2020/03/27

上下関係で登ると上達できない理由

■ クライミングあるある

新人時代とか、自分よりパートナーが登れない時代は上手く関係性が築けるけれど、相手が成長したら、上手くいかなくなる…という年配のクライマーは多いと思います。

これを「捨てる」「捨てられる」と表現する人もいて、私は以前のパートナーで、嫌だったのは、ちょっとでも気に入らないと「君とはもう登らない!」とパートナー解消をちらつかせて脅すことでした。

次の文章は、心理学のメールマガジンで届いた内容です。

これは多かれ少なかれ、クライマーの上下関係があるパートナーシップについて言えることではないでしょうか?

ーーーー
まだ小さい子供の頃は、親が絶対的な存在であり、
全面的に親に頼り、尊敬の念を抱いています。
こういう関係性の時は、小さい子供に頼られ尊敬され
親は自尊心が満たされます。
しかし、子供が大人になるにつれ、
親とは違う世界を経験したり
自分独自の価値観を作りながら成長していきます。
子供はいつまでも親のことを無条件に頼るような
無力な存在ではないのです。
子供が一人の人間として親を見た時に、
それでも子供に尊敬されるかどうか。
その答えは自分自身に聞いてみれば
分かるのではないでしょうか。
このクライアントさんにこのように聞いてみました。
私:
「あなたが娘さんだとしてあなたのことを尊敬できますか?
尊敬してほしい、なぜ尊敬しないの?と、
娘さんの話を聞く前に自分の要求ばかりする母親を。
娘さんの話を聞くためではなく、自分が満たされるために、
連絡をよこせと主張する母親をあなたは尊敬できますか?」
この質問はクライアントさんにとって
耳の痛い質問だったでしょう。
しかし、“母親”だからといって
無条件に尊敬されるはずなどないのです。
やっていることは駄々をこねている子供と一緒なのですから。
ーーーーーーーーーーー

ーーーー
まだ新人の頃は、師匠(山岳会のリーダー等)が絶対的な存在であり、
全面的にリーダーに頼り、尊敬の念を抱いています。
こういう関係性の時は、新人に頼られ尊敬され
リーダーは自尊心が満たされます。

しかし、新人が登れるようになるにつれ、
リーダーである自分とは違うクライミングの世界を経験したり
新人独自の価値観を作りながら成長していきます。
新人はいつまでもリーダーのことを無条件に頼るような
無力な存在ではないのです。

新人が一人のクライマーとしてリーダーを見た時に、
それでも新人に尊敬されるかどうか。

その答えは自分自身に聞いてみれば
分かるのではないでしょうか。
ーーーーーーーーーー

グレーディングとピン間隔について

■グレード談義

今日は朝から、小山田大さん、室井登喜男さん、杉野保さん、ユージさんという超豪華メンバーの、グレード談義の記事を読んだ。

V15とか発表すると、それは日本だけの問題ではなく、世界が反応するらしい。

グレーディングは、ほんと、まぎらわしい。

目安として機能するように、ほとんどなっていない。

そうなると、どんな岩場でも、どんなに自分が登れると思っても、一番下から順繰りに登っていくべきじゃないだろうか。その岩場で難易度が揃っていればいいだけなのだから。

■ 三倉はヨセミテグレード

三倉の5.9は、まったく5.9じゃない。日本の5.10bくらいある。それはヨセミテがそうなのだそうだ。

だとすると、ラオスの5cは、デシマルでいうと、5.9に換算されるはずだが、それだとつじつまが合わない。登攀のスタイルの差を加味しても、つじつまが合わない。

ラオスでは、6Aは、ムーブが必要なようにできていて、日本の岩場で培った、5.9はムーブがなくても登れ、5.10Aになればワンムーブ、という感覚と違う。これでいうと湾グレード違うってことだ。

高グレードの人たちは、世界のクライマーから、

「え~、V15っていうから、来たけど、簡単じゃーん!」

って言われるという問題があり、低グレードの人たちは、5.9って言うから登ったけど、5.10bじゃーんっていう問題がある。

ので、それが逆になったほうがたぶん、安全性は増すでしょう。

辛い、甘いが安全性という観点からは、真逆になっている…。

本来は辛くもなく、甘くもないのがいいのですが、適性グレードというのは、実現不可能な夢と思われるので、

11未満の人
は、めっちゃ分厚い安全マージンでも別にいいと思います。

ギリギリに迫って落ちる=人工壁

で、外岩のことでなくてもいいです。人工壁のリード壁じゃなくても、落ちれるなと考えられる幅で、ピンが打たれているようになってきたら、落ちながら登ればいいのであって、それは、5.12辺りからのスタートらしいですよ。

