■ 晴れなのにピラ・・・
昨日は、甲府は大快晴で、洗濯物がまぶしい!!って一日だった。
盛大に洗濯物を干す。都会生活では叶わなかった、洗濯物を干せる幸せ満喫♪
甲府は梅雨明けしたようだ。梅雨明け10日、どこへ行くか、ちょっとは歩いておきたいものだ。
さて、今月は月会員なので、またピラへ。
ピラ以外にも、シナプスとか行きたいな~と思ったりするのは、課題の性質が違うからだ。
アクティバ → 背の低い人にも良い。理論派。小さい。
天 → クラックもある。キャンパスボードもある。トレーニング向き。夜だけ。
シナプス → ホールドちっこく、外岩ちかく、実践的。フェース向き。
グラッパ → 課題が立体的で面白い。
■ 手のひら
手のひらが、皮がむけていてすぐにも流血しそうなので、全身持久力をUPしたいのだが、ジムでは、あまり全身が強くなっている実感はない。
腹筋とか、ホントに使ってるのかなぁ・・・
この日は、とりあえず、定番ルーフなどに取り付く。普通にできた。黄色課題。7~6級のはずだがあまり問題なし。短いしなぁ。
リード壁は頑張ってもいいのだが、あんまり手のひらをダメにしたくないしな~ 外岩で使う手皮を取っておかなくて・・・な感じなので。
・・・というわけで、手持無沙汰な気分でいたら、教えてくださーいという女の人がいたので、今日はずっとセッションでもいいかな~となった。
フリ、カウンターバランスを教えた。というか、カウンターバランスしか私も知らないので教えられない(笑)。
前傾壁=カウンターバランス となっていて、正対で登るのを本当は今もマスターしないといけない。
最初から正対が苦手系なんだけど。 5.10bになったら、振るだけで終わる課題が無くなり、前傾壁で被っているのに、フリではなく、正対も出てくるようになってしまった・・・(汗)
やっぱり引きつけが必要なんじゃ・・・と青くなっていたら、引きつけは引きつけでも、足でひきつけるのであった・・・。つまり、立ちこみ課題。
ハイステップが多いと癖を指摘されていたが、それは、立ちこみが上手な、強い先輩のムーブを見て、できないなりに真似をしたから・・・と言う気がする。
というわけで
■ 課題
正対たちこみとカウンターバランスの使い分け。
実は被っていても結構平気なんだけど、リード壁だと怖いのは、単純にきっと、高さが怖い、のだろう。
高さに慣れる、というのも、以前は課題だったんだよなーと思い出している今。
小川山など、普通のショート課題では高さが怖いことはない。
でも、三つ峠の岳ルートは怖かったんだよな~。高さの意味が違う感じで。
■ 余談
ジムのお兄さんに、「ジャーマンスープレックスに行ったんですよ」と言ったら、「えっ?この時期ですか?!」と言われた。
やっぱりスラブは5月がいいみたいだ(笑) ぬめっていて登れない・・・
2016/07/30
2016/07/29
ハグランド病
■ かかとのでっぱり
昨日クライミングしたら、いつものクライミングシューズではなく、リソール中に購入したブースターSしかなかったので、足が痛い・・・
とかかとを見ると、でっぱりが。
このでっぱり、冬靴のかかとが合わなくて、履いているうちに出来てきてしまったんだが・・・
検索してみたら、
ハグランド病
といわれるモノだった(汗)。 アキレス腱の滑液が出てしまったもの・・・だそうだ。クライミングシューズに当たって痛い・・・。
■ クライミングシューズ
クライミングシューズは3足持っている。
1)スカルパ フォース 37半 一番良く履いていて、フラットで癖がなく履きやすい
2)スカルパ ブースターS 1)のリソールで仕方なく購入。キツイ靴。ターンインしたシューズ。
3)ファイブテン スパイア ガブガブ。もう、いらなくなりそうな靴。
履ける時間の長さで分けると分かりやすい・・・
1) 2時間履ける靴
2) 15分履ける靴
3) 8時間履ける靴
・・・で、この15分しか履けない靴だと、かかとが当たって痛いのだった・・・(汗)
エッジング性能バッチリなのだが、それでも、登れなかったブラック&ホワイト・・・かかとが痛いことなんて、登っていれば忘れてしまうのだが、結局、かかとに注意が行ったことが今回の成果。
■ 足首が外反している
我が家の家系は、骨の体格的に、足首はみな外反している。ので、基本的に脛の骨は、外に向けて生えている。
ので、つまり、O脚である・・・ 体重は小指側に逃げる。靴は外側が減る。
しかも、私の場合は、XO脚で、膝の関節がとても柔らかいので、ロンデすると、膝がカクカク言う・・・。ので、ロンデはしないようにしないと、かなり危ない。
大体、下半身は過伸展で、上半身はコリコリである(笑)。
・・・というわけで、きっとクライミングは私の健康に良い運動なのだろう。
昨日クライミングしたら、いつものクライミングシューズではなく、リソール中に購入したブースターSしかなかったので、足が痛い・・・
とかかとを見ると、でっぱりが。
このでっぱり、冬靴のかかとが合わなくて、履いているうちに出来てきてしまったんだが・・・
検索してみたら、
ハグランド病
といわれるモノだった(汗)。 アキレス腱の滑液が出てしまったもの・・・だそうだ。クライミングシューズに当たって痛い・・・。
■ クライミングシューズ
クライミングシューズは3足持っている。
1)スカルパ フォース 37半 一番良く履いていて、フラットで癖がなく履きやすい
2)スカルパ ブースターS 1)のリソールで仕方なく購入。キツイ靴。ターンインしたシューズ。
3)ファイブテン スパイア ガブガブ。もう、いらなくなりそうな靴。
履ける時間の長さで分けると分かりやすい・・・
1) 2時間履ける靴
2) 15分履ける靴
3) 8時間履ける靴
・・・で、この15分しか履けない靴だと、かかとが当たって痛いのだった・・・(汗)
エッジング性能バッチリなのだが、それでも、登れなかったブラック&ホワイト・・・かかとが痛いことなんて、登っていれば忘れてしまうのだが、結局、かかとに注意が行ったことが今回の成果。
■ 足首が外反している
我が家の家系は、骨の体格的に、足首はみな外反している。ので、基本的に脛の骨は、外に向けて生えている。
