普通のことだ。そこで母親が他社の介入を拒むのは、母親の自殺行為ってだけでなく、子供にも悪影響を残す。

ので、親の愛が、煩わしいか、もしくは、全く足りない、という愛情についての原風景を赤ん坊の私に与えることになった。

■ プラスの側面

ぴったり過不足なく与えられる、ということが、私自身には私自身についてできるので、

自分で自分の親をする

ほうが良い。

と結論。これが、独学のスキルに繋がったと思う。丁度スキルのレベルに合った課題を自分に与える力がある、ということ。

登山を学んでいる際も、例えば、積雪期の八ヶ岳権現とか通ったが、さんざん、素人のくせに危ないと悪口を言われたよなぁ…。 

いや、あれくらいの山、素人でも登れなかったら、山やとしての才能ゼロレベルですよ。

■ 弊害

なので、世間一般の低くなった水準の方に、私を合わせようとしてくる人が多い。

これは害だ。

なぜなら、私は、中学までは、クラスで特にガリ勉しなくても、一番か2番の成績優良者だったのです。学年で言っても、調子が悪い時で5番を下ったことがないです。

日本社会では、偏差値で割り振られた社会集団に属すので、そんな私でも、三井物産にいたときは、みんな賢いから快適~ この中では私はバカな方だなーと思っていたのですが、そういう偏差値で関門がない世界…たとえば、山岳会、などに来ると、

え?!こんなことも分からないの?

ってことが多いです。

■ 事例

例えば、ビレイでは、「落ちる人をキャッチした経験がないとビレイは習得できませんよ」と言ったら、

「俺はバカでした。言われたらその通りなのに、今までビレイで落ちる人をキャッチしたことはありませんでした。ロープを持っているだけで、ビレイはマスターしていると思っていました」

って返事でした。これで、え?ってならない人、いるんでしょうか?

九州で5年クライミングをしていたと自己申告してきた人です。九州ではクライミングを誰もきちんと教えていないです。

■ まとめ

というわけで、自分に与える課題が、背伸びすぎている、ということはあまりない。

世間のほうが、頭悪すぎ、ということのほうが多い。

所有欲を主張されると、萎える。

自由を尊重されると、愛されていると感じる。

過保護にされると、疎ましいか、バカにされていると感じる。

というのが、わたしの取説です。どうぞよろしくね! 



 

2023/04/09

甲斐駒で雪崩、DIYショップ、コロナとお金、恐慌前夜、若者のレベル低下

 ■ 甲斐駒で雪崩

猪熊予報士から回ってきた。

https://blog.goo.ne.jp/yamatenwcn/e/1d02dee9853f9d12dfc01b14330bb310

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24時間で30cm以上の降雪があったとき、急激に積雪が増えている状況や、降雪の後で積雪がまだ安定していない時間は、雪崩のリスクが高まります。

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常識ですね。

ただ雪崩講習会を受けている人には、常識のこの公式も、九州くんだりの雪のない世界にいたら、ピンとくるわけない。

実は、東京でも、一般参加者は、スノーボーダーと私達夫婦だけで、山やで来ている個人受講者はいなかった。

山岳部に入っている人って山岳部の上の人が教えてくれると思っている(時代錯誤。現実は山岳会に長い人でも雪のことを知らない)んで、

 主体的に講習会を受けに来ない

んですよね。だから、山岳会に入っている人のほうが受け身で、誰かが自分の面倒を見てくれるもんだと思っている、という現状があります。

しかし、時代は変わりましたよ?

昔は、終身雇用で会社が、社員の老後に備えてくれたのですが、現在では個々人がそれをやろうという時代。

実際、自分のことを人任せより、そのほうがいいですよね? なんせ退職金を天引きされていても、その年令まで自分が生きれるか?わかりませんよね(笑)。

■  DIYワークショップ

DIYワークショップに出たら、簡単だったけど、

「なんで、この材のサイズで、このネジサイズ?」

とか、

「手順的に、真ん中から組み立てたほうが、隙間ができなくていいのでは?」

とか、

ワークショップの設計自体に疑問が湧いた。

相似形。

わたしが思うには、男性クライマーが、マルチにフォローで行っただけなのに、「俺、登れる」と思うのは、このDIYワークショップのようにすべてお膳立てされて連れて行ってもらっているのに、そのことを分かっていないから。

・ロープは何ミリのを何メートルで、ダブルで行くか、シングルで行くか、ツインにするか?
・取り付きはどこか?
・ルートファインディングはどうするか?
・ビレイステーションはどうするか?
 