私の知っている強いクライマーで開拓していたような、強い人で昔の人は、それくらいにならないと、落ちれる間隔で、ピン打っていないです。

どのくらいのグレードから、落ちれる幅でピンを打っているか?で、そこかはとなく、実力をアピールする、というのが開拓者の秘めた愉しみ、みたいです。

結果として、その実力の誇示のために、新人が命の危険を冒しながら登る結果になっている。

非常にかっこ悪い図です。




ピンクポイントでの登攀と疑似リードの必要について

■ 人のクライミングをよく見る=適正安全マージンが分かるようになる

師匠と喧嘩したのは、湯川で私が疑似リードに進みたいときに、疑似リードではなく、ピンクポイントをさせようとしたことが、最初でした。

私がピンクが嫌だったのは、カムを指す位置が、いつも相方の回収で登っていて、遠い。背が高い人は、一ピン目から私と違います。

私のリーチが、彼の50cm下で、手が届かない位置にカムが刺されたピンクポイントでのリードは、たぐり落ちの危険、が非常に高い。

なぜ、それが彼は理解できなかったのか?

それが理解できないと、自分のパートナーにピンクを強要することになります。

なぜ理解できないのか?というと、おそらく、セカンドをやらないからです。

師匠はおそらくセカンドをやったことがないと思うので、身長でカムの位置が違うと言っても、なかなかその具体的な様子が浮かばなかったに違いありません。

私は、わざわざ紙面でそれをきっちり書いているくらいです…(汗)

https://allnevery.blogspot.com/2019/08/blog-post_68.html

師匠、一度でいいから、私のいうことを聞いて、疑似リードをしてくれたらよかったのに。

そうすれば、私がカム位置が違うと言っている意味が分かったでしょう。

■ 湯川 カムセット難しい

一方、湯川はカムのセットが難しい岩場で知られています。だからこそ、カムのセットを覚える疑似リードにぴったりの岩場です。

■ カム位置=ギリギリ度の指標

セカンドで登らなくても、自分の限界に迫っていれば、カムの位置は、クライマー本人にとって、どれくらいギリギリに迫っているか?の指標である、ということが分かります。

誰でも、危険の量に応じて、カムのセット間隔が短くなります。

それは、端的に言えば、アルパインクライミング…つまり、落ちないクライミングで、プロテクションは、ほとんど出番なし…は、やっていても、フリークライミング=プロテクション必須…、はやっていなかったから、彼はそれが理解できなかった、ということなのです。

おおざっぱに言えば、アルパインクライミングは落ちないクライミング、フリークライミングは落ちながらも、何度もトライして、”岩に合わせて自分を変えて登る”クライミングです。

岩への寄り添い、がアルパインとフリーでは雲泥の差、です。

■ どこからフリークライミングの領域なのか?は人による

岩への寄り添い、というのは、岩のために肉体改造が必要になる、ということです。

どのグレードから、岩に向けて肉体改造が必要か?というのは、人によります。

一般的な体格の人にとって、フリークライミングの始まりは、5.11以上から、現代では5.12は中級者になってしまったので、現代クライマーには5.12から。

もちろん、これは標準体型&標準体力の人向けで、クライマー界の標準=若い男子、です。

若い男子の身長&体力に入っていない人たちにとっては、肉体改造が必要になるフリークライミング、としてのクライミングのスタートは、もっと下のグレードからです。

私などは、高齢&女性ですので、10台でフリークライミングとして、岩に向けて自分の肉体改造を始めないといけませんでした。

すでに始める前と今では別人です。

■ 疑似リードは必須です

人間は、クライマーを見ていると、脳がシンクロしてしまい、私はいつもビレイしている相手(=クライマー)の動きを読めるようになってしまい、彼が何が登れ、何が登れないか、よく分かります。

人間には、ミラーニューロンと言って、相手のムードや気分に、シンクロする機能があります。

共感脳のことです。

ですので、ビレイをしてあげる時間は、共感の時間、観察の時間、です。

クライマーをよく見ているビレイヤーが良いビレイヤー、とよく言われます。

ので、それが起こっていなかったということを考えると、要するに、師匠は私がTRで登っている間、そんなに良くは見ていなかったのかもしれません。

おそらく老眼で、あまり見ること自体ができなくなっているのだと思われますが…(本人の非ではない。)

トップロープでの疑似リードは、クライマーが、カムの位置、岩、ムーブと、どういう歌を奏でているか、ビレイしながら、観察する時間であり、そう思えば、安全マージンを理解するためには、かならず必要、です。

疑似リードして大丈夫そうなら、リードに進みましょう。

もちろん、オンサイト狙いは、また別の話です。習熟度は、もっと必要です。

■ 共感脳が勝負のクライミング

こうしてみると、共感脳、が、クライミングにおいては、味噌だということが分かります。

共感脳が強くない人は、

 ・相手に実力とかけ離れたグレードのリードを勧めてしまったり

など、事故や怪我につながることを、相手に良かれと、勘違いして行ってしまいます。

一般的な傾向ですが、男性ホルモンまっさかり、みたいな方は、一般に共感脳が強くない傾向があります。共感というのは、心理学の分野では、女性性や知性に属することだからです。