ので、つまり、O脚である・・・ 体重は小指側に逃げる。靴は外側が減る。
しかも、私の場合は、XO脚で、膝の関節がとても柔らかいので、ロンデすると、膝がカクカク言う・・・。ので、ロンデはしないようにしないと、かなり危ない。
大体、下半身は過伸展で、上半身はコリコリである(笑)。
・・・というわけで、きっとクライミングは私の健康に良い運動なのだろう。
2016/07/28
ジャーマンスープレックス
■ ジャーマンスープレックス
今日は、1か月半ぶりくらいの外岩。
これまで晴れた日もレスキューに消費してしまって、なかなかクライミングに行けなかったのだった(汗)。
久しぶりのクライミングは、また外岩の感覚を忘れていた。スラブ、せっかく何かをつかみかけていたのになぁ・・・
忘れてしまって悲しいなぁ・・・
しかも、今日は、”行こう!”というルートが、ジャーマンスープレックス5.10c・・・ テンションかけまくりで、なんとか上にいきましたけど・・・はぁって感じ。
微妙なバランスクライミングは、課題です。ブラック&ホワイト5.10Aもテンションかけかけ。
今日は全体でフォール10回くらい。
■トムと一緒
しかも、前回リードで、あと少し感だった、トムと一緒もまた登り方が分からなくなっていたのでした。
ジム課題に慣れると、やっぱりジムでは登れても、外では登れなくなります。
岩を見る目が出てこなくなるんですよね。やっぱりジムより外岩を優先しなくては。
■ 夏の岩
今日は、小川山は涼しかったのですが、湿度が高く、途中はぱらつき、岩がぬめっていたというのもあるかもしれません。
夏のスラブはぬめり感があります。
今日は、1か月半ぶりくらいの外岩。
これまで晴れた日もレスキューに消費してしまって、なかなかクライミングに行けなかったのだった(汗)。
久しぶりのクライミングは、また外岩の感覚を忘れていた。スラブ、せっかく何かをつかみかけていたのになぁ・・・
忘れてしまって悲しいなぁ・・・
しかも、今日は、”行こう!”というルートが、ジャーマンスープレックス5.10c・・・ テンションかけまくりで、なんとか上にいきましたけど・・・はぁって感じ。
微妙なバランスクライミングは、課題です。ブラック&ホワイト5.10Aもテンションかけかけ。
今日は全体でフォール10回くらい。
■トムと一緒
しかも、前回リードで、あと少し感だった、トムと一緒もまた登り方が分からなくなっていたのでした。
ジム課題に慣れると、やっぱりジムでは登れても、外では登れなくなります。
岩を見る目が出てこなくなるんですよね。やっぱりジムより外岩を優先しなくては。
■ 夏の岩
今日は、小川山は涼しかったのですが、湿度が高く、途中はぱらつき、岩がぬめっていたというのもあるかもしれません。
夏のスラブはぬめり感があります。
2016/07/27
ピラ11
■ サクッと
今日は朝から忙しい日だったので、ピラは、サクッと終了。4時ごろ行き、5時半には出た。
掌の豆がつぶれて痛い・・・
先日、初めて登れたルーフ課題は、今日も、アップ直後にやったら、何の問題もなかった・・・黄色課題。
昨日、上手な人のお手本してもらってできた青/黄色の足限定課題も、できなかった理由がいまひとつ分からないくらいに、なっていた。
というので、今日はまぁ腕力維持の日だなーと思っていたのだが、腕がパンプするほどは量的に登れず・・・というのは、掌の豆のほうが先にお亡くなりになったからだ。
ボルダリングジムだと、掌の豆が痛い、掌の豆の問題で、登れなくなるという問題が・・・。これでは、腕力アップにもなっていないんではないだろうか???
と思うのだが、最近は、被り系の課題は休息上達中なので、まぁいいか~。もうジムは飽きてきたんだけど、本当はリード壁で落ちながら登らないといけないのに、今日はサボってしなかったので、また来週の課題かなー。
カウンターと正対は、使い分けられるようになってきたので、ヒールフックとスメアを覚えないといけない。
あとは、保持の仕方を工夫しないと、てのひらが持たない。
今日は朝から忙しい日だったので、ピラは、サクッと終了。4時ごろ行き、5時半には出た。
掌の豆がつぶれて痛い・・・
先日、初めて登れたルーフ課題は、今日も、アップ直後にやったら、何の問題もなかった・・・黄色課題。
昨日、上手な人のお手本してもらってできた青/黄色の足限定課題も、できなかった理由がいまひとつ分からないくらいに、なっていた。
というので、今日はまぁ腕力維持の日だなーと思っていたのだが、腕がパンプするほどは量的に登れず・・・というのは、掌の豆のほうが先にお亡くなりになったからだ。
ボルダリングジムだと、掌の豆が痛い、掌の豆の問題で、登れなくなるという問題が・・・。これでは、腕力アップにもなっていないんではないだろうか???
と思うのだが、最近は、被り系の課題は休息上達中なので、まぁいいか~。もうジムは飽きてきたんだけど、本当はリード壁で落ちながら登らないといけないのに、今日はサボってしなかったので、また来週の課題かなー。
カウンターと正対は、使い分けられるようになってきたので、ヒールフックとスメアを覚えないといけない。
あとは、保持の仕方を工夫しないと、てのひらが持たない。
2016/07/26
ピラ10
■ ピラニア
今日は、というか、今日もピラニア。 今月は月会員なのである。というか、来月もそうならざるを得ないかもしれない・・・(汗)
グラッパさんは面白かったんだが・・・毎日通うには課題数が少なくて向かないかもしれない。
ピラニアの良いところは、何と言っても、ビレイヤー。ビレイしてくれるだけでなく、なんと色々指導もしてくれるのである。
特に安田さんだと、非常にありがたい指導付。今日は、なんと室井さんにビレイしてもらってしまった♪
超有名人にビレイしてもらうと、なんかありがたすぎて困ってしまう。
■ 成果
今まで、リード壁をしてから、ボル壁に行くことにしていたのだが、今日はボル壁でいきなり、ルーフに取り付いたら、できた☆
前回できなかった、黄色青の足限定課題をやったら、できた☆ あれ?