などを自分で考えて用意していないのに、

 洞察力が低すぎて、

 自分のことを大好きすぎて、

 社会から大事にされすぎて挫折を知らない

 ので、

 自分の能力が低いことに気がつく事ができない

からだと思う。

それは、こういうDIYワークショップに出て、何もかもお膳立てされて作れたものを、もう家も建てれる!と思うのと同じだろう…

それだけ、洞察力という能力が、現代人は下がっているということか…。

■ コロナとお金 恐慌前夜

一体、コロナとは何だったのか?
 

をお金の面から見ると…?
 

つまり、
 

1)製薬会社に、必要もないワクチンを巡って政府からお金が行く
2)市民に税から、補助金が行く
3)スモールビジネスに、補助金が行く
4)終わったら、政府のお財布はスッカラカン
 

→ この後、何が起こっても、もうヘリコプターマネーはないよ?
 

っていうのが、
 

 グレートリセット
 

を唱える人たちの言い分になっています。いや、分かる気もしますよね、なんせ、お金はなくても、人は食わねばならぬもの。 コロナとお金 …恐慌前夜

逆イールドが解消される前に売り抜けましょう。

マドモアゼル愛  https://www.youtube.com/watch?v=StrrsYHs1HQ

大井幸子 https://www.youtube.com/watch?v=s4LUJTp-1kQ

レバナス https://www.youtube.com/watch?v=JJMNiOURbNE&t=443s

■ 若者のレベル低下

最近、とみに実感するのは、若い人がいかにモノが分かっていないか、ってことです。

社会経験が少ないので、仕方ないですが、それにしても、40代後半はもう若い人と言えない。

すでに社会の主力で、頼りにすべき存在ですが、頼りにできるくらいには育っていない…

大井幸子さんの個人相談を受けたら、アシスタントの方が書いてくれたレポートがしょぼすぎてガックリでした…

そもそも、顧客の訴えが何か、何を解決してもらいたい相談なのか、理解しそこねている内容でした。それでよくコンサル業界で生きてるね、みたいな。 私が富士経済時代にこれ書いたら、上司からこっぴどく書き直しを命じられますね。

   世の中の平均的な日本人の平均的能力が下がりまくっていて、やばい

というのが現代日本の姿を正しく表現していると思います。




2023/04/08

小川山トポ、お取り寄せ 石灰岩派と花崗岩派でいがみ合っている?

 ■ 新・小川山トポを取り寄せました

そこに簡単に小川山の歴史がかいつまんでありましたが… クライミング界って

 花崗岩派 vs 石灰岩派

でいがみ合っているんですかね?

■ どっかぶりでランナウトしたら、ただのバカです

幸いなことに、アイスクライミングの業界では、歩ける傾斜の2級も、ロープがいるかいらないかの境目の4級も、一般的に確実にロープが必要とされる5級も、どっかぶっていて現在のアイスクライミングの主流の6級も、みなひとつのアイスクライミング、なので、傾斜によるクライマー同士の仲違い、(例:遠藤さんvs平山さん ??)はありません。

前にアイスで組んでいた、かっちゃんはフリークライミングの出身なので、6級は上手でしたが、4級は腰が引けて登れず、アルパインアイス出身の私がリードしたほうが上手でした。

私は山出身なので、傾斜の見極めは、だいたいできます。これは○級の傾斜だなーとか、そういうのです。

大体、フリークライミング出身のクライマーって、ただ歩くだけの2級の歩きが下手くそですよね。登れても歩けない。すぐ疲れるとか。

前に、保科ガイドのアイス講習に行ったら、ヨロヨロ歩いているおじいさんがクライミングに来ていて、気の毒だったので、荷物もちましょうか、と言って歩荷してあげたら、そのおじいさん、氷爆についたら、スイスイと上手に登ってビックリ。垂直までのクライミングは、バランス感覚なので、体力、とくに荷物を担ぐ能力、っていらない。もちろん、オーバーハングになったら、上半身の力が活かせます。

あ、話がそれましたが、アイスでは存在しない、

 傾斜によるクライミングの安全確保の違いに端を発する諍い

が、ロッククライミングでは、存在するようです。

ロッククライミングでは、岩の質の違い=傾斜の違い、なので、

 ミニマムボルト

を巡って、

 クライミングエシックの諍い、

に、発展しているようです。傾斜が違えば、確保条件は違ってきて当然です。

それを互いに、同じ前提で話すから、互いに正しいことを言っているのに、相手が間違っていることになる

どっかぶりのオーバーハングでランナウトしたら、まぁ、大体の人は落ちたら、死にますよね。 傾斜が寝ているスラブで落ちても、大根おろしになるだけです。

全くリスクが違いますよね。

■ 古いクライマーは現代クライミングをイメージできないのでは?