女性性というのは、花がきれいだ、とかそういうことを想うっていう話ではありません。男の人の場合、花がきれいだと思うのと同じレベルで、女性がきれいだ、可愛いな、と思ってしまいます。

そうではなくて、
 
 相手の心情に立つ、
 相手の立場からモノを見る、

というのがクライミングで必要とされる共感能力です。 

花が可愛いという人は、花を摘みます。花を愛する人は、花に水をやります。

フリークライミングは、ムーブを楽しむクライミングなので、登頂を目的とするアルパインとは目的が違います。アルパインは登頂のためなら手段を択ばないというダークサイドがあります。それを覆したのがフリークライミングです。

 フリーでは、5.9でも、5.13でも、やっていることは同じ

です。つまり、上下の関係はありません。

5.13を登れる能力を山に持ち込むのが、現代のスーパーアルパインです。

■ トップロープで様子を見る

相手をビレイしている途中、クライマーをよく見て、クライマーと同じ気持ちでビレイするということですが、一般に会で登ってきたオールドクライマーは、ビレイが大変いい加減です…。特にトップロープ。ひっぱってりゃいいくらいなノリです。

そうではなくて、登っているクライマーと同じように、岩との対話を感じてほしいものです。もしそのクライマーが、あまりに稚拙で下手であれば、相手が上手になって、戻ってくるまで、ジムで登らせたらいいだけなのです。

それをしたくないのは、ただ単に、自分に都合がよいビレイヤーが欲しい、というご都合主義でしょう。

■ クライミングは移ります

私はクライミング、後輩に、「楽々、登っているように見える」と言われ、びっくりしたことがあります…。本人は、楽々でなく、必死、の時だったからです。

相手が必死か、楽々か、を見分けるのは、やっぱり共感脳の働きのような気がします。

男性は多くの人が、これが発達していません。

ちなみに、バレエでは、先生のお手本通りに動きを作れる必要があり、私は、動きのコピーが得意なほうです。この能力のため、水泳はあっという間に習得しました。この能力は、年齢を遅くスタートすると衰えています。

クライミングの初期のころ、今では有段クライマーのハッシーと言う先輩と人工壁でビレイ習得しました。彼の登りを注視していたせいで、私のムーブは男登り、だったらしいです(笑)。そりゃ、ハッシーのフィジカルでやるムーブを私がやっても、フィジカル違い過ぎて、できるわけないわなー。

というので、後で、ムーブをだいぶ直されました(笑)。

色々、師匠とは喧嘩しましたが、危険を無理強いされようとしたときに喧嘩 = Good

だったと理解しています。雨、降らないと地、固まりません。


  迷ってもハードプッシュしてはいけません。それやってるとムーブは身につかないです。

2020/03/25

瞑想山歩き 一回目

トレーニングをかねて、瞑想山歩きに行ってきました。足をなんとか回復させたいと思っています。

■ ミラーニューロン

人間にはミラーニューロンという脳の電波があって、脳内ホルモンで、気分、が伝播するのだそうです。

不安なクライマーのクライミングを見ていると、自分も不安になって登れなくなりますよね?

あれは、本当に脳が憑依されているんです。

山で心が満たされるのは、山の空気や、山の木々や大地、野生動物から発せられている、

純粋な質

に、人間の脳も同調してしまうからだと思います。

そのためには、登山者は一人で歩かないといけません。しかも、鈴など付けずに静かに。

■ 右ひざ脱臼のこと

脱臼した足は、一向に良くならず、いい加減、バンバン、クライミングしたい!とは思いますが、危険すぎて、やる気になれません…。

脱臼は、癖になるそうです。

今で半年経過していますが、まったく足を突っ張るムーブができません。スメアはできますが、立ちこめません。膝を強く収縮させた状態で突っ張ると、またハズレそうです。

しかし、外から見ていると、そんなことは分からない訳で、頑張っていない、と見えるだけ。今の時期、誰と登ってもリスクです。

■ 相手に憑依しない

師匠の青ちゃんが、ボルトを抜いた直後、ガマスラブに私を誘ってくれたのですが、歩けない、その様子を見て、ビレイをお断りしたことがありましたっけ。「何かあった時、パートナーが私では、あなたは危険です」と先にくぎを刺しました。結局、本人が登るって聞かないので、登りには行ったんですが…。金峰渓谷で足を冷やしたり…と、大変でした。

その時の記録 
https://allnevery.blogspot.com/2016/09/blog-post.html
https://allnevery.blogspot.com/2016/09/blog-post_85.html

彼がなんで私と登りたかったのか、今では分かります…。

私は相手の境界線を犯さないから、です。煽らない。

若い男子は、”え?!こんなのも登れないの?オーラ”、全開ですもんね、男子らだと。

そりゃ~、年齢差、息子以下の男性に、けっ!って顔されるのは嫌でしょうね。レスキュー隊長したり、冬壁だったり、それなりに実績を積んできた山やなのだから。男子は顔に丸ごと出ます。たとえ、相手が怪我している、って言っても外からは分からない。