実はリードしてから、ボル壁という順序がまずかったのかなぁ???
とりあえず、リード壁は、5.10Aの単純で振るだけの課題をノルマ消化で2連続。すでにゆとりができているはずの、別の5.10Aでゆとりのありかを確認してリード壁は終わり、今日は限界トライはなし。
ボル壁で、できなかった課題が2つもできているからだ。
その後、もう一度、それらのできなかった課題に取り組んでみたら、腕がよれて、もう登れなくなっていた・・・(汗)
やっぱり体は全然疲れていない気がする・・・けど、腕の関係なのか、なんの関係なのか、やっぱり登れなくなっている。
不思議なもんだなぁ・・・まぁ今日は2時間。
毎日1時間、同じことを続けるのが上達の秘訣ということらしいので、あまり欲張らずに慣らし運転の日とした。
今日は、というか、今日もピラニア。 今月は月会員なのである。というか、来月もそうならざるを得ないかもしれない・・・(汗)
グラッパさんは面白かったんだが・・・毎日通うには課題数が少なくて向かないかもしれない。
ピラニアの良いところは、何と言っても、ビレイヤー。ビレイしてくれるだけでなく、なんと色々指導もしてくれるのである。
特に安田さんだと、非常にありがたい指導付。今日は、なんと室井さんにビレイしてもらってしまった♪
超有名人にビレイしてもらうと、なんかありがたすぎて困ってしまう。
■ 成果
今まで、リード壁をしてから、ボル壁に行くことにしていたのだが、今日はボル壁でいきなり、ルーフに取り付いたら、できた☆
前回できなかった、黄色青の足限定課題をやったら、できた☆ あれ?
実はリードしてから、ボル壁という順序がまずかったのかなぁ???
とりあえず、リード壁は、5.10Aの単純で振るだけの課題をノルマ消化で2連続。すでにゆとりができているはずの、別の5.10Aでゆとりのありかを確認してリード壁は終わり、今日は限界トライはなし。
ボル壁で、できなかった課題が2つもできているからだ。
その後、もう一度、それらのできなかった課題に取り組んでみたら、腕がよれて、もう登れなくなっていた・・・(汗)
やっぱり体は全然疲れていない気がする・・・けど、腕の関係なのか、なんの関係なのか、やっぱり登れなくなっている。
不思議なもんだなぁ・・・まぁ今日は2時間。
毎日1時間、同じことを続けるのが上達の秘訣ということらしいので、あまり欲張らずに慣らし運転の日とした。
バランスを取りながら成長する
■ ゆっくり成長
今日は成長のスピードについて、考察したい。
アルパインに移行して、3年目になった。
経過としては、大体このような経過をたどっている。
1年目、外岩5.8がレッドポイントできる。外岩5.10Aで落ちる。人工壁に通う。
アイスでかなり簡単なところをリードする。懸垂下降ができる。読図がほぼできる。
2年目、外岩5.9がオンサイトできる。外岩5.10Aがレッドポイントできる。
クラックを中心に登る。
アイスでカンタンで短いところを擬似リードする。
結果として、初級の本チャンにイコールパートナーと行くことができる。
読図とルートファインディングの差が分かる。
3年目、外岩5.8が確実になる。クラックでリードをする。
アルパインはあきらめてフリーに転進。単独でも未知の尾根を下りれる。
印象としては、
1年1グレード
で成長しており、それは妥当な成長スピードのように感じている。
■ 攻めと守りのバランスをとりながら、成長したいと考えていること
例えば、1年で11bを登れるほどまで成長した人の話も聞いているが、正直な所、あまり羨ましくは感じない。
なぜなら、私が一緒に組んでいる男性のパートナーなどは、私が苦労して登る5.10Aの核心部など、手を伸ばせば届いてしまうので、特に何のムーブも必要なく登ってしまう。クライミング歴は3か月もない。
しかし、ビレイの様子や支点の知識を問うと、基本的知識がない。制動確保、落下係数、知らないだろう。したがって、その人のビレイには、身を任せる気持ちになれない。
今、落ちたら、あぶないかどうか、彼には判断が付かないだろう。したがって、危険にたいして、身構えることがない。したがって、気が付かないで危険な目に遭うだろう。
例えば、クライマーがトラバースに差し掛かったのに、ロープをタイトに出してしまうかもしれない・・・。
これは何も、クライミング歴数か月のクライマーには限らない。
以前、アイスのクライミングでご一緒した人も、ガイドさんの講習に何年も通ったそうだ。クライミング自体は非常に優れていて、リードもできた。
が、作ってくれたトップロープ支点は、ダメの見本になり、となりにぶっとい立木があるのに、私の手首ほどの立木に支点を作っていた。
つまり、
攻めの技術の優劣は、守りの技術が優れていることの目安には全くならない、
ということをこの時学んだ。
私は、というと、トップロープのビレイが初ビレイくらいの時期だった。
■ 一定量の経験者とのクライミング経験が必要
こういう事例を考えると、1)クライミング中の危険予知や、2)支点をどういう風に設定するものなのか・・・という経験が溜まるには、
ある程度一定量のゲレンデ経験
が必要なのである。
余談ではあるが、師匠と出かけた山で、これまで一番勉強になった山は、まったく登攀は難しくないが、アイスが半解けで、非常に悪かった、アイスのルートであった。
勉強になっただけでなく、面白ろくもあったのである。
■ 資質 盗む気があるかどうか
そのゲレンデ経験は、経験者と出かけて、経験者がどのような支点を作るのか?どのような場合にどのように危険を避けているのか?というようなことを、
傍観者として、見て、盗んで獲得するもの
だ。その人が盗むかどうか?というのは、
1)盗む気持ちがある
2)観察眼に優れている
3)精神的ゆとりがある
などの条件がつく。最初から、盗む気がない人は、いつまでたっても盗めない。たぶん、盗む気がないというのは、自分で登りに行く気持ちがないのだろう。
私の観察では、観察眼は、一般的な傾向としては、知力が優れた人のほうが優れているようである。例えば先入観で物事を見る人よりも、そうでない人のほうが、観察眼は優れている。
精神的ゆとりについては、もうこれは性格である。動じない性格、物おじしない性格、鷹揚な性格ということだが、人間は危険を認知していないときは、精神的に穏やかである。
私も危険について認識できなかった初心者の頃は、何も怖くなかったのであるからにして(笑)。
細やかな観察眼(つまり危険認知力)と精神的ゆとりをセットで持つのは、相反する資質と言うことになり、片方が立てば、片方が立たず・・・ということになり、難しいようだ。
■ もっと登れるはず?