昨今、オーバーハングでも、落ちる気配すらなく登れる最近の若いクライマーのレベル感を、古いクライマーは、そもそも目撃したことがないのでは?と思います。

なんせ、古いクライマーは、石灰岩のクライミングを知っている人が超少ないですよね?

なんせ、わたしと一緒に登っていた5.12RPレベルの人…山梨では普通の人…が、「お前は、すごく登れるな~」と自信をつけてしまうレベルなのです。

山梨時代は、自分の立ち位置の認識があっていたのに、九州に来たら、あっという間に自信たっぷりになってしまいました。 つまり、相対的地位が上がったってことだと思います。

しかし、九州のリードするクライマーって、ちゃんとしたレベル認識をできるような、高難度を登っている人は、ほとんどいません。山梨ではゴロゴロしていたのと大違いです。

なので、外岩クライミングを教えているベテランが目にするのは、5.8も登れないアウトドアブランドで店員やっているような若者や大学生で始めて、山岳部やってます、みたいな新人で、インドアジム上がりで外岩に来た人ですらありません。 (断っておきますが、インドアジム上がりの人が優れているという意味ではありません)

その意味では、こないだサチさんが、大ヤスリ岩のエイドルートをフリーで登っていましたけど、あれとか、ほんとにすごいですよね。

あと、倉上さんのマラ岩正面フェースとか。 

そういうのを、九州の山岳会の重鎮は見たことがないし、想像すらつかないんだと思います。

なんせ、最近の九州の山岳部の若者って、ローワーダウンでも、僕怖くてできませーんとか、5.7でも登れません、とか言っているレベルなんですよ?

そういう人をなんとかクライマーにしようとすると、クラックの横にボルトを打たざるを得ないですよね。

九州の、3~5級の”寝ている”ルートでランナウトして威張っている重鎮の人たちが分かっていないのは、

今どきのフリークライミングで、命知らず自慢になるのは、どのレベルか?って話 

なのだと思います。

その無理解をなんか変だな、とは思わず(というか、思えるだけの判断材料がなく)、九州の若い人は、そのまま受け入れてしまっているので、下の写真は私がリード中の日向神の課題ですが、このレベルで、めっちゃブイブイ言わせてしまいます(笑)。

ま、カワユイっちゃ、可愛いですよね…

これをオンサイトした頃、まだ私は九州の実情を知らなかったので、”これくらいは登らねば!”と思ってリードしていました… 当時は、まさか九州一円が40年前のカットアンカーの岩場である、とは知らなかったので。 

なので、たぶん、九州の人からは、やるね!と見ていたんでしょうね…別に怖がらなかったので。

※ 当然ですが1本目はプリクリップしました。私には届かないからです。

■ 小川山仕込みでよかった…

私はフリークライミングをスタートした初期から、小川山で登っているので、小川山仕込み、と思いますが… 

だから、九州での一本目の日向神のランナウトも別に登っていますし、比叡もリードしています。

結局、小川山で鍛えられていたから登れた、ということでしょう。

同じ課題、ヨセミテ仕込みの海軍アメリカ人は登れなかったし、九州では比叡は事故だらけのルートとして有名です。

事故があるだけではなく、ボルトが未だにカットアンカーで超・ボロい。40年経過している。

それを知らず、本州のクライマーは、名ルートとして、味わいに来ていますが、本州の人は小川山で鍛えられているので、問題にならない。落ちて死んでいるのは、地元のジム上がりの人です。 ジムではロープワークは教えないし、スラブが登れるようにもならないです。

カットアンカーについては、比叡だけでなく、超安心のフリークライミング課題と目されている長崎の岩場…野岳とか、龍頭泉やら、でも同じです。九州一円、ぜんぶ同じ。

長崎には長崎フリークライミング協会があるのに、ボルトのことはスルーしていたんですねぇ…。ということで、大分の本庄も同じかもしれませんね。あそこ、どっかぶりだから、余計シビアと思いますが。

というわけで、小川山仕込みであったことで、九州では命拾いしました。

いやぁ、拾った命、何に使って生きていこうかなぁ…

■ レベル低下が目撃したことだった

43歳でクライミングスタートした人が3年程度、真面目に修行した程度で登れるような内容のところを、今の若い人は、きちんとリードもできない。

さらに、今の山岳会の人は、いくらジムで登っているような意欲が高い新人さんが来たとしても、きちんと指導する能力がそもそもない、ってことです。

小川山でクライミングデビューして、ホント良かったです。

ジムだけで登っていたら、たぶん、殺されていたでしょう…。

これがリードできるぐらいでブイブイ言わせているなんて奴はダサい

 


