2026/03/20

【クライミング心理学】性とクライミング

性犯罪者の依存性について勉強しています。

性加害者はなぜ加害してしまうのか?
性犯罪はなぜ止まらないのか?: 性加害者カウンセリングの現場から amzn.to
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理由1)健全なコーピングスタイルを知らないから
理由2)そのため、依存症になって行為がエスカレートするから
理由3)その行為のエスカレートをほかの行為に置き換えることができないから

1. 「不快感」の解消法が性加害しかない

多くの加害者は、ストレスや孤独、自己肯定感の低下といった「不快な感情」に直面したとき、それを適切に処理するコーピング(対処法)を持っていません。

本来なら「誰かに相談する」「趣味で発散する」「休息をとる」といった選択肢があるはずですが、彼らにとって加害行為が唯一の強力な鎮痛剤になってしまっています。

「性的興奮」によって一時的に脳内の報酬系を強制起動させ、直面している現実の苦痛を麻痺させている状態です。

2. 「依存」による脳の回路の変容

行為を繰り返すうちに、脳はより強い刺激を求めるようになります。

耐性の形成: 最初は軽い空想や露出だったものが、次第にそれでは満足できなくなり、より直接的でリスクの高い加害へとエスカレートします。

衝動制御の低下: 

依存状態に陥ると、理性を司る前頭前野の働きが弱まり、わかっていても「やめられない」という脳の病的なサイクルが定着してしまいます。

3. 「代替行動」の欠如と認知の歪み

「加害をやめる」ということは、単に我慢することではなく、そのエネルギーを別の安全な行動に置き換える必要があります。

しかし、加害者は「自分にはこれしかない」「相手も喜んでいる(同意がある)」といった
認知の歪み(自分に都合のいい解釈)を強化していることが多く、
他の健全な人間関係や趣味に価値を見出しにくくなっています。


自分自身を客観視し、衝動が起きたときに「別のドア」を開ける訓練(認知行動療法など)を受けていないため、同じ轍を踏み続けてしまいます。

■クライミングとの類似

私はクライミング活動で、えっ?と驚く、クライマーたちの特殊な理論にびっくりした経験があるのですが…それは、クライミングにおいて、保険のないリスクの量を上げ続けることに、正当性を感じているようだ、という点でした。

たとえば、ある種のクライミングでは、墜落から自分を守るための、ボルトを必要とするのですが、そのボルトの距離が離れると、ロープをつけていても意味がなくなります。それを、ランナウトというのですが、ある種のクライマーたちは、ランナウトを”報酬”と感じるようでした。なぜか、それが”自慢”になる。

この心理現象には、二つの面があったみたいですね。

ランナウトを報酬と感じること自体が、まったく報酬ではないので、プラスとマイナスを取り違えています。

そして、マイナスにしろ、プラスにしろ、エスカレートさせていくこと自体が、依存症のメカニズムです。正しい方向にエスカレートさせれば、クライマーたちは偉業を成し遂げることができたかもしれませんね。

そして、自慢になってしまうという点は、自己愛の問題が絡んでいそうです。

■満たされない性欲の発散先として

変な言い方ですが、一度の墜落が死につながるアルパインクライミングと違い、99%落ちているボルダリングというクライミングは、男性が瞬間的に力を放散したい、発散したいという、衝動の発散に向いています。

ボルダリングは発散系。瞬発的な力で、ダイナミックに体を動かして、ホールドを取ります。

逆に私は女性なので、それが嫌で、あまりボルダリングには魅力を感じていませんが。

彼女いない歴が長い男性は、ボルダリングを試してみると、良い力の発散先になるような気がします。

ADHD気味の人にも、集中力がどうやっても必要な活動なので、ボルダリングは良いと思います。

■ロッククライミングに向かない人

ちょっと話はそれますが、ロッククライミングに向かない人というのがいます。

それは行動のミスが多い人です。ロッククライミングの安全は、冗長性に守られています。バックアップがあるということです。そのバックアップを取らない人がいるんですよね。それは、ついうっかり、みたいなおっちょこちょい系の失敗です。

懸垂下降でロープをリングに通す前に投げそうになった人を知っています。

他にも、たとえば、-20度にもなる冬季の八ヶ岳で、ついうっかり濡れた手で、ピッケルを触るとか。ドライツーリングが流行ったせいで、アックスを噛むというポーズが、ピースサインのように使われて、うっかり―20度でアックスを噛んで、唇の皮膚を持っていかれた人を知っています。

エニアグラムでは、タイプ3,7,9の人が高リスクです。こういう人たちには、あなたは高リスクの性格だということを教えたほうがいいのではないかと私は考えています。というのは他者の命を奪う原因化することがあるからです。

そういう世界を避けて、誰でも気楽に登れるフリークライミングの世界に行こう、と思ったら、今度はアドレナリンジャンキーの世界にぶち当たったんですよね。

それは、性加害者と同じで、不健全行動がクライミングでのランナウトやプアプロテクションに置き換わっただけでした。

性加害の場合は、代わりになる、健全行動、代替行動を知らないことが、原因と竹内成彦心理士により解明されていますが、これはおそらく、クライミングでも同じでしょう。