最近は、私のクライミングを見て、皆がもっと登れるはずだ、と感じるようで、高いグレードへのステップアップを要求される。
それが不服だ。
なぜなら、その感覚は、私本人が持っている、内的な確実感と一致していない。
1年目でリードできた課題(5.8)は、確かに、今は、下のビレイヤーの確保スキルは関係ないかもしれないな、というくらいに、自分自身でも確実感が成立した。
しかし、それは単に未知でなくなっただけである。
その上、それも日常的にクライミングを続けているからで、久しぶりだと、どうなるかワカラナイ。
それは、根拠がないことではない。
先日、沢登りに半年ぶりくらいに行ったら、また沢の歩き方を忘れていて、つま先を石ころにぶつけたり、浮いている石に載ったりで、あれまぁ!と自分でも思ったのだったから。
アイゼン歩行だって、シーズン一回目は、ズボンの内側を破くことが多いのだし、人間は忘れる生き物なので、そうなるのは仕方がないことなのだろう。きっと雪上訓練もそうだろう。
ロープワークも同じだ。シートベントなんて、チェストハーネスを作ることがないと忘れる。あらゆるノットがそうだ。(だから、レスキューも忘れる前にちょくちょくやっておかないと、モノにならない)
■ 量 → 質
ある一定の量を貯めると、質への転換が起こるそうである。
これは、5.9を10本くらいオンサイトしていると、5.10Aのレッドポイントは当然になる、という意味かと思う。
そういう意味の、量、としては、私の判断では、私にはまったくクライミングの量自体が足りていない。
しかも、大人になったら、量をガツガツ貯めればいい、ということにはならない。質も重要になるのだ。
頭や体がフレッシュでない状態で、量を貯めることは、誰にとっても害があるだけで、得るものはない。
間違ったムーブ、悪い癖、そういったものを貯めてしまうからだ。
きちんとレストできて、きちんとよれずに動けるようでないと、脳が間違った指令を受け取って、脳は素直なので、それをそのまま、反芻してしまうのである。
今必要なのは、キレイなムーブ、
正しいムーブで数を打つこと
だと思う。たとえば、テニスなら素振り500回みたいな・・・
■ 自分の個性を振り返る
若いころを振り返ってみると、私は、他の人よりも、基礎練習が分厚く必要なタイプだった。要するに、あまり飲みこみは良くないタイプなのだ。
お手本を見せて、すぐそれがなぞれるような、そんな、
筋の良さ、
はあまりない。が、かと言って、全くダメでもなく、努力をすれば、平均のちょっと上には、達することができる。
単純に私は運動神経がそもそも良いほうでないってだけだと思う。中高でやったテニスでは、県大会でベスト8までは入れた。
私の弟は、運動神経が良く、体格も良く、彼は、子供のころからスパルタ式の水泳部でしごかれたので、水泳ではメダル選手で、水泳以外の何の運動をやらせても、・・・野球とサッカーをやったが・・・あっという間に上達して、一時は、バレンタインのチョコレートを14個ももらってくる人気者ぶりだった。要するに派手に上手なのだ。
弟が2月の一番寒い時期に、泣きながら、真水のプールに飛び込んでいるときに、私はと言えば、読書の世界にどっぷり浸かって、同じ本を20回も30回も読んでいたのである。もちろん、成績はオール5である。弟は、母が涙目になるような成績表。
子供の頃、プールに投げ入れれば、子供は勝手に泳げるようになるという教育方針の水泳部に私も入れられて、実際おぼれかけたことがあるんだが(笑)、大人になって、スポーツクラブに通い、きちんと泳ぎ方を教わったら、ちゃんと50mは泳げるようになった。
大人だけでなく、子供にも、何も教えないで泳げるタイプと、理論的に教えないと泳げるようにならないタイプがいるのだろう。
要するに、私は後者なのである。
今日は成長のスピードについて、考察したい。
アルパインに移行して、3年目になった。
経過としては、大体このような経過をたどっている。
1年目、外岩5.8がレッドポイントできる。外岩5.10Aで落ちる。人工壁に通う。
アイスでかなり簡単なところをリードする。懸垂下降ができる。読図がほぼできる。
2年目、外岩5.9がオンサイトできる。外岩5.10Aがレッドポイントできる。
クラックを中心に登る。
アイスでカンタンで短いところを擬似リードする。
結果として、初級の本チャンにイコールパートナーと行くことができる。
読図とルートファインディングの差が分かる。
3年目、外岩5.8が確実になる。クラックでリードをする。
アルパインはあきらめてフリーに転進。単独でも未知の尾根を下りれる。
印象としては、
1年1グレード
で成長しており、それは妥当な成長スピードのように感じている。
■ 攻めと守りのバランスをとりながら、成長したいと考えていること
例えば、1年で11bを登れるほどまで成長した人の話も聞いているが、正直な所、あまり羨ましくは感じない。
なぜなら、私が一緒に組んでいる男性のパートナーなどは、私が苦労して登る5.10Aの核心部など、手を伸ばせば届いてしまうので、特に何のムーブも必要なく登ってしまう。クライミング歴は3か月もない。
しかし、ビレイの様子や支点の知識を問うと、基本的知識がない。制動確保、落下係数、知らないだろう。したがって、その人のビレイには、身を任せる気持ちになれない。
今、落ちたら、あぶないかどうか、彼には判断が付かないだろう。したがって、危険にたいして、身構えることがない。したがって、気が付かないで危険な目に遭うだろう。
例えば、クライマーがトラバースに差し掛かったのに、ロープをタイトに出してしまうかもしれない・・・。
これは何も、クライミング歴数か月のクライマーには限らない。
以前、アイスのクライミングでご一緒した人も、ガイドさんの講習に何年も通ったそうだ。クライミング自体は非常に優れていて、リードもできた。
が、作ってくれたトップロープ支点は、ダメの見本になり、となりにぶっとい立木があるのに、私の手首ほどの立木に支点を作っていた。
つまり、
攻めの技術の優劣は、守りの技術が優れていることの目安には全くならない、