昔、上司が2名いたのですが、一人の上司が、「女性はホントにやりやすい。頼んだこと以上にやってくれて、こちらの意図を汲んでくれて…」と言っていました。上司によると、男性は、上司がお願いしたようにではなく、自分がやりたいようにやる、そうです(笑)。そして、それがちょっと的外れでも、言いにくいそうです(笑)。男子、自信ありすぎですから。

■ モテたい…

登山口につくと、今日は運悪く、84歳のおじいさんにつかまってしまいました…。なかなか出発されないので、私と登りたかったみたいです。聞いてもいないのに、84歳と自己申告。めんどくさいなぁと思いましたが、「お若いですね」と言っておきました…。

いや、84歳になっても、山に登りに来るのは素晴らしいと思いますが…。だからと言って、同行者を求めるのは、相手も登りたい場合だけにしてもらいたい…。おじいさん、たぶん、いつお迎えが来るのか、不安なのは分かりますが、鈴がうるさくて、今日したいことが、オジサンといたらできないので困りました…。

今日は、私は同行者は欲しくない。…ので、なんとか別行動してもらうのに、大変、苦労しました。男性は、本当に、察する力が低いですね。男性の登山者もいたので、振り返ってみてみましたが、一緒には登っていないようでした(笑)。要するに、女性と登りたいのか。

84歳になっても、男性の価値観は、モテ、なんだなぁ…と、しみじみ思いました。あの手、この手、なんだなぁ。高齢自慢、という新しいナンパ手法らしいです(笑)。

■ 植林

三瀬村は、日本で最初に無税を実現した村、です。

以前、三瀬研究した時に、知りましたが、昔頑張ったため、今は、手入れをされなくなって40年、みたいな植林が周辺の山々に広がっています…。

当時は、夜逃げ人が出るほどの苦役を村民に課して達成した無税の村、だったそうですが、そんな無理をしてまで、そんなことをしたのは、将来、植林がお金になって楽になる、という目算があったためです。つまり、強欲、があったということです。

ところが、国の施策により国産材の需要はなくなり、資産だったはずのものが、負債に。

  
資産 → 負債

の流れが、ここでも見受けられます。

時代の流れを読むことは難しいので、その時その時に、良かれと、短絡的にがめつい発想で何かをやることには、疑念がある、ということですね。

こうしたことは、ただ、おしゃべりしながら、山を歩いていたら、全く気が付くことができないでしょう… 

というのも、植林の手入れが十分されているのか?いないのか?そんなことに気が付くだけでも、それなりに、たくさんの植林地を見る、というデータ収集期間が必要だからです。

ちなみに、こちらのような、細ーいバーコード状の森は、まぁ、お手入れ、かなりサボったねーって感じです。

■ サトビックな場

今日は、84歳の例のおじいさんが鈴をつけていたので、私は嫌だったのです…

わたしは、そおっと、山を歩きます。すると、野鳥とか、色々な動物が、人間ってどんなものだろ、って寄ってきます。

今日は、おそらく、ヤマガラと思うのですが、私をずーっと観察している野鳥が…。

お釈迦様を描いた絵に、野生動物がみんな寄ってきている絵柄がありますが…もし、人間が変なおしゃべりなどせず、じっと自然の中にたたずんで、他の野生動物と協調的な生活をしてくれるのなら…きっと野鳥たちのほうも、人間と仲良くなってもいいかな?と思うのかもです。

今日は、20分くらい、こっちを見ていました…

山頂付近で昼寝モードで本を読んでいたら、私をぽかぽか陽気に温められた岩だと勘違いして登ってくるトカゲ君などがいたので、こりゃ岩と同化してしまう前に帰ろ、と思い、山を下りました。

途中、佐賀の高校山岳部のメンバーに会いました。よく言えば、元気いっぱい、悪く言えば、ドスドスとデリカシーの無い歩き方で、山の中がやたら騒々しくなるよう…。

彼らの山は、山との対話、とかではなく、山を舞台とした、軍隊式意思決定を学ぶ場、みたいでした。

そういうスタイルの山があっても良いと思いますし、それがアルパインの基礎につながっていくと思いますが、損な山だと思いました。というのは、それは下界でもできることだからです。

聞いたら、縦走路の一般ルートを歩いているだけなのに、読図山行らしくて、驚きました。読図の山だったら、どこか一尾根歩いておいで、みたいな感じだからです。

尾根を歩く、という初歩の初歩、無くして、読図山行って…。まぁ、すごい遠回りな道を選んだね、みたいな感じ。

一般ルートを歩いていても、読図力、全然つきません。

まぁ、彼らもまた、それが分かるプロセスの上にいるのだろうと思ったので、元気なこんにちはー!に、こんにちはー!で返すことにしておきましたが…。

山でコーヒーがおいしかった…。冷えてもおいしいスペシャルティコーヒーを飲むに限りますね~ 山コーヒーは!