2023/04/07

小さく使って、大きく貯める

 ■ 大局を間違わず、贅沢は小出しにする

おばあちゃんが私に残した言葉のうち

「○○ちゃん、汚く貯めて、きれいに使うのが、お金よ」という

 間違った教え

がありました。 

せっかくコツコツ貯めたお金と、一瞬で綺麗さっぱり、さよなら、してしまうのは、いつまでも豊かになれない思想、です。

■ お金は小出しにして、価値を高める

(一度にドーンと結婚式に200万円使って派手な結婚式をする)

VS

(小さな教会で友達を招いて20万円で結婚式をする)

のどちらにしても、

 思い出の価値

は、変わらない。

ラオスに登攀に行った時使ったお金は、8万円いかなかったです。クライミングジムに一ヶ月行くと1万円。一年で12万円。毎日は行けないから、週に2日、行ったとして…うーん‥

私にとっては、

 そこで出会う人の質

 体験のインパクト

を比較すると、どう考えてもジムって不経済で、ラオスのほうが価値がありますね…。

だって

            ジム       ラオス

人の質       競争好きな人     冒険好きな人

体験のインパクト   トレーニング     リトリート


ということになります。もちろん、これは、個人の思想や好みとの差ということです。

だから、普段、クライミングジムの店長やってて、無料でジムの恩恵が受けれる待遇の人に、海外にクライミングに行っているのを羨ましがられて、意味わかなんなかったですね。

40代でクライマーになった人に、今更、

 星飛雄馬の時代の筋トレギプスみたいな、クライミングスポ根

を求められても…(笑)。指が壊れて、クライミングにマイナスです。

みんなにとっては、なんちゃことない6Aでも、私は、8Aを登る人と同じ、

 ”ゾーン体験” (フロー体験とも言う)

ができているので(笑)、むしろ、

 遅くに始めたことが有利にはたらいている

といえます。

■ 小さな贅沢は、○

例えば、憧れの車を1000万円のローンを組んで買うと? 利率で18%とか取られますよねぇ?

1000万円の18%って、180万円ですよ? 住宅ローンとか、35年かけて3500万円のローンを2%で組んだら、トータル 倍くらい払うんですよ?知ってますか?

一方、ちょっとした自分にご褒美で、ハーゲンダッツ1個食べたって300円。

近所の公園にコーヒー持って、でかけて本を読む、友達と喋る、それで数百円。

十分、幸せですよね?

180万円を節約したり、35年ローンの住宅ローンを避けるほうが、絶対に効率が良いに決まっている。

もちろん、無借金で1000万どーんと払えれば払ったらいいですし、3500万円即金で住宅が買えるなら、買えばよろしいのですが…。

  ローンを組む=種銭ゼロ円=奴隷道

です。

日本では、サラリーマンの皆さんは、こんな家計の使い方を、あたかも

 堅実な家計運用

と信じ込まされてきたんですよねぇ…(遠い目)。自分で考えていない印ですね。

クライマーも、みんなそんな感じで、自分で自分の人生のリスク考えていないですよね。

だから、みんなが行くルートに行きたがる。

目的が登ることではなく、行ったという既成事実で実力を誇示することにある。みんなと一緒ということにある。みんなが赤信号渡っているときに自分も渡ったら、自殺って意味です。 

クライミングなんて、それをリアル体験で学ぶ場なのに、クライミングで、学べなかったら、一体どこで学ぶ気なんだろうなぁ?

■ 住宅ローンこそ、隷属への道

住宅ローンを組んで、3500万円の家を買うことが普通だと思っているアホって今どきどれくらい、いるんでしょう?

これだけ知識が進んだ、現代でも、そう思っている人がいたら、かなりおめでたい人と思いますが…

世界的に、住宅取得の安全圏は、年収の3~5倍です。

年収300万円の人は、900万円~1500万円。 日本人が、”普通”と認識している、3500万円を払うためには、最低でも700万円の年収が必要ということになっています。

そんな事も考えないで、親と銀行の言うままに、35年ローンを組んだら、お金が自分のために働いてくれるどころか、お金のために自分が働かされるハメになります。

私は育英会の奨学金で無利子ではありますが、同じことが起きました。大卒時400万円の借金があったので、返すのに38歳までかかりました。

親に大学まで出してもらって、それでお金がないとか言っている人って、見てたら、エライ贅沢していますよね、別にその人の価値観を生きればいいので、いいのですが。

そもそも、考えていないから、他人を羨むということになるような気がします。

■ お金は種銭

仮に同じ400万円が借金でなく、種銭だったとしたら? 

400万円を4%で運用したら、10年で592万円。

つまり、立場を変えると、お金を貸した人は、400万円しか貸していないのに、592万円返してもらえるってことです。

働いても働いてもプラマイゼロなのは、このためだということですね(ーー;)

お金は、種銭、と理解しましょう。