ということをこの時学んだ。
私は、というと、トップロープのビレイが初ビレイくらいの時期だった。
■ 一定量の経験者とのクライミング経験が必要
こういう事例を考えると、1)クライミング中の危険予知や、2)支点をどういう風に設定するものなのか・・・という経験が溜まるには、
ある程度一定量のゲレンデ経験
が必要なのである。
余談ではあるが、師匠と出かけた山で、これまで一番勉強になった山は、まったく登攀は難しくないが、アイスが半解けで、非常に悪かった、アイスのルートであった。
勉強になっただけでなく、面白ろくもあったのである。
■ 資質 盗む気があるかどうか
そのゲレンデ経験は、経験者と出かけて、経験者がどのような支点を作るのか?どのような場合にどのように危険を避けているのか?というようなことを、
傍観者として、見て、盗んで獲得するもの
だ。その人が盗むかどうか?というのは、
1)盗む気持ちがある
2)観察眼に優れている
3)精神的ゆとりがある
などの条件がつく。最初から、盗む気がない人は、いつまでたっても盗めない。たぶん、盗む気がないというのは、自分で登りに行く気持ちがないのだろう。
私の観察では、観察眼は、一般的な傾向としては、知力が優れた人のほうが優れているようである。例えば先入観で物事を見る人よりも、そうでない人のほうが、観察眼は優れている。
精神的ゆとりについては、もうこれは性格である。動じない性格、物おじしない性格、鷹揚な性格ということだが、人間は危険を認知していないときは、精神的に穏やかである。
私も危険について認識できなかった初心者の頃は、何も怖くなかったのであるからにして(笑)。
細やかな観察眼(つまり危険認知力)と精神的ゆとりをセットで持つのは、相反する資質と言うことになり、片方が立てば、片方が立たず・・・ということになり、難しいようだ。
■ もっと登れるはず?
最近は、私のクライミングを見て、皆がもっと登れるはずだ、と感じるようで、高いグレードへのステップアップを要求される。
それが不服だ。
なぜなら、その感覚は、私本人が持っている、内的な確実感と一致していない。
1年目でリードできた課題(5.8)は、確かに、今は、下のビレイヤーの確保スキルは関係ないかもしれないな、というくらいに、自分自身でも確実感が成立した。
しかし、それは単に未知でなくなっただけである。
その上、それも日常的にクライミングを続けているからで、久しぶりだと、どうなるかワカラナイ。
それは、根拠がないことではない。
先日、沢登りに半年ぶりくらいに行ったら、また沢の歩き方を忘れていて、つま先を石ころにぶつけたり、浮いている石に載ったりで、あれまぁ!と自分でも思ったのだったから。
アイゼン歩行だって、シーズン一回目は、ズボンの内側を破くことが多いのだし、人間は忘れる生き物なので、そうなるのは仕方がないことなのだろう。きっと雪上訓練もそうだろう。
ロープワークも同じだ。シートベントなんて、チェストハーネスを作ることがないと忘れる。あらゆるノットがそうだ。(だから、レスキューも忘れる前にちょくちょくやっておかないと、モノにならない)
■ 量 → 質
ある一定の量を貯めると、質への転換が起こるそうである。
これは、5.9を10本くらいオンサイトしていると、5.10Aのレッドポイントは当然になる、という意味かと思う。
そういう意味の、量、としては、私の判断では、私にはまったくクライミングの量自体が足りていない。
しかも、大人になったら、量をガツガツ貯めればいい、ということにはならない。質も重要になるのだ。
頭や体がフレッシュでない状態で、量を貯めることは、誰にとっても害があるだけで、得るものはない。
間違ったムーブ、悪い癖、そういったものを貯めてしまうからだ。
きちんとレストできて、きちんとよれずに動けるようでないと、脳が間違った指令を受け取って、脳は素直なので、それをそのまま、反芻してしまうのである。
今必要なのは、キレイなムーブ、
正しいムーブで数を打つこと
だと思う。たとえば、テニスなら素振り500回みたいな・・・
■ 自分の個性を振り返る
若いころを振り返ってみると、私は、他の人よりも、基礎練習が分厚く必要なタイプだった。要するに、あまり飲みこみは良くないタイプなのだ。
お手本を見せて、すぐそれがなぞれるような、そんな、
筋の良さ、
はあまりない。が、かと言って、全くダメでもなく、努力をすれば、平均のちょっと上には、達することができる。
単純に私は運動神経がそもそも良いほうでないってだけだと思う。中高でやったテニスでは、県大会でベスト8までは入れた。
私の弟は、運動神経が良く、体格も良く、彼は、子供のころからスパルタ式の水泳部でしごかれたので、水泳ではメダル選手で、水泳以外の何の運動をやらせても、・・・野球とサッカーをやったが・・・あっという間に上達して、一時は、バレンタインのチョコレートを14個ももらってくる人気者ぶりだった。要するに派手に上手なのだ。
弟が2月の一番寒い時期に、泣きながら、真水のプールに飛び込んでいるときに、私はと言えば、読書の世界にどっぷり浸かって、同じ本を20回も30回も読んでいたのである。もちろん、成績はオール5である。弟は、母が涙目になるような成績表。
子供の頃、プールに投げ入れれば、子供は勝手に泳げるようになるという教育方針の水泳部に私も入れられて、実際おぼれかけたことがあるんだが(笑)、大人になって、スポーツクラブに通い、きちんと泳ぎ方を教わったら、ちゃんと50mは泳げるようになった。
大人だけでなく、子供にも、何も教えないで泳げるタイプと、理論的に教えないと泳げるようにならないタイプがいるのだろう。
要するに、私は後者なのである。
2016/07/25
楽しいレスキュー訓練
■ 週末はレスキュー訓練
週末は、セルフレスキューの訓練をしていた。
山岳会に属す主たるメリットは、
いつも同じ人たちと登れること
である。ステディな仲、とでも言おうか。つまり、いつ別れるとも分からない不安定な関係ではなく、安定的な関係の相手と登れる、ということである。
安定的な関係の相手と登れると何がいいのか?