と思った山でした☆ 足は、ぼちぼちです。
竹が進出しているところは人間の進出した痕跡です 春は色で分かって面白い

自己責任の具体的内容

■ 自己責任の具体的内容

現代日本フリークライミングで言われる、自己責任、の具体的内容は

1)落ちていいボルト(M10グージョンやケミカル)とそうでないボルトの見極めができる

具体的には、M8とM10の差が見極められる。

2)FIXE社製でない、手作り終了点が、とりあえずの終了点だという認識がきちんと持てる&おかしいと気が付くことができる

3)2点、横に平行に打たれた終了点を見て、おかしいと気が付くことができる

3)ランナウトを認識できる

4)クリップ体制が可能なところにボルトがあるべきだということが分かる

5)敗退用ギアを持っている (例:捨てビナ)

6)グレードは目安に過ぎないので、グレードに惑わされず、自分が登れるかどうかをルートを見て判断できる

7)カムを確実に設置できる

8)ビレイヤーのビレイスキルを評価できる

9)1ピン目が掛けらればどこでも登って良い プリクリ棒を持っている

10)後進に自分の知っている安全対策とその理由をきちんと論理的に伝えることができる

以上です。

10)ができている人にあったことはほとんどないです。

フリークライミングの教育機関がないことについて

■ 放任主義

今JFAの井上さんと議論中。井上さんは、日本の”フリー”(本来、自由な)クライミングなので、そうした教育機関は要らないという発想。 

そうか、野放し、だったのは、”自由”を重んじたためだったのですね。

その、放任主義の結果が、現在、如実に表れている真っ最中、ということだったのでした。

子どもの教育と同じで、子ども=新人は、まっさらなので、きちんと、「こうやって遊ぶんだよ」と教えないと、分かるようにならない…。特に危険なことは、危険を避けて遊べるようになるまで、大人がついていないといけないと育児書に書いてありました。

吉川栄一さん…沢登りの方ですが、本に書いていましたが、「”山やとしてのあり方” から教えないと、人はちゃんとした”山や”にならない」という理論を展開されている方でした。

■ なぜ岩場に木っ端がつくことになったか? 説明責任をも放任したため

私も同意見で、その観点から見ると、おそらくフリークライミングは、放任主義のついでに説明責任も放棄してしまったようで、その結果

・岩場に木っ端くっつけてしまう
・本気チョークの特集に5ページで、30数年ぶりのデイドリ初登にたった1ページ

チョーク=エイドですので、エイドに力点を置き、初登よりエイドのほうがページ数上は価値ある扱い、みたいなこと…価値観…

が出てきてしまう結末になってしまい、

原因 )岩との対話を語らない
結果) 岩を顧みない

という、原因と結果の法則にしたがった現実(=ロクスノ紙面のレベル低下に端的にみられるクライマー全体のレベル低下)が出現した、ということになってしまっているようです。

岩との対話、置いてきぼり。登山の世界で、山との対話が置いてきぼり、なのと同じです。

■ 小うるさいお母さん状態

若い人は、技術は向上しているので、ちゃんと技術的には登っている人はいます。

しかし、残念ながら、そう言う人たちは、JFAをむしろ避けるように登っています(笑)。

どれを登れ、これを登れと指示されなくても、自分で登れる人たちなので、ジムにも行かないし、山岳会にも、もちろん行かない、自分とパートナーだけで登ります。そういう人たちにとって、

JFAのおおざっぱなイメージが、「アブナイ、アブナイと、やたら、小うるさいお母さん」というイメージになっている…。

それに対する、一般的なクライマーの反応は、

「そんなことは分かっているよ」
「危ないから面白いんだよ」

でしょう。

私も正直、そのイメージを植え付けられていました。

■ いわゆる”自己責任”の具体的因数分解

私自身はFreefan、登れない時期から読み込んで、特に終了点の写真などは見ていましたし、ちゃんと後輩には、ペツルのカタログとセットでFreeFunを渡していますが、その私ですら、

 M8 と M10  のサイズ感の違い

は全く分からず、ここ数か月で身に着けたようなものです。これは私だけでなく、登攀歴50年の師匠も同じでした。RCCやオールアンカーではなく、普通にハンガーがついていれば、おそらく強度は大丈夫だろう、と思ってしまいます。

事実は全くそうではありません。

しかも、そのことを山岳会に属していても、先輩たちは後輩に、論理的に伝える能力がありません。

論理的に、というのは、現代で世界的に必要とされるボルト強度は、25kNであり、M8ボルトが出している強度は、施工が良くて15kNしかなく、施工が悪いと5kNしか出ていないということです。

また、この数値から内容を理解するには、人体は12~13kNで壊れる、人体が許容できるインパクトフォースの最大が12kNだ、という知識が必要です。

 12kN
 25kN

ちなみに、カムで14kNくらいですが、これは、落ちたときにカムが壊れるより先に、人体が壊れるでしょうと言う意味だと思っています。

カットアンカーとグージョンの違いも知る必要があるかもしれません。カットアンカーの場合、新しければ、15kN出ていると想定すれば、落ちれるボルトであると言えるかもしれませんが、古ければ、ガルバニックコロージョンの危険があります。

1985~90年の開拓ブーム期に打たれたボルトは、現代では更新期を迎えていますが、そのことも、トポには書いてありません。

■ 自己責任という言葉の意味は、私は無知です、自分で調べてください、という意味です

というわけで、『自己責任』、という言葉は、

実は発している人の無責任さ

を表現した言葉です。自己責任を歌いつつ、その責任が取れるような、情報発信をしなければ、クライミングは

乗るか?そるか?