それは、相手が何を知っていて、何を知らないのか?が、分かっているということなのだ。
例えば、山に行くのに地図を持ってこない人がいるとする。その人は、一人では歩けない。が、読図が必要になったら歩けないということが分かってさえいれば、例えば、その人が読図が必要な山に行くときは必ず読図上級者をセットにする、など、”傾向と対策”ができるのである。
(但し、この場合、”クライマーは自己完結であらねばならない”という原則は無視しているが・・・。)
したがって、山行計画を立てるリーダーにとって、メンバー各員の強みと弱みが良く分かっていることはとても重要だ。
■ まさかの時の保険
そうした共有している条件、知識の中で、もっとも共有しているべきものが
セルフレスキュー
である。セルフレスキューは一緒に山に行く相手と共有していないと意味がない。
逆に言えば、いつも行く相手ではなく、次から次へと相手を変えていては、事故が起こった時、どうする? 相手は事故が起こった時、どうしたらいいのか分からなくなる人かもしれない。
それは聞いて確かめるわけにもいかず、一度一緒に山に行ってみるしかないわけだ。
となると、事故のリスクが大きい場所には行くことができない。となると、ゲレンデ、ということになっている。
ゲレンデなら、何かあっても救急車が横付けできたりで、リスクが比較的低いからだ。(それでも死ぬ人もいるが)
とは言っても、やはり山岳保険と同じで、最低限のセルフレスキューを共有していないと、リスクを取って、高い山のマルチピッチに行くことはできない。
■ レスキューの共有は大事です
というようなことになっているため、セルフレスキューを共有しておくことは大変重要だ。
実践的な内容をしっかり確実にしておく必要がある。
今回やったのは、
1)セカンドが落石があったりなどで気絶してしまった際に、引き上げる
2)宙吊り登り返し
3)けが人をサポートしながら、懸垂下降する(介助懸垂)
4)トップロープ中のザイル通過
5)懸垂下降中のザイル通過(シングルストランド)
6)荷揚げ
7)カウンターラッペル
8)ロープバスケット
9)背負い搬送で、要救助を降ろさずに、背負い担当者を交代する方法
10)チロリアンブリッジ
だ。結構、網羅した内容になった。
■ 今回学んだこと
私が去年出た岩場のレスキュー講座では、シナリオありきではなく、まず技術があってその技術を教わる形だった。
例えば、カウンターラッペルはどうするか?と発想する。そうではなくて、基本的に、危急時、ピンチのシナリオがあって、そのシナリオから発想することが、今回の講師の場合は基本にあるようだ、ということだった。
それが、山で実際に救助活動をしてきた人と、そうでない人の思考回路の差なのかもしれない。
■ 宴会
今回は、プライベートな集まりだったので、夜は宴会。レスキュー訓練後には山菜を取り、夕食でそれらの山菜を食べた。
お酒も入って、机上講習は飛ばされてしまったのが少々残念だったが、楽しみも必要だ。
考えてみると、前にいた山岳会では、二つとも、
防御の技
を山岳会の仲間と共有することが非常に難しかった。確保理論の勉強会をしようとしても、成立が困難だったし、セルフレスキューどころかビレイ技術の知識だけの程度のことでも、共有化が難しかった。机上がゼロだったからだ。
結果、防御の技がないままに山行だけが重なっていく・・・それは、怖いものだ。
週末は、セルフレスキューの訓練をしていた。
山岳会に属す主たるメリットは、
いつも同じ人たちと登れること
である。ステディな仲、とでも言おうか。つまり、いつ別れるとも分からない不安定な関係ではなく、安定的な関係の相手と登れる、ということである。
安定的な関係の相手と登れると何がいいのか?
それは、相手が何を知っていて、何を知らないのか?が、分かっているということなのだ。
例えば、山に行くのに地図を持ってこない人がいるとする。その人は、一人では歩けない。が、読図が必要になったら歩けないということが分かってさえいれば、例えば、その人が読図が必要な山に行くときは必ず読図上級者をセットにする、など、”傾向と対策”ができるのである。
(但し、この場合、”クライマーは自己完結であらねばならない”という原則は無視しているが・・・。)
したがって、山行計画を立てるリーダーにとって、メンバー各員の強みと弱みが良く分かっていることはとても重要だ。
■ まさかの時の保険
そうした共有している条件、知識の中で、もっとも共有しているべきものが
セルフレスキュー
である。セルフレスキューは一緒に山に行く相手と共有していないと意味がない。
逆に言えば、いつも行く相手ではなく、次から次へと相手を変えていては、事故が起こった時、どうする? 相手は事故が起こった時、どうしたらいいのか分からなくなる人かもしれない。
それは聞いて確かめるわけにもいかず、一度一緒に山に行ってみるしかないわけだ。
となると、事故のリスクが大きい場所には行くことができない。となると、ゲレンデ、ということになっている。
ゲレンデなら、何かあっても救急車が横付けできたりで、リスクが比較的低いからだ。(それでも死ぬ人もいるが)
とは言っても、やはり山岳保険と同じで、最低限のセルフレスキューを共有していないと、リスクを取って、高い山のマルチピッチに行くことはできない。
■ レスキューの共有は大事です
というようなことになっているため、セルフレスキューを共有しておくことは大変重要だ。
実践的な内容をしっかり確実にしておく必要がある。
今回やったのは、
1)セカンドが落石があったりなどで気絶してしまった際に、引き上げる
2)宙吊り登り返し
3)けが人をサポートしながら、懸垂下降する(介助懸垂)
4)トップロープ中のザイル通過
5)懸垂下降中のザイル通過(シングルストランド)
6)荷揚げ
7)カウンターラッペル
8)ロープバスケット
9)背負い搬送で、要救助を降ろさずに、背負い担当者を交代する方法
10)チロリアンブリッジ
だ。結構、網羅した内容になった。
■ 今回学んだこと
私が去年出た岩場のレスキュー講座では、シナリオありきではなく、まず技術があってその技術を教わる形だった。