の活動になってしまいます。

ので、こういう実情を知って、よく分かっており、説明責任を果たしてくれる人たち(もしくは、岩場、あるいはトポ)と登るべきでしょう。

■ フリークライミングを教える人がいない国内

若い人には、大変気の毒な事象ですが、構造が分かった。

まぁ、私が分かったとして、何が変わるわけでもありませんが、

フリークライミング

としてクライミングを教える人がいないと、まぁどんどん、フリーをする人はいなくなり、ボルダラー人口でなんとか間を持たせる、って感じになるでしょう、って言うか、今そうなっています。

国内事情は今、非常に悪いので、海外が良いと思います。


2020/03/24

Ninjaのリボルトvs烏帽子のリボルト

めっちゃ対照的。

世界レベル=リボルト
ローカルレベル=屁理屈

どっちがかっこいいか?もう明らかですね!

Ninja 5.14a
https://freeclimb.jp/news/news2012_3.htm?fbclid=IwAR1fC88ikf-L6BhH0mlUOlgZ-v149Bx4P6kimynkW3f_1f26sWU9M76riiY#ninja

烏帽子 
https://freeclimb.jp/news/news2007_1.htm?fbclid=IwAR2VuUTlhUYeVSbM365dAy4KHO7_aZuig4TWbzSxBljUWxQ9qNGDpWXndf4

■ Ninjaがリボルトする理由

  1. 支点の老朽化
  2. ボルトがクリップに適正と思われる体勢の位置にない。
  3. 初登者はボルトの位置が悪いことを認め、位置の変更を許可している。
  4. ラペルでボルトを設置している。
  5. 再登者はすべて、スリング、長ヌンなどでクリップ位置を調整している。
  6. 現状の位置だと、オンサイトトライをする際の危険度が非常に高い。

■ 烏帽子
  1. クライマーレベルが上がった
  2. その分底辺が大きくなった
  3. 20年近く昔の理想
  4. 現状に対する認識欠如
  5. 既得権
  6. 地元の人達と友好的
  7. 「不適切な支点の設置」が不明
  8. メディアなどを通して広く一般に訴え、啓蒙するような行為が先にあるべし
  9. 昨今のフリークライミングの概念が西欧から導入されて、まだせいぜい20~30年
  10. 今現在良いとされるスタイルや安全とされる用具(ケミカルアンカー等)が確定したのは、長いクライミングの歴史からすれば、ほんの僅かな時間

■ 変わりたくない

まぁアルパインの人がフリークライミングの岩場を整備するから問題になるんでしょうね~

基本、古いクライマーのいっていることは要約すると、

 変わりたくない

ってことです。コンフォートゾーンから出れない。

■ 問題の根源

フリークライミングの価値観を教育する機関が、日本にはどこにもない。

ので、コンフォートゾーンに、新しいクライマーは取りこまれ、そして、既得権側になります。

原理的に、そりゃそうだろう、という気がしますね。

アルパインの論理でフリーのルートを作ったら、そりゃ~めっちゃあぶないわなー。

私のクライミングブログ

■私のクライミングブログ

の要旨は、以下のFXトレーダーのコメントと同じです…。

ーーーーー
他では聞きにくい(どこで聞けばいいかそもそもわからない)といった質問はもちろん、自分なりに経験すると、それを誰かに伝えたくなる事もあります。

 「また同じことをやらかしてしまった!」という時、同じ事を繰り返さないため、振り返って悪かった点をまとめますが、それを誰かに伝えたくなる事もあります。
ーーーーーーーーーー

事例)
1)「このボルト、大丈夫なんかなぁ…」
=他では聞きにくいなぁ
 
2)ずっとペツルだと思って信用。なんと!実は全然、信頼できるボルトちゃうかった!! 
=自分なりに経験すると、それを誰かに伝えたくなる

3)だらりんビレイで落とされる
=同じことをほかの人が繰り返さないため、悪かった点をまとめる

4)怪我したのに必要な措置をしてもらえない
=他では聞きにくい&自分なりに経験すると誰かに伝えたくなる

という具合です(笑)。

あるべき姿を共有していないのが、現代クライミング。そうなると、そのあるべき姿を作るプロセスが必要になります。

2020/03/23

新たに問題を抱えない道を模索中

■新たに問題を抱えない

私はクライマーのゲストハウスを作りたいと思っているのですが、なかなか適地がない。

日本の岩場は、ボルト問題があり、整備に関しては、後ろ手後ろ手で、海外からクライマーに来て、登ってもらって楽しいという岩場ではないからです。腐っているボルトで登りたいクライマーなどいない。