例えば、カウンターラッペルはどうするか?と発想する。そうではなくて、基本的に、危急時、ピンチのシナリオがあって、そのシナリオから発想することが、今回の講師の場合は基本にあるようだ、ということだった。
それが、山で実際に救助活動をしてきた人と、そうでない人の思考回路の差なのかもしれない。
■ 宴会
今回は、プライベートな集まりだったので、夜は宴会。レスキュー訓練後には山菜を取り、夕食でそれらの山菜を食べた。
お酒も入って、机上講習は飛ばされてしまったのが少々残念だったが、楽しみも必要だ。
考えてみると、前にいた山岳会では、二つとも、
防御の技
を山岳会の仲間と共有することが非常に難しかった。確保理論の勉強会をしようとしても、成立が困難だったし、セルフレスキューどころかビレイ技術の知識だけの程度のことでも、共有化が難しかった。机上がゼロだったからだ。
結果、防御の技がないままに山行だけが重なっていく・・・それは、怖いものだ。
介助懸垂 |
ロープ担架で吊り下げ中 |
山菜がたくさん取れた☆ |
2016/07/22
道義的責任
■ 立場は巡る
後輩の山行履歴を聞いたら、すでに山行管理が必要な領域(2級の沢)に及んでいた。
彼には、以前から、山岳会に所属するように薦めているが、会費が高いだの理由を付けて入会を渋っている。
まるで、3年前、師匠に山岳会への入会を薦められながらも渋っていた私を見るようだ。
師匠は私に山岳会への入会を薦めた。が、自分の会には入会させてくれなかった。謎だった。今は分かる。例会参加の負担が重いのだ。
アルパイン志向の会ほど、リスクが高い山行をしている。リスクが高い山行をしている会ほど、例会は頻繁だ。本格的なクライミングに特化した会などは、週に一回の例会をしている。一般的な、ハイキングを主体とする会は、月1回だ。
私は山岳会は必要だという意見だ。 これも結局は、師匠と同じ意見となった。立場は巡る。
■ 道義的責任
とりあえず、今は私が彼の直属の先輩ってことになっているので、私には、彼の行く末をきちんとみまもってやる道義的責任があるように感じている。
アイスのルートに連れて行っちゃったしね。
しかも、こりゃマズイという状況だということも聞いてしまった・・・聞いてしまって、それが安全でないと理解できる理解力が私にある以上、彼の安全について、多少道義的責任がある。
少なくとも、山行管理の必要性を説いてやるくらいの、道義的責任が。
■ 山行管理こそが山岳会のキモである
リスクが高い山行をする者にとって、山行管理は必要だ。
それは、なぜか?リスクが高いからである。それだけのリスクを取るには、リスクの補てんが必要だ。
沢登りは、あらゆる登山形態の中で、もっともリスクが高い。そのリスクは、グレードにはよらない。
が・・・というようなことに想像力が追い付いて行かないのが、若さである。
それは、強みでもある。無知は強みであるのだ。
私も、ロープワークのヒューマンエラーについて無知だったころは、三つ峠の登攀は何が難しいの?というくらいな気分で、何も怖いとは感じなかった。通常の登山で高いところが怖いと感じないのと同じことで、ふうん、という程度だった。
落下係数2の墜落について理解が深まり、ハーケンの強度について理解が深まるほど、三つ峠は怖くなった。
今では、まっとうな理解力のある大人なクライマーは行くべきじゃないのではないか?とさえ、思うくらいだ(笑)。あんな人の多い岩はあぶない。
さて、それはともかく、後輩君には、山行管理が必要だ。
■ 難しい山岳会選び
それをどう実現するか?というと、これが悩ましい。
私の知っている良き会は、長野県に集中している。 東京方面の会は知らない。友達がぶなや、九十九にいるが、埼玉方面に住む彼とは地域が違う。
会は慎重に選ばないといけない。クライミングに特化した会に入会しないと、地域山岳会では、私が経験したように会はむしろ重荷や足かせになってしまう。
しかも、山を教わるというのは、師匠と弟子の間柄のような部分があり、双方が互いに信頼している必要があるのだ。
本人が入りたい、拘束があっても、それ以上に会に属す価値がある!と思わなくてはならない。
特に、最初は教わる側が頭を垂れる必要がある。
教えてくれる人=師匠としても人だから、間違うことはある。そうしたことがあっても、この人、あるいは、この会について行きたいと思う、そういう必要がある。
例えば、会外の相手との山行は禁止、などだ。つまり、それは、会員への責任感が強いからだ。会員を守るためのもので、決して自由を奪うためのものではない。
この点については、たとえば、自分でメンバーを募っていくとなると、実際私などは、自分が一から全部教えないといけない。本チャンに行くたび、新しいメンバーを探すとなるとその繰り返しだ。
最低一回のカンタンマルチ、最低一回のゲレンデでの登攀力のすり合わせ、が必要で、一つの山行のために、トータル3回の相手とのランデブーが必要だとなると、これは大変な負担だ。
会に属せば、こんなことはしなくて済むのだ。会内の人のスキルは、よきにしろ、あしきにしろ、分かっている、ということなので。分かっていること自体がリスクヘッジなのだ。
話が逸れたが、会というもののありがたみは、教育ではなく、山行管理に凝縮されている。
そして、山行管理というマネジメントを受け入れるには、受け入れる側の納得が必要だ。
その納得が得難いのが、今の時代の問題点だ。だから、入会適期の若い岳人がいても、山岳会には所属しない人が出てきてしまう。
すると、その人は危険と隣り合わせで、誰にも探しに来てもらえないような状態でバリエーションに行かなくてはならなくなってしまう。
■ 危ない登山者になる境目
後輩君には、私の師匠となってくれた人を2名も引き合わせた。
どちらの人も、今の彼が自己完結で行ける以上の山に連れて行ってくれた。越沢バットレス、摩利支天大滝。
彼には若さがあり、誰もが山を教えてやりたいと思うから、今はつまみ食いでも、十分に楽しいだろう。
だが、早晩、つまみ食いで事故を起こし、山が遠のいてしまう。
リードフォローやロープワークはきちんと教わらないと、あいまいなままに山行歴だけが積み重なった人は、自分だけでなく、一緒に行く人を危険に陥れてしまう。