というので、この計画は、20年ほど時期尚早かなぁ…と延期路線です。まぁ、その間、他にすることは?というので、エコビレッジの研究をしようかなぁと思い、今回はアースバッグハウスの作り方を勉強したいと思って出かけてきましたが、これは、全くのハズレでした。

ここを読んでいる方もいるかもしれないのですが、日本とは思えない衛生ぐあいで、海外のバッパーでも、稀にみる汚さ…。

そうだ~、私は衛生面で”自由人”は受けいれられなかったんだよなーと思い出しました(笑)。サンフランシスコは、自他認めるヒッピーの町ですが、まぁ、ほんと、汚い家は相当汚い。

海外では、衛生はタダではない。お金を出して買うもので、ダウンタウンの安ホテルのおぞましい事!

ついでに言えば、安全もお金を出して買うものです。

インバウンド施策で、海外にいた日本人ヒッピーの人たちが戻ってきて???日本に作っているバッパーは、デザイン性の高さから、ゲストハウスづくりにハマった人たちと違い、海外の水準を日本に持ち込んしまうリスクがある。いや~、日本国内で稀に見るレベルでした…。

ので、そのままとんぼ返りで自宅に戻り、作戦変更して、クライミングを充実させることにしました。

エコハウス路線は、エコハウスという衣装を着た、社会規範が壊れた人の集まりに陥る可能性もあり、それは良い場合と悪く出る場合があります。特に衛生面などは、良い言葉で言えば、緩やか、悪い言葉で言えば、汚い、です。

コロナウイルスさわぎで、免疫力、と言われますが、汚い=免疫力強いと思っている場合は要注意です。

なぜインドでは、左手が不浄の手か、ちゃんと考えないと…。またインドのお食事では作り置きNGです。これも衛生のためと思います。インドはカーストが厳しく制限されているのも、衛生の関係があるのかもしれません。

というので、知見が広まりました。


また、今サトビックな(純粋性の性質の高い)人たちは、どちらかというと小さいジムにあるのかもです。

道場の岩場、土日はNGです…事故者が出ても、あまり関心出来ない対応だったのは、無知と自己中がそこに鎮座しているためです。

ので、自分自身のサトビックを守り、いかに余計な荷物を抱えずに生きていくか、そこらへんが大事なことだ、と思うようになりました。

クライミングガイドが要求する安全マージンとオールドクライマーが要求する安全マージン

斜陽
■ 薄い安全マージン=オールドクライマー

先日、私より10歳くらい年配の初心者クライマーとジムをご一緒した。と言っても、私は負傷で見ているだけだ。彼女はジムグレード5級が登れていなかった。

のにもかかわらず、斜陽(5.9)という非常に事故が多い課題をRPできたと喜んでいたので、なるほどなーと思った。彼女はオールドクライマーと登っているのだ。オールドクライマーの価値観は、蛮勇、だ。

■ 厚い安全マージン

私はクライミングをスタートしたころ、クライミングガイドをしている石田登山教室の石田さんに小川山で会ったことがある。

たまたま、金峰山登山の前泊でテントが隣。それでキャンプファイアを見ながら、言葉で言えば、ランナウト、という言葉の意味などを教わった。

石田さんの教室では、インドアリード壁で5.11が登れるレベルというのが、外岩デビューレベル、とあった。

これには議論があり、5.11へ行くのは結構時間がかかるため、ガイドが儲けるためだろう、と悪口を言う人もいた。

しかし、私は、ガイドさんにとっては、お客に怪我をされた場合のことが気になるはずで、決して怪我や死亡事故だけはさせるまいと考えるはずだと推理し、一応、このグレードと意見は、心に止めておいた。

私自身は、会の先輩と行くときは、5.5でいいので、リードということにしていた。最初の師匠の鈴木さんの方針だった。

ただ先輩によっては、後輩にクライミングさせるのは、自分の登攀のついで、という人もおり、そうなると、後輩は自分にとっては難しすぎる課題に取り付くので、TRになってしまう…ので、私は自分の会で、5.5をリードしているころ、別の会で、5.11bなどをTRしていた。師匠は私が登る、落っこちそうな5.7を真剣にビレイしてくれていた(笑)。

それから2年後…

結局、5.9がオンサイトできるまで2年半かかった。

たぶん、このころ、ベースキャンプでは、5.10dくらいまで登れていたので、このレベルがおそらく石田さんが言っている5.11レベルなのだろうと。段級なら5級が登れるレベル。私は辛いと言われているピラニアの5級は少数の苦手課題を残して、比較的登れたので、それくらいで、やはり外岩デビュー期、だと思う。

後は、どんどん易しい課題をリードしてリード経験を貯めればいいのだが、日本ではボルトの関係で、それがしにくいので、やはり、海外が良いと思う。

先日ご一緒した方は、ジムでのムーブを見ていると、まだぎこちなく、クライマーらしさは今から、みたいなムーブだったので、その技量で、重大事故が多い5.9の斜陽をさせられたということで、大変、気の毒な気がした。(本人はそうとは知らないで平和だと思うが)

■ 自分のリードに向いた課題

私自身も、課題を選ぶ、という視点は、初めて5.9がオンサイトできたころは持っておらず、そういう時点で、つっこむことがクライミングだ!というクライミング文化だと、死亡事故が多い、ということだと思う。

特に若い男子は、安全とプライドの天秤では、プライドのために安全を犠牲にしてしまい勝ちだ。

■ 外は十分グレードにゆとりを

ジムで十分グレードや技量をあげたとしても、外岩は別の技量がいるので、やはり、5.5をリードしながら、5.11をTRでもいいので触るというような、二刀流は必要だと思った。

外には外の安全対策がいるのだ。

■ ランナウト

結局のところ、ランナウトした課題は初心者は避けるべきだ。落ちた時、ボルトが信頼できない、怪しいボルトも避けるべきだ。

絶対落ちないところしかリードしない。これでいい。初心者のうちは。

二人目の師匠、青ちゃんがかなり私に登らせる課題は選んでくれた…。私は女性なので、オーバーハングは苦手で、スラブなら何とか…ので、今さらながら、ありがとね~と思った次第。


ランナウトしていない課題を見極める目

■ マンション

自宅のマンションのメインテナンスで一時的に帰ってきていました。本当は年始や2月末にもメンテナンスに大阪に戻る予定にしていたりしたのですが、福岡で用事ができて、のびのびで、帰って来れなくなってしまっていました…。

久しぶりの大阪は、コロナの影響で、静まり返っており、元気がないです。

■ ジムオーナーと長話したこと

ジムオーナーと先日、長話して、色々と知見が広がりました。

関西でも、良かれと思って、打ってくれているボルトが、現代の基準では、とても受け入れられない…だったり、ルートが混雑しすぎていて、これは、どのルートがどれなんだか…という現状だったり、するのだそうです。

そういえば、去年、師匠の青ちゃんに、6回も重大事故を起こしている課題、ボルト位置が悪くて落ちたら後ろに走らないといけないらしいのですが、そのボルト配置に固執する初登者で弱っているという話を聞きました…。時代が違うんやで、って言っても分かってもらえないと言っていました。

http://kkinet.sakura.ne.jp/oshirase/2016/160308_iwabamondai-osirase.pdf?fbclid=IwAR0ltdwHsnwz1QR_omhr00VNgBJoK9UbIJtLdzyC16wMEZAbL27X8Jv_zzQ

同年代のクライマーが言ってきかないなら、年下のクライマーが言ったところで聞かないよなぁ…。

ある人が言いました。「もうご年齢もご年齢ですから、そっとしておいてあげるのも、思いやりでは…」

思いやり。

色々な形の思いやりがあっていいと思いますが、思いやれる範囲というものがあり、そっとしておいてあげようという思いやりで、命を差し出す羽目になったら、それって、思いやりで背負いきれる犠牲なのだろうか…?

斜陽 4ピン目が遠いそうです
せめてトポには、”〇ピン目で落ちると、確実にグランドフォールするので、ビレイは後ろに走ること”、と明記するとか…。

クライマーのコミュニティはあるようで連絡先がなく、ないようであるので、新参者は、誰に何を言ったらいいのか?不明ですよねぇ…

そんな状況でトポも、グレードと課題名しか書いていないから、手ごろなグレードと思ったら、取り付いてしまいますね…。

ランナウトしていない課題を見極める目、というのは、新人のクライマーにとってまず最初に必要になる選択眼です。


2020/03/17

ワンフォールというスタイル

ワンフォールというスタイル

オンサイトとフラッシュ以外に、クライミングでは、完登のスタイルが色々あったみたいです。

グランドイリュージョンをワンフォールで登ったということは、


1)カムセットしながらマスタースタイルで登る
2)1回フォール
3)ギア残置してローワーダウンして再度トライする

ということだそうです。
現代のスタイルとは全く違いますね!!!おどろき。

今では、
2)一回フォール
3)そのまま続きを登る。

で、下までローワーダウンってないです。一回落ちて、完登しても、再度、下からつなげて登る、ということをやっているクライマーもみたことないですし…

これは、有名課題の再登の場合、第8登、9登のどちらがすごいか?という判定に、少ないフォール数で完登したほうが実力上、上と判定する、と言うようなケースに有効なクライミングスタイルのようです。

できるだけオンサイトに近い形で登るのがより実力が上、ということに忠実になるとこうなるのかな?

今、クライミングというゲームが、登れたか登れなかったか?オンオフだけになっていることが、ゲームのつまらなさ、奥行きの無さにつながっているのかもしれませんね。

OBGでは寺島由彦さんのグランドイリュージョンがワンフォールということで、驚嘆されています。

そんな言葉今知りました(笑)。