例えば、フリークライミング歴5年と言うから安心していたら、リードではヌンチャクを引っ張って登っていた。5年に見合う理解力は持っていないようだった。
同じことで万年セカンドの人は、読図ができない。すると、沢に登れても帰れない。
ぐらぐらの立木でビレイされるほうはたまったもんじゃない。いくら賢い人でも、そうならないという保証はないのだ。
そうでない、と第三者の目が言うまでは、経験者の同行が必要なのである。
後輩の山行履歴を聞いたら、すでに山行管理が必要な領域(2級の沢)に及んでいた。
彼には、以前から、山岳会に所属するように薦めているが、会費が高いだの理由を付けて入会を渋っている。
まるで、3年前、師匠に山岳会への入会を薦められながらも渋っていた私を見るようだ。
師匠は私に山岳会への入会を薦めた。が、自分の会には入会させてくれなかった。謎だった。今は分かる。例会参加の負担が重いのだ。
アルパイン志向の会ほど、リスクが高い山行をしている。リスクが高い山行をしている会ほど、例会は頻繁だ。本格的なクライミングに特化した会などは、週に一回の例会をしている。一般的な、ハイキングを主体とする会は、月1回だ。
私は山岳会は必要だという意見だ。 これも結局は、師匠と同じ意見となった。立場は巡る。
■ 道義的責任
とりあえず、今は私が彼の直属の先輩ってことになっているので、私には、彼の行く末をきちんとみまもってやる道義的責任があるように感じている。
アイスのルートに連れて行っちゃったしね。
しかも、こりゃマズイという状況だということも聞いてしまった・・・聞いてしまって、それが安全でないと理解できる理解力が私にある以上、彼の安全について、多少道義的責任がある。
少なくとも、山行管理の必要性を説いてやるくらいの、道義的責任が。
■ 山行管理こそが山岳会のキモである
リスクが高い山行をする者にとって、山行管理は必要だ。
それは、なぜか?リスクが高いからである。それだけのリスクを取るには、リスクの補てんが必要だ。
沢登りは、あらゆる登山形態の中で、もっともリスクが高い。そのリスクは、グレードにはよらない。
が・・・というようなことに想像力が追い付いて行かないのが、若さである。
それは、強みでもある。無知は強みであるのだ。
私も、ロープワークのヒューマンエラーについて無知だったころは、三つ峠の登攀は何が難しいの?というくらいな気分で、何も怖いとは感じなかった。通常の登山で高いところが怖いと感じないのと同じことで、ふうん、という程度だった。
落下係数2の墜落について理解が深まり、ハーケンの強度について理解が深まるほど、三つ峠は怖くなった。
今では、まっとうな理解力のある大人なクライマーは行くべきじゃないのではないか?とさえ、思うくらいだ(笑)。あんな人の多い岩はあぶない。
さて、それはともかく、後輩君には、山行管理が必要だ。
■ 難しい山岳会選び
それをどう実現するか?というと、これが悩ましい。
私の知っている良き会は、長野県に集中している。 東京方面の会は知らない。友達がぶなや、九十九にいるが、埼玉方面に住む彼とは地域が違う。
会は慎重に選ばないといけない。クライミングに特化した会に入会しないと、地域山岳会では、私が経験したように会はむしろ重荷や足かせになってしまう。
しかも、山を教わるというのは、師匠と弟子の間柄のような部分があり、双方が互いに信頼している必要があるのだ。
本人が入りたい、拘束があっても、それ以上に会に属す価値がある!と思わなくてはならない。
特に、最初は教わる側が頭を垂れる必要がある。
教えてくれる人=師匠としても人だから、間違うことはある。そうしたことがあっても、この人、あるいは、この会について行きたいと思う、そういう必要がある。
例えば、会外の相手との山行は禁止、などだ。つまり、それは、会員への責任感が強いからだ。会員を守るためのもので、決して自由を奪うためのものではない。
この点については、たとえば、自分でメンバーを募っていくとなると、実際私などは、自分が一から全部教えないといけない。本チャンに行くたび、新しいメンバーを探すとなるとその繰り返しだ。
最低一回のカンタンマルチ、最低一回のゲレンデでの登攀力のすり合わせ、が必要で、一つの山行のために、トータル3回の相手とのランデブーが必要だとなると、これは大変な負担だ。
会に属せば、こんなことはしなくて済むのだ。会内の人のスキルは、よきにしろ、あしきにしろ、分かっている、ということなので。分かっていること自体がリスクヘッジなのだ。
話が逸れたが、会というもののありがたみは、教育ではなく、山行管理に凝縮されている。
そして、山行管理というマネジメントを受け入れるには、受け入れる側の納得が必要だ。
その納得が得難いのが、今の時代の問題点だ。だから、入会適期の若い岳人がいても、山岳会には所属しない人が出てきてしまう。
すると、その人は危険と隣り合わせで、誰にも探しに来てもらえないような状態でバリエーションに行かなくてはならなくなってしまう。
■ 危ない登山者になる境目
後輩君には、私の師匠となってくれた人を2名も引き合わせた。
どちらの人も、今の彼が自己完結で行ける以上の山に連れて行ってくれた。越沢バットレス、摩利支天大滝。
彼には若さがあり、誰もが山を教えてやりたいと思うから、今はつまみ食いでも、十分に楽しいだろう。
だが、早晩、つまみ食いで事故を起こし、山が遠のいてしまう。
リードフォローやロープワークはきちんと教わらないと、あいまいなままに山行歴だけが積み重なった人は、自分だけでなく、一緒に行く人を危険に陥れてしまう。
例えば、フリークライミング歴5年と言うから安心していたら、リードではヌンチャクを引っ張って登っていた。5年に見合う理解力は持っていないようだった。
同じことで万年セカンドの人は、読図ができない。すると、沢に登れても帰れない。
ぐらぐらの立木でビレイされるほうはたまったもんじゃない。いくら賢い人でも、そうならないという保証はないのだ。
そうでない、と第三者の目が言うまでは、経験者の同行が必要なのである